JPH11152329A - ポリアミド又はその誘導体の製造法 - Google Patents

ポリアミド又はその誘導体の製造法

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JPH11152329A
JPH11152329A JP32064997A JP32064997A JPH11152329A JP H11152329 A JPH11152329 A JP H11152329A JP 32064997 A JP32064997 A JP 32064997A JP 32064997 A JP32064997 A JP 32064997A JP H11152329 A JPH11152329 A JP H11152329A
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polyamide
reaction
acid
carboxyl group
diamine
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JP32064997A
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Tadayuki Oe
匡之 大江
Shunichiro Uchimura
俊一郎 内村
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クロロイオンの混入するような原料を使用せ
ず、かつフェノール性水酸基やカルボキシル基を含むア
ミン類を使用しても副反応によるゲル化の起こらない、
半導体素子等の電子部品の表面保護膜、層間絶縁膜等に
好適なポリアミド又はその誘導体の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 一般式(1) 【化1】 (式中Xは、テトラカルボン酸ジエステル又はジカルボ
ン酸のカルボキシル基を除いた、2価の残基を示し、Y
はハロゲン原子又はアルキル基を示し、mは0〜3の整
数を示す)で表される反応活性なエステルと、フェノー
ル性水酸基又はカルボキシル基を有するジアミン化合物
とを反応させることを特徴とする、一般式(2) 【化2】 (式中Xは、テトラカルボン酸ジエステル又はジカルボ
ン酸のカルボキシル基を除いた、2価の残基を示し、R
は、フェノール性水酸基又はカルボキシル基を有するジ
アミンのアミノ基を除いた2価の残基を示す)で表され
る繰り返し単位を有するポリアミド又はその誘導体の製
造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フェノール性水酸
基又はカルボキシル基を有するポリアミド酸エステル、
ヒドロキシポリアミド等のポリアミド又はその誘導体の
製造法に関し、さらに詳しくは、加熱処理により半導体
素子等の電子部品の表面保護膜、層間絶縁膜等として適
用可能なポリイミド系耐熱性高分子となるフェノール性
水酸基又はカルボキシル基を有するポリアミド酸エステ
ル類、又は、ポリベンゾオキサゾール系耐熱性高分子と
なるフェノール性水酸基を有するヒドロキシポリアミド
等の製造に好適な方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、ポリイミド前駆体のポリアミド酸
エステルを合成する方法としては、米国特許3,957,512
号のKleeburgらおよび米国特許4,010,831号のRubnerら
の方法による酸塩化物を経由する方法が知られている。
具体的には、これらの特許で使用されている方法は、テ
トラカルボン酸二無水物誘導体にヒドロキシメタクリレ
ートのようなアルコールを反応させ、得られたテトラカ
ルボン酸ジエステル体の反応溶液に、塩化チオニルのよ
うな酸クロ化剤を添加し、カルボン酸を酸塩化物に変換
した後、ジアミン類との反応を行いポリアミド酸エステ
ルを合成するという方法である。
【0003】また、米国特許4,654,415号のAhneらによ
るテトラカルボン酸二無水物誘導体とアルコールとの反
応により得られるテトラカルボン酸ジエステル体とジア
ミン類との反応の縮合剤にカルボジイミド類を使用する
製造方法が知られている。また、米国特許4,551,522号
のFrydらによるテトラカルボン酸二無水物誘導体とジア
ミン類との反応により得られるポリアミド酸誘導体に、
カルボジイミド類またはトリフルオロ酢酸無水物を反応
させイソイミド誘導体に変換した後、アルコール類との
反応を行いポリアミド酸エステルを製造する方法が知ら
れている。また、ポリベンゾオキサゾール前駆体を合成
する方法としては、米国特許4,339,521号および米国特
許4,395,482号のAhneらの方法によるジカルボン酸塩化
物とヒドロキシ含有ジアミンとの反応によりポリアミド
を製造する方法が知られている。
【0004】Kleeburgら、RubnerらやAhneらの酸塩化物
を経由する方法は、強い酸性条件化で反応を行ってお
り、酸性ガスの発生、大量の酸性排水がでる等の問題が
ある。また、ポリアミド酸エステル誘導体やヒドロキシ
ポリアミドを半導体素子等の電子部品の表面保護膜、層
間絶縁膜等に使用する場合においては、半導体表面の汚
染、金属表面の腐食等の問題より、使用するポリマー中
に塩素イオンが混入しているのは非常に問題となるが、
この製造方法では反応に塩素化物を使用するため、ポリ
マー中に塩素イオンが残留し、これを水洗等の方法で数
ppmまで低減させるのは非常に困難である。
【0005】また、HellmutらやFrydらの製造方法は、
反応原料に塩素イオンを含まないため塩素イオンの問題
点はないが、これらの方法をフェノール性水酸基または
カルボキシ基を有するジアミノ化合物類との反応に使用
した場合、ジアミン類中のフェノール基やカルボキシル
基が反応に関与するため、反応物がゲル化を起こしてし
まうという問題点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】請求項1、2及び3記
