JP3346287B2 - 電磁駆動弁の制御装置 - Google Patents

電磁駆動弁の制御装置

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JP3346287B2
JP3346287B2 JP20825198A JP20825198A JP3346287B2 JP 3346287 B2 JP3346287 B2 JP 3346287B2 JP 20825198 A JP20825198 A JP 20825198A JP 20825198 A JP20825198 A JP 20825198A JP 3346287 B2 JP3346287 B2 JP 3346287B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁駆動弁の制御
装置に係り、特に、内燃機関の排気弁又は吸気弁として
構成された電磁駆動弁の制御に好適な電磁駆動弁の制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平7−33543
7号に開示される如く、内燃機関の吸気弁又は排気弁と
して構成された電磁駆動弁が公知である。上記従来の電
磁駆動弁は、弁体を付勢するばねと、弁体に連結された
アーマチャと、このアーマチャを吸引する電磁石とを備
えており、ばね力と電磁力とを協働させることにより弁
体を開閉駆動する。
【0003】ところで、内燃機関の排気弁の開弁時に
は、排気弁は筒内残圧に抗して変位することになる。こ
のため、燃焼室の筒内残圧が変化すると、弁体の変位に
ばらつきが生ずる。この場合、弁体が全開位置に達する
際の速度が大きくなると、アーマチャが高速で電磁石に
衝突することで、アーマチャが電磁石から跳ね返る場合
がある。従って、弁体を確実に全開位置に保持するため
には、跳ね返ったアーマチャを再び電磁石に吸引するこ
とが必要である。これに対して、上記従来の電磁駆動弁
においては、弁体が全閉又は全開位置に到達したと想定
される時点から所定期間だけ余分に電磁石に通電するこ
ととしている。従って、上記従来の電磁駆動弁が排気弁
として適用された場合、筒内残圧の影響で弁体の変位速
度が変動しても、弁体を確実に全開位置に保持すること
ができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、弁体が全閉
位置と全開位置との間を変位するのに要する最短の時間
は、可動部の動特性により規定され、内燃機関の回転数
にかかわらず一定である。このため、内燃機関の高回転
運転時には、排気弁の作用角(すなわち、排気弁が開弁
しているクランク角区間)の下限は、上記した最短の変
位時間により規定されることになる。このため、上記従
来の電磁駆動弁の如く、回転数にかかわらず、弁体を開
弁位置に保持する区間を設けることとしたのでは、高回
転運転時に排気弁の作用角が必要以上に大きくなって、
内燃機関の運転性能の低下を招くと共に、電磁石への通
電量が大きくなるため電磁駆動弁の消費電力及び発熱量
の増加を招いてしまう。
【0005】なお、上記の問題は、上記従来の電磁駆動
弁が吸気弁として適用した場合も同様であり、内燃機関
の運転性能の上で吸気弁の作用角を極力小さくしたいと
きには、高回転運転時に吸気弁の作用角が必要以上に大
きくなって、内燃機関の運転性能の低下を招くと共に、
電磁石への通電量が大きくなるため電磁駆動弁の消費電
力及び発熱量の増加を招く。
【0006】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、内燃機関の高回転運転時に排気弁又は吸気弁の
作用角が必要以上に大きくなるのを防止すると共に、電
磁駆動弁の消費電力及び発熱量を低減することが可能な
電磁駆動弁の制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、内燃機関の排気弁又は吸気弁を構成す
る弁体と、該弁体に連結されたアーマチャと、該アーマ
チャを開弁側へ吸引する電磁石とを備える電磁駆動弁を
駆動する電磁駆動弁の制御装置であって、内燃機関の高
