JPH1119964A - 表皮一体樹脂成形品及びその成形方法 - Google Patents

表皮一体樹脂成形品及びその成形方法

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JPH1119964A
JPH1119964A JP17602997A JP17602997A JPH1119964A JP H1119964 A JPH1119964 A JP H1119964A JP 17602997 A JP17602997 A JP 17602997A JP 17602997 A JP17602997 A JP 17602997A JP H1119964 A JPH1119964 A JP H1119964A
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molding
mold
thick
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JP17602997A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Takaoka
哲也 高岡
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Daikyo Nishikawa Corp
Original Assignee
Nishikawa Kasei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表皮2と、射出成形により該表皮2の裏面に
向けて射出した溶融樹脂Rを固化させた基材3とを一体
成形してなるインストルメントパネル1に対して、溶融
樹脂Rをゲート34から直接的に表皮2の裏面に向けて
射出する場合であっても、表皮2を損傷させることなく
表皮2及び基材3の一体成形を可能とし、パネル1の形
状の自由度を向上させる。 【解決手段】 表皮2において溶融樹脂Rの射出位置で
あるゲート34に対応した部位に、肉厚が他の部位より
も厚くされてなる厚肉部11を設ける。また、この厚肉
部11は第1及び第2表皮層14,15の2層からなる
ようにスラッシュ成形により成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表皮と、射出成形
によりその表皮の裏面に向けて射出した溶融樹脂を固化
させた基材とを一体成形してなる表皮一体樹脂成形品及
びその成形方法に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車の内装品としてのインス
トルメントパネルやドアトリム等の樹脂成形品は、表側
の外観の見映えや感触を向上させるために表側の表皮と
裏側の基材とで構成されている。この樹脂成形品を成形
する方法として、例えば特公平5−42936号公報に
示されているように、表皮を下側の成形型にセットした
後、上下の成形型を閉じてキャビティを形成し、次い
で、上側の成形型に開口したゲートから基材となる溶融
樹脂を上記キャビティ内に射出して表皮及び基材を一体
に成形する方法が知られている。
【0003】ところが、この成形方法では、基材となる
溶融樹脂がゲートから直接的にキャビティ内の表皮の裏
面に向けて射出されるため、表皮のゲートに対向する部
位がその溶融樹脂の射出圧力や熱の影響を受けて損傷し
てしまうという問題がある。すなわち、表皮の表面に皺
や変色が発生したり、表皮が融解して破れたりすること
がある。
【0004】そこで、従来、例えば特開平7−2764
22号公報に示されているように、インストルメントパ
ネル裏面に裏側に突出するリブを設け、成形型において
このリブの先端に対応する部分に開口したゲートから溶
融樹脂を射出するようにすることが提案されている。す
なわち、この成形方法では、ゲートから射出した溶融樹
脂を一旦上記リブの箇所で拡散させることにより、その
射出圧力及び熱が直接的に表皮に影響を及ぼさないよう
にし、表皮の損傷を防止している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記提案例の
成形方法では、表皮の損傷を防止することができるもの
の、ゲートから射出した溶融樹脂を十分に拡散させる大
きさのリブを成形品に設ける必要があるため、成形品の
