JP2001302581A - ジアルデヒドの製造方法 - Google Patents

ジアルデヒドの製造方法

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JP2001302581A
JP2001302581A JP2000117760A JP2000117760A JP2001302581A JP 2001302581 A JP2001302581 A JP 2001302581A JP 2000117760 A JP2000117760 A JP 2000117760A JP 2000117760 A JP2000117760 A JP 2000117760A JP 2001302581 A JP2001302581 A JP 2001302581A
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JP2000117760A
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Narihisa Hirai
成尚 平井
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Daicel Corp
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Daicel Chemical Industries Ltd
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸素により1,4−ジオール、1,5−ジオ
ール又は1,6−ジオールを酸化して対応するジアルデ
ヒドを収率よく得る。 【解決手段】 本発明のジアルデヒドの製造方法では、
金属触媒及び水の存在下、1,4−ジオール、1,5−
ジオール又は1,6−ジオールを酸素と反応させて、対
応するジアルデヒドを生成させる。この方法において
は、反応系内に水を添加して反応を行ってもよく、反応
中に副生する水を反応系外に除去することなく反応を行
ってもよい。反応系における水の存在量は、例えば、原
料として用いるジオール1モルに対して0.01〜10
モル程度である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はジアルデヒドの製造
法、より詳細には、1,4−ジオール、1,5−ジオー
ル又は1,6−ジオールを酸素と反応させて対応するジ
アルデヒドを効率よく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】第1級アルコールから対応するアルデヒ
ドを製造する方法として、クロロクロム酸ピリジウム
(PCC)などを酸化剤として用いるクロム酸酸化法
や、活性二酸化マンガンを酸化剤として用いる方法が知
られている。しかし、これらの方法は金属化合物を多量
に用いるため、経済的に不利であるとともに、後処理が
煩雑であり、工業的な方法とは言えない。また、第1級
アルコールをジメチルスルホキシドにより酸化して対応
するアルデヒドを得る方法も知られている。しかし、こ
の方法は悪臭の問題があり、工業的に大量生産する場合
には採用しがたい方法である。
【0003】一方、経済上及び環境保護の観点から、酸
素を酸化剤としてアルコールをアルデヒドに変換する方
法も提案されている。しかし、1,4−ジオール、1,
5−ジオール又は1,6−ジオールを酸化する場合に
は、反応中間生成物(モノアルデヒド)がそれぞれ5員
環、6員環又は7員環を形成しやすく、該環状構造を有
する副生物が多く生成するため、収率よくジアルデヒド
を得ることが困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、酸素により1,4−ジオール、1,5−ジオール又
は1,6−ジオールを酸化して対応するジアルデヒドを
収率よく得る方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討した結果、金属触媒と水の存在
下で、1,4−ジオール、1,5−ジオール又は1,6
−ジオールを酸素と反応させると、対応するジアルデヒ
ドが効率よく生成することを見いだし、本発明を完成し
た。
【0006】すなわち、本発明は、金属触媒及び水の存
在下、1,4−ジオール、1,5−ジオール又は1,6
−ジオールを酸素と反応させて、対応するジアルデヒド
を生成させるジアルデヒドの製造方法を提供する。この
方法においては、反応系内に水を添加して反応を行って
もよく、また反応中に副生する水を反応系外に除去する
ことなく反応を行ってもよい。反応系における水の存在
