JPH11193258A - 3−ホルミルシクロアルケノン類の製造法 - Google Patents

3−ホルミルシクロアルケノン類の製造法

Info

Publication number
JPH11193258A
JPH11193258A JP36769097A JP36769097A JPH11193258A JP H11193258 A JPH11193258 A JP H11193258A JP 36769097 A JP36769097 A JP 36769097A JP 36769097 A JP36769097 A JP 36769097A JP H11193258 A JPH11193258 A JP H11193258A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
heteropolyacid
salt
acids
formylcycloalkenones
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP36769097A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasutaka Ishii
康敬 石井
Kazuyuki Matsuoka
一之 松岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Daicel Chemical Industries Ltd
Priority to JP36769097A priority Critical patent/JPH11193258A/ja
Publication of JPH11193258A publication Critical patent/JPH11193258A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C45/00Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds
    • C07C45/27Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by oxidation
    • C07C45/32Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by oxidation with molecular oxygen
    • C07C45/33Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by oxidation with molecular oxygen of CHx-moieties
    • C07C45/34Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by oxidation with molecular oxygen of CHx-moieties in unsaturated compounds

Abstract

(57)【要約】 【課題】 3−ホルミルシクロアルケノン類を簡単な工
程で効率よく得る。 【解決手段】 (i)リンバナドモリブデン酸などのヘ
テロポリ酸又はその塩と、(ii)無機酸やスルホン酸な
どのヘテロポリ酸以外の酸との共存下で、イソホロンな
どの下記式(1)で表される3−メチルシクロアルケノ
ン類を酸化する。式中、Yは2価の脂肪族炭化水素基を
示す。ヘテロポリ酸又はその塩は担体に担持した形態で
使用してもよい。ヘテロポリ酸以外の酸として、25℃
における水溶液中のpKaが3以下のプロトン酸などを
使用できる。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、3−メチルシクロ
アルケノン類を酸化して、対応する3−ホルミルシクロ
アルケノン類を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】3−ホルミルシクロアルケノン類は医
薬、香料、調味料及び高分子樹脂原料として有用な中間
化合物である。3−ホルミルシクロアルケノン類を製造
する方法としては、シクロ−1,3−ジオンより三工程
を経て製造する方法が知られている。しかし、この方法
では、工程数が多く、製造工程が複雑である。
【0003】西独公開特許第2,457,158号(1
975)には、イソホロンの酸素酸化によりケトイソホ
ロンを製造する際、副生物として3−ホルミルシクロア
ルケノンが得られることが記載されている。しかし、こ
の方法では、3−ホルミルシクロアルケノンは副生物と
して得られるため、高い収率で工業的に有利に得ること
は困難である。
【0004】特開昭58−154528号公報には、
鉄、ルテニウム、ロジウム及びコバルトから選ばれた少
なくとも一種の金属塩の存在下、3−メチルシクロアル
ケノン類を酸素酸化することにより3−ホルミルシクロ
アルケノン類を製造する方法が提案されている。しか
し、この方法では、空時収率が低く、経済的でない。し
かも、この文献の方法では、3−ホルミルシクロアルケ
ノン類の収率が約15〜25重量%と低く、効率よく3
−ホルミルシクロアルケノン類を生産できない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、3−ホルミルシクロアルケノン類を、簡単な工程で
効率よく得ることのできる方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、3−ホルミルシクロアルケノン類
を高い収率で工業的に有利に製造できる方法を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため、鋭意検討した結果、3−メチルシクロ
アルケノン類を酸化する際に、触媒として特定の2種の
成分を組み合わせて用いると、簡単な工程で効率よく3
−ホルミルシクロアルケノン類を製造できることを見い
だし、本発明を完成した。すなわち、本発明の方法で
は、(i)ヘテロポリ酸又はその塩と(ii)ヘテロポリ
酸以外の酸の共存下、下記式(1)
【化2】 (式中、Yは2価の脂肪族炭化水素基を示す)で表され
る3−メチルシクロアルケノン類を酸化して対応する3
−ホルミルシクロアルケノン類を生成させる。
【0007】この方法において、ヘテロポリ酸又はその
塩(i)には、Pと、V及びMoの少なくとも1つの元
素とを含むヘテロポリ酸又はその塩などが含まれる。ま
た、ヘテロポリ酸又はその塩(i)は、下記式 A3+n[PVnMo12-n40] (式中、Aは水素原子、NH4、アルカリ金属及びアル
カリ土類金属から選択された少なくとも1種を示し、n
は1〜10の整数である)で表されるリンバナドモリブ
デン酸又はその塩であってもよい。さらに、ヘテロポリ
酸又はその塩(i)は担体に担持されていてもよい。ヘ
テロポリ酸以外の酸(ii)として、25℃における水溶
液中のpKaが3以下のプロトン酸(例えば、無機酸、
スルホン酸、ハロアルカン酸など)を用いることができ
る。3−メチルシクロアルケノン類にはイソホロンなど
が含まれる。
【0008】
【発明の実施の形態】[3−メチルシクロアルケノン
類]本発明の方法では、前記式(1)で表される3−メ
チルシクロアルケノン類を酸化して、下記式(2)で表
される3−ホルミルシクロアルケノン類を生成させる。
【0009】
【化3】 前記式(1)中、Yで表される2価の脂肪族炭化水素基
には、飽和又は不飽和の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭
化水素基が含まれる。分岐鎖状炭化水素基においては、
主鎖を形成する同一炭素上に1又は2個のアルキル基が
置換していてもよい。2価の脂肪族炭化水素基として、
例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレ
ン、2−メチルトリメチレン、2,2−ジメチルトリメ
チレン、テトラメチレン、2−メチルテトラメチレン、
2,2−ジメチルテトラメチレン、ペンタメチレン、ヘ
キサメチレン基などのC1-10アルキレン基などが例示で
きる。好ましい2価の脂肪族炭化水素基は、直鎖状又は
分岐鎖状のC2-8アルキレン基であり、さらに好ましく
はC2-6アルキレン基である。
【0010】前記2価の脂肪族炭化水素基には、種々の
置換基、例えば、C1-4アルコキシ基、カルボキシル
基、アルコキシカルボニル基、脂環式炭化水素基(シク
ロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル
基など)、芳香族炭化水素基(フェニル基などのアリー
ル基)などが適当な位置に置換していてもよい。
【0011】反応成分である式(1)で表される3−メ
チルシクロアルケノン類は、少なくともカルボニル基の
α位に二重結合を1つ有し、β位にメチル基を1つ有し
ている環状ケトンであり、例えば、3−メチルシクロペ
ンテノン、3−メチルシクロヘキセノン、3,5−ジメ
チルシクロヘキセノン、3−メチルシクロヘプテノン、
イソホロン(1,5,5−トリメチルシクロヘキセン−
3−オン)、3−メチルシクロオクテノン、3,5−ジ
メチルシクロオクテノン、5−フェニル−3−メチルシ
クロヘキセノンなどが例示できる。また、上記の構造を
有していれば、2個又はそれ以上の原子を共有する二環
系縮合環化合物(例えば、4−メチルビシクロ[4.
4.0]デカン−3−エン−2−オンなどであってもよ
い。
【0012】[酸化源]本発明において、酸化源として
は、酸素や酸素含有ガスのほか、酸素を生成する化合物
も使用できる。酸化源としては、例えば、酸素高純度ガ
スを用いてもよく、必要に応じて反応に不活性なガス、
例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素などに
より希釈して、反応系に供給してもよい。酸素含有ガス
として空気を用いることができる。酸素の使用量は、式
(1)で表される化合物1モルに対して0.5モル以上
(例えば、0.5〜1000モル程度)、好ましくは過
剰モル(例えば1〜1000モル程度)である。反応は
通常、大過剰の酸素雰囲気下で行われる。
【0013】[ヘテロポリ酸又はその塩(i)]本発明
の特色は、触媒として、(i)ヘテロポリ酸又はその塩
と、(ii)ヘテロポリ酸以外の酸又はその塩とを併用す
る点にある。ヘテロポリ酸とは、種類の異なる2種以上
の中心イオンを含む酸素酸の縮合物であり、異核縮合酸
ともいう。ヘテロポリ酸は、例えば、P、As、Sn、
Si、Ti、Zrなどの元素の酸素酸イオン(例えば、
リン酸、ケイ酸など)と、V、Mo、Wなどの元素の酸
素酸(例えば、バナジン酸、モリブデン酸、タングステ
ン酸など)とで構成されており、その組み合わせにより
種々のヘテロポリ酸が可能である。
【0014】ヘテロポリ酸を構成する酸素酸のヘテロ原
子は特に限定されず、例えば、Cu、Be、B、Al、C、
Si、Ge、Sn、Ti、Zr、Ce、Th、N、P、A
s、Sb、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、U、S
e、Te、Mn、I、Fe、Co、Ni、Rh、Os、
Ir、Ptなどが例示できる。好ましいヘテロポリ酸
は、P、Si、V、Mo、Wの少なくとも一種の元素を
含有しており、さらに好ましくはPと、V及びMoの少
なくとも1つの元素とを含有している。
【0015】ヘテロポリ酸又はその塩を構成するヘテロ
ポリ酸アニオンとして、下記組成式で表されるアニオン
が例示できる。 XM1240、XM1034、XM1242、XM1139、XM10
m、XM932、XM624、X21862、X21856、X
21242、X217m、XM6m (式中、Xは、B、Si、P、C、Al、Nなどの元素
を示す。Mは、Mo、W、V、Nb、Ta、Cr、Uな
どの元素を示す。mは15〜80の整数を示す) 好ましいXは、B、Si、Pなどの元素であり、好まし
いMは、Mo、W、Vなどの元素である。なお、Mは、
一種類の元素に制限されるものではなく、二種以上の元
素であってもよい。
【0016】mは、M及びXの価数に応じて15〜80
程度の範囲から選択でき、通常、組成式「XM10m
で表されるヘテロポリ酸アニオンでは25〜35程度、
組成式「X217m」で表されるヘテロポリ酸アニオン
では60〜80程度、組成式「XM6m」で表されるヘ
テロポリ酸アニオンでは15〜25程度である。
【0017】好ましいヘテロポリ酸アニオンの組成は、
XM1240で表すことができる。この組成式において、
Xは、Si、Pなどの元素であり、Mは、Mo、W、V
などの元素である。このような組成を有するヘテロポリ
酸アニオンとして、例えば、リンモリブデン酸、リンタ
ングステン酸、ケイモリブデン酸、ケイタングステン
酸、リンバナドモリブデン酸のアニオンなどが例示でき
る。特に好ましいヘテロポリ酸アニオンは、リンモリブ
デン酸、リンバナドモリブデン酸のアニオンであり、な
かでもリンバナドモリブデン酸アニオンが好ましい。
【0018】ヘテロポリ酸は、遊離のヘテロポリ酸とし
て十分に高い活性を示すが、ヘテロポリ酸のカチオンに
相当する水素原子の少なくとも一部を他のカチオンで置
換して、ヘテロポリ酸の塩として使用することもでき
る。ヘテロポリ酸の塩とすることにより、例えば不溶化
し、安定性や耐熱性が向上して、触媒としてより有用性
が増大する場合がある。前記置換可能なカチオンとして
は、特に限定されず、例えば、アンモニウム(NH4
ど)、アルカリ金属(Cs、Rb、K、Na、Liな
ど)、アルカリ土類金属(Ba、Sr、Ca、Mgな
ど)などが例示できる。特に、ヘテロポリ酸の水素原子
の一部をNH4で置換し、カチオンをHとNH4との双方
で構成した場合には、触媒活性や安定性がより向上す
る。このばあい、Hに対するNH4の割合は、NH4/H
(モル比)=0.1〜10、好ましくは0.2〜8、さ
らに好ましくは0.3〜5程度である。ヘテロポリ酸及
びその塩は、単独で用いてもよいが、2種以上を併用す
ることもできる。
【0019】前記ヘテロポリ酸又はその塩のなかでも、
下記式で表されるリンバナドモリブデン酸又はその塩が
好適に用いられる。 A3+n[PVnMo12-n40] (式中、Aは、ヘテロポリ酸カチオンを表し、nは1〜
10の整数である) Aで表されるカチオンとしては、水素原子のほか、前記
のカチオンが例示できる。nの値は、酸化力、安定性を
考慮して適宜選択することができ、好ましくは4〜10
(例えば、4〜8)、より好ましくは5〜8程度であ
る。ヘテロポリ酸カチオンをHと他のカチオン(例えば
NH4など)とで構成する場合、nの値は4〜10程度
である場合が多い。
【0020】ヘテロポリ酸又はその塩の使用量は、特に
限定されないが、式(1)で表される3−メチルシクロ
アルケノン類に対して、例えば0.01〜200重量
%、好ましくは0.02〜100重量%、さらに好まし
くは0.05〜50重量%(例えば、0.1〜25重量
%)程度である。
【0021】[担体]ヘテロポリ酸又はその塩は、その
まま触媒として使用できるが、担体に担持した形態で、
固体触媒として用いることもできる。ヘテロポリ酸又は
その塩を担体に担持することにより触媒活性が増大する
場合が多い。
【0022】前記担体には、慣用の担体、例えば、活性
炭、アルミナ、シリカ、炭化ケイ素、シリカ−アルミ
ナ、ベントナイト、マグネシア、チタニア、バナジア、
ジルコニア、ゼオライト、ケイソウ土、カオリンなどの
無機担体やスチレン−ジビニルベンゼン共重合体などの
有機担体が含まれる。好ましい担体には、活性炭、アル
ミナ、チタニア、炭化ケイ素、シリカ−アルミナ、ベン
トナイト、ゼオライトなどの多孔質担体が含まれ、特に
活性炭が好ましい。活性炭を使用すると、式(1)で表
される化合物の3位に結合しているメチル基の酸化反応
の選択性をより向上させることができる。活性炭は粉粒
状、繊維状の何れであってもよい。
【0023】担体の比表面積は、特に制限されず、10
〜4500m2/g、好ましくは50〜4000m2/g
程度であり、通常100〜3000m2/g程度であ
る。触媒活性の点から、活性炭の比表面積は、例えば3
00〜4000m2/g、特に400〜3000m2/g
程度が好ましく、比表面積500〜2000m2/g程
度の活性炭を用いる場合が多い。
【0024】活性炭の平均孔径は、5〜200オングス
トローム、好ましくは10〜100オングストローム程
度である。また、活性炭の細孔容積は、例えば0.1〜
10ml/g、好ましくは0.3〜5ml/g程度であ
る。担体に対するヘテロポリ酸又はその塩の担持量は、
触媒活性を損なわない範囲で選択でき、例えば、担体1
00重量部に対して0.1〜100重量部、好ましくは
0.5〜50重量部、さらに好ましくは5〜30重量
部、特に5〜20重量部程度である。
【0025】ヘテロポリ酸又はその塩の担体への担持
は、慣用の方法、例えば、含浸法、コーティング法、噴
霧法、吸着法、沈殿法などにより行うことができる。特
に、触媒成分であるヘテロポリ酸又はその塩を均一かつ
高度に分散して担体に担持させる方法、例えば、含浸法
や吸着法などが繁用される。均一に担持させるため、ヘ
テロポリ酸又はその塩を水などの溶媒に溶解又は分散さ
せて担体に担持する場合が多い。
【0026】[ヘテロポリ酸以外の酸(ii)]ヘテロポ
リ酸以外の酸は、プロトン酸、ルイス酸の何れであって
もよいが、通常、プロトン酸が用いられる。プロトン酸
には、無機酸及び有機酸が含まれる。無機酸としては、
例えば、硫酸、硝酸、ハロゲン化水素(フッ化水素、塩
化水素、臭化水素、ヨウ化水素、及び対応するハロゲン
化水素酸)、リン酸、ホウ酸などが挙げられる。有機酸
としては、脂肪族カルボン酸(例えば、ギ酸、酢酸など
のアルカン酸;モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリク
ロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ペンタフルオロプロピオ
ン酸などのハロアルカン酸など)、脂環式カルボン酸
(例えば、シクロヘキサンカルボン酸など)、芳香族カ
ルボン酸(例えば、安息香酸など)などのカルボン酸;
アルキルスルホン酸(例えば、メタンスルホン酸、エタ
ンスルホン酸など)、ハロアルキルスルホン酸(例え
ば、トリフルオロメタンスルホン酸など)、アリールス
ルホン酸(例えば、ベンゼンスルホン酸、p−トルエン
スルホン酸、ナフタレンスルホン酸など)などのスルホ
ン酸などが挙げられる。プロトン酸として陽イオン交換
樹脂(例えば、スルホン酸型イオン交換樹脂などの強酸
性イオン交換樹脂など)を用いることもできる。
【0027】前記酸のうち、好ましい酸には、25℃に
おける水溶液中のpKaが3以下(例えば、−14〜3
程度)のプロトン酸が含まれる。なかでも、前記pKa
が0以下(例えば、−14〜0程度)、特に−2以下
(例えば、−14〜−2程度)のプロトン酸が好まし
い。好ましい酸として、例えば、硫酸、硝酸、ハロゲン
化水素(ハロゲン化水素酸を含む)、リン酸などの無機
酸;アルキルスルホン酸、ハロアルキルスルホン酸、ア
リールスルホン酸などのスルホン酸;トリクロロ酢酸な
どのハロアルカン酸などが挙げられる。前記酸(ii)
は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用い
てもよい。
【0028】前記酸(ii)の使用量は、特に制限はない
が、式(1)で表される3−メチルシクロアルケノン類
に対して、例えば0.01〜250モル%、好ましくは
0.1〜200モル%、さらに好ましくは1〜100モ
ル%、特に2〜50モル%(例えば、3〜25モル%)
程度である。
【0029】[反応]酸化反応は、気相酸化、液相酸化
の何れであってもよい。反応は、溶媒の非存在下で行っ
てもよく、反応に不活性な溶媒中で行ってもよい。前記
溶媒として、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベ
ンゼンなどの芳香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタン、オ
クタンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサンなどの脂
環式炭化水素;四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメ
タン、1、2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水
素;酢酸、プロピオン酸、酪酸などのカルボン酸;アセ
トン、メチルエチルケトンなどのケトン;酢酸メチル、
酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチルなどのエス
テル;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミドなどのアミド;アセトニトリル、プロピ
オニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル;ジエチル
エーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジオ
キサン、テトラヒドロフランなどの鎖状または環状エー
テルなどが挙げられる。これらの溶媒は一種で、又は二
種以上混合して用いられる。
【0030】反応温度は、反応速度及び反応選択性を考
慮して適宜選択できるが、例えば、30〜300℃、好
ましくは50〜200℃程度である。反応はバッチ式、
セミバッチ式、連続式などの何れの方法で行ってもよ
い。反応により生成した3−ホルミルシクロアルケノン
類は、慣用の分離手段、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽
出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの分
離手段により、又はこれらを組み合わせることにより容
易に分離精製できる。
【0031】本発明では、触媒として特定の2種の成分
を組み合わせて使用するので、3−メチルシクロアルケ
ノン類から3−ホルミルシクロアルケノン類を、高い収
率で効率よく生成させることができる。
【0032】
【発明の効果】本発明の方法によれば、3−ホルミルシ
クロアルケノン類を、簡単な工程で、生産性よく製造す
ることができる。また、3−ホルミルシクロアルケノン
類を高い収率で工業的に有利に製造することができる。
【0033】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
【0034】実施例1 メタバナジン酸ナトリウム43.90gとモリブデン酸
ナトリウム49.32gとに水300mlを加え、95
℃に加熱して水溶液を得た。この水溶液に、85重量%
リン酸45.6gと水60mlとの混合溶液を加え、9
5℃で1時間撹拌下した。その後、0℃に冷却し、塩化
アンモニウム35.6gを水126mlに溶解した溶液
を加え、褐色の沈殿物を得た。この沈殿物を濾別し、水
で2回再結晶した。結晶を分析したところ、(NH45
4[PV8Mo440]・9.6H2Oの組成を有するヘ
テロポリ酸のアンモニウム塩であった。
【0035】得られたヘテロポリ酸のアンモニウム塩2
00mgを水4000mlに溶解し、この溶液に活性炭
1800mgを加え、1時間撹拌し、室温で放置した。
この混合物を濾過し、水1000mlで洗浄し、80℃
で乾燥することにより、活性炭に担持した触媒を得た。
触媒の担持量は、活性炭に対して10重量%であった。
【0036】上記で調製した触媒1.75g、イソホロ
ン1.38g、トルエン20g及びメタンスルホン酸
0.094gをガラス製フラスコ(容量50ml)に入
れ、酸素ガスを毎分20mlの速度で供給し、反応温度
80℃で20時間反応を行った。反応混合液をガスクロ
マトグラフィーで分析した結果、イソホロンの93%が
反応し、反応したイソホロンの75%が5,5−ジメチ
ル−3−ホルミル−2−シクロヘキセン−1−オンに転
化していた。
【0037】参考例1 メタンスルホン酸を用いることなく反応を行うととも
に、反応温度を100℃とした以外は、実施例1と同様
の操作を行った。反応混合液を分析した結果、イソホロ
ンの88%が反応し、反応したイソホロンの62%が
5,5−ジメチル−3−ホルミル−2−シクロヘキセン
−1−オンに転化していた。
【0038】実施例2 メタンスルホン酸に代えて97重量%硫酸を0.05g
用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。反応混合
液を分析した結果、イソホロンの95%が反応し、反応
したイソホロンの66%が5,5−ジメチル−3−ホル
ミル−2−シクロヘキセン−1−オンに転化していた。
【0039】実施例3 メタンスルホン酸に代えて85重量%硫酸を0.035
g用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。反応混
合液を分析した結果、イソホロンの90%が反応し、反
応したイソホロンの71%が5,5−ジメチル−3−ホ
ルミル−2−シクロヘキセン−1−オンに転化してい
た。
【0040】実施例4 メタンスルホン酸の使用量を0.5gとした以外は実施
例1と同様の操作を行った。反応混合液を分析した結
果、イソホロンの93%が反応し、反応したイソホロン
の75%が5,5−ジメチル−3−ホルミル−2−シク
ロヘキセン−1−オンに転化していた。
【0041】上記より明らかなように、実施例1〜4で
は、イソホロンから5,5−ジメチル−3−ホルミル−
2−シクロヘキセン−1−オンを高い転化率及び選択率
で生成させることができ、前記特開昭58−15452
8号公報に記載の方法に比べ、極めて高い収率で目的物
を得ることができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)ヘテロポリ酸又はその塩と(ii)
    ヘテロポリ酸以外の酸の共存下、下記式(1) 【化1】 (式中、Yは2価の脂肪族炭化水素基を示す)で表され
    る3−メチルシクロアルケノン類を酸化して、対応する
    3−ホルミルシクロアルケノン類を生成させる3−ホル
    ミルシクロアルケノン類の製造法。
  2. 【請求項2】 ヘテロポリ酸又はその塩(i)が、P
    と、V及びMoの少なくとも1つの元素とを含むヘテロ
    ポリ酸又はその塩である請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】 ヘテロポリ酸又はその塩(i)が、下記
    式 A3+n[PVnMo12-n40] (式中、Aは水素原子、NH4、アルカリ金属及びアル
    カリ土類金属から選択された少なくとも1種を示し、n
    は1〜10の整数である)で表されるリンバナドモリブ
    デン酸又はその塩である請求項1記載の製造法。
  4. 【請求項4】 ヘテロポリ酸又はその塩(i)を担体に
    担持した形態で用いる請求項1記載の製造法。
  5. 【請求項5】 ヘテロポリ酸以外の酸(ii)として、2
    5℃における水溶液中のpKaが3以下のプロトン酸を
    用いる請求項1記載の製造法。
  6. 【請求項6】 ヘテロポリ酸以外の酸(ii)が、無機
    酸、スルホン酸及びハロアルカン酸から選択された少な
    くとも1種の酸である請求項1記載の製造法。
  7. 【請求項7】 3−メチルシクロアルケノン類としてイ
    ソホロンを用いる請求項1記載の製造法。
JP36769097A 1997-12-26 1997-12-26 3−ホルミルシクロアルケノン類の製造法 Pending JPH11193258A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36769097A JPH11193258A (ja) 1997-12-26 1997-12-26 3−ホルミルシクロアルケノン類の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36769097A JPH11193258A (ja) 1997-12-26 1997-12-26 3−ホルミルシクロアルケノン類の製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11193258A true JPH11193258A (ja) 1999-07-21

Family

ID=18489955

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP36769097A Pending JPH11193258A (ja) 1997-12-26 1997-12-26 3−ホルミルシクロアルケノン類の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11193258A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH04250854A (ja) メタクロレインの気相酸化によるメタクリル酸製造用の触媒組成物
JPH0789896A (ja) 酢酸の製造方法
JP4090885B2 (ja) シクロヘキサノンオキシムの製造方法
US6458737B1 (en) Catalyst for oxidizing methylbenzenes and method for producing aromatic aldehyde
US6100430A (en) Alicyclic polyamines and process for the preparation thereof
CA2027323C (en) Process for preparing catalysts for producing methacrylic acid
KR20100126497A (ko) 카르보닐 화합물의 제조 방법
JPH11193258A (ja) 3−ホルミルシクロアルケノン類の製造法
JP2000103758A (ja) 芳香族ケトンの製造方法
JPH10158209A (ja) 3−ホルミルシクロアルケノン類の製造方法
JP3737028B2 (ja) メチルベンゼン類酸化用触媒及び芳香族アルデヒドの製造方法
JP2002191979A (ja) 酸化触媒及びそれを用いたカルボニル化合物の製造方法
JP2631866B2 (ja) ピリミジン類の製造法
JPS63243064A (ja) ベンゾニトリル類の製法
US6215031B1 (en) 3-hydroxymethylcycloalkanols and process for producing them
JP2001302581A (ja) ジアルデヒドの製造方法
JP2000119258A (ja) シアノピリミジン類の製造法
JP3020153B2 (ja) エタノール合成用触媒
US7102025B2 (en) Method for producing alkyl and/or cycloalkyl-substituted cyclic nitrile
JP3473037B2 (ja) 芳香族化合物の水酸化方法
JPH05170699A (ja) 酢酸エチルの製造方法
JPS5832835A (ja) フエノ−ル類の製造方法
JPS6092236A (ja) シクロヘキサノンの製造方法
JP4686001B2 (ja) シアノイソキノリン類の製造方法
JP2002265410A (ja) ケトンの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20041007

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090106

A02 Decision of refusal

Effective date: 20090512

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02