JP4126387B2 - アルコールの酸化方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルコールを分子状酸素により酸化して、ケトン、アルデヒド、カルボン酸等を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アルコールの酸化は、有機合成における重要な反応の1つであり、例えば、酸化クロムのような重金属酸化剤を用いる方法や、Swern酸化のような所謂DMSO酸化法が、古くから知られている。また、近年、これら従来法の環境面、衛生面、コスト、操作性等の問題点を考慮して、アルコールを触媒の存在下に分子状酸素により酸化する方法が提案されており、例えば、特開平8−38909号公報、特開平9−327626号公報、特開平10−286467号公報には、上記触媒として、N−ヒドロキシフタルイミドのようなイミド化合物や、イミド化合物と遷移金属化合物とを組み合わせて用いる方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平8−38909号公報等で提案されている方法では、触媒の安定性が十分でなく、触媒の追加や触媒分解物の分離が必要となる等、コストや操作性の点で、未だ満足できるものではなかった。そこで、本発明の目的は、安定な触媒を用いて、低コストで操作性良くアルコールを分子状酸素により酸化して、ケトン、アルデヒド、カルボン酸等の各種含酸素有機化合物を製造しうる方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意研究を行った結果、アルコールを分子状酸素により酸化する際、ルテニウム1置換型ケイタングステン酸系触媒を用いることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、ヘテロポリ酸骨格中にケイ素、タングステンおよび1個のルテニウムを含有するヘテロポリ酸化合物の存在下に、アルコールを分子状酸素と接触させることにより酸化する方法に係るものである。また本発明は、この方法でアルコールを酸化することにより含酸素有機化合物を製造する方法に係るものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明で用いる触媒は、ヘテロポリ酸骨格中にケイ素およびタングステンを含有するケイタングステン酸系のヘテロポリ酸化合物であって、該骨格中にさらにルテニウムを1個含有するものである。なお、該骨格中のケイ素およびタングステンの個数は特に限定されないが、通常、ケイ素は1個であり、タングステンは8〜11個である。また、該骨格中には、ケイ素、タングステンおよびルテニウム以外の元素が、必要に応じて1種または2種以上、それぞれ1個または2個以上含有されていてもよい。
【0006】
上記ヘテロポリ酸化合物としては、該化合物におけるヘテロポリ酸アニオンが、下記式(1)
Si111Ru139 (1)
(式中、Si、W、RuおよびOは、それぞれケイ素、タングステン、ルテニウムおよび酸素を表す。)
で示される組成を有するものが好ましい。
【0007】
また上記ヘテロポリ酸化合物は、ヘテロポリ酸の塩であるのが好ましく、この塩は、例えば、ヘテロポリ酸のプロトンの一部が中和された酸性塩であってもよいし、ヘテロポリ酸のプロトンの全部が中和された正塩であってもよい。上記ヘテロポリ酸化合物におけるヘテロポリ酸アニオンの対カチオンとしては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムのようなアルカリ金属のカチオン;カルシウム、マグネシウムのようなアルカリ土類金属のカチオン;アンモニウムカチオン、各アルキル基の炭素数が1〜20程度のテトラアルキルアンモニウムカチオン、プロトン等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上が含まれていてもよい。
【0008】