量は、例えば、原料として用いるジオール1モルに対し
て0.01〜10モル程度である。なお、本明細書で
は、反応の原料として用いる1,4−ジオール、1,5
−ジオール又は1,6−ジオールを、単に「基質」と称
する場合がある。
【0007】
【発明の実施の形態】[1,4−ジオール、1,5−ジ
オール又は1,6−ジオール]本発明において、反応成
分(基質)として用いる1,4−ジオール、1,5−ジ
オール及び1,6−ジオールには、両末端に第1級ヒド
ロキシル基(第1級アルコールを構成するヒドロキシル
基)を有する1,4−ジオール、1,5−ジオール及び
1,6−ジオールが該当する。なお、本明細書では、
1,4−ジオールとは2つのヒドロキシル基間に4個の
炭素原子(炭素数4の炭素鎖)が介在しているジオール
をいい、1,5−ジオールとは2つのヒドロキシル基間
に5個の炭素原子(炭素数5の炭素鎖)が介在している
ジオールをいい、1,6−ジオールとは2つのヒドロキ
シル基間に6個の炭素原子(炭素数6の炭素鎖)が介在
しているジオールをいう。このようなジオールには、鎖
状ジオール、環を構成する2つの炭素原子にヒドロキシ
アルキル基(ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチ
ル基又は3−ヒドロキシプロピル基)が結合している環
状化合物などが含まれる。基質は単独で又は2種以上混
合して使用できる。
【0008】前記基質として、例えば、下記式(1)で
表される1,4−ジオール、式(2)で表される1,5
−ジオール、及び式(3)で表される1,6−ジオール
が挙げられる。
【化1】 [式(1)中、Ra、Rbは、同一又は異なって、水素原
子、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、炭
化水素基又は複素環式基を示す。Ra及びRbは、互いに
結合して、二重結合、又は隣接する2つの炭素原子と共
に環を形成していてもよい。式(2)中、Rc、Rd、R
eは、同一又は異なって、水素原子、保護基で保護され
ていてもよいヒドロキシル基、炭化水素基又は複素環式
基を示す。Rc、Rd及びReのうち少なくとも2つの基
は、互いに結合して、二重結合又は隣接する炭素原子と
共に環を形成していてもよい。式(3)中、Rf、Rg
h、Riは同一又は異なって、水素原子、保護基で保護
されていてもよいヒドロキシル基、炭化水素基又は複素
環式基を示す。Rf、Rg、Rh及びRiのうち少なくとも
2つの基は、互いに結合して、二重結合又は隣接する炭
素原子と共に環を形成していてもよい]
【0009】前記ヒドロキシル基の保護基としては、有
機合成の分野において公知乃至慣用の保護基が使用でき
る。前記式中、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、Rg
h、Riにおける炭化水素基には、脂肪族炭化水素基、
脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらの結合
した基が含まれる。脂肪族炭化水素基としては、例え
ば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、
ヘキシル、デシル、ドデシル基などの炭素数1〜20
(好ましくは1〜10)程度のアルキル基;ビニル、ア
リル、1−ブテニル基などの炭素数2〜20(好ましく
は2〜10)程度のアルケニル基;エチニル、プロピニ
ル基などの炭素数2〜20(好ましくは2〜10)程度
のアルキニル基などが挙げられる。
【0010】脂環式炭化水素基としては、シクロプロピ
ル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、
シクロオクチル基などの3〜20員(好ましくは3〜1
5員、さらに好ましくは5〜8員)程度のシクロアルキ
ル基;シクロペンテニル、シクロへキセニル基などの3
〜20員(好ましくは3〜15員、さらに好ましくは5
〜8員)程度のシクロアルケニル基などが挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル、ナフチル基など
の炭素数6〜14(好ましくは6〜10)程度の芳香族
炭化水素基が挙げられる。
【0011】脂肪族炭化水素基と脂環式炭化水素基とが
結合した炭化水素基には、シクロペンチルメチル、シク
ロヘキシルメチル、2−シクロヘキシルエチル基などの
シクロアルキル−アルキル基(例えば、C3-20シクロア
ルキル−C1-4アルキル基など)などが含まれる。ま
た、脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基とが結合した
