JPH11198591A - 凹凸基材への転写方法 - Google Patents

凹凸基材への転写方法

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JPH11198591A
JPH11198591A JP10021547A JP2154798A JPH11198591A JP H11198591 A JPH11198591 A JP H11198591A JP 10021547 A JP10021547 A JP 10021547A JP 2154798 A JP2154798 A JP 2154798A JP H11198591 A JPH11198591 A JP H11198591A
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layer
solid particles
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JP10021547A
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Kazuhiro Suga
和宏 須賀
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 凹凸形状、特に三次元的な凹凸形状の被転写
基材に転写層を形成する。 【解決手段】 支持体シート上に転写層を設けた転写シ
ートSを用いて、転写層を凹凸形状を有する被転写基材
Bに転写する方法において、被転写基材上に乗せた転写
シートの上に、更に固体粒子Pを堆積させて、固体粒子
の重みにより転写圧を与える。転写シートや接着剤の加
熱必要時は、加熱固体粒子を用いたり、被転写基材を予
熱して転写圧を与えると良い。また、転写シートが凹凸
形状に追従し易い様に、固体粒子や被転写基材に振動を
与えても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、凹凸形状、特に三
次元的な凹凸形状を有する被転写基材に、転写層を転写
形成するに適した転写方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、三次元的な凹凸形状を有する被転
写基材に転写層を転写する転写方法としては、例えば次
の様な方法があった。
【0003】特公昭52−29647号公報、特公昭
60−59876号公報、特開平5−270199号公
報等では、シリコーンゴム等のゴムローラからなる転写
ローラによって、転写圧と熱を加える転写方法を開示し
ている。すなわち、特公昭52−29647号公報は、
断面が「コ」の字形状等と断面異形柱状物からなる被転
写基材の各面毎に、転写ローラで転写シートに転写圧と
熱を与えて、全面に転写層を転写する方法を開示してい
る。また、特公昭60−59876号公報は、被転写基
材の凹凸の凸部上にのみ接着剤層を形成し、これに転写
シートを乗せて転写ローラで転写圧と熱を与え、該凸部
にのみ部分的に転写層を転写する方法を開示している。
また、特開平5−270199号公報等は、前記特公昭
60−59876号公報同様に、被転写基材の凸部上に
のみ部分的に転写する方法であるがゴム硬度70°以上
の硬質転写ローラで熱圧を与えて、転写部と非転写部と
の境界を綺麗に分割できる方法を開示している。
【0004】特開平5−139097号公報では、被
転写基材のエンボスによる凹凸形状に対して、ゴム硬度
60°以下の軟質の転写ローラで熱圧を与えることで、
転写シートを凹凸形状に追従させて転写層を転写する方
法を開示している。また、前記特開平5−270199
号公報では、ゴム硬度70°以上の硬質転写ローラによ
る熱圧を転写シートに与えた後に、ゴム硬度60°以下
の軟質転写ローラで更に熱圧を与えて、凸部上の微細凹
凸については転写シートを追従させて転写する方法も開
示している。 或いは、転写ローラのゴムの代わりにスポンジからな
る発泡体を使用したローラを用いて、この転写ローラで
熱圧を転写シートに与えて、被転写基材の凹凸形状に転
写シートを追従させて転写する方法もある。 また、特公昭56−45768号公報(オーバーレイ
法)、特公昭60−58014号公報(真空プレス法)
で開示している、被転写基材側からの真空吸引による空
気圧差による圧と熱を利用する所謂真空成形積層法を利
用して、気圧差を転写圧として利用した真空成形転写方
法もある。
【0005】特公昭61−2513号公報では、図5
に示す如く、印刷槽7内に多数の固体粒子Pを貯蔵して
得られる積粒層8の上に、転写層側を上にして転写シー
トSを載置し、この転写シートの上から被転写基材Bを
転写シートに当接すると共に前記積粒層内に圧入し、且
つその際に積粒層又は被転写基材との少なくとも一方は
振動させて圧入して、熱圧を与えて転写する方法を開示
している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
〜の転写方法では次の様な問題があった。の一般的
な転写方法に於ける転写ローラのゴム硬度は、70°程
度であり、平面への転写性には優れるが、凹凸面への転
写性は劣り、平坦な凸部上にのみ転写する場合等に限ら
れる。の転写ローラにゴム硬度60°以下の軟質ゴム
ローラを用いた転写方法では、多少の凹凸形状(例え
