JP2932931B2 - 樹脂製品の成形方法及び成形用金型装置 - Google Patents

樹脂製品の成形方法及び成形用金型装置

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JP2932931B2
JP2932931B2 JP6745994A JP6745994A JP2932931B2 JP 2932931 B2 JP2932931 B2 JP 2932931B2 JP 6745994 A JP6745994 A JP 6745994A JP 6745994 A JP6745994 A JP 6745994A JP 2932931 B2 JP2932931 B2 JP 2932931B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用インストルメ
ントパネル等に代表される、基材本体表面に部分的に弾
性シート材が熱融着されてなる樹脂製品に係り、特に、
弾性シート材の一部の端縁部が基材本体の溝内に位置し
てなる樹脂製品の成形方法及びその成形用金型装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、インストルメントパネル(以
下、「インパネ」という)は、硬質樹脂よりなる基材及
びその表面に取着された弾性シート材よりなっている。
インパネは、その構造上、表面全体に弾性シート材の設
けられた「フルパッドタイプ」、基材の一部が剥き出し
になった「ハーフパッドタイプ」、基材のみから構成さ
れる「パッドレスタイプ」の3種類に大別される。
【0003】例えば、図10に示すように、大衆車に多
く採用される「ハーフパッドタイプ」のインパネ51の
基材52は、所定の剛性及び成形性等が要求されること
から、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン)やPP(ポリプロピレン)等を主材として形成され
ている。また、弾性シート材53は、例えば、架橋PP
フォームよりなるクッション層54、PVC(ポリ塩化
ビニル)よりなる表皮層55等を備えている。
【0004】上記インパネ51は、例えば次にようにし
て形成される。すなわち、予め公知の真空成形等により
弾性シート材53を所定の形状とし、周辺をトリミング
しておく。次に、その弾性シート材53を基材52を成
形するための金型内の所定の位置にセットする。そし
て、キャビティ内に可塑化された樹脂材料を射出充填す
る。すると、該樹脂材料により、基材52が形成される
とともに、その表面には、弾性シート材53が熱融着さ
れる。
【0005】ところで、前記インパネ51の外観品質を
向上するべく、近年では同図に示すように、基材52に
溝56を形成し、該溝56に前記弾性シート材53の端
縁部53aの一部を配置させることが一般的に行われる
ようになってきている。上記構成によれば、弾性シート
材53の端縁部53aと溝56とが一致するため、弾性
シート材53及び基材52露出面の境界部分の見切り外
観が良好なものとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記技
術においては、インパネ51、特に基材52を成形する
に際し、樹脂材料の流動応力等に起因して弾性シート材
53が所定の位置から若干ずれたり、弾性シート材53
自身が熱により伸びたりする場合がある。この場合に
は、図11に示すように、弾性シート材53の端縁部5
3aが下型57の成形面に当接してしまうおそれがあっ
た。そして、このように弾性シート材53の端縁が下型
57の成形面に当たったままインパネ51が成形された
場合には、図12に示すように、インパネ51の裏面側
にまで弾性シート材53が露出してしまうこととなる。
このため、インパネ51のうち、溝56及びその近傍を
構成する部分(図のα部分)が、断面方向に弾性シート
材53のみによって構成されることとなり、その結果、
当該部分の強度、剛性が著しく低いものとなってしまう
おそれがあった。
【0007】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、基材本体及びその表面
に熱融着された弾性シート材を備えた樹脂製品におい
て、外観品質の向上を図るとともに、成形時に弾性シー
ト材のずれや伸びがあったとしても、それによる強度、
剛性の低下を防止することのできる樹脂製品の成形方法
