JPH11199778A - 硬化性シルフェニレン系ポリマー組成物 - Google Patents

硬化性シルフェニレン系ポリマー組成物

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JPH11199778A
JPH11199778A JP36956497A JP36956497A JPH11199778A JP H11199778 A JPH11199778 A JP H11199778A JP 36956497 A JP36956497 A JP 36956497A JP 36956497 A JP36956497 A JP 36956497A JP H11199778 A JPH11199778 A JP H11199778A
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Hideki Kobayashi
秀樹 小林
Toru Masatomi
亨 正富
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DuPont Toray Specialty Materials KK
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Dow Corning Toray Silicone Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 湿気非存在下では貯蔵安定性に優れ、湿気存
在下で室温において、硬化して撥水性に優れた高硬度の
皮膜を形成し得る硬化性シルフェニレン系ポリマー組成
物を提供。 【解決手段】 (A)式: (Rは脂肪族不飽和結合を含まないC1〜10の一価炭
化水素基、Phはフェニレン基、R1はC2〜10のア
ルキレン基又はアルキレンオキシアルキレン基、Aは加
水分解性基又は水酸基、BはC2〜10のアルキレン
基,アルキレンオキシアルキレン基または酸素原子、n
は0〜2、xは1以上、yは0以上、zは0以上)で表
されるシルフェニレン系ポリマー、(B)R2 eSiY4-e
(R2は一価炭化水素基、Yは加水分解性基、eは0〜
2)で示されるオルガノシラン又はその部分加水分解縮
合物および(C)硬化促進触媒からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は末端に加水分解性基
もしくは水酸基を有する直鎖状のケイ素ポリマーを主成
分とする硬化性シルフェニレン系ポリマー組成物に関す
るものであり、詳しくは、撥水性に優れた高硬度の皮膜
を形成し、かつ、貯蔵安定性に優れる硬化性シルフェニ
レン系ポリマー組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】室温で硬化して皮膜を形成する硬化性シ
リコーン組成物としては、例えば、オルガノポリシロキ
サン樹脂と2種類のアルコキシシランからなる組成物が
知られている(特開昭51−148749号公報参
照)。また、撥水性を有する硬化皮膜を形成する硬化性
シリコーン組成物としては、オルガノポリシロキサン樹
脂,α,ω−ジヒドロキシジオルガノシロキサンおよび
オルガノシランからなる組成物(特開昭55−4824
5号公報参照)が知られている。しかし、これらの組成
物の硬化性は良好とは言えず、また、保存安定性に劣る
という欠点があった。またこれらの組成物は、厚い塗膜
を作るには重ね塗りが必要であるという欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記問題
点を解消するために鋭意研究した結果、本発明に到達し
た。即ち、本発明の目的は、湿気非存在下では貯蔵安定
性に優れ、かつ、湿気存在下で室温において、または加
熱することにより硬化して撥水性に優れた高硬度の皮膜
を形成し得る硬化性シルフェニレン系ポリマー組成物を
提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)一般式:
【化2】 (式中、Rは脂肪族不飽和結合を含まない炭素原子数1
〜10の置換もしくは非置換の一価炭化水素基であり、
Phは置換もしくは非置換のフェニレン基であり、R1
は炭素原子数2〜10のアルキレン基またはアルキレン
オキシアルキレン基であり、Aは加水分解性基または水