炭化水素基には、アラルキル基(例えば、C7-18アラル
キル基など)、アルキル置換アリール基(例えば、1〜
4個程度のC1-4アルキル基が置換したフェニル基又は
ナフチル基など)などが含まれる。
【0012】好ましい炭化水素基には、C1-10アルキル
基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-15
シクロアルキル基、C6-10芳香族炭化水素基、C3-15
クロアルキル−C1-4アルキル基、C7-14アラルキル基
等が含まれる。上記炭化水素基は、種々の置換基、例え
ば、ハロゲン原子、オキソ基、ヒドロキシル基、置換オ
キシ基(例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、ア
ラルキルオキシ基、アシルオキシ基など)、カルボキシ
ル基、置換オキシカルボニル基、置換又は無置換カルバ
モイル基、シアノ基、ニトロ基、置換又は無置換アミノ
基、複素環式基などを有していてもよい。
【0013】Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、Rg
h、Riにおける複素環式基を構成する複素環には、芳
香族性複素環及び非芳香族性複素環が含まれる。このよ
うな複素環としては、例えば、ヘテロ原子として酸素原
子を含む複素環(例えば、フラン、テトラヒドロフラ
ン、オキサゾール、イソオキサゾールなどの5員環、4
−オキソ−4H−ピラン、テトラヒドロピラン、モルホ
リンなどの6員環、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、
4−オキソ−4H−クロメン、クロマン、イソクロマン
などの縮合環など)、ヘテロ原子としてイオウ原子を含
む複素環(例えば、チオフェン、チアゾール、イソチア
ゾール、チアジアゾールなどの5員環、4−オキソ−4
H−チオピランなどの6員環、ベンゾチオフェンなどの
縮合環など)、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環
(例えば、ピロール、ピロリジン、ピラゾール、イミダ
ゾール、トリアゾールなどの5員環、ピリジン、ピリダ
ジン、ピリミジン、ピラジン、ピペリジン、ピペラジン
などの6員環、インドール、インドリン、キノリン、ア
クリジン、ナフチリジン、キナゾリン、プリンなどの縮
合環など)などが挙げられる。上記複素環式基には、前
記炭化水素基が有していてもよい置換基のほか、アルキ
ル基(例えば、メチル、エチル基などのC1-4アルキル
基など)、シクロアルキル基、アリール基(例えば、フ
ェニル、ナフチル基など)などの置換基を有していても
よい。
【0014】Ra及びRb;Rc、Rd及びReのうち少な
くとも2つの基;又はRf、Rg、Rh及びRiのうち少な
くとも2つの基が互いに結合して隣接する炭素原子と共
に形成してもよい環としては、例えば、ベンゼン、ナフ
タレン、アントラセン環などの芳香族性炭素環;シクロ
ブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘキ
セン、シクロオクタン、シクロドデカン環などの3〜2
0員(好ましくは3〜15員、さらに好ましくは5〜1
2員)程度の非芳香族性炭素環(シクロアルカン環、シ
クロアルケン環又は橋かけ炭素環);フラン、チオフェ
ン、ピロール、ピリジン、キノリン環などの芳香族性複
素環;オキソラン、オキサン、アゾリジン、ペルヒドロ
アジン、チオラン、チアン環などの3〜20員(好まし
くは3〜12員、さらに好ましくは3〜8員)程度の非
芳香族性複素環(特に、酸素原子、窒素原子又は硫黄原
子を含む非芳香族性複素環)が挙げられる。これらの環
は前記複素環式基が有していてもよい置換基と同様の置
換基を有していてもよく、また他の環(非芳香族性環又
は芳香族性環)が縮合していてもよい。
【0015】Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、Rg
h、Riとして好ましい基には、水素原子、保護基で保
護されていてもよいヒドロキシル基、C1-10アルキル
基、C2- 10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-15
シクロアルキル基、C6-10芳香族炭化水素基、C3-12
クロアルキル−C1-4アルキル基、C7-14アラルキル基
などが含まれる。また、Ra及びRb;Rc、Rd及びRe
のうち少なくとも2つの基;又はRf、Rg、Rh及びRi
のうち少なくとも2つの基が互いに結合して、二重結
合、又は隣接する炭素原子と共に芳香族性炭素環、芳香