回転運転時には、前記弁体の変位のばらつきの範囲内に
おいて前記弁体が最も遅く全開位置に達する時点で、前
記電磁石への吸引電流の供給を停止する電磁駆動弁の制
御装置により達成される。
【0008】本発明によれば、内燃機関の高回転運転時
には、弁体の変位のばらつきの範囲内において弁体が最
も遅く全開位置に達する時点で、電磁石への吸引電流の
供給が停止される。このため、弁体を確実に全開位置ま
で確実に変位させつつ、早いタイミングで弁体を閉弁側
へ変位させることができると共に、電磁石への吸引電流
の供給期間を最小限に抑制することができる。
【0009】また、上記の目的は、請求項1記載の電磁
駆動弁の制御装置において、前記電磁駆動弁は前記アー
マチャを閉弁側へ吸引する第2の電磁石を備えると共
に、内燃機関の高回転運転時には、低回転運転時に比し
て、前記第2の電磁石へ供給する吸引電流を増加させる
電磁駆動弁の制御装置によってより効果的に達成され
る。
【0010】本発明において、第2の電磁石はアーマチ
ャを閉弁側へ吸引する。第2の電磁石へ供給される吸引
電流は、内燃機関の高回転時には、低回転時に比して増
加される。このため、弁体が全閉位置に達するタイミン
グが変動しても、弁体を確実に全閉位置に保持すること
ができる。また、上記の目的は、請求項3に記載する如
く、請求項1記載の電磁駆動弁の制御装置において、前
記電磁駆動弁は前記アーマチャを閉弁側へ吸引する第2
の電磁石を備えると共に、内燃機関の高回転運転時に
は、低回転運転時に比して、前記第2の電磁石へ吸引電
流を供給するクランク角区間を増加させる電磁駆動弁の
制御装置によっても効果的に達成される。
【0011】本発明において、第2の電磁石はアーマチ
ャを閉弁側へ吸引する。第2の電磁石へ吸引電流が供給
されるクランク各期間は、内燃機関の高回転時には、低
回転時に比して増加される。このため、弁体が全閉位置
に達するタイミングが変動しても、弁体を確実に全閉位
置に保持することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施例である
電磁駆動弁10の断面図である。電磁駆動弁10は内燃
機関のシリンダヘッド内に組み付けられている。図1に
示す如く、電磁駆動弁10は弁体12を備えている。弁
体12は、内燃機関の排気弁を構成しており、内燃機関
の燃焼室14に露出するように配設されている。シリン
ダヘッドには、弁体12に対応するバルブシート16が
設けられている。弁体12は、バルブシート16に着座
することにより閉弁状態となり、バルブシート16から
離座することにより開弁状態となる。
【0013】弁体12には弁軸18が連結されている。
弁軸18は図示しないバルブガイドにより軸方向に変位
可能に保持されている。電磁駆動弁10は、また、弁軸
18の上端部に当接されたアーマチャ軸22を備えてい
る。アーマチャ軸22は、非磁性材料で構成されたロッ
ド状の部材である。弁軸18の上端部には、ロアリテー
ナ24が固定されている。ロアリテーナ24の下部には
ロアスプリング26が配設されている。ロアスプリング
26は、ロアリテーナ24およびアーマチャ軸22を、
図1における上方へ向けて付勢している。
【0014】アーマチャ軸22の上端部には、アッパリ
テーナ28が固定されている。アッパリテーナ28の上
部には、アッパスプリング30の下端部が当接してい
る。アッパスプリング30の周囲には、その外周を取り
巻くようにアッパキャップ32が配設されている。アッ
パスプリング30の上端部は、スプリングシート33を
介して、アッパキャップ32に螺着されたアジャスタボ
ルト34に当接している。アッパスプリング30は、ア
ッパリテーナ28およびアーマチャ軸22を、図1にお
ける下方へ向けて付勢している。
【0015】アーマチャ軸22の外周には、アーマチャ
36が接合されている。アーマチャ36は、軟磁性材料
で構成された環状の部材である。アーマチャ36の上方
には、アッパコイル38及びアッパコア40が配設され
ている。また、アーマチャ36の下方には、ロアコイル
42及びロアコア44が配設されている。アッパコア4
