JPH10158209A - 3−ホルミルシクロアルケノン類の製造方法 - Google Patents

3−ホルミルシクロアルケノン類の製造方法

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JPH10158209A
JPH10158209A JP31377796A JP31377796A JPH10158209A JP H10158209 A JPH10158209 A JP H10158209A JP 31377796 A JP31377796 A JP 31377796A JP 31377796 A JP31377796 A JP 31377796A JP H10158209 A JPH10158209 A JP H10158209A
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formylcycloalkenones
heteropolyacid
salt
producing
carrier
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Kazuyuki Matsuoka
一之 松岡
Yasutaka Ishii
康敬 石井
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Daicel Corp
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Daicel Chemical Industries Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C45/00Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds
    • C07C45/27Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by oxidation
    • C07C45/32Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by oxidation with molecular oxygen
    • C07C45/33Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by oxidation with molecular oxygen of CHx-moieties
    • C07C45/34Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by oxidation with molecular oxygen of CHx-moieties in unsaturated compounds

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な工程で、3−ホルミルシクロアルケノ
ン類を生産性よく得ることができ、主生成物としての3
−ホルミルシクロアルケノン類を高い収率で、工業的に
有利に製造できる方法を提供する。 【解決手段】 ヘテロポリ酸又はその塩の存在下、3−
メチルシクロアルケノン類と酸素とを反応させ、3−ホ
ルミルシクロアルケノン類を製造する。ヘテロポリ酸
は、P,VおよびMoの少なくとも一種の元素を含んで
いてもよい。また、ヘテロポリ酸の一部が、アンモニウ
ム塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩であっても
よい。また、前記触媒は、触媒単独で使用できるのみな
らず、担体に担持しても使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、3−メチルシクロ
アルケノン類の酸化により3−ホルミルシクロアルケノ
ン類を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】3−ホルミルシクロアルケノン類は医
薬、香料、調味料および高分子樹脂原料として有用な中
間化合物である。
【0003】3−ホルミルシクロアルケノン類を製造す
る方法としては、シクロ−1,3−ジオンより三工程を
経て製造する方法が知られている。しかし、この方法で
は、製造に多くの工程を必要とするとともに、製造工程
が複雑である。
【0004】西独公開特許第2,457,158号(1
975)には、イソホロンの酸素酸化により、ケトイソ
ホロンを製造する際、副生物として3−ホルミルシクロ
アルケノンを得る方法が提案されている。しかし、この
方法では、3−ホルミルシクロアルケノンは副生成物と
して得られるため、3−ホルミルシクロアルケノンをよ
り高い収率で、工業的に有利に得ることが困難である。
【0005】さらに、特開昭58−154528号公報
には、鉄、ルテニウム、ロジウムおよびコバルトから選
ばれた少なくとも一種の金属塩の存在下、3−メチルシ
クロアルケノン類を酸素酸化することにより3−ホルミ
ルシクロアルケノン類を製造する方法が提案されてい
る。しかし、この方法では、空時収率が低く、経済的で
ない。しかも、この文献の方法では、3−ホルミルシク
ロアルケノン類の収率が約15〜25重量%と低く、効
率よく3−ホルミルシクロアルケノン類を工業的に有利
に生産できない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、簡単な工程で、3−ホルミルシクロアルケノン類を
高い効率で得ることができる方法を提供することにあ
る。
【0007】本発明の他の目的は、3−ホルミルシクロ
アルケノン類を高い収率で、工業的に有利に製造できる
方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討した結果、3−メチルシクロア
ルケノン類を酸化する際に、触媒としてヘテロポリ酸ま
たはその塩類を使用すると、簡単な工程で、効率よく3
−ホルミルシクロアルケノン類を製造できることを見い
だし、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明の方法では、ヘテロポリ
酸又はその塩類の存在下、3−メチルシクロアルケノン
類と酸素とを反応させ、3−ホルミルシクロアルケノン
類を製造する。ヘテロポリ酸は、PとVおよびMoの少
なくとも一種の元素を含んでいてもよい。また、ヘテロ
ポリ酸のカチオン成分の一部が、アンモニウム塩、アル
カリ金属塩、アルカリ土類金属塩であってもよい。
【0010】また、前記触媒は、触媒単独で使用できる
のみならず、活性炭などの担体に担持しても使用でき
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法は、ヘテロポリ
酸又はその塩類の触媒下で、下記式(1)で表わされる
3−メチルシクロアルケノン類を酸化し、下記式(2)
で表わされる3−ホルミルシクロアルケノン類を生成す
ることにより行われる。
【0012】
【化2】 (式中、Yは飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基を示
す) [3−メチルシクロアルケノン類]前記式(1)中、Y
で表わされる飽和又は不飽和脂肪族炭化水素基は、直鎖
状であってもよく、分岐鎖状であってもよく、分岐鎖状
炭化水素基においては、同一炭素上に1又は2個のアル
キル基が置換していてもよい。脂肪族炭化水素基として
は、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、
トリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、2,2−
ジメチルトリメチレン基、テトラメチレン基、2−メチ
ルテトラメチレン基、2,2−ジメチルテトラメチレン
基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基などのC1-10
アルキレン基などが例示できる。好ましい脂肪族炭化水
素基は、直鎖状又は分岐鎖状C2-8 アルキレン基、特に
2-6アルキレン基である。
【0013】また、これらの脂肪族炭化水素基には、種
々の置換基、例えば、C1-4 アルコキシ基、カルボキシ
ル基、アルコキシカルボニル基、脂環式炭化水素基(シ
クロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニ
ル基など)、芳香族炭化水素基(フェニル基などのアリ
ール基)などが適当な位置に置換していてもよい。
【0014】反応基質として前記式(1)で表わされる
3−メチルシクロアルケノン類は、少なくともα位に二
重結合を一つ有し、β位にメチル基を一つ有している環
状ケトンであり、例えば、3−メチルシクロペンテノ
ン、3−メチルシクロヘキセノン、3,5−ジメチルシ
クロヘキセノン、3−メチルシクロヘプテノン、イソホ
ロン(1,5,5−トリメチルシクロへキセン−3−オ
ン)、3−メチルシクロオクテノン、3,5−ジメチル
シクロオクテノン、5−フェニル−3−メチルシクロへ
キセノンなどが例示できる。また、上記の構造を有して
いれば、2個又はそれ以上の原子を共有する二環縮合環
化物(例えば、4−メチルビシクロ[4.4.0]デカ
ン−3−エン−2−オンなど)であってもよい。
【0015】[酸化源]本発明において酸化源として
は、酸素や酸素含有ガスの他、酸素を生成する化合物も
使用できる。酸化源としては、例えば、酸素高純度ガス
を用いてもよく、必要に応じて反応に不活性なガス、例
えば、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素などによ
り希釈して、反応系に供給してもよい。不活性ガスで希
釈する場合、酸素に代えて空気を用い、空気中の窒素を
不活性ガスとして利用することもできる。
【0016】酸素濃度は、反応基質1モルに対して0.
5モル以上(0.5〜1000モル)、好ましくは過剰
モル(1〜1000モル)程度であってもよく、反応
は、通常、大過剰の酸素、例えば、酸素又は酸素含有ガ
スの雰囲気下で行われる。
【0017】[触媒]本発明の特色は、触媒として、ヘ
テロポリ酸又はその塩類を用い、高い収率で3−ホルミ
ルシクロアルケノン類を得る点にある。ヘテロポリ酸と
は、種類の異なる2種以上の中心イオンを含む酸素酸の
縮合物であり、異核縮合酸ともいう。ヘテロポリ酸は、
例えば、P、As、Sn、Si、Ti、Zrなどの元素
の酸素酸イオン(例えば、リン酸、ケイ酸など)と、
V、Mo、Wなどの元素の酸素酸(例えば、バナジン
酸、モリブデン酸、タングステン酸など)とで構成され
ており、その組合わせにより種々のヘテロポリ酸が可能
である。
【0018】ヘテロポリ酸を構成する酸素酸のヘテロ原
子は特に限定されず、例えば、Cu、Be、B、Al、
C、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、Ce、Th、N、
P、As、Sb、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、
U、Se、Te、Mn、I、Fe、Co、Ni、Rh、
Os、Ir、Ptなどであってもよい。好ましいヘテロ
ポリ酸は、P、Si、V、Mo、Wの少なくとも一種の
元素を含有しており、さらに好ましくはPとVおよびM
oの少なくとも一種の元素を含有している。
【0019】ヘテロポリ酸アニオンとしては、下記組成
式で表わされる化合物が例示できる。 XM1240、XM1034、XM1242、XM1139、X
10m 、XM9 32、XM6 24、X2 1856、X
2 1856、X2 1242、X2 17m 、XM 6 m (式中、Xは、B、Si、P、C、Al、Nなどの元素
を示す。Mは、Mo、W、V、Nb、Ta、Cr、Uな
どの元素を示す。mは、15〜80の整数を示す) 好ましい「X」は、B、Si、Pなどの元素である。ま
た、好ましい「M」は、Mo、W、Vなどの元素であ
る。なお、「M」は、一種類の元素に制限されるもので
なく、二種以上の元素であってもよい。
【0020】「m」は、「M」および「X」の価数に応
じて15〜80程度の範囲から選択でき、通常、組成式
「XM10m 」で表わされるヘテロポリ酸アニオンでは
25〜35程度、組成式「X2 17m 」で表わされる
ヘテロポリ酸アニオンでは60〜80程度、組成式「X
6 m 」で表わされるヘテロポリ酸アニオンでは15
〜25程度である。
【0021】好ましいヘテロポリ酸アニオンの組成は、
XM1240で表わすことができる。「X」は、Si、P
などの元素であり、「M」は、Mo、W、Vなどの元素
である。このような組成を有するヘテロポリ酸として
は、例えば、リンモリブデン酸、リンタングステン酸、
ケイモリブデン酸、ケイタングステン酸、リンバナドモ
リブデン酸などが例示できる。特に好ましいヘテロポリ
酸は、リンモリブデン酸、リンバナドモリブデン酸、な
かでも、リンバナドモリブデン酸である。
【0022】リンバナドモリブデン酸又はその塩類は、
下記式で表される。 A3+n [PVn Mo12-n40] (式中、Aは、ヘテロポリ酸カチオン表わし、nは、1
〜10の整数である) 「A」で表わされるヘテロポリ酸カチオンは、水素原子
の他、他のカチオン、例えば、NH4 、アルカリ金属
(Cs、Rb、K、Na、Liなど)、アルカリ土類金
属(Ba、Sr、Ca、Mgなど)などであってもよ
い。
【0023】なお、ヘテロポリ酸は、遊離のヘテロポリ
酸として、十分に高い活性を示すが、ヘテロポリ酸カチ
オンの水素原子の少なくとも一部を置換することも可能
である。ヘテロポリ酸カチオンの一部を置換すること
で、ヘテロポリ酸が不溶化し、安定性や耐熱性を向上さ
せることができ、より有用な触媒とすることができる。
置換可能なカチオンとしては、種類は特に限定されず、
例えば、NH4 、アルカリ金属(Cs、Rb、K、N
a、Liなど)、アルカリ土類金属(Ba、Sr、C
a、Mgなど)などが例示できる。特に、ヘテロポリ酸
の一部をアンモニウムカチオンで置換し、カチオンをH
とNH4 との双方で構成した場合には、ヘテロポリ酸の
活性や安定性がより向上する。この場合、水素原子に対
するNH4 の割合は、NH4 /H(モル比)=0.1〜
10、好ましくはNH4 /H(モル比)=0.2〜8、
さらに好ましくはNH4 /H(モル比)=0.3〜5程
度である。
【0024】「n」の値は、酸化力、安定性を考慮し
て、適宜選択することができ、例えば、1〜10、好ま
しくは4〜10(例えば、4〜8)、より好ましくは5
〜8程度である。また、ヘテロポリ酸カチオンをHと他
のカチオン(NH4 など)で構成する場合、「n」の値
は、4〜10程度である場合が多い。これらのヘテロポ
リ酸又はその塩類は、単独でまたは二種以上組み合わせ
て使用できる。
【0025】[担体]ヘテロポリ酸又はその塩類は、単
独で触媒として用いることが可能であるが、担体に担持
して固体触媒として用いてもよい。このように担体に担
持させることにより、触媒活性が増大する。
【0026】触媒成分を担持するための担体には、慣用
の担体、例えば、活性炭、アルミナ、シリカ、炭化ケイ
素、シリカ−アルミナ、ベントナイト、マグネシア、チ
タニア、バナジア、ジルコニア、ゼオライト、ケイソウ
土、カオリンなどの無機担体やスチレン−ジビニルベン
ゼン共重合体などの有機担体が含まれる。好ましい担体
には、活性炭、アルミナ、チタニア、炭化ケイ素、シリ
カ−アルミナ、ベントナイト、ゼオライトなどの多孔質
担体が含まれ、特に活性炭が好ましい。活性炭を使用す
ると、反応基質の3位のメチル基の酸化反応の選択性を
より向上させることができる。活性炭は粉粒状又は繊維
状であってもよい。
【0027】担体の比表面積は、特に制限されず、10
〜4500m2 /g、好ましくは、50〜4000m2
/g程度であり、通常、100〜3000m2 /g程度
である。好ましい活性炭の比表面積は、触媒活性を高め
るため、例えば、300〜4000m2 /g、好ましく
は400〜3000m2 /g程度であり、比表面積50
0〜2000m2 /g程度の活性炭を用いる場合が多
い。
【0028】活性炭の平均孔径は5〜200オングスト
ローム、好ましくは10〜100オングストローム程度
である。また、活性炭の細孔容積は、例えば、0.1〜
10ml/g、好ましくは、0.3〜5ml/g程度で
ある。
【0029】担体に対するヘテロポリ酸又はその塩類の
担持量は、触媒活性を損なわない範囲で選択でき、例え
ば、担体100重量部に対して0.1〜100重量部、
好ましくは0.5〜50重量部、さらに好ましくは5〜
30重量部程度、特に5〜20重量部程度である。
【0030】前記担体へのヘテロポリ酸又はその塩類の
担持は、慣用の方法、例えば、含浸法、コーティング
法、噴霧法、吸着法、沈殿法などにより行うことができ
る。特に、触媒成分を均一かつ高度に分散して担体に担
持させる方法、例えば、含浸法や吸着法などが利用でき
る。
【0031】ヘテロポリ酸又はその塩類の担持に際して
は、通常、水などの溶媒を用い、触媒溶液を均一に担持
させる場合が多い。
【0032】[反応]酸化反応は、気相酸化および液相
酸化のいずれであってもよい。反応は、溶媒の非存在下
で行ってもよく、反応に不活性な溶媒中で行ってもよ
い。前記溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素;ヘキサン、
ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキ
サンなどの脂環式炭化水素;四塩化炭素、クロロホル
ム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンなどのハ
ロゲン化炭化水素;酢酸、プロピオン酸、酪酸などのカ
ルボン酸;アセトン、メチルエチルケトンなどのケト
ン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸
ブチルなどのエステル;N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド;アセ
トニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどの
ニトリル;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジメ
トキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフランなどの
エーテルなどが挙げられる。これらの溶媒は、一種又は
二種以上混合して使用できる。本発明の方法では、エー
テル類を用いなくても、高い収率で3−ホルミルシクロ
アルケノン類を得ることができるので、酸化に伴って過
酸化物が生成することがなく、工業的にも安全である。
【0033】反応温度は、反応速度及び選択性を考慮し
て、適宜選択でき、例えば、30〜300℃、好ましく
は50〜200℃程度である。
【0034】反応は、バッチ式、セミバッチ式や連続式
などの慣用の方法で行うことができる。反応により生成
した3−ホルミルシクロアルケノン類は、慣用の分離手
段、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、
カラムクロマトグラフィーなどの分離手段や、これらを
組合わせた分離手段により、容易に分離精製できる。
【0035】本発明では、前記触媒を使用することで、
3−メチルシクロアルケノン類からの3−ホルミルシク
ロアルケノン類の収率を48〜58重量%まで高めるこ
とができる。
【0036】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
【0037】実施例1 メタバナジン酸ナトリウム43.90gとモリブテン酸
ナトリウム49.32gとに水300mlに加えて95
℃に加熱し溶解させた溶液に、85%リン酸45.6g
と水60mlとの溶液を加え95℃で1時間撹拌下で保
持した。その後0℃に冷却し、塩化アンモニウム35.
6gと水126mlとの溶液を加え褐色の沈殿物を得
た。沈殿物を濾過し更に沈殿物を水で2回再結晶してヘ
テロポリ酸のアンモニウム塩を得た。得られたヘテロポ
リ酸のアンモニウム塩を分析した結果、(NH4 5
4 [PV8 Mo4 40]・9.6H2 Oの組成であっ
た。
【0038】得られたヘテロポリ酸のアンモニウム塩2
00mgと水4000mlとの溶液に活性炭1800m
gを加え1時間撹拌し、室温で放置した。その後濾過
し、水4000mlで洗浄し、80℃で乾燥することに
より活性炭に担持した触媒を得た。
【0039】上記で調製した触媒1.75g、イソホロ
ン1.38g、トルエン20gをガラス製フラスコ(容
量50ml)に入れ、酸素ガスを毎分20mlの速度で
供給し、還流状態で20時間反応した。反応液をガスク
ロマトグラフ法により分析した結果、イソホロンの93
%が反応し、反応したイソホロンの62%が5,5−ジ
メチル−3−ホルミルシクロヘキサノンに転化していた
(収率58重量%)。 実施例2 (NH4 3 6 [PV8 Mo4 40]の組成のヘテロ
ポリ酸のアンモニウム塩を実施例1と同様にして活性炭
に担持した。得られた活性炭に担持した触媒を用い、実
施例1と同様の方法で反応させたところ、イソホロンの
94%が反応し、反応したイソホロンの60%が5,5
−ジメチル−3−ホルミルシクロヘキサノンに転化して
いた(収率56重量%)。
【0040】実施例3 (NH4 4 4 [PV5 Mo7 40]の組成のヘテロ
ポリ酸のアンモニウム塩を実施例1と同様にして活性炭
に担持した。得られた活性炭に担持した触媒を用い、実
施例1と同様の方法で反応させたところ、イソホロンの
83%が反応し、反応したイソホロンの60%が5,5
−ジメチル−3−ホルミルシクロヘキサノンに転化して
いた(収率50重量%)。
【0041】実施例4 (NH4 3 4 [PV4 Mo8 40]の組成のヘテロ
ポリ酸のアンモニウム塩を実施例1と同様にして活性炭
に担持した。得られた活性炭に担持した触媒を用い、実
施例1と同様の方法で反応させたところ、イソホロンの
79%が反応し、反応したイソホロンの61%が5,5
−ジメチル−3−ホルミルシクロヘキサノンに転化して
いた(収率48重量%)。
【0042】上記実施例から明らかなように、実施例1
乃至4の触媒を用いると、5,5−ジメチル−3−ホル
ミルシクロヘキサノンを高い添加率及び選択率で生成さ
せることができる。また、実施例1乃至4では、5,5
−ジメチル−3−ホルミルシクロヘキサノンの収率は4
8〜58重量%と、前記文献の収率15〜25重量%に
比べて、約3〜4倍も高くなる。
【0043】
【発明の効果】本発明の方法では、触媒としてヘテロポ
リ酸を使用するという簡単な工程で、生産性よく、3−
ホルミルシクロアルケノン類を製造できる。また、3−
ホルミルシクロアルケノン類を高い効率で、工業的に有
利に製造することができる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘテロポリ酸又はその塩類の存在下、下
    記式 【化1】 (式中、Yは飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基を示
    す)で表される3−メチルシクロアルケノン類を酸化
    し、対応する3−ホルミルシクロアルケノン類を製造す
    る方法。
  2. 【請求項2】 ヘテロポリ酸またはその塩類が、PとV
    およびMoの少なくとも一種の元素を含む請求項1記載
    の3−ホルミルシクロアルケノン類の製造方法。
  3. 【請求項3】 ヘテロポリ酸またはその塩類が下記式 A3+n [PVn Mo12-n40] (式中、Aは水素原子、NH4 、アルカリ金属およびア
    ルカリ土類金属から選ばれた少なくとも1種を示し、n
    は1〜10の整数である)で表されるリンバナドモリブ
    デン酸またはその塩類である請求項1記載の3−ホルミ
    ルシクロアルケノン類の製造方法。
  4. 【請求項4】 nが4〜10の整数である請求項3記載
    の3−ホルミルシクロアルケノン類の製造方法。
  5. 【請求項5】 Aが水素原子およびNH4 の双方で構成
    されている請求項3又は4記載の3−ホルミルシクロア
    ルケノン類の製造方法。
  6. 【請求項6】 ヘテロポリ酸又はその塩類が担体に担持
    されている請求項1記載の3−ホルミルシクロアルケノ
    ン類の製造方法。
  7. 【請求項7】 担体が活性炭である請求項6記載の3−
    ホルミルシクロアルケノン類の製造方法。
  8. 【請求項8】 担体100重量部に対してヘテロポリ酸
    またはその塩類の割合が0.1〜100重量部である請
    求項6記載の3−ホルミルシクロアルケノン類の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 活性炭に担持したリンバナドモリブデン
    酸又はその塩類で構成された触媒の存在下、イソホロン
    を酸素酸化して、5,5−ジメチル−3−ホルミルシク
    ロヘキセノンを製造する方法。
JP31377796A 1996-11-25 1996-11-25 3−ホルミルシクロアルケノン類の製造方法 Pending JPH10158209A (ja)

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