JPH10324095A - 化粧材の製造方法 - Google Patents

化粧材の製造方法

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JPH10324095A
JPH10324095A JP14848097A JP14848097A JPH10324095A JP H10324095 A JPH10324095 A JP H10324095A JP 14848097 A JP14848097 A JP 14848097A JP 14848097 A JP14848097 A JP 14848097A JP H10324095 A JPH10324095 A JP H10324095A
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sheet
substrate
transferred
groove
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JP14848097A
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Inventor
Hirohisa Yoshikawa
浩久 吉川
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 目地等の溝状部に余分な絵柄を転写しない
で、デザイン的に優れた意匠の化粧材を容易に得る。 【解決手段】 凹状又は平坦状の形状を成す溝状部1を
有する被転写基材Bに、支持体4と転写層5とからなる
転写シートSで転写する際に、(A) 被転写基材の溝状部
にマスキングシート3を設ける工程、(B) 次いで、転写
シートをマスキングシートの上から被転写基材に圧接す
る工程、(C) 次いで、転写シートの支持体を剥離する工
程、(D) 上記(C) の工程と同時又はその後に、マスキン
グシートを取り除く工程で転写する。工程(B) において
は、被転写基材の凹凸表面側に、転写層側を対向させた
転写シートの支持体側に固体粒子Pを衝突させて、その
衝突圧を利用したり、或いは弾性体ローラRを利用す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅の外装及び内
装材、家具、家電製品等の化粧材について、特に目地を
有し、且つ凹凸表面が装飾された化粧材の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】基材表面を印刷で装飾してタイル貼模様
や煉瓦積模様等と、目地等の溝状部を有する化粧材を作
るには、溝状部はタイルや煉瓦等となる天面部と区別し
て装飾しなければならない。基材にはもともと溝状部が
無い基材を使い、これに印刷によるパターンで溝状部と
天面部を装飾形成して化粧材とする方法もあるが、天面
部と溝状部との質感は基本的には同一で、これでは意匠
感に優れた化粧材は得られない。リアルな溝状部を有す
る意匠感に優れた化粧材とするには、最初から基材に溝
状部を有する物を用いる事が必要である。基材が有する
溝状部としては、天面部と同じ高さの凹んで無く面一で
平坦であるが天面部とは異なる材料(例えばセメント
等)が露出し外観や質感が異なる目地部等の事もある。
しかし、通常は、溝状部は天面部と同一又は異なる材料
からなり、凹状形状を成す凹溝からなる。凹溝は化粧材
に仕上げた時に目地等とする。中でも、目地等の凹溝を
有する化粧材は、印刷による装飾効果の上に該凹溝によ
る凹凸感等によって、極めてリアルな意匠表現が可能で
ある。そこで、従来、この様な凹溝等の溝状部を有する
化粧材を転写法で作る場合、転写シートにはその転写層
として、前もって溝状部となるパターンを有する装飾層
を印刷形成しておいた物を使用する。そして、溝状部を
有する基材を被転写基材として用い、該被転写基材の溝
状部と、転写シートに印刷形成された溝状部とのパター
ンを見当(位置)合わせして転写していた。見当合わせ
は目視による手作業等で行っていた。
【0003】また、溝状部以外の部分である天面部は、
タイル貼模様等の場合には平面が多いが、煉瓦積模様等
の場合には天面部にもかなりの凹凸がある。従って、溝
状部を有する化粧材を天面部も含めて意匠感に優れたも
のとするには、この天面部となる部分が凹凸表面を成す
基材を用いて、該凹凸表面を印刷で装飾出来なければな
らない。従来、表面凹凸を有する被転写基材への転写に
よる曲面装飾技術としては、例えば特開平5−1390
97号公報に提案された技術等がある。すなわち、同号
公報では、支持体として熱可塑性樹脂フィルムを用い、
該支持体上に剥離層、絵柄層、及び接着層を順次設けた
構成の転写シートを、凹凸表面を有する被転写基材上に
設置し、支持体の裏面から転写ローラとしてゴム硬度6
0°以下のゴム製の熱ローラで被転写基材に押圧して、
絵柄を転写するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、被転写
基材上の溝状部と、転写シート上の溝状部パターンとの
位置が合う様に転写するには、溝状部が無い被転写基材
に転写で溝状部に見立てた模様を形成する方法に比較し
て、転写シートに精密な印刷が必要であった。また、機
械で被転写基材と転写シートとを位置合わせするには、
転写シートや被転写基材の位置調整機構、見当トンボ読
取り用センサ等が必要となり、印刷装置が高価となる欠
点もあった。更に、被転写基材の溝状部が凹溝である場
合は、浅い凹溝に場合に限定されていた。凹溝が深い
と、転写シートがそこで伸ばされて変形すると、転写シ
ート上の溝状部のパターンが変形して、被転写基材の溝
状部の形状と合わなくなる事があるからである。また、
天面部の凹凸表面に対する転写法として、前記特開平5
−139097号公報が提案する技術を採用した場合、
天面部が平面や微小な凹凸表面であれば適用できるが、
基本的に回転する熱ローラのゴムによる弾性変形を利用
して表面凹凸に追従させる為に、浅い表面凹凸は良いと
しても大きな表面凹凸には適用できない。その上、被転
写基材の凹凸の隅角部によって軟質のゴムローラが損耗
し易いといった問題があった。
【0005】そこで、本発明の課題は、被転写基材に凹
溝や平坦状の溝状部があり、またそれが深い凹溝からな
る溝状部の場合であっても、これら溝状部と高精度で位
置合わせされた天面部の装飾面を有する、化粧材を製造
する方法を提供する事である。また、本発明の別の課題
は、溝状部を有し且つ天面部に比較的大きな凹凸表面が
ある様な化粧材の製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
すべく、検討を進めた結果、被転写基材の溝状部は元
来、繊細な絵柄を付与する必要は無く、専ら単一の色彩
と光沢(通常は艶消)になっていれば足りる。多くの場
合は被転写基材自体の選択又はスプレー塗装等の前処理
を行うことによって、溝状部の外観・意匠をそのまま利
用することが可能であることがわかった。また、被転写
基材の溝状部の意匠・外観が化粧材として、そのまま利
用できない場合でも、溝状部の単一の色彩・光沢である
ならば、溝状部の絵付けは塗装等別工程で十分対応可能
であることがわかった。この様な見識に基づいて、本発
明の化粧材の製造方法では、凹状又は平坦状の形状を成
す溝状部を有する被転写基材に、支持体と転写層とから
なる転写シートにより、転写層を転写する化粧材の製造