酸基であり、Bは炭素原子数2〜10のアルキレン基,
アルキレンオキシアルキレン基または酸素原子であり、
nは0〜2の整数であり、xは1以上の整数であり、y
は0以上の整数であり、zは0以上の整数である。)で
表されるシルフェニレン系ポリマー100重量部、 (B)一般式:R2 eSiY4-e(式中、R2は置換もしくは
非置換の一価炭化水素基であり、Yは加水分解性基であ
り、eは0〜2の整数である。)で示されるオルガノシ
ランまたはその部分加水分解縮合物
1〜90重量部および (C)硬化促進触媒
本発明組成物を硬化させるのに十分な量 からなることを特徴とする硬化性シルフェニレン系ポリ
マー組成物に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】(A)成分のシルフェニレン系ポリ
マーは本発明組成物の主成分であり、一般式:
【化3】 で表される。上式中、Rは脂肪族不飽和結合を含まない
炭素原子数1〜10の置換もしくは非置換の一価炭化水
素基であり、具体的には、メチル基,エチル基,プロピ
ル基,ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基等のアルキル
基;フェニル基,トリル基,キシリル基等のアリール
基;ベンジル基,フェネチル基等のアラルキル基;トリ
フルオロプロピル基,ノナフルオロヘキシル基,ヘプタ
デカフルオロオクチル基等のフッ化炭化水素基が例示さ
れる。Phは置換もしくは非置換のフェニレン基であ
り、具体的には、p−フェニレン基、m−フェニレン基、
o−フェニレン基、2−メチル−1,4−フェニレン基、
2−メトキシ−1,4−フェニレン基が例示される。こ
れらの中でもp−フェニレン基が好ましい。R1は炭素原
子数2〜10のアルキレン基またはアルキレンオキシア
ルキレン基である。アルキレン基として具体的には、エ
チレン基,メチルエチレン基,エチルエチレン基,プロ
ピルエチレン基,ブチルエチレン基,プロピレン基,ブ
チレン基,1−メチルプロピレン基,ペンチレン基,ヘ
キシレン基,ヘプチレン基,オクチレン基,ノニレン
基,デシレン基等の直鎖状または分岐鎖状のアルキレン
基が例示される。これらの中でも、エチレン基,プロピ
レン基,ブチレン基,ヘキシレン基が好ましい。また、
1のアルキレンオキシアルキレン基としては、エチレ
ンオキシプロピレン基,エチレンオキシブチレン基が例
示される。Aは加水分解性基または水酸基であり、加水
分解性基としては、ジメチルケトオキシム基,メチルエ
チルケトオキシム基などのジオルガノケトオキシム基;
メトキシ基,エトキシ基などのアルコキシ基;アセトキ
シ基などのアシロキシ基;N−ブチルアミノ基などのオ
ルガノアミノ基;メチルアセトアミド基などのオルガノ
アシルアミド基;N,N−ジエチルヒドロキシアミノ基
などのN,N−ジオルガノヒドロキシアミノ基;プロペ
ノキシ基などのアルケニロキシ基が例示される。Bは炭
素原子数2〜10のアルキレン基,アルキレンオキシア
ルキレン基または酸素原子である。このアルキレン基ま
たはアルキレンオキシアルキレン基としては、上記R1
と同様な基が例示される。nは0〜2の整数である。x
は1以上の整数であり、3〜3,000の範囲であるこ
とが好ましい。yおよびzは0以上の整数であるが、特
に、(y+z)が1以上の整数であることが好ましく、
1〜3,000の範囲であることがより好ましい。
【0006】このような(A)成分のシルフェニレン系ポ
リマーとしては、下記式で示されるポリマーが例示され
る。下式中、Phはp−フェニレン基を表し、Meはメ
チル基を表し、C65はフェニル基を表している。
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【0007】このような(A)成分のシルフェニレン系ポ
リマーは、例えば、次のような製造方法で得ることがで
きる。例えば、末端が水酸基であるシルフェニレン系ポ
リマーは、式:
【化20】 (式中、RおよびPhは前記と同じであり、Qは水酸
基,水素原子,ハロゲン原子,前記Aで示される加水分
解性基から選択される基である。)で表されるジシリル
フェニレンと、式:
【化21】 (式中、R,R1およびQは前記と同じである。)で表
されるジシリル化合物とを、共加水分解することにより
得ることができる。さらにこれに、一般式:A(4 -n)n
Si(式中、A,Rおよびnは前記と同じである。)で
表されるシラン化合物を大過剰量添加して反応させ、余
剰の該シラン化合物をストリッピングすることにより、
末端が、一般式:A(3-n)nSi-B-(式中、A,Rお
よびnは前記と同じであるが、この場合のBは酸素原子
である。)で示される基であるシルフェニレン系ポリマ
ーを得ることができる。
【0008】また、このシルフェニレン系ポリマーの第
2の製造方法として、一般式:A(3 -n)nSi-R3(式
中、A,Rおよびnは前記と同じであり、R3は炭素原
子数2〜10のアルケニル基,アルケニルオキシアルキ
レン基または水素原子である。)で表されるシラン化合
物と、式:
【化22】 (式中、RおよびPhは前記と同じである。)で表され
るジシリルフェニレンと、式:
【化23】 (式中、Rは前記と同じであり、R4は炭素原子数2〜
10のアルケニル基またはアルケニルオキシアルキレン
基である。)で表されるジシロキサンとを、白金系触
媒,担持型白金系触媒,過酸化物等のヒドロシリル化反
応用触媒の存在下にヒドロシリル化重合する方法が挙げ
られる。重合後に白金系触媒は、活性炭,シリカゲル,
アミノシラン処理シリカゲル,メルカプトシラン処理シ
リカゲル等を添加混合して吸着させ、ろ過により除去す
ることが望ましい。尚、上記の方法において、上式で表
されるジシリルフェニレンの代わりに、式:
【化24】 (式中、R,PhおよびR4は前記と同じである。)で
表されるジシリルフェニレンを用い、上式で表されるジ
シロキサンの代わりに、式:
【化25】 (式中、Rは前記と同じである。)で表されるジシロキ
サンを用いて同様にヒドロシリル化重合しても、本成分
のシルフェニレン系ポリマーを製造することができる。
【0009】本発明組成物に使用される(B)成分は、一
般式:R2 eSiY4-eで示されるオルガノシランまたは
その部分加水分解縮合物であり、本発明組成物を湿気存
在下、室温で硬化させる働きをする成分であり、通常、
架橋剤と呼ばれる。上式中、R2は置換もしくは非置換
の一価炭化水素基であり、前記Rと同様の基が例示され
る。Yは加水分解性基であり、ジメチルケトオキシム
基,メチルエチルケトオキシム基などのジオルガノケト
オキシム基;メトキシ基,エトキシ基などのアルコキシ
基;アセトキシ基などのアシロキシ基;N−ブチルアミ
ノ基などのオルガノアミノ基;メチルアセトアミド基な
どのオルガノアシルアミド基;N,N−ジエチルヒドロ
キシアミノ基などのN,N−ジオルガノヒドロキシアミ
ノ基;プロペノキシ基などのアルケニロキシ基が例示さ
れる。eは0〜2の整数であるが、好ましくは1であ
る。本成分としては、このようなオルガノシランもしく
はその部分加水分解縮合物を単独で使用してもよく、ま
た2種類以上混合したものを使用してもよい。本成分の
配合量は、(A)成分100重量部に対して1〜90重量
部の範囲であり、好ましくは1〜60重量部の範囲であ
る。
【0010】本発明組成物に使用される(C)成分の硬化
促進触媒は、本発明組成物の硬化を促進するために使用
されるものである。この触媒としては、通常、シラノー
ル基の脱水縮合に用いられる縮合反応促進触媒が有効で
あり、具体的には、ジブチル錫ジアセテート,ジブチル
錫ジラウレート,ジブチル錫ジオクトエート,オクトエ
酸第1錫,ナフテン酸第1錫,オレイン酸第1錫,イソ
酪酸第1錫,リノール酸第1錫,ステアリン酸第1錫,
ベンゾール酸第1錫,ナフトエ酸第1錫,ラウリン酸第
1錫,ο−チム酸第1錫,β−ベンゾイルプロピオン酸
第1錫,クロトン酸第1錫,トロバ酸第1錫,p−ブロ
モ安息香酸第1錫,パルミトオレイン酸第1錫,桂皮酸
第1錫およびフェニル酢酸の第1錫塩等のカルボン酸の
錫塩;これらカルボン酸の鉄塩,マンガン塩もしくはコ
バルト塩;テトラアルキルチタネート,ジアルキルチタ
ネートの錯塩,オルガノシロキシチタネートが挙げられ
る。本成分の添加量は本発明組成物を硬化させるのに十
分な量であり、通常、(A)成分100重量部に対して
0.0001〜10重量部の範囲である。
【0011】本発明組成物は上記(A)成分〜(C)成分か
らなるものであるが、各種基材に対する密着性を向上さ
せる目的で、下式で示されるようなシランカップリング
剤を添加配合してもよい。 NH2CH2CH2Si(OC25)3 NH2CH2CH2NH(CH23Si(OCH3)3
【化26】 CH2=CHSi(OCH3)3 CH2=CHSi(OC25)3
【化27】
【化28】 CH2=CHSi(OOCCH33 HS(CH23Si(OCH33 CH2=C(CH3)Si(OCH33 このシランカップリング剤は単独または2種類以上混合
して用いることができ、その添加量は本発明組成物に対
して0.01〜10重量%の範囲であるのが好ましい。
【0012】本発明組成物は、上記(A)成分〜(C)成分
を湿気非存在下で均一に混合することによって製造する
ことができる。これらの混合順序は特に限定されない
が、(A)成分のシルフェニレン系ポリマーが固体状であ
る場合には、これを有機溶剤に溶解させて溶液としてか
ら他の成分と混合するのが好ましい。使用できる有機溶
剤としては、例えば、ベンゼン,トルエン,キシレンな
どの芳香族系溶剤;シクロヘキサン,メチルシクロヘキ
サン,ジメチルシクロヘキサンなどの脂肪族系溶剤;ト
リクロロエチレン,1,1,1−トリクロロエタン,四塩
化炭素,クロロホルムなどの塩素系溶剤;ヘキサン,工
業用ガソリンなどの脂肪族飽和炭化水素系溶剤;ジエチ
ルエ−テル,テトラヒドロフランなどのエ−テル類;メ
チルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤;α,α,α−
トリフルオロトルエン,ヘキサフルオロキシレンなどの
フッ素系溶剤;ヘキサメチルジシロキサン,ヘキサメチ
ルシクロトリシロキサン,オクタメチルシクロテトラシ
ロキサンなどの揮発性シリコーンが挙げられる。
【0013】また、本発明組成物は、有機溶剤で希釈さ
れた状態で使用されるのが好ましい。使用できる有機溶
剤としては、(A)成分のシルフェニレン系ポリマーを溶
解する際に使用される溶剤と同様のものが挙げられる。
有機溶剤を配合する際には、本発明組成物が5〜90重
量%となるような量配合するのが好ましい。
【0014】以上のような本発明の硬化性シルフェニレ
ン系ポリマー組成物は、湿気非存在下で長期間貯蔵可能
であり、湿気存在下では室温で硬化して、撥水性,撥油
性,防汚性,耐熱性,耐候性,耐薬品性,耐摩耗性に優
れた高硬度の皮膜を形成するという特徴を有する。ま
た、加熱することにより硬化を促進することができる。
さらに、本発明組成物の主成分である(A)成分のシルフ
ェニレン系ポリマーは主鎖が剛直であり、また、直鎖状
であるので分子量の調節が容易であり、従来のネットワ
ーク型シリコーンレジンに比べて有機溶媒に溶かした際
の溶液の粘度を調節しやすく、高粘度溶液にしても長期
間貯蔵可能であるという利点を有する。このため、本発
明組成物はこのような特性が要求される各種用途に好適
に使用され、例えば、水滴,雪,氷,油剤,熱可塑性粉
体,樹脂微粉末に対する付着防止剤、防汚コ−ティング
剤,剥離用もしくは離型用コ−ティング剤として好適に
使用される。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例にて詳細に説明する。
実施例中、Meはメチル基を表し、C65はフェニル基
を表している。
【0016】
【合成例1】撹拌機,温度計,冷却機を備えたフラスコ
に、式:
【化29】 で表される1,4−ビス(ジメチルシリル)フェニレン
17g(0.087モル)とトルエン30gを投入し、
これらを60℃で撹拌しながら、白金とジビニルテトラ
メチルジシロキサンとの錯体溶液を系中の白金金属自体
の含有量が30ppmとなるように添加した。次いでこれ
に、式:
【化30】 で表される1,4−ジ(メチルフェニルビニルシリル)
フェニレン29.3g(0.079モル)とトルエン3
0gの混合液を滴下して、混合液を2時間加熱還流し
た。続いてビニルトリメトキシシラン4.3g(0.0
29モル)を投入して、さらに1時間加熱還流した。そ
の後、減圧下で揮発分を除去して、室温で固形の反応生
成物47gを得た。この反応生成物の収率は93%であ
った。このようにして得られた反応生成物を、トルエン
を溶媒としてGPC(ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー)により分析したところ、その重量平均分子量
は約10,000であった。さらにこの反応生成物を、
フーリエ変換赤外線分光分析(FT−IR),13C−核
磁気共鳴スペクトル分析(13C−NMR)および29Si
−核磁気共鳴スペクトル分析(29Si−NMR)により
分析したところ、この反応生成物は下記化学構造を有す
る末端トリメトキシシリル基封鎖シルフェニレン系ポリ
マーであることが判明した。
【化31】
【0017】
【実施例1】合成例1で得られたシルフェニレン系ポリ
マー3.5gをトルエン3.5gに溶解した後、メチル
トリ(メチルエチルケトキシム)シラン2gおよびジブ
チル錫ジアセテ−ト0.1gを加えて均一に混合して、
硬化性シルフェニレン系ポリマー組成物を調製した。こ
のようにして得られた組成物を平滑なガラス板上にスピ
ンコーターを用いて塗布して風乾したところ、指触乾燥
時間は10分であり、10分経過後には均一で透明な皮
膜が得られた。さらにこれを、室温で1週間放置して硬
化皮膜を形成させた。得られた硬化皮膜の硬度は、鉛筆
硬度で3Hであった。またこの硬化皮膜のイオン交換水
に対する接触角を接触角計を用いて測定したところ、1
00度であった。
【0018】
【実施例2】合成例1で得られたシルフェニレン系ポリ
マー3.5gをトルエン3.5gに溶解した後、メチル
トリメトキシシラン2g,γ−(2−アミノエチル)ア
ミノプロピルトリメトキシシラン0.3gおよびジブチ
ル錫ジアセテ−ト0.1gを加えて均一に混合して、硬
化性シルフェニレン系ポリマー組成物を調製した。この
ようにして得られた組成物を平滑なガラス板上にスピン
コーターを用いて塗布し、次いで150℃で30分間加
熱したところ、均一で透明な硬化皮膜が得られた。この
硬化皮膜の鉛筆硬度は4Hであった。またこの硬化性シ
ルフェニレン系ポリマー組成物を湿気非存在下,室温で
3カ月放置したところ、3カ月経過後もゲル化せず、貯
蔵安定性は良好であった。
【0019】
【比較例1】実施例2において、合成例1で得られたシ
ルフェニレン系ポリマー3.5gの代わりに、メチルシ
ロキサン単位80モル%およびジメチルシロキサン単位
20モル%からなるメチルポリシロキサン樹脂(ケイ素
原子結合水酸基の含有量は0.9重量%であった。)
2.8gとメチルトリメトキシシランの部分加水分解物
(ケイ素原子結合メトキシ基の含有量は32%であっ
た。)0.7gの混合物を用いた以外は実施例2と同様
にして、硬化性シリコーンレジン組成物を調製した。こ
のようにして得られた組成物を湿気非存在下、室温で3
カ月放置したところ、3カ月経過後にはゲル化し、その
結果、貯蔵安定性が低いことが判明した。
【0020】
【発明の効果】本発明の硬化性シルフェニレン系ポリマ
ー組成物は、末端に加水分解性基もしくは水酸基を有す
る直鎖状のシルフェニレン系ポリマーを主成分として使
用しているので、湿気存在下室温で、または加熱により
硬化して、撥水性に優れた高硬度の皮膜を形成し、か
つ、湿気非存在下、室温での貯蔵安定性に優れるという
特徴を有する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式: 【化1】 (式中、Rは脂肪族不飽和結合を含まない炭素原子数1
    〜10の置換もしくは非置換の一価炭化水素基であり、
    Phは置換もしくは非置換のフェニレン基であり、R1
    は炭素原子数2〜10のアルキレン基またはアルキレン
    オキシアルキレン基であり、Aは加水分解性基または水
    酸基であり、Bは炭素原子数2〜10のアルキレン基,
    アルキレンオキシアルキレン基または酸素原子であり、
    nは0〜2の整数であり、xは1以上の整数であり、y
    は0以上の整数であり、zは0以上の整数である。)で
    表されるシルフェニレン系ポリマー100重量部、 (B)一般式:R2 eSiY4-e(式中、R2は置換もしくは
    非置換の一価炭化水素基であり、Yは加水分解性基であ
    り、eは0〜2の整数である。)で示されるオルガノシ
    ランまたはその部分加水分解縮合物
    1〜90重量部および (C)硬化促進触媒
    本発明組成物を硬化させるのに十分な量 からなることを特徴とする硬化性シルフェニレン系ポリ
    マー組成物。
  2. 【請求項2】 (A)成分中の(y+z)が1以上の整数
    である、請求項1に記載の硬化性シルフェニレン系ポリ
    マー組成物。
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