及びその成形用金型装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明においては、表面側の一部に
溝を有し、熱可塑性樹脂によって構成される基材本体
と、該基材本体表面の一部に対し熱融着され、かつ、少
なくとも一部の端縁部が前記溝内に位置してなる弾性シ
ート材とを備えた樹脂製品の成形方法であって、前記弾
性シート材を、真空成形法により成形し、所定の形状と
する工程と、一部に前記弾性シート材がセットされるセ
ット面及び前記溝を成形するための溝成形凸部を有し、
前記基材本体の一部を形成するための第1の成形面を備
えた第1の金型と、該第1の金型に対し相対的に接離可
能に配設され、前記溝を形成するための溝成形凹部及び
該溝成形凹部に立設された少なくとも1つのリブを有
し、前記基材本体の残りの部分を形成するための第2の
成形面を備えた第2の金型とからなる金型装置を用意す
る工程と、前記弾性シート材の少なくとも一部の端縁部
が、前記溝成形凸部にほぼ密着するよう、前記弾性シー
ト材の表面を前記第1の金型のセット面にほぼ当接させ
た状態で、前記弾性シート材を前記第1の成形面及び第
2の成形面によって構成されるキャビティ内にセットす
る工程と、可塑化された樹脂材料を前記第1の金型又は
第2の金型に設けられたゲートより前記キャビティ内に
射出し、充填する工程と、表面の一部に対し前記弾性シ
ート材が熱融着された基材本体を前記金型装置から取り
出す工程とを備えたことをその要旨としている。
【0009】また、請求項2に記載の発明においては、
表面側の一部に溝を有し、熱可塑性樹脂によって構成さ
れる基材本体と、該基材本体表面の一部に対し熱融着さ
れ、かつ、少なくとも一部の端縁部が前記溝内に位置し
てなる弾性シート材とを備えた樹脂製品を成形するため
の金型装置であって、一部に前記弾性シート材がセット
されるセット面及び前記溝を成形するための溝成形凸部
を有し、前記基材本体の一部を形成するための第1の成
形面を備えた第1の金型と、該第1の金型に対し相対的
に接離可能に配設され、前記溝を形成するための溝成形
凹部及び該溝成形凹部に立設された少なくとも1つのリ
ブを有し、前記第1の成形面との整合により前記基材本
体を形成するためのキャビティを構成する第2の成形面
を備えた第2の金型とを備え、前記第1又は第2の金型
には、前記キャビティ内へ前記基材本体を形成するため
の可塑化された樹脂材料を射出するためのゲートが設け
られていることをその要旨としている。
【0010】
【作用】上記請求項1に記載の発明によれば、まず、弾
性シート材が、真空成形法により成形され、所定の形状
とされる。また、一部にセット面及び溝を成形するため
の溝成形凸部を有し、第1の成形面を備えた第1の金型
と、該第1の金型に対し相対的に接離可能に配設され、
溝を形成するための溝成形凹部及び該溝成形凹部に立設
された少なくとも1つのリブを有し、第2の成形面を備
えた第2の金型とからなる金型装置が用意される。そし
て、弾性シート材の少なくとも一部の端縁部が、溝成形
凸部にほぼ密着するよう、弾性シート材の表面が第1の
金型のセット面にほぼ当接した状態で、弾性シート材が
第1の成形面及び第2の成形面によって構成されるキャ
ビティ内にセットされる。
【0011】次に、可塑化された樹脂材料が第1の金型
又は第2の金型に設けられたゲートよりキャビティ内に
射出され、充填される。そして、基材本体が成形される
とともに、その表面の一部に対し弾性シート材が熱融着
される。その後、弾性シート材が熱融着された基材本体
が金型装置から取り出される。上記の一連の工程を経る
ことにより、表面側の一部に溝を有する基材本体と、該
基材本体表面の一部に対し熱融着され、かつ、少なくと
も一部の端縁部が前記溝内に位置してなる弾性シート材
とを備えた樹脂製品が成形される。そして、弾性シート
材の端縁部の一部と溝とが一致するため、弾性シート材
及び基材本体露出面の境界部分の見切り外観が良好なも
のとなる。
【0012】さらに、本発明によれば、溝成形凹部に
は、少なくとも1つのリブが立設されている。このた
め、基材本体の成形時において弾性シート材のずれや伸
びがあったとしても、その弾性シート材の端縁部は、リ
ブに当たり、溝成形凹部の底面に当接するのが抑止され
る。従って、リブの存在しない部分における溝成形凹部
には、確実に樹脂材料が行き渡ることとなる。そのた
め、得られた樹脂製品においては、溝に沿った断面方向
