JP3547115B2 - 電磁駆動バルブ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁駆動バルブに係り、特に、内燃機関の吸気バルブまたは排気バルブを構成する機構として好適な電磁駆動バルブに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば、特開平7−335437号に開示される如く、内燃機関の吸気バルブまたは排気バルブを電気的に駆動する電磁駆動バルブが知られている。上記従来の電磁駆動バルブは、吸気バルブ又は排気バルブとして機能する弁体、弁体と一体に変位するアーマチャ、アーマチャを中立位置に付勢する一対のバネ、およびアーマチャの変位方向に配設される一対の電磁石を備えている。上記の電磁駆動バルブにおいて、電磁石に励磁電流が供給されると、アーマチャには、電磁石に向かう電磁力が作用する。従って、上記従来の電磁駆動バルブによれば、一対の電磁石に適当なタイミングで交互に励磁電流を供給することにより、弁体を開閉駆動させることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
電磁駆動バルブを適正に駆動させるためには、アーマチャを電磁石に確実に吸引および保持することが必要である。このため、上記従来の電磁駆動バルブは、弁体の作動状態に応じて電磁石に供給する励磁電流を変化させる。すなわち、所定の励磁電流に対して発生する電磁力がアーマチャを電磁石に吸引および保持するうえで不足する状況下では、励磁電流を増加させる。このため、上記従来の電磁駆動バルブによれば、アーマチャを電磁石に確実に吸引および保持するために、消費電力が増大してしまう。
【0004】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、アーマチャを確実に電磁石に吸引および保持しつつ、消費電力の低減を図ることが可能な電磁駆動バルブを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、請求項1に記載する如く、電磁コイルおよび該電磁コイルを保持するコアから構成された電磁石と、アーマチャを付勢するバネとを備え、電磁力とバネ力とを協働させることにより弁体を開閉駆動する電磁駆動バルブにおいて、
前記アーマチャが前記電磁石の近傍に到達した際に前記アーマチャと前記コアとの間に吸引力を作用させる永久磁石を、前記コアの内部に前記電磁コイルから該永久磁石の径方向厚さと軸方向長さとの比に応じた距離だけ離間して設けたことを特徴とする電磁駆動バルブにより達成される。
【0006】
本発明において、アーマチャが電磁石の近傍に到達すると、永久磁石がアーマチャとコアとの間に吸引力を作用させる。この吸引力の分だけ、電磁石が発生すべき電磁力が低減される。アーマチャを電磁石から離間させる際、電磁コイルには、アーマチャに生じた残留磁気を速やかに消滅させるべく、励磁電流とは逆方向の逆電流が供給される。電磁コイルに逆電流が供給されると、永久磁石を減磁させる向きの磁束が発生する(以下、この現象を反磁界と称す)。本発明において、永久磁石は、コア内部で電磁コイルからその永久磁石の径方向厚さと軸方向長さとの比に応じた距離だけ離間して配設されている。このため、永久磁石に作用する反磁界の強度が低減されることで、反磁界に起因する永久磁石の減磁が抑制される。従って、永久磁石の減磁を防止すべく永久磁石の厚みを大きくすることが不要となる。コア内部に設けられる永久磁石の厚みが小さく抑制されると、電磁石が発する磁束に対する磁気抵抗が低減される。その結果、電磁コイルに供給すべき励磁電流の増加が防止される。
尚、請求項2に記載する如く、請求項1記載の電磁駆動バルブにおいて、前記距離(X)は、前記径方向厚さ(D)及び前記軸方向長さ(L)を用いて以下に示す範囲に設定されていることとしてもよい。
