JPH1058896A - 化粧板の製造方法 - Google Patents

化粧板の製造方法

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JPH1058896A
JPH1058896A JP24000896A JP24000896A JPH1058896A JP H1058896 A JPH1058896 A JP H1058896A JP 24000896 A JP24000896 A JP 24000896A JP 24000896 A JP24000896 A JP 24000896A JP H1058896 A JPH1058896 A JP H1058896A
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Mitsutoyo Miyakoshi
光豊 宮越
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面に大きな凹凸を有する化粧板を製造す
る。 【解決手段】 転写シート1を凹凸基材2に転写するに
際して、内側に2個以上の複数の押圧ロール3a〜3d
を備え、少なくとも外側がスポンジからなるエンドレス
ベルト4によって、凹凸基材に転写シートが接触する接
触開始時点から連続して転写シートを押圧する。その結
果、エアがみによる転写抜けを防ぎつつ、深い凹凸内部
にまで転写シートを追従させて装飾することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面に絵柄を有す
る化粧板の製造方法に関し、特に表面に大きな凹凸形状
を有する意匠性の高い化粧板を、品質良く製造する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、表面凹凸を有する化粧板を製造す
る方法としは、シート表面をエンボス加工で凹凸とし
た、絵柄が印刷された化粧シートを化粧板基材にラミネ
ートする等の方法がよく知られている。 あるいは、凹凸表面の化粧板基材に塗装するか、凹凸
表面又は平面の化粧板基材に砂状物を振りかける等の簡
便な方法もある。 また、特開平7−76057号公報には、凹凸基材表
面を転写シートで装飾する方法が開示されており、最初
から凹凸表面を持つ凹凸基材に、表面がゴム製で柔軟な
熱ロールで転写シートを凹凸基材に一旦押圧して接触さ
せた後、ベルトコンベア状のスポンジシートにより再度
押圧して、凹凸表面を装飾する方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
の方法では、化粧シート自身に持たせた凹凸は付与でき
ても、最初から化粧板基材の表面を凹凸とした凹凸基材
に対しては、基材表面凹凸に追従して化粧シートをラミ
ネートすることはできず(特に三次元的凹凸表面)、基
材表面凹凸を生かした化粧板を製造することはできな
い。しかも、化粧シート自身に持たせておく凹凸の深さ
は、樹脂フィルムへの熱エンボス加工による為に、せい
ぜい樹脂フィルムの厚さ程度止まりである。従って、そ
れよりも大きな凹凸表面を持った化粧板を造ることはで
きない。また、の方法では、化粧板基材として比較的
大きな表面凹凸を持ったもので、その表面凹凸を一応生
かした化粧板は得られるが、基本的に塗装による為に、
得られる装飾模様が極めて限られたものに限定されてい
まい意匠表現に劣る。また、の方法では、転写シート
の押圧過程が、最初の熱ロールによる押圧から、次のベ
ルトコンベア状スポンジシートによる押圧までの間に、
押圧が完全に開放される圧開放期間を必然的に有する。
つまり、転写シートの押圧過程にて、押圧力は一貫して
連続して印加されておらず、押圧→圧開放→押圧という
不連続な圧印加を受けることになる。このために、最初
に圧印加を受ける熱ロールによって凹凸の凹部内部にま
で延伸されかけ、まだ凹部の底面にまで接触していない
転写シートが圧開放期間で弾性により戻り気味になり、
この状態で次のスポンジシートによって再度押圧される
という不連続な圧印加により、凹部の底面にまで接触せ
ずに、底面に空気が残留する、所謂エアがみ(エア噛
み)や転写抜けが発生し易い。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の化粧板の製造方法では、転写シートを用い
