JP2000008817A - 電磁駆動バルブ - Google Patents

電磁駆動バルブ

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JP2000008817A
JP2000008817A JP10173294A JP17329498A JP2000008817A JP 2000008817 A JP2000008817 A JP 2000008817A JP 10173294 A JP10173294 A JP 10173294A JP 17329498 A JP17329498 A JP 17329498A JP 2000008817 A JP2000008817 A JP 2000008817A
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armature
magnet
valve body
fixed
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Hiroyuki Hattori
宏之 服部
Takashi Deo
隆志 出尾
Masahiko Asano
昌彦 浅野
Tatsuo Iida
達雄 飯田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、内燃機関の吸気弁または排気弁と
して機能する電磁駆動バルブに関し、消費電力の増大を
招くことなく、弁体が変位端に到達する際の弁体の変位
速度を低減することを目的とする。 【解決手段】 電磁駆動バルブ10は、弁体12と一体
に変位するアーマチャ軸22、アーマチャ軸22に固定
されたアーマチャ34、およびアーマチャ34の上下に
配設されたアッパ電磁石36およびロア電磁石38を備
える。アーマチャ軸22の上端部および下端部に可動磁
石60,66が固定される。アーマチャ34が開弁端ま
たは閉弁端に到達した状態で、可動磁石60,66に対
して外周面に正面から対向するように固定磁石62,6
8が配置される。可動磁石60と固定磁石62、およ
び、可動磁石66と固定磁石68は、同極どうしが径方
向に対向するように分極される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁駆動バルブに
係り、特に、内燃機関の吸気弁または排気弁として好適
な電磁駆動バルブに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、特開平6−1292
19号に開示される如く、内燃機関の吸気弁または排気
弁を電気的に開閉させる装置が知られている。上記従来
の装置は、弁体、弁バネ、駆動機構、および一対の磁石
を備えている。弁体は、弁バネにより閉弁方向に付勢さ
れている。駆動機構は、弁体を開弁方向に変位させる駆
動力を発生する。また、一対の磁石は、弁体側と弁座側
とに、弁体の変位方向に同極どうしが対向するように設
けられている。このため、一対の磁石は、弁体が閉弁端
に到達する直前に弁体を開弁方向に付勢する反発力を発
生する。
【0003】従って、上記の構成によれば、駆動機構を
適当に制御することで弁体を適正に開閉駆動させること
ができると共に、磁石が発する反発力により弁体が閉弁
端に到達する際の変位速度を低減することができる。こ
のため、上記従来の装置によれば、大きな作動音を発生
させることなく、弁体を適正に開閉駆動させることがで
きる。
【0004】ところで、従来より、内燃機関の吸気弁ま
たは排気弁を電気的に開閉させる機構として、電磁駆動
バルブが知られている。電磁駆動バルブは、弁体と共に
変位するアーマチャ、アーマチャを中立位置に付勢する
弾性体、およびアーマチャの上下に配設される電磁石を
備えている。電磁石は、電磁コイルと当該電磁コイルを
保持するコアとから構成されている。上記の電磁駆動バ
ルブによれば、アーマチャの上下に配設される電磁石が
交互に電磁力を発生することにより、弁体を開閉駆動さ
せることが可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の電磁駆動バルブ
