JP2000043218A - 化粧材及びその製造方法 - Google Patents

化粧材及びその製造方法

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JP2000043218A JP10214997A JP21499798A JP2000043218A JP 2000043218 A JP2000043218 A JP 2000043218A JP 10214997 A JP10214997 A JP 10214997A JP 21499798 A JP21499798 A JP 21499798A JP 2000043218 A JP2000043218 A JP 2000043218A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 密着性、耐熱水性、耐熱性、耐候性、更に耐
擦傷性等の表面物性に優れ、浴室、洗面台、キッチンパ
ネル等の水回りに適した化粧材を得る。 【解決手段】 基材Bの表面に模様層1、表面保護層2
が積層され、模様層がバインダー樹脂としてウレタン樹
脂を有し、そのウレタン樹脂はポリウレタン部分とアク
リル部分とを有するポリウレタン−アクリルブロック共
重合体であり、且つ数平均分子量が30,000以上で
水酸基を含有しない樹脂であり、表面保護層が(メタ)
アクリル酸エステル化合物の架橋硬化物である構成とす
る。模様層は転写法で形成し、表面保護層は塗装法又は
転写法で形成した後、架橋硬化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅の外装及び内
装材等の各種用途に用いる化粧材として、特に密着性、
耐熱水性、耐熱性、耐候性等に優れ、建築物内装材、特
に浴室、洗面台、キッチンパネル等の水回りに適した化
粧材と、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、水回り用途等で、層間の密着
性、耐熱水性、耐熱性、耐候性等の耐久性が要求される
場合、例えば次の様な転写シートを用いて化粧材を製造
する方法があった。 転写層の模様層のバインダー樹脂にウレタン樹脂を用
いた転写シートを使用して、基材に転写層を転写する方
法。例えば、特開昭60−101099号公報では、ウ
レタン樹脂をバインダー樹脂とするインキを用いて印刷
した模様層を転写層として有する転写シートを用いる。
また、例えば、特公昭59−20464号公報では、転
写シートの模様層として、ブロックドイソシアネートを
架橋剤として用いてセルロース樹脂等をポリオールとし
て用いて反応させるウレタン樹脂の使用を提案してい
る。 或いは、バインダー樹脂にアクリル樹脂を用いた模様
層を転写層して有する転写シートを使用して、模様層を
基材に転写する方法が例えば、特公平7−113258
号公報で開示されている。
【0003】そして、耐擦傷性等の表面物性を向上させ
る為に、模様層の上に、(メタ)アクリレート系の紫外
線硬化性樹脂等の架橋硬化型の樹脂を用いて、表面保護
層を適宜形成していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記
で挙げた様なものでは、耐熱性及び加水分解性に劣る
上、耐候性試験及び耐熱水性試験後にて、架橋硬化樹脂
層である表面保護層と、装飾層との間の剥離が発生し
た。また、ウレタン樹脂は、樹脂の分子量が低いと耐水
性が劣り、支持体シートの剥離時に装飾層内で剥離し易
くなり剥離性が低下し、水酸基価が高いと耐水性、耐熱
水性が劣った化粧材となる。また、前記のアクリル樹
脂を装飾層のバインダー樹脂に用いる場合では、耐熱水
性試験に於いて、多色刷りした装飾層内の層間で剥離が
発生した。
【0005】そこで、本発明の課題は、転写で化粧材を
製造する場合に、密着性、耐熱水性、耐熱性、耐候性、
更に耐擦傷性等の表面物性に優れた化粧材を提供する事
であり、また該化粧材を製造する際に、模様層等の転写
時の剥離性も良好となる製造方法を提供する事である。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
すべく、本発明の化粧材では、基材表面に、模様層、表
面保護層がこの順に積層された化粧材において、模様層
がバインダー樹脂としてウレタン樹脂を有し、該ウレタ
ン樹脂はポリカーボネートジオールとイソシアネートか
らなるポリウレタン部分とアクリル部分とを有するポリ
ウレタン−アクリルブロック共重合体であり、且つ数平
均分子量が30,000以上で水酸基を含有しない樹脂
であり、表面保護層が(メタ)アクリル酸エステル化合
物の架橋硬化物である構成とする。その結果、模様層の
ウレタン樹脂はアクリル部分を有し、且つ表面保護層も
アクリル系樹脂となる為に表面保護層と模様層との密着
も良く、耐熱水性、耐熱性、耐候性等の物性に優れる
上、耐擦傷性等の表面物性にも優れた化粧材となる。な
お、上記ウレタン樹脂を構成するポリウレタン−アクリ
ルブロック共重合体を、そのポリウレタン部分に、ポリ
オールとしてポリカーボネートジオールを用い、またイ
ソシアネートとして4,4′−メチレンビス(シクロヘ
キシルイソシアネート)、及びイソホロンジイソシアネ
ートを用いた共重合体とすることによって、耐候性はよ
り良好となる。
【0007】また、本発明の化粧材の製造方法は、上記
化粧材を製造する方法であって、基材に模様層は転写法
で形成し、表面保護層は塗装法又は転写法で形成した
後、架橋硬化させる様にした。その結果、表面が粗面な
厚板等の直接印刷が困難な基材表面に対しても、特定材
料の模様層及び特定材料の表面保護層によって、転写時
の剥離性も良好で、化粧材を容易に製造できる。
【0008】また、本発明の化粧材の製造方法は、上記
製造方法に於いて、転写圧として、固体粒子の衝突圧を
利用する様にした。固体粒子衝突圧を転写圧に利用する
事により、被転写面がゴムローラを用いる従来の転写法
では不可能な様な凹凸表面でも転写でき、より高意匠の
化粧材を容易に製造できる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の化粧材及びその製造方法について、実施の形態を説明
する。
【0010】先ず、図1は本発明の化粧材の一形態を例
示する断面図である。本発明の化粧材は、図1の化粧材
Dの如く、基材Bの表面に、模様層1、表面保護層2が
この順に積層された化粧材において、模様層1がバイン
ダー樹脂としてウレタン樹脂を有し、該ウレタン樹脂は
アクリル部分とポリウレタン部分とを有するポリウレタ
ン−アクリルブロック共重合体であり、且つ数平均分子
量が30,000以上で水酸基を含有しない樹脂であ
り、そして表面保護層2が(メタ)アクリル酸エステル
化合物の架橋硬化物である構成とする。そして、より好
ましくは該ポリウレタン−アクリルブロック共重合体
は、そのポリウレタン部分が、ポリオールとしてポリカ
ーボネートジオールを用い、且つイソシアネートとして
4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネー
ト)、及びイソホロンジイソシアネートを用いたポリウ
レタンからなるものである。なお、本発明に於いて、
(メタ)アクリル酸とはアクリル酸又はメタクリル酸を
意味し、従って、(メタ)アクリル酸エステル化合物の
架橋硬化物とは、アクリル酸エステル化合物、メタクリ
ル酸エステル化合物、或いは、アクリル酸エステル化合
物及びメタクリル酸エステル化合物の混合物、を架橋さ
せた硬化物の意味である。
【0011】なお、基材Bと模様層1との間には、図1
の如く適宜プライマー層3を設けるが、模様層1自体で
基材に密着性良く接着できる場合は、この様な基材と模
様層間に設ける形態でのプライマー層3は省略できる。
接着剤層は密着向上目的のプライマー層の一種である。
なお、本発明に於けるプライマー層3は、密着向上以外
の目的で使用する事もある。
【0012】そして、この様な構成の化粧材は、密着
性、耐熱水性、耐熱性、耐候性等の物性に優れる為に、
平板状等の化粧板等として、浴室等の水回り等に好適に
使用される得る。また、この様な構成の化粧材は、例え
ばプライマー層3は、基材側に設けた上で、図2の転写
シートSの如き、支持体シート4上の転写層5として模
様層1を有する転写シートの転写によって、模様層を基
材に形成した後、表面保護層は塗装後、架橋硬化させて
製造する事ができる。或いは、表面保護層も転写形成し
ても良い。なお、転写時の転写圧の与え方は特に制限は
無いが、化粧面に意匠凹凸を設けて、より高意匠とする
には、凹凸表面にも容易に転写できる新規な転写法であ
る、固体粒子衝突圧を転写圧に利用する転写法が好適で
ある。
【0013】以下、さらに本発明の化粧材の製造方法に
ついて詳述する。
【0014】〔基材〕基材Bとしては特に限定は無い。
例えば、材質としては、無機系、金属系、木質系、プラ
スチック系等の基材を使用できる。具体的には、ケイ酸
カルシウム、中空押し出しセメント、スラグセメント、
ALC(軽量気泡コンクリート)、GRC(硝子繊維強
化コンクリート)、パルプセメント、石綿セメント、木
片セメント、石膏、石膏スラグ等の非陶磁器窯業系材
料、杉、檜、樫、ラワン、チーク等の各種樹種からなる
木材単板や木材合板、パーティクルボード、集成材、木
質中密度繊維板(MDF)等の木質材料、また、鉄、ア
ルミニウム、銅等の金属材料、土器、陶器、磁器、セッ
器、硝子、琺瑯等のセラミックス等の無機質材料、ポリ
プロピレン、ABS樹脂、フェノール樹脂等の樹脂材料
等である。
【0015】また、基材の形状は、その化粧面に転写等
で模様層や表面保護層を形成できれば、平板や屈曲した
板、柱状物、成形品等の立体物等と任意である。例え
ば、基材は全体として(包絡面形状が)平板状の板材の
他、断面が円弧状に凸又は凹に1方向に湾曲した二次元
的凹凸を有する基材等でも良い。被転写面としては、平
面以外にも、転写シート及び採用する転写法が、形状追
従性の有るものであれば、凹凸表面でも良い。特に転写
法に後述する固体粒子衝突圧を用いる場合には、なおさ
らである。表面凹凸形状は任意だが、例えば、複数のタ
イルや煉瓦を平面に配置した場合の目地、花崗岩の劈開
面、砂目等の石材表面の凹凸、木材羽目板、浮造木目等
の木材板表面凹凸、簓の無い下見張板の表面凹凸、リシ
ン調、スタッコ調等の吹付塗装面の凹凸等である。
【0016】〔プライマー層〕プライマー層3は、基材
側に設ける接着剤層やベースコート層等として設ける以
外に、その他層間の密着力を向上させる為に、必要に応
じて、適宜設ける。例えば、基材の場合で言えば、特に
セメント等からなる無機系基材の場合、基材からのアル
カリ成分溶出の防止(所謂シーラー)、及び表面の凹凸
を埋めて表面を平滑にし、模様層の転写形成時の転移性
を向上させて転写抜けを防止する(所謂目止め)目的と
して設けることも出来る。また、この様に基材側に設け
る場合では、プライマー層を着色不透明とする事により
隠蔽性を持たせて、基材自体の色や模様が模様層の模様
に悪影響するのを防ぐ(所謂下地塗装)目的でも使用で
きる。これらの場合、基材上のプライマー層は接着剤層
を兼用させる事もできる。プライマー層は、基材に設け
る場合は、基材の材質や表面状態やその目的等に応じ
て、イソシアネート(1液湿気硬化型ウレタン樹脂とし
ての使用も含む)、2液硬化ウレタン樹脂、エポキシ樹
脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂等の公知の樹脂から
なる塗液を塗工し形成すれば良い。なかでも、本発明で
も模様層にポリウレタン−アクリルブロック共重合体を
使用するので、イソシアネート、2液硬化ウレタン樹
脂、アクリル樹脂等は好適である。また、プライマー層
は、模様層形成用の転写シートに於いて、接着剤層とし
て設けても良い。但し、この場合、熱融着できる熱可塑
性樹脂が使い易い。例えば、熱可塑性ウレタン樹脂、ア
クリル樹脂等である。
【0017】〔転写シート〕本発明の化粧材を製造する
場合に、模様層を転写法で形成する際に用いる転写シー
トとしては、図2にその一形態を例示する転写シートS
の如く、支持体シート4と転写移行する転写層5とから
なり、その転写層5として前記した如きバインダー樹脂
からなる模様層1を有する構成のものを用いる。
【0018】また、表面保護層2も転写法で形成する場
合に用いる転写シートは、模様層形成用の転写シートと
は別の転写シートとして、支持体シート上の転写層とし
て表面保護層を有するものを使用できる。表面保護層
は、転写シート上では好ましくは未硬化物として設けて
おき、その熱融着により転写シートを積層し接着後、支
持体シートの剥離前又は剥離後に、架橋硬化させて架橋
硬化物とすると良い。なお、表面保護層も転写法で形成
する場合では、模様層と表面保護層との両層を転写層し
て有する一つの転写シートで転写形成しても良い。また
後述する如くもちろんだが、表面保護層は塗装法で塗布
後、架橋硬化させても良い。
【0019】(支持体シート)支持体シートは、転写層
と離型性が有り、また被転写面に凹凸が有る場合は、凹
凸への形状追従性が有るものであれば、従来公知のもの
で良く特に限定はない。従って、被転写面が平面或いは
二次元的凹凸表面であれば、延伸性が無い紙等を用いる
事も可能である。また、被転写面が三次元的凹凸表面の
場合には、少なくとも転写時には延伸性の有る支持体シ
ートを用いる。延伸性のある支持体シートとしては、例
えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペン
テン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロ
ピレン−ブテン3元共重合体、オレフィン系熱可塑性エ
ラストマー等のオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリ
エステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ウレ
タン系熱可塑性エラストマー等のエラストマー等の樹脂
からなる、好ましくは低延伸又は無延伸の樹脂フィルム