にみて弾性シート材のみによって構成される部分が存在
しなくなる。
【0013】また、請求項2に記載の発明によれば、第
1の金型の一部のセット面に弾性シート材がセットされ
る。このとき、溝を成形するための溝成形凸部及び溝成
形凹部に、弾性シート材の少なくとも一部の端縁部が位
置するよう配置される。第1の金型の第1の成形面と、
第2の金型の第2の成形面とが整合することにより基材
本体を成形するためのキャビティが形成され、該キャビ
ティ内にゲートより可塑化された樹脂材料が射出充填さ
れる。そして、基材本体が成形されるとともに、その表
面の一部に対し弾性シート材が熱融着される。その結
果、表面側の一部に溝を有する基材本体と、該基材本体
表面の一部に対し熱融着され、かつ、少なくとも一部の
端縁部が前記溝内に位置してなる弾性シート材とを備え
た樹脂製品が成形される。この樹脂製品においては、弾
性シート材の端縁部の一部と溝とが一致するため、弾性
シート材及び基材本体露出面の境界部分の見切り外観が
良好なものとなる。
【0014】また、溝成形凹部には、少なくとも1つの
リブが立設されていため、基材本体の成形時において弾
性シート材のずれや伸びがあったとしても、その弾性シ
ート材の端縁部は、リブに当たり、溝成形凹部の底面に
当接するのが抑止される。従って、リブの存在しない部
分における溝成形凹部には、確実に樹脂材料が行き渡る
こととなる。そのため、上記第1の発明と同様、得られ
た樹脂製品においては、溝に沿った断面方向にみて弾性
シート材のみによって構成される部分が存在しなくな
る。
【0015】
【実施例】
(第1実施例)以下、本発明を具体化した第1実施例を
図1〜7に基づいて説明する。
【0016】自動車の運転席及び助手席の前側には、図
2に示すように、計器板周りの樹脂製品としてのインス
トルメントパネル(以下、「インパネ」という)1が配
設される。このインパネ1は、基材本体2と、その上面
(図では斜線を付した箇所)に取着された弾性シート材
3とを備えている。すなわち、本実施例のインパネ1
は、大衆車に多く採用される「ハーフパッドタイプ」の
ものであって、基材本体2の一部が剥き出しになってい
る。
【0017】図3に示すように、前記基材本体2は、フ
ィラーの混入されたポリプロピレン(フィラー入りP
P)よりなり、所定の剛性が確保されている。また、弾
性シート材3は、内層側(図の下側)から順に、PPよ
りなる熱融着層4、該熱融着層4の外側(図の上側)に
位置し、PPフォームよりなるクッション層5及び該ク
ッション層5の外側に位置し、ポリ塩化ビニル(PV
C)よりなるソリッド表皮層6が一体となることにより
構成されている。
【0018】そして、本実施例では、弾性シート材3の
熱融着層4が、基材本体2の上面に対し熱融着により接
合されることにより、弾性シート材3と基材本体2との
間の密着性が確保されている。
【0019】また、図2,4に示すように、基材本体2
の所定箇所には、溝7が形成されている。そして、本実
施例では、前記弾性シート材3は、その端縁部3aの一
部と前記溝7とが一致するようにして配設されている。
【0020】次に、上記のインパネ1の基材本体2を成
形するための金型装置11について説明する。図1に示
すように、金型装置11は、第1の金型を構成する可動
型12及び第2の金型を構成する固定型13を備えてい
る。可動型12は、固定型13に対し接離可能に配設さ
れている。また、可動型12は、基材本体2の一部を形
成するための第1の成形面14を備えているとともに、
前記弾性シート材3がセットされるセット面15及び前
記溝7を成形するための溝成形凸部16を有している。
さらに、固定型13は、第2の成形面17を備えている
とともに、前記溝7を形成するための溝成形凹部18を
有している。そして、可動型12及び固定型13が相互
に当接し、第1の成形面14と第2の成形面17とが整
合することにより、前記基材本体2を形成するためのキ
ャビティ19が構成される。
【0021】併せて、本実施例では、前記固定型13の
溝成形凹部18の底部には、溝成形凹部18の幅方向に
わたって延びるリブ21が上方へ突出するようにして一
体形成されている。該リブ21は、図2において、2点
鎖線円で示した箇所に対応するようにして複数箇所に設
けられている。
【0022】また、固定型13には、キャビティ19に
開口する少なくとも1つの図示しないゲートが形成され
ている。次に、本実施例における、上記インパネ1の製