0およびロアコア44は、共に、磁性材料で構成された
部材である。アーマチャ軸22は、アッパコア40およ
びロアコア44の中央部に、軸方向に摺動可能に保持さ
れている。
【0016】ロアコア44の下方にはロアキャップ46
が配設されている。アッパコア40およびロアコア44
は、アッパキャップ32及びロアキャップ46にそれぞ
れ固定ボルト48及び50が締着されることにより、両
者間に所定の間隔が確保されるようにシリンダヘッドの
内部に固定されている。上述したアジャスタボルト34
は、アーマチャ36の中立位置がアッパコア40とロア
コア44の中央となるように調整されている。アジャス
タボルト34の上部にはダンパ機構52が設けられてい
る。ダンパ機構52は、アーマチャ36がアッパコア4
0又はロアコア44に当接する際の変位速度を減衰させ
るように構成されている。
【0017】アッパコイル38及びロアコイル42は、
駆動回路54に接続されている。駆動回路54は、制御
装置56に接続されている。駆動回路54は制御装置5
6から供給される制御信号に応じて、アッパコイル38
及びロアコイル42に励磁電流を供給する。次に、電磁
駆動弁10の動作について説明する。電磁駆動弁10に
おいて、アッパコイル38およびロアコイル42に励磁
電流が供給されていない場合は、アーマチャ36がその
中立位置、すなわち、アッパコア40とロアコア44の
中央に維持される。アーマチャ36が中立位置に維持さ
れている状況下でアッパコイル38に励磁電流が供給さ
れると、アーマチャ36をアッパコア40側へ吸引する
電磁力が発生する。
【0018】アーマチャ36に対して上記の電磁力が作
用すると、弁体12はアーマチャ36と共に図1におけ
る上方へ向けて変位する。そして、アーマチャ36がア
ッパコア40に当接するまで変位すると、弁体12はバ
ルブシート16に着座する。以下、弁体12がバルブシ
ート16に着座した際の弁体12及びアーマチャ36の
位置をそれらの全閉位置と称す。
【0019】弁体12が全閉位置に維持されている状態
で、アッパコイル38に供給されていた励磁電流が遮断
されると共に、アッパコイル38に一時的にそれまでと
は逆向きの電流(以下、逆電流IR と称す)が供給され
ると、アーマチャ36に作用していた電磁力が速やかに
消滅する。アーマチャ36に作用していた電磁力が消滅
すると、アッパスプリング30に付勢されることによ
り、アーマチャ36が図1における下方へ向けて変位す
る。アーマチャ36の変位量が所定値に達した時点で、
ロアコイル42に適当な励磁電流が供給されると、今度
はアーマチャ36をロアコア44側へ吸引する吸引力、
すなわち、弁体12を図1において下方へ変位させる吸
引力が発生する。
【0020】アーマチャ36に対して上記の吸引力が作
用すると、アーマチャ36は、弁体12と共に、ロアス
プリング26の付勢力に抗して図1における下方へ向け
て変位する。弁体12の変位は、アーマチャ36がロア
コア44と当接するまで継続する。以下、アーマチャ3
6がロアコア44に当接した際の弁体12及びアーマチ
ャ36の位置をそれらの全開位置と称す。
【0021】弁体12が全開位置に維持されている状態
で、ロアコイル42に供給されていた励磁電流が遮断さ
れると共に、逆電流IR が供給されると、弁体12を全
開位置に保持するための電磁力が消滅する。このため、
弁体12はロアスプリング26に付勢されることによ
り、全閉位置へ向けて変位を開始する。上述の如く、電
磁駆動弁10によれば、アッパコイル38に所定の励磁
電流を供給することにより弁体12を閉弁位置に向けて
変位させることができると共に、ロアコイル42に所定
の励磁電流を供給することにより弁体12を開弁位置に
向けて変位させることができる。従って、電磁駆動弁1
0によれば、アッパコイル38とロアコイル42とに交
互に励磁電流を供給することにより、弁体12を全開位
置と全閉位置との間で繰り返し往復運動させることがで
きる。
【0022】ところで、排気弁の開弁時には、弁体12
は筒内残圧に抗して変位することになる。この筒内残圧
は、各気筒の吸入空気量や燃料噴射量に依存して変動す
