JPH11198560A - 分冊自在本 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 １冊本の体裁で製本する。 【解決手段】 ２分割した台本の中身の２折の間に、背
側にセパレーター15を粘着した分冊本の１折を介在させ
て丁合し、３折の丁合束の背に接着剤を塗布すると共
に、表紙を接着することによって、製本、販売時は台本
の２折の間に分冊本が粘着された合冊本と成り、分冊本
の分離時には、粘着状態の分冊本とセパレーター15が分
離されると共に、セパレーター15は台本ののどに接着状
態で残留し、台本から表面無垢状態の分冊本を分離す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、問題集と
解答集の様に、又は本体に対する付録集の様に、分離さ
れて使用される本に関し、詳しくは、製本状態、販売時
において、恰かも１冊本の様な体裁を有する様にした分
冊自在本に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、２冊の本がセットとなったもの
は、別々に製本され、輪ゴム止めされたり、部分的に挟
み込まれたり、ケースに２冊が収納されたり、ミシン目
で切断可能と成され、主に販売時点で合冊本と成されて
いた。

【０００３】その結果、１冊本の体裁を有していなかっ
たり、背から小口までを含む中身全体の厚さが均一でな
かったり、合本作業が必要となったり、分冊後の合冊収
納時に元来の形態に復帰出来ない欠点を有していた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、１冊本の体
裁を有する様にした分冊自在本を提供する。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来技術
に基づく、２冊の本の合冊状態が１冊本の形態を有して
いない課題に鑑み、２分割した台本の中身の２折の間
に、背側にセパレーターを粘着した分冊本の１折を介在
させて丁合し、３折の丁合束の背に接着剤を塗布すると
共に、表紙を接着することによって、製本、販売時は台
本の２折の間に分冊本が粘着された合冊本と成り、分冊
本の分離時には、粘着状態の分冊本とセパレーターが分
離されると共に、セパレーターは台本ののどに接着状態
で残留し、台本から表面無垢状態の分冊本を分離する様
にして、上記課題を解決する。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に
基づいて説明する。本発明に係る分冊自在本１は、図１
に示す様に、外見上、背２から小口３まで同一厚さで、
恰かも１冊本に見えると共に、図２に示す様に、分冊自
在本１の中身４の束（厚み）５の一部（中間部）を分離
自在と成している。

【０００７】即ち、分冊自在本１の部分的な分離後に、
台本６の束５の中間部を背表紙７だけが残存する束空間
８と成し、該束空間８に対して製本段階では分冊本９が
粘着状態で位置し、台本６に対して分冊本９を分離自在
と成している。その結果、台本６の中身４は、束空間８
を介在した２個の折丁10、10a （２折10、10a ）に分割
されると共に、台本６の２折10、10a の背２は背表紙７
に接着されている。

【０００８】又、台本６の折丁10、10a を背表紙７に接
着するために、一般的にホットメルトと称される接着剤
11を塗布している。そこで、合冊時は台本６と分冊本９
が粘着状態を維持させると共に、台本６の接着剤11に対
して分冊本９を分離自在と成すために、図７に示す様
に、分冊本９の背２に分冊手段12を設けている。

【０００９】尚、本件出願の図面において、多数の細線
は各用紙を示し、太線は背表裏表紙７、7a、7bを示し、
スマッジング（一部太線）は分冊手段12を示している。
そして、分冊本９に設ける分冊手段12の設定位置は、基
本的に背２の部分だけで良い。しかしながら、実際の製
本工程を考慮すると、分冊手段12の設定位置は、背２の
部分だけでなく、背２を含み、製本段階で接着剤11が浸
透したり、廻り込む部分を含む。即ち、背２から所定幅
の表裏の表紙7a、7bの背側設定部13、13a を含むことが
好ましく、本願明細書ではこれらの分冊手段12の設定位
置を背２と称している。又、表紙として、背表紙７と表
裏表紙7a、7bが一体のものを示しているが、みきり（継
ぎ目）を有した継ぎ表紙形式のものでも良い。

【００１０】そして、図２、４に示す様に、分冊本９の
背２に設ける分冊手段12は、台本６から分冊本９を分離
した時に、台本６の束空間８におけるのど14に残留す
る。更に詳しくは、分冊本９の製本完了時において、所
定幅の用紙（基材）の一面に弱接着性の粘着剤（接着剤
に比して弱接着力で剥離可能なもの）を塗布したセパレ
ーター15を、分冊本９の背２に粘着した後、台本６と分
冊本９を同時製本している。

【００１１】上述の様に、分冊手段12のセパレーター15
として粘着剤塗布用紙を分冊本９に直接粘着したものを
説明したが、分冊本９の背２に対して表面処理を追加的
に施しても良い。表面処理の一例としては、本の表紙
７、7a、7bの強度向上を図ったもの、樹脂を表面コーテ
ィングしたもの、加熱圧縮したもの等が可能で、粘着剤
塗布用紙の剥離性を向上させる。

【００１２】又、表面処理を施したものにあっては、セ
パレーター15は用紙に粘着剤を塗布したもの以外も可能
である。即ち、表面処理された分冊本９の背２に、基材
がない粘着剤層を塗布しても良い。更に、表面処理とし
てシリコン樹脂の様な剥離剤を施せば、上述のものが全
て可能となる他、剥離層上にセパレーター15として基材
のない透明塗料塗布（塗工層）の様なものも可能であ
る。

【００１３】次に、上述の実施例は、主に、台本６から
分冊本９を分離した状態で説明したが、以下、製本段
階、即ち、分冊自在本１の状態に換言する。図５（ａ）
に示す様に、台本６の中身４を２折10、10a に分割する
と共に、台本６の折丁10、10a （２折10、10a ）の間
に、背表紙７及び表裏表紙7a、7bを有した完成状態で、
且つ、背２側に分冊手段12を設けた分冊本９を介在させ
る様に重ね、台本６と分冊本９の背２を同一方向と成し
て背２側を揃えて丁合する。換言すると、台本６の折丁
10、10a （２折10、10a ）とセパレーター15を有した分
冊本９の１折をサンドイッチ状態で重層して、３折の丁
合束20を丁合する。

【００１４】そして、図５（ｂ）に示す様に、丁合束20
の背２を接着剤11の溶隔貯留槽に付けて、背２に接着剤
11を塗布する。次に、図６に示す様に、丁合束20の背２
に背表紙７及び表裏表紙7a、7bを接着し、製本を完了す
る。

【００１５】尚、図１、２に示す実施例では、分冊本９
の背２を台本６の背２と同一方向と成したが、図３に示
す様に、台本６の背２と分冊本９の小口３を同一方向と
成し、背表紙７が接着された分冊自在本１におけるのど
14側に分冊本９の小口３側を配置しても良い。

【００１６】次に本発明に係る分冊自在本の作用につい
て説明する。製本、販売時は、図１、図６（ｄ）に示す
様に、台本６の２折10、10a の間に分冊本９が粘着され
た合冊本（分冊自在本１）と成る。そして、分冊本９の
台本６からの分離時には、図２に示す様に、粘着状態の
分冊本９とセパレーター15が分離されると共に、図４に
示す様に、セパレーター15は台本６ののど14に接着状態
で残留し、台本６から表面無垢状態の分冊本９を分離す
る。

【００１７】

【発明の効果】要するに本発明は、台本６の中身４を２
折10、10a に分割すると共に、台本６の２折10、10a の
間に、背２側にセパレーター15を分離自在に設けた分冊
本９の１折を介在させる様に、台本６と分冊本９の背２
を同一方向で重ねて丁合したので、製本段階、販売時に
おいて、台本６と分冊本９は全厚みが同一の恰かも１冊
本の体裁を有して見栄えが良くなる。又、丁合束20の背
２に接着剤11を塗布すると共に、表紙７、7a、7bを接着
したので、台本６と分冊本９は分離自在のセパレーター
15を介して、適度に粘着しているために、台本６から分
冊本９の分離迄は１冊本の状態を維持出来、上記効果の
相乗で合冊等の手間を低減することが出来る。

【００１８】又、分冊本９の分離使用後においても、台
本６における束空間８の部分に分冊本９を戻せば合冊本
の体裁を復元することが出来、更にセパレーター15が粘
着性を有したものの時には、分離後の合冊時にも粘着に
よる体裁保持も可能となる。

【００１９】又、分冊本９の背２側にセパレーター15を
設けることに代えて、分冊本９の小口３側にセパレータ
ー15を設け、台本６の背２と分冊本９の小口３を同一方
向で重ねて丁合したので、分冊自在本１の購入前、分離
前には、分冊本９の内容を見ることが不可能であり、立
ち読み等を防止することが出来る。

【００２０】又、表紙７、7a、7bに表面処理を施したの
で、分離時において、分冊本９から剥離されて台本６へ
セパレーター15が移動する時に、分冊本９の表紙７、7
a、7bの強度が高く、分冊本９のダメージを防止するこ
とが出来、又分冊本９の表表紙7a、裏表紙7bに本質的に
表面処理を施す時には、背表紙７にも同時に表面処理が
施され、かかる作業を別途必要としない。

【００２１】又、表面処理として、表紙７、7a、7bに剥
離層を設けたので、分冊本９の剥離層からのセパレータ
ー15の剥離時に分冊本９へのダメージを完全に払拭する
ことが出来ると共に、台本６から分冊本９への分離を容
易に行うことが出来る。

【００２２】又、セパレーター15は粘着性のものと成し
たので、分冊本９へのセパレーター15の形成手段が粘着
剤塗布用紙又は基材のない粘着剤の様な時、形成粘着を
簡易に行うことが出来る。

【００２３】又、表紙７、7a、7bに設けた剥離層にセパ
レーター15となる塗工層を設けたので、分冊本９に対し
てセパレーター15は塗料塗布の様な簡易工程を行うこと
が出来たり、透明材質のものとすれば、台本６に残留し
たセパレーター15の違和感を減少したり、皆無とするこ
とが出来る等その実用的効果甚だ大である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る分冊自在本の斜視図である。

【図２】図１の分冊自在本の分離状態を示す斜視図であ
る。

【図３】他の実施例の分冊自在本の分離状態を示す斜視
図である。

【図４】分冊時における台本側へセパレーターが残留し
た状態を示す斜視図である。

【図５】製本工程中、丁合工程及び接着剤塗布工程を示
す図である。

【図６】製本工程中、表紙合流工程及び表紙接着工程を
示す図である。

【図７】合冊製本前で分冊本へセパレーターを設けた状
態を示す背面側の斜視図である。

【符号の説明】

２ 背 ４ 中身 ６ 台本 ７ 背表紙 7a 表表紙 7b 裏表紙 ９ 分冊本 10、10a ２折 11 接着剤 12 分冊手段 15 セパレーター 20 丁合束

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 台本の中身を２折に分割すると共に、台
   本の２折の間に、背側にセパレーターを分離自在に設け
   た分冊本の１折を介在させる様に、台本と分冊本の背を
   同一方向で重ねて丁合し、丁合束の背に接着剤を塗布す
   ると共に、表紙を接着したことを特徴とする分冊自在
   本。
2. 【請求項２】 分冊本の背側にセパレーターを設けるこ
   とに代えて、分冊本の小口側にセパレーターを設け、台
   本の背と分冊本の小口を同一方向で重ねて丁合したこと
   を特徴とする請求項１の分冊自在本。
3. 【請求項３】 表紙に表面処理を施したことを特徴とす
   る請求項１又は２の分冊自在本。
4. 【請求項４】 表面処理として、表紙に剥離層を設けた
   ことを特徴とする請求項３の分冊自在本。
5. 【請求項５】 セパレーターは粘着性のものと成したこ
   とを特徴とする請求項１、２、３又は４の分冊自在本。
6. 【請求項６】 表紙に設けた剥離層にセパレーターとな
   る塗工層を設けたことを特徴とする請求項４の分冊自在
   本。