造方法について説明する。
【0023】まず、予め、弾性シート材3を製造する。
すなわち、上記の3層構造よりなる平面状のシートを得
る。次いで、公知の真空成形法により、インパネ1の上
面の形状に則した形状に成形する。その後、余分な箇所
をトリミングにより切断除去する。これら一連の工程を
経ることにより、弾性シート材3が得られる。
【0024】そして、図5に示すように、前記金型装置
11のキャビティ19内の所定の箇所に、予め形成され
た前記弾性シート材3をセットする。より詳しくは、両
型12,13を型開きした状態で、前記可動型12のセ
ット面15に弾性シート材3を当接させ、しかも、弾性
シート材3の端縁部3aの一部(溝7に位置する部分)
が、前記溝成形凸部16にほぼ密着するようにセットす
る。そして、可動型12を固定型13に当接させる。こ
のとき、弾性シート材3は、そのソリッド表皮層6がセ
ット面15に当接した状態でセットされる。
【0025】続いて、図6,7に示すように、図示しな
い射出成形機を用いて、可塑化されたフィラー入りPP
(樹脂材料)を、前記ゲートからキャビティ19内に射
出する。その後、樹脂材料がキャビティ19内に充填さ
れる。このとき、樹脂材料の持つ熱により、熱融着層4
が軟化する。その後、樹脂材料が冷却固化することによ
り、熱融着層4が樹脂材料と融着する。この融着によ
り、弾性シート材3と樹脂材料(基材本体2)とが接合
される。そして、両型12,13が型開きされ、弾性シ
ート材3が取着された基材本体2が取り出されることに
より、上記インパネ1が得られる。
【0026】このようにして得られたインパネ1におい
ては、フィラー入りPPよりなる基材本体2により所定
の剛性が確保される。また、基材本体2の一部に取着さ
れた弾性シート材3のクッション層5により、触れたと
きのソフト感が確保され、ソリッド表皮層6により、防
眩性、耐候性、耐熱性、外観品質等が確保される。さら
に、熱融着層4により、弾性シート材3と基材本体2と
の密着性が確保される。
【0027】また、本実施例では、インパネ1の基材本
体2の一部には溝7が形成され、弾性シート材3の端縁
部の一部と溝7とが一致するよう配設されている。この
ため、弾性シート材3及び基材本体2露出面の境界部分
の見切り外観が良好なものとなる。その結果、外観品質
の向上が図られる。
【0028】さらに、本発明によれば、可動型12の溝
成形凹部18には、リブ21が立設されている。このた
め、図6,7に示すように、基材本体2の成形時におい
て弾性シート材3のずれや伸びがあったとしても、その
端縁部3aは、リブ21に当たり、樹脂材料の流れ方向
に折れ曲がる。このため、弾性シート材3の端縁部3a
が溝成形凹部18の底面に当接するのが抑止される。従
って、リブ21の存在しない部分における溝成形凹部1
8には、確実に樹脂材料が行き渡ることとなる。そのた
め、得られたインパネ1においては、溝7に沿った断面
方向にみて弾性シート材3のみによって構成される部分
が存在しなくなる。すなわち、溝7に沿った断面方向に
みた場合、いずれの部位においても基材本体2が存在す
ることとなる。その結果、該基材本体2の存在により、
インパネ1は、溝7及びその近傍においても所定の強
度、剛性を確保することができる。
【0029】(第2実施例)次に、本発明を具体化した
第2実施例を図8,9に基づいて説明する。但し、本実
施例においては、前述した第1実施例と重複する部分に
ついてはその説明を省略するとともに、相違点を中心に
して説明する。
【0030】図8に示すように、本実施例においては、
リブ22が、溝成形凹部18の弾性シート材3の配設さ
れる反対側の側壁にまで延びているという点で第1実施
例とは大きく異なっている。
【0031】上記の構成とすることにより、基材本体2
の成形時において弾性シート材3のずれや伸びがあり、
その量が、第1実施例の場合よりも大きかったとして
も、図9に示すように、その弾性シート材3の端縁部3
aは、リブ22に当たり、樹脂材料の流れ方向にリブ2
2に沿って折れ曲がる。このため、弾性シート材3の端
縁部3aが溝成形凹部18の底面に当接するのが抑止さ
れる。従って、リブ22の存在しない部分における溝成
形凹部18には、確実に樹脂材料が行き渡ることとな
り、得られた基材本体2の裏面側に端縁部3aが露出す
ることはない。その結果、第1実施例に比べて、弾性シ
ート材3のずれや伸びの量がさらに大きくなったとして