て、凹凸基材の凹凸表面を装飾する化粧板の製造方法に
おいて、内側に2個以上の複数の押圧ロールを備え、少
なくとも外側がスポンジからなるエンドレスベルトによ
って、凹凸基材に転写シートが接触する接触開始時点か
ら連続して転写シートを押圧する様にした。この結果、
転写シートが完全に凹凸基材の表面凹凸内部にまで追従
しそこで接着し固定されるか、若しくは転写シートの弾
性復元力が消失するかして元に戻らない段階になるま
で、押し続けることができるようになり、深い凹凸でも
内部に空気が残留するエアがみや転写抜けが無い、意匠
性の高い化粧板の製造ができるようになった。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の化粧板の製造方法の実施の形態を詳述する。先ず、
図1は本発明の化粧板の製造方法を説明する概念図であ
る。同図に示す如く、本発明では、転写シート1を凹凸
基材2に転写する際の押圧を、内側に複数の押圧ロール
3a〜3dを備え、少なくとも外側がスポンジからなる
エンドレスベルト4によって、転写シート1が凹凸基材
2に接触する接触開始時点から連続して押圧する様にし
たものである。
【0006】このように本発明の特徴は、特定の押圧形
態と特定の押圧材料との組合せにある。先ず、転写シー
トを凹凸基材へ押圧する押圧形態を、本発明では線圧を
用いずに、連続処理可能な面圧を用いることにあり、し
かも転写シートの凹凸基材への最初の接触から一貫した
面圧を与え続けることにある。これに対し、従来の熱ロ
ールを用いる方法(ロール転写法)では、ほんの僅かな
瞬間の熱ロールに接触する間だけ、転写シートは基材に
押圧されているのみである。従って、熱ロールに例えば
ゴム硬度30°等と軟らかい弾性体を用いたとしても、
押圧時の変形で多少なりとも転写シートに接触している
時間、すなわち押圧している時間は延びるが、ロール転
写法に由来する、線圧印加という特徴が変わるものでは
ない。また、従来でも平圧法として平プレスによる面圧
を用いた転写法はあるが、平プレス法はバッチ処理であ
り、本発明の様に連続処理可能な面圧による方法とは異
なり、バッチ処理に由来する低生産性は避けられない。
また、平プレス法では、転写シートを基材全面にほぼ同
時に接触させる為に、表面凹部に空気が残留するエアが
みが発生し易い。しかし、本発明では、面圧による押圧
であるが、転写シートを基材の端から順に接触させてい
くことができる為に、その接触開始の状況は線圧と同様
であり、ロール転写法と同様にエアがみが発生しにくい
(エアが接触開始部から逃げ易い)性質を備えている。
つまり、本発明で用いる面圧とは、いわば連続的な線圧
であり、また、連続処理可能な面圧といえる。一方、従
来の特開平7−76057号公報による方法も、ベルト
コンベア状のスポンジシートによる連続処理可能な面圧
を用いるが、具体的には、該面圧の押圧前に従来から多
用されている熱ロールによる押圧も併用する。この為に
線圧の悪い性質が残ってしまい、これが後で述べる如
く、凹凸基材への転写法においては悪影響する。
【0007】さらに、本発明では、押圧材料としてスポ
ンジを用いる。スポンジを用いることによって、如何に
柔軟性が優れていたとしても内部が緻密なゴムでは不可
能な大変形が可能となり、凹凸基材の表面凹凸に転写シ
ートを大きく変性させ追従させることが可能になる。ゴ
ムは如何に軟らかい、つまりゴム硬度が小さいものを用
いても、内部が緻密であるために押圧時の体積変化はな
く、縦方向に押し潰された分だけ横方向に膨らみ、これ
が結局は凹凸基材の大きな表面凹凸に転写シートを完全
に追従させる妨げとなる。しかし、スポンジは内部に空
隙を有するので、押圧時は空隙が体積収縮するので、横
方向への膨らみは少なく、凹凸基材の大きな表面凹凸の
凹部内部にまで深く侵入してその底面にまで転写シート
を円滑に追従させることが可能になる。ところで、生産
性の低さを許すのであれば、従来の平プレス法でも押圧
材料にスポンジを用いれば、凹凸基材の表面凹凸に転写
シートをより追従させることは一応は可能である。しか
し、前記の如く、平プレス法では転写シートを基材全面
にほぼ同時に接触させるという基本的性質により、凹部
内に空気が残留するエアがみの発生は、避けることがで
きない。
【0008】そして本発明の様に、連続的な線圧による
面圧という押圧形態と、スポンジという押圧材料とを、
組み合わせることによって、始めてエアがみを抑えつ
つ、凹凸基材への転写の可能性が出てくるのである。し
かし、ただ単に、従来多用しているゴム製の熱ロールの
使用を前提にしたままで、スポンジと連続的な線圧によ
る面圧とスポンジとの組合せ、すなわち、スポンジから
なるエンドレスベルトによる押圧を用いたのでは、満足
すべき転写は得られない。つまり、特開平7−7605
7号公報による方法では、最初のゴム製熱ロールによる
押圧から、次のベルトコンベア状のスポンジシートによ
る押圧に至る間に、押圧が完全に開放される過程が存在
するからである。
【0009】転写シートの押圧は、転写シートが凹凸基
材に接触する最初から一貫して圧を完全に開放すること
なく、押圧し続けることが重要なのである。それは、凹
凸基材の表面凹凸の凹部内部にまで転写シートを伸ばし
て行き表面凹凸に追従させるには、転写シートの支持体
の存在を考える必要があるからである。その極端な例
は、転写法によらずに、ラミネート法によって多少なり
とも凹凸の基材に化粧シートを積層した化粧板を考えれ
ばよい。ラミネートによる化粧材は注意して製造しない
と、ラミネート時に化粧シートを凹凸基材の凹部底面に
まで追従させることができたとしても、それは一時的で
あり、製品となった後に化粧シートの支持体の残留応力
により経時時に戻りが発生し、凹部底面から化粧シート
が浮きだす傾向がある。これと同様なことが転写シート
を用いた転写過程でも起こっており、凹凸基材の表面凹
凸の凹部の底面にまで転写シートが完全に達してそこで
接着しないうち、或いは底面にまで達していても支持体
が強制的に延伸された結果生じる内部残留応力が開放さ
れないうちは、押圧を開放すると支持体の戻りが発生す
るのである。
【0010】上記支持体の戻りを防ぐには、基本的には
(充分な押圧で)支持体の内部残留応力が開放されるに
充分な程度まで、押圧時間を長くすれば良い。そこで、
従来多用している熱ロールのみによる線圧でも、回転数
を極端に遅くすれば、より良い方向には行くが、線圧の
特徴である生産性は大きく阻害されてしまい実用的では
ない。また、この点を補う為に、エンドレスベルトによ
る連続的な線圧による面圧を、熱ロールの後に併用した
のでは、その間に押圧開放の過程が発生し、また、好ま
しくない。そこで、本発明の様にエンドレスベルトによ
る連続的な線圧による面圧のみによって、圧を印加する
押圧形態にすると、好ましい結果が得られる。
【0011】以上の如く、本発明による方法では、面圧
を用いながら連続処理可能な方法であり、優れた生産性
を維持しつつ、しかも、エアがみ発生を防ぎ、深い凹凸
面に転写シートを追従させることが可能となるのであ
る。
【0012】本発明で用いるエンドレスベルト4は、全
体がスポンジからなっていても良いが、少なくとも外側
はスポンジからなるベルトである。エンドレスベルトの
内側には、押圧ロール、加熱ロール、ガイドロール、テ
ンション調整ロール、駆動ロール等の適宜必要とされる
機能のロールを配置する。そして、エンドレスベルトの
内側には少なくとも最低2個の複数の押圧ロールを配置
する。押圧ロールは油圧や空気圧等の流体圧シリンダ
ー、或いはスプリング等の圧発生手段により、エンドレ
スベルトを内側から押圧し、そしてエンドレスベルトは
転写シートを凹凸基材に押圧する。そして、エンドレス
ベルトが線状ではなく面状に転写シートを凹凸基材を押
圧する為に、隣接する少なくとも2個のロールは押圧ロ
ールとして配置されている。また、前記した加熱ロー
ル、ガイドロール、テンション調整ロール、駆動ロール
等は押圧ロールと兼用することができる。そして、押圧
ロール間のエンドレスベルトは、押圧ロールによって弛
まない様に張られていれば、直線的に移動する。しか
し、エンドレスベルト全体、すなわち厚み方向全体がス
ポンジで、しかも伸び易い材料を用いたときは、隣接す
る押圧ロール間を直線的にエンドレスベルトは移送せず
に撓んで圧が逃げる場合がある。この様な場合は、エン
ドレスベルトが長さ方向では延び難く、且つ厚み方向で
はスポンジによる柔軟性を損なわない様にするために、
内側は例えば通常の平ベルト等で織物ベルトやゴムベル
トとして、その外側にスポンジを積層した構成のエンド
レスベルトとすると良い。スポンジの厚さは凹凸基材の
表面凹凸の深さ等によって、またスポンジの軟らかさ
は、表面凹凸の深さ、表面凹凸の面的な大きさ、用いる
転写シートの延伸性の度合い等によって、適宜選択して
使用する。また、転写シートを加熱して転写する場合
は、シリコーンスポンジ、フッ素樹脂系ゴムスポンジ等
の耐熱性のあるものを使うと良い。また、スポンジの構
造は、ゴム弾性体の内部に多数の細胞状の気泡を有する
ものであり、各気泡は互いに独立でも、互いに連通して
いても良い。以上の様なスポンジを用いたエンドレスベ
ルトが、凹凸基材の表面の凸凹を吸収しつつ、表面の凸
部、及び凹部の底面にまで転写シートを圧接することに
なる。なお、当然のことながら、転写シートの転写層側
を凹凸基材の被転写面側に接する向きにして押圧する。
【0013】一方、押圧ロール3は、エンドレスベルト
を通じて圧を印加する手段であり、凹凸基材の表面凹凸
の凸凹に押圧ロールの表面が追従して変形することは必
ずしも必要ではない。凹凸基材の表面凹凸の凸凹への追
従は、スポンジを用いたエンドレスベルトが受け持つこ
とができるからである。この為、押圧ロールとしては、
表面が金属等の硬質のものでも良いし、表面をゴムで被
覆したゴムロールでも良い。また、押圧ロールの回転駆
動力を確実にエンドレスベルトに伝達する目的で、表面
をゴム製としておいても良い。表面をゴム製として、例
えばゴム硬度30°等と軟らかいゴムをある程度の厚み
としておけば、押圧時の変形で、線圧的な圧印加の幅
(ニップ幅)が広がり、より広範囲に押圧ロールからの
直接的な圧力を転写シートに与えることができる。ま
た、押圧ロールは、転写シートを加熱して転写する必要
がある場合は、加熱ロールを兼用することもできる。も
し、転写シートを冷却後に圧力を開放した方が良い場合
には、最後の何本かの押圧ロールを冷却ロールにしてお
く。押圧ロールの直径は適宜選択するが、上記ニップ幅
を広くする場合は直径の大きいものを用いる。また、隣
接する2本の押圧ロールの直径が大きいと、その間を移
送するエンドレスベルトの長さが長くなり、押圧ロール
による直接的な圧印加ではなく、それよりも圧が弱い、
エンドレスベルト自身による圧印加部分が長くなる。そ
こで、転写シートの戻り力が大きい場合には、押圧ロー
ルの直径を小さくし、また表面が柔軟なゴムロールとし
てニップ幅を広くすることで、押圧ロールによる直接的
な圧印加部分を長くしつつ、スポンジによる連続的な押
圧を持続する様にすれば良い。各押圧ロール間の間隔
は、各押圧ロール間での圧力の低下、エンドレスベルト
の撓みが無視できる程度の間隔にとどめる。なお、図1
では、4本の押圧ロール3a〜3dを、順に直径を小さ
くしているが、複数本とした場合の押圧ロールの直径
は、逆に順に大きくしてもよく、また、全部同一直径と
しても良く、或いは、一部を同一直径としても良く、い
ずれを選択するかは、凹凸基材の表面凹凸形状に応じて
適宜決定する。
【0014】次に、本発明の化粧板の製造方法で用い得
る、凹凸基材、転写シートについて説明しておく。
【0015】(凹凸基材)本発明で化粧板の基材として
用い得る凹凸基材2としては、ケイ酸カルシウム板、木
片セメント板、押出しセメント板、ALC(軽量気泡コ
ンクリート)、GRC(繊維強化コンクリート)等の窯
業系基材、単板や合板、パーティクルボード、集成材、
MDF(中密度繊維板)等の木質基材、鉄、アルミニウ
ム、ステンレス等の金属板、ガラス、陶磁器、タイル等
のセラミックス、ポリプロピレン、塩化ビニル系樹脂、
アクリロニトリル−ブタジン−スチレン共重合体(AB
S樹脂)等の樹脂成形品でもよい。これらの凹凸基材の
表面には、予め、接着剤との接着を補助するための易接
着プライマー、あるいは表面の微小凹凸や多孔質を目止
し封じるシーラー剤を塗工しておいてもよい。易接着プ
ライマー、あるいはシーラー剤としては、イソシアネー
ト、2液硬化ウレタン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂等の樹脂を塗工す
る。
【0016】(転写シート)本発明で用い得る転写シー
ト1は、凹凸基材の表面凹凸に転写時に追従できる延伸
性を備えるものであれば、従来公知のいかなる転写シー
トでも使用できる。図2に転写シートの一例の断面図を
示す。同図の転写シート1は、支持体5上に、転写層6
として装飾層7と接着層8とを設けた構成である。この
ように転写シートは、支持体と転写層からなる。転写層
は少なくとも装飾層から構成され、更に接着層を積層し
た構成では、転写シートまたは凹凸基材の片方又は両方
に転写の際に接着剤を設けることを省略できる。ところ
で、転写シートの延伸性は、主として支持体の延伸性に
よって支配される。従って、支持体としてゴム膜を用い
れば、常温で延伸するゴムの弾性変形によって転写シー
ト等を転写時に加熱することなしに、凹凸基材の表面凹
凸に転写することも可能である。また、支持体として熱
可塑性樹脂フィルムを用いれば、支持体に装飾層形成時
には延伸性がほとんどなく、転写時には加熱(塑性変
形)により十分な延伸性を持つ転写シートとして、従来
公知の通常の転写シート同様に容易に、本発明で用い得
る転写シートは用意できる。
【0017】(転写シート:支持体)支持体5として
は、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの
他、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、
ポリメチルペンテンフィルム等のポリオレフィン系フィ
ルム、塩化ビニル樹脂フィルム、ナイロンフィルム等の
低延伸または無延伸フィルム、天然ゴム、合成ゴム、ウ
レタンエラストマー、オレフィン系エラストマー等のエ
ラストマーフィルムも好ましい支持体である。支持体の
厚みは25〜100μm程度が好ましい。
【0018】(転写シート:装飾層)装飾層7は、グラ
ビア印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等の
従来公知の方法及び材料で絵柄等を印刷した絵柄層、ア
ルミニウム、クロム、金、銀等の金属を公知の蒸着法等
を用いて、部分的あるいは全面に形成した金属薄膜等で
あり、用途に合わせたものを用いる。絵柄としは、木目
調、石目調、タイル調、煉瓦積み調、抽象柄調などを印
刷する。また、支持体と装飾層との剥離性を調整するた
めに、これら層間に剥離層等の層を設けるのは公知の転
写シートと同じである。
【0019】(接着層)接着層8は、ポリ酢酸ビニル、
アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ブロックイソシアネー
ト硬化型ポリウレタン樹脂、ホットメルト樹脂などの従
来公知のものである。なお、転写シートの接着層は、装
飾層自体に接着性がある場合か、あるいは、凹凸基材側
に接着層を設ける場合は、省略可能である。また、接着
層を用いる場合は、接着層は転写シートに設けておく方
法もあるが、転写シートには設けずに、転写直前に転写
シートにナイフコート、グラビアコート、フローコート
等の塗工等で設ける方法、凹凸基材側に予めまたは直前
に塗工等で設ける方法、あるいは転写シート及び凹凸基
材の両方に予めまたは直前に設ける方法等の各種の方法
で形成したものを用いれば良い。転写シート側のみに接
着層を予め設けておく方法では、その装飾層と同時に印
刷等で形成できる上、転写時に設ける手間、装置が省略
できる利点がある。また、接着剤を直前に転写シート、
基材の片方又は両方の施す場合は、感圧型の粘着剤や、
水性接着剤等の接着剤でもよい。
【0020】以上の様な、凹凸基材、転写シートを用い
て得られた化粧板の一例の断面図を図3に示す。同図の
化粧板10は、凹凸基材2に、転写層6として表面側か
ら装飾層7、接着層8が積層されたものである。なお、
必要に応じて、図3の様に装飾層7及び接着層8からな
る転写層6を転写形成後に、さらに転写層の上から、透
明塗料をスプレー塗装する等して、透明保護層9を形成
した化粧板としても良い。透明塗料としては、アクリル
樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、セル
ロース系樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂等を樹脂
成分として用いる。必要に応じて、透明性を損なわない
範囲で、顔料、紫外線吸収剤、帯電防止剤、チクソトロ
ピック付与剤等を添加する。
【0021】そして、本発明の方法で得られる化粧材の
用途は、例えば、壁面、天井、床等の建築物の内装、窓
枠、扉、手摺等の建具類の表面化粧、家具や弱電・OA
機器のキャビネットの表面化粧、自動車、電車、航空機
等の車両内装等として用いられる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の化粧シートを実施例で更に具
体的に説明する。先ず、凹凸基材として目地部分が凹部
をなすイソシアネート系シーラ処理済みの煉瓦積み目地
模様を有する珪酸カルシウム系窯業パネルを準備した。
一方、転写シートとしては、支持体に厚さ50μmのポ
リプロピレンフィルムを用いて、これにカーボンブラッ
ク、酸化鉄、チタン白、キナクリドン、イソインドリド
ンからなる顔料と、アクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体樹脂のバインダーからなるインキで、装飾
層として煉瓦調模様の絵柄を印刷し、さらに接着層とし
てアクリル樹脂を塗布して転写シートを作製した。
【0023】次いで、上記転写シートと凹凸基材とを、
図1の様な転写装置で、化粧板を作製した。用いた転写
装置の押圧ロールは、第1ロール〜第4ロール迄の合計
4本のロールからなる。第1ロールが直径300mmで
ゴム硬度80°のゴム製の加熱ロールで、第2ロール以
降は直径80mmでゴム硬度40°のゴム製加熱ロール
である。また、スポンジ製のエンドレスベルトは、外側
がシリコーンスポンジ製で肉厚が20mmのもので、押
圧ロール側の内側には布で裏打ちしたものを用いた。そ
して、エンドレスベルトの表面温度を150℃になるよ
うにして、転写シートを凹凸基材に押圧して、冷却後、
支持体のみ剥離除去して装飾層を転写した。次いで、得
られた化粧板の表面に更に、ポリフッ化ビニリデン塗料
を乾燥時厚さ10μmになるように塗布して透明保護層
を形成して、化粧板を製造した。
【0024】
【発明の効果】本発明の化粧板の製造方法によれば、化
粧板の基材として凹凸基材を用い、特にその深い凹凸を
化粧板表面として生かした装飾ができ、エアがみ(噛
み)による転写抜け等が無く高品質で、意匠性の高い化
粧板が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による化粧板の製造方法の説明図。
【図2】本発明に用い得る転写シートの一例を示す断面
図。
【図3】本発明で得られる化粧板の一例を示す断面図。
【符号の説明】
1 転写シート 2 凹凸基材 3a〜3d 押圧ロール 4 エンドレスベルト 5 支持体 6 転写層 7 装飾層 8 接着層 9 透明保護層 10 化粧板

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転写シートを用いて、凹凸基材の凹凸表
    面に装飾層を少なくとも含む転写層を転写して、これを
    装飾する化粧板の製造方法において、 内側に2個以上の複数の押圧ロールを備え、少なくとも
    外側がスポンジからなるエンドレスベルトによって、凹
    凸基材に転写シートが接触する接触開始時点から連続し
    て転写シートを押圧する、化粧板の製造方法。
JP24000896A 1996-08-23 1996-08-23 化粧板の製造方法 Withdrawn JPH1058896A (ja)

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WO2007052579A1 (ja) * 2005-11-02 2007-05-10 Nippon Shokubai Co., Ltd. 転写法により機能性を付与された熱可塑性樹脂シートおよびその製造方法
KR100971558B1 (ko) * 2007-12-12 2010-07-20 박규철 입체형상을 갖는 가전제품용 데코판의 제조 방법
JP2017081013A (ja) * 2015-10-28 2017-05-18 富士ゼロックス株式会社 画像記録体、及び画像記録体の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007052579A1 (ja) * 2005-11-02 2007-05-10 Nippon Shokubai Co., Ltd. 転写法により機能性を付与された熱可塑性樹脂シートおよびその製造方法
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