において優れた静粛性を確保するためには、上記従来の
装置の場合と同様に、弁体が変位端に到達する時点、す
なわち、アーマチャがコアに当接する時点で、弁体の変
位速度が低速であることが望ましい。電磁駆動バルブの
弁体の変位速度を低減するためには、上記従来の装置と
同様に、弁体が変位端に到達する直前から弁体の変位方
向と逆向きの反発力を発生する磁石を設けることが有効
である。
【0006】しかし、上述の磁石は、弁体が変位端に到
達する過程で弁体の変位方向と逆向きの反発力を発生す
るのみならず、弁体が変位端に保持される間も常に逆向
きの反発力を発生する。電磁駆動バルブの弁体を、この
ような反発力に抗して変位端に保持するためには、アー
マチャと電磁石との間に大きな電磁力を発生させること
が必要となる。このため、電磁駆動バルブの弁体の変位
速度を低減するために上述の磁石を用いた場合には、消
費電力が増大してしまう。
【0007】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、消費電力の増大を招くことなく、アーマチャが
コアに当接する際に弁体の変位速度を低減することが可
能な電磁駆動バルブを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、電磁コイルおよび該電磁コイルを保持
するコアから構成された電磁石と、弁体と共に変位する
アーマチャと、前記アーマチャを付勢する弾性体とを備
え、電磁力と弾性力とを協働させることにより前記弁体
を開閉駆動する電磁駆動バルブにおいて、前記弁体と共
に変位する第1の磁石と、前記アーマチャが前記コアに
当接した位置で、前記第1の磁石と、前記弁体の開閉方
向と直交する向きに同極どうしが対向するように、前記
コアに対して固定された第2の磁石と、を備えることを
特徴とする電磁駆動バルブにより達成される。
【0009】本発明において、第1の磁石と第2の磁石
とは、弁体の開閉方向と直交する向きに同極どうしが対
向するように分極されている。このため、アーマチャが
電磁石の近傍に到達すると、第1の磁石と第2の磁石と
の間には、アーマチャとコアとを弁体の変位方向に離間
させる向きの反発力が作用する。この反発力により、ア
ーマチャが電磁石に到達する際の変位速度は低減され
る。また、アーマチャが電磁石に到達した後、第1の電
磁石と第2の電磁石との同極どうしが、弁体の開閉方向
と直交する向きに対向する。この場合、第1の磁石と第
2の磁石との間には、弁体の変位方向に垂直な方向にの
み反発力が作用し、弁体の変位方向には反発力は作用し
ない。このため、アーマチャが電磁石に到達した後、ア
ーマチャを電磁石に保持するために電磁コイルに供給す
る励磁電流を増大させることが不要となる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1実施例であ
る電磁駆動バルブ10の全体構成図を示す。電磁駆動バ
ルブ10は、内燃機関の吸気弁または排気弁として機能
する弁機構である。電磁駆動バルブ10は、弁体12を
備えている。弁体12は、内燃機関のポートを開閉すべ
く、燃焼室に露出するように配設される。弁体12は、
図1における上方へ変位することによりポートと燃焼室
とを遮断状態とし、図1における下方へ変位することに
よりポートと燃焼室とを導通状態とする。
【0011】弁体12には、弁軸14が一体に設けられ
ている。弁軸14は、バルブガイド16により軸方向に
摺動可能に保持されている。弁軸14の上端部には、ロ
アリテーナ18が固定されている。ロアリテーナ18の
下部には、ロアスプリング20が配設されている。ロア
スプリング20は、ロアリテーナ18を介して弁軸14
および弁体12を、図1における上方に、すなわち、閉
弁方向に付勢している。
【0012】弁軸14の上端面には、アーマチャ軸22
の下端面が当接している。アーマチャ軸22は、非磁性
材料で構成されたロッド状の部材である。アーマチャ軸
22の上端部には、アッパリテーナ24が固定されてい