も、得られるインパネ1は、溝7及びその近傍において
も所定の強度、剛性を確保することができる。
【0032】尚、本発明は構成の一部を適宜に変更して
次のように実施してもよい。 (1)前記実施例では、基材本体2をフィラー入りPP
により構成したが、PPのみにより構成されていてもよ
い。また、固化時に所定の剛性を有するその外の熱可塑
性樹脂(例えばABS樹脂等)により構成されていても
よい。
【0033】さらに、前記実施例では、弾性シート材3
を熱融着層4、クッション層5及びソリッド表皮層6に
より構成したが、表皮として採用されうる素材よりなれ
ば、何層からなっていてもよいし、また、その素材も何
ら限定されるものではない。
【0034】(2)前記実施例における固定型13と可
動型12を図面上、上下逆にしても差し支えない。 (3)前記実施例では、樹脂製品としてインパネ1を採
用したが、その外にもドアトリム、サイドガーニッシ
ュ、ピラーガーニッシュ等の樹脂製品に具体化してもよ
い。
【0035】(4)前記実施例では、リブ21,22を
溝成形凹部18の複数箇所に設ける構成としたが、少な
くとも一箇所に設ければよい。 (5)前記実施例では、射出成形法により、基材本体2
を成形する場合に具体化したが、いわゆるスタンピング
成形法を用いて基材本体2を成形する場合に具体化する
こともできる。 特許請求の範囲の各請求項に記載されないものであっ
て、上記実施例から把握できる技術的思想について以下
にその効果とともに記載する。
【0036】(a)請求項1又は2に記載の樹脂製品の
製造方法又は成形用金型装置において、前記リブは、溝
のほぼ全長にわたって、所定間隔を隔てて複数箇所に設
けられていることを特徴とする。この構成とすることに
より、弾性シート材が基材本体の裏面側にまで露出する
ことがなくなり、強度、剛性の低下を確実に防止するこ
とができる。
【0037】(b)請求項1、2又は上記付記(a)に
記載の樹脂製品の製造方法又は成形用金型装置におい
て、前記リブは、前記溝成形凹部の前記弾性シート材の
配設される反対側の側壁にまで延びていることを特徴と
する。上記の構成とすることにより、弾性シート材のず
れや伸びの量がより大きかったとしても、弾性シート材
の端縁部が溝成形凹部の底面に当接するのが抑止され
る。その結果、強度、剛性の低下を防止することができ
る。
【0038】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1又は2記
載の発明によれば、基材本体及びその表面に熱融着され
た弾性シート材を備えた樹脂製品において、外観品質の
向上を図ることができるとともに、成形時に弾性シート
材のずれや伸びがあったとしても、それによる強度、剛
性の低下を防止することができるという優れた効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第1実施例におけるインパ
ネを成形するための金型装置を示す拡大断面図である。
【図2】第1実施例におけるインパネの斜視図である。
【図3】第1実施例におけるインパネの拡大断面図であ
る。
【図4】第1実施例におけるインパネの溝近傍を示す部
分断面図である。
【図5】第1実施例におけるインパネを製造する際に、
弾性シート材をセットした状態を示す金型装置の部分断
面図である。
【図6】第1実施例において、キャビティ内に樹脂を射
出した状態であって、金型装置のうちリブの存在しない
部分を示す断面図である。
【図7】第1実施例において、キャビティ内に樹脂を射
出した状態であって、金型装置のうちリブの存在する部
分を示す断面図である。
【図8】本発明を具体化した第2実施例においてインパ
ネを成形するための金型装置を示す拡大断面図である。
【図9】第2実施例において、インパネ成形時の作用を
説明するための金型の部分断面図である。
【図10】従来技術におけるインパネを示す部分断面図
である。
【図11】従来技術におけるインパネを成形する際の金
型装置を示す部分断面図である。
【図12】従来技術における不具合を示す図であって、
インパネの溝部近傍を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1…樹脂製品としてのインストルメントパネル(インパ
ネ)、2…基材本体、3…弾性シート材、7…溝、11
…金型装置、12…第1の金型をとしての可動型、13
…第2の金型としての固定型、14…第1の成形面、1