上記ヘテロポリ酸化合物は、公知の方法、例えば、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(Journal of American Chemical Society)第112巻、第6025頁(1990年発行)に記載の方法により調製することができる。調製の際の原料としては、通常、上記ヘテロポリ酸化合物に含まれる各元素を含む化合物、例えば、各元素のオキソ酸、オキソ酸塩、酸化物、硝酸塩、炭酸塩、水酸化物、ハロゲン化物等が、所望の原子比を満たすような割合で用いられる。例えば、ケイ素を含む化合物としては、ケイ酸、ケイ酸塩等が用いられ、タングステンを含む化合物としては、タングステン酸、タングステン酸塩、酸化タングステン等が用いられ、ルテニウムを含む化合物としては、塩化ルテニウム等が用いられる。
【0009】
本発明においては、アルコールを基質として、これを上記ヘテロポリ酸化合物の存在下に分子状酸素と接触させることにより、酸化反応を行う。この酸化反応は、液相、気相のいずれでも行うことができるが、液相にて行うのがより好ましい。ヘテロポリ酸化合物の使用量は、アルコール1モルに対して、通常0.000001〜0.1モル、好ましくは0.00001〜0.01モルである。なお、ヘテロポリ酸化合物は、必要に応じて成形して使用してもよいし、シリカ、アルミナ、チタニア等の担体に担持して使用してもよい。
【0010】
基質のアルコールとしては、通常、1級アルコールまたは2級アルコールが用いられ、好適には、下記式(2)
1CH2OH (2)
(式中、R1は、水素原子;ハロゲノ基、アルコキシ基、フェノキシ基もしくはアシロキシ基で置換されていてもよいアルキル基;アルキル基、ハロゲノ基、アルコキシ基、フェノキシ基もしくはアシロキシ基で置換されていてもよいフェニル基;またはアルキル基、ハロゲノ基、アルコキシ基、フェノキシ基もしくはアシロキシ基で置換されていてもよいフェニルアルキル基を表す。)
で示されるものや、下記式(3)
23CHOH (3)
(式中、R2およびR3は、ぞれぞれ独立して、ハロゲノ基、アルコキシ基、フェノキシ基もしくはアシロキシ基で置換されていてもよいアルキル基;アルキル基、ハロゲノ基、アルコキシ基、フェノキシ基もしくはアシロキシ基で置換されていてもよいフェニル基;またはアルキル基、ハロゲノ基、アルコキシ基、フェノキシ基もしくはアシロキシ基で置換されていてもよいフェニルアルキル基を表し、あるいは、R2およびR3が一緒になって、それらが結合する炭素原子とともに環を形成している。)
で示されるものが用いられる。
【0011】
上記式(2)中、R1が、ハロゲノ基、アルコキシ基、フェノキシ基もしくはアシロキシ基で置換されていてもよいアルキル基である場合、このアルキル基は炭素数1〜20であるのが好ましく、このアルキル基に置換していてもよいアルコキシ基およびアシロキシ基は、例えば炭素数1〜10であることができる。R1が、アルキル基、ハロゲノ基、アルコキシ基、フェノキシ基もしくはアシロキシ基で置換されていてもよいフェニル基である場合、このフェニル基に置換していてもよいアルキル基、アルコキシ基およびアシロキシ基は、例えば炭素数1〜10であることができる。R1が、アルキル基、ハロゲノ基、アルコキシ基、フェノキシ基もしくはアシロキシ基で置換されていてもよいフェニルアルキル基である場合、このフェニルアルキル基におけるアルキル基は炭素数1〜10であるのが好ましく、このフェニルアルキル基に置換していてもよいアルキル基、アルコキシ基およびアシロキシ基は、例えば炭素数1〜10であることができる。
【0012】
また、上記式(3)中、R2またはR3が、ハロゲノ基、アルコキシ基、フェノキシ基もしくはアシロキシ基で置換されていてもよいアルキル基である場合、このアルキル基は炭素数1〜20であるのが好ましく、このアルキル基に置換していてもよいアルコキシ基およびアシロキシ基は、例えば炭素数1〜10であることができる。R2またはR3が、アルキル基、ハロゲノ基、アルコキシ基、フェノキシ基もしくはアシロキシ基で置換されていてもよいフェニル基である場合、このフェニル基に置換していてもよいアルキル基、アルコキシ基およびアシロキシ基は、例えば炭素数1〜10であることができる。R2またはR3が、アルキル基、ハロゲノ基、アルコキシ基、フェノキシ基もしくはアシロキシ基で置換されていてもよいフェニルアルキル基である場合、このフェニルアルキル基におけるアルキル基は炭素数1〜10であるのが好ましく、このフェニルアルキル基に置換していてもよいアルキル基、アルコキシ基およびアシロキシ基は、例えば炭素数1〜10であることができる。R2およびR3が一緒になって、それらが結合する炭素原子とともに環を形成している場合、この環は炭素数5〜20の単環または多環であるのが好ましい。