る。アッパリテーナ24の上部には、アッパスプリング
26が配設されている。アッパスプリング26の周囲に
は、円筒状のアッパキャップ28が配設されている。ア
ッパキャップ28の上部には、アジャスタボルト30が
螺着されている。
【0013】アッパスプリング26の上端面は、座部3
2を介してアジャスタボルト30に当接している。アッ
パスプリング26は、アッパリテーナ24を介してアー
マチャ軸22を図1における下方へ付勢している。従っ
て、アッパスプリング26は、弁軸14および弁体12
を、図1における下方に、すなわち、開弁方向に付勢し
ている。
【0014】アーマチャ軸22には、アーマチャ34が
接合されている。アーマチャ34は、軟磁性材料で構成
された環状の部材である。アーマチャ34の上方には、
アッパ電磁石36が配設されている。また、アーマチャ
34の下方には、ロア電磁石38が配設されている。ア
ッパ電磁石36は、アッパコア40およびアッパコイル
42を備えている。また、ロア電磁石38は、ロアコア
44およびロアコイル46を備えている。アッパコア4
0およびロアコア44は、磁性材料で構成された円柱状
の部材である。
【0015】アッパコア40およびロアコア44は、ア
ーマチャ34と対向する面に形成された環状溝40a,
44aを備えている。環状溝40a,44aには、アッ
パコイル42またはロアコイル46が収納されている。
アッパコア40およびロアコア44は、また、その中心
部を軸方向に貫通する貫通孔40b,44bを備えてい
る。貫通孔40b,44bの内周には、軸受け48,4
9が設けられている。アーマチャ軸22は、貫通孔40
b,44bを貫通し、軸受け48,49により軸方向に
摺動可能に保持されている。
【0016】アッパキャップ28は、その下端部にフラ
ンジ部28aを備えている。アッパコア40は、その上
端部にフランジ部40cを備えている。アッパキャップ
28のフランジ部28aは、アッパコア40のフランジ
部40cを上方から覆うように配設されている。アッパ
キャップ28のフランジ部28aとアッパコア40のフ
ランジ部40cとの間には、シム50が配設されてい
る。シム50は、環状の薄肉部材である。
【0017】ロアコア44の下方には、ロアキャップ5
2が配設されている。ロアコア44は、その下端部にフ
ランジ部44cを備えている。ロアキャップ52は、ロ
アコア44のフランジ部44cを下方から覆うように配
設されている。ロアキャップ52とロアコア44のフラ
ンジ部44cとの間には、シム54が配設されている。
シム54は、シム50と同様に、環状の薄肉部材であ
る。
【0018】アッパキャップ28のフランジ部28a、
シム50、およびアッパコア40のフランジ部40cを
貫通して固定ボルト56が締着され、かつ、ロアキャッ
プ52、シム54、およびロアキャップ52を貫通して
固定ボルト58が締着されることにより、アッパコア4
0とロアコア44とは、所定の間隔を隔ててシリンダヘ
ッドの内部に固定されている。尚、上記したアジャスタ
ボルト30は、アーマチャ34の中立位置がアッパコア
40とロアコア44との間の中間点となるように調整さ
れている。
【0019】アーマチャ軸22の上端部近傍には、可動
磁石60が固定されている。また、アッパキャップ28
の内周には、環状の固定磁石62が固定されている。固
定磁石62は、可動磁石60とほぼ同じ厚さを有し、か
つ、可動磁石60の外径に比して大きな内径を有してい
る。固定磁石62は、アーマチャ34がロアコア44に
当接した状態でその内周面が可動磁石60の外周面に正
面から対向するように配置されている。可動磁石60と
固定磁石62とは、同極どうしが径方向に対向するよう
に分極されている。すなわち、例えば、可動磁石60
は、径方向に、内周側がS極に、外周側がN極になるよ
うに分極されており、固定磁石62は、径方向に、内周
側がN極に、外周側がS極になるように分極されてい
る。以下、可動磁石60および固定磁石62をダンパ機
構64と称す。
【0020】また、アーマチャ軸22の下端部近傍に
は、可動磁石66が固定されている。また、ロアキャッ