設計の自由度が低くなると共に、スペース等の観点から
このようなリブを形成することができない場合には、こ
の方法を採用することができないという問題がある。
【0006】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、表皮と基材とを射出成
形により一体成形する際に、表皮の構成を見直すことに
よって、上記前者の従来例(特公平5−42936号公
報)のように溶融樹脂をゲートから直接的に表皮の裏面
に向けて射出する場合であっても、表皮を損傷させるこ
となく表皮及び基材の一体成形を可能とし、成形品の形
状の自由度を向上させようとすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明では、表皮において基材の溶融樹脂の射
出位置に対応した部位に、肉厚が他の部位よりも厚くさ
れてなる厚肉部を形成するようにした。
【0008】具体的には、請求項1の発明では、表皮
と、射出成形により該表皮の裏面に向けて射出した溶融
樹脂を固化させた基材とを一体成形してなる表皮一体樹
脂成形品を前提とする。
【0009】そして、上記表皮において上記溶融樹脂の
射出位置に対応した部位に、肉厚が他の部位よりも厚く
されてなる厚肉部が形成されているものとする。
【0010】このことにより、基材の溶融樹脂が射出位
置(ゲート)から表皮の厚肉部の裏面に向けて射出され
ることになるが、その厚肉部は溶融樹脂の射出圧力に対
する抵抗性や熱容量が他の部位よりも大きいので、表皮
が変形したり破損したりすることはない。また、たとえ
厚肉部の裏面が部分的に損傷したとしても、その損傷が
表皮の表面まで達することはなく、その表面が変色した
り表面に皺が発生したりすることもない。このため、ゲ
ートから射出した溶融樹脂を十分に拡散させる大きさの
リブを成形品に設けなくても済む。よって、表皮一体樹
脂成形品の設計自由度を向上させつつ、その外観の見映
えを向上させることができる。
【0011】請求項2の発明では、請求項1の発明にお
いて、基材において表皮の厚肉部に対応した部位に、該
表皮側に突出する突出部が形成されているものとする。
【0012】この発明により、厚肉部とゲートとの距離
が基材の突出部の突出量だけ大きくなるので、厚肉部の
表面側の損傷をより一層有効に防止することができる。
また、基材の突出部に対応して表皮の表面には突状部が
形成されることになるが、このような突状部はデザイン
的な処理を施すことにより容易に設定することができ
る。よって、簡単にかつ確実に表皮の損傷を防止するこ
とができる。
【0013】請求項3の発明では、請求項1又は2の発
明において、表皮は、スラッシュ成形により成形されて
なるものとする。
【0014】このことで、スラッシュ成形では厚肉部の
みを多層に成形することによって簡単に他の部位よりも
厚肉の表皮を得ることができる。また、請求項2の発明
のように基材に突出部を設ける場合、つまり表皮の表面
に突状部を形成する場合には、スラッシュ成形の金型の
成形面において表皮の突状部に対応する部分は凹状に形
成されるので、その金型の凹状部にはスラッシュ成形時
に粉末樹脂が付着し易く、多層にしなくてもスラッシュ
成形によりその凹状部の肉厚は自然と厚くなる。よっ
て、厚肉部を有する表皮の成形を簡単に行うことができ
る。
【0015】請求項4の発明は、表皮と、射出成形によ
り該表皮の裏面に向けて射出した溶融樹脂を固化させた
基材とを一体成形してなる表皮一体樹脂成形品の成形方
法の発明である。
【0016】そして、この発明では、第1及び第2成形
型からなる2分割式成形型の第1成形型に、一部に厚肉
部を形成した表皮を該厚肉部が上記第2成形型に開口し
たゲートに対応するようにセットした後、両成形型を閉
じてキャビティを形成し、次いで、上記第2成形型のゲ
ートから基材の溶融樹脂を上記キャビティ内に射出する
ことにより、上記表皮及び基材を一体に成形するように
する。このことにより、請求項1の発明と同様の作用効
果が得られると共に、簡単な成形型を使用して低コスト
で高品質の表皮一体樹脂成形品を成形することができ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1〜図3は、本発明の実施形態に
係る表皮一体樹脂成形品としてのインストルメントパネ
ル1を示し、このインストルメントパネル1は、表側の