5…セット面、16…溝成形凸部、17…第2の成形
面、18…溝成形凹部、19…キャビティ、21,22
…リブ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永野 昭義 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑 1番地 豊田合成 株式会社 内 (56)参考文献 特開 平7−195372(JP,A) 特開 平7−195430(JP,A) 特開 平7−195433(JP,A) 特開 平3−27910(JP,A) 特開 平4−110117(JP,A) 特開 平5−169485(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 45/00 - 45/84

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面側の一部に溝(7)を有し、熱可塑
    性樹脂によって構成される基材本体(2)と、該基材本
    体(2)表面の一部に対し熱融着され、かつ、少なくと
    も一部の端縁部(3a)が前記溝(7)内に位置してな
    る弾性シート材(3)とを備えた樹脂製品の成形方法で
    あって、 前記弾性シート材(3)を、真空成形法により成形し、
    所定の形状とする工程と、 一部に前記弾性シート材(3)がセットされるセット面
    (15)及び前記溝(7)を成形するための溝成形凸部
    (16)を有し、前記基材本体(2)の一部を形成する
    ための第1の成形面(14)を備えた第1の金型(1
    2)と、該第1の金型(12)に対し相対的に接離可能
    に配設され、前記溝(7)を形成するための溝成形凹部
    (18)及び該溝成形凹部(18)に立設された少なく
    とも1つのリブ(21,22)を有し、前記基材本体
    (2)の残りの部分を形成するための第2の成形面(1
    7)を備えた第2の金型(13)とからなる金型装置
    (11)を用意する工程と、 前記弾性シート材(3)の少なくとも一部の端縁部(3
    a)が、前記溝成形凸部(16)にほぼ密着するよう、
    前記弾性シート材(3)の表面を前記第1の金型(1
    2)のセット面(15)にほぼ当接させた状態で、前記
    弾性シート材(3)を前記第1の成形面(14)及び第
    2の成形面(17)によって構成されるキャビティ(1
    9)内にセットする工程と、 可塑化された樹脂材料を前記第1の金型(12)又は第
    2の金型(13)に設けられたゲートより前記キャビテ
    ィ(19)内に充填する工程と、 表面の一部に対し前記弾性シート材(3)が熱融着され
    た基材本体(2)を前記金型装置(11)から取り出す
    工程とを備えたことを特徴とする樹脂製品の成形方法。
  2. 【請求項2】 表面側の一部に溝(7)を有し、熱可塑
    性樹脂によって構成される基材本体(2)と、該基材本
    体(2)表面の一部に対し熱融着され、かつ、少なくと
    も一部の端縁部(3a)が前記溝(7)内に位置してな
    る弾性シート材(3)とを備えた樹脂製品(1)を成形
    するための金型装置であって、 一部に前記弾性シート材(3)がセットされるセット面
    (15)及び前記溝(7)を成形するための溝成形凸部
    (16)を有し、前記基材本体(2)の一部を形成する
    ための第1の成形面(14)を備えた第1の金型(1
    2)と、 該第1の金型(12)に対し相対的に接離可能に配設さ
    れ、前記溝(7)を形成するための溝成形凹部(18)
    及び該溝成形凹部(18)に立設された少なくとも1つ
    のリブ(21,22)を有し、前記第1の成形面(1
    4)との整合により前記基材本体(2)を形成するため
    のキャビティ(19)を構成する第2の成形面(17)
    を備えた第2の金型(13)とを備え、前記第1又は第
    2の金型(12,13)には、前記キャビティ(19)
    内へ前記基材本体(2)を形成するための可塑化された
    樹脂材料を射出するためのゲートが設けられていること
    を特徴とする樹脂製品の成形用金型装置。
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