プ52の内周には、可動磁石66とほぼ同一の厚さを有
し、かつ、可動磁石66の外径に比して大きな内径を有
する環状の固定磁石68が固定されている。固定磁石6
8は、アーマチャ34がアッパコア40に当接した状態
でその内周面が可動磁石66の外周面に正面から対向す
るように配置されている。可動磁石66と固定磁石68
とは、可動磁石60と固定磁石62との場合と同様に同
極どうしが径方向に対向するように分極されている。以
下、可動磁石66および固定磁石68をダンパ機構70
と称す。
【0021】次に、電磁駆動バルブ10の動作について
説明する。アッパコイル42およびロアコイル46に励
磁電流が供給されていない場合、アーマチャ34は、ア
ッパスプリング26とロアスプリング20との中立位置
に、すなわち、アッパコア40とロアコア44との中央
に維持される。かかる状態で、アッパコイル42への励
磁電流の供給が開始されると、アーマチャ34とアッパ
コア40との間に、アーマチャ34をアッパコア40側
に引き寄せる電磁吸引力が発生する。このため、アーマ
チャ34は、アッパコア40に向けて変位を開始する。
【0022】アーマチャ34がアッパコア40と当接す
るまで変位すると、弁体12が弁座に着座することで、
電磁駆動バルブ10は全閉状態となる。以下、アーマチ
ャ34がアッパコア40と当接する位置を、アーマチャ
34または弁体12の閉弁端と称す。弁体12が閉弁端
に保持されている場合、アーマチャ34は、アッパスプ
リング26により中立位置に向けて付勢される。かかる
状況下で、アッパコイル42への励磁電流の供給が停止
されると、アーマチャ34を閉弁端に保持するための電
磁吸引力が消滅する。このため、アーマチャ34は、ア
ッパスプリング26の付勢力により開弁方向に、すなわ
ち、ロアコア44に向けて変位し始める。
【0023】アーマチャ34が開弁方向に所定量変位し
た時点で、ロアコイル46に励磁電流が供給されると、
アーマチャ34とロアコア44との間に、アーマチャ3
4をロアコア44側に引き寄せる電磁吸引力が発生す
る。このため、アーマチャ34は、ロアコア44と当接
するまで開弁方向に変位することができる。アーマチャ
34がロアコア44と当接するまで変位すると、電磁駆
動バルブ10は全開状態となる。以下、アーマチャ34
がロアコア44と当接する位置を、アーマチャ34また
は弁体12の開弁端と称す。
【0024】弁体12が開弁端に保持された後、ロアコ
イル46への励磁電流の供給が停止されると、アーマチ
ャ34を開弁端に保持するための電磁吸引力が消滅す
る。このため、アーマチャ34は、ロアスプリング20
の付勢力により閉弁方向に、すなわち、アッパコア40
に向けて変位し始める。従って、電磁駆動バルブ10に
よれば、アッパコイル42およびロアコイル46に適当
に励磁電流を供給することで、弁体12を開弁端と閉弁
端との間で開閉駆動させることができる。
【0025】ところで、弁体12およびアーマチャ34
が開弁端または閉弁端に到達する際には、弁体12の着
座音や、アーマチャ34とロアコア44またはアッパコ
ア40との間の当接音が発生する。電磁駆動バルブ10
において優れた静粛性を得るためには、弁体12やアー
マチャ34が開弁端または閉弁端に到達する際にそれら
の変位速度を低減させることが有効である。
【0026】弁体12およびアーマチャ34の変位速度
を低減する手法として、一対の磁石を、弁体12側とア
ッパコア40側またはロアコア44側とに同極どうしが
弁体12の開閉方向に対向するように設けることが考え
られる。かかる磁石が設けられれば、弁体12およびア
ーマチャ34が開弁端または閉弁端の近傍に到達した後
に閉弁方向または開弁方向に反発力を発生させることが
できる。このため、上記の手法によれば、弁体12やア
ーマチャ34が開弁端または閉弁端に到達する際に変位
速度を低減させることができる。
【0027】しかしながら、この手法を用いて、弁体1
2やアーマチャ34の変位速度を低減させることによれ
ば、弁体12およびアーマチャ34を開弁端または閉弁
端に保持するために、アーマチャ34とアッパコア40