ば、凹部深さが1mm以下)ならば、転写シートを追従
させ転写できるが、深い凹凸形状には転写できない。し
かも、凹部周辺では依然圧力不足で、転写層の密着不良
となったり、凸部により局部的に転写ローラが変形し、
ローラのゴムの劣化を促進する。の発泡体使用の転写
ローラによる転写方法では、柔軟な発泡体であれば、多
少の凹凸形状には転写シートを追従させる事ができる
が、発泡体部分が熱供給体にもなるために、転写に必要
な十分な熱を供給できない。の真空成形転写方法で
は、空気圧差を利用する為に、ゴムローラに比べ、十分
な圧力を加えられない。また、装置上、バッチ式とな
り、生産効率が悪い。印刷槽内に貯蔵した固体粒子の
積粒層を利用する転写方法では、積粒層に於ける固体粒
子の流動が不十分となり、期待に反して被転写基材の凹
凸形状に転写シートを十分に追従させる事が出来ない。
それは、積粒層の上に転写シート及び被転写基材を載置
して、固体粒子を排除する様にこれらを上から押し込む
際に、印刷槽の底面や側面で粒子の移動が封じられて、
粒子が自由に流動出来ないからである。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
すべく、本発明の凹凸基材への転写方法では、支持体シ
ート上に転写層を設けた転写シートを用いて、転写層を
凹凸形状を有する被転写基材に転写する方法において、
被転写基材上に乗せた転写シートの上に、更に固体粒子
を堆積させて、該固体粒子の重みにより転写圧を与える
様にした。その結果、堆積した固体粒子の自重により、
被転写基材の凹凸の凹部内部にまで十分に転写シートが
追従する様に転写圧を与えることができ、凹部内部にま
で転写できる。また、上記方法に対して、更に転写圧を
与える際に、固体粒子及び被転写基材のどちらか一方、
又は両方に振動を与える様にした。その結果、固体粒子
の流動性が増して、転写シートを被転写基材の凹凸形状
に沿ってより円滑に追従させる様に転写圧を与えること
ができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の凹凸基材への転写
方法の実施の形態を説明する。
【0009】先ず、図1は、本発明の凹凸基材への転写
方法を説明する概念図である。本発明では、転写圧とし
て、転写シートS上に堆積させた多数の鉄球等の固体粒
子Pの重みを利用する。先ず、図1(A)の様に、被転
写基材Bの凹凸形状の上に転写シートSを乗せる。被転
写基材Bは例えば図2の要部拡大斜視図に示す様な凹凸
形状を有する凹凸基材である。なおこの際、図示はしな
いが、転写シートSはその転写層側を被転写基材B側に
向けて乗せる。その後、転写シートSの上に多数の固体
粒子を乗せて堆積させる。その結果、転写シートSは図
1(A)の状態から図1(B)の状態に堆積した固体粒
子Pの重さによって、被転写基材Bの凹凸形状に追従、
成形されて、凹凸形状の全面をも転写できる事になる。
それは、多数の固体粒子はそれぞれ独立しているが全体
が固体粒子群として、あたかも重い(高密度)液体の如
く振る舞うことができるからである。特に、固体粒子や
被転写基材に振動を与えた場合は尚更である。
【0010】固体粒子を堆積する高さ(厚さ)は、固体
粒子の密度の他、加熱されるなどして延伸性発現状態に
ある転写シートの延伸性の程度と、追従させるべき被転
写基材の凹凸形状とによって適宜高さとする。例えば、
10〜100cm程度である。従来の転写ローラでは回
転速度を遅くしても、転写圧は瞬間的なので、強圧を要
するが、本発明では堆積したまま放置して転写シートが
追従成形されていくのを待っていても良い為に、転写圧
は転写ローラに比べれば小さくても良い。例えば、固体
粒子に鉄球を用いた場合、鉄の比重は7.9で、球体が
最密充填した場合充填率は0.7となるので、高さ10
0cmに堆積した場合、面積1cm2 に加わる堆積固体
粒子荷重は、7.9×0.7×100=550gとな
る。すなわち、0.55kg/cm2 の転写圧が得られ
る。なお、固体粒子の自重と、固体粒子の流動(適宜振
動も与える)のみでは転写圧が不足し、凹凸形状への追
従性や、被転写基材と転写シート間の空気抜きが、不十
分であれば、金属ローラやゴムローラ等からなる押圧ロ
ーラで堆積している固体粒子を上から押し込む様にし
て、追加的な圧力を加えても良い。
【0011】〔固体粒子や被転写基材への振動〕固体粒
子の重みによる転写圧を与える際に、固体粒子や被転写
基材に振動を与えることで、固体粒子群の流動性を増し
て、被転写基材凹凸形状への転写シートの追従性を向上
できる。それは、振動により、堆積している固体粒子
(群)の個々の固体粒子が独立して自由に動き易くなる
からである。被転写基材を振動させる場合は、特に被転
写基材近傍に於いて、その効果が得られる。従って、
(直接に)振動を与える対象は、固体粒子のみ、被転写
基材のみ、固体粒子及び被転写基材の両方の場合があ
る。これらは、特に被転写基材の凹凸形状、固体粒子の
形状等の種類によって適宜使い分ける。振動の周波数
は、固体粒子が可動性を示す範囲であれば良く任意であ
る。例えば、10Hzから20kHz以上の超音波領域
である。また、振動の方向は、水平方向、垂直方向、斜
め方向等と被転写基材の凹凸形状や用いる固体粒子に応
じて適宜選べば良く任意であり、また、これら方向を適
宜組み合わせても良い。固体粒子、被転写基材に振動を