表皮2と、後述の如くこの表皮2の裏面に向けて射出し
た溶融樹脂R(図8及び図9参照)を固化させた基材3
とが一体成形されてなる。この表皮2及び基材3は、そ
れぞれサーモプラスチックオレフィン(TPO)及びポ
リプロピレンラバー(PPR)からなる。上記表皮2は
インストルメントパネル1の長手方向(左右方向)全体
に亘ってその上面及び前面(車室側)並びに左右両側部
の一部に連続して設けられ、他の部分は、表皮2が設け
られずに基材3のみで形成されている。上記インストル
メントパネル1の右側前面には計器等を収納するための
開口5が形成され、左側上面には小物等を入れるための
2つの略矩形状の収納凹部6,6が形成されている。
尚、図1中、8はインストルメントパネル1の上面端部
に設けた空調空気吹出口である。
【0018】上記表皮2においてインストルメントパネ
ル1の左側前面の略中央部位には、図2に示すように、
その肉厚が他の部位よりも厚くされた第1厚肉部11が
形成されている。この第1厚肉部11は、他の部位が1
層であるのに対して2層に形成されてその肉厚が他の部
位よりも厚くなっている。すなわち、表皮2の表面側に
は略矩形状とされた第1表皮層14が、またこの第1表
皮層14の裏側に第2表皮層15がそれぞれ形成されて
いる。この第2表皮層15は、第1厚肉部11以外の部
位では表皮2の表面側を構成するようになされている。
【0019】上記インストルメントパネル1の左側上面
における両収納凹部6,6の間は、図3に示すように、
車両の前後方向に延びるように各収納凹部6の底面から
上方に突出する突状部が形成され、表皮2においてこの
突状部も、上記第1厚肉部11と同様に、他の部位より
も厚くされた第2厚肉部12とされている。この第2厚
肉部12は、上記第1厚肉部11とは異なり、上記第2
表皮層15の1層のみでその肉厚が他の部位よりも厚く
なるように形成されている。第2表皮層15における第
2厚肉部12の基材3側には凹部12aが形成され、上
記基材3においてこの第2厚肉部12に対応した部位に
は、この凹部12aに嵌まるように表皮2側に突出する
突出部3aが形成されている。
【0020】上記表皮2の第1及び第2表皮層14,1
5は、後述の如く、スラッシュ成形により互いに同じ樹
脂で成形されてなり、その第1及び第2表皮層14,1
5の境界部は互いに混ざり合っていずれの層であるかを
区別することはできないようになっている。この成形さ
れた表皮2に対して基材3を形成するために溶融樹脂R
を射出させることにより上記インストルメントパネル1
が成形されるようになっている。そして、上記第1及び
第2厚肉部11,12は、表皮2において上記溶融樹脂
Rの射出位置(後述のゲート34,34)に対応した部
位にそれぞれ形成されている。すなわち、溶融樹脂Rが
各ゲート34から直接的に表皮2の第1及び第2厚肉部
11,12の裏面に向けて射出されるようになってい
る。
【0021】以上の構成からなるインストルメントパネ
ル1を成形する方法を説明する。先ず、表皮2をスラッ
シュ成形するには、図4及び図6に示すように、スラッ
シュ成形装置20を使用する。この成形装置20は、通
常は下側にあるボックス21,22と上側に位置する金
型23とからなる。上記ボックス21,22は上面部に
開口を有する略矩形箱状をなし、その内部には表皮2の
第1及び第2表皮層14,15の原料となる互いに同じ
粉末樹脂24が収納されている。上記一方のボックス2
1の開口は、他方のボックス22よりもその開口面積が
小さくされていて、その開口周縁部が上方に延びてその
先端が上記金型23において表皮2の第1厚肉部11周
囲に対応する部分に当接するようになっている。すなわ
ち、このボックス21の開口は、上記表皮2の第1厚肉
部11における第1表皮層14の外周形状となるように
形成されている。
【0022】上記金型23は加熱及び冷却が可能とされ
た浅い箱状のもので、その内面には成形されるインスト
ルメントパネル1の表面形状に合わせた形状の成形面2
3aが形成され、下側に開口する開口は上記開口面積が
大きいボックス22の開口と略同じ形状とされ、この開
口の周縁にはフランジ部23bが形成されている。そし
て、ボックス21,22及び金型23は、ボックス2
1,22の開口を金型23が閉塞するように各々の開口
同士が対向されて組合わされ、金型23のフランジ部2
3bがボックス21,22の上面周囲に取付固定されて