方法において、(A) 被転写基材の溝状部にマスキングシ
ートを設ける工程、(B) 次いで、転写シートをマスキン
グシートの上から被転写基材に圧接する工程、(C) 次い
で、転写シートの支持体を剥離する工程、(D) 上記(C)
の工程と同時又はその後に、マスキングシートを取り除
く工程、を少なくとも含む構成の製造方法とした。この
結果、溝状部はマスキングシートにより転写層の転写を
免れそのまま残り、被転写基材と転写シートとの位置合
わせをせずに、溝状部には柄を設けないデザイン的に優
れた化粧材を得ることができる。
【0007】また、本発明は、上記製造方法において、
用いる被転写基材が溝状部以外の被転写面である天面部
に凹凸表面を有し、工程(B) の転写シートの被転写基材
への圧接工程において、該被転写基材の凹凸表面側に転
写層側を対向させた転写シートの支持体側に、固体粒子
を衝突させ、その衝突圧を利用して、転写シートを被転
写基材の凹凸表面に圧接する様にした。この結果、天面
部の比較的大きな表面凹凸に対しても、転写シートを追
従、成形させて転写できる。また、本発明では、この様
な天面部が凹凸表面を有する被転写基材に対する、工程
(B) の転写シートの被転写基材への圧接方法としては、
該被転写基材の凹凸表面側に転写層側を対向させた転写
シートの支持体側から、転写ローラとして弾性体のロー
ラを用いて押圧する方法でも良い。天面部が平面や比較
的小さい表面凹凸の場合に適用できる。そして、以上の
各方法に於ける(D) の工程の後に、転写層が転写された
被転写基材に対し塗装する工程を含めても良い。表面物
性に優れた化粧材にできる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の化粧材の製造方法
の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1は本
発明の化粧材の製造方法の一形態を示す概念図である。
先ず最初の工程は、マスキングシートの配置工程であ
る。被転写面側に目地部等となる溝状部1と天面部2を
有する被転写基材B〔図1(A)参照〕に対して、該溝
状部1にマスキングシート3を配置する〔図1(B)参
照〕。マスキングシートは、予め切り抜きやプレスによ
る打ち抜きで、溝状部の形状にしておく。図1の場合
は、溝状部1は凹状形状を成す凹溝であり、マスキング
シートにより丁度この凹溝が埋まり、天面部と略同一高
さの面一になるマスキングシートの厚さである。次の工
程は、転写シートの圧接工程である。図1では、転写圧
に固体粒子衝突圧を利用する工程を図1(C−1)に示
し、転写圧に弾性体ローラを利用する工程を図1(C−
2)に示す。前者の場合は、溝状部を有する被転写面側
を凹凸表面として、被転写基材Bの該凹凸表面側に、支
持体4と転写層5とからなる転写シートSの転写層側を
対向させ、その支持体側に固体粒子Pを衝突させ、その
衝突圧を利用して、転写シートを被転写基材の凹凸表面
に圧接する。一方、後者の場合は、溝状部を有する被転
写面側を凹凸表面として、被転写基材Bの該凹凸表面側
に、転写シートSの転写層5側を対向させ、その支持体
4側から、弾性体ローラRで押圧することで、転写シー
トを被転写基材の凹凸表面に圧接する。
【0009】そして、次の工程は、転写シートの(支持
体)を剥離する工程である〔図1(D)参照〕。被転写
基材Bから転写シートの支持体4のみを剥離すること
で、転写層が転写移行した被転写基材が得られる。転写
層は、同図では天面部2とマスキングシート3とが面一
となっているので、マスキングシート3上にも転写され
ている。次は、図1(E)の如く、マスキングシートの
除去工程である。マスキングシート3をその直上部に接
着した転写層とともに取り除くことにより、転写層が転
写されていない、被転写基材の元の溝状部1が露出す
る。従って、溝状部1は元の被転写基材の質感をそのま
ま活かすことができる。その上、当然の結果として、化
粧材上の転写層のエッジは溝状部のエッジと完全に一致
し、両者の見当は自動的に正確に合う。
【0010】この様に、本発明による化粧材の製造方法
では、転写シートSに転写層5が全面に設けられていて
も、マスキングシート3によって転写層5は被転写基材
Bの天面部2のみに転写され、溝状部1には転写されな
い。従って、転写シートの転写層に溝状部のパターンを
形成する必要もなく、転写シート(の溝状部のパター
ン)と被転写基材の溝状部とを位置合わせする必要な無
い。なお、溝状部1は、図1の如く凹溝でも良いが、図
4の如く天面部と面一の平坦状の溝状部でも良い。ま
た、図1(C−1)及び図1(C−2)に図示した両方
法は、天面部が凹凸表面の場合に適する方法であるが、
天面部は平面でももちろん適用できる。また、固体粒子
衝突圧を利用する方法の方が、より大きな凹凸表面に適
用できる。
【0011】以下、さらに本発明を詳述する。
【0012】〔被転写基材〕被転写基材Bは、図1の如
く、その被転写面に溝状部1を有する。溝状部以外の被
転写面が天面部2である。溝状部は、目地やサネ等と単
位素材を組み合わせた時の継ぎ目の部分である。但し化
粧材の形態では、実際の継ぎ目である必要はない。化粧
材では継ぎ目を模倣しても良いからである。従って、被
転写基材の溝状部としては、実際の継ぎ目でも良いし、
継ぎ目を模倣する為の凹溝であっても良い。
【0013】被転写基材Bは、通常は、複数の板状物乃
至は塊状物等の立体物からなる単位素材を、一次元方向
(縦方向、横方向等)、或いは二次元方向(縦方向及び
横方向等)に配列した構造を有する物である。配列する
単位素材は、全て合同な同一形状でも良いし、或いは互
いに異なった形状、寸法の物でも良い。単位素材6間の
繋ぎ目が溝状部となる。図2の平面図で、溝状部1の配
列の各種例を示す。図2(A)の一次元配列は、長方形
の単位素材6を一次元方向(図では左右方向)に並べた
配列である。溝状部1は、通常直線状となる。一次元配
列は例えばサイディングボード等である。図2(B)の
合同パターン配列は、単一形状の単位素材6を、複数
個、二次元方向(図では左右方向及び上下方向)に並べ
た配列である。合同パターン配列は、例えば煉瓦積みの
配列である。図2(C)の非合同配列は、形状や寸法が
異なる少なくとも2種類の単位素材による配列である。
図2(C)は互いに形状が異なる単位素材6a及6bの
配列例である。非合同配列は、例えばタイル貼の配列で
ある。これらの単位素材6、6a及び6bの上面が天面
部となる。
【0014】図3に、被転写基材に於ける溝状部と単位
素材との組合せ構造の各種例を斜視図で示す。図3
(A)の埋込構造は、基材本体7の中に単位素材6の一
部を埋め込む事で、複数の単位素材を組み合わせた構造
である。基材本体7は例えばセメント等である。単位素
材6は例えば煉瓦やタイル等である。単位素材間の継ぎ
目が有限の幅及び深さの凹溝からなる溝状部1となる。
この溝状部1は目地である。単位素材6の上面が天面部
2となる。次に図3(B)の嵌合構造は、単位素材6と
して一方の側面部が凸部を成し、他方の側面部が前記凸
部に嵌合する凹部を成す物を用い、この単位素材6を両
側面部の凸部と凹部とを嵌合させて横方向に複数組み合
わせた構造である。単位素材6は例えば木質板である。
単位素材6はこの構造は一種のサネであるが、両側面部
の凸部と凹部の形状により、単位素材6同士のの継ぎ目
に図3(B)の様な、凹溝となる溝状部1が形成され
る。単位素材6の上面が天面部2となる。次に図3
(C)の接着積層・目地シールとでも言える構造は、基
材本体7の上面に、複数の単位素材6を互いに間隔を開
けて接着材等で積層し、単位素材間の間隔に出来た凹溝
(目地)の深さの一部を充填材8で充填した構造であ
る。単位素材間の継ぎ目は、充填材が部分充填なので凹
溝からなる溝状部1となる。この溝状部1は目地であ
る。単位素材6の上面が天面部2となる。次に図3
(D)の一体構造は、全体が一つの物からなる構造であ
る。基材本体と単位素材とからの組合せでは無く、結果
として図3(A)〜図3(C)の外形形状と同一となる
様に構造で、疑似的に単位素材6に相当する部分(図で
は○印で示す)とその疑似的な継ぎ目がある。この継ぎ
目が凹溝からなる溝状部1となる。疑似的な単位素材6
の上面が天面部2となる。この様に被転写基材における
溝状部は、実際の単位素材間の繋ぎ目以外の疑似的な繋
ぎ目も有る。図3(D)の一体構造は、先にも述べた如
く、化粧材にて継ぎ目を模倣する為にあり得る基材構造
である。この被転写基材Bは、例えばセメント等やケイ
酸カルシウム板等である。
【0015】なお、被転写基材に於ける溝状部1は、通
常は意匠性の点からも立体物となる深さの有る凹溝であ
るが、特殊なケースとして、図4に示す如く、深さ零の
凹溝とも言える平坦状の溝状部1でも良い。もちろん、
溝状部1は天面部を構成する単位素材6とは異なった外
観(色彩、表面粗さ、光沢等)を呈する。この溝状部1
は目地である。図4は図3(A)の埋込構造で単位素材
6を完全に埋め込んだ構造に相当する。また、図3
(C)に示した構造で充填材8で凹溝を完全充填すれ
ば、この様な平坦な溝状部となる。平坦状の溝状部は、
その表面が平滑面でも良いし、或いは、セメントで目地
を埋めた様にザラザラした凹凸表面でも良い。つまり、
平坦状とは天面部2と面一という意味である。
【0016】また、天面部2の表面は平滑面でも良い
し、凹凸面でも良い。図5に天面部が凹凸表面9を有す
る一例を斜視図で示す。天面部の表面凹凸は、例えば、
具体的には段差が0.1〜5mm程度、凹部の幅及び凸
部の幅が0.1mm〜5mm程度のものである。なお、
天面部2の大きさは、例えば一辺が15mm以上であ
る。また、溝状部における凹溝の大きさは、例えば深さ
が1〜10mm、幅が1〜10mm程度である。溝状部
として凹溝を有し、天面部が凹凸表面を有する被転写基
材では、前記凹溝と天面部とから大柄な凹凸が構成さ
れ、天面部の表面凹凸が微細な凹凸を構成した、大柄な
凹凸と微細な凹凸との組み合わせの凹凸を有する被転写
基材となる。この様な被転写基材による化粧材の凹凸模
様の具体例としては、例えばタイル、煉瓦、石等を単位
素材として、その単位素材の天面部上に微細な凹凸とし
てスタッコ調、リシン調等の吹き付け塗装面やレリーフ
模様等の彫刻模様の凹凸模様、花崗岩の劈開面やトラバ
ーチン大理石板等の石材表面の凹凸等の石目調凹凸模
様、或いは木質板材を単位素材として、その天面上の微
細凹凸として導管溝、ヘアライン等を有する木目調の凹
凸模様が挙げられる。天面部が凹凸表面を有する被転写
基材の場合は、転写圧には、後述する弾性体ローラ、固
体粒子衝突圧を利用すると良い。特に固体粒子衝突圧
は、転写シートの形状追従性の点で弾性体ローラよりも
優れており、天面部の表面凹凸が大きい被転写基材に好
適である。
【0017】被転写基材の素材は、煉瓦、石、セメン
ト、陶磁器、ガラス、金属(鉄、アルミニウム等)、ケ
イ酸カルシウム、木材、樹脂(塩化ビニル樹脂、フェノ
ール樹脂、ABS樹脂等)等と任意である。これらを単
位素材や基材本体として用いる。なお、被転写基材表面
を凹凸にするには、プレス加工、エンボス加工、押し出
し加工、切削加工、成形加工等によれば良い。また、被
転写基材表面には、予め易接着プライマーやシーラー剤
を塗工しておいても良い。易接着プライマーやシーラー
剤にはイソシアネート、2液硬化ウレタン樹脂、エポキ
シ樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂等からなる塗液
を用いる。また、転写が行われず露出する溝状部の外観
が所望のものとは異なる場合には、予め被転写基材表面
の溝状部乃至は全面に所望の外観を与える塗料を塗工し
ても良い。
【0018】〔マスキングシート〕マスキングシート3
は、転写シートの圧接時には被転写基材の溝状部から動
かない様に固定されており、転写シート圧接後は、被転
写基材から取り除けるものであれば良く、特に限定され
ない。マスキングシートは、予め切り抜きやプレスによ
る打ち抜きで、溝状部を隠せる形状にしておく。複数の
マスキングシートの断片で、被転写基材の溝状部の(通
常は)全体に設けても良い。マスキングシートを被転写
基材から取り除くには、転写シートの支持体及び転写
シートと一体となって被転写基材から除去するか、転
写シートの支持体を被転写基材から剥離除去した後に、
被転写基材から除去する。とは、マスキングシート
と転写層間の接着力と、マスキングシートと溝状部との
接着力の大小関係による。前者が後者よりも大きけれ
ば、支持体剥離時に同時にマスキングシートは除去され
る。前者が後者よりも小さければ、支持体剥離時にはマ
スキングシートは除去されずに、後でマスキングシート
を除去することになる。従って、マスキングシートは転
写層に対して接着性でも離型性でも、いずれでも良い。
【0019】マスキングシートには、その使用形態によ
り、溝状部に固定する為の接着性、或いは転写層を被転
写基材に接着させる接着剤との離型性を有するものを用
いる。マスキングシートの溝状部への固定法は、溝状部
が凹溝であれば、該凹溝の形状のマスキングシートを凹
溝に埋め込めば、凹溝から外れない様に固定できる。ま
た、溝状部が平坦部からなる場合は、マスキングシート
の裏面に感圧接着剤層等を設けておけば良い。但し、マ
スキングシートが後で除去できる程度の接着力とする。
また、被転写基材の溝状部も含めた全面に転写層接着用
の接着剤を施しておく場合には、この接着剤を施した後
に、マスキングシートを設ければ、該接着剤をマスキン
グシート固定用の接着剤として利用することもできる。
この場合は、マスキングシートの裏面は離型性としてお
けば、接着剤は被転写基材側に残して、マスキングシー
トは取り除ける。また、マスキングシートの(転写層と
接する)表面側や裏面側を離型性とする事で、特にマス
キングシートを溝状部に設けた後に、接着剤を被転写基
材に施す場合に、接着剤がマスキングシートの裏側等に
回り込んで、マスキングシートが後で除去しにくくなる
事を防ぐことができる。
【0020】マスキングシートの基材としては、例え
ば、クラフト紙、リンター紙、板紙、上質紙、コート
紙、アート紙、硫酸紙、グラシン紙、パーチメント紙、
パラフィン紙等の紙類、或いは、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等のポリオフレィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン−
ビニルアルコール共重合体等のビニル系樹脂、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の
ポリエステル樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニ
リデン、ポリ4フッ化エチレン等のフッ素樹脂、シリコ
ーン樹脂、ポリスチレン、三酢酸セルロース、セロハ
ン、ポリカーボネート等の樹脂のフィルム又はシート、
或いは、アルミニウム、鉄、ステンレス鋼、銅等の金属
箔を用いることができる。接着性が必要な場合は、粘着
剤型やマイクロカプセル破壊型等の感圧接着剤層を設け
る。離型性が必要な場合は、シリコーン樹脂、ポリメチ
ルペンテン、フッ素樹脂等の離型剤を塗工する従来公知
の離型処理を施す。なお、マスキングシートの厚みはマ
スキングシートの材料、溝状部の溝の深さ等に応じて決
める。厚みは、特に限定されないが通常25μm〜溝の
深さ程度である。なお、図10の様に、凹溝からなる溝
状部1内の側壁にまで転写する場合には、溝状部の底面
から側壁の転写を欲し無い高さの所までを充填し得る厚
さとする。ちなみに、図10(A)は被転写基材Bの溝
状部1に、その深さよりも薄いマスキングシート3を設
けた状態で、図10(B)は転写シートをマスキングシ
ートの上から被転写基材に圧接後、転写シートSの支持
体4を剥離している状態で、図10(C)は、その後マ
スキングシート3をその直上の転写層と共に取り除き、
被転写基材の溝状部の側壁の一部も含めて転写層5が転
写された状態を示す。
【0021】〔転写シート〕転写シートSは支持体と転
写移行する転写層とからなる。転写層は少なくとも装飾
層からなる。また、接着剤を、転写層の一部となる接着
剤層として、転写シートに形成しておいても良い。
【0022】(支持体)支持体としては、被転写基材の
被転写面が凹凸表面でない場合は、延伸性の無い紙でも
良い。被転写面が凹凸表面の場合は、少なくとも転写時
には延伸性の有る支持体を用いる。延伸性の有る支持体
としては、熱可塑性樹脂フィルムの他、常温でも延伸す
るゴム膜でも良い。支持体としては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンテレフタレート−イソフタレート共重合体等のポリエ
ステル系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメ
チルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ナイロン6、
ナイロン66等のポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル樹
脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のビニル重
合体、三酢酸セルロース、セロハン等のセルロース系樹
脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチ
ル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等の
アクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂からなるフィルム、或
いは、天然ゴム、合成ゴム、ウレタンエラストマー、オ
レフィン系エラストマー等のゴム(エラストマー)フィ
ルム等が挙げられる。これらの中でもポリブチレンテレ
フタレート、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレ
ート共重合体等のポリエステル系樹脂、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフ
ィン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂等の
熱可塑性樹脂からなる低延伸又は無延伸のフィルム、或
いはオレフィン系エラストマー等のエラストマーフィル
ムは、延伸性の点で好ましい支持体である。支持体の厚
さは、通常20〜200μmである。
【0023】また、支持体には必要に応じ、その転写層
側に転写層との剥離性を向上させる為、離型層を設けら
れる。この離型層は支持体を剥離時に支持体と共に転写
層から剥離除去される。離型層としては、例えば、シリ
コーン樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン
樹脂、ポリオレフィン樹脂、ワックス等の単体又はこれ
らを含む混合物が用いられる。また、支持体には、転写
層側の面に凹凸模様を設ければ、転写後の転写層表面に
砂目、梨地、木目等の凹凸模様を賦形できる。凹凸模様
は、特に被転写基材の天面部に元々表面凹凸が無く平面
的な場合に効果的である。凹凸模様は、エンボス加工、
サンドブラスト加工、賦形層(離型層)による盛り上げ
印刷加工等の公知の方法で形成する。
【0024】(転写層)転写層は少なくとも装飾層から
構成し、更に適宜、剥離層、接着剤層等も転写層の構成
要素とすることもある。接着剤層を有する構成では、転
写の際に転写シート又は被転写基材の片方又は両方に接
着剤を施すことを省略できる。装飾層はグラビア印刷、
シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等の従来公知の
方法、材料で絵柄等を印刷した絵柄層、アルミニウム、
クロム、金、銀等の金属を公知の蒸着法等を用いて部分
的或いは全面に形成した金属薄膜層等であり、用途に合
わせたものを用いる。絵柄は例えば、木目模様、石目模
様、布目模様、タイル調模様、煉瓦調模様、皮絞模様、
文字、幾何学模様、全面ベタ等を用いる。なお、絵柄層
用インキは、バインダー等からなるビヒクル、顔料や染
料等の着色剤、これに適宜加える各種添加剤からなる。
バンイダーには、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、ポリエステル樹脂、セルロース系樹脂、ポ
リウレタン樹脂、フッ素樹脂等の単体又はこれらを含む
混合物を用いる。着色剤の顔料としては、チタン白、カ
ーボンブラック、弁柄、黄鉛、群青等の無機顔料、アニ
リンブラック、キナクリドン、イソインドリノン、フタ
ロシアニンブルー等の有機顔料を用いる。また、剥離層
を、支持体乃至は離型層と装飾層との間の剥離性を調整
する為、また、転写後の装飾層の表面保護の為等に設け
ることもある。剥離層としては、上記絵柄層用インキの
バインダー樹脂等が用いられる。なお、この剥離層は転
写時に装飾層と共に被転写基材側に転写され、装飾層の
表面を被覆する。
【0025】〔接着剤〕接着剤は、転写シートの転写層
を構成する接着剤層としてや、被転写基材上の接着剤層
として、事前又は転写の直前に、オンライン塗工やオフ
ライン塗工で施す。被転写基材に施す場合には、転写シ
ート転写層の接着剤層を省略できる。用いる接着剤とし
ては、例えば、感熱型接着剤、湿気硬化型感熱溶融型接
着剤、ホットメルト接着剤、湿気硬化型ホットメルト接
着剤、2液硬化型接着剤、電離放射線硬化型接着剤、水
性接着剤、或いは粘着剤による感圧型接着剤等が挙げら
れる。感熱型接着剤としては、熱可塑性樹脂を用いた熱
融着型と、熱硬化性樹脂を用いた熱硬化型とがある。ま
た、接着剤は溶剤希釈又は無溶剤、或いは常温で液体又
は固体のいずれでも良く、適宜使い分ける。また、粘着
性を呈する感圧型の粘着剤以外の接着剤では、接着剤層
の単層のみで転写層とすることができる。接着剤層中に
顔料等の着色剤を添加すれば、全面ベタのインク層から
なる装飾層ともいえる。例えば感熱溶融型接着剤には、
ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、アクリル樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑
性ウレタン樹脂、ダイマー酸とエチレンジアミンとの縮
重合により得られるポリアミド樹脂等が用いられる。ま
た、熱硬化型接着剤には、フェノール樹脂、尿素樹脂、
ジアリルフタレート樹脂、熱硬化型ウレタン樹脂、エポ
キシ樹脂等が用いられる。また、接着剤には、必要に応
じて各種添加剤を添加しても良い。例えば、炭酸カルシ
ウム、硫酸バリウム、シリカ、アルミナ等の微粉末から
なる体質顔料(充填剤)、有機ベントナイト等のチキソ
トロピック付与剤(特に凹凸段差の大きい被転写基材に
施す場合、接着剤が凸部から凹部へ流入する事を防止す
る為に添加すると良い。)等の添加剤である。
【0026】接着剤は、グラビアロールコート、スプレ
ーコート、フローコート等の従来公知の溶液塗工手段に
より転写シートとなるシートや被転写基材に施す。被転
写基材にはホットメルト接着剤をアプリケータ等による
熔融塗工(溶融塗工)手段も適用できる。接着剤の塗布
量は、接着剤の組成、被転写基材の種類及び表面状態で
異なるが、通常10〜200g/m2 (固形分)程度で
ある。
【0027】〔弾性体ローラによる圧接〕転写シートを
被転写基材に押圧して圧接する方法は特に限定されない
が、その一つの方法として、転写ローラとして弾性体ロ
ーラによる圧接法がある。弾性体ローラは、天面部の表
面凹凸が比較的小さい被転写基材に対して適用できる。
この方法は、従来の転写ローラによる用いてきたローラ
を用いることができる。弾性体ローラは弾性を有する円
柱状のローラであり、シリコーンゴム、フッ素ゴム、バ
イトンゴム、ブタジエンゴム、天然ゴム等を弾性体とし
て用いる。弾性体ローラには、通常、鉄等の剛体の軸芯
の周囲を弾性体で被覆した構成のローラを用いる。弾性
体ローラのゴム硬度は特に限定されず、被転写基材の表
面凹凸形状の大きさによって、使い分ける。転写シート
を被転写基材の表面凹凸の凹部内にまで追従成形させ
て、転写層を被転写基材の凹凸表面に圧接するには、J
ISゴム硬度は65°以下とすると良い。ローラの直径
は、特に限定されないが通常、50mm〜100mm程
度である。なお、弾性体ローラを加熱ローラとしても用
いれば、接着剤の加熱活性化や、或いは転写シートの加
熱による延伸性の向上を、転写シートの押圧と共に行う
こともできる。加熱手段には、弾性体ローラ内に電熱ヒ
ータを内蔵したり、或いは、ローラ外部に設けた赤外線
輻射ヒータ、誘電加熱等も利用できる。
【0028】〔固体粒子衝突圧による圧接〕転写シート
を被転写基材に押圧して圧接する他の方法として、固体
粒子の衝突圧を利用することができる。固体粒子衝突圧
は、弾性体ローラでは適用出来ない大きな表面凹凸を天
面部が有する被転写基材に対して好適てある。固体粒子
を実際に使用する場合、固体粒子を周囲の雰囲気中に飛
散させずに且つ循環再利用するのが好ましい。そこで、
チャンバを使用して固体粒子の飛散防止及び循環再利用
をしながら連続転写を行う転写装置の一例の概念図を示
す図6に従い、固体粒子衝突圧を用い場合の本発明の化
粧材の製造方法の一例を詳述する。
【0029】(転写装置)同図の装置は、長尺の転写シ
ートSを用い、凹凸表面を有する平板状の被転写基材B
に、装飾層等を順次連続的に転写する装置である。同図
装置は、基材搬送手段として被転写基材Bを搬送する基
材搬送装置10と、シート供給手段として転写シートS
を供給するシート供給装置20と、チャンバ33内にお
いて固体粒子Pを固体粒子噴出手段である噴出器32か
ら噴出して、転写シートの支持体側に衝突させて衝突圧
を順次印加し、転写シートを被転写基材に押圧する衝突
圧印加手段である衝突圧印加部30を備える。噴出器3
2は、例えば後述の羽根車利用のものである。チャンバ
33は、転写シート及び被転写基材の出入口を除いて、
衝突圧にさらされる転写シート及び被転写基材、噴出器
の少なくとも開口部を外部から覆い、固体粒子を外部の
作業雰囲気中に漏らさないようにしている。この為、チ
ャンバー内部は、好ましくは外部よりも気圧を低く(負
圧)する。更に同図装置は、転写シートを加熱するシー
ト加熱装置40をチャンバ内で噴出器より上流側に、被
転写基材を加熱する基材加熱装置41をチャンバ外上流
側に、被転写基材に接着剤の塗工や下地塗装等を適宜行
う基材塗工装置50を基材加熱装置の上流側に、剥離ロ
ーラ60をチャンバ下流側に、チャンバ下流側で剥離ロ
ーラ上流側に、転写シート上に残留した固体粒子を吹き
飛ばす除去装置70(風冷による冷却装置70を兼用)
を備えた装置となっている。
【0030】(固体粒子)用いる固体粒子Pとしては、
ガラスビーズ、セラミックビーズ、炭酸カルシウムビー
ズ、アルミナビーズ、ジルコニアビーズ、アランダムビ
ーズ、コランダムビーズ等の無機粉体である非金属無機
粒子、鉄、炭素鋼、ステンレス鋼等の鉄合金、アルミニ
ウム、又はジュラルミン等のアルミニウム合金、チタ
ン、亜鉛等の金属ビーズ等の金属粒子、或いは、フッ素
樹脂ビーズ、ナイロンビーズ、シリコーン樹脂ビーズ、
ウレタン樹脂ビーズ、尿素樹脂ビーズ、フェノール樹脂
ビーズ、架橋ゴムビーズ等の樹脂ビーズ等の有機粒子、
金属粉末を分散混練したゴム粒子等を使用することがで
きる。形状は球形状が好ましいが、回転楕円体形状、多
面体形状、鱗片状、無定形、その他の形状のものでも用
い得る。固体粒子の粒径は通常10〜1000μm程度
である。
【0031】(固体粒子による衝突圧印加)固体粒子は
噴出器から転写シートに向かって噴出させ、転写シート
に衝突させて衝突圧を印加する。衝突圧が転写圧とな
る。噴出器は、代表的には羽根車や吹出ノズルを用いて
固体粒子を加速し噴出するものが挙げられる。羽根車は
その回転により固体粒子を加速し、吹出ノズルは高速の
流体流で固体粒子を加速するものである。羽根車や吹出
ノズルには、サンドブラスト或いはショットブラスト、
ショットピーニング等とブラスト分野にて使用されてい
るものを流用できる。例えば羽根車には遠心式ブラスト
装置、吹出ノズルには加圧式や吸引式ブラスト装置、ウ
ェットブラスト装置等である。遠心式ブラスト装置は羽
根車の回転力で固体粒子を加速し噴出する。加圧式ブラ
スト装置は、圧縮空気に混合しておいて固体粒子を、空
気と共に噴出する。吸引式ブラスト装置は、圧縮空気の
高速流で生ずる負圧部に固体粒子を吸い込み、空気と共
に噴出する。ウェットブラスト装置は、固体粒子を液体
と混合して噴出する。噴出器は、1個のみでは加圧領域
を所望の形状、大きさに出来ない場合は、複数用いる。
例えば、転写シート及び被転写基材の送り方向に直交し
て幅方向に全幅を加圧領域とする場合は、幅方向に一直
線状に複数個を配置して、幅方向に直線状で幅広の帯状
形状の加圧領域とする。また、衝突圧印加時間を長くす
るには、噴出器は、転写シート及び被転写基材の送り方
向に向かって2列以上配置する多段配置が好ましい。複
数個を配列時は、個々の噴出器の隣接する加圧領域を互
いに一部重複させることが好ましい。
【0032】(噴出器:羽根車)噴出器の代表例とし
て、図7及び図8に、噴出器として用い得る羽根車の一
例の概念図を示す。これらは、ブラスチング分野にて使
用されている遠心式ブラスト装置に該当する。図面で
は、羽根車812は、複数の羽根813がその両側を2
枚の側面板814で固定され、且つ回転中心部は羽根8
13が無い中空部815となっている。更に、この中空
部815内に方向制御器816を内在する。方向制御器
816は、外周の一部が円周方向に開口した開口部81
7を有し中空筒状で羽根車812の回転軸芯と同一回転
軸芯で、羽根車とは独立して回動自在となっている。実
際に羽根車を使用する際には、開口部を適宜の方向に固
定しておく。更に、この方向制御器の内部に、内部中空
で羽根車812の回転軸芯と同一回転軸芯のもう一つの
羽根車が散布器818として内在する(図8参照)。散
布器818は外側の羽根車812と共に回転する。そし
て、前記側面板814の回転中心には回転軸819が固
定され、回転軸819は、軸受820で回転自在に軸支
され電動機等の回転動力源(図示略)によって駆動回転
され、羽根車812が回転する。また回転軸819は、
羽根813を間に有する2枚の側面板814間には貫通
しておらず、軸無しの空間を形成している。そして、散
布器818の内部に固体粒子Pがホッパ等から輸送管を
通って供給される。通常、固体粒子は、羽根車の上方
(直上又は斜上方)から供給する。散布器内に供給され
た固体粒子は散布器の羽根車で外側に飛び散る。飛び散
った固体粒子は、方向制御器816の開口部817によ
って許された方向にのみ放出され、外側の羽根車812
の羽根813と羽根813との間に供給される。そし
て、羽根813に衝突し、羽根車812の回転力で加速
され、羽根車から噴出する。
【0033】羽根の形は、図7の様な長方形の平板(直
方体)が代表的であるが、この他、湾曲曲面板、スクリ
ュープロペラ等のプロペラ形等を用いる事も可能であ
り、用途、目的に応じて選択する。又、羽根の数は2枚
〜10枚の範囲から通常は選択する。羽根車の形状、枚
数、回転速度、及び固体粒子の質量や供給速度と供給方
向、方向制御器の開口部サイズ及び向きの組み合わせに
より、加速された固体粒子の噴出(吹出)方向、噴出速
度、投射密度、噴出拡散角等を調整する。また、固体粒
子の噴出方向は、方向制御器816等によって、鉛直下
方の他、水平方向、或いは斜下方等とすることもでき
る。更に、羽根車には、必要に応じ、固体粒子の噴出取
出部分のみ開口させ、それ以外の羽根車周囲を被覆する
噴出ガイド(不図示)を備える事で、固体粒子の噴出方
向を揃えたり、固体粒子噴出方向制御をすることもでき
る。噴出ガイドの開口部の形状は、例えば、中空の円柱
状、多角柱状、円錐状、多角錐状、魚尾状等である。噴
出ガイドは、単一開口部を有するものでも良いし、或い
は内部がハニカム(蜂の巣)状に区画されたものでも良
い。
【0034】羽根車の羽根の材質は、セラミック、或い
はスチール、高クロム鋳鋼、チタン、チタン合金等の金
属等から適宜選択すれば良い。固体粒子は羽根に接触し
て加速されるので、羽根には、耐摩耗性のよい高クロム
鋳鋼、セラミックを用いると良い。羽根車の寸法は、通
常直径5〜60cm程度、羽根の幅は5〜20cm程
度、羽根の長さは、ほぼ羽根車の直径程度、羽根車の回
転数は500〜5000〔rpm〕程度である。固体粒
子の噴出速度は10〜50〔m/s〕程度、投射密度は
10〜150〔kg/m2 〕程度である。衝突圧の調整
は、噴出器から転写シートに衝突する固体粒子の速度、
単位時間当たりの衝突する固体粒子数、及び1粒子の質
量を制御することで調整する。これらのうち、固体粒子
の速度を調整するには、例えば羽根車を用いる噴出器の
場合は、羽根車の回転数、羽根車の直径等で調整する。
【0035】(転写装置による転写)以上の様な固体粒
子、噴出器を用いて、図6の装置による転写を説明す
る。先ず、同図の装置では、板状の被転写基材Bの溝状
部の部分に、マスキングシート3を設けておく。溝状部
が凹溝ではその中に嵌め込み、溝状部が平坦状ならば、
マスキングシートにはその裏面に感圧型等の接着剤層が
設けてある物を用いる。そして、マスキングシートが設
けられたた被転写基材Bを、基材搬送装置10で一枚ず
つ搬送し、基材塗工装置50により接着剤を全面或いは
天面部のみ等と所望の部分に塗工する。天面部のみに塗
工するには、比較的硬めのゴムローラ等を用いたロール
コート等により塗工する。もしも、接着剤に溶剤分があ
る場合は、次の基材加熱装置41で被転写基材及び接着
剤を加熱すると共に、蒸発成分を揮発乾燥させる。そし
て、被転写基材Bは、加熱装置41で加熱された後、衝
突圧印加部30のチャンバ33内に搬送、供給される。
【0036】転写シートSは、シート送出装置21、シ
ート支持装置22、シート排出装置23等からなるシー
ト供給装置20により張力が加えられ、シート送出装置
21にセットされた供給ロールから巻き出され、ガイド
ローラを経て衝突圧印加部30のチャンバ33内に入
る。なお、転写時に接着剤を転写シートに施す場合は、
転写シートがシート送出装置21から衝突圧印加部30
に供給される間に、接着剤塗工装置(図示せず)で接着
剤を塗工し、更に溶剤乾燥を要す場合は、乾燥装置(図
示せず)乾燥後に、衝突圧印加部に供給する。
【0037】さらに、転写シートSはチャンバ33内に
入ったところで図6(B)に示す如く、幅方向両端をシ
ート支持装置22で挟持されつつ(図6(A)では図示
略))、その転写層側の面を搬送される被転写基材B側
に向ける様に対向して被転写基材Bの上方を僅かに空間
を開けて(衝突圧等を作用させない何もしない状態の場
合)、搬送される被転写基材Bと平行に等速度で移送さ
れ、衝突圧を受けて被転写基材Bに接触させるまでの
間、両者の間隙を維持しながら搬送される。シート支持
装置22は、被転写基材の横幅よりも広幅とした転写シ
ートの両端を表裏両面から挟持しながら転写シートの移
送に合わせて回転するベルト等から成る。シート支持装
置による上記間隙にて、衝突圧による転写シートの被転
写基材への完全な接触は、幅方向中央部では時間的に先
に幅方向の両端近傍は遅れて行われる様にしてある。こ
れは、被転写基材と転写シート間(特にその中央部付
近)に空気を残して密着しない様にするための策の一つ
である。そして、シート支持装置で挟持搬送されて衝突
圧の印加を受けるまでに、ヒータ加熱、赤外線加熱、誘
電加熱、誘導加熱、熱風加熱等によるシート加熱装置4
0で、転写シートは加熱されて軟化し、衝突圧印加時に
延伸され易くなる。なお、基材加熱装置で加熱されて衝
突圧印加部に供給される被転写基材によっても、転写シ
ートは間接的に加熱される。
【0038】一方、固体粒子Pはホッパ31からチャン
バ33内にある噴出器32に供給され、そこで図7及び
図8の様な羽根車によって加速されてチャンバ33内で
転写シートSに向かって噴出する。そして、転写シート
は、噴出器から噴出する固体粒子の衝突にさらされる。
衝突時の固体粒子の単位時間当たりの運動量の変化分
が、転写シートを被転写基材へ押し付ける衝突圧とな
る。そして、被転写基材及び転写シートが搬送されるに
つれて、長手方向の全領域が順次衝突圧にさらされて行
く。なお、シート支持装置は、固体粒子が、転写シート
の幅方向両端から回り込んで、転写シートと被転写基材
間に流入する事も防止する。そして、転写シートは、固
体粒子衝突圧で被転写基材に押圧され、被転写基材の凹
凸表面の凹部内へも転写シートは延ばされて変形するこ
とで、天面部の凹凸表面形状にも追従して成形されて、
活性化している接着剤により転写層が被転写基材に密着
する。転写シートが密着した被転写基材は、衝突圧開放
前から転写シートがチャンバ外に出るまでの間に放冷等
により冷却する。
【0039】一方、転写シートへの衝突に供された後の
固体粒子は、その一部はシート支持装置22の側面を迂
回して、チャンバ33の下部に落下する。また、残りの
部分は転写シート支持体上に載置されたまま下流側に移
送された後、チャンバ33とは基材搬送装置10の上部
のみ別室に区画された第2チャンバ71に入る。そし
て、そこでは、スリットノズル状の除去装置(兼冷却装
置)70から転写シートに向かって室温の空気を吹き付
け、転写シート上に残留する固体粒子を転写シート端部
から第2チャンバ71下部に吹き落とす。また、前記室
温の空気は冷風として、固体粒子除去と同時に、被転写
基材及び転写シートを、転写シートの支持体が剥離可能
な温度にまで冷却させる。チャンバの下部に集まった固
体粒子は、そこからドレン管34で吸引され元のホッパ
31に収集される。また、固体粒子の回収搬送用として
チャンバ中の空気も、固体粒子と共にドレン管34で吸
引され、ホッパ上部の気流と固体粒子の分離装置35に
搬送される。該分離装置35では図示の如く、気流で搬
送されて来た固体粒子は水平方向に装置空洞内に放出さ
れ、気体に対して密度の大きい固体粒子は自重で下方に
落下し、気体はそのまま水平に流れて、フィルターで気
流と共に移動しようとする残余の固体粒子を濾過した上
で、真空ポンプ36で系外に排出される。この様にして
固体粒子が、転写シート及び被転写基材が出入りするチ
ャンバ出入口開口部から、空気と共に周囲に流出しない
様にする。なお、固体粒子のチャンバ系外への流出防止
の為に、チャンバ内を外部より低圧にする為に、前記真
空ポンプ36の排気量、更に排風機(図示せず)をチャ
ンバに適宜接続してその排気量等によるチャンバ外に流
出する気体量と、更に送風機(図示せず)をチャンバに
適宜接続してチャンバ内に入れる気体量とのバランスを
調整する。
【0040】そして、密着した被転写基材と転写シート
とは、除去装置70で固体粒子除去と強制冷却された
後、転写シート(の支持体)を、剥離ローラ60により
被転写基材から剥離除去する。この際、マスキングシー
ト3が支持体と一体となって除去されない場合は、支持
体剥離後に、マスキングシートを手作業等で被転写基材
から除去する。その結果、転写シートの転写層として装
飾層等が被転写基材の天面部のみに転写形成された、化
粧材Dが得られる。一方、剥離ローラ通過後の転写シー
ト(の支持体)は、シート排出装置23に排出ロールと
して巻き取る。なお、接着剤等に電離放射線硬化性樹脂
を用い硬化させる場合は、噴出器と剥離ローラ間に、水
銀灯(紫外線光源)等の電離放射線照射装置を設けて、
硬化させる。
【0041】〔後塗装〕転写後の化粧材の表面に、耐久
性、意匠感等を付与する為に、更に塗料を塗装しても良
い。塗料は1液型でも2液型でも良い。塗装としては、
転写がなされなかった溝状部に所望の外観を付与する為
に行う塗装と、表面保護の為に行う塗装とがある。溝状
部に所望の外観を付与する場合には、所望の色彩、光沢
の外観を有する塗料を用意し、これをハケや筆、スプレ
ーノズル等を用いて溝状部に塗装する。或いは公知のワ
イピング法により化粧材表面全面に塗装を行い、次いで
ゴムスキージ、スポンジ等で天面部の塗料のみを除去し
ても良い。また、表面保護を行う場合は、化粧材表面の
天面部のみ或いは全面に透明保護層を塗装する。この様
な透明保護層としては、ポリ4フッ化エチレン、ポリフ
ッ化ビニリデン等のフッ素樹脂、ポリメタクリル酸メチ
ル等のアクリル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂の
1種又は2種以上等をバインダーとし、これに必要に応
じて、ベンゾトリアゾール、超微粒子酸化セリウム等の
紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤等の
光安定剤、着色顔料、体質顔料、滑剤等を添加した塗料
を用いる。塗装はスプレー塗装、フローコート、軟質ゴ
ムロールやスポンジロールを使用したロールコート等に
よって行う。透明保護層の膜厚は1〜100μm程度で
ある。
【0042】〔その他〕なお、本発明の主旨とするとこ
ろは、被転写基材の溝状部の転写を欲しない部分には、
マスキングシートを用いて転写層の転写を防ぐと共に、
転写層のエッジと溝状部のエッジとの見当を確実に合わ
せると言うことにある。従って、必ずしも図1(E)の
如く、溝状部の側壁から底面に至る全域を非転写部とす
る態様には限定されず、図10に示す如く、マスキング
シートの厚さを溝状部の凹部深さよりも小さくすること
により、溝状部の底面及び側壁の所望の高さまでを非転
写部とする態様も本発明に包含される。
【0043】〔化粧材〕本発明で得られる化粧材は、外
壁、塀、屋根、門扉、破風板等の外装材、壁面、天井等
の建築内装材、窓枠、扉、手摺、敷居、鴨居等の建具、
箪笥等の家具の表面材、弱電・OA機器のキャビネッ
ト、或いは自動車等の車両内装材等の各種分野で用いら
れ得る。
【0044】
【実施例】次に実施例により本発明を更に説明する。
【0045】(実施例1)先ず、デザイン的に目地を有
し、目地により三次元的表面凹凸を成す被転写基材Bと
して図9の斜視図に例示する様な、ケイ酸カルシウム板
を用意した。凹溝となる目地は深さが1mmで幅が6m
mである。なお、天面部には梨地調の表面凹凸を有する
(図示略)。そして、該凹凸面全面にタイルの目地の色
彩、外観を有する塗料として、アクリルエマルションの
バインダーに、チタン白を顔料として含む塗料を用いた
下地塗装及び下塗り塗装をオフラインでスプレー塗装で
行った。また、マスキングシートとして、紙の両面にシ
リコーン樹脂塗工処理を施した厚さ1mmのシートを、
目地の形状に切り取ったものを用意した。このマスキン
グシートを、上記被転写基材の目地内に埋め込んで充填
した。また、転写シートSは、厚さ50μmのポリプロ
ピレンフィルムからなる支持体上に、カーボンブラッ
ク、弁柄、チタン白、イソインドリノンからなる着色顔
料と、アクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体
との8:2重量比の混合物のバインダー樹脂からなるイ
ンキにて、煉瓦調の絵柄を全面にグラビア印刷を行い転
写層とした。
【0046】そして、マスキングシートを設けた被転写
基材に対して、ロールコート法によりブロックイソシア
ネートを硬化(架橋)剤とした2液硬化型ウレタン樹脂
からなる接着剤を全面塗工しておいた。次に、鉄の軸芯
表面にJISゴム硬度60度のシリコーンゴムを被覆し
た弾性体ローラを用い、表面温度180℃に加熱し、圧
力2〔kg/cm2 〕にて、転写シートを被転写基材に
押圧して、転写シートの転写層を被転写基材に接着し、
室温まで冷却後、支持体を剥離した。次に、手作業にて
マスキングシートを被転写基材より取り外した。目地内
には絵柄が転写されず、天面部のみに絵柄が転写されて
いた。更に、アクリル−スチレン共重合体からなる塗料
をスプレーコートにて全面塗装して、塗装乾燥を兼ねて
2液硬化型接着剤を完全硬化させて、透明保護層付きの
化粧材とした。
【0047】(実施例2)用いた被転写基材、マスキン
グシート、転写シート、及び接着剤は実施例1と同一の
物を用い、転写シートの被転写基材への圧接に、弾性体
ローラの代わりに固体粒子衝突圧を用いて、実施例2の
化粧材を得た。固体粒子衝突圧を加えて転写する装置
は、図6に示す様な装置で、噴出器には図7及び図8の
様な羽根車を用いた噴出器を使用し、上記マスキングシ
ートを溝状部に取り付けた後の被転写基材Bを、その凹
凸面を上にして搬送用ローラ列からなる基材搬送装置1
0上に載置して搬送し、ロールコート手段による基材塗
工装置50にて、上記接着剤を塗工後、基材加熱装置4
1で接着剤の乾燥・加熱、及び被転写基材を加熱して、
衝突圧印加部30に供給した。一方転写シートSも、シ
ート供給装置20により、支持体側を上にして衝突圧印
加部に供給した。被転写基材Bが衝突圧印加部のチャン
バ33に入ったところで、転写シートを被転写基材に接
近させた。そして、1対のエンドレスベルト状のシート
支持装置22で転写シートの幅方向両端を表裏で挟持し
た。その状態で、転写シートの支持体側から電熱線ヒー
タによる輻射熱を用いたシート加熱装置40で、転写シ
ートの予熱、接着剤の活性化、被転写基材の加熱を行っ
た。
【0048】次いで、固体粒子Pとして平均粒径0.4
mmの球形の亜鉛球を噴出器32から、噴出させ転写シ
ートの支持体側に衝突させて、転写シートを被転写基材
に圧接した。噴出器の羽根車の回転数は3600〔rp
m〕、固体粒子の噴出速度は40〔m/s〕であった。
そして、転写シートが天面部の凹部内にまで延ばされて
熱融着し、チャンバ33から続いてその下流側に設けた
第2チャンバ71内に於いて除去装置70で、室温の風
を吹き付けて、転写シート上に残留した固体粒子を転写
シート端部からチャンバ下部に向かって落として除去
後、転写シートの支持体を剥離ローラ60で剥離除去し
た。後は、実施例1同様に、手作業にてマスキングシー
トを被転写基材より取り外した。目地内には絵柄が転写
されず、天面部のみに絵柄が転写されていた。また、固
体粒子衝突圧による為に、天面部の表面凹凸の凹部内部
にも確実に転写されていた。更に、アクリル−スチレン
共重合体からなる塗料をスプレーコートにて全面塗装し
て、塗装乾燥を兼ねて2液硬化型接着剤を完全硬化させ
て、透明保護層付きの化粧材とした。
【0049】
【発明の効果】 本発明によれば、目地等の溝状部に余分な絵柄が転写
されず、デザイン的に優れた意匠の化粧材を容易に製造
できる。 また、転写圧として固体粒子の衝突圧を利用する場合
は、天面部に凹凸模様(例えば、スタッコ調、リシン調
等の吹き付け塗装面の凹凸模様、花崗岩の劈開面やトラ
バーチン大理石板等の石材表面の凹凸等の石目調凹凸模
様、導管溝、ヘアライン、梨地等)が有る場合でも、絵
柄が転写でき、極めて意匠感に優れた化粧材を容易に製
造できる。しかも、従来のゴムローラ押圧方式の様に、
被転写基材の凹凸部によるローラ等部品の損耗も無い。 転写圧に弾性体のローラを利用する場合は、天面部の
凹凸模様が比較的小さい場合に、簡便な装置で絵柄が転
写でき、意匠感に優れた化粧材を容易に製造できる。 後塗装を行うことにより、表面耐久性に優れた化粧材
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による化粧材の製造方法を説明する概念
図。
【図2】被転写基材にて溝状部と単位素材との組合せ構
造の各種例を示す平面図。
【図3】被転写基材にて溝状部の配列の各種例を示す斜
視図。
【図4】被転写基材にて溝状部と単位素材との組合せ構
造の他の例を示す斜視図。
【図5】被転写基材にて天面部が凹凸表面を有する一例
を示す斜視図。
【図6】転写圧に固体粒子の衝突圧を用いる転写装置の
一例の概念図で、(A)は基材搬送方向の側面から見た
図で、(B)は(A)の装置の噴出器部分を基材搬送方
向から見た概略装置図。
【図7】羽根車を用いた噴出器の一形態を説明する概念
図(斜視図)。
【図8】図7の羽根車内部を説明する概念図。
【図9】溝状部を有する被転写基材の一例を示す斜視
図。
【図10】溝状部の側壁の途中まで転写を行う例を示す
断面図。
【符号の説明】
1 溝状部 2 天面部 3 マスキングシート 4 支持体 5 転写層 6 単位素材 7 基材本体 8 充填材 9 天面部の表面凹凸 10 基材搬送装置 20 シート供給装置 21 シート送出装置 22 シート支持装置 23 シート排出装置 30 衝突圧印加部 31 ホッパ 32 噴出器 33 チャンバ 34 ドレン管 35 分離装置 36 真空ポンプ 40 シート加熱装置 41 基材加熱装置 50 基材塗工装置 60 剥離ローラ 70 除去装置(兼冷却装置) 71 第2チャンバ 812、812a羽根車 813、813a 羽根 814、814a 側面板 815 中空部 816 方向制御器 817 開口部 818 散布器 819、819a 回転軸 820 軸受 B 被転写基材 D 化粧材 P 固体粒子 R 弾性体ローラ S 転写シート

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凹状又は平坦状の形状を成す溝状部を有
    する被転写基材に、支持体と転写層とからなる転写シー
    トにより、転写層を転写する化粧材の製造方法におい
    て、 (A) 被転写基材の溝状部にマスキングシートを設ける工
    程、 (B) 次いで、転写シートをマスキングシートの上から被
    転写基材に圧接する工程、 (C) 次いで、転写シートの支持体を剥離する工程、 (D) 上記(C) の工程と同時又はその後に、マスキングシ
    ートを取り除く工程、を含む化粧材の製造方法。
  2. 【請求項2】 被転写基材が溝状部以外の被転写面であ
    る天面部に凹凸表面を有し、工程(B) において、該被転
    写基材の凹凸表面側に転写層側を対向させた転写シート
    の支持体側に、固体粒子を衝突させ、その衝突圧を利用
    して、転写シートを被転写基材の凹凸表面に圧接する、
    請求項1の化粧板の製造方法。
  3. 【請求項3】 被転写基材が溝状部以外の被転写面であ
    る天面部に凹凸表面を有し、工程(B) において、該被転
    写基材の凹凸表面側に転写層側を対向させた転写シート
    の支持体側から、弾性体ローラで押圧することで、転写
    シートを被転写基材の凹凸表面に圧接する、請求項1の
    化粧板の製造方法。
  4. 【請求項4】 (D) の工程の後に、転写層が転写された
    被転写基材に対し塗装する工程を含む、請求項1〜3の
    いずれか1項に記載の化粧材の製造方法。
JP14848097A 1997-05-23 1997-05-23 化粧材の製造方法 Withdrawn JPH10324095A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015140522A (ja) * 2014-01-27 2015-08-03 株式会社大林組 セメント組成体の仕上げ方法
JP2015140523A (ja) * 2014-01-27 2015-08-03 株式会社大林組 セメント組成体の仕上げ方法
JP2018071139A (ja) * 2016-10-27 2018-05-10 三井住友建設株式会社 壁面塗装工法

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JP2015140523A (ja) * 2014-01-27 2015-08-03 株式会社大林組 セメント組成体の仕上げ方法
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