与える具体的手段としては、ピエゾ(圧電)振動子、電
歪振動子等による電気的振動、或いは電動機の回転運動
をカムやクランク・ピストン機構等で往復運動に変換す
る等の機械的振動等を用いれば良い。例えば、超音波振
動子の場合は、固体粒子に対してはその堆積層中に振動
子を挿入したり、或いは堰の外壁に振動子を取り付け
る。また、被転写基材に対しては、被転写基材の裏面や
側面に振動子を押し当てたり、或いは被転写基材を載置
する台に振動子を取り付けたり、図3の様に、ベルトコ
ンベア裏面に振動子6を押し当てる。
【0012】〔加熱〕なお、固体粒子自重による転写圧
を与える際は、通常は延伸性の向上の為に転写シートを
加熱する。また、接着剤も接着性の発現(活性化)の為
に通常は加熱する。しかし、これらの加熱は必ずしも必
要ではない。例えば、転写シートの支持体シートが室温
でも延伸性の有るゴム膜の場合、接着剤が液状の電離放
射線硬化性樹脂等で感熱溶融型では無い場合等である。
転写シートの加熱は、通常は、その支持体シートに熱で
延伸性が向上する熱可塑性樹脂を使用するからである。
また、接着剤の加熱は、転写シート上や被転写基材上等
に予め施す接着剤として、通常は、その接着力が熱で発
現する感熱溶融型接着剤、又は熱硬化型接着剤を使用す
るからである。この様な加熱の為には、固体粒子や被転
写基材は加熱したものを使用する。これらのうちどちら
か片方又は両方を加熱する。好ましくは、加熱した固体
粒子を用い、被転写基材も熱容量が大きい場合には加熱
(予熱)しておくと良い。加熱温度は、転写シートや接
着剤の種類にもよるが、固体粒子の加熱温度は例えば7
0〜150℃程度、被転写基材の加熱温度は室温(熱容
量が小さい場合等)〜150℃程度である。被転写基材
の場合は、被転写基材上に乗せる転写シートの形状が大
変形せずに軟化する程度の温度が良い。また、転写シー
ト上に固体粒子を堆積した後も、必要に応じて、転写シ
ートが凹凸形状に追従成形されていくに十分な時間を与
える為に、ある程度の保温乃至は加熱すると良い。
【0013】〔一形態例に於ける一連の操作〕次に、図
3は、本発明の凹凸基材への転写方法の一形態に於ける
一連の操作を説明する概念図である。同図では、被転写
基材Bは、基材搬送装置10としてベルトコンベア上に
乗せて、各操作を行う工程間を搬送して、一連の操作を
行う。もちろんであるが、各工程を連結せずにオフライ
ンで処理しても良い。
【0014】先ず、同図では、基材予熱工程として、被
転写基材Bを赤外線輻射加熱等の加熱装置1で予熱す
る。加熱装置の加熱手段は任意であり、公知の加熱源を
使用して良い。被転写基材の加熱は、同図の様に被転写
面側からの加熱が、被転写面近傍のみを加熱できるので
効率的である。しかし、裏面からの加熱でも良い。な
お、基材予熱は、転写シート及び接着剤の加熱が不要の
場合は省略できる。
【0015】次は、転写シート載置工程にて、転写シー
トSを被転写基材に載置する。載置は、単に転写シート
を被転写基材上に軽く乗せるだけでも良い。或いは、同
図の様に、押圧ローラ2を用いて、転写シートSが被転
写基材(の少なくとも凸部)に接触する様に、ある程度
押しつけて、仮固定しても良い。なお、転写シートは連
続帯状で供給しても良いし、枚葉で供給しても良い。
【0016】そして次は、転写圧押圧工程である。転写
圧押圧工程は、転写シートを加熱状態で行わない場合は
固体粒子積層工程のみであるが、通常は転写シートを加
熱状態で行う場合は、図3の様に固体粒子積層工程とそ
の後の保温・冷却工程とからなる。固体粒子積層工程で
は、被転写基材B上に乗せた転写シートSの上に、更に
多数の固体粒子Pを積層させて堆積させる。転写シート
上に多数の固体粒子を堆積させるには、周囲に流れ落ち
ないように、転写圧が必要な部分の四方周囲に堰3を作
りこの中に固体粒子をホッパ4等から供給すれば良い。
固体粒子を加熱する場合は、ホッパ4内、或いは堰3内
に於いて赤外線輻射、誘導加熱等の方法により行う(固
体粒子の加熱装置は図示略)。次の保温・冷却工程で
は、最初は保温し次に冷却する。保温の目的は、固体粒
子や被転写基材の加熱により、転写シートを加熱する場
合に、転写シートの加熱状態をある程度の間維持して、
固体粒子の重みで転写シートが被転写基材の凹凸形状に
変形して追従して行くに十分な時間を与える為である。
また、保温は、接着剤に熱硬化型接着剤を用いた場合で
は、その反応進行の為に行う事もある。なお、保温の必
要が無ければ、保温は省略して次の冷却だけを行っても
良い。一方、冷却の目的は、接着剤に感熱溶融型接着剤
を用いた場合には、その接着を完結させたり、或いは、
被転写基材の凹凸形状の凹部内部にまで追従成形された
転写シートが、固体粒子を取り除いた後に復元力が有る
場合に戻るのを防止する為である。そして、これらの結
果、転写圧押圧後に支持体シート剥離を速やかに行える
様にして、生産性を上げる為である。
【0017】なお、以上の転写圧押圧工程(特に固体粒
子積層工程と、保温・冷却工程ではまだ転写シートの追
従成形過程が残り得るその前半の保温工程)に於いて、
適宜振動を与えると、堰3内に堆積した固体粒子の自由
な振る舞いを助長して、固体粒子が転写シートを被転写
基材の凹凸形状の凹部内部にまで完全に追従、成形させ
る事が容易となる。同図では、被転写基材B側にのみ振
動を与えた例である。同図では、基材搬送装置10のコ