気密状に一体とされており、このようにボックス21,
22と金型23とが組合わされた状態で、表皮2の第1
及び第2表皮層14,15が成形される。
【0023】すなわち、上記ボックス21,22と金型
23とは略中央部の回転中心軸25回りに一体的に回転
可能とされ、表皮2の各層14,15のスラッシュ成形
前及び成形後には、ボックス21,22が下側で金型2
3が上側に位置しているが、表皮2の各層14,15の
スラッシュ成形時には、上記ボックス21,22と金型
23とが上記回転中心軸25回りに一体的に回転してボ
ックス21,22と金型23との位置関係が逆となり、
ボックス21,22が上側で金型23が下側となる。
【0024】そして、上記表皮2の2つの第1及び第2
表皮層14,15は同じ金型23が用いられるが、ボッ
クス21,22は各層14,15毎に異なり、第1表皮
層14については上記開口面積が小さいボックス21
が、また第2表皮層15については開口面積が大きいボ
ックス22がそれぞれ用いられる。
【0025】上記スラッシュ成形装置20において、先
ず、開口面積が小さいボックス21と予め加熱された金
型23とを組合わせ、ボックス21及び金型23を回転
中心軸25回りに360°正転と逆転とを数回繰り返し
て回転させる。このことにより、ボックス21内の粉末
樹脂24が金型23の成形面23a上に落下して溶融
し、その成形面23aにより第1表皮層14が成形され
る。続いて、この第1表皮層14を金型23の成形面2
3aに付着させたまま、ボックス21及び金型23を元
の姿勢に戻して金型23を上側にする(図5参照)。
【0026】次いで、上記ボックス21を開口面積が大
きいボックス22と交換した後、上記第1表皮層14の
成形と同様に、ボックス22及び金型23を回転中心軸
25回りに回転させる。この回転により金型23が下側
になったとき、ボックス22内の粉末樹脂24が金型2
3の成形面23a及びこの成形面23a上にある第1表
皮層14の上面に落下して金型23からの余熱により金
型23の成形面23a及び第1表皮層14裏面に溶着
し、このことで、第1及び第2表皮層14,15からな
る表皮2が成形される。この結果、第1厚肉部11は第
1及び第2表皮層14,15の2層からなるので、他の
部位よりもその肉厚は厚くなる。一方、金型23におい
て第2厚肉部12に対応する部分は凹状に形成されてい
るので、その部分に粉末樹脂24が付着し易くなってお
り、通常にスラッシュ成形を行うことにより、第2厚肉
部12は自然に他の部位よりも厚肉(1.5〜2倍程
度)となる。尚、第1及び第2表皮層14,15の境界
部は互いに混ざり合っていずれの層であるかを区別する
ことはできなくなる。
【0027】続いて、第1及び第2表皮層14,15を
金型23の成形面23aに付着させたまま、ボックス2
2及び金型23を元の姿勢に戻して金型23を上側にす
る(図7参照)。
【0028】このようにして表皮2をスラッシュ成形し
た後、金型23をボックス22から取り外し、金型23
を冷却水により冷却して表皮2の第1及び第2表皮層1
4,15を硬化させる。しかる後、金型23から表皮2
を取り出すことにより、第1及び第2厚肉部11,12
が形成されたインストルメントパネル1の表皮2が得ら
れる。
【0029】次に、この成形された表皮2を用いてイン
ストルメントパネル1を射出成形する方法を説明する。
図8及び図9は、上記インストルメントパネル1を射出
成形するための射出成形型30において上記表皮2の第
1及び第2厚肉部11,12にそれぞれ対応する部分の
みを示す。この射出成形型30は、インストルメントパ
ネル1の表面側を形成する第1成形型31と裏面側を形
成する第2成形型32とからなる2分割式成形型とされ
ている。上記第1成形型31の成形面31aはインスト
ルメントパネル1(表皮2)の表面形状と、また第2成
形型32の成形面32aはインストルメントパネル1
(基材3)の裏面形状とそれぞれ対応するように形成さ
れている。そして、この第1及び第2成形型31,32
を閉じたときにその両成形型31,32間にインストル
メントパネル1の外形と同形状のキャビティ33が形成
されるようになっている。さらに、上記第2成形型32
において表皮2の第1及び第2厚肉部11,12に対応
する部分には、固化(硬化)後に基材3となる溶融樹脂
Rを射出するためのゲート34,34がそれぞれ開口さ
れている。