(シート)を用いる。また、支持体シートはこれらの単
層又は異種材料からなる複層構成としても良い。例え
ば、被転写面が平面的の場合には、上質紙にポリプロピ
レンを積層した構成の支持体シートは転写性に優れ且つ
安価である点で好ましい支持体シートの一つである。な
お、支持体シートの厚みは、通常は20〜200μm程
度である。
【0020】なお、支持体シートには必要に応じ、転写
層側に転写層との剥離性を向上させる為、支持体シート
の構成要素として離型層を設けても良い。この離型層は
支持体シートを剥離時に、支持体シートの一部として転
写層から剥離除去される。離型層としては、例えば、シ
リコーン樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタ
ン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ワックス等の単体又はこ
れらを含む混合物が用いられる。例えば上記した上質紙
にポリプロピレンを離型層として積層した支持体シート
である。また、剥離性の調整の為に、支持体シートの転
写層側の面にコロナ放電処理、オゾン処理等を行っても
良い。
【0021】〔模様層〕模様層1は、化粧材に絵柄等の
模様を付与する層である。模様層の形成方法は、本発明
の化粧材の製造方法としては転写法で形成する。すなわ
ち、上記した支持体シート上の転写層として、基材に転
写形成する。但し、本発明の化粧材としては、その模様
層はもちろん転写法で形成するのが好ましいが、転写法
以外の形成手段、例えばシルクスクリーン印刷、グラビ
アオフセット印刷、その他の印刷法や塗装法、或いは手
描き等の任意の形成手段で形成しても良い。
【0022】模様層を、転写シート上の転写層として支
持体シートに形成するにせよ、或いは直接に、シルクス
クリーン印刷やグラビアオフセット印刷等で基材に形成
するにせよ、該層形成用のインキ(又は塗料)は、一般
的なインキ(又は塗料)同様に、バインダー樹脂等から
なるビヒクル、顔料や染料等の着色剤、これに適宜加え
る各種添加剤からなる。そして、該バインダー樹脂とし
ては、ウレタン部分とアクリル部分とからなるポリウレ
タン−アクリルブロック共重合体からなるウレタン樹脂
が密着性等の点で好ましい。そして、より好ましくは、
この模様層のバインダー樹脂には前記の如く特定のポリ
ウレタン−アクリルブロック共重合体を用いる。すなわ
ち、該ポリウレタン−アクリルブロック共重合体は、ポ
リカーボネートジオールと4,4′−メチレンビス(シ
クロヘキシルイソシアネート)とイソホロンジイソシア
ネートとからなるポリウレタン部分とアクリル部分とを
分子中に有するポリウレタン−アクリルブロック共重合
体であり、且つ数平均分子量が30,000以上で水酸
基を含有しない樹脂を使用する。このウレタン樹脂は、
基本的には熱可塑性ウレタン樹脂であり、アクリルウレ
タン樹脂の一種でもある。イソシアネートで架橋させる
架橋型のウレタン樹脂では、経時で架橋反応が進み、模
様層の熱可塑性が失われる為、好ましくない。すなわ
ち、架橋反応の管理を望み通りに行えないと、模様層を
基材に転写形成する場合に、基材への転写性、また模様
層を基材に形成後に表面保護層を形成する場合に、模様
層と表面保護層との密着性が低下するからである。
【0023】そして該ポリウレタン−アクリルブロック
共重合体(以下、単にウレタン樹脂とも呼称する)は、
その分子中にアクリル部分も有する為に、(メタ)アク
リル酸エステル化合物の架橋硬化物である表面保護層と
類似組成となり層間密着力も良好となるとともに、耐候
性も向上する。また、数平均分子量を30,000以上
とする事によって、耐熱水性、耐候性が向上する上、模
様層の凝集力が向上し、転写形成時に模様層内で凝集破
壊(複層構成の模様層では該模様層内の層内剥離とな
る)する事も無く、支持体シートの剥離性が安定する。
数平均分子量が30,000未満では、耐候性、耐熱水
性、剥離安定性が損なわれる。また、ポリウレタン部分
等に水酸基を元々有していたとしても、水酸基をメチル
基に置換したりして、水酸基が無いウレタン樹脂とする
事で、耐熱水性、耐候性が向上する。樹脂中の水酸基と
外部から進入した水分子との水素結合形成が阻害され、
密着性低下が起きない為である。
【0024】上記ポリウレタン部分に用いるジオール
は、イソシアネートと反応させるジオール成分であり、
ポリカーボネートジオール、アクリルジオール、ポリエ
ーテルジオール等の各種のジオールを用い得るが、この
ジオール成分として特にポリカーボネートジオールを用
いる事によって、耐水性、耐熱水性等に優れた物性が得
られる。
【0025】上記イソシアネートには、線状のポリウレ
タン部分とすべく、ジイソシアネートが用いられる。例
えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、
トリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソ
シアネート、、n−イソシアネートフェニルスルホニル
イソシアネート、n及びp−イソシアネートフェニルス
ルホニルイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加キシリ
レンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シク
ロヘキシルイソシアネート)等の脂環式ジイソシアネー
トを、単独使用又は2種以上使用する。これらのうち、
良好な耐候性を与える点で、脂肪族乃至は脂環式ジイソ
シアネートが好ましい。なかでも、4,4′−メチレン
ビス(シクロヘキシルイソシアネート)〔別名:水素添
加ジフェニルメタンジイソシアネート〕及びイソホロン
ジイソシアネートの併用が特に好ましい。
【0026】そして、ポリウレタン−アクリルブロック
共重合体は、例えば、前記ポリカーボネートジオール、
及び(ジ)イソシアネートに更に、アゾジオールを付加
反応させて得られるポリウレタンアゾ高分子を、ラジカ
ル重合開始剤として使用して、アクリルモノマーをラジ
カル重合させれば得られる。この様な高分子の重合開始
剤で得られるポリウレタン−アクリルブロック共重合体
は、従来の低分子重合開始剤を用いて合成されたアクリ
ル樹脂と比較して、転写形成時の模様層の凹凸追従性が
良く、また従来のウレタン樹脂よりも耐候性が優れる。
【0027】上記アクリルモノマーとしては、例えば、
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロ
ピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アク
リル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル等
の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が、1種又は
2種以上使用される。
【0028】なお、ポリウレタン−アクリルブロック共
重合体は、必要に応じ、架橋剤としてイソシアネートを
用いて架橋硬化させて、硬化性樹脂として使用しても良
い。イソシアネートは前記列記した様な各種のものが用
いられるが、特に耐候性を要求する場合は、例えばヘキ
サメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネ
ート、或いはイソホロンジイソシアネート等の脂環式ポ
リイソシアネートを用いれば良い。架橋剤の添加量は該
ブロック共重合体に対して例えば5重量%程度である。
なお、架橋硬化反応は進行すると転写層の凹凸追従性が
低下するので、転写シートを基材に圧接時は好ましくは
反応は完結させずに、圧接後(支持体シート剥離後、或
いは前でも良い)に、反応を完結させると良い。架橋硬
化は、ポリウレタン−アクリルブロック共重合体を使用
する層の凝集力を向上させ、転写層の密着性を向上させ
る。
【0029】また、模様層形成用のインキ(又は塗料)
には、更に、体質顔料を添加しても良い。体質顔料は、
具体的には、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシ
ウム、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、ク
レー等の無機体質顔料等である。なかでも、模様層転写
時に於ける支持体シートの剥離性の経時的安定性、及び
転写後の模様層と表面保護層との(楔効果による)密着
性向上の点で、硫酸バリウムが好ましい。体質顔料の添
加量は、バインダー樹脂100重量部に対して5〜10
0重量部で使用する。5重量部未満では、表面保護層と
の密着性が低下し、100重量部を超えると転写形成時
の転写性が低下する。
【0030】また、模様層に用いる着色剤は、例えば、
チタン白、カーボンブラック、弁柄、黄鉛、群青等の無
機顔料、アニリンブラック、キナクリドン、イソインド
リノン、フタロシアニンブルー等の有機顔料、アルミニ
ウム等の金属箔粉からなる金属顔料、二酸化チタン被覆
雲母の箔粉等からなるパール顔料、或いはその他染料等
を用いる。
【0031】そして、模様層を(支持体シート或いは形
成面が平坦な基材に)印刷形成する場合は、例えばグラ
ビア印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷、グ
ラビアオフセット印刷、インキジェットプリント等の従
来公知の印刷法で形成すれば良い。また、模様層の模様
は任意だが、例えば木目、石目、天然皮革の表面柄、布
目、タイル貼り(二次元配列等)柄、煉瓦積柄、抽象
柄、或いは全面ベタ等である。
【0032】〔表面保護層〕表面保護層2は、前述した
如く、基材に塗装法で形成しても良く、転写法で形成し
ても良い。また、転写法で形成する場合に用いる転写シ
ートとして、その支持体シート上に形成するには、転写
法を含むグラビア印刷等の印刷法でも良く、或いは塗装
法でも良い。但し、化粧材に於いて表面保護層は架橋硬
化物であるので、基材にはスプレーコート、ロールコー
ト等の塗装法で形成した方が、転写シートの取扱いが容
易になる点では好ましい。
【0033】表面保護層は(メタ)アクリル酸エステル
化合物の架橋硬化物から構成する。架橋硬化は、熱硬化
等でも良いが、紫外線や電子線等の電離放射線で硬化さ
せれは、生産性にも優れる上、優れた表面物性が得られ
る点で好ましい。すなわち、電離放射線硬化性樹脂を使
用すると良い。この様な表面保護層は、不飽和(メタ)
アクリレート系のプレポリマー又はモノマー、例えば、
ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)
アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミ
ン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレ
ートのプレポリマー、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート等のモノマー、或いは、これらの2種
以上の混合物からなる不飽和化合物の組成物を架橋硬化
させた層とする。これらの中でもポリウレタン−アクリ
ルブロック共重合体を用いる模様層と類似した組成とな
るウレタン(メタ)アクリレート系の(メタ)アクリル
酸エステル化合物をプレポリマーとして使用した電離放
射線硬化性樹脂(未硬化組成物)を用いるのが望まし
い。そして、基材に未硬化層して形成後、紫外線や電子
線等の電離放射線を照射して架橋硬化させると良い。塗
装法は、カーテンコート、スプレーコート、軟質ゴムロ
ールやスポンジロール等のロールを使用したロールコー
ト等の公知の塗装法で良い。なお、表面保護層の厚さ
は、用途、要求物性等で適宜調整するが、通常1〜10
0μm程度である。
【0034】なお、紫外線で硬化させる場合には、(メ
タ)アクリル酸エステル化合物等からなる電離放射線硬
化性樹脂に、さらに光重合開始剤を添加する。光重合開
始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、
チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエー
テル類等を単独又は混合使用する。なお、電離放射線と
は、分子を架橋させ得るエネルギーを有する電磁波又は
荷電粒子で、通常は紫外線又は電子線を用いる。紫外線
源としては、各種水銀灯等の光源が使用される。電子線
源としては、コッククロフトワルトン型、バンデグラフ
ト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、或いは、直線
型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器
を用い、100〜1000keV、好ましくは、100
〜300keVのエネルギーをもつ電子を照射するもの
が使用される。
【0035】また、表面保護層中には、必要に応じて、
各種添加剤を添加することもできる。例えば艶調整剤等
として、シリカ、カオリン、アルミナ、炭酸カルシウ
ム、クレー、沈降性硫酸バリウム等の体質顔料を添加し
たり、或いは、着色顔料(或いは染料)を添加して表面
保護層を透明着色層としたり、シリカ、球状α−アルミ
ナ等の粒子からなる減摩剤、ワックス等の滑剤、ベンゾ
トリアゾール系、ベンゾフェノン系、微粒子酸化セリウ
ム等の紫外線吸収剤(但し、これを添加する場合は、表
面保護層は電子線等の紫外線以外の手段で架橋硬化させ
る)等を添加する。
【0036】また、必要に応じて、表面保護層の表面
に、微小凹凸を形成しても良い。微小凹凸を形成するに
は、塗装形成(或いは転写形成でも良いが、転写の場合
は後述する転写シートの支持体シートを最初から賦形シ
ートとして用いる方法の方が、転写形成と賦形とを同時
に出来るので効率的)した表面保護層が、未硬化の間に
賦形シートの凹凸面を押圧し積層した状態で表面保護層
を架橋硬化させて、そして、賦形シートを剥離除去する
方法が挙げられる。賦形シートとしては、前記の支持体
シートと同様なシートの表面にエンボス加工等で微小凹
凸を形成し、必要に応じ更に離型層を設けたものを用い
る。微小凹凸の形状としては、部分的模様状の艶消凹
凸、木目導管溝、砂目、花崗岩劈開面凹凸、ヘアライン
等が挙げられる。
【0037】また、表面保護層を転写形成する場合に
は、用いる転写シートの支持体シートを、上記の如き賦
形シートとして用いる事もできる。例えば、支持体シー
トの転写層(表面保護層)側の面をマット処理して微小
凹凸を設けておく事によって、表面保護層の表面艶を調
整しても良い。支持体シートのマット処理としては、例
えば、練り込みマット(樹脂シートからなる支持体シー
ト中に前記の如き艶調整剤等を練り込む)、サンドマッ
ト(サンドブラスト処理)、コーティングマット(艶調
整剤等を含有するマット層を塗工形成する)、ケミカル
エッチング等の方式によれば良い。なお、これらの方式
でマット面をパターン状に形成しても良い。この場合、
マット部分以外の部分を艶有り部分(グロス部分)とす
れば、グロス・マット調の意匠を付与する事もできる。
また、支持体シートの転写層側に、部分部分で艶の異な
る離型層を設けても良い。離型層は支持体シートの構成
要素として、支持体シート剥離時には支持体シートの一
部として、支持体シートと一体となって転写層から剥離
する。離型層は、一般に支持体シートと転写層(表面保
護層)との剥離性の向上やその調整等の為に用いるが、
微小凹凸形成の為にも使用できる。なお、離型層の艶を
部分的に変えるには、サンドマット、コーティングマッ
ト、ケミカルエッチング等のマット処理を行えば良い。
離型層は、適宜なビヒクル単独もしくは必要に応じワッ
クス、シリコーン等の離型剤を添加した塗料もしくはイ
ンキを用いて塗布もしくは印刷する事により形成できる
が、より好ましくは、離型性物質を添加せずに自身が離
型性である樹脂、例えばメラミン樹脂、アクリル樹脂、
ビニル樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂などを単独もし
くは混合して溶液化して使用する。このような離型性の
樹脂にさらに離型性を向上させるには架橋剤を添加して
架橋させ、離型層の表面密度を上げ表面の残留官能基を
減らすのが好ましく、架橋剤としては2価もしくはそれ
以上の多価ポリイソシアネート化合物が適している。こ
れにより、離型層の耐溶剤性、耐熱性が向上し、より安
定した離型性が得られる。耐溶剤性が向上すると、その
上に表面保護層を転写層として形成する際に、用いる塗
料もしくはインキ中の溶剤の影響が少なくなる。また、
耐熱性が向上すると転写時に熱圧を受けても離型層が軟
化しにくい為に、転写層が支持体シートに接着しにく
く、支持体シート剥離時に支持体シートが剥がれ難くな
らず、良好な剥離性が得られる。
【0038】なお、表面保護層形成に使用する転写シー
トの支持体シートは、表面保護層の表面をマット化する
以外に、表面保護層の表面に凹部を形成する為に、支持
体シートの転写層側の面に、支持体シートの構成要素と
して印刷等によって凸部を形成しても良い。また、上記
の如き表面艶を調整する支持体シートは、前記した塗装
形成(又は転写形成)した後の表面保護層に対する賦形
シートとして使用しても良い。
【0039】〔転写法〕本発明の化粧材の製造方法に
て、模様層形成、或いは更に表面保護層形成に用いる転
写法は、特に限定されないが、例えば下記及び等の
従来公知の転写法を採用できる。中でも、のローラ転
写法は平易な転写法であり、また弾性体ローラを軟質と
することで多少の表面凹凸が有っても転写できる転写法
として好ましい。また、の固体粒子衝突圧を利用した
転写法は、平面はもちろん、従来は不可能であった大き
な表面凹凸にも転写できる転写法として好ましい。
【0040】特公昭60−59876号公報、特開平
5−270199号公報、特開平5−139097号公
報に記載されるように、転写シートを、転写層を基材側
に向けて、支持体シート側から転写ローラとなる弾性体
ローラとしてゴムローラで加圧し、転写層が基材に圧着
後、支持体シートを剥離する、所謂ローラ転写法、 特公昭56−45768号公報(オーバーレイ法)、
特公昭60−58014号公報(真空プレス法)等に記
載されるように、成形品等の立体形状物品の基材の表面
に転写シートを対向又は載置し、基材側からの少なくと
も真空吸引、更に適宜転写シート側からの圧空押し付
け、による圧力差により転写シートの転写層を基材の表
面に転写する、所謂真空成形積層法を利用した転写方法
(真空成形転写法)等である。 特開平9−315095号公報に開示された様に、転
写圧の押圧手段自体が新規な転写法として、転写圧に固
体粒子衝突圧を利用した転写法がある。この転写法は、
ローラ転写法、真空成形転写法等では不可能な大きな三
次元形状等の表面凹凸の被転写基材にも転写可能であ
り、後で詳述する。特にこの転写法は、深い溝や凹凸の
凹部内部までも転写したい場合等の様にローラ転写法で
は不可能な表面凹凸にも適用できる転写方法である。
【0041】(ローラ転写法)所謂ローラ転写法では、
基材に対して、支持体シートと転写層とからなる転写シ
ートを、転写層側を基材側に向けて、支持体シート側か
ら転写ローラとして弾性体ローラを用いて押圧して転写
圧を加えて、転写層が基材に接着後、支持体シートを剥
離することで、転写層を基材に転写する方法である。ロ
ーラ転写法は、被転写面が平坦或いはその表面凹凸が比
較的小さい基材に対して適用できる。弾性体ローラとし
ては、通常、鉄等の剛体の回転軸芯の表面周囲を軟質の
弾性体で被覆したローラを用いる。弾性体としては、シ
リコーンゴム、ネオプレンゴム、フッ素ゴム、スチレン
−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、天然ゴム等のゴム
を用いる。特に、耐熱性、耐久性、弾性等の点からシリ
コーンゴムが好ましい。また特に、基材の転写すべき被
転写面の凹凸形状が大きい場合は、弾性体として、JI
S規格のゴム硬度が60°以下のものを使用すること
が、転写シートを凹凸面に追従成形させる為に好まし
い。弾性体ローラの直径は、通常5〜20cm程度であ
る。また、通常、弾性体ローラは内部の電熱ヒータや外
部の赤外線輻射ヒータ等の加熱源により加熱して加熱ロ
ーラとしても使用できる。
【0042】(真空成形転写法)上記の真空成形転写
法とは、転写シートを転写層が基材側に向く様にして配
置し、転写シートの表裏両側の気圧差を少なくとも基材
側からの真空吸引によって発生させ、少なくとも該気圧
差によって転写シートを基材に押圧して密着させた後、
転写シートの支持体シートを剥離して、基材に転写層を
転写する転写方法である。通常、転写シートの基材側を
減圧にして転写シート表裏間の空気圧差を与える。ま
た、更に転写シートの支持体シート側からも加圧空気に
より加圧すれば、より大きな空気圧差を与えられる。な
お、真空プレス法は、転写シートの基材への押圧に空気
圧以外に、弾性体膜としてゴム状弾性膜の収縮力(収縮
圧)も利用する点、転写シートの加熱をヒータにより加
熱されたゴム状弾性膜を通して行う点等が若干異なり、
転写シートの均一加熱とより強い押圧力等に特徴があ
る。
【0043】(固体粒子衝突圧を利用した転写法)新規
な転写方法である固体粒子衝突圧を利用した転写法は、
弾性体ローラでは適用出来ない大きな表面凹凸を有する
基材に対して好適てある。この方法は、基材の被転写面
側に、転写シートの転写層側を対向させ、該転写シート
の支持体シート側に固体粒子を衝突させ、その衝突圧を
利用して、基材の被転写面への転写シートの圧接を行
い、転写層が基材に接着後、転写シートの支持体シート
を剥離除去することで、転写層を基材に転写する転写法
である。すなわち、図3に示す如く、支持体シートと転
写層とからなる転写シートSの支持体シート側(図面上
方)から、多数の固体粒子Pを衝突させ、その衝突圧に
よって転写シートを基材Bの表面形状に追従させ成形す
るとともに転写シートを、基材のうち少なくとも転写す
べき被転写面に押圧して圧着させる。その後、支持体シ
ートのみ剥離除去することで転写が完了する。なお、固
体粒子Pに付記した矢印は、固体粒子の速度ベクトルを
表す。
【0044】固体粒子としては、ガラスビーズ等の無機
粒子、亜鉛、鉄等の金属粒子、ナイロンビーズや架橋ゴ
ムビーズ等の樹脂ビーズ等の有機粒子、或いは金属等の
無機粒子と樹脂とからなる無機物・樹脂複合粒子等を使
用する。粒子形状は球形状が好ましいが、その他の形状
でも用い得る。粒径は通常10〜1000μm程度であ
る。固体粒子は噴出器から転写シートに向かって噴出さ
せ、転写シートに衝突したその衝突圧が転写圧となる。
噴出器には、代表的には羽根車や吹出ノズルを用いる。
羽根車はその回転により固体粒子を加速し、吹出ノズル
は高速の流体流で固体粒子を加速する。羽根車や吹出ノ
ズルには、サンドブラスト或いはショットブラスト、シ
ョットピーニング等とブラスト分野にて使用されている
ものを流用できる。例えば羽根車には遠心式ブラスト装
置、吹出ノズルには加圧式や吸引式ブラスト装置、ウェ
ットブラスト装置等である。遠心式ブラスト装置は羽根
車の回転力で固体粒子を加速し噴出する。加圧式ブラス
ト装置は、圧縮空気に混合しておいて固体粒子を、空気
と共に噴出する。吸引式ブラスト装置は、圧縮空気の高
速流で生ずる負圧部に固体粒子を吸い込み、空気と共に
噴出する。ウェットブラスト装置は、固体粒子を液体と
混合して噴出する。
【0045】図4及び図5は、羽根車による噴出器の一
例を示す概念図である。羽根車812は、複数の羽根8
13がその両側を2枚の側面板814で固定され、且つ
回転中心部は羽根813が無い中空部815となってい
る。更に、この中空部815内に方向制御器816を内
在する(図5参照)。方向制御器816は、外周の一部
が円周方向に開口した開口部817を有し中空筒状で羽
根車812の回転軸芯と同一回転軸芯で、羽根車とは独
立して回動自在となっている。羽根車使用時は、方向制
御器の開口部を適宜の方向に向くように固定して、固体
粒子の噴出方向を調整する。更に、この方向制御器の内
部に、内部中空で羽根車812の回転軸芯と同一回転軸
芯のもう一つの羽根車が散布器818として内在する
(図5参照)。散布器818は外側の羽根車812と共
に回転する。そして、前記側面板814の回転中心には
回転軸819が固定され、回転軸819は、軸受820
で回転自在に軸支され電動機等の回転動力源(図示略)
によって駆動回転され、羽根車812が回転する。また
回転軸819は、羽根813を間に有する2枚の側面板
814間には貫通しておらず、軸無しの空間を形成して
いる。そして、散布器818の内部に固体粒子Pがホッ
パ等から輸送管を通って供給される。通常、固体粒子
は、羽根車の上方(直上又は斜上方)から供給する。散
布器内に供給された固体粒子は散布器の羽根車で外側に
飛び散る。飛び散った固体粒子は、方向制御器816の
開口部817によって許された方向にのみ放出され、外
側の羽根車812の羽根813と羽根813との間に供
給される。そして、羽根813に衝突し、羽根車812
の回転力で加速され、羽根車から噴出する。羽根車81
2の寸法は、通常直径5〜60cm程度、羽根の幅は5
〜20cm程度、羽根の長さは、ほぼ羽根車の直径程
度、羽根車の回転数は500〜5000〔rpm〕程度
である。固体粒子の噴出速度は10〜50〔m/s〕程
度、投射密度(基材単位面積当たりに衝突させる固体粒
子の総重量)は10〜150〔kg/m2 〕程度であ
る。
【0046】次に、図6は吹出ノズルを用いた噴出器の
一例を示す概念図である。同図の噴出器840は固体粒
子加速流体として空気等の気体を用い、固体粒子噴出時
に該気体と固体粒子を混合して噴出する形態の噴出器の
一例である。噴出器840は、固体粒子Pと流体Fを混
合する誘導室841と、誘導室内に流体を噴出する内部
ノズル842と、ノズル開口部843から固体粒子及び
流体を噴出する吹出ノズル部844からなる。圧縮機等
からの加圧状態の流体Fを、内部ノズル842から噴出
し誘導室841を経てノズル844のノズル開口部84
3から噴出する際に、噴出器内の誘導室841にて、高
速で流れる流体流の作用で負圧を作り、この負圧により
固体粒子を流体流に導き混合し、流体流で固体粒子を加
速、搬送して、ノズル844のノズル開口部843から
流体流と共に噴出するものである。なお、固体粒子加速
流体に液体を用いる吹出ノズル等もある。流体圧は吹付
圧力で通常0.1〜10kg/cm2 程度である。流体
流の流速は、液流では通常1〜20m/秒程度、気流で
は通常5〜80m/秒程度である。
【0047】噴出器は、1個のみでは加圧領域を所望の
形状、大きさに出来ない場合は、複数用いる。例えば、
転写シート及び基材の送り方向に直交して幅方向に全幅
を加圧領域とするには、幅方向に一直線状に複数個を配
置して、幅方向に直線状で幅広の帯状形状の加圧領域と
する。また、衝突圧印加時間を長くするには、噴出器
は、例えば転写シート及び基材の送り方向に向かって2
列以上配置する多段配置とする。複数個を配列時は、個
々の噴出器の隣接する加圧領域を互いに一部重複させる
ことが好ましい。なお、固体粒子の衝突圧は、例えば転
写シート送り方向に直交する幅方向の中央部が最大で、
幅方向両端部に近い程低下する山型圧力分布等と、不均
一に設定することもできる。この設定は、中央部から両
端部に向かって順次段階的に圧着を進行させ、内部に空
気を抱き込むことを防ぐ。もちろん、衝突圧は転写が完
全に行える圧以上で、且つ転写シートの歪み、基材の変
形、破損等の生じない圧以下の適正圧力範囲内とする。
【0048】また、複数の噴出器を用いる場合、基材の
被転写面の包絡面(の搬送方向に直交する断面形状)が
例えば円型になる円筒状の凸曲面であれば、各噴出器が
主とし受け持つ個別の衝突面に対して、略垂直に固体粒
子が衝突する様に、噴出器の向きを、近接する基材の包
絡面法線方向をカバーする様に複数配置することもでき
る。
【0049】また、実際に固体粒子を用いて転写する際
は、固体粒子は周囲の雰囲気中に飛散させずに且つ循環
再利用するのが好ましい。そこで、転写する空間を周囲
空間と隔離するチャンバ内で、固体粒子を転写シートに
衝突させて転写圧を加える等すると良い。支持体シート
の剥離は、チャンバ外でも良い。支持体シートの剥離
は、転写層が基材に密着し、支持体シートが破れたりせ
ずに剥離可能な状態になれば、固体粒子衝突圧の解除直
後でも良いし、間を置いてからでも良いからである。
【0050】また、好ましくは、予め熱可塑性樹脂の支
持体シートからなる転写シートは、赤外線輻射ヒータ等
で加熱軟化させて延伸性を付与し、基材が熱容量の大き
い場合は予め予熱し、熱融着型の接着剤層として作用す
る層(装飾層や基材側に接着剤層として設けたプライマ
ー層等)は、加熱活性化させた状態で固体粒子を転写シ
ートに衝突させる様にする。なお、熱融着により転写す
る場合、熱融着する層を活性化して熱融着させる為に加
熱するタイミングは、衝突圧印加前、衝突圧印加中、或
いは衝突圧印加前及び印加中などのいずれでも良い。加
熱は転写シートや基材を加熱して行う。また、衝突圧印
加中の加熱には、加熱固体粒子や、固体粒子加速用の流
体を加熱流体として用いても良い。一方、転写シートが
基材が凹凸表面の場合はその表面形状に追従し、成形さ
れ、転写層が基材に十分に接触すれば、冷風等の冷却手
段で熱融着した層の冷却を促進しても良い。冷風は、転
写シート側や基材側から吹き付ける。また、冷却手段と
して、冷却固体粒子、冷却流体も用いることもできる。
冷却促進は、基材が凹凸表面の場合にその凹部内部にま
で追従成形された転写シートが衝突圧開放後に復元力が
ある場合に戻るのも防止する。
【0051】〔化粧材の用途〕化粧材の用途は各種用途
に用いられ得る。特に本発明の化粧材は、密着性、耐熱
水性、耐熱性、耐候性等に優れるので、浴室、洗面台、
キッチンパネル等の水回り等の建築物内装材等は好適で
ある。この他、例えば、サイディング等の外壁、塀、屋
根、門扉、破風板等の外装、壁面、天井、床等の建築物
の内装、窓枠、扉、手摺、敷居、鴨居等の建具類の表面
化粧、箪笥等の家具やテレビ受像機等の弱電・OA機器
のキャビネットの表面化粧、自動車、電車、航空機、船
舶等の乗物内装材等の各種分野で用いられ得る。なお、
化粧材の形状は、平板以外にも、曲面板、棒状体、立体
物等でも良い。平板や曲面板では化粧板として用いられ
る。
【0052】
【実施例】次に実施例及び比較例により本発明を更に説
明する。
【0053】〔実施例1〕基材として、化粧面が平坦面
のフレシキブルボード(ポルトランドセメント対石綿の
重量比が65対35で、厚み5mmの板材)の表面を除
塵後、目止め及び下地色調整の為の下塗り層として、白
色顔料としてチタン白を含有する2液硬化型アクリルウ
レタン樹脂塗料を80g/m2 (固形分基準)スプレー
塗布し、80℃のオーブンで10分間加熱乾燥して、硬
化させた。そして、該下塗り層の上に、絵柄の転写抜け
を防ぎ確実に密着する様に、アクリルポリオールとヘキ
サメチレンジイソシアネートとの12対1重量比の2液
硬化型ウレタン樹脂系接着剤を、ロールコータにて5g
/m2 (固形分基準)塗布し、80℃のオーブンで90
秒間加熱して乾燥させ、(完全硬化前とした)接着剤層
を形成した。
【0054】次に、模様層形成用の転写シートは、その
支持体シートとして、上質紙に厚さ25μmの離型層と
してしポリプロピレンを溶融押出塗工で積層した総厚6
0μmの積層体からなるシートを用意した。そしてこの
支持体シートの離型層側に、バインダー樹脂に下記ウレ
タン樹脂を用い、無機顔料からなる着色剤を添加してな
る着色インキをグラビア印刷で多色刷りして(全ベタ層
を含む複層構成)の模様層(0.5g/m2 )を形成し
た。
【0055】模様層のバインダー樹脂 ジオール成分にポリカーボネートジオールとアゾジオー
ルを用い、ジイソシアネート成分に4,4′−メチレン
ビス(シクロヘキシルイソシアネート)とイソホロンジ
イソシアネートとを用いて得られる高分子アゾ重合開始
剤を、ラジカル重合開始剤として、通常の重合開始剤で
重合させた場合のガラス転移温度が70℃となる様なア
クリル系モノマーをラジカル重合して得た、ポリウレタ
ン−アクリルブロック共重合体で、数平均分子量35,
000、水酸基含有量は水酸基価0(ゼロ)のウレタン
樹脂(熱可塑性樹脂)。また、ウレタン樹脂中(バイン
ダー樹脂中)に占めるアクリル部分を示すアクリル含有
量は44重量%である。なお、各実施例及び比較例で模
様層に用いたバインダー樹脂の内容は、表1にまとめて
示す。
【0056】そして、上記転写シートを、185℃に予
め加熱した弾性体ローラ(鉄芯の周囲をJIS硬度60
度のゴムで被覆したローラ)で基材に押圧し加熱し、模
様層を転写層として基材に転写した。なお、転写速度は
3m/分とした。
【0057】次に、転写後の模様層の上に、表面保護層
を塗装法で形成した。塗料にはウレタンアクリレート系
プレポリマーからなる紫外線硬化性樹脂を用い、この塗
料(該樹脂をトルエンとメチルエチルケトンの1対1重
量比混合溶剤で希釈した塗液)を100μm厚(固形分
基準)になる様に塗布し、乾燥した。次いで、紫外線を
照射し(80W/cm高圧水銀灯1灯、送り速度10m
/分)、表面保護層を架橋硬化させた。そして、接着剤
の養生の為に、40℃のオーブン中に3日間放置して接
着剤を完全硬化させ、化粧材を得た。性能評価結果は、
表2に比較例と共にまとめて示す。なお、前記紫外線硬
化性樹脂は、ウレタンアクリレート(1分子中の平均ア
クリロイル基数2.5)15重量部、ペンタエリスリト
ールテトラアクリレート15重量部、開始剤〔チバガイ
ギー社製、イルガキュア184(1−ヒドロキシシクロ
ヘキシルフェニルケトン)〕3重量部、及び非反応性の
通常のポリメチルメタクリレート(平均分子量95,0
00、ガラス転移温度105℃)70重量部からなる組
成物である。
【0058】〔性能評価〕模様層及び表面保護層等の基
材上に形成した層の密着性について、耐熱水性、耐熱
性、耐候性を評価した。また、模様層の転写時に於ける
支持体シートの剥離性も評価した。評価結果は表2に示
す。なお、実施例及び比較例は、電離放射線硬化性樹脂
を用いた表面保護層によって、いずれも耐擦傷性等の表
面物性は良好であった。
【0059】密着性:耐熱水性、耐熱性及び耐候性の
評価手段として、次の様な密着性試験を採用した。すな
わち、碁盤目テープ試験として、化粧材上の表面保護層
の上から4mm間隔で碁盤目状に縦横に基材にまで達す
る切り込みを入れて、縦横4×4個の合計16個の枡目
を作った後、セロハン粘着テープ(ニチバン株式会社
製、工業用24mm幅)を室温20℃にて接着後、剥離
して剥がれた枡目数で評価した。剥がれた枡目が全く無
いものを「○」良好、1枡以上剥がれたものを「×」不
良とした。 耐熱水性:化粧材の表面を90℃の熱水に4時間接触
させた後、60℃で2時間乾燥する操作を1サイクルと
して、10サイクル繰り返した後、60℃で24時間乾
燥した後、上記の密着性を評価した。 耐熱性:140℃のオーブン中に3時間入れた後、取
り出して室温まで冷却させた後、前記の密着性を評価
した。 、耐候性:サンシャインウェザオメータ(カーボンア
ーク灯型、ブラックパネル温度63℃、降雨時間は18
分/120分中)で240時間の促進耐候性試験を行っ
た後、60℃で24時間乾燥した後、上記の密着性を
評価した。
【0060】〔実施例2〕実施例1において、模様層の
バインダー樹脂であるウレタン樹脂の数平均分子量を3
0,000に変更し、アクリル含有量を48重量%に変
更した他は、実施例1と同様にして化粧材を得た。
【0061】〔比較例1〕実施例1において、模様層の
バインダー樹脂であるウレタン樹脂の数平均分子量を2
5,000に変更し、アクリル含有量を38重量%に変
更した他は、実施例1と同様にして化粧材を得た。
【0062】〔比較例2〕実施例1において、模様層の
バインダー樹脂であるウレタン樹脂の数平均分子量を4
5,000に変更し、アクリル含有量を40重量%に変
更し、水酸基含有量を水酸基価8とした他は、実施例1
と同様にして化粧材を得た。
【0063】〔比較例3〕実施例1において、模様層の
バインダー樹脂であるウレタン樹脂の数平均分子量を1
0,000に変更し、アクリル含有量を48重量%に変
更し、水酸基含有量を水酸基価7とした他は、実施例1
と同様にして化粧材を得た。
【0064】〔比較例4〕実施例1において、模様層の
バインダー樹脂であるウレタン樹脂の数平均分子量を2
5,000に変更し、水酸基含有量を水酸基価9とした
他は、実施例1と同様にして化粧材を得た。
【0065】〔比較例5〕実施例1において、模様層の
バインダー樹脂であるウレタン樹脂として、ポリウレタ
ン−アクリルブロック共重合体に代えて、ポリカーボネ
ートジオールと、イソホロンジイソシアネートとから得
られた線状の熱可塑性ウレタン樹脂で、数平均分子量が
45,000で、水酸基含有量は水酸基価10で、アク
リル含有量を0重量%の樹脂に変更した他は、実施例1
と同様にして化粧材を得た。
【0066】〔比較例6〕実施例1において、模様層の
バインダー樹脂であるウレタン樹脂として、ポリウレタ
ン−アクリルブロック共重合体に代えて、熱可塑性アク
リル樹脂としてアクリルポリオール(メチルメタクリレ
ートとβ−ヒドロキシエチルメタクリレートとの共重合
体)で、数平均分子量が25,000で、水酸基含有量
は水酸基価100で、アクリル含有量は100重量%の
樹脂に変更した他は、実施例1と同様にして化粧材を得
た。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】表2に示す如く、実施例1及び2では、耐
熱水性、耐熱性、耐候性、剥離性の全てに優れ、総合判
定は良好だが、比較例ではこれら全性能を満たさず、総
合判定は不良となった。
【0070】
【発明の効果】本発明の化粧材によれば、耐熱水性、
耐熱性、耐候性等の物性に優れ、且つ耐擦傷性等の表面
物性にも優れる。従って、浴室等の水回り用途に適する
化粧材となる。 本発明の化粧材の製造方法によれば、上記の如き化
粧材を模様層等の転写時の支持体シートの剥離性も良好
に出来、容易に製造できる。 特に、転写圧に固体粒子衝突圧を用いる転写法を模様
層形成等に採用すれば、大きな三次元的凹凸表面が装飾
された化粧材が容易に得られる。もちろん、二次元的凹
凸も可能で、平板状の板材以外にも瓦の様に全体として
(包絡面形状が)波うち形状のもの、或いは凸又は凹に
湾曲した形状のものでも容易に得られる。また、大柄な
凹凸表面の凸部上、凹部内(底部や凸部と底部の連結部
分である側面)も転写できる。また、大柄な凹凸の凸部
上に、更に微細な凹凸(例えば梨地等)が有る場合で
も、その微細凹凸の凹部内にまで、転写できる。また、
従来のゴムローラ押圧方式の様に、基材の凹凸部による
ローラ等部品の損耗も無い。従って、従来に無く極めて
意匠性に優れた化粧材が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧材の一形態を例示する断面図。
【図2】本発明の化粧材の製造方法で使用する転写シー
トの一例を示す断面図。
【図3】固体粒子衝突圧を利用した転写法を概説する説
明図。
【図4】羽根車を用いた噴出器の一例を概念的に説明す
る斜視図。
【図5】図4の羽根車内部を説明する概念図。
【図6】吹出ノズルによる噴出器の一例を概念的に説明
する断面図。
【符号の説明】
1 模様層 2 表面保護層 3 接着剤層 4 支持体シート 5 転写層 812 羽根車 813 羽根 814 側面板 815 中空部 816 方向制御器 817 開口部 818 散布器 819 回転軸 820 軸受 840 吹出ノズルを用いた噴出器 841 誘導室 842 内部ノズル 843 ノズル開口部 844 ノズル B 基材 D 化粧材 F 流体 P 固体粒子 S 転写シート
フロントページの続き Fターム(参考) 3B005 EB09 EC02 EC03 EC05 EC14 EC21 FA02 FA03 FA04 FA08 FA12 FA17 FA18 FB23 FC09Z FD03Z FE05 FE22 FG01X FG01Y FG02X FG02Y FG03X FG04X FG06Y FG09X FG09Y FG10Y 4F100 AA21H AK25B AK25C AK25J AK51B AK51J AL02B AP03 AT00A BA03 BA07 BA10A BA10C CA13 EC012 EC042 EH462 EJ05C EJ052 EJ08C EJ082 GB07 GB08 HB00B JD05 JJ03 JK06 JK14 JL09

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面に、模様層、表面保護層がこの
    順に積層された化粧材において、 模様層がバインダー樹脂としてウレタン樹脂を有し、該
    ウレタン樹脂はポリカーボネートジオールとイソシアネ
    ートからなるポリウレタン部分とアクリル部分とを有す
    るポリウレタン−アクリルブロック共重合体であり、且
    つ数平均分子量が30,000以上で水酸基を含有しな
    い樹脂であり、表面保護層が(メタ)アクリル酸エステ
    ル化合物の架橋硬化物である、化粧材。
  2. 【請求項2】 上記ウレタン樹脂を構成するポリウレタ
    ン−アクリルブロック共重合体が、ポリウレタン部分
    に、ポリオールとしてポリカーボネートジオールを用
    い、またイソシアネートとして4,4′−メチレンビス
    (シクロヘキシルイソシアネート)、及びイソホロンジ
    イソシアネートを用いた共重合体である、請求項1記載
    の化粧材。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の化粧材を製造する
    方法であって、基材に模様層は転写法で形成し、表面保
    護層は塗装法又は転写法で形成した後、架橋硬化させ
    る、化粧材の製造方法。
  4. 【請求項4】 転写法に於ける転写圧として、固体粒子
    衝突圧を利用する請求項3記載の化粧材の製造方法。
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