ンベアベルトの裏側に磁歪式等の振動子6を接触させ
て、コンベアベルトを通して間接的に被転写基材に振動
を与える。そして、更に被転写基材を通じて振動は固体
粒子に与えられる。保温・冷却工程完了後、固体粒子は
吸引除去されてホッパ4に戻り、堰も除去された後、ベ
ルトコンベアで被転写基材及び転写シートは前進(図3
では右方向)する。
【0018】そして、以上の転写圧押圧工程の後に、支
持体シート剥離工程となる。支持体シートの剥離は、適
宜剥離ローラ5等を用いて機械的或いは人手で行うこと
で、被転写基材の凹凸形状に沿って転写層が転写された
目的とする転写品Wが得られる。
【0019】以下、更に本発明の凹凸基材への転写方法
を詳述する。
【0020】〔固体粒子〕固体粒子としては、鉄、又は
炭素鋼、ステンレス鋼等の鉄合金、アルミニウム、又は
ジュラルミン等のアルミニウム合金、チタン、亜鉛等の
金属ビーズ等の金属粒子、或いは、ガラスビーズ、セラ
ミックビーズ、炭酸カルシウムビーズ、アルミナビー
ズ、ジルコニアビーズ、アランダムビーズ、コランダム
ビーズ等の無機粉体である非金属無機粒子等を使用する
ことができる。自重を転写圧に利用する為、密度の高い
金属粒子等が好ましい。形状は個々の固体粒子が自由に
振る舞い易い、完全球形や回転楕円体形状等の球状形状
が好ましいが、多面体形状、無定形、その他の形状のも
のでも用い得る。固体粒子の粒径としては、被転写基材
の凹凸の凹部、及び凸部の幅及び深さよりも十分少なく
なる様に選ぶ。通常10μm〜5mm程度、好ましく
は、0.1mm〜1mm程度である。また、粒径の大き
い固体粒子と粒径の小さい固体粒子とを混合して用いて
も良い。
【0021】〔固体粒子の加熱方法〕固体粒子を加熱し
て使用する場合は、固体粒子には金属粒子等の熱伝導性
が良く耐熱性(例えば200℃以上)の良いものが好ま
しい。また、固体粒子を加熱するには、転写シート上に
固体粒子を堆積する前に、固体粒子を貯蔵しておくタン
ク(或いはホッパ)等において、タンク内やタンク外壁
に設けた電熱ヒータ、加熱蒸気を通した加熱管等で、予
め固体粒子を加熱しておけば良い。また、転写シート上
に堆積した状態で固体粒子を加熱しても良いが、堆積し
てからの加熱では生産速度が落ちるので、それはむし
ろ、既に加熱した固体粒子の保温目的の加熱とするのが
良い。なお、この為の加熱には、転写シート上に堆積し
た固体粒子群の中に電熱ヒータを入れたり、外から赤外
線輻射加熱等で非接触加熱すれば良い。
【0022】〔固体粒子の冷却〕また、固体粒子による
転写圧で、転写シートが被転写基材の凹凸形状に追従し
て密着した後は、支持体シートを直ぐに剥離できれば生
産効率は向上する。但し、転写シートや接着剤が加熱さ
れ、接着剤によって転写シートが固着が完結せず、加熱
された転写シートに復元力が残っている場合は、転写シ
ートが冷却後に、転写シート上の固体粒子を取り除くと
良い。この為には、転写シート上に固体粒子を堆積させ
たまま固体粒子や被転写基材を冷却して、その後に固体
粒子を取り除くと良い。これらの冷却は固体粒子や被転
写基材に、例えば冷風を吹き付けて冷却すれば良い。或
いは、水の悪影響がなければ、冷水でも良い。
【0023】〔被転写基材〕被転写基材としては、その
被転写面に凹凸形状を有する凹凸基材であれば特に限定
は無い。凹凸形状は、二次元的凹凸或いは三次元的凹凸
でも良い。本発明では、従来のゴム製転写ローラを用い
る転写法では不可能な二次元的凹凸や三次元的凹凸でも
転写可能となる。凹凸形状は角の有無を問わず、凹凸の
深さは例えば1〜50mm程度が一般的だが、これより
深いものでも、転写シートの延伸性を十分に出せる等の
条件が整えば転写可能である。また、凹部の開口部の幅
は、凹部の深さに対しておおよそ20%以上あれば、凹
部内部にも転写し易い(もちろん、固体粒子の直径は開
口部幅よりも小さくする)。被転写基材は全体として
(包絡面形状が)平板状の板材だけでなく、断面が円弧
状に凸又は凹に1方向に湾曲(折れ曲がりも含む)した
二次元的凹凸を有する基材でも良く、またその湾曲面に
さらに細かい三次元的な表面凹凸があってもよい。この
様な被転写面の包絡面が非平面で従来の転写ローラによ
る転写法では不可能な被転写基材に対しても、本発明の
凹凸基材への転写方法では転写可能となる。
【0024】凹凸形状は、例えば、大柄な凹凸に重畳し
て微細な凹凸を有する凹凸、或いは凹凸表面の凹部底部
や凹部内側面に絵付けすべき面を有する凹凸でも良い。
前記大柄な凹凸と微細な凹凸とは、例えば図2の要部拡
大斜視図に示す如く、被転写基材Bの凹凸形状が、溝状
の凹部41と凸部42とからなる大柄な凹凸と、その大
柄の凹凸の凸部42上にある微細凹凸43とからなるも
ので、大柄な凹凸形状は段差が1〜10mm、凹部の幅
が1〜10mm、凸部の幅が5mm以上のもので構成さ
れるものであり、微細な凹凸形状は、段差及び幅ともに
大柄な凹凸形状よりも小さく、具体的には段差が0.1
〜5mm程度、凹部の幅及び凸部の幅が0.1mm以上
で、大柄な凹凸形状の凸部の幅の1/2未満程度であ
る。例えば化粧材に於いて、大柄な凹凸と微細な凹凸と
の組み合わせの凹凸から成り、且つ三次元的な表面凹凸
を持つ凹凸模様の具体例としては、例えば、大柄な凹凸
として目地、溝等を有するタイル、煉瓦、石等の二次元
配列模様を有し、その上に微細な凹凸としてスタッコ