【0030】上記射出成形型30を用いて、先ず、第1
及び第2成形型31,32を開いた状態で上記表皮2を
成形面31aの形状に合わせて第1成形型31にセット
する。このとき、第1及び第2厚肉部11,12の位置
は上記第2成形型32の各ゲート34にそれぞれ対応し
ていることになる。
【0031】その後、第1及び第2成形型31,32を
閉じて両成形型31,32間にキャビティ33を形成す
る。このとき、図8及び図9に示すように、第2成形型
32の各ゲート34は第1及び第2厚肉部11,12に
それぞれ対向するように位置付けられる。
【0032】次いで、上記第2成形型32の各ゲート3
4から溶融樹脂Rをキャビティ33内に射出する。この
とき、溶融樹脂Rが上記第1及び第2厚肉部11,12
の裏面に向けて射出されるが、その各厚肉部11,12
は肉厚が厚くされて溶融樹脂Rの射出圧力に対する抵抗
性や熱容量が大きくなっているので、表皮2が変形した
り破損したりすることはない。また、たとえ各厚肉部1
1,12の裏面が部分的に損傷することはあっても、そ
の損傷が表皮2の表面まで達することはなく、表皮2の
表面が変色したり表面に皺が発生したりすることもな
い。このことにより、基材3と一体成形された表皮2の
外観品質が良好であるインストルメントパネル1が得ら
れる。
【0033】したがって、上記実施形態では、表皮2に
おいて各ゲート34に対応した部位に、肉厚が他の部位
よりも厚くされてなる第1及び第2厚肉部11,12が
形成されているので、各ゲート34から射出した溶融樹
脂Rが直接的に表皮2に向けて射出されないようにする
ために、インストルメントパネル1の各ゲート34に対
応する部位に、溶融樹脂Rを十分に拡散させ得る大きさ
のリブ等を設けなくても済み、溶融樹脂Rが直接的に表
皮2に向けて射出されても、各厚肉部11,12により
溶融樹脂Rの射出圧力や熱による表皮2の損傷を防止す
ることができる。また、簡単な射出成形型30により容
易に表皮2及び基材3を一体成形することができる。よ
って、インストルメントパネル1の設計自由度を向上さ
せつつ、低コストでその外観の見映えを良好にすること
ができる。
【0034】さらに、基材3において表皮2の第2厚肉
部12に対応した部位に、該表皮2側に突出する突出部
3aが形成されているので、第2厚肉部12とこの第2
厚肉部12に対応するゲート34との距離が基材3の突
出部3aの突出量だけ大きくなるので、第2厚肉部12
の表面側の損傷をより一層効果的に防止することができ
る。また、基材3の突出部3aに対応して表皮2の表面
には突状部が形成されることになるが、このような突状
部は両収納凹部6,6間に設ける等してデザイン的な処
理を施すことにより容易に設定することができる。よっ
て、簡単にかつ確実にインストルメントパネル1の外観
見映えの向上化を図ることができる。
【0035】そして、表皮2はスラッシュ成形により成
形されてなるので、第1厚肉部11では2層に成形する
ことによって簡単に厚肉とすることができる。また、第
2厚肉部12では多層にしなくてもスラッシュ成形によ
り第2厚肉部12の肉厚は自然と厚くなる。よって、第
1及び第2厚肉部12を有する表皮2を容易に得ること
ができる。
【0036】尚、上記実施形態では、表皮2における第
1厚肉部11の第1表皮層14は第2表皮層15の表面
側に部分的に形成したが、図10に示すように、第1表
皮層14′を第2表皮層15′の裏面側に部分的に裏打
ちして第1厚肉部11′を形成した表皮2′とし、該表
皮2′を使用して上記実施形態に準じて該表皮2′と基
材3とを一体成形するようにしてもよい。この場合、第
1表皮層14′が第2表皮層15′の裏面にあるため、
樹脂成形品の表側から第1表皮層14′が見えず、上記
実施形態に比べて外観が一層向上した成形品を得ること
ができる。
【0037】また、上記実施形態では、表皮一体樹脂成
形品としてインストルメントパネル1である場合を示し
たが、これに限らず、自動車の他の内装品であるドアト
リムやコンソールボックス等であってもよく、その他ど
のような表皮一体樹脂成形品であっても本発明を適用す
ることができる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よると、表皮と、射出成形により該表皮の裏面に向けて
射出した溶融樹脂を固化させた基材とを一体成形してな
る表皮一体樹脂成形品に対して、その表皮において上記