との間およびアーマチャ34とロアコア44との間に、
上記の磁石の反発力に対向する大きな電磁吸引力を作用
させることが必要となる。このため、上記の手法では、
電磁駆動バルブ10の消費電力の増大を招くこととな
る。
【0028】これに対して、本実施例の電磁駆動バルブ
10は、消費電力の増大を招くことなく、弁体12が開
弁端または閉弁端に到達する際の変位速度を有効に低減
し得る点に特徴を有している。以下、図1と共に図2を
参照して、上記の特徴部について説明する。本実施例に
おいて、上述の如く、可動磁石60,66と固定磁石6
2,68とは、アーマチャ34が開弁端または閉弁端に
到達した際に互いに径方向に対向するように配置されて
いると共に、同極どうしが径方向に対向するように分極
されている。かかる分極方向によれば、可動磁石60,
66が発する磁束の向きと固定磁石62,68が発する
磁束の向きとがそれぞれ逆向きになる。
【0029】このため、上記の構成によれば、アーマチ
ャ34が開弁端の近傍に到達すると、可動磁石60と固
定磁石62との間に開弁方向への弁体12の変位を妨げ
る反発力が作用すると共に、アーマチャ34が閉弁端の
近傍に到達すると、可動磁石66と固定磁石68との間
に閉弁方向への弁体12の変位を妨げる反発力が作用す
る。以下、これらの弁体12の変位を妨げる向きの反発
力をダンパ反力と称す。
【0030】弁体12が開弁方向に変位する場合、ダン
パ反力は、可動磁石60が固定磁石62に近づくにつれ
て大きくなり、固定磁石62の上端面と可動磁石60の
下端面とが軸方向に一致する場合に最大となる。本実施
例において、ダンパ反力は、ロア電磁石38によりアー
マチャ34に作用する電磁吸引力よりも小さい値に設定
されている。このため、弁体12およびアーマチャ34
は、可動磁石60と固定磁石62との間にダンパ反力が
作用した後も、そのダンパ反力を受けることによって減
速しながら開弁端まで変位を継続する。
【0031】このように、本実施例によれば、アーマチ
ャ34が開弁端の近傍に到達した後、弁体12の変位速
度を低減することができる。従って、本実施例の電磁駆
動バルブ10によれば、アーマチャ34が開弁端に到達
する際に生じる作動音を抑制することができる。同様
に、弁体12が閉弁方向に変位する場合にも、可動磁石
66と固定磁石68との間に作用するダンパ反力によ
り、アーマチャ34が閉弁端に到達する際に生じる作動
音を抑制することができる。このように、本実施例の電
磁駆動バルブ10によれば、アーマチャ34が開弁端ま
たは閉弁端に到達する場合に生じる作動音を抑制するこ
とができる。
【0032】図2は、本実施例の電磁駆動バルブ10が
備えるアーマチャ34が開弁端に到達した時点で実現さ
れるダンパ機構64の状態を示す。図2に示す如く、ア
ーマチャ34が開弁端に到達すると、可動磁石60と固
定磁石62とが径方向に正面に対向する。この場合、可
動磁石60および固定磁石62には、互いを径方向に離
間させる向きの反発力が作用するものの、弁体12の開
弁を妨げる向きの反発力は作用しない。すなわち、アー
マチャ34が開弁端に到達すると、ダンパ反力はゼロと
なる。
【0033】このため、弁体12を開弁端に保持する場
合、ダンパ反力に抗すべく、アーマチャ34に作用させ
る電磁吸引力を増加させる必要がない。従って、本実施
例によれば、消費電力を増大させることなく、弁体12
を開弁端に保持することができる。同様に、アーマチャ
34が閉弁端に到達した場合にも、可動磁石66と固定
磁石68とが径方向に正面に対向することで、ダンパ反
力はゼロとなる。このため、本実施例によれば、消費電
力を増大させることなく、弁体12を閉弁端に保持する
ことができる。このように、本実施例の電磁駆動バルブ
10によれば、消費電力を増大させることなく、弁体1
2を確実に開弁端または閉弁端に保持することができ
る。
【0034】図3は、電磁駆動バルブの動作を、ダンパ
機構64,70が設けられていない電磁駆動バルブ(以
下、対比バルブと称す)とダンパ機構64,70が設け
られている本実施例の電磁駆動バルブ10とで比較した
図を示す。図3(A)は、電磁駆動バルブのロアコイル
46に供給する励磁電流の指令値Iのタイムチャートを
示す。図3(B)は、アーマチャ34とロアコア44と
の間に生じる吸引力Fを、対比バルブ(図中に破線で示
すパターン)の場合と電磁駆動バルブ10(図中実線で
示すパターン)の場合とで比較した図を示す。また、図
3(C)は、電磁駆動バルブの弁体12の変位Xを、対
比バルブ(図中に破線で示すパターン)の場合と電磁駆
動バルブ10(図中実線で示すパターン)の場合とで比
較した図を示す。
【0035】図3(A)に示す如く、弁体12が開弁端
に向けて変位する過程では、ロアコイル46に供給する
指令電流Iは、吸引電流IA に制御される。また、指令
電流Iは、アーマチャ34が開弁端の近傍に到達すると
遷移電流IM を経て、開弁端に到達した時点で保持電流
IH まで減少される。尚、弁体12が閉弁端に向かう場
合にアッパコイル42に供給する指令電流も、上記のロ
アコイル46の場合と同様に制御される。
【0036】図3(B)に一点鎖線で示す如く、本実施
例の電磁駆動バルブ10において、アーマチャ34が開
弁端の近傍に到達すると、弁体12には、開弁方向への
変位を妨げる向きにダンパ機構64が発するダンパ反力
が作用する。このため、同図に実線で示す如く、アーマ
チャ34が開弁端の近傍に到達した後、弁体12および
アーマチャ34に作用する開弁方向への吸引力は、同図
に破線で示す対比バルブの場合に比して小さくなる。従
って、電磁駆動バルブ10において、アーマチャ34が
開弁端の近傍に到達した後、弁体12の変位速度は、対
比バルブの場合に比して小さくなる。このため、上述の
如く、アーマチャ34がロアコア44に当接する際の当
接音が小さく抑制されることで、電磁駆動バルブ10の
静粛性が向上する。
【0037】また、図3(C)に破線で示す如く、対比
バルブでは、アーマチャ34が高い速度でロアコア44
に当接するために、開弁端で弁体12およびアーマチャ
34の跳ね返りが生じている。このため、対比バルブで
は、弁体12およびアーマチャ34の跳ね返りが生じた
場合にアーマチャ34をロアコア44側に再度引き寄せ
る電磁吸引力を発生させることが必要となる。
【0038】これに対して、本実施例では、弁体12の
変位速度が小さく抑制されることで、図3(C)に実線
で示す如く、開弁端での弁体12およびアーマチャ34
の跳ね返りが防止される。同様に、弁体12が閉弁端に
到達した際にも、弁体12およびアーマチャ34の跳ね
返りが防止される。弁体12およびアーマチャ34の跳
ね返りが防止されれば、跳ね返ったアーマチャ34を引
き寄せるための電磁吸引力を発生させることが不要とな
る。従って、本実施例によれば、消費電力の増大を招く
ことなく、弁体12を確実に開弁端または閉弁端に保持
することができる。
【0039】ところで、上述の如く、本実施例におい
て、アッパキャップ28のフランジ部28aとアッパコ
ア40のフランジ部40cとの間、および、ロアキャッ
プ52とロアコア44のフランジ部44cとの間には、
それぞれシム50,54が配設されている。アッパキャ
ップ28とアッパコア40との間の相対位置、および、
ロアキャップ52とロアコア44との間の相対位置は、
シム50,54の軸方向の厚みに応じて変動する。
【0040】従って、本実施例によれば、シム50,5
4の軸方向の厚みを変化させることで、アーマチャ34
がロアコア44に当接する際に可動磁石60と固定磁石
62とが径方向に正面に対向するように、また、アーマ
チャ34がアッパコア40に当接する際に可動磁石66
と固定磁石68とが径方向に正面に対向するように、固
定磁石62,68の軸方向の位置を調整することができ
る。このため、本実施例によれば、アーマチャ34が開
弁端または閉弁端で保持される場合に可動磁石60,6
2に作用するダンパ反力を確実にゼロとすることが可能
となる。
【0041】尚、上記の実施例においては、アッパコイ
ル42およびロアコイル46が請求項に記載した「電磁
コイル」に、アッパコア40およびロアコア44が請求
項に記載した「コア」に、アッパ電磁石36およびロア
電磁石38が請求項に記載した「電磁石」に、アッパス
プリング26およびロアスプリング20が請求項に記載
した「弾性体」に、可動磁石60,66が請求項に記載
した「第1の磁石」に、固定磁石62,68が請求項に
記載した「第2の磁石」に、それぞれ相当している。
【0042】ところで、上記の実施例においては、可動
磁石60,66をアーマチャ軸22に固定しているが、
本発明はこれに限定されるものではなく、可動磁石6
0,66を弁体12と共に変位する弁軸14に固定する
こととしてもよい。また、上記の実施例においては、固
定磁石62,68がアッパキャップ28およびロアキャ
ップ52にそれぞれ固定されているが、本発明はこれに
限定されるものではなく、固定磁石62,68がアッパ
コア40またはロアコア44に対して固定されていれば
よい。
【0043】また、上記の実施例においては、可動磁石
60,66の軸方向の厚さと固定磁石62,68の軸方
向の厚さが一致するように形成されているが、本発明は
これに限定されるものではなく、それぞれの厚さを異な
るものとしてもよい。この場合、シム50,54の軸方
向の厚みを変化させることで、アーマチャ34がロアコ
ア44に当接した状態で可動磁石60の軸方向の中心線
が固定磁石62の軸方向の中心線に一致するように、ま
た、アーマチャ34がアッパコア40に当接した状態で
可動磁石66の軸方向の中心線が固定磁石68の軸方向
の中心線に一致するように、固定磁石62,62の軸方
向の位置が調整されていればよい。
【0044】次に、上記図1と共に図4を参照して、本
発明の第2実施例について説明する。本実施例の電磁駆
動バルブ80は、上記第1実施例の電磁駆動バルブ10
において、可動磁石60とアッパリテーナ24、およ
び、可動磁石66とロアリテーナ18を、それぞれ一体
化した構成を有している。図4は、本発明の第2実施例
である電磁駆動バルブ80のアッパ電磁石36側の要部
断面図を示す。尚、図4において、上記図1に示す構成
部分と同一の部分については、同一の符号を付してその
説明を省略する。
【0045】本実施例の電磁駆動バルブ80において、
アーマチャ軸22の上端部には、アッパリテーナ82が
設けられている。アッパリテーナ82は、磁石部82a
を有している。固定磁石62は、アーマチャ34が開弁
端に到達した状態で、その内周面が磁石部82aに正面
から対向するように、アッパキャップ28の内周面に固
定されている。磁石部82aと固定磁石62とは、同極
どうしが径方向に対向するように分極されている。すな
わち、磁石部82aは、アッパリテーナ82を、例えば
内周側がS極に、外周側がN極になるように着磁するこ
とにより構成されている。
【0046】本実施例においても、第1実施例の場合と
同様に、アーマチャ34が開弁端の近傍の所定位置に到
達すると、アッパリテーナ82の磁石部82aと固定磁
石62との間には、開弁方向への弁体12の変位を妨げ
る向きのダンパ反力が作用する。このため、本実施例に
よれば、アーマチャ34が開弁端の近傍に到達した後、
弁体12の変位速度を低減することができる。また、ア
ーマチャ34が開弁端に到達した状態では、アッパリテ
ーナ82の磁石部82aと固定磁石62との間にダンパ
反力は作用しない。このため、本実施例においても、消
費電力を増大させることなく、弁体12を開弁端に確実
に保持することができる。
【0047】また、本実施例において、ロアリテーナ
も、アッパリテーナ82と同様に、着磁されている。従
って、本実施例によれば、アーマチャ34が閉弁端に到
達する場合に弁体12の変位速度を低減することができ
ると共に、アーマチャ34が閉弁端に到達した後、消費
電力を増大させることなく弁体12を閉弁端に保持する
ことができる。従って、本実施例の電磁駆動バルブ80
によれば、弁体12を開弁端または閉弁端の近傍で有効
に減速させることができると共に、消費電力の増大を招
くことなく、弁体12を確実に開弁端または閉弁端で保
持することができる。
【0048】上述の如く、本実施例の電磁駆動バルブ8
0は、第1実施例の電磁駆動バルブ10が備える可動磁