【0013】
上記式(2)で示されるアルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、1−デカノール、1−エイコサノール、3−メチル−1−ブタノール、3,3−ジメチル−1−ブタノール、4−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−1−ペンタノール、2,2−ジメチル−1−ペンタノール、5−メチル−1−ヘキサノール、3−クロロ−1−プロパノール、ベンジルアルコール、2−フェニルエタノール、2−(p−クロロフェニル)エタノール等が挙げられる。
【0014】
また、上記式(3)で示されるアルコールの具体例としては、2−プロパノール、2−ブタノール、2−ペンタノール、2−ヘキサノール、2−ヘプタノール、2−デカノール、2−エイコサノール、3−ペンタノール、3−ヘキサノール、3−ヘプタノール、3−デカノール、3−エイコサノール、4−ヘプタノール、4−デカノール、4−エイコサノール、3−メチル−2−ブタノール、3,3−ジメチル−2−ブタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、2,2−ジメチル−3−ペンタノール、5−メチル−3−ヘキサノール、1−クロロ−2−プロパノール、1−ブロモ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−フェノキシ−2−プロパノール、1−アセトキシ−2−プロパノール、1−フェニルエタノール、ベンズヒドロール、1−(p−トリル)エタノール、1−(p−クロロフェニル)エタノール、1−(p−ブロモフェニル)エタノール、1−(p−メトキシフェニル)エタノール、1−(p−フェノキシフェニル)エタノール、1−(p−アセトキシフェニル)エタノール、1−フェニル−2−プロパノール、1−(p−トリル)−2−プロパノール、1−(p−クロロフェニル)−2−プロパノール、1−(p−ブロモフェニル)−2−プロパノール、1−(p−メトキシフェニル)−2−プロパノール、1−(p−フェノキシフェニル)−2−プロパノール、1−(p−アセトキシフェニル)−2−プロパノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロヘプタノール、シクロオクタノール、シクロドデカノール、exo−ノルボルネオール、endo−ノルボルネオール、1−インダノール、1−テトラロール、9−フルオレノール等が挙げられる。
【0015】
上記酸化反応で使用する分子状酸素源としては、酸素ガス、空気、または酸素ガスもしくは空気を窒素、二酸化炭素、ヘリウム等の不活性ガスで希釈したものを用いることができる。シクロヘキサンと分子状酸素との接触は、例えば、アルコールおよび上記ヘテロポリ酸化合物を含む液を、分子状酸素含有ガスの雰囲気下に置くことにより行ってもよいし、この液中に分子状酸素含有ガスを吹き込むことにより行ってもよい。
【0016】
上記酸化反応は溶媒の存在下に行ってもよく、該溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルムのようなハロゲン化脂肪族炭化水素類;酢酸i−ブチル、酢酸t−ブチルのようなエステル類;アセトニトリルのようなニトリル類;トルエンのような芳香族炭化水素類;クロロベンゼンのようなハロゲン化芳香族炭化水素類等、酸化反応に対してアルコールより不活性なものが挙げられる。溶媒を用いる場合、その使用量は、アルコール100重量部に対して、通常1〜100000重量部、好ましくは10〜10000重量部である。
【0017】
上記酸化反応の反応温度は、通常20〜300℃、好ましくは50〜200℃であり、反応圧力は、通常、0.1〜10MPaである。また、上記酸化反応は、連続式で行ってもよいし、回分式で行ってもよい。
【0018】
