JPH11199557A - 樹脂原料用ジアミン - Google Patents

樹脂原料用ジアミン

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JPH11199557A
JPH11199557A JP20798A JP20798A JPH11199557A JP H11199557 A JPH11199557 A JP H11199557A JP 20798 A JP20798 A JP 20798A JP 20798 A JP20798 A JP 20798A JP H11199557 A JPH11199557 A JP H11199557A
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JP
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compound
diamine
carbon atoms
acid
formula
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JP20798A
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Masao Tomikawa
真佐夫 富川
Hisayo Yoshida
尚代 吉田
Masaya Asano
昌也 浅野
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】熱処理後の吸水率が低い、ポリイミド、ポリア
ミド樹脂の原料となる新規なフェノール性水酸基含有ジ
アミンを提供することができる。このジアミンはまた染
料合成原料としても有用である。 【解決手段】次の一般式(1)、(2)または(3)で
表されるフェノール性水酸基を有する樹脂原料用ジアミ
ン。 としては、アミノ安息香酸に由来するベンゼン残基、R
、R、Rの好ましい具体例Rの好ましい具体例
としては、ビス(アミノ−ヒドロキシフェニル)ヘキサ
フルオロプロパンに由来する残基、R、R、R
好ましい具体例としては、ジアミノフェノールに由来す
る残基、Rの好ましい具体例としては、フタル酸に由
来する残基、ビフェニルジカルボン酸に由来する残基、
が挙げられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、半導体素子の表面
保護膜、層間絶縁膜など、耐熱性接着剤、耐熱性機械部
品などに適した新規なポリイミド、ポリアミド樹脂の原
料となる樹脂原料用ジアミンに関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ジアミン類は、ポリイミド樹脂、
ポリアミド樹脂などの耐熱性樹脂の原料、染料の原料と
して重要である。しかしながら、これらのジアミン類に
より高度な機能を持たせるためにフェノール性水酸基な
どの導入が要求されていた。特にジアミンとテトラカル
ボン酸二無水物よりなるポリイミドにおいてはアルカリ
水溶液で現像できるものが要求され、特にフェノール性
水酸基を有したジアミン類が要求されていた。
【0003】従来このようなものとしては、ビス(3−
アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロ
パン、2,4−ジアミノフェノールなどが知られていた
(例えば、特公平1−46862号公報)。しかしなが
ら、従来知られていたものはフェノール性水酸基が独立
しており、熱処理にて耐熱性樹脂であるポリイミドに変
換する際に水酸基が反応できず、得られたポリイミド樹
脂の吸水性が大きく、また、脆いポリイミド樹脂しか得
ることができなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
を解決せしめ新規のフェノール性水酸基を有したジアミ
ンであり、熱処理後に水酸基を残さないような構造の樹
脂原料用ジアミンを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決するため
に本発明は、次の一般式(1)、(2)または(3)で
表される樹脂原料用ジアミンから構成される。
【0006】