調、リシン調等の吹き付け塗装面の凹凸模様、花崗岩の
劈開面やトラバーチン大理石板等の石材表面の凹凸等を
有する石目調凹凸模様、或いは大柄な凹凸模様として目
地、溝、簓、サネ等を有する羽目板模様、浮造木目板模
様を有し、その上に微細凹凸として導管溝、浮出した年
輪、ヘアライン等を有する木目調の凹凸模様が挙げられ
る。
【0025】被転写基材の材質は任意であり、例えば、
板材であれば、ケイ酸カルシウム板、押し出しセメント
板、スラグセメント板、ALC(軽量気泡コンクリー
ト)板、GRC(硝子繊維強化コンクリート)板、パル
プセメント板等の非陶磁器窯業系板、木材単板や木材合
板、パーティクルボード、集成材、木質中密度繊維板
(MDF)等の木質板、また、鉄、アルミニウム、銅等
の金属板、陶磁器やガラス等のセラミックス、ポリプロ
ピレン、ABS樹脂、フェノール樹脂等の樹脂成形品等
でも良い。また、これらの被転写基材表面には、予め、
接着剤との接着を補助する為の易接着プライマー、或い
は表面の微凹凸や多孔質を目止めし封じるシーラー剤を
塗工しておいても良い。易接着プライマー、或いはシー
ラー剤としては、イソシアネート、2液硬化ウレタン樹
脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂等の
樹脂を塗工し形成する。
【0026】〔転写シート〕転写シートは、基材凹凸形
状に追従する成形性があれば良く、従来公知の転写シー
トを用いる事ができ、特に限定されるものでは無い。転
写シートは、離型性の支持体シートと、例えば柄等によ
る装飾付与等と転写で付与すべき機能を有する転写層と
からなる。この為、転写層は適宜、装飾層や接着剤層等
から構成される。接着剤層は省略することもある。ま
た、転写層の支持体シート側には転写移行する剥離層、
支持体シートの転写層側には、転写移行しない離型層等
を適宜設けた構成もある。ちなみに、図4に例示する転
写シートSは、支持体シート31上に、転写層32とし
て、剥離層33、装飾層34及び接着剤層35が積層さ
れた構成である。
【0027】(支持体シート)支持体シートとしては、
少なくとも転写時には延伸性を有するシートが用いられ
る。従って、支持体シートとしては、従来公知の熱可塑
性樹脂からなるフィルム(シート)の他に、室温でも延
伸するゴム膜も使用できる。熱可塑性樹脂フィルムでは
転写圧押圧時に転写シートを通常は加熱することになる
が、ゴム膜では転写圧押圧時に転写シートの加熱は必ず
しも必要では無い。支持体シートの具体例としては、延
伸性の点で、従来多用されている2軸延伸ポリエチレン
テレフタレートフィルムでも、表面凹凸形状次第で、加
熱条件、転写圧条件等の設定によって、必要充分な延伸
性を発現させることができる。ただ、より低温・低圧で
延伸性が発現し易い好ましい支持体シートとしては、例
えば、エチレン・テレフタレート・イソフタレート共重
合体ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート等の熱
可塑性ポリエステル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン−ブテ
ン3元共重合体等のポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹
脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニル
アルコール共重合体、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、
ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、或いは
天然ゴム、合成ゴム、オレフィン系熱可塑性エラストマ
ー、ウレタン系熱可塑性エラストマー等を単体又は混合
物で、単層又は異種の複層とした樹脂フィルムを用いる
ことができる。これら樹脂フィルムは低延伸又は無延伸
の物が好ましい。例えば、熱可塑性ポリエステル樹脂は
低延伸のものが好ましい。また、具体的には例えばポリ
プロピレン系熱可塑性エラストマーフィルムは、延伸特
性に優れ且つ廃棄燃焼時に塩酸ガスを発生せず環境対策
的にも好ましい支持体シートの一つである。支持体シー
トの厚さは、10〜300μm、好ましくは50〜10
0μm程度である。
【0028】また、支持体シートには必要に応じ、その
転写層側に転写層との剥離性を向上させる為、離型層を
設けても良い。この離型層は支持体シートを剥離時に支
持体シートと共に転写層から剥離除去される。離型層と
しては、例えば、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、ポリ
アミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ワッ
クス等の単体又はこれらを含む混合物が用いられる。
【0029】(転写層)転写層は通常は少なくとも装飾
層から構成し、更に適宜、剥離層、接着剤層等も転写層
の構成要素とすることもある。接着剤層を有する構成で
は、転写の際に転写シート又は被転写基材の片方又は両
方に接着剤を施すことを省略できる。
【0030】(装飾層)装飾層はグラビア印刷、シルク
スクリーン印刷、オフセット印刷等の従来公知の方法、