載の発明は、前記した従来技術の問題点を解決するもの
であり、クロロイオンの混入するような原料を使用せ
ず、かつフェノール性水酸基やカルボキシル基を含むア
ミン類を使用しても副反応によるゲル化の起こらない、
半導体素子等の電子部品の表面保護膜、層間絶縁膜等に
好適なポリアミド又はその誘導体の製造方法を提供する
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、一般式
(1)
【化3】 (式中Xは、テトラカルボン酸ジエステル又はジカルボ
ン酸のカルボキシル基を除いた、2価の残基を示し、Y
はハロゲン原子又はアルキル基を示し、mは0〜3の整
数を示す)で表される反応活性なエステルと、フェノー
ル性水酸基又はカルボキシル基を有するジアミン化合物
とを反応させることを特徴とする、一般式(2)
【化4】 (式中Xは、テトラカルボン酸ジエステル又はジカルボ
ン酸のカルボキシル基を除いた、2価の残基を示し、R
は、フェノール性水酸基又はカルボキシル基を有するジ
アミンのアミノ基を除いた2価の残基を示す)で表され
る繰り返し単位を有するポリアミド又はその誘導体の製
造法に関する。
【0008】また本発明は、前記一般式(1)で示され
る反応活性なエステルが、テトラカルボン酸ジエステル
又はジカルボン酸と、ジニトロフェノール化合物とを、
縮合剤としてカルボジイミド化合物の存在下に反応させ
て得られるものであるポリアミド又はその誘導体の製造
法に関する。さらに本発明は、反応活性なエステルとジ
アミン化合物を反応させる際に、三級アミンを触媒に使
用する前記ポリアミド又はその誘導体の製造法に関す
る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において使用する、一般式
(1)で示される反応活性なエステルは、一般にテトラ
カルボン酸ジエステル又はジカルボン酸と、ジニトロフ
ェノール化合物とを反応させて得られる。前記テトラカ
ルボン酸ジエステルは、一般的にはテトラカルボン酸二
無水物とアルコールとの反応により得られる。
【0010】前記テトラカルボン酸二無水物としては、
例えばピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′−
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,
4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,
2′,3,3′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸二無水物、3,3′,4,4′−ジフェニルエーテ
ルテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ジ
フェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,2,
3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、
1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水
物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無
水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二
無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二
無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸
二無水物、3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテ
トラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−テトラ
フェニルシランテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビ
ス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプ
ロパン二無水物等の芳香族系テトラカルボン酸二無水
物、シクロブタンジカルボン酸二無水物、シクロヘキサ
ンジカルボン酸二無水物、ブタンジカルボン酸二無水物
等が挙げられるが、電子部品用の材料とされる際には芳
香族系テトラカルボン酸二無水物が好ましい。これらは
単独で又は2種以上組み合わせて使用することができ
る。
【0011】また、アルコールとしては、メタノール、
エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルア
ルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコ
ール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコー
ル、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタ
ノール、イソアミルアルコール、1−ヘキサノール、2
−ヘキサノール、3−ヘキサノール等のアルキルアルコ
ール、アリルアルコール、2−ヒドロキシエチルアクリ
レート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート、アリルアルコール等の不
飽和結合含有アルコール、フェノール、ベンジルアルコ
ールなどのモノアルコールなどが挙げられ、これらを単
独で又は2種以上を組み合わせて使用することができ
る。
【0012】テトラカルボン酸二無水物とアルコールの
反応は、特に制限はなく、例えば、テトラカルボン酸二
無水物1モルに対して、アルコールを好ましくは2〜3
モル配合し、これらを溶媒中で、10〜150℃の温度
で反応させることができる。このエステル化反応に関し