石66,60とロアリテーナ18,アッパリテーナ24
とをそれぞれロアリテーナ,アッパリテーナ82に一体
化した構成を有している。従って、本実施例の電磁駆動
バルブ80によれば、第1実施例の電磁駆動バルブ10
に比して、部品点数を削減することができる。
【0049】尚、上記の実施例においては、アッパリテ
ーナ82の磁石部82aが請求項に記載した「第1の磁
石」に相当している。ところで、上記の実施例において
は、アッパリテーナ82を着磁することで磁石を構成し
ているが、本発明はこれに限定されるものではなく、別
体の磁石をアッパリテーナに接着等で固定することとし
てもよい。
【0050】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、弁体が変
位端の近傍に到達した際に弁体の変位を妨げる向きの反
発力を発生させることができると共に、弁体が変位端に
到達した時点でその反発力を消滅させることができる。
このため、本発明によれば、電磁駆動バルブの消費電力
の増大を招くことなく、弁体が変位端に到達する際の弁
体の変位速度を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である電磁駆動バルブの全
体構成図である。
【図2】本発明の第1実施例である電磁駆動バルブのア
ーマチャが電磁石に当接した時点で実現されるダンパ機
構の状態を示す図である。
【図3】図3(A)は、電磁コイルに供給する励磁電流
のタイムチャートである。図3(B)は、弁体に作用す
る吸引力を、本発明の第1実施例である電磁駆動バルブ
と対比バルブとで比較した図である。図3(C)は、弁
体の変位を、本発明の第1実施例である電磁駆動バルブ
と対比バルブとで比較した図である。
【図4】本発明の第2実施例である電磁駆動バルブのア
ッパ電磁石側の要部断面図である。
【符号の説明】
10,80 電磁駆動バルブ 12 弁体 22 アーマチャ軸 34 アーマチャ 36 アッパ電磁石 38 ロア電磁石 40 アッパコア 42 アッパコイル 44 ロアコア 46 ロアコイル 60,66 可動磁石 62,68 固定磁石 64,70 ダンパ機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅野 昌彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 飯田 達雄 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3H106 DA07 DA13 DA25 DA26 DB02 DB12 DB23 DB32 DC02 DD01 EE19 EE20 KK17

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁コイルおよび該電磁コイルを保持す
    るコアから構成された電磁石と、弁体と共に変位するア
    ーマチャと、前記アーマチャを付勢する弾性体とを備
    え、電磁力と弾性力とを協働させることにより前記弁体
    を開閉駆動する電磁駆動バルブにおいて、 前記弁体と共に変位する第1の磁石と、 前記アーマチャが前記コアに当接した位置で、前記第1
    の磁石と、前記弁体の開閉方向と直交する向きに同極ど
    うしが対向するように、前記コアに対して固定された第
    2の磁石と、 を備えることを特徴とする電磁駆動バルブ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111479037A (zh) * 2019-01-23 2020-07-31 中兴通讯股份有限公司 一种伸缩机构和电子设备

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111479037A (zh) * 2019-01-23 2020-07-31 中兴通讯股份有限公司 一种伸缩机构和电子设备

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