材料で絵柄等を印刷した絵柄層、アルミニウム、クロ
ム、金、銀等の金属を公知の蒸着法等を用いて部分的或
いは全面に形成した金属薄膜層等であり、用途に合わせ
たものを用いる。絵柄としては、被転写基材の表面凹凸
に合わせて、木目模様、石目模様、布目模様、タイル調
模様、煉瓦調模様、皮絞模様、文字、幾何学模様、全面
ベタ等を用いる。なお、絵柄層用インキは、バインダー
等からなるビヒクル、顔料や染料等の着色剤、これに適
宜加える各種添加剤からなる。バインダーの樹脂には、
(熱)延伸性の良い樹脂が好ましく、例えば、アクリル
樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ブチラール樹
脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、セルロース系樹脂、熱
可塑性ポリウレタン樹脂、フッ素樹脂等の単体又はこれ
らを含む混合物を用いる。着色剤の顔料としては、チタ
ン白、カーボンブラック、弁柄、黄鉛、群青等の無機顔
料、アニリンブラック、キナクリドン、イソインドリノ
ン、フタロシアニンブルー等の有機顔料を用いる。
【0031】(剥離層)また、剥離層を、支持体シート
乃至は離型層と装飾層との間の剥離性を調整する為、ま
た、転写後の装飾層の表面保護の為等に、これら層間に
設けるのは、従来公知の転写シートと同様である。剥離
層には、例えば、上記絵柄層用インキのバインダーに用
いる樹脂等が用いられる。転写後の転写層上に塗装する
場合は、リコート適性を考慮したものを用いる。なお、
この剥離層は転写時に装飾層と共に被転写基材側に転写
され、装飾層の表面を被覆する。
【0032】なお、転写シートには、必要に応じて転写
シート全層を貫通する微細な孔を転写シート全面に多数
穿設して、特に凹凸形状の凹部に於いて、被転写基材表
面と転写シートとの間に抱き込まれて残留する空気を抜
く様にしても良い。孔の直径は通常0.1〜1mm程
度、面密度は1〜100個/cm2 程度とする。また、
転写層による機能付与には、単に絵柄や文字、図形等の
目視可能な模様を成形品に付与する装飾等の目的以外
に、目視不可能な模様、あるいは硬質塗膜、導電性層、
抗菌剤層等の機能層を付与することも包含する。この場
合、上記絵柄等による装飾層に代えて機能層を設ける。
なお、目視不可能な模様の例としては、可視光に対して
は無色透明で紫外線照射により蛍光を発する蛍光インキ
で印刷した絵柄等が用いられる。
【0033】〔接着剤〕接着剤は、転写シートの転写層
を構成する接着剤層としてや、被転写基材上の接着剤層
として、事前に、又は転写の直前にインライン塗工やオ
フライン塗工で施す。被転写基材に施す場合には、転写
シート転写層の接着剤層を省略できる。用いる接着剤
は、用途、要求物性等により適宜選択すれば良い。接着
剤としては、例えば、感熱型接着剤、湿気硬化型感熱溶
融型接着剤、ホットメルト接着剤、湿気硬化型ホットメ
ルト接着剤、2液硬化型接着剤、電離放射線硬化型接着
剤、水性接着剤、或いは粘着剤による感圧型接着剤等の
各種接着剤を使用できる。上記感熱型接着剤としては、
熱可塑性樹脂を用いた熱融着型と、熱硬化性樹脂を用い
た熱硬化型とのいずれの接着剤も使用できる。但し、短
時間で接着が完了するという点からは、熱融着型(感熱
溶融型接着剤)が好ましい。また、接着剤は溶剤希釈又
は無溶剤、或いは常温で液体又は固体のいずれでも良
く、適宜使い分ける。また、粘着性を呈する感圧型の粘
着剤以外の接着剤では、接着剤層の単層のみで転写層と
することができる。接着剤層中に顔料等の着色剤を添加
すれば、全面ベタのインク層からなる装飾層ともいえ
る。例えば、感熱溶融型接着剤としては、ポリ酢酸ビニ
ル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹
脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ウレタン樹
脂、ダイマー酸とエチレンジアミンとの縮重合により得
られるポリアミド樹脂等の従来公知の接着剤を用いるこ
とができる。熱硬化型接着剤としては、フェノール樹
脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、熱硬化型ウレ
タン樹脂、エポキシ樹脂等を用いることができる。
【0034】〔転写品の用途〕本発明で得られる転写品
の用途は、被転写面が特に三次元形状等の凹凸表面の物
品として各種用途に用いられ得る。例えば、化粧材とし
て、サイディング等の外壁、塀、屋根、門扉、破風板等
の外装、壁面、天井、床等の建築物の内装、窓枠、扉、
手摺、敷居、鴨居等の建具類の表面化粧、箪笥等の家具
やテレビ受像機等の弱電・OA機器のキャビネットの表
面化粧、自動車、電車等の車両内装材、航空機や船舶等
の内装材等の各種分野で用いられ得る。化粧材は化粧板
等として利用される。なお、化粧材も含めて転写品の形
状は、平板、曲面板、棒状体、立体物等と任意である。
【0035】〔後加工〕なお、転写後の転写品の表面
に、耐久性、意匠感等を付与する為に、更に透明保護層
等をトップコート層として塗装する等しても良い。トッ
プコート層には、用途、要求物性に応じたものを形成す
る。この様なトップコート層には、例えば、ポリフッ化
エチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂、ポリ
メタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、シリコーン樹
脂、ウレタン樹脂の1種又は2種以上等をバインダーと
し、これに必要に応じて、ベンゾトリアゾール、超微粒
子酸化セリウム等の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系
ラジカル捕捉剤等の光安定剤、着色顔料、体質顔料、滑
剤等を添加した塗料を用いる。また、外装用途では、無
機系塗料を用いることもできる。塗工はスプレー塗装、
フローコート、軟質ゴムローラやスポンジローラを使用
したロールコート等で行う。トップコートの膜厚は1〜
100μm程度である。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例によって、
更に具体的に説明する。
【0037】(実施例1)転写シートSとしては図4に
例示した様な、熱可塑性樹脂からなる支持体シート31
としてポリプロピレン系フィルム(50μm厚)の片面
に、転写層32として、アクリル樹脂系インクで剥離層
33をグラビア印刷後、バインダー樹脂に塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体とアクリル樹脂との2対8重量比混
合物を、また着色剤として弁柄を主成分として用いたイ
ンキで煉瓦調の石目柄の装飾層34と、塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体からなる接着剤で接着剤層35とをグ
ラビア印刷して、転写層総厚が平均10μmの転写シー
トを用意した。一方、被転写基材Bとしては、図2に示
す様な、凹凸形状が煉瓦積配列調の凹凸面で深さ2mm
で幅(間口)7mmの目地溝となる凹部41と、煉瓦部
分となる凸部42とが大柄な凹凸を成し、凸部42上に
は深さ0.1〜0.5mmに分布する梨地調の微細凹凸
43を有する板状のスラグセメント系サイディング材を
用意した。そして、この被転写基材は、予めウレタン樹
脂系シーラー剤でシーラー処理した。
【0038】次いで、上記被転写基材を50℃に加熱し
た後、転写シートをその転写層側が被転写基材側を向く
ように被転写基材上に乗せて、その転写シートの上から
100℃に加熱した固体粒子を堆積させた。固体粒子に
は、粒径分布0.5〜2mmの鉄球を用いた。鉄球から
なる固体粒子は、単位面積当たり0.5kg/cm2
荷重が転写圧として押圧される様な厚さに、転写シート
上に堆積させた。次いで、被転写基材上の転写シートの
上に固体粒子を堆積させた状態のものを、雰囲気温度1
00℃のオーブン中に転写シート1分間放置した後、オ
ーブンから取り出して放置して被転写基材及び転写シー
トを25℃まで冷却した。その後、転写シート上に堆積
した固体粒子を取り除き、そして支持体シートを剥離し
た。転写シートは被転写基材の凹凸形状に沿って追従す
る様に成形でき、転写抜けや転写層のクラック等の転写
不良無く、凹部内部も含めて凹凸面に転写できた。さら
にこの後、転写層面にベンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤を0.5重量%添加した2液硬化型アクリルウレタン
樹脂(アクリルポリオールとヘキサメチレンジイソシア
ネートからなる)系の透明塗料をスプレーコートし、乾
燥し硬化させて、トップコート層を形成して、化粧板と
して外装用サイディング材を得た。化粧板は、被転写基
材の凹凸形状と、転写シートによる煉瓦調石目柄の絵柄
とにより優れた意匠感が得られた。また、トップコート
層により塗装感も良好であった。
【0039】(実施例2)転写シートSとしては、図4
に例示した様な、熱可塑性樹脂からなる支持体シート3
1としてポリプロピレン系フィルム(50μm厚)の片
面に、転写層32として、アクリル樹脂とウレタン樹脂
とを混合したインキで厚さ40μmの剥離層33をロー
ルコート後、バインダー樹脂に塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体とアクリル樹脂との2対8重量比混合物を、ま
た、着色剤として、フタロシアニンブルー、キナクリド
ン、弁柄、及びチタン白を用いたインキで大理石柄の装
飾層34と、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体からなる
接着剤で接着剤層35とをグラビア印刷して、転写層総
厚が平均50μmの転写シートを用意した。一方、被転
写基材Bとしては、実施例1と同じものを用い、実施例
1同様に予めシーラー処理しておいた。
【0040】次いで、上記被転写基材を70℃に加熱し
た後、実施例1同様に、被転写基材上に乗せた転写シー
トの上から更に100℃に加熱した固体粒子を堆積させ
た。なお、この他は、実施例1と同一である。その結
果、転写シートは被転写基材の凹凸形状に沿って追従す
る様に成形でき、転写抜けや転写層のクラック等の転写
不良無く、凹部内部も含めて凹凸面に転写できた。さら
にこの後、実施例1同様に、トップコート層を塗装形成
して、化粧板である外装用サイディング材を得た。化粧
板は、被転写基材の凹凸形状と、転写シートによる大理
石柄の絵柄とにより優れた意匠感が得られた。また、ト
ップコート層により塗装感も良好であった。
