JPH11193405A - 金属多孔板の製造方法 - Google Patents

金属多孔板の製造方法

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JPH11193405A
JPH11193405A JP10016497A JP1649798A JPH11193405A JP H11193405 A JPH11193405 A JP H11193405A JP 10016497 A JP10016497 A JP 10016497A JP 1649798 A JP1649798 A JP 1649798A JP H11193405 A JPH11193405 A JP H11193405A
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metal
powder
perforated plate
producing
slurry
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JP10016497A
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Yoshikazu Yamamasu
義和 山桝
Takemitsu Shibahashi
威光 柴橋
Shinichiro Sakai
進一郎 坂井
Shinobu Nihei
忍 仁平
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IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属多孔板の空孔径の調節が可能で、かつ、
安価に製造する製造方法を提供する。 【解決手段】 水3に整泡剤と結合剤を添加して混合液
を調整し、攪拌翼2を液体表面近傍にセットして回転さ
せるとともに、微細な孔径のフィルタ6を通して圧縮空
気を断続的に注入することにより、混合液をメレンゲ状
に泡立てる工程と、泡立てた混合液中に金属粉または金
属短繊維と分散剤を投入して混合し、金属粉スラリとす
る工程と、スラリをグリーンシートに成形する工程と、
グリーンシートを還元性雰囲気で脱脂して焼結する工程
とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ニッケル水素電池
の正極の材料として使用するニッケル多孔板や、フィル
タに使用するニッケル、銅またはステレンス鋼などの金
属多孔板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ニッケル水素電池の正極やフィルタなど
に金属多孔板が使用される。ニッケル水素電池の正極
は、導電基材となるニッケル多孔板に、正電極活物質と
して動作する水酸化ニッケルを充填してなるものであ
る。ニッケル多孔板は、通常厚さが1〜3mmであり、
空孔の平均径は50〜300μm、空隙率は85〜98
%のものが多く使用される。
【0003】ニッケル水素電池は、上記正電極と負電極
とセパレータとを重ね合わせてスパイラルに巻き付け、
缶体内に配置しアルカリ電解液を注入してなるものであ
るから、正電極を構成するニッケル多孔板は、伸びと強
度が要求される。そのためニッケルのパンチメタルを骨
格として、それに副わせてニッケル多孔板を形成する場
合がある。また、フィルタとしては、種々の孔径のもの
が使用されるが、たとえば、平均径が5〜50μmのも
の、50〜100μmのもの、100〜200μmのも
のなどが使用されており、空隙率は85〜98%のもの
が使用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる金属多孔質板の
製造方法には、種々の方法があるが、それぞれ次のよう
な問題がある。 (1)平均粒径が2〜5μmの金属粉に結合剤と分散剤
を添加し、撹拌混合してスラリとし、スラリをグリーン
シートに成形して乾燥・焼成することにより金属多孔質
板を製造する方法があるが、その方法で製造した金属多
孔質板は、平均空孔径が約10μmで、空隙率もせいぜ
い85%までのものしかできない。
【0005】(2)特開昭57−174484号公報に
は、金属多孔質板の製造に関し、ポリウレタンなどの発
泡樹脂の骨格表面を導電化処理し、その上に電気メッキ
により金属を電析させ、その後発泡樹脂を焼成して発泡
樹脂の樹脂分を消失させ、電析された金属を燒結させる
方法が記載されている。しかし、この方法では、発泡樹
脂の骨格表面の導電化処理が煩雑であり、多孔金属の骨
格は、空洞のある骨格となるため、骨格が折れやすいと
いう欠点がある。さらに、脱脂する際、焼成炉内で50
0℃前後まで加熱して、ウレタンを酸化除去後1000
℃まで還元雰囲気内で加熱して、ニッケルなどの金属粉
を還元後焼結させているが、ウレタン除去を行うには、
十分酸化させる必要があり、この処理時に酸化されるニ
ッケルなどの金属粉の還元および焼結に長時間を要す
る。また、メッキ浴の廃液処理にも費用が嵩む。
【0006】(3)特開平1−215932号公報に
は、金属多孔質板の製造に関し、溶融した金属に増粘剤
および発泡剤を加えて攪拌することにより、多数の独立
気泡の集合体(セル構造)よりなる鋳塊を製造し、それ
を切断して板状にし、その片面にショットブラストをか
けて、独立気泡の気泡壁面の一部を破損させることによ
り、各独立気泡を連通させて三次元網状多孔質金属を形
成する技術が開示されている。しかし、炭酸塩のような
熱分解してガスを発生させる発泡剤を添加すると塩を形
成する金属が不純物として残るため、金属多孔板として
の性能が損なわれる。
【0007】(4)金属粉スラリにアクリル樹脂等の球
状の粉末を加えて成形し、それを焼成して樹脂分を消失
させた後、焼結することにより、消失した樹脂の跡が空
孔となる金属多孔板の製造方法がある。しかし、この方
法では、粒径が100μm程度のサイズの樹脂を安価に
得ることが難しく、また、スラリ乾燥時に樹脂がスラリ
上層部に浮き上り、分布が不均一になる。さらに、
(2)と同様に樹脂の酸化除去による問題がある。
【0008】本発明は、従来技術の以上述べたような問
題点に鑑み案出したもので、平均空孔径の大きさの調節
が可能であり、脱脂のために酸化雰囲気にする必要性が
なく、安価に製造可能であり、かつ、必要な伸びと強度
を有する金属多孔板の製造方法を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明の金属多孔板の製造方法は、水
中に金属粉と分散剤を投入して混合した後、整泡剤と結
合剤を添加し、攪拌翼により混合して微細な気泡を混入
させたスラリとする工程と、スラリをグリーンシートに
成形する工程と、グリーンシートを脱脂して焼結する工
程とを有しており、平均径が5〜50μmの空孔を有
し、空隙率が85〜98%の金属多孔板を製造するもの
である。
【0010】請求項2記載の発明の金属多孔板の製造方
法は、水に整泡剤と結合剤を添加して混合液を調整し、
攪拌翼を液体表面近傍にセットして回転させることによ
り、上記混合液をメレンゲ状に泡立てる工程と、泡立て
た混合液中に金属粉と分散剤を投入して混合し、金属粉
スラリとする工程と、スラリをグリーンシートに成形す
る工程と、グリーンシートを脱脂して焼結する工程とを
有しており、平均径が50〜100μmの空孔を有し、
空隙率が85〜98%の金属多孔板を製造するものであ
る。
【0011】請求項3記載の発明の金属多孔板の製造方
法は、上記請求項2記載の金属多孔板の製造方法におい
て、泡立てた混合液中に金属粉を投入するのに代えて、
直径が10〜100μm、長さが200〜2000μm
の金属短繊維を投入するものである。
【0012】請求項4記載の発明の金属多孔板の製造方
法は、上記請求項3記載の金属多孔板の製造方法におい
て、泡立てた混合液中に金属短繊維を投入するのに代え
て、直径が20〜120μm、長さが200〜2000
μmの短繊維状のグリ−ンファイバを投入するものであ
って、グリ−ンファイバは、平均粒径が1〜3μmの金
属粉と有機溶剤系の結合剤を混合してなる高粘度のスラ
リを押し出し成形したのち乾燥処理し、上記長さに切断
したものである。
【0013】請求項5記載の発明の金属多孔質板の製造
方法は、請求項2ないし請求項4記載の製造方法におい
て、上記整泡剤と結合剤の混合液をメレンゲ状に泡立て
る工程で、微細な孔径のフィルタを通して圧縮空気を断
続的に注入することにより、平均径が100〜300μ
mの空孔を有し、空隙率が85〜98%の金属多孔板を
製造するものである。
【0014】以上述べた発明において、グリーンシート
を減圧下で乾燥させることにより、焼結した金属多孔板
が内包する空孔径を大きくするように調整してもよい。
【0015】また、グリーンシートを圧廷またはプレス
加工することにより、焼結した金属多孔板が内包する空
孔径を小さくするように調整してもよい。
【0016】ニッケル水素電池の正電極の素材であるニ
ッケル多孔板を製造するには、金属粉としてNi粉また
はNiO粉あるいはこれらの混合粉を使用し、金属短繊
維としてNi短繊維を使用する。
【0017】上記Ni粉は、平均粒径が2〜7μmの粉
体100%、または、平均粒径が2〜7μmの粉体99
〜30%と、平均粒径が0.5〜1μmの微粉体1〜7
0%の混合物であるのが好ましい。平均粒径が0.5〜
1μmの微粉体は大きな径のNi粉が焼結する際に橋渡
しをする焼結助剤としての働きをする。微粉体はNi粉
またはNiO粉あるいはこれらの混合粉であってもよ
い。
【0018】上記スラリをグリーンシートに成形する工
程に替えて、スラリをNi製のパンチ板の両面に塗布し
たシートに形成する工程としてもよい。
【0019】次に本発明の作用を説明する。本発明で
は、気泡を混入させた金属粉のグリーンシートを還元性
雰囲気で脱脂、焼結するだけなので、従来技術のように
空孔を作るために、発泡ウレタンや球状のアクリル樹脂
粉末が不要であり、したがって、焼成によって樹脂を酸
化除去する際、同時に酸化してしまう金属粉を還元する
ために長時間を要することがない。また、スラリに気泡
を混入させる方法を請求項1ないし請求項3に示す方法
の中から選ぶことにより、金属多孔板に形成される空孔
の大きさや空隙率を自由に選ぶことができ、金属多孔板
に対する種々のニーズに対応できる。金属粉に代えて金
属短繊維や短繊維状のグリ−ンファイバを用いることに
より金属多孔板の伸びが増加し、曲げ加工したときに割
れが生じにくくなる。なお、グリ−ンファイバを製造す
る際、有機溶剤系の結合剤としたのはグリ−ンファイバ
を水に溶けにくくし、焼結するまで繊維状の原形を保持
するようにするためである。さらに、空孔の大きさや空
隙率は、グリーンシートを減圧下で乾燥させることや、
グリーンシートを圧廷またはプレス加工することにより
大きくしたり小さくしたり調整することが可能である。
【0020】以上述べたように、製造工程が簡単で、か
つ、高価な材料を必要としないので、金属多孔板を安価
に製造することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の1実施形態につい
て、図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明を実施
するための装置の断面図である。図1(A)は、請求項
1記載の発明の説明図である。図において、1は容器、
2は攪拌翼、3は水である。
【0022】水3に金属粉と分散剤とを投入して、攪拌
翼2で混合する。その後、表面張力を増加させる整泡剤
と、粘度を増加させるメチルセルロース、ポリビニルア
ルコールなどの結合剤を加え、攪拌翼2でスラリの混合
を続ける。その際、発生する渦により空気をスラリ中に
混入させて、微細な気泡をスラリ中に発生させる。スラ
リをドクターブレード法などによりシート状に成形して
グリーンシートにする。グリーンシートを乾燥し、還元
性雰囲気で脱脂および焼結することにより、平均径が5
〜50μmの空孔を有し、空隙率が85〜98%の金属
多孔板を製造することができる。
【0023】図1(B)は、請求項2ないし請求項4記
載の発明の説明図である。水3に整泡剤と結合剤を添加
して混合液を調整し、攪拌翼2を液体表面近傍にセット
して回転させることにより、混合液を微細な気泡を含む
メレンゲ状に泡立てる。メレンゲ状の発砲体4は、容積
が約2倍になっている。これに、金属粉、金属短繊維ま
たは短繊維状のグリ−ンファイバと分散剤を投入してさ
らに混合を続け、微細な気泡を含む金属粉スラリにす
る。スラリをシート状に成形してグリーンシートにす
る。グリーンシートを乾燥し、還元性雰囲気で脱脂およ
び焼結することにより、平均径が50〜100μmの空
孔を有し、空隙率が85〜98%の金属多孔板を製造す
ることができる。
【0024】図1(C)は、請求項5記載の発明の説明
図である。図1(B)で説明したものに加えて、空気配
管5の先端に取り付けた微細な孔径のフィルタ6を通し
て、圧縮空気を断続的に注入する。メレンゲ状の発砲体
4の気泡の平均径は、図1(B)のものに比べてさらに
大きくなっているので、得られる金属多孔質板の空孔の
平均径は100〜300μm、空隙率は85〜98%に
なる。
【0025】
【実施例】以下、実際に金属多孔質板を製造した例につ
き具体的に説明する。金属粉は、平均径が2〜7μmの
球状のNi粉を使用した。また、上記Ni粉に代えて、
直径が10〜100μm、長さが200〜2000μm
のNi短繊維を使用した。さらに、上記Ni短繊維に代
えて、直径が20〜120μm、長さが200〜200
0μmの短繊維状のグリ−ンファイバを使用した。グリ
−ンファイバは、平均粒径が1〜3μmのNi粉と有機
溶剤系の結合剤、たとえば、ポリビニルブチラ−ルとを
混合して高粘度のスラリとし、押し出し成形した後、乾
燥処理し、上記長さに切断したものである。
【0026】Ni粉、Ni短繊維または短繊維状のグリ
−ンファイバの分散を促進するためアンモニウム塩タイ
プの分散剤を使用した。スラリ内の気泡の表面張力を増
加させるためステアリン酸アンモニウム系の整泡剤に、
ノニオン系の乳化剤を2:1の割合で混合したものを使
用した。スラリの粘度を増加させるための結合剤とし
て、メチルセルロースを使用した。なお、結合剤として
はポリビニールアルコールでもよい。
【0027】成形したグリーンテープの焼成は、5%H
2 −N2 雰囲気炉で1000℃、30分加熱して行っ
た。ただし、金属粉としてNiO粉を用いたグリーンテ
ープでは、10%H2 −N2 雰囲気で同様に焼成した。
【0028】(1)結合剤3部、整泡剤8部、水160
部、分散剤0.5部、Ni粉100部を同時に混合した
スラリを攪拌翼で1時間攪拌して、得られたスラリをグ
リーンテープに形成し、それを焼成したところ、平均径
が15μmの空孔を持つ多孔質板が得られた。
【0029】(2)結合剤5部、整泡剤15部、水16
0部を攪拌翼2で30分間混合することにより、気泡を
混入させたメレンゲ状の発砲体4とし、それに分散剤
0.5部、Ni粉100部を投入し、1時間攪拌混合し
て得られたスラリをグリーンテープに形成し、これを焼
成したところ、平均径が100μmの空孔を持つ多孔質
板が得られた。
【0030】(3)上記(2)の方法でのメレンゲ状の
発砲体4を作る際、結合剤を20%増量した組成とし、
スラリ下部に10μmの孔径の金属フィルタ6を介し
て、圧縮空気を断続的に吹き込みながらスラリを30分
攪拌した。得られた発砲体4に分散剤0.5部、Ni粉
100部を投入し、2時間攪拌混合して得られたスラリ
をグリーンテープに形成し、これを焼成したところ、平
均径が200μmの空孔を持つ多孔質板が得られた。
【0031】(4)上記(2)の方法で得られたグリー
ンテープを、500〜600mmHgに減圧した容器内
で乾燥し、それを焼成したところ、(2)の方法で得ら
れた金属多孔板の約2倍の空孔径を持つ金属多孔板が得
られた。
【0032】(5)上記(3)の方法で得られたグリー
ンテープを圧延機で10%圧延後焼成すると平均径が1
70μmの空孔を持つ金属多孔板を製造することができ
た。プレス加工により10%圧密しても同様の結果が得
られた。
【0033】(6)平均径が2〜7μmの球状のNi粉
を用いて上記(3)の方法で得られたNi多孔板(空隙
率:95%、空孔径:200μm)の伸びは3%であっ
た。2〜7μmの球状のNi粉に0.5〜1μmの微細
なNi粉を加えると空孔径は小さくなるが金属多孔板の
骨格はより緻密になり強度および伸びが大きくなる。2
〜7μmの球状のNi粉と0.5〜1μmの微細なNi
粉の割合を90:10、70:30、30:70とし、
揺動ミルで乾式混合した組成のものを用いると、微粉の
混合率が大きくなるほど空孔径は、小さくなるが骨格は
より微密になり、上記30:70の混合比のものを用い
て、上記(3)の方法で作製した金属多孔板は、空隙率
が95%、空孔径が80μm、伸びが8%であった。
【0034】(7)板厚50μmのNi製パンチ板の両
面に、上記(1)の方法で得られたスラリを3mm厚さ
になるように塗布し、1000゜Cで焼結して20μm
の空孔を持つ、1.4mm厚さの多孔質板が得られた。
【0035】(8)上記(2)または(3)のNi粉に
代えてNi短繊維または短繊維状のグリ−ンファイバを
混入する場合については次の通りである。 (a)結合剤5部、整泡剤15部、水160部を攪拌翼
2で30分間混合することにより、気泡を混入させたメ
レンゲ状の発砲体4とし、それに分散剤0.5部、直径
が20μm、長さが1000μmのNi短繊維を投入
し、1時間攪拌混合して得られたスラリをグリーンテー
プに形成し、これを焼成したところ、平均径が100μ
mの空孔を持つ多孔質板が得られた。ただし、直径が1
00μm、長さが2000μmのNi短繊維を用いて1
00μmの空孔を持つ多孔質板を製造した場合、空隙率
は約9O%となり、100μm以上の径を持つNi短繊
維を用いることは難しい。 (b)また、結合剤5部、整泡剤15部、水160部を
攪拌翼2で30分間混合することにより、気泡を混入さ
せたメレンゲ状の発砲体4とし、それに分散剤0.5
部、直径が30μm、長さが1500μmの短繊維状グ
リ−ンファイバを投入し、1時間攪拌混合して得られた
スラリをグリーンテープに形成し、これを焼成したとこ
ろ、平均径が100μmの空孔を持つ多孔質板が得られ
た。 (c)なお、グリ−ンファイバ同志の絡み合いを促進す
ることを目的として、ファイバの断面を円形状でなく、
星形状や円形状の外周面に突起を持つ形状にしてもよ
い。 (d)上記(a),(b)の方法でのメレンゲ状の発砲
体4を作る際、結合剤を20%増量した組成とし、スラ
リ下部に10μmの孔径の金属フィルタ6を介して、圧
縮空気を断続的に吹き込みながらスラリを30分攪拌し
た。得られた発砲体4に分散剤0.5部、直径が20μ
m、長さが1000μmのNi短繊維または短繊維状の
グリ−ンファイバ50部を投入し、2時間攪拌混合して
得られたスラリをグリーンテープに形成し、これを焼成
したところ、平均径が200μmの空孔を持つ多孔質板
が得られた。 (e)上記グリ−ンファイバは、平均粒径が2μmのN
i粉100部、分散剤1部、結合剤10部、溶剤30部
を混合して高粘度のスラリとし、それを押し出し成形、
乾燥処理して直径20μmの長繊維にし、1000μm
の長さに切断して製造した。
【0036】本発明は、以上述べた実施形態または実施
例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない
範囲で種々の変更が可能である。たとえば、上記Ni短
繊維または短繊維状のグリ−ンファイバの断面形状は円
形に限らず絡み合いを良くするため星状に突起を有する
ものであってもよい。
【0037】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の金属多孔板
の製造方法は、次のような優れた効果を有する。 (1)気泡を混入させた金属粉のグリーンシートを還元
性雰囲気で脱脂、焼結するだけなので、従来技術のよう
に空孔を作るために、発砲ウレタンや球状のアクリル樹
脂粉末が不要であり、したがって、焼成によって樹脂を
酸化除去する際、同時に酸化してしまう金属粉を還元す
るために、長時間を要することがない。 (2)また、スラリに気泡を混入させる方法を請求項1
ないし請求項3に示す方法の中から選ぶことにより、金
属多孔板に形成される空孔の大きさや空隙率を自由に選
ぶことができ、金属多孔板に対する種々のニーズに対応
できる。 (3)さらに、空孔の大きさや空隙率は、グリーンシー
トを減圧下で乾燥させることや、グリーンシートを圧廷
またはプレス加工することにより大きくしたり小さくし
たり調節することが可能である。 (4)このように製造工程が簡単で、かつ、高価な材料
を必要としないので、金属多孔板を安価に製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための装置の断面図である。
【符号の説明】
1 容器 2 攪拌翼 3 水 4 メレンゲ状の発泡体 6 フィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂井 進一郎 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川島 播磨重工業株式会社東二テクニカルセンタ ー内 (72)発明者 仁平 忍 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川島 播磨重工業株式会社東二テクニカルセンタ ー内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水中に金属粉と分散剤を投入して混合し
    た後、整泡剤と結合剤を添加し、攪拌翼により混合して
    微細な気泡を混入させたスラリとする工程と、スラリを
    グリーンシートに成形する工程と、グリーンシートを還
    元性の雰囲気で脱脂して焼結する工程とを有することを
    特徴とする、平均径が5〜50μmの空孔を有し、空隙
    率が85〜98%の金属多孔板の製造方法。
  2. 【請求項2】 水に整泡剤と結合剤を添加して混合液を
    調製し、攪拌翼を液体表面近傍にセットして回転させる
    ことにより、上記混合液をメレンゲ状に泡立てる工程
    と、泡立てた混合液中に金属粉と分散剤を投入して混合
    し、金属粉スラリとする工程と、スラリをグリーンシー
    トに成形する工程と、グリーンシートを還元性雰囲気で
    脱脂して焼結する工程とを有することを特徴とする、平
    均径が50〜100μmの空孔を有し、空隙率が85〜
    98%の金属多孔板の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記請求項2記載の金属多孔板の製造方
    法において、泡立てた混合液中に金属粉を投入するのに
    代えて、直径が10〜100μm、長さが200〜20
    00μmの金属短繊維を投入するものである金属多孔板
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記請求項3記載の金属多孔板の製造方
    法において、泡立てた混合液中に金属短繊維を投入する
    のに代えて、直径が20〜120μm、長さが200〜
    2000μmの短繊維状のグリ−ンファイバを投入する
    ものであって、グリ−ンファイバは、平均粒径が1〜3
    μmの金属粉と有機溶剤系の結合剤を混合してなる高粘
    度のスラリを押し出し成形したのち乾燥処理し、上記長
    さに切断したものである金属多孔板の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記請求項2ないし請求項4記載の金属
    多孔板の製造方法において、上記整泡剤と結合剤の混合
    液をメレンゲ状に泡立てる工程で、微細な孔径のフィル
    タを通して圧縮空気を断続的に注入することにより、平
    均径が100〜300μmの空孔を有し、空隙率が85
    〜98%の金属多孔板とする金属多孔板の製造方法。
  6. 【請求項6】 グリーンシートを減圧下で乾燥させるこ
    とにより、焼結した金属多孔板が内包する空孔径を大き
    くするように調整する請求項1ないし請求項5記載の金
    属多孔板の製造方法。
  7. 【請求項7】 グリーンシートを圧廷またはプレス加工
    することにより焼結した金属多孔板が内包する空孔径を
    小さくするように調整する請求項1ないし請求項5記載
    の金属多孔板の製造方法。
  8. 【請求項8】 金属粉はNi粉および/またはNiO粉
    であり、金属短繊維はNi製である請求項1ないし請求
    項7記載の金属多孔板の製造方法。
  9. 【請求項9】 上記Ni粉は平均粒径が2〜7μmの球
    状の粉体100%、または、平均粒径が2〜7μmの球
    状の粉体99〜30%と、平均粒径が0.5〜1μmの
    粉体1〜70%の混合物である請求項1ないし請求項8
    記載の金属多孔板の製造方法。
  10. 【請求項10】 上記スラリをグリーンシートに成形す
    る工程に替えて、スラリをNi製のパンチ板の両面に塗
    布したシートに形成する工程とする請求項8または請求
    項9記載の金属多孔板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007532778A (ja) * 2004-04-15 2007-11-15 ナムローゼ・フェンノートシャップ・ベーカート・ソシエテ・アノニム 金属繊維焼結体の製造方法
JP2013189676A (ja) * 2012-03-13 2013-09-26 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 金属多孔体及び金属多孔体の製造方法。
JP2020509155A (ja) * 2016-11-30 2020-03-26 エルジー・ケム・リミテッド 金属フォームの製造方法
CN111515395A (zh) * 2020-04-09 2020-08-11 安徽省新方尊自动化科技有限公司 具有多级孔结构的泡沫金属及其制备方法、吸声降噪材料

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