ては、酸二無水物やアルコールの反応性に応じて塩基触
媒を添加して行うことができる。塩基触媒としては、ピ
リジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4
−メチルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、2,6
−ジメチルピリジン、3,5−ジメチルピリジン、N,
N−ジメチル−4−アミノピリジン、トリエチルアミ
ン、トリプロピリアミン、トリブチルアミン、1,8−
ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,
4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,5−
ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等が挙げら
れる。これらの塩基触媒を反応性に応じて、酸二無水物
に対して0.01〜3モル使用して反応を行うことがで
きる。
【0013】前記ジカルボン酸としては、イソフタル
酸、テレフタル酸、4,4′−ヘキサフルオロイソプロ
ピリデンジ安息香酸、4,4′−ビフェニルジカルボン
酸、4,4′−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,
4′−ジカルボキシテトラフェニルシラン、ビス(4−
カルボキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(p−カ
ルボキシフェニル)プロパン、5−tert−ブチルイソフ
タル酸、5−ブロモイソフタル酸、5−フルオロイソフ
タル酸、5−クロロイソフタル酸、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸等の芳香族系ジカルボン酸、1,2−シク
ロブタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカル
ボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、シュウ
酸、マロン酸、コハク酸等の脂肪族系ジカルボン酸など
が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせ
て使用することができる。電子部品用の材料とされる際
には芳香族系ジカルボン酸が好ましい。
【0014】本発明で使用されるフェノール性水酸基又
はカルボキシル基を有するジアミン化合物としては、一
級のアミノ基を2つ有するジアミン、例えば、1,3−
ジアミノ−4−ヒドロキシベンゼン、1,3−ジアミノ
−5−ヒドロキシベンゼン、3,3′−ジアミノ−4,
4′−ジヒドロキシビフェニル、4,4′−ジアミノ−
3,3′−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミ
ノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−ア
ミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−
アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3
−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプ
ロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)
ヘキサフルオロプロパン、2,5−ジアミノ安息香酸、
3,4−ジアミノ安息香酸、3,5−ジアミノ安息香
酸、2,5−ジアミノテレフタル酸、ビス(4−アミノ
−3−カルボキシフェニル)メチレン、ビス(4−アミ
ノ−3−カルボキシフェニル)エーテル、4,4′−ジ
アミノ−3,3′−ジカルボキシビフェニル、4,4′
−ジアミノ−5,5′−ジカルボキシ−2,2′−ジメ
チルビフェニル等の芳香族系ジアミン化合物などが挙げ
られ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて使用
される。
【0015】また、上記フェノール性水酸基又はカルボ
キシル基を有するジアミン化合物の他にフェノール性水
酸基又はカルボキシル基を含有しないジアミンを一部使
用しても反応に何ら差し支えはない。そのようなジアミ
ンとしては、一級のアミノ基を2つ有するジアミン、例
えば、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,
4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ
ジフェニルスルホン、4,4′−ジアミノジフェニルス
ルフィド、ベンジシン、m−フェニレンジアミン、p−
フェニレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、
2,6−ナフタレンジアミン、ビス(4−アミノフェノ
キシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェノキシ
フェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェノキシ)ビ
フェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)
ベンゼン等の芳香族ジアミン化合物などが挙げられ、こ
れらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることが
できる。
【0016】テトラカルボン酸ジエステル又はジカルボ
ン酸と、ジアミン化合物を反応させる際には、縮合剤を
用いることが好ましく、縮合剤としてはカルボジイミド
化合物が好ましく、カルボジイミド化合物としては、種
々のものを使用することができる。具体的な例として
は、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジエチルカルボ
ジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、N−エチル
−N′−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド及
びその塩酸塩等が挙げられる。また、テトラカルボン酸
ジエステル又はジカルボン酸と、ジアミン化合物を反応
させる際に使用されるジニトロフェノール化合物の具体
的な例としては、2,4−ジニトロフェノール、2,5
−ジニトロフェノール、ジニトロフェノールの異性体混
合物、これらのベンゼン環上の水素原子の1〜3個がハ
ロゲン原子又はアルキル基(好ましくは炭素原子数1〜
3のもの)で置換された化合物等が挙げられる。中で
も、2,4−ジニトロフェノール、2,5−ジニトロフ
ェノール、ジニトロフェノールの異性体混合物が好まし
いものとして挙げられる。
【0017】テトラカルボン酸ジエステル又はジカルボ
ン酸と、ジニトロフェノール化合物との縮合反応を行う
際は、反応液をそのままジアミン化合物との反応に使用
できることと、生成するポリアミド又はポリアミド酸エ
ステルの溶解性及びポリアミド又はポリアミド酸エステ
ルの取り出しの面で優れることから、反応溶媒として非
プロトン性の極性溶媒を使用することが好ましい。非プ
ロトン性の極性溶媒の例としては、N−メチルピロリド
ン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、ヘキサメチルホスホリルトリアミド、ジ
メチルスルホキシド、ジオキサン等が挙げられる。
【0018】テトラカルボン酸ジエステル又はジカルボ
ン酸とジニトロフェノール化合物との縮合反応を行う際
の反応条件は、特に制限はないが、次のような条件とす
ることが好ましい。反応温度としては、反応速度の問題
から−20℃〜80℃が好ましく、−10℃〜30℃が
さらに好ましい。また、テトラカルボン酸ジエステル又
はジカルボン酸に対するジニトロフェノール類とカルボ
ジイミド化合物の使用量は、カルボキシル基の当量以上
とすることが好ましく、通常1当量〜1.5当量程度用
いるのがより好ましい。反応溶媒の使用量は、縮合剤に
対して3重量倍〜10重量倍が好ましい。反応時間は、
1時間〜24時間が好ましい。また、反応を促進させる
ために、ピリジン、トリエチルアミン等の塩基を添加し
てもよい。
【0019】以上により得られる反応活性なエステル
を、次にジアミン化合物と縮合反応させる。この縮合反
応は反応溶媒中で行うことが好ましく、反応溶媒として
は、原料及び生成したポリマーの溶解性、ポリマーの取
り出しの面より、非プロトン性の極性溶媒を使用した方
が好ましい。具体的な溶媒の例としては、N−メチルピ
ロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリルトリアミ
ド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン等が挙げられ
る。
【0020】反応活性なエステルとジアミン化合物との
縮合反応を行う際の反応条件は、特に制限はなく、例え
ば次のような条件が用いられる。反応温度は、反応速度
の問題から0℃〜150℃が好ましく、10℃〜100
℃がさらに好ましい。反応活性なエステルに対するジア
ミン化合物の使用量は、通常0.8当量〜1.2当量程
度用いるのが好ましい。溶媒の使用量は、反応活性なエ
ステルに対して3重量倍〜10重量倍が好ましい。反応
時間は、1時間〜24時間が好ましい。
【0021】また、反応活性なエステルとジアミン化合
物の反応は、三級アミンを触媒に使用すると、反応を促
進することができるので好ましい。使用できる三級アミ
ンの具体的な例としては、ピリジン、N,N−ジメチル
アミノピリジン、トリエチルアミン、トリプロピリアミ
ン等が挙げられる。三級アミンの使用量は、ジニトロフ
ェノールのエステル類に対して0.1当量〜5当量が好
ましく、0.5当量〜3当量がより好ましい。
【0022】以上の方法により、一般式(2)
【化5】 (式中Xは、テトラカルボン酸ジエステル又はジカルボ
ン酸のカルボキシル基を除いた、2価の残基を示し、R
は、フェノール性水酸基又はカルボキシル基を有するジ
アミンのアミノ基を除いた2価の残基を示す)で表され
る繰り返し単位を有するポリアミド又はその誘導体が製
造される。この単離は、ろ過、洗浄、水または有機溶剤
による再沈殿等の公知の技術を用いることにより行うこ
とができる。
【0023】得られるポリアミド又はその誘導体は、縮
合剤にハロゲン化剤等を使用しないので、クロロイオン
等が殆ど含まれておらず、ゲル化も起こしていないの
で、半導体素子の層間絶縁膜、表面保護膜用のポジ型又
はネガ型の感光性樹脂組成物に含まれるポリイミド前駆
体、ポリベンゾオキサゾール前駆体などとして有用であ
る。なお、ポリイミド前駆体は、一般に、前記一般式
(1)及び(2)のXが、テトラカルボン酸ジエステル
の残基の場合であり、ポリベンゾオキサゾール前駆体
は、一般に、前記一般式(1)及び(2)のXが、ジカ
ルボン酸の残基であり、かつ、Rがフェノール性水酸基
をアミノ基に対してオルト位に有するジアミン残基の場
合である。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。 実施例1 攪拌機、温度計及びジムロート冷却管を備えた0.5リ
ットルのフラスコ中に、3,3′,4,4′−ジフェニ
ルエーテルテトラカルボン酸二無水物30g(0.09
6モル)、n−ブタノール15g(0.204モル)、
ピリジン16.2g(0.204モル)、γ−ブチロラ
クトン140gを仕込み、室温で一晩反応を行い、3,
3′,4,4′−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸
ジ(n−ブチルエステル)溶液を得た。次いで、この反
応溶液に2,4−ジニトロフェノール37.5g(0.
204モル)を加え溶解させた後、氷冷下でN,N′−
ジシクロヘキシルカルボジイミド40.8g(0.20
4モル)をγ−ブチロラクトン40gに溶かした溶液を
30分間かけて滴下した。滴下後、5〜10℃で1時間
撹拌した。反応終了後、析出したN,N′−ジシクロヘ
キシル尿素をろ別した。
【0025】攪拌機、温度計及びジムロート冷却管を備
えた0.5リットルのフラスコに、ろ液と2,2−ビス
(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオ
ロプロパン24.9g(0.069モル)、4,4′−
ジアミノジフェニルスルホン7.2g(0.03モル)
のN−メチルピロリドン105gの溶液を仕込み、50
℃で5時間撹拌を行った。反応終了後、反応溶液を2リ
ットルの水に投入し、析出物を回収し、2リットルの7
0℃の温水で30分間懸濁洗浄後ろ過する工程を3回行
った。回収した生成物を40℃で48時間減圧乾燥して
ポリアミド酸エステル体(ポリイミド前駆体)を得た。
得られたポリアミド酸エステル体の重量平均分子量は1
1,400であった(ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー法により測定し、標準ポリスチレン検量線を用
いて換算した値。測定装置:(株)日立製作所製、カラ
ム:GL−S300MPT−5(日立化成工業(株)製)
2本を直列に接続し使用、溶離液:THF/DMF=1
/1、流速:1ml/分、検出波長:310nm)。
【0026】実施例2 ジアミンとの縮合反応の際に、さらにトリエチルアミン
19.4g(0.192モル)を添加し、室温で8時間
反応する以外は、実施例1と全く同様な方法で反応を行
いポリアミド酸エステル体(ポリイミド前駆体)を得
た。得られたポリアミド酸エステル体の重量平均分子量
は20,400であった。
【0027】実施例3 ジアミンとして、3,5−ジアミノ安息香酸9.0g
(0.059モル)、4,4′−ジアミノジフェニルエ
ーテル8.0g(0.040モル)を使用する以外は、
実施例1と全く同様な方法で反応を行いポリアミド酸エ
ステル体(ポリイミド前駆体)を得た。得られたポリア
ミド酸エステル体の重量平均分子量は22,000であ
った。
【0028】実施例4 攪拌機、温度計及びジムロート冷却管を備えた0.5リ
ットルのフラスコ中に、テレフタル酸16.9g(0.