上記酸化反応により、基質のアルコールから酸化生成物として各種含酸素有機化合物を製造することができる。アルコールとして、1級アルコールを用いた場合、通常、対応するアルデヒドおよび/またはカルボン酸を製造することができ、アルコールとして2級アルコールを用いた場合、通常、対応するケトンを製造することができる。
【0019】
アルコールとして、前記式(2)で示されるものを用いた場合、酸化生成物として、下記式(4)
1CHO (4)
(式中、R1は前記と同じ意味を表す。)
で示されるアルデヒドや、下記式(5)
1CO2H (5)
(式中、R1は前記と同じ意味を表す。)
で示されるカルボン酸を製造することができる。
【0020】
また、アルコールとして、前記(3)で示されるものを用いた場合、酸化生成物として、下記式(6)
23C=O (6)
(式中、R2およびR3はそれぞれ前記と同じ意味を表す。)
で示されるケトンを製造することができる。
【0021】
上記酸化反応液中の酸化生成物は、酸化反応混合物を必要に応じて濾過、濃縮、洗浄、アルカリ処理、酸処理等の操作に供した後、蒸留、晶析等で精製することにより、酸化反応混合物から分離することができる。
【0022】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、反応混合物の分析はガスクロマトグラフィーにより行い、基質の転化率および各生成物の選択率は、それぞれ次式により算出した。
基質の転化率(%)=(生成物の合計モル数/使用した基質のモル数)×100
各生成物の選択率(%)=(各生成物のモル数/生成物の合計モル数)×100
また、TON(turnover number)は、次式により算出した。
TON=(生成物の合計モル数)/(使用した触媒のモル数)
【0023】
参考例1
タングステン酸ナトリウム2水和物36.284gを純水60mlに溶解し、加熱沸騰させた中に、攪拌下、4mol/Lの塩酸33mlを10分で滴下した後、メタケイ酸ナトリウム9水和物2.842gを純水20mlに溶解した溶液を加え、次いで、4mol/Lの塩酸でpHを5〜6の間に調整しながら、1時間攪拌した。その後、室温まで冷却し、塩化カリウム30gを加えて塩析を行った。得られた白色沈殿を濾別し、1mol/Lの塩化カリウム水溶液で2回、純水で1回洗浄した後、空気で乾燥し、1欠損型ケイタングステン酸のカリウム塩K8[SiW1139]・13H2Oを得た。
【0024】
得られた1欠損型ケイタングステン酸のカリウム塩15.9gを、1mol/Lの酢酸/酢酸ナトリウム緩衝液(pH=4.7)200mlに溶解し、この中に、臭化テトラブチルアンモニウム16.1gを添加した。得られた白色沈殿を濾別し、水洗した後、空気で乾燥した。乾燥後、アセトニトリル/水混合溶媒を用いて再沈殿を行い、過剰の臭化テトラブチルアンモニウムを除去した後、アセトニトリルを用いて再結晶を行い、1欠損型ケイタングステン酸のテトラブチルアンモニウム塩を得た。
【0025】
得られた1欠損型ケイタングステン酸のテトラブチルアンモニウム塩1.724gを、アルゴン雰囲気下でアセトニトリル30mlに溶解し、この中に塩化ルテニウム(III)を添加し、室温で2時間攪拌した。次いで、酸素をバブリングさせながら、純水100μlを加えて1時間攪拌した後、エバポレーターにより40℃以下で濃縮してアセトニトリルを除去し、黒いタール状物を得た。このタール状物を、アセトニトリル6mlに溶解して再結晶を行い、灰茶色の結晶を得た。この結晶を、元素分析、紫外可視分光分析、赤外分光分析により同定した結果、ルテニウム1置換型ケイタングステン酸のテトラブチルアンモニウム塩[(n−C494N]4H[SiW11Ru(H2O)O39]・2H2Oであると確認された。
【0026】
実施例1
ガラス反応容器に、上記参考例1で調製したルテニウム1置換型ケイタングステン酸のテトラブチルアンモニウム塩0.5μmol、酢酸イソブチル3.0ml、およびシクロヘキサノール1.0mmolを入れ、酸素雰囲気下、常圧、100℃にて、48時間攪拌した。シクロヘキサノールの転化率は67%、シクロヘキサノンの選択率は81%であり、TONは1332であった。
【0027】
実施例2