族性複素環又は3〜20員程度の非芳香族性炭素環若し
くは非芳香族性複素環(中でも、芳香族性炭素環若しく
は芳香族性複素環)を形成するのも好ましい。
【0016】本発明において特に好ましい基質は、前記
式(1)において、Ra及びRbが互いに結合して、隣接
する炭素原子と共に、環に置換基を有していてもよい芳
香族性炭素環又は芳香族性複素環を形成している化合物
である。
【0017】式(1)〜(3)で表される1,4−ジオ
ール、1,5−ジオール及び1,6−ジオールの代表的
な例として、例えば、1,4−ブタンジオール、1,5
−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、第2
級のヒドロキシル基が保護された多価アルコール(例え
ば、第2級のヒドロキシル基が保護されたキシリトー
ル、ソルビトール、マンニトール等のアルジトール誘導
体)などの鎖状ジオール;o−ベンゼンジメタノール
(o−キシリレンアルコール)、2,3−ナフタレンジ
メタノール、1,8−ナフタレンジメタノール、1−
(2−ヒドロキシエチル)−8−ヒドロキシメチルナフ
タレン、2−(2−ヒドロキシメチルフェニル)エタノ
ール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、3,4−
フランジメタノール、3,4−チオフェンジメタノー
ル、2,3−ピリジンジメタノール、2,3−キノリン
ジメタノールなどの環を構成する2つの炭素原子(例え
ば、隣接する炭素原子など)にヒドロキシアルキル基
(ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基又は3
−ヒドロキシプロピル基)が結合している芳香族又は非
芳香族環状化合物(環は置換基を有していてもよい)な
どが挙げられる。
【0018】[金属触媒]金属触媒としては、酸素によ
りアルコールをアルデヒドに酸化する際に触媒作用を示
す金属又は金属化合物であればよく、例えば、ルテニウ
ム触媒、パラジウム触媒、白金触媒などの貴金属触媒、
クロム触媒、鉄触媒、マンガン触媒、銅触媒などの周期
表5〜11族元素を含む触媒;ヘテロポリ酸又はその塩
からなる触媒などが挙げられる。これらの中でも、ルテ
ニウム触媒、ヘテロポリ酸又はその塩からなる触媒等が
好ましい。
【0019】ルテニウム触媒には、ルテニウム単体及び
ルテニウム元素を含む化合物が含まれる。ルテニウム触
媒の具体的な例として、例えば、金属ルテニウム、酸化
ルテニウム、硫化ルテニウム、水酸化ルテニウム、フッ
化ルテニウム、塩化ルテニウム、臭化ルテニウム、ヨウ
化ルテニウム、硫酸ルテニウム、ルテニウム酸又はその
塩(例えば、ルテニウム酸アンモニウムなど)、過ルテ
ニウム酸又はその塩(例えば、過ルテニウム酸テトラプ
ロピルアンモニウムなど)、無機ルテニウム錯体[例え
ば、ヒドロキシハロゲン化ルテニウム(ヒドロキシ塩化
ルテニウムなど)、ヘキサアンミンルテニウムハロゲン
化物(ヘキサアンミンルテニウム塩化物など)、ルテニ
ウムニトロシル、ヘキサハロルテニウム酸又はその塩
(ヘキサクロロルテニウム酸ナトリウムなど)]などの
無機化合物;シアン化ルテニウム、有機ルテニウム錯体
[例えば、ドデカカルボニル三ルテニウム(0)、ジカ
ルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム
(II)、ジアセタトジカルボニルビス(トリフェニルホ
スフィン)ルテニウム(II)、ジクロロトリス(トリフ
ェニルホスフィン)ルテニウム(II)、ジヒドリドテト
ラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)、
ジクロロビス(アセトニトリル)ビス(トリフェニルホ
スフィン)ルテニウム(II)、ルテノセンなど]などの
有機化合物が挙げられる。
【0020】ルテニウムの価数は0〜8の何れであって
もよい。好ましいルテニウムの価数は0〜4価である。
好ましいルテニウム触媒には、金属ルテニウム、酸化ル
テニウム、過ルテニウム酸又はその塩及びルテニウム錯
体が含まれる。これらの中でも、金属ルテニウム、酸化
ルテニウム及びルテニウム錯体が好ましい。ルテニウム
触媒は単独で又は2種以上を混合して使用することがで
きる。
【0021】ヘテロポリ酸としては、種類の異なる2種
以上の中心イオンを含む各種の酸素酸の縮合物を使用で
きる。代表的なヘテロポリ酸は、例えば、P、As、S
n、Si、Ti、Zrなどの元素の酸素酸イオンと、
V、Mo、Wなどの元素の酸素酸とで構成されている。
これらの中でも、P、Si、V、Mo及びWのうちの少
なくとも一種の元素を含むