JPH1191298A - 曲面転写方法 - Google Patents

曲面転写方法

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JPH1191298A
JPH1191298A JP27193997A JP27193997A JPH1191298A JP H1191298 A JPH1191298 A JP H1191298A JP 27193997 A JP27193997 A JP 27193997A JP 27193997 A JP27193997 A JP 27193997A JP H1191298 A JPH1191298 A JP H1191298A
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JP27193997A
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Mitsutoyo Miyakoshi
光豊 宮越
Masaru Okamoto
優 岡本
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 凹凸面が装飾された化粧材等の転写製品を製
造できる様にする。 【解決手段】 転写ローラにブラシローラRを用いて、
転写シートを被転写基材に押圧して密着させ、しかる後
に支持体を剥離することで転写する。ブラシローラの放
射状の伸びる毛が、転写シートを被転写基材に押圧す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅の外装及び内
装材、家具、家電製品等に用いる凹凸装飾面を有する化
粧材等の転写製品を製造する為の曲面転写方法に関す
る。特に、表面に凹凸形状を有する意匠性の高い化粧材
等を効率良く製造できる曲面転写方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、装飾された凹凸表面を有する化粧
材等を得るには、例えば次の様な方法がある。 凹凸表面を有する基材に、単色の塗料で塗装したり、
或いは砂状物を振りかける等の簡単な方法。 曲面転写方法による装飾法としては、例えば特開平5
−139097号公報に開示の方法では、一般的な転写
ローラの硬度よりも柔軟なゴム硬度60°以下のシリコ
ーンゴム製のゴムローラで、熱圧を加えて転写シートを
被転写基材に押圧する。 また、別の曲面転写方法である所謂水圧転写法では、
ポリビニルアルコール系樹脂等からなる水膨潤性の転写
シートを水面に浮かべ、その上から被転写基材を水中に
沈めて、転写する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
様な従来の方法では、次の様な問題があった。上記の
塗装等による方法は、印刷による装飾に比べて意匠性に
劣る。の転写シートを用いる方法は、印刷による高意
匠の装飾が可能ではあるが、ゴムの弾性変形を利用して
転写シートを押し延ばして、被転写基材の表面凹凸形状
に追従させる為に、浅い凹凸は良いとしても大きな凹凸
には適用できない。その上、被転写基材の凹凸の隅角部
によって軟質のゴムローラが損耗し易い。の水圧転写
法では、転写シートの膨潤の為、絵柄が歪み易い。甚だ
しい場合は転写シートが破れることもある。また、被転
写基材の材質が大重量で、吸水性のあるALC(軽量気
泡コンクリート板)等からなる場合は難しい。この様
に、被転写基材の材質を特に選ばず、なお且つ大きな凹
凸表面へも転写できる曲面転写方法が従来は無かった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
すべく、本発明では、表面に凹凸形状を有する被転写基
材に、支持体と転写層とからなる転写シートにより、転
写層を転写する曲面転写方法において、転写層が被転写
基材側を向く様にした転写シートの支持体側から、ブラ
シローラで転写シートを被転写基材に押圧して、転写層
が被転写基材に接着した後、支持体を剥離することで、
被転写基材に転写層を転写する様にした。転写ローラに
ブラシローラを用いる事によって、従来のゴムローラで
は追従できない様な大きな凹凸形状の凹部へも、凸部に
邪魔される事なくブラシ先端が到達して、転写圧を与え
る事が可能となった。それは、ブラシローラのブラシの
毛は、それぞれ独立に変形する事が出来るからである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の曲面転写方法を図
面を参照しながら詳述する。
【0006】〔ブラシローラ〕図1に本発明で用い得る
ブラシローラの一例を示す。図1(A)は、ブラシロー
ラRの回転軸R1の軸方向から見た図、つまり、転写圧
を順次加えて行く転写圧印加方向に対して直交方向から
見た側面図である。また、図1(B)は、転写圧印加方
向の前又は後ろから見た図、つまり転写圧印加方向に対
し平行方向から見た正面図(背面図)である。ブラシロ
ーラRは図1の様に、通常は剛直な回転軸R1と、該回
転軸R1に根元が固定され該回転軸R1から放射状に多
数伸びた(ブラシの)毛R2とからなる。回転軸R1に
は転写圧が逃げない様な剛直な材料、例えば鉄、ジュラ
ルミン等の金属等を用いれば良い。毛R2には合成樹脂
等の柔軟だが転写圧が与えられる程度に剛直な材料を用
いれば良い。毛の材質、長さ及び太さ、密度(回転軸又
はローラ円周面の単位面積当たりの毛の数)等を適宜選
択することで、ブラシ全体としての硬さを調整する事で
転写圧を調整する。また、転写圧は回転軸と被転写基材
との距離でも調整する。毛の材料としては、合成樹脂、
金属、動物の毛、植物等を適宜用いるが、合成樹脂は好
ましい材料の一つである。合成樹脂としては、例えばナ
イロン(ポリアミド)があり、ナイロンの毛を用いたブ
ラシローラは、良好であった。また、その他合成樹脂と
しては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステ
ル、ビニロン等もある。ブラシローラの外径(直径)
は、被転写基材の凹凸形状、毛の硬さ及び長さ、転写圧
等に応じて、適宜大きさのものを用いれば良く、例えば
50〜300mm程度である。この際、ブラシローラの
外径に対する毛の長さと回転軸の太さとの比率は、適宜
に決める。毛の長さの比率が大きければ、つまり毛が長
ければ、大きな凹凸にも対応できる。また、その反面、
(同じ材料ならば)転写圧は弱めとなる。
【0007】なお、回転軸R1は、通常は、円柱状の金
属等の剛直体であるが、ブラシの毛は、例えば円柱の円
周面に放射線状に毛が伸びる様に毛の根元を埋め込んで
固定する。また、回転軸は金属等のワイヤーを縒ったも
のでも良い。この場合、その縒りの中に毛の根元を固定
できる。また、ブラシローラの回転速度は、例えば、ブ
ラシローラ(の回転軸)の位置固定で、これに対して転
写シートと被転写基材とを同一速度で移動する場合(或
いは逆にブラシローラのみを移動させる場合)、ブラシ
ローラの周速を、被転写基材及び転写シートと、ブラシ
ローラとの相対的な移動速度よりも早い速度で同一方向
とすると良い。該移動速度と同一速度の場合、転写シー
トの微小領域の或る一部分に対して接触し得るブラシロ
ーラの毛(の総数)は、その微小領域と同一面積分のブ
ラシローラ円周に分布する毛(の数)のみとなり、転写
圧を十分に加えられないからである。また、ブラシロー
ラの回転方向を、転写シート及び被転写基材の搬送方向
と逆方向とすると、転写シートを逆送する様な力が転写
シートに加わり、転写シートに皺が出来たりして好まし
くない。この様に、ブラシローラの場合は、転写シート
に対してその円周面を滑らせるように回転させた方が転
写圧を加え易い。なお、従来のゴムローラの場合はその
円周面は転写シートに対して滑らずに回転させる事にな
り、また滑らす事は出来ない。また、ブラシローラと転
写シートとは滑りながら相対的に移動できるので、ブラ
シローラの回転軸は通常は転写圧印加方向に直交方向と
するが、必ずしも該直交方向で無くても良い(例えば斜
めにすることも出来る)。
【0008】なお、ブラシローラは1本のみ使用して転
写圧を加えても良いが、ブラシローラを2本以上、直列
に転写圧印加方向(例えば、ブラシローラの位置固定の
場合は、転写シートと被転写基材の搬送方向)に適当な
間隔で配置し、2本以上で順次、連続して転写圧を加え
ても良い。また、ブラシローラの直径は、通常はその幅
方向で全て等しく、ブラシローラは円柱形状とするが、
例えば被転写基材の凹凸表面形状に合わせて、直径が均
一で無い物でも良い。具体的には、例えば回転軸の直径
は幅方向で同一だが、毛の長さを幅方向で変える。
【0009】〔転写圧の印加〕図2は、本発明の曲面転
写方法で、前述の様なブラシローラRが、支持体1と転
写層2とからなる転写シートSを、表面に凹凸形状を有
する被転写基材Bに押圧して転写圧を印加する様子を示
す概念図である。同図に示す様に、ブラシローラRは、
従来のゴムローラと同様にして使用できる。但し、ブラ
シローラは通常は滑らせるように回転させる。また、図
2は、接着剤が被転写基材Bに接着剤層Aとして既に施
されている形態である。そして、この被転写基材に対し
て、転写シートを、その転写層側を被転写基材側に向け
て、支持体側からブラシローラで転写圧を加える。そし
て、同図の場合は、ブラシローラによる転写圧が完全に
解除されて転写層が被転写基材に接着した後に、支持体
1を剥離する。その結果、化粧材等となる転写製品が得
られる。
【0010】〔転写シート、被転写基材、接着剤等の加
熱〕転写圧押圧にブラシローラを用いる場合でも、従来
のゴムローラを用いる転写方法と同様に、転写シート、
被転写基材、接着剤等を適宜加熱することができる。但
し、ブラシローラは、従来のゴムローラ同様にローラ自
体を加熱ローラとしては使いにくい。その為、次の様に
すると良い。例えば、転写圧押圧前の加熱では、転写シ
ートは赤外線輻射加熱や熱風加熱等の従来公知の任意の
加熱手段で加熱すれば良く、被転写基材(及びその上の
接着剤層)も赤外線輻射加熱や熱風加熱等の従来公知の
任意の加熱手段で加熱すれば良い。また、転写圧押圧中
の加熱では、ブラシローラが転写シートに接触している
部分目掛けて熱風を吹き付ける熱風加熱や、ブラシロー
ラに近接配置した加熱源からの赤外線輻射加熱、加熱さ
れたブラシローラとの接触による加熱、或いは被転写基
材を裏面側からの加熱等で行う。なお、加熱されたブラ
シローラとの接触による加熱を使用しても良い。もちろ
ん、加熱のタイミングは、転写シート、被転写基材及び
接着剤に応じて、転写圧の押圧前及び押圧中の加熱、或
いは押圧中のみの加熱でも良く、接着剤の加熱活性化や
転写シートの加熱軟化等と要求される加熱内容に応じて
適宜使い分ける。
【0011】〔接着剤の強制冷却〕接着剤が熱融着型の
場合は、転写シートが被転写基材に密着後に接着剤を強
制冷却しても良い。強制冷却により、被転写基材の凹部
内部にまで追従し、成形された転写シートの固着化を促
進して、転写シートに復元力がある場合に圧解放後、転
写シートが元の形状に戻ることを防止し、転写シート
(の支持体)の剥離除去をより早くできるので、転写抜
け防止や生産速度向上が図れる。この為には、転写圧押
圧中、或いは転写圧解除後に、風冷等の冷却手段を用い
て接着剤層を冷却すると良い。風は転写シート側や被転
写基材側から吹き付ける。被転写基材の熱容量が大の場
合は、基材搬送用の置き台(搬送台)或いはローラやベ
ルトコンベア等の冷却により、被転写基材を裏面から冷
却しても良い。また、複数のブラシローラを転写圧印加
方向に直列に配置する場合は、前半のブラシローラを加
熱ブラシローラ(或いは加熱ゾーン)とし、後半のブラ
シローラを冷却ブラシローラ(或いは冷却ゾーン)と
し、後半のブラシローラではその押圧中に冷却ブラシロ
ーラとの接触等による冷却を行っても良い。
【0012】〔支持体の剥離〕なお、支持体の剥離は転
写層が接着した後に行えば良い。つまり、転写層と被転
写基材との接着力が転写層と支持体との接着力よりも強
く、支持体剥離時に転写層が被転写基材側に残留し、転
写層が被転写基材に転写移行するに十分な接着力以上の
状態であれば良い。したがって、例えば硬化型接着剤で
はそれが完全硬化していなくとも良い。もちろん、支持
体の剥離は、転写圧の解除以降、支持体が剥離時応力で
切断や塑性変形をし無い程度に冷却した後が良い。例え
ば、ブラシローラで一旦転写シートを被転写基材に押圧
し接着させて、ブラシローラと転写シートが離れた以降
に、支持体を剥離しても良いし(図2参照)、ブラシロ
ーラから転写シートが離れるのをきっかけとして、支持
体をブラシローラの円周面に沿うようにして剥離しても
良い。
【0013】〔使用材料〕次に、本発明の曲面転写方法
によって転写製品を製造する際に用いる、被転写基材、
転写シート、接着剤等の材料について説明する。
【0014】〔被転写基材〕被転写基材Bは、被転写面
が平坦な平面のものでも、もちろん適用できるが、本発
明が真価を発揮するのは被転写面が凹凸表面であり、特
にその凹凸が三次元的である被転写基材である。本発明
では、転写ローラとして、回転するブラシローラで転写
シートを被転写基材に押圧して転写圧を与える様にして
いるので、ブラシローラの接触方向や、接触方向に直行
する方向(回転軸方向)等の2方向に凹凸(曲率)を有
する三次元的凹凸にも全面に全方向から、ほぼ均一な圧
力の印加が可能である。もちろん、転写シートや被転写
基材の送り方向に凹凸がある被転写基材でも良い。従っ
て、送り方向又は幅方向等の1方向にのみ凹凸がある二
次元的凹凸、送り方向及び幅方向の両方等の2方向に凹
凸がある三次元的凹凸を有する被転写基材にも適用でき
る。また、全体として(包絡面形状が)平板状の板材だ
けでなく、形状が緩ければ円弧状に凸又は凹に送り方向
又は幅方向に湾曲した二次元的凹凸を有する被転写基材
でも良く、またその湾曲面にさらに細かい三次元的な表
面凹凸があってもよい。なお、凹凸面を構成する各面
は、平面のみから、曲面のみらか、或いは平面と曲面の
組み合わせと任意である。従って、本発明の被転写基材
上の曲面とは、断面が下駄の歯形の様に複数の平面のみ
から構成される曲面を持たない凹凸面も意味する。ま
た、本発明でいう曲率とは、立方体の辺或いは頂点の周
辺の様に角張っている曲率無限大(曲率半径=0)の場
合も包含する。なお、被転写基材表面を所望の凹凸とす
るには、プレス加工、エンボス加工、押し出し加工、切
削加工、成形加工等によれば良い。
【0015】被転写基材の材質は任意であり、例えば、
板材であれば、ケイ酸カルシウム板、木片セメント板、
押し出しセメント板、スラグセメント板、ALC(軽量
気泡コンクリート)板、GRC(硝子繊維強化コンクリ
ート)板等の非陶磁器窯業系板、木材単板や木材合板、
パーティクルボード、集成材、木質中密度繊維板(MD
F)等の木質板、また、鉄、アルミニウム、ステンレ
ス、銅等の金属板、陶磁器やガラス等のセラミックス、
ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、フェノ
ール樹脂等の樹脂成形品等でも良い。これらの被転写基
材表面には、予め、接着剤との接着を補助する為の易接
着プライマー、被転写基材を所望の色に着色する為の着
色塗料、或いは表面の微凹凸や多孔質を目止めし封じる
シーラー剤を塗工しておいても良い。易接着プライマ
ー、あるいはシーラー剤としては、イソシアネート、2
液硬化ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、酢
酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の樹
脂を塗工し形成する。着色塗料の場合は、これら樹脂
(バインダー)中に後述の如き公知の着色剤を添加した
物を用いる。なお、被転写基材表面を所望の凹凸とする
には、プレス加工、エンボス加工、押し出し加工、切削
加工、成形加工等によれば良い。また、凹凸形状の具体
的模様は任意だが、例えば、タイルや煉瓦の目地、花崗
岩の劈開面等の石材表面の凹凸、木材羽目板、浮造木目
等の木材板表面凹凸、リシン調、スタッコ調等の吹付塗
装面の凹凸等である。
【0016】〔転写シート〕転写シートSは支持体1と
転写移行する転写層2とからなる。転写層は少なくとも
装飾層からなる。また、接着剤を、転写層の一部となる
接着剤層として、転写シートに形成しておいても良い。
また、被転写基材表面と転写シートとの間に抱き込まれ
残留する空気を抜く為に、転写シート全面に転写シート
全層を貫通する小孔を多数穿設しても良い。
【0017】(支持体)本発明で用いる転写シートの支
持体には、被転写基材が二次元的凹凸表面であれば、延
伸性が無い紙等も可能だが、本発明が真価を発揮する三
次元的凹凸表面に適用する為には、少なくとも転写時に
は延伸性の有る支持体を用いる。延伸性により転写時
に、被転写基材表面の凹部内部まで転写シートを追従さ
せて密着し転写することができる。転写シート全体の延
伸性は、主に支持体の延伸性に支配される。従って、支
持体には、従来公知の熱可塑性樹脂フィルムの他に、常
温でも延伸するゴム膜も使用できる。熱可塑性樹脂フィ
ルムの場合、装飾層等の転写層形成時には延伸性が殆ど
なく、転写時には、加熱により充分な延伸性を発現し、
且つ冷却後は変形した形状を保持し続け、弾性による形
状の復元を生じない転写シートとして、従来公知の通常
の転写シート同様に容易に、本発明で用い得る転写シー
トは用意出来る。支持体の具体例としては、延伸性の点
で、従来多用されている2軸延伸ポリエチレンテレフタ
レートフィルムでも、表面凹凸形状次第で、加熱条件、
衝突圧条件等の設定によって、必要充分な延伸性を発現
させることができるので曲面転写は可能である。ただ、
より低温・低圧で延伸性が発現し易い好ましい支持体と
しては、例えば、エチレン・テレタレート・イソフタレ
ート共重合体、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑
性ポリエステル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、
ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、塩化ビニ
ル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビ
ニルアルコール共重合体、アクリル樹脂、ポリアミド樹
脂、或いは天然ゴム、合成ゴム、オレフィン系熱可塑性
エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー等を単
体又は混合物で、単層又は異種の複層とした樹脂フィル
ムを用いることがてきる。これら樹脂フィルムは低延伸
又は無延伸の物が好ましい。例えば、具体的にはポリプ
ロピレン系熱可塑性エラストマーフィルムは、延伸特性
に優れ且つ廃棄燃焼時に塩酸ガスを発生せず環境対策的
にも好ましい支持体の一つである。支持体の厚さは、通
常20〜200μmである。
【0018】なお、支持体には必要に応じ、その転写層
側に転写層との剥離性を向上させる為、離型層を設けて
も良い。この離型層は支持体を剥離時に支持体と共に転
写層から剥離除去される。離型層としては、例えば、シ
リコーン樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタ
ン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ワックス等の単体又はこ
れらを含む混合物が用いられる。また、支持体には、転
写層側の面に凹凸模様を設ければ、転写後の転写層表面
に砂目、梨地、木目等の転写シートによる凹凸模様を賦
形できる。凹凸模様は、エンボス加工、サンドブラスト
加工、賦形層(離型層)による盛り上げ印刷加工等の公
知の方法で形成する。
【0019】(転写層)転写層は少なくとも装飾層から
構成し、更に適宜、剥離層、接着剤層等も転写層の構成
要素とすることもある。接着剤層を有する構成では、転
写の際に転写シート又は被転写基材の片方又は両方に接
着剤を施すことを省略できる。装飾層はグラビア印刷、
シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等の従来公知の
方法、材料で絵柄等を印刷した絵柄層、アルミニウム、
クロム、金、銀等の金属を公知の蒸着法等を用いて部分
的或いは全面に形成した金属薄膜層等であり、用途に合
わせたものを用いる。絵柄としては、被転写基材の表面
凹凸に合わせて、木目模様、石目模様、布目模様、タイ
ル調模様、煉瓦調模様、皮絞模様、文字、幾何学模様、
抽象柄模様、全面ベタ等を用いる。なお、絵柄層用イン
キは、バインダー等からなるビヒクル、顔料や染料等の
着色剤、これに適宜加える各種添加剤からなる。バイン
ダーには、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、ポリエステル樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレ
タン樹脂、フッ素樹脂等の単体又はこれらを含む混合物
を用いる。着色剤の顔料としては、チタン白、カーボン
ブラック、弁柄、黄鉛、群青等の無機顔料、アニリンブ
ラック、キナクリドン、イソインドリノン、フタロシア
ニンブルー等の有機顔料が用いられる。また、剥離層
を、支持体乃至は離型層と装飾層との間の剥離性を調整
する為、また、転写後の装飾層の表面保護の為等に、こ
れら層間に設けるのは、従来公知の転写シートと同様で
ある。剥離層には、例えば、上記絵柄層用インキのバイ
ンダーに用いる樹脂等が用いられる。なお、この剥離層
は転写時に装飾層と共に被転写基材側に転写され、装飾
層の表面を被覆する。
【0020】〔接着剤〕接着剤の使用法は従来のゴムロ
ーラによる転写の場合と基本的には同様で良い。接着剤
は、転写シートの転写層を構成する接着剤層としてや、
被転写基材上の接着剤層として、事前に、又は転写の直
前にインライン塗工やオフライン塗工で施す。被転写基
材に施す場合には、転写シート転写層の接着剤層を省略
できる。接着剤は、用途、要求物性等により従来公知の
接着剤の中から適宜選択すれば良い。接着剤としては、
例えば、感熱型接着剤、湿気硬化型感熱溶融型接着剤、
ホットメルト接着剤、湿気硬化型ホットメルト接着剤、
2液硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、電離放射線硬化型
接着剤、水性接着剤、或いは粘着剤による感圧型接着剤
等の各種接着剤を使用できる。また、粘着性を呈する感
圧型の接着剤(粘着剤)以外の接着剤では、接着剤層の
単層のみで転写層とすることができる。接着剤層中に顔
料等の着色剤を添加すれば、全面ベタのインク層からな
る装飾層ともいえる。接着剤の具体例としては、例えば
感熱溶融型接着剤としては、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、熱可塑性
ポリエステル樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、ダイマー酸
とエチレンジアミンとの縮重合により得られるポリアミ
ド樹脂等の従来公知の接着剤を用いることができる。ま
た、例えば熱硬化型接着剤としては、フェノール樹脂、
尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、熱硬化型ウレタン
樹脂、エポキシ樹脂等を用いることがてきる。なお、接
着剤中には、更に必要に応じて、各種添加剤を添加する
こともできる。これらの添加剤としては、例えば、炭酸
カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、アルミナ等の微粉
末からなる体質顔料(充填剤)、有機ベントナイト等の
チキソトロピック付与剤(特に凹凸段差の大きい被転写
基材の場合、接着剤が凸部から凹部へ流入する事を防止
する為に添加すると良い。)等である。
【0021】接着剤を、転写シート等のシートや被転写
基材に施すには、水、有機溶剤等の溶媒(又は分散媒)
に溶解(又は分散)した溶液(又は分散液)の形態で、
或いは熱溶融した熱可塑性組成物又は室温液状の未硬化
樹脂を無溶剤の樹脂液の形態で施す。塗工法としては、
従来公知の塗工法であるグラビアロールコート等による
溶液塗工や、アプリケータ等による熔融塗工(溶融塗
工)法により施せば良い。また、特に凹凸表面の被転写
基材に対しては、軟質ゴムロールやスポンジロール等の
ロールを使用したロールコート、カーテンフローコー
ト、スプレーコート、熔融塗工等の塗工法が良い。希釈
溶剤を添加せずに用いれば、溶剤乾燥は不要である。例
えば、感熱溶融型接着剤は、それぞれ無溶剤のホットメ
ルト接着剤として使用できる。また、電離放射線硬化型
接着剤なども無溶剤で施すことができる。ホットメルト
型接着剤として使用する場合は無溶剤なので、転写直前
の塗工でも溶剤乾燥が不要で、高速生産できる。なお、
接着剤の塗布量は、接着剤の組成、被転写基材の種類及
び表面状態で異なるが、通常10〜200g/m2 (固
形分)程度である。
【0022】〔転写製品〕本発明で得られる転写製品と
しては、例えば化粧材の場合は、外壁、塀、屋根、門
扉、破風板等の外装材、壁面、天井、床等の建築内装
材、窓枠、扉、手摺、敷居、鴨居等の建具、箪笥等の家
具の表面材、テレビ受像機等の弱電・OA機器のキャビ
ネット、或いは自動車等の車両内装材、航空機や船舶等
の内装材等の各種分野で用いられ得る。
【0023】〔後加工〕なお、転写後の化粧材等となる
転写製品の表面に、更に透明保護層を塗装する等しても
良い。この様な透明保護層としては、ポリ4フッ化エチ
レン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂、ポリメタ
クリル酸メチル等のアクリル樹脂、シリコーン樹脂、ウ
レタン樹脂の1種又は2種以上等をバインダーとし、こ
れに必要に応じて、ベンゾトリアゾール、超微粒子酸化
セリウム等の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系ラジカ
ル補足剤等の光安定剤、着色顔料、体質顔料、滑剤等を
添加した塗料を用いる。また、外装用途では、無機系塗
料を用いることもできる。塗工法はスプレー塗装、フロ
ーコート、軟質ゴムロールやスポンジロールを使用した
ロールコート等を用いる。透明保護層の膜厚は1〜10
0μm程度である。塗工はスプレー塗装、フローコート
等を用いる。
【0024】
【実施例】次に実施例により本発明を更に説明する。
【0025】先ず、表面に凹凸形状を有する被転写基材
Bとして、目地部分が間口の幅7mm、深さ1.5mm
の溝状凹部を成す煉瓦積み模様の三次元的凹凸形状を有
する、シーラ処理済みのケイ酸カルシウム板を用意し
た。そして、この被転写基材に、下地塗装として、二酸
化チタンの白色顔料を用いた白色の2液硬化型ウレタン
塗料を全面に50g/m2 (固形分)の厚さスプレー塗
装した。その上に、更にウレタン樹脂系の感熱融着型接
着剤層を50g/m2 (固形分)スプレー塗装で形成し
た。一方、転写シートSは、厚さ50μmのポリプロピ
レン系のオレフィン系熱可塑性エラストマーフィルムを
支持体として、その片面に、カーボンブラック、酸化
鉄、チタン白、キナクリドン、イソインドリノンからな
る着色顔料と、アクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体との重量比1対1の混合樹脂を用いたバインダ
ーからなる絵柄層用インキで、転写層の装飾層として目
地を有する煉瓦調の絵柄をグラビア印刷して作製した。
【0026】転写ローラに用いるブラシローラとして
は、直径40mmの中空鉄芯兼回転軸の円周面にナイロ
ン製の毛の根元を固定して、(ブラシローラの)直径1
00mmとしたものを用意した。そして、スライドテー
ブル上に加温した被転写基材を載置し、更にその上に、
枚葉の転写シートを被転写基材と僅かに離し接しない
様、しかも転写層の絵柄と被転写基材の溝状凹部とを見
当合わせして設置して、次いでスライドテーブルを移動
させて、被転写基材と転写シートとを一体として搬送速
度15m/minで搬送して、ブラシローラの下に供給
した(図2参照)。そして、ブラシローラで転写圧を押
圧した。転写圧は線圧で10kg/cmであった。ま
た、ブラシローラは被転写基材及び転写シートの搬送速
度と同一方向で且つ該搬送速度よりも早い周速度で回転
させた。そして、一枚の被転写基材に対するブラシロー
ラによる転写圧の押圧が完了後、転写シート及び被転写
基材を室温まで冷却して、転写シートの支持体を剥離し
て、板状の化粧材を得た。得られた化粧材は、化粧材は
表面凹凸に追従して絵柄が転写されていた。更に、この
化粧材の転写層の表面に、1重量%のベンゾトリアゾー
ル系紫外線吸収剤を含むポリフッ化ビニリデンのエマル
ション塗料を乾燥時厚さ10μmに塗布して、図3に示
す如く透明保護層3を形成して、透明保護層付きの化粧
材Pとした。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、転写ローラとしてブラ
シローラを用いるので、従来のゴムローラによる転写に
比べて、三次元的凹凸形状等の大きな表面凹凸へも転写
できる。その結果、印刷による高意匠の装飾が成された
大きな表面凹凸形状を有する化粧材等の転写製品が容易
に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の曲面転写方法で用い得るブラシローラ
の一例を示す説明図。
【図2】ブラシローラを用いる本発明の曲面転写方法を
概説する概念図。
【図3】得られる転写製品(透明保護層形成済み)の一
例を示す断面図。
【符号の説明】
1 支持体 2 転写層 3 透明保護層 A 接着剤層 B 被転写基材 P 転写製品(化粧材等) R ブラシローラ R1 回転軸 R2 (ブラシの)毛 S 転写シート

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に凹凸形状を有する被転写基材に、
    支持体と転写層とからなる転写シートにより、転写層を
    転写する曲面転写方法において、 転写層が被転写基材側を向く様にした転写シートの支持
    体側から、ブラシローラで転写シートを被転写基材に押
    圧して、転写層が被転写基材に接着した後、支持体を剥
    離することで、被転写基材に転写層を転写する曲面転写
    方法。
JP27193997A 1997-09-19 1997-09-19 曲面転写方法 Withdrawn JPH1191298A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016085239A (ja) * 2014-10-22 2016-05-19 旭化成株式会社 コーティング組成物および光学塗膜の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016085239A (ja) * 2014-10-22 2016-05-19 旭化成株式会社 コーティング組成物および光学塗膜の製造方法

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