-2.059+146.29(D/L)-826.15(D/L) 2 ≦X≦ -5.8361+216.9(D/L)-845.55(D/L) 2
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施例である電磁駆動バルブを備える内燃機関10の要部の構成図を示す。内燃機関10は、アッパヘッド12およびロアヘッド13を備えている。ロアヘッド13には、吸気ポート14および排気ポート15が形成されている。吸気ポート14には、弁座16が形成されている。同様に、排気ポート15には、弁座17が形成されている。
【0008】
アッパヘッド12およびロアヘッド13には、電磁駆動バルブ20,22が収納されている。電磁駆動バルブ20は、吸気バルブ24を備えている。一方、電磁駆動バルブ22は、排気バルブ26を備えている。吸気ポート14は、吸気バルブ24が弁座16から離座することにより燃焼室18と導通状態となり、吸気バルブ24が弁座16に着座することにより燃焼室18と遮断状態となる。同様に、排気ポート15は、排気バルブ26が弁座17から離座することにより燃焼室18と導通状態となり、排気バルブ26が弁座17に着座することにより燃焼室18と遮断状態となる。
【0009】
電磁駆動バルブ20と電磁駆動バルブ22とは、同様の構成を有している。このため、以下では、それらの代表として、電磁駆動バルブ20の構造および動作について説明する。尚、以下、吸気バルブ24を弁体24と称す。
電磁駆動バルブ20は、弁軸28を備えている。弁軸28は、弁体24と一体に設けられている。ロアヘッド13の内部には、バルブガイド30が固定されている。バルブガイド30は、弁軸28を軸方向に摺動可能に保持している。弁軸28の上端部には、ロアリテーナ32が固定されている。ロアリテーナ32の下部には、ロアスプリング34が配設されている。ロアスプリング34は、ロアリテーナ32を介して弁軸28および弁体24を、図1における上方に、すなわち、弁体24の閉弁方向に付勢している。
【0010】
弁軸28の上端面には、アーマチャ軸36の下端面が当接している。アーマチャ軸36は、非磁性材料で構成されたロッド状の部材である。アーマチャ軸36の上端部には、アッパリテーナ38が固定されている。アッパリテーナ38の上部には、アッパスプリング40が配設されている。アッパスプリング40の周囲には、円筒状のアッパキャップ42が配設されている。アッパキャップ42の上部には、アジャスタボルト44が螺着されている。
【0011】
アッパスプリング40の上端面は、座部46を介してアジャスタボルト44に当接している。アッパスプリング40は、アッパリテーナ38を介してアーマチャ軸36を図1における下方に付勢している。従って、アッパスプリング40は、弁軸28および弁体24を図1における下方に、すなわち、弁体24の開弁方向に付勢している。
【0012】
アーマチャ軸36の外周には、径方向に突起するアーマチャ保持部36aが形成されている。アーマチャ保持部36aの周囲には、アーマチャ50が接合されている。アーマチャ50は、軟磁性材料で構成された環状の部材である。
アーマチャ50の上方には、第1電磁石52が配設されている。第1電磁石52は、アッパコイル54およびアッパコア56を備えている。アッパコア56は、磁性材料で構成された円筒状の部材である。アッパコア56は、アーマチャ50と対向する面に設けられた第1環状溝56a、その反対面に設けられた第2環状溝56b、およびその中心部を軸方向に貫通する貫通孔56cを備えている。第1環状溝56aには、アッパコイル54が収納されている。第2環状溝56bには、アシスト磁石66が収納されている。貫通孔56cには、アーマチャ軸36が挿通されている。
【0013】
また、アーマチャ50の下方には、第2電磁石58が配設されている。第2電磁石58は、第1電磁石52と上下対称の構成を有している。すなわち、第2電磁石58は、ロアコイル60およびロアコア62を備えており、ロアコア62には、アーマチャ50と対向する面に第1環状溝62aが、その反対面に第2環状溝62bが、それぞれ設けられている。そして、第1環状溝62aにはロアコイル60が、第2環状溝62bにはアシスト磁石67が、それぞれ収納されている。