【化2】 (式中、R1、R3、R5、R7、R9は少なくとも2個以
上の炭素原子を有する2価の有機基、R2、R4、R6
8は少なくとも2個以上の炭素原子を有する3価から
6価の有機基、m、n、p、qは1から4までの整数を
示す。)
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において上記式(1)、
(2)または(3)で表されるジアミンは、フェノール
性水酸基を有したジアミンである。
【0008】上記式(1)中、R1、R3は少なくとも2
個以上の炭素原子を有する2価の有機基を示し、好まし
くは、炭素原子数2から30までの2価の有機基を示
す。R1、R3はアミノ基とカルボキシル基に結合してい
る。R1、R3の好ましい具体例としては、アミノ安息香
酸に由来するベンゼン残基、アミノナフタレンカルボン
酸に由来するナフタレン残基、アミノピリジンカルボン
酸に由来するピリジン残基、アミノピリミジンカルボン
酸に由来するピリミジン残基などの芳香族性基、1−ア
ミノ−3−カルボキシル−エタンに由来する脂肪族含有
残基などの基、あるいはこれらのアルキル基置換、パー
フルオロアルキル基置換、ハロゲン原子置換物などを挙
げることができる。これらのうち、特に好ましいものは
芳香族性基である。上記式(1)中、R2は少なくとも
2個以上の炭素原子を有する3から6価の有機基を示
す。R2はフェノール性水酸基と2個のアミノ基に結合
している。R2の好ましい具体例としては、ビス(アミ
ノ−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンに由
来する残基、ビス(アミノ−ヒドロキシフェニル)プロ
パンに由来する残基、アミノ−ヒドロキシフェニルビフ
ェニルに由来する残基などの芳香族残基を挙げることが
できる。
【0009】上記式(2)中、R4は少なくとも2個以
上の炭素原子を有する3価から6価の有機基を示し、好
ましくは、炭素原子数2から30までの3から6価の有
機基を示す。R4は2個のアミノ基と1から4個のフェ
ノール性水酸基に結合している。R4の好ましい具体例
としては、ジアミノフェノールに由来する残基、ジアミ
ノヒドロキシナフタレンに由来する残基、ジアミノジヒ
ドロキシベンゼンに由来する残基、ジアミノトリヒドロ
キシベンゼンに由来する残基、ジアミノテトラヒドロキ
シベンゼンに由来する残基、ジアミノヒドロキシピリジ
ンに由来する残基、ジアミノヒドロキシピリミジンに由
来する残基などの芳香族含有基あるいはこれらのアルキ
ル基置換、パーフルオロアルキル基置換、ハロゲン原子
置換物を挙げることができる。R5はR1と同様、少なく
とも2個以上の炭素原子を有する2価の有機基を示す。
【0010】上記式(3)中、R6、R8はR4と同様、
少なくとも2個以上の炭素原子を有する3価から6価の
有機基を示す。R7は、少なくとも2個以上の炭素原子
を有する2価の有機基を示し、好ましくは炭素原子数2
から30までの2個のカルボン酸を有する2価の基を示
している。R7の好ましい具体例としては、フタル酸に
由来する残基、ビフェニルジカルボン酸に由来する残
基、ベンゾフェノンジカルボン酸に由来する残基、ビフ
ェニルジカルボン酸に由来する残基、ジフェニルエーテ
ルジカルボン酸に由来する残基、ジフェニルスルホンジ
カルボン酸に由来する残基、ナフタレンジカルボン酸に
由来する残基、ピリジンジカルボン酸に由来する残基な
どの芳香族含有基、アジピン酸、蓚酸、シクロヘキサン
ジカルボン酸などに由来する残基などの脂肪族含有基、
ビス(3−カルボキシプロピル)テトラメチルジシロキ
サンに由来する残基などのケイ素原子含有基などを挙げ
ることができる。
【0011】本発明のジアミン化合物の合成方法につい
て説明する。
【0012】上記式(1)で示されるジアミンを合成す
る場合、例えば、まずR2に相当するヒドロキシジアミ
ン化合物を溶解させた溶液に、トリエチルアミンなどの
三級アミン、プロピレンオキサイドのようなエポキシ化
合物、ジヒドロピランなどの不飽和環状エーテル、メタ
クリル酸エチルのような不飽和結合含有化合物の存在下
に、R1、R3に相当するニトロカルボン酸クロリドを滴
下する。反応後のジニトロ体の精製を容易にするため、
エポキシ化合物、不飽和環状エーテル化合物、不飽和結
合含有化合物の存在下に脱塩酸反応を行うことが好まし
い。特に好ましくはエポキシ化合物、不飽和環状エーテ
ル化合物の存在下に脱塩酸反応を行う。
【0013】これとは別に、ジシクロヘキシルカルボジ
イミド、N,N−カルボニルジイミダゾール、ポリリン
酸などの脱水縮合剤の存在下にR2に相当する成分のヒ
ドロキシジアミノ化合物とR1、R3に相当する成分であ
るニトロカルボン酸を反応させる。このようにして、上
記式(1)で示されるジアミンの前駆体に相当するジニ
トロ体を得ることができる。このジニトロ体を還元する
ことで上記式(1)で示されるジアミンを得ることがで
きる。この還元方法としては、パラジウム/炭素、ラネ
ーニッケルなどの金属触媒の存在下に水素ガスを作用さ
せる方法、パラジウム/炭素、ラネーニッケルなどの金
属触媒の存在下にギ酸アンモニウムを作用させる方法、
塩化第一スズと塩酸による方法、鉄と塩酸による方法、
ヒドラジンを使用する方法などを用いることができる。
【0014】上記式(2)で示されるジアミンも同様に
合成することができる。すなわち、R4に相当するヒド
ロキシアミノニトロ体を溶解させ、ここにトリエチルア
ミンなどの三級アミン、プロピレンオキサイドのような
エポキシ化合物、ジヒドロピランなどの不飽和環状エー
テル、メタクリル酸エチルのような不飽和結合含有化合
物の存在下に、R5に相当するニトロカルボン酸クロリ
ドを滴下する。反応後のジニトロ体の精製を容易にする
ため、エポキシ化合物、不飽和環状エーテル化合物、不
飽和結合含有化合物の存在下に脱塩酸反応を行うことが
好ましい。特に好ましくはエポキシ化合物、不飽和環状
エーテル化合物の存在下に脱塩酸反応を行う。
【0015】これとは別に、ジシクロヘキシルカルボジ
イミド、N,N−カルボニルジイミダゾール、ポリリン
酸などの脱水縮合剤の存在下にR4に相当する成分のヒ
ドロキシジアミノ化合物とR5に相当する成分であるニ
トロカルボン酸を反応させる。このようにして、上記式
(2)で示されるジアミンの前駆体に相当するジニトロ
体を得ることができる。このジニトロ体を還元すること
で上記式(2)で示されるジアミンを得ることができ
る。この還元方法としては、パラジウム/炭素、ラネー
ニッケルなどの金属触媒の存在下に水素ガスを作用させ
る方法、パラジウム/炭素、ラネーニッケルなどの金属
触媒の存在下にギ酸アンモニウムを作用させる方法、塩
化第一スズと塩酸による方法、鉄と塩酸による方法、ヒ
ドラジンを使用する方法などを用いることができる。
【0016】上記式(3)で示されるジアミンも同様に
合成することができる。すなわち、R6、R8に相当する
ヒドロキシアミノニトロ体を溶解させ、ここにトリエチ
ルアミンなどの三級アミン、プロピレンオキサイドのよ
うなエポキシ化合物、ジヒドロピランなどの不飽和環状
エーテル、メタクリル酸エチルのような不飽和結合含有
化合物の存在下に、R7に相当するジカルボン酸クロリ
ドを滴下する。反応後のジニトロ体の精製を容易にする
ため、エポキシ化合物、不飽和環状エーテル化合物、不
飽和結合含有化合物の存在下に脱塩酸反応を行うことが
好ましい。特に好ましくはエポキシ化合物、不飽和環状
エーテル化合物の存在下に脱塩酸反応を行う。
【0017】これとは別に、ジシクロヘキシルカルボジ
イミド、N,N−カルボニルジイミダゾール、ポリリン
酸などの脱水縮合剤の存在下にR6、R8に相当する成分
のヒドロキシアミノニトロ化合物とR7に相当する成分
であるジカルボン酸を反応させる。このようにして、上
記式(3)で示されるジアミンの前駆体に相当するジニ
トロ体を得ることができる。このジニトロ体を還元する
ことで上記式(2)で示されるジアミンを得ることがで
きる。この還元方法としては、パラジウム/炭素、ラネ
ーニッケルなどの金属触媒の存在下に水素ガスを作用さ
せる方法、パラジウム/炭素、ラネーニッケルなどの金
属触媒の存在下にギ酸アンモニウムを作用させる方法、
塩化第一スズと塩酸による方法、鉄と塩酸による方法、
ヒドラジンを使用する方法などを用いることができる。
本発明のジアミンは、ポリイミド、ポリアミドの樹脂原
料として使用することができる。これらの原料の重合方
法としては、例えば、低温中でテトラカルボン酸2無水
物とジアミン化合物を反応させる方法、テトラカルボン
酸2無水物とアルコールとによりジエステルを得、その
後アミンと縮合剤の存在下で反応させる方法、テトラカ
ルボン酸2無水物とアルコールとによりジエステルを
得、その後残りのジカルボン酸を酸クロリド化しアミン
と反応させる方法などを挙げることができる。
【0018】
【実施例】以下発明をより詳細に説明するために、実施
例で説明する。実施例中で使用する特性の測定方法は、
以下のとおりである。
【0019】赤外吸収スペクトルの測定:日本分光
(株)製フーリエ変換型赤外分光光度計を用いて、KB
r法にて測定した。
【0020】融点の測定:島津製作所製示差熱分析装置
(DSC−50)を用い、アルミのセル内に目的物を入
れ、窒素気流下、昇温速度20℃/分で室温より350
℃まで測定した。融点は、示差熱曲線の吸熱ピーク部分
とした。
【0021】吸水率の測定:ポリイミド前駆体を6イン
チシリコンウェハに最終膜厚が20μmとなるように大
日本スクリーン(株)社製のコーターデベロッパーSC
W−636を用いてスピンコートした。このウェハを1
00℃で5分SCW−636のホットプレートを用いて
ベークし、その後光洋リンドバーグ(株)社製イナート
オーブンINH−15を用いて、酸素濃度が20ppm
以下の条件で140℃で30分熱処理した後、1時間か
けて350℃に昇温し、350℃で1時間熱処理した。
この後、オーブン内の温度が100℃以下になったとこ
ろでオーブンより取り出した。このウェハの周辺をカミ
ソリの刃で傷を付けて、45%のフッ酸水溶液に3分浸
漬し、ポリイミド膜をウェハより剥がした。このポリイ
ミド膜をヤマト科学(株)社製イナートオーブンDT−
42を用いて、200℃で3時間乾燥処理した。乾燥処
理後、膜の重量を測定し、さらに水に24時間浸漬した
後の重量を測定し、その重量の差より吸水率を測定し
た。
【0022】実施例1(ジアミン(A)の合成) ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフ
ルオロプロパン18.3g(0.05モル)をアセトン
100ml、プロピレンオキシド17.4g(0.3モ
ル)に溶解させ、−15℃に冷却した。ここに3−ニト
ロベンゾイルクロリド20.4g(0.11モル)をア
セトン100mlに溶解させた溶液を滴下した。滴下終
了後、−15℃で4時間反応させ、その後室温に戻し
た。溶液をロータリーエバポレーターで濃縮し、得られ
た固体をテトラヒドロフランとエタノールの溶液で再結
晶した(融点320℃)。
【0023】再結晶して集めた固体をエタノール100
mlとテトラヒドロフラン300mlに溶解させて、5
%パラジウム−炭素を2g加えて、激しく攪拌させた。
ここに水素を風船で導入して、還元反応を室温で行っ
た。約2時間後、風船がこれ以上しぼまないことを確認
して反応を終了させた。反応終了後、ろ過して触媒であ
るパラジウム化合物を除き、ロータリーエバポレーター
で濃縮し、ジアミン(A)を得た。得られたジアミン
(A)の融点は308℃であった。また、ジアミン
(A)の赤外吸収スペクトルを図1に示す。ジアミン
(A)の構造を下記に示す。
【0024】
【化3】 実施例2(ジアミン(B)の合成) 2−アミノ−4−ニトロフェノール15.4g(0.1
モル)をアセトン50ml、ピリジン7.9g(0.1
モル)に溶解させ、−15℃に冷却した。ここに4−ニ
トロ安息香酸クロリド11.2g(0.055モル)を
アセトン60mlに溶解させた溶液を徐々に滴下した。
滴下終了後、−15℃で4時間反応させた。その後、室
温に戻して生成している沈殿をろ過で集めた(収量14
g、融点288℃)。
【0025】この沈殿をガンマブチロラクトン400m
l、エタノール100mlに分散させて、5%パラジウ
ム−炭素3gを加えて、激しく攪拌した。ここに水素ガ
スを入れた風船を取り付け、室温で水素ガスの風船がこ
れ以上縮まない状態になるまで攪拌を続け、さらに2時
間水素ガスの風船を取り付けた状態で攪拌した。攪拌終
了後、ろ過でパラジウム化合物を除き、溶液をロータリ
ーエバポレーターで半量になるまで濃縮した。ここにエ
タノールを加えて、再結晶を行い、目的のジアミン
(B)の結晶を得た。得られたジアミン(B)の融点は
278℃であった。また、ジアミン(B)の赤外吸収ス
ペクトルを図2に示す。ジアミン(B)の構造を下記に
示す。
【0026】
【化4】 合成例3(ジアミン(C)の合成) 2−アミノ−4−ニトロフェノール15.4g(0.1
モル)をアセトン50ml、ピリジン7.9g(0.1
モル)に溶解させ、−15℃に冷却した。ここにイソフ
タル酸クロリド11.2g(0.055モル)をアセト
ン60mlに溶解させた溶液を徐々に滴下した。滴下終
了後、−15℃で4時間反応させた。その後、室温に戻
して生成している沈殿をろ過で集めた(収量22g、融
点323℃)。
【0027】この沈殿をガンマブチロラクトン400m
l、エタノール100mlに分散させて、5%パラジウ
ム−炭素3gを加えて、激しく攪拌した。ここに水素ガ
スを入れた風船を取り付け、室温で水素ガスの風船がこ
れ以上縮まない状態になるまで攪拌を続け、さらに2時
間水素ガスの風船を取り付けた状態で攪拌した。攪拌終
了後、ろ過でパラジウム化合物を除き、溶液をロータリ
ーエバポレーターで半量になるまで濃縮した。ここにエ
タノールを加えて、再結晶を行い、ジアミン(C)の結
晶を得た。ジアミン(C)の融点は293℃であった。
ジアミン(C)の赤外吸収スペクトルを図3に示す。ジ
アミン(C)の構造を下記に示す。
【0028】
【化5】 実施例4(樹脂の合成) 500mlの4つ口フラスコに窒素導入管、温度計、攪
拌羽を取り付け、実施例1で合成したジアミン(A)3
0.15g(0.05モル)をN−メチル−2−ピロリ
ドン80gに25℃で溶解させた。ここに3,3’,
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物14.
7g(0.05モル)をN−メチル−2−ピロリドン1
0gとともに加えた。25℃で1時間攪拌した後、50
℃で4時間攪拌を続けた。この後、加熱を止めて、ポリ
テトラフルオロエチレン製のろ紙(住友電工(株)社製
FP−500)でろ過し、ポリイミド樹脂(A)を得
た。このものの吸水率は0.7%と小さく、良好な値で
あった。
【0029】比較例1 500mlの4つ口フラスコに窒素導入管、温度計、攪
拌羽を取り付け、2,4−ジアミノフェノール12.4
g(0.1モル)をN−メチル−2−ピロリドン100
gに25℃で溶解させた。ここに3,3’,4,4’−
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物29.4g(0.
1モル)をN−メチル−2−ピロリドン10gとともに
加えた。25℃で1時間攪拌した後、50℃で4時間攪
拌を続けた。この後、加熱を止めて、ポリテトラフルオ
ロエチレン製のろ紙(住友電工(株)社製 FP−50
0)でろ過しポリイミド樹脂を得た。このものの吸水率
は3%と大きな値であった。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、熱処理後の吸水率が低
いポリイミド、ポリアミドの原料となる新規なフェノー
ル性水酸基含有ジアミンを提供することができる。この
ジアミンはまた染料合成原料としても有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で合成したジアミン(A)の赤外吸収
スペクトルのチャートを示す。
【図2】実施例2で合成したジアミン(B)の赤外吸収
スペクトルのチャートを示す。
【図3】実施例3で合成したジアミン(C)の赤外吸収
スペクトルのチャートを示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の一般式(1)、(2)または(3)で
    表される樹脂原料用ジアミン。 【化1】 (式中、R1、R3、R5、R7、R9は少なくとも2個以
    上の炭素原子を有する2価の有機基、R2、R4、R6
    8は少なくとも2個以上の炭素原子を有する3価から
    6価の有機基、m、n、p、qは1から4までの整数を
    示す。)
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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