シクロヘキサノールに代えてシクロオクタノールを基質とし、反応温度を110℃とし、反応時間を96時間とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。シクロオクタノールの転化率は98%、シクロオクタノンの選択率は97%であり、TONは1962であった。
【0028】
実施例3
シクロヘキサノールに代えて1−オクタノールを基質とし、反応温度を110℃とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。1−オクタノールの転化率は14%、オクタナールの選択率は44%、オクタン酸の選択率は30%であり、TONは276であった。
【0029】
実施例4
シクロヘキサノールに代えてベンズヒドロールを基質とし、反応温度を110℃とし、反応時間を120時間とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。ベンズヒドロールの転化率は92%、ベンゾフェノンの選択率は99%であり、TONは1842であった。
【0030】
実施例5
シクロヘキサノールに代えてベンジルアルコールを基質とし、反応温度を110℃とし、反応時間を120時間とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。ベンジルアルコールの転化率は36%、ベンズアルデヒドの選択率は65%、安息香酸の選択率は10%であり、TONは720であった。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、低コストで操作性良くアルコールを酸化することができ、かかる方法により、アルコールからケトン、アルデヒド、カルボン酸等の各種含酸素有機化合物を製造することができる。

Claims (5)

  1. ヘテロポリ酸骨格中にケイ素、タングステンおよび1個のルテニウムを含有するヘテロポリ酸化合物の存在下に、アルコールを分子状酸素と接触させることを特徴とするアルコールの酸化方法。
  2. ヘテロポリ酸化合物におけるヘテロポリ酸アニオンが、下記式(1)
    Si111Ru139 (1)
    (式中、Si、W、RuおよびOは、それぞれケイ素、タングステン、ルテニウムおよび酸素を表す。)
    で示される組成を有するものである請求項1記載の酸化方法。
  3. アルコールを請求項1または2に記載の方法により酸化する含酸素有機化合物の製造方法。
  4. アルコールが下記式(2)
    1CH2OH (2)
    (式中、R1は、水素原子;ハロゲノ基、アルコキシ基、フェノキシ基もしくはアシロキシ基で置換されていてもよいアルキル基;アルキル基、ハロゲノ基、アルコキシ基、フェノキシ基もしくはアシロキシ基で置換されていてもよいフェニル基;またはアルキル基、ハロゲノ基、アルコキシ基、フェノキシ基もしくはアシロキシ基で置換されていてもよいフェニルアルキル基を表す。)
    で示されるものであり、含酸素有機化合物が下記式(4)
    1CHO (4)
    (式中、R1は前記と同じ意味を表す。)
    で示されるアルデヒドおよび/または下記式(5)
    1CO2H (5)
    (式中、R1は前記と同じ意味を表す。)
    で示されるカルボン酸である請求項3記載の製造方法。
  5. アルコールが下記式(3)
    23CHOH (3)
    (式中、R2およびR3は、ぞれぞれ独立して、ハロゲノ基、アルコキシ基、フェノキシ基もしくはアシロキシ基で置換されていてもよいアルキル基;アルキル基、ハロゲノ基、アルコキシ基、フェノキシ基もしくはアシロキシ基で置換されていてもよいフェニル基;またはアルキル基、ハロゲノ基、アルコキシ基、フェノキシ基もしくはアシロキシ基で置換されていてもよいフェニルアルキル基を表し、あるいは、R2およびR3が一緒になって、それらが結合する炭素原子とともに環を形成している。)
    で示されるものであり、含酸素有機化合物が下記式(6)
    23C=O (6)
    (式中、R2およびR3はそれぞれ前記と同じ意味を表す。)
    で示されるケトンである請求項3記載の製造方法。
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