【0014】
アッパキャップ42は、その下端部にフランジ部42aを備えている。アッパコア56は、その上端部にフランジ部56dを備えている。アッパキャップ42のフランジ部42aは、アッパコア56のフランジ部56dを上方から覆うように配設されている。ロアコア62の下端面には、ロアキャップ64が配設されている。ロアコア62は、その下端部にフランジ部62dを備えている。ロアキャップ64は、フランジ部62dを下方から覆うように配設されている。
【0015】
アッパキャップ42のフランジ部42a、アッパヘッド12、およびロアキャップ64には、固定ボルト65が貫通して締着されている。これにより、アッパコア56とロアコア62とは、所定の間隔を隔ててアッパヘッド12の内部に固定されている。尚、上記したアジャスタボルト44は、アーマチャ50の中立位置がアッパコア56とロアコア62との間の中間点になるように調整されている。
【0016】
次に、電磁駆動バルブ20の動作について説明する。アッパコイル54およびロアコイル60に励磁電流が供給されていない場合、アーマチャ50は、アッパスプリング40とロアスプリング34との中立位置に、すなわち、アッパコア56とロアコア62との中央に維持される。かかる状態で、アッパコイル54への励磁電流の供給が開始されると、アーマチャ50とアッパコア56との間に、アーマチャ50をアッパコア56側に引き寄せる電磁力が発生する。このため、アーマチャ50は、アッパコア56に向けて変位を開始する。
【0017】
アーマチャ50がアッパコア56と当接するまで変位すると、弁体24が弁座16に着座することで、電磁駆動バルブ20は全閉状態となる。以下、アーマチャ50がアッパコア56と当接する位置を、アーマチャ50または弁体24の閉弁側変位端と称す。
弁体24が閉弁側変位端に保持されている場合、アーマチャ50は、アッパスプリング40により中立位置に向けて付勢される。かかる状況下で、アッパコイル54への励磁電流の供給が停止されると、アーマチャ50を閉弁側変位端に保持するための電磁力が消滅する。このため、アーマチャ50は、アッパスプリング40の付勢力により開弁方向、すなわち、ロアコア62に向けて変位し始める。
【0018】
尚、アッパコイル40への励磁電流の供給が停止された後にも、アーマチャ50には、ある程度の時間、残留磁気が生じている。アーマチャ50に残留磁気が生じていると、アーマチャ50とアッパコア56との間には、吸引力が作用する。この場合、アーマチャ50および弁体24を開弁方向に速やかに変位させることが困難となる。
【0019】
そこで、本実施例においては、アッパコイル54への励磁電流の供給を停止した後、所定時間、上記の励磁電流の向きと逆方向の励磁電流(以下、この電流を逆電流と称す)を供給することとしている。アッパコイル54に逆電流が供給されると、残留磁気を打ち消す向きの磁界(以下、この磁界を反磁界と称す)がアーマチャ50に作用する。アーマチャ50に反磁界が作用すると、アーマチャ50に生じている残留磁気は、速やかに消滅する。このため、アーマチャ50は、アッパコア56から速やかに離間する。従って、本実施例によれば、アーマチャ50をアッパコア56に引き寄せる吸引力が早期に消滅することで、アーマチャ50および弁体24を開弁方向に速やかに変位させることができる。
【0020】
弁体24およびアーマチャ50が開弁方向に変位する過程では、摺動摩擦に起因するエネルギ損失が生ずる。アーマチャ50が開弁方向に所定量変位した時点で、ロアコイル60に励磁電流が供給されると、アーマチャ50とロアコア62との間に、アーマチャ50をロアコア62側に引き寄せる電磁力が発生する。このため、電磁駆動バルブ20によれば、ロアコイル60に適当な励磁電流を供給することにより、上記エネルギ損失を補って、アーマチャ50を、ロアコア62に当接させるまで開弁方向に変位させることができる。アーマチャ50がロアコア62と当接するまで変位すると、電磁駆動バルブ20は全開状態となる。以下、アーマチャ50がロアコア62と当接する位置を、アーマチャ50または弁体24の開弁側変位端と称す。
【0021】
弁体24が開弁側変位端に保持された後、ロアコイル60への励磁電流の供給が停止されると、アーマチャ50を開弁側変位端に保持するための電磁力が消滅する。このため、アーマチャ50は、ロアスプリング34の付勢力により閉弁方向、すなわち、アッパコア56に向けて変位し始める。この場合、アーマチャ50を閉弁側変位端から変位させる場合と同様に、ロアコイル60には逆電流が供給される。これにより、アーマチャ50は、閉弁方向に速やかに変位を開始する。
【0022】
ところで、アーマチャ50が閉弁側変位端または開弁側変位端に接近するほど、アーマチャ50に作用するアッパスプリング40またはロアスプリング34の付勢力は大きくなる。従って、アーマチャ50を、この付勢力に抗してアッパコア56およびロアコア62に確実に吸引および保持するためには、アーマチャ50とアッパコア56との間、および、アーマチャ50とロアコア62との間に大きな吸引力を作用させることが必要である。
【0023】
本実施例の電磁駆動バルブ20は、アシスト磁石66,67を備えることで、アッパコイル54およびロアコイル60に供給する励磁電流を増大させることなく、すなわち、消費電力を増大させることなく、アーマチャ50とアッパコア56との間、又は、アーマチャ50とロアコア62との間に大きな吸引力を作用させ得る点に特徴を有している。以下、図2を参照して、本実施例の特徴部について説明する。
【0024】
図2は、本実施例の電磁駆動バルブ20において、アーマチャ50が第2電磁石58に吸引された状態を示す拡大断面図である。尚、図2は、アーマチャ50および第2電磁石58の右半分のみを示している。
図2に示す如く、第2電磁石58が備えるロアコア62は、内径ロアコア62eおよび外径ロアコア62fを備えている。内径ロアコア62eと外径ロアコア62fとは、所定のギャップを隔てて径方向に離間している。このギャップの図2中上部は上記した第1環状溝62aを構成しており、また、ギャップの図2中下部は上記した第2環状溝62bを構成している。第2環状溝62bは、その幅が第1環状溝62aの幅よりも小さくなるように構成されており、第1環状溝62aの最外径部に接続されている。アシスト磁石67は、第2環状溝62bの内部に、第1環状溝62aに収納されたロアコイル60から所定距離だけ離間して配設されている。
【0025】
アシスト磁石67は、径方向に、例えば内周側がN極、外周側がS極となるように分極されている。この分極の方向は、ロアコイル54に励磁電流が供給された際に発生する磁束の向き(図2に実線矢印で示す)とアシスト磁石67が発する磁束の向きとが一致するように設定される。
上記の構成において、アーマチャ50がロアコア62の近傍に到達すると、アシスト磁石67のN極から内径ロアコア62e,アーマチャ50,外径ロアコア62fを経てアシスト磁石67のS極に至る磁気回路(図2に破線矢印で示す)が形成される。アシスト磁石67が発する磁束がかかる磁気回路を流通すると、アーマチャ50には、ロアコア62側に引き寄せられる向きの磁気吸引力が作用する。以下、アシスト磁石67によりアーマチャ50に作用する磁気吸引力をアシスト力と称す。アシスト力は、ロアコア62とアーマチャ50との間の隙間が小さくなるにつれて大きくなる。従って、本実施例によれば、アーマチャ50が開弁側変位端に到達した状態で、アーマチャ50に大きなアシスト力を作用させることができる。
【0026】
本実施例において、アーマチャ50が開弁側変位端に保持された状態で作用するアシスト力は、その状態で作用するロアスプリング34による付勢力よりも大きな値となるように設定されている。このため、第2電磁石58によりアーマチャ50をロアコア62側に引き寄せる電磁力を発生させることなく、アーマチャ50を開弁側変位端に保持することができる。すなわち、ロアコイル60に、アーマチャ50を開弁側変位端に保持するための励磁電流を供給することは不要である。従って、本実施例によれば、弁体24を確実に開弁側変位端に保持しつつ、電磁駆動バルブ20の消費電力の低減を図ることができる。
【0027】
また、本実施例において、上述の如く、アシスト磁石67を収納する第2環状溝62bは、第1環状溝62aの最外径部に接続している。このため、本実施例においては、アシスト磁石67の表面積を大きく確保することができる。アシスト磁石67の表面積が大きいほど、アーマチャ50をロアコア62側に吸引するアシスト力は増大する。このように、本実施例によれば、アシスト磁石67を収納する第2環状溝62bを第1環状溝62aの最外径部に接続することで、より大きなアシスト力を発生させることが可能となっている。
【0028】
ところで、本実施例において、上述の如く、弁体24が開弁側変位端に保持されている状態で、弁体24の閉弁要求が生ずると、ロアコイル60に逆電流が供給される。この場合、内径ロアコア62eから第2環状溝62b,外径ロアコア62f,アーマチャ50を経て内径ロアコア62eに至る向きの反磁界が発生する。反磁界の向きはアシスト磁石67の分極の向きと逆向きであり、また、反磁界の強度はロアコイル60に近接する位置ほど増大する。
【0029】
このため、アシスト磁石67がロアコイル60に近接して設けられていると、アシスト磁石67に大きな反磁界が作用することで、アシスト磁石67は減磁され易くなる。アシスト磁石67が減磁されると、アーマチャ50をロアコア62側に吸引するアシスト力が減少する不都合が生ずる。
アシスト磁石67の減磁を防止するためには、アシスト磁石67の厚さを大きくすることが有効である。しかし、アシスト磁石67の厚さを大きくすると、内径ロアコア62eと外径ロアコア62fとの間の第2環状溝62bの幅も大きくなる。第2環状溝62bの幅が大きくなると、第2電磁石58が発生する磁束に対する磁気抵抗が増大する。この結果、ロアコイル54に供給すべき励磁電流が増大し、電磁駆動バルブ20の消費電力が増大してしまう。
【0030】
これに対して、本実施例においては、上述の如く、アシスト磁石67は、ロアコイル60から所定距離だけ離間して配設されている。アシスト磁石67がロアコイル60から離間するほど、アシスト磁石67に作用する反磁界の強度は小さくなる。本実施例において、上記の所定距離は、アシスト磁石67の厚さを必要最小限に抑制しつつ、アシスト磁石67に作用する反磁界がアシスト磁石67に減磁を生じさせない程度の大きさとなるように設定されている。
【0031】
図3は、アシスト磁石67をロアコイル60に隣接して配設した場合に、ロアコイル60に逆電流が供給されている状況下で、アシスト磁石67の偏平率H(アシスト磁石67の径方向の厚さDと軸方向の距離Lとの比D/L)と、アシスト磁石67に作用する磁界の磁束密度の径方向成分との関係をFEM磁界解析で求めた結果を示す。尚、以下、アシスト磁石67の分極により生じる磁界の向きを正方向とし、アシスト磁石67に作用する反磁界の向きを負方向とする。
【0032】
図3に示す如く、アシスト磁石67がロアコイル60に隣接して配設された場合、アシスト磁石67の偏平率Hが約0.17より小さい領域では、アシスト磁石67に作用する磁束密度は負の値となる。磁束密度が負の値となると、アシスト磁石67は減磁される。すなわち、アシスト磁石67がロアコイル60に隣接して配設された場合、アシスト磁石67の偏平率Hが小さくなると、アシスト磁石67は減磁される。
【0033】
アシスト磁石67の径方向の厚さを抑制しつつ、アシスト磁石67の減磁を防止するためには、アシスト磁石67の偏平率Hが小さい領域でアシスト磁石67に作用する磁束密度を正の値とすることが必要である。上述の如く、アシスト磁石67に作用する反磁界は、アシスト磁石67がロアコイル60から離間するほど小さくなる。従って、アシスト磁石67の偏平率Hが小さい領域においてアシスト磁石67の減磁を防止するためには、アシスト磁石67をロアコイル60から離間させることが有効である。
【0034】
図4は、アシスト磁石67の偏平率Hを変化させた場合に、アシスト磁石67の減磁を防止するために必要なアシスト磁石67とロアコイル60との間の距離X(mm)を求めた結果を示す。図4において、常温でアシスト磁石67に作用する磁界の磁束密度を正とするために必要な距離Xを実線で、また、上記のアシスト磁石67の周囲の温度上昇による磁気特性の悪化を考慮して上記の磁束密度を0.2(T)以上とするために必要な距離Xを一点鎖線で、それぞれ示す。
【0035】
図4に実線で示す、常温においてアシスト磁石67の減磁を防止するために必要なアシスト磁石67とロアコイル60との間の距離Xは、次式により表される。
X = −2.059 + 146.29 (D/L) − 826.15 (D/L) 2 ・・・(1)
図4に実線で示す如く、アシスト磁石67の偏平率Hが小さくなるほど、アシスト磁石67とロアコイル60との間に大きな距離Xが必要となる。しかし、アシスト磁石67の偏平率Hが小さくなるほど、そのようなアシスト磁石67を製造することは困難となる。このため、アシスト磁石67は、ある程度の偏平率Hを有していることが必要である。また、アシスト磁石67とロアコイル60との間の距離Xを大きくする場合、ロアコア62の体格が増大する。
【0036】
また、図4に一点鎖線で示す、温度上昇時においてアシスト磁石67の減磁を防止するために必要な距離Xは、次式により表される。
X = −5.8361 + 216.9 (D/L) − 845.55 (D/L) 2 ・・・(2)
図4に一点鎖線で示す如く、アシスト磁石67の周囲が高温である場合にアシスト磁石67の減磁を防止するためには、常温の場合に比して、アシスト磁石67とロアコイル60との間に大きな距離Xが必要となる。このため、アシスト磁石67の周囲の温度に応じて、アシスト磁石67とロアコイル60との間の距離Xを設定する必要がある。
【0037】
このように、アシスト磁石67とロアコイル60との間の距離Xは、使用温度条件を考慮したうえで、ロアコア62の体格が過度に増大しない範囲内で、最小の偏平率Hが確保できるように、次式(3)に示す範囲内で設定されることとなる。
−2.059 + 146.29 (D/L) − 826.15 (D/L) 2 ≦ X ≦ −5.8361 + 216.9 (D/L) − 845.55 (D/L) 2・・・(3)
従って、本実施例によれば、アシスト磁石67を、ロアコイル60から上述の如く設定された距離だけ離間して配設することにより、アシスト磁石67の厚さを増大させることなく、アシスト磁石67の減磁を防止することができる。このため、本実施例によれば、アシスト磁石67の減磁を有効に防止しつつ、電磁駆動バルブ20の消費電力の増大を抑制することができる。
【0038】
尚、以上は、第2電磁石58側について説明したが、第1電磁石52でも、アシスト磁石66がアッパコイル54から離間して設けられていることで、上記と同様の効果を得ることができる。
また、本実施例において、アッパコイル54とアシスト磁石66との間、および、ロアコイル60とアシスト磁石67との間を離間させることとしても、アシスト磁石66,67によりアーマチャ50に流通する磁束の大きさは変化しない。従って、アーマチャ50に作用するアシスト力も変化しない。すなわち、コイル54,60とアシスト磁石66との間を離間させることとしても、アッパコイル54およびロアコイル60に供給すべき励磁電流が増加することはない。
【0039】
図5は、内燃機関10の回転数が例えば800rpmである場合にアッパコイル54またはロアコイル60に供給すべき励磁電流の電力の内訳、すなわち、(I)アーマチャ50を開弁側変位端または閉弁側変位端に保持すべく供給される励磁電流の電力(保持電力)、(II)アーマチャ50を開弁側変位端または閉弁側変位端に向けて吸引すべく供給される励磁電流の電力(吸引電力)、および(III)アーマチャ50を開弁側変位端または閉弁側変位端から閉弁方向または開弁方向に離間させるべく供給される励磁電流の電力(離間電力)の割合を、アシスト磁石が設けられていない電磁駆動バルブ(A)と、アシスト磁石66,67が設けられた本実施例の電磁駆動バルブ20(B)とで比較した図を示す。
【0040】
本実施例において、アーマチャ50がアッパコア56またはロアコア62の近傍に到達すると、アーマチャ50には、上記したアシスト力が作用する。このため、本実施例の電磁駆動バルブ20では、アシスト磁石が設けられない場合に比して、吸引電力が低減される(図5に示す領域II)。
また、本実施例において、上述の如く、アーマチャ50が開弁側変位端または閉弁側変位端に保持された状態で作用するアシスト力は、その状態で作用するアッパスプリング40またはロアスプリング34による付勢力よりも大きな値となるように設定されている。このため、本実施例の電磁駆動バルブ20では、図5(B)に示す如く、保持電力はゼロとなる。
【0041】
一方、本実施例において、アーマチャ50をアッパコア56またはロアコア62から離間させるためには、アーマチャ50に、上記したアシスト力を打ち消すだけの電磁力を作用させる必要がある。このため、本実施例の電磁駆動バルブ20では、アーマチャ50を開弁側変位端または閉弁側変位端から離間させるために、アシスト磁石67が設けられていない場合に比して大きな逆電流をアッパコイル54またはロアコイル60に供給する必要があり、その分だけ離間電力は増大する(図5に示す領域III)。
【0042】
しかしながら、アーマチャ50が開弁側変位端または閉弁側変位端から変位する場合、アーマチャ50には、アッパスプリング40またはロアスプリング34によって中立位置に向かう付勢力が作用する。このため、アーマチャ50を開弁側変位端または閉弁側変位端から変位させるために必要な逆電流は、アーマチャ50を開弁側変位端または閉弁側変位端に向けて吸引するために必要な電流に比して小さい。すなわち、離間電力は吸引電力よりも十分に小さい。従って、アッパコア56およびロアコア62の内部にアシスト磁石66,67が設けられることにより、離間電力が増大しても、全体として、電磁駆動バルブ20の消費電力を低減することが可能となっている。
【0043】
図6は、内燃機関の各回転数について上記図5と同様の解析を行うことにより、回転数(rpm)と平均消費電力(W)との関係を求めた結果を示す。図6においては、本実施例の電磁駆動バルブ20における結果を実線で、また、アシスト磁石が設けられていない電磁駆動バルブにおける結果を点線で、それぞれ示している。
【0044】
図6に示す如く、内燃機関10の回転数が上昇すると、電磁駆動バルブ20の開閉駆動の頻度の増加に伴って、電磁駆動バルブ20の消費電力は増大する。しかし、本実施例の電磁駆動バルブ20によれば、いずれの回転数においても、アシスト磁石が設けられない場合に比して、消費電力の低減が図られていることがわかる。
【0045】
また、本実施例において、アッパコイル54およびロアコイル60に供給される励磁電流は、スイッチング素子をデューティ駆動することにより制御される。スイッチング素子のオン・オフ状態が切り替えられる際には、スイッチングロスにより電気エネルギの一部が熱エネルギとして消費される。このため、スイッチングロスによるエネルギ損失を低減するためには、スイッチング素子のオン・オフ状態の切り替え頻度を抑制することが望ましい。
【0046】
これに対して、本実施例において、アーマチャ50が開弁側変位端または閉弁側変位端に保持されている状態では、上述の如く、アッパコイル54およびロアコイル60に励磁電流は供給されない。このため、本実施例において、アーマチャ50が開弁側変位端または閉弁側変位端に保持されている状態でスイッチング素子のオン・オフ状態が切り替わらないことで、全体としてその切り替え頻度は抑制される。従って、本実施例によれば、スイッチングロスによるエネルギ損失を低減することができると共に、スイッチング素子の周辺の発熱を抑制することが可能となる。
【0047】
尚、上記の実施例においては、アッパコイル54およびロアコイル60が前記請求項1記載の「電磁コイル」に、アッパスプリングおよびロアスプリングが前記請求項1記載の「バネ」に、アシスト磁石66,67が前記請求項1記載の「永久磁石」に、それぞれ相当している。
また、上記の実施例においては、電磁駆動バルブ20がアーマチャ50の上下両側に電磁石およびスプリングを備えるものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、電磁石およびスプリングをそれぞれアーマチャ50の片側にのみ備える構成としてもよい。
【0048】
【発明の効果】
上述の如く、本発明によれば、コア内部に永久磁石を設けることによりコアとアーマチャとの間に磁気吸引力を作用させることができると共に、永久磁石をコイルから離間して設けることにより永久磁石の厚みを大きくすることなく永久磁石の減磁を防止することができる。従って、本発明によれば、電磁駆動バルブの消費電力を有効に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である電磁駆動バルブを備える内燃機関の要部の構成図である。
【図2】本発明の一実施例である電磁駆動バルブにおいて、アーマチャが電磁石に吸引された状態を示す拡大断面図である。
【図3】永久磁石を電磁コイルに隣接して配設した場合に、電磁コイルに逆電流が供給されている状況下で、永久磁石の偏平率H(永久磁石の径方向の厚さDと軸方向の距離Lとの比D/L)と、永久磁石に作用する磁界の磁束密度の径方向成分との関係をFEM磁界解析で求めた結果である。
【図4】永久磁石の偏平率Hを変化させた場合に、永久磁石の減磁を防止するために必要な永久磁石と電磁コイルとの間の距離X(mm)を求めた結果である。
【図5】内燃機関の回転数が800rpmである場合に電磁コイルに供給すべき励磁電流の電力の内訳、すなわち、保持電力(I)、吸引電力(II)、および離間電力(III)の割合を、永久磁石が設けられていない電磁駆動バルブと、永久磁石が設けられた電磁駆動バルブとで比較した図である。
【図6】内燃機関の各回転数における電磁コイルに供給する励磁電流の平均電力を解析した結果を、コア内部に永久磁石が設けられていない電磁駆動バルブと、永久磁石が設けられた電磁駆動バルブとで比較した図である。
【符号の説明】
20,22 電磁駆動バルブ
24 吸気バルブ(弁体)
50 アーマチャ
60 ロアコイル
62 ロアコア
62b 第2環状溝
66,67 アシスト磁石
Claims (2)
- 電磁コイルおよび該電磁コイルを保持するコアから構成された電磁石と、アーマチャを付勢するバネとを備え、電磁力とバネ力とを協働させることにより弁体を開閉駆動する電磁駆動バルブにおいて、
前記アーマチャが前記電磁石の近傍に到達した際に前記アーマチャと前記コアとの間に吸引力を作用させる永久磁石を、前記コアの内部に前記電磁コイルから該永久磁石の径方向厚さと軸方向長さとの比に応じた距離だけ離間して設けたことを特徴とする電磁駆動バルブ。 - 前記距離(X)は、前記径方向厚さ(D)及び前記軸方向長さ(L)を用いて以下に示す範囲に設定されていることを特徴とする請求項1記載の電磁駆動バルブ。
-2.059+146.29(D/L)-826.15(D/L) 2 ≦X≦ -5.8361+216.9(D/L)-845.55(D/L) 2
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