溶融樹脂の射出位置に対応した部位に、肉厚が他の部位
よりも厚くされてなる厚肉部を形成したことにより、表
皮一体樹脂成形品の設計自由度を向上させつつ、その外
観見映えの向上化を図ることができる。
【0039】請求項2の発明によると、基材において表
皮の厚肉部に対応した部位に、該表皮側に突出する突出
部を形成したことにより、簡単にかつ確実に表皮一体樹
脂成形品の品質向上化を図ることができる。
【0040】請求項3の発明によると、表皮をスラッシ
ュ成形により成形したことにより、容易に厚肉部を有す
る表皮の成形を行うことができる。
【0041】請求項4の発明によると、表皮一体樹脂成
形品の成形方法として、2分割式成形型の第1成形型
に、一部に厚肉部を形成した表皮を該厚肉部が第2成形
型に開口したゲートに対応するようにセットした後、両
成形型を閉じてキャビティを形成し、次いで、上記第2
成形型のゲートから基材の溶融樹脂を上記キャビティ内
に射出することにより、上記表皮及び基材を一体に成形
するようにしたことにより、請求項1の発明と同様の作
用効果が得られると共に、外観見映えの良好な表皮一体
樹脂成形品を低コストで成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る表皮一体樹脂成形品と
してのインストルメントパネルを示す斜視図である。
【図2】図1のIIーII線断面図である。
【図3】図1のIII ーIII 線断面図である。
【図4】表皮の第1表皮層の成形方法を示すスラッシュ
成形装置の断面図である。
【図5】表皮の第1表皮層の成形が完了した状態を示す
図4相当図である。
【図6】表皮の第2表皮層の成形方法を示す図4相当図
である。
【図7】表皮の第2表皮層の成形が完了した状態を示す
図4相当図である。
【図8】射出成形型において表皮の第1厚肉部に相当す
る部分を示す断面図である。
【図9】射出成形型において表皮の第2厚肉部に相当す
る部分を示す断面図である。
【図10】第1厚肉部の他の実施形態を示す図2相当図
である。
【符号の説明】
1 インストルメントパネル(表皮一体樹脂成形品) 2,2′ 表皮 3 基材 3a 突出部 11,11′ 第1厚肉部 12 第2厚肉部 20 スラッシュ成形装置 30 射出成形型 31 第1成形型 32 第2成形型 33 キャビティ 34 ゲート R 溶融樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 31:58

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表皮と、射出成形により該表皮の裏面に
    向けて射出した溶融樹脂を固化させた基材とを一体成形
    してなる表皮一体樹脂成形品において、 上記表皮において上記溶融樹脂の射出位置に対応した部
    位に、肉厚が他の部位よりも厚くされてなる厚肉部が形
    成されていることを特徴とする表皮一体樹脂成形品。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の表皮一体樹脂成形品にお
    いて、 基材において表皮の厚肉部に対応した部位に、該表皮側
    に突出する突出部が形成されていることを特徴とする表
    皮一体樹脂成形品。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の表皮一体樹脂成形
    品において、 表皮は、スラッシュ成形により成形されてなることを特
    徴とする表皮一体樹脂成形品。
  4. 【請求項4】 表皮と、射出成形により該表皮の裏面に
    向けて射出した溶融樹脂を固化させた基材とを一体成形
    してなる表皮一体樹脂成形品の成形方法において、 第1及び第2成形型からなる2分割式成形型の第1成形
    型に、一部に厚肉部を形成した表皮を該厚肉部が上記第
    2成形型に開口したゲートに対応するようにセットした
    後、両成形型を閉じてキャビティを形成し、 次いで、上記第2成形型のゲートから基材の溶融樹脂を
    上記キャビティ内に射出することにより、上記表皮及び
    基材を一体に成形することを特徴とする表皮一体樹脂成
    形品の成形方法。
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