102モル)、2,4−ジニトロフェノール37.5g
(0.204モル)、ピリジン16.2g(0.204
モル)、γ−ブチロラクトン140gを仕込み溶解させ
た。この溶液に、氷冷下でN,N′−ジシクロヘキシル
カルボジイミド40.8g(0.204モル)をγ−ブ
チロラクトン40gに溶かした溶液を30分間かけて滴
下した。滴下後、5〜10℃で1時間撹拌した。反応終
了後、析出したN,N′−ジシクロヘキシル尿素をろ別
した。
【0029】攪拌機、温度計及びジムロート冷却管を備
えた0.5リットルのフラスコに、上記ろ液と2,2−
ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフ
ルオロプロパン24.9g(0.069モル)、4,
4′−ジアミノジフェニルスルホン7.2g(0.03
モル)のN−メチルピロリドン105gの溶液を仕込
み、50℃で5時間撹拌を行った。反応終了後、反応溶
液を2リットルの水に投入し、析出物を回収し、2リッ
トルの70℃の温水で30分間懸濁洗浄後ろ過する工程
を3回行った。回収した生成物を40℃で48時間減圧
乾燥してポリアミド体(ポリベンゾオキサゾール前駆
体)を得た。得られたポリアミド体の重量平均分子量は
19,500であった。
【0030】比較例1 攪拌機、温度計及びジムロート冷却管を備えた0.5リ
ットルのフラスコ中に、ピロメリット酸二無水物21.
8g(0.10モル)、n−ブタノール15.6g
(0.21モル)、ピリジン16.6g(0.21モ
ル)、γ−ブチロラクトン105gを仕込み、室温で一
晩反応を行い、ピロメリット酸ジ(n−ブチルエステ
ル)溶液を得た。得られた反応液中に氷冷下で、1,3
−ジシクロヘキシルカルボジイミド41.2g(0.2
0モル)をγ−ブチロラクトン40gに溶かした溶液を
10分間で滴下した。この反応液に氷冷下で、2,2−
ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフ
ルオロプロパン25.6g(0.070モル)、4,
4′−ジアミノジフェニルスルホン7.5g(0.03
0モル)をN−メチル−2−ピロリドン60gに溶かし
た溶液を20分間で滴下した。その後、氷冷下で撹拌を
続けたところ、ゲル化が起こり反応物が溶媒に不溶とな
った。
【0031】比較例2 攪拌機、温度計及びジムロート冷却管を備えた0.5リ
ットルのフラスコ中に、2,2−ビス(3−アミノ−4
−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン20.
7g(0.056モル)、4,4′−ジアミノジフェニ
ルスルホン6.0g(0.024モル)をN−メチル−
2−ピロリドン120gに溶解させ、これに3,3′,
4,4′−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水
物20g(0.064モル)を10分間かけて分割添加
した。添加後、45℃で2時間反応して、ポリアミド酸
溶液を得た。この反応液に、氷冷下でイソイミド化剤の
無水トリフルオロ酢酸28.4g(0.14モル)を滴
下したところ、ゲル化が起こり反応物が溶媒に不溶とな
った。
【0032】
【発明の効果】請求項1、2及び3記載のポリアミド又
はその誘導体の製造法によれば、クロロイオンの混入す
るような原料を使用せず、かつフェノール性水酸基やカ
ルボキシル基を含むアミン類を使用しても副反応による
ゲル化の起こらない、半導体素子等の電子部品の表面保
護膜、層間絶縁膜等に好適なポリアミド又はその誘導体
を、容易に製造することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中Xは、テトラカルボン酸ジエステル又はジカルボ
    ン酸のカルボキシル基を除いた、2価の残基を示し、Y
    はハロゲン原子又はアルキル基を示し、mは0〜3の整
    数を示す)で表される反応活性なエステルと、フェノー
    ル性水酸基又はカルボキシル基を有するジアミン化合物
    とを反応させることを特徴とする、一般式(2) 【化2】 (式中Xは、テトラカルボン酸ジエステル又はジカルボ
    ン酸のカルボキシル基を除いた、2価の残基を示し、R
    は、フェノール性水酸基又はカルボキシル基を有するジ
    アミンのアミノ基を除いた2価の残基を示す)で表され
    る繰り返し単位を有するポリアミド又はその誘導体の製
    造法。
  2. 【請求項2】 一般式(1)で示される反応活性なエス
    テルが、テトラカルボン酸ジエステル又はジカルボン酸
    と、ジニトロフェノール化合物とを、縮合剤としてカル
    ボジイミド化合物の存在下に反応させて得られるもので
    ある請求項1記載のポリアミド又はその誘導体の製造
    法。
  3. 【請求項3】 反応活性なエステルとジアミン化合物を
    反応させる際に、三級アミンを触媒に使用する請求項1
    又は2記載のポリアミド又はその誘導体の製造法。
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