【0041】(比較例1)実施例1で用意した転写シー
ト及び被転写基材に対して、従来の転写法による転写ロ
ーラとして、軟質シリコーンゴムで鉄芯の表面を被覆し
たJISゴム硬度60度の軟質転写ローラを用いて、熱
圧を加えて転写した。その結果、転写シートは凹部の内
部にまで追従しきれず、凸部のみにしか転写できなかっ
た。この為、凹部では転写抜けと転写層のクラックが発
生し、転写不良となった。
【0042】(比較例2)比較例1で用いた転写シート
を実施例2で用いた転写シートとした他は、比較例1と
同様にして、転写した。その結果、やはり比較例1同様
に、転写シートは凹部の内部にまで追従しきれず、凸部
のみにしか転写できなかった。この為、凹部では転写抜
けと転写層のクラックが発生し、転写不良となった。
【0043】(実施例3)実施例1において、転写シー
トには実施例1で用意した転写シートを用い、被転写基
材には、実施例1の被転写基材に代えてその凹凸形状の
凹部のみを深さ2.5mmwで幅(間口)5mmとした
ものを用意した(実施例1同様に予めシーラー処理済
み)。そして、固体粒子による転写圧の押圧は、被転写
基材にピエゾ振動子で50kHzの振動を与えながら且
つ転写シート上に堆積した固体粒子の上からは複数の金
属押圧ローラで1kg/cm2 の圧力で押しながら転写
圧を加えて、転写シートを被転写基材に押圧した。この
後、(オーブンに入れる保温は行わずに)、被転写基材
及び転写シートを25℃まで冷却後、転写シート上に堆
積した固体粒子を取り除いて、支持体シートを剥離し
た。その結果、振動を与えたので転写シートは被転写基
材の凹凸形状に沿って完全に追従する様に成形でき、転
写抜けや転写層のクラック等の転写不良無く、凹部内部
も含めて凹凸面に転写できた。さらに転写後、実施例1
同様にトップコート層も塗装形成して、化粧材として外
装用サイディング材を得た。化粧材は、被転写基材の凹
凸形状と、転写シートによる大理石柄の絵柄とにより優
れた意匠感が得られた。また、トップコート層により塗
装感も良好であった。
【0044】(転写結果のまとめ)実施例1、2及び
3、比較例1及び2のそれぞれの転写結果を表1にまと
めて示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】本発明の凹凸基材への転写方法によれ
ば、転写シート上に堆積させた固体粒子の自重によって
転写圧を押圧する為に、被転写面の凹凸形状によらず
に、凸部も凹部底面も共に同じ様な均一な転写圧が加え
られ、凹部内部にも凸部と共に良好な転写層の密着が得
られる。その結果、凹凸の凹部内部にも含めて転写でき
る。転写時に従来の転写ローラの様に転写圧が衝撃的に
急激に加わる事が無い為に、転写層のクラック発生も防
げる。 また固体粒子や被転写基材に振動を与える事で、固体
粒子の流動性を増して、転写シートを被転写基材の凹凸
形状に沿ってより円滑に追従させる様に転写圧を与える
ことができる。 しかも、被転写基材は平板状の板材以外にも、瓦の様
に全体として(凹凸形状の包絡面形状が)波うち形状の
もの、或いは凸又は凹に湾曲した形状のものでも容易に
転写できる。また、大柄な凹凸表面の凸部上、凹部内
(底部や凸部と底部の連結部分である側面)も転写でき
る。また、大柄な凹凸の凸部上に、更に微細な凹凸模様
(例えば、ヘアライン、梨地等)が有る場合でも、その
微細凹凸の凹部内にまで、転写にて装飾することもでき
る。また、従来の転写ローラの様に、被転写基材の凹凸
部によるローラ等部品の損耗も無い。以上の結果、従来
に無く極めて意匠性に優れた化粧材等の転写品が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の凹凸基材への転写方法を説明する概念
図。
【図2】凹凸形状を有する被転写基材の一例を示す要部
拡大斜視図。
【図3】本発明の転写方法の一形態に於ける一連の操作
を説明する概念図。
【図4】本発明で用い得る転写シートの一例を示す断面
図。
【図5】固体粒子を転写圧に用いる従来の方法を説明す
る概念図。
【符号の説明】
1 加熱装置 2 押圧ローラ 3 堰 4 ホッパ 5 剥離ローラ 6 振動子 7 印刷槽 8 積粒層 10 基材搬送装置 31 支持体シート 32 転写層 33 剥離層 33 装飾層 35 接着剤層 41 凹部 42 凸部 43 微細凹凸 B 被転写基材 P 固体粒子 S 転写シート W 転写品(化粧材等)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体シート上に転写層を設けた転写シ
    ートを用いて、転写層を凹凸形状を有する被転写基材に
    転写する方法において、 被転写基材上に乗せた転写シートの上に、更に固体粒子
    を堆積させて、該固体粒子の重みにより転写圧を与えて
    転写する、凹凸基材への転写方法。
  2. 【請求項2】 転写圧を与える際に、固体粒子及び被転
    写基材のどちらか一方、又は両方に振動を与える、請求
    項1記載の凹凸基材への転写方法。
JP10021547A 1998-01-20 1998-01-20 凹凸基材への転写方法 Withdrawn JPH11198591A (ja)

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