る。筒内残圧が変動すると、弁体12の変位に対する抵
抗力が変化することで、弁体12の変位にばらつきが生
ずる。かかる変位のばらつきに伴って弁体12が全開位
置に達する際の速度が大きくなると、アーマチャ36が
ロアコア44に高速で衝突するためにアーマチャ36が
ロアコア44から跳ね返されることがある。
【0023】アーマチャ36がロアコア44から跳ね返
った場合に、そのまま弁体12が全閉位置に向けて変位
するものとすると、アーマチャ36がアッパコア40に
到達するタイミングが変化し、アーマチャ36及び弁体
12を全閉位置に適正に保持することができな事態が生
じ得る。かかる事態を防止するため、アーマチャ36が
ロアコア44から跳ね返った場合に再びロアコア44に
吸引されるようロアコイル42への通電期間を長めに設
定し、弁体12が全開位置に保持された期間を確保する
ことにより、弁体12が全閉位置へ向けて変位を開始す
るタイミングを常に一定に維持することが考えられる。
【0024】図2は、上記の如く、弁体12を全開位置
に保持する期間を設ける場合の電磁駆動弁10の動作タ
イミングを示す図である。図2において(A)は、アッ
パコイル38に供給される励磁電流を、(B)はロアコ
イル42に供給される励磁電流を、(C)は弁体12の
変位を、それぞれ内燃機関のクランク角との関係で示し
ている。なお、図2(C)において、筒内残圧が最も高
く、弁体12が最低速で変位する場合(すなわち、弁体
12が最も遅く全開位置に達する場合)を実線で示し、
また、筒内残圧が最も低く、弁体12が最高速で変位す
る場合(すなわち、弁体12が最も早く全開位置に達す
る場合)を破線で示している。
【0025】図2(C)に示す如く、クランク角CA0
において弁体12が全閉位置から開弁方向に変位を開始
している。そして、図2(B)に示す如く、弁体12が
中立点近傍に達したクランク角CA1 において、アーマ
チャ36を吸引するための励磁電流(以下、吸引電流I
A と称す)がロアコイル42に供給されることで、弁体
12は全開位置まで駆動される。この場合、図2(C)
に実線で示す如く弁体12が最低速で変位する場合は、
アーマチャ36がロアコア44に緩やかに当接するた
め、アーマチャ36に跳ね返りは生じない。このため、
クランク角CA2において弁体12が全開位置に達した
後、弁体12はそのまま全開位置に保持される。その
後、クランク角CA2 から所定のクランク角区間CH
経過したクランク角CA3 において、ロアコイル42へ
の吸引電流IA の供給が停止されると共にロアコイル4
2に逆電流IR が供給されることで、弁体12は全閉位
置へ向けて変位を開始する。そして、図2(A)に示す
如く、弁体12が中立位置近傍に達したクランク角CA
4 においてアッパコイル38に吸引電流IA が供給され
ることにより、弁体12はクランク角CA5 において全
閉位置に到達している。その後、アッパコイル38に供
給される励磁電流が吸引電流IA よりも小さな保持電流
H に変化され、弁体12は全閉位置に保持される。
【0026】一方、図2(C)に破線で示す如く弁体1
2が最高速で変位する場合は、弁体12は、クランク角
CA2 よりも前のクランク角CA6 において全開位置に
到達している。その際、アーマチャ36がロアコア44
に高速で衝突するために、弁体12は閉弁側へ跳ね返っ
ている。この場合、上記の如く、クランク角CA3 まで
ロアコイル42に吸引電流IA が供給されるので、アー
マチャ44は再びロアコア44に吸着され、弁体12は
全開位置に復帰して保持されている。このため、弁体1
2が最低速で変位する場合と同じクランク角CA3 にお
いて、弁体12は閉弁側へ向けて変位を開始する。
【0027】このように、図2においては、弁体12が
最低速で変位する場合に弁体12が全開位置に達するタ
イミングCA2 (すなわち、筒内残圧の影響によるばら
つきの範囲内で弁体12が最も遅く全開位置に達するタ
イミング)の後、更にクランク角区間CH だけロアコイ
ル42に励磁電流が供給されることにより、弁体12に
跳ね返りが生じた場合にも弁体12は確実に全開位置に
保持される。以下、上記クランク角区間CH を保持区間
H と称す。このため、筒内残圧の変化に起因する弁体
12の変位のばらつきにかかわらず、弁体12は常に一
定のタイミングCA3 では全開位置から全閉位置に向け
て変位を開始する。その結果、弁体12が全閉位置に達
するタイミングも一定に保たれることとなり、弁体12
を全閉位置に確実に保持することが可能となる。
【0028】ところで、弁体12が全閉位置と全開位置
との間を往復するのに要する最短時間(以下、最短遷移
時間と称す)は、ロアスプリング26及びアッパスプリ
ング30のばね定数と、弁体12及びアーマチャ36等
を含む可動部の質量とによって定まる固有振動周期によ
り規定され、内燃機関の回転数にかかわらず一定であ
る。従って、内燃機関の回転数が高くなるほど、最短遷
移時間に相当するクランク角区間は長くなる。このた
め、上記の如く保持区間CH を設けた場合、少なくとも
保持区間CH の間は弁体12が全開位置に保持されるこ
とにより、内燃機関の高回転運転時には、弁体12の作
用角C0 (すなわち、弁体12が開弁しているクランク
角区間長)が必要以上に大きくなってしまう。この場
合、排気弁の開弁区間と、それに続く吸気弁の開弁区間
とのオーバラップ量が大きくなり、内燃機関の運転性能
が低下するなどの不都合を招くことになる。
【0029】また、弁体12を開弁方向に駆動するに
は、筒内残圧に対抗するだけの大きな電磁力をアーマチ
ャ36に付与する必要がある。このため、ロアコア44
へ保持区間CH だけ余分な区間にわたって大きな吸引電
流IA が供給されることにより、電磁駆動弁10の消費
電力が増大すると共に、ロアコイル42側における発熱
量が増大するという不都合も招く。
【0030】これに対して、本実施例においては、上記
の最短遷移時間に相当するクランク角区間が、所要の作
用角C0 を越えるような高回転数領域では、弁体12を
全開位置に保持するための上記保持区間CH を除去する
ことにより、弁体12の作用角C0 が必要以上に大きく
なるのを防止することとしている。すなわち、本実施例
では、上記のような高回転数領域において、筒内残圧の
変化に起因する弁体12の変位のばらつきの範囲内で弁
体12が最も遅く全開位置に到達するタイミング(図2
に示すクランク角CA2 )で、ロアコイル42への吸引
電流IA の供給が停止される。
【0031】図3は、本実施例において、内燃機関が高
回転数で運転されている場合の電磁駆動弁10の動作タ
イミングを示す図である。図3において(A)は、アッ
パコイル38に供給される励磁電流を、(B)はロアコ
イル42に供給される励磁電流を、(C)は弁体12の
変位を、それぞれ内燃機関のクランク角との関係で示し
ている。図3(A)及び(B)に示す電流パターンは、
制御装置56が内燃機関のクランク角に応じて駆動回路
54に所要の制御信号を供給することにより実現され
る。なお、図3(C)には、図2(C)の場合と同様
に、弁体12が最低速で変位する場合を実線で示し、ま
た、弁体12が最高速で変位する場合を破線で示してい
る。また、図3において、図2と同様のタイミングを表
すクランク角には図2と同一の符号を付している。
【0032】図3(B)及び(C)に示す如く、本実施
例では、弁体12が最も遅く全開位置に達するクランク
角CA2 においてロアコイル42への吸引電流IA の供
給が停止されると共に逆電流IR が供給される。このた
め、弁体12が最も遅く開弁位置に達した場合は、その
直後に閉弁側へ変位を開始する。そして、図3(A)に
示す如く、クランク角CA6 でアッパコイル38への吸
引電流IA の供給が開始され、弁体12はクランク角C
7 において全閉位置に到達する。その後、クランク角
CA8 において、アッパコイル38への供給電流が保持
電流IH とされ、弁体12は全閉位置に保持される。
【0033】このように、本実施例によれば、内燃機関
の高回転運転時には、弁体12が全開位置に達すること
が保証される範囲で、弁体12が全開位置に保持される
区間長が最小限に抑制され、これにより、弁体12の作
用角C0 を上記保持区間CHの分だけ小さく抑制するこ
とが可能となっている。また、ロアコイル42への吸引
電流IA の供給時間が短縮されることで、電磁駆動弁1
0の消費電力及び発熱量を抑制することも可能となって
いる。
【0034】一方、本実施例では保持区間CH が設けら
れていないため、図3(C)に破線で示す如く、弁体1
2がクランク角CA2よりも早いタイミングCA9 で全
開位置に到達した後、跳ね返った場合は、再び全開位置
へ吸引されることなく、そのまま全閉位置へ向けて変位
する。このため、弁体12はクランク角CA7 よりも早
いクランク角CA10において全閉位置に到達している。
すなわち、本実施例では、弁体12が全開位置から全閉
位置へ向けて変位を開始するタイミングが変動すること
により、弁体12が全閉位置に達するタイミングにもば
らつきが生ずることになる。
【0035】そこで、本実施例では、弁体12が全閉位
置に到達するタイミングにばらつきが生じても、弁体1
2が確実に全閉位置に保持されるように、内燃機関の高
回転時にはアッパコイル38に供給する吸引電流IA
低回転時に比して増加させることとしている。アッパコ
イル38に供給する吸引電流IA が増加されると、弁体
12を全閉位置へ向けて駆動する大きな電磁力が発生す
る。このため、弁体12が全閉位置へ達するタイミング
に多少の変化が生じても弁体12は全閉位置に確実に保
持され、これにより、電磁駆動弁10の安定な動作が確
保される。
【0036】なお、アッパコイル38への吸引電流IA
を増加させることに代えて(又は、吸引電流IA を増加
させることに加えて)、アッパコイル38への吸引電流
Aの供給期間を長くする(すなわち、アッパコイル3
8へ吸引電流IA の供給を開始させるタイミングを早
め、あるいは、吸引電流IA から保持電流IH に変化さ
せるタイミングを遅くする)こととしてもよい。この場
合も、より長い期間にわたって弁体12を全閉位置へ駆
動する電磁力が発生することで、弁体12が全閉位置に
到達するタイミングの変化にかかわらず、弁体12を確
実に全閉位置に保持することが可能となる。
【0037】ところで、上述の如く、アッパコイル38
へ供給する吸引電流IA を増加させ、あるいは、その供
給期間を長くすることとした場合、アッパコイル38に
ついての消費電力及び発熱量は増大する。しかしなが
ら、弁体12を閉弁側に駆動する場合は、筒内残圧によ
る抵抗を受けないので、アッパコイル38に供給すべき
吸引電流IA は、ロアコイル42に供給すべき吸引電流
A に比して十分に小さい。このため、アッパコイル3
8に供給される吸引電流IA が増加しても、ロアコイル
42への吸引電流IA の供給期間が短縮されていること
により、電磁駆動弁10全体としては、消費電力の抑制
が図られていることになる。また、この場合、アッパコ
イル38及びロアコイル42における消費電力が均等化
されることで、ロアコイル42の局所的な発熱が抑制さ
れる。
【0038】以上説明したように、本実施例では、内燃
機関の高回転運転時には、弁体12の変位のばらつきの
範囲内で弁体12が最も遅く開弁位置に達する時点で、
ロアコイル42への吸引電流IA の供給を停止すること
により、弁体12を全開位置まで確実に変位させつつ、
その作用角C0 を小さく抑制することができる。従っ
て、本実施例によれば、高回転領域における内燃機関の
運転性能の低下を防止することができると共に、ロアコ
イル42への吸引電流IA の供給期間が短縮されること
で、電磁駆動弁10の消費電力及び発熱を抑制すること
ができる。更に、高回転運転時には、アッパコイル38
へ供給する吸引電流IA の大きさ又はその供給期間を低
回転時に比して増大させることで弁体12を確実に全閉
位置に保持することができ、これにより、電磁駆動弁1
0の安定な動作を確保することができる。
【0039】なお、上記実施例においては、本発明を電
磁駆動弁10が内燃機関の排気弁として構成した場合に
適用した例を示したが、本発明は、電磁駆動弁10が内
燃機関の吸気弁として構成した場合にも適用できる。ま
た、上記実施例においては、ロアコイル42及びロアコ
ア44が請求項に記載した電磁石に、アッパコイル38
及びアッパコア40が請求項に記載した第2の電磁石
に、それぞれ相当している。
【0040】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、弁体を確実に全開位置まで確実に変位させつつ、排
気弁又は吸気弁の作用角が必要以上に大きくなるのを防
止することができると共に、電磁駆動弁の消費電力及び
発熱量を低減することができる。
【0041】また、請求項2及び3記載の発明によれ
ば、弁体を全閉位置に確実に保持することができるの
で、電磁駆動弁の安定な動作を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である電磁駆動弁の全体構成
図である。
【図2】(A)は、弁体を全開位置に保持する区間を設
ける場合に、アッパコイルに供給される励磁電流の変化
をクランク角との関係で示す図である。(B)は、弁体
を全開位置に保持する区間を設ける場合に、ロアコイル
に供給される励磁電流の変化をクランク角との関係で示
す図である。(C)は、弁体を全開位置に保持する区間
を設ける場合の、弁体の変位をクランク角との関係で示
す図である。
【図3】(A)は、本実施例において、アッパコイルに
供給される励磁電流の変化をクランク角との関係で示す
図である。(B)は、本実施例において、ロアコイルに
供給される励磁電流の変化をクランク角との関係で示す
図である。(C)は、本実施例における弁体の変位をク
ランク角との関係で示す図である。
【符号の説明】
10 電磁駆動弁 12 弁体(排気弁) 36 アーマチャ 38 アッパコイル 40 アッパコア 42 ロアコイル 44 ロアコア 54 駆動回路 56 制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 服部 宏之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 勝間田 正司 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−286813(JP,A) 特開 平9−21304(JP,A) 特開 平9−60513(JP,A) 特開 平9−195736(JP,A) 特開 平11−247630(JP,A) 実開 昭59−70013(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 13/02 F01L 9/04 F02D 41/20 H01F 7/18

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気弁又は吸気弁を構成する
    弁体と、該弁体に連結されたアーマチャと、該アーマチ
    ャを開弁側へ吸引する電磁石とを備える電磁駆動弁を駆
    動する電磁駆動弁の制御装置であって、 内燃機関の高回転運転時には、前記弁体の変位のばらつ
    きの範囲内において前記弁体が最も遅く全開位置に達す
    る時点で、前記電磁石への吸引電流の供給を停止するこ
    とを特徴とする電磁駆動弁の制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電磁駆動弁の制御装置に
    おいて、 前記電磁駆動弁は前記アーマチャを閉弁側へ吸引する第
    2の電磁石を備えると共に、 内燃機関の高回転運転時には、低回転運転時に比して、
    前記第2の電磁石へ供給する吸引電流を増加させること
    を特徴とする電磁駆動弁の制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の電磁駆動弁の制御装置に
    おいて、 前記電磁駆動弁は前記アーマチャを閉弁側へ吸引する第
    2の電磁石を備えると共に、 内燃機関の高回転運転時には、低回転運転時に比して、
    前記第2の電磁石へ吸引電流を供給するクランク角区間
    を増加させることを特徴とする電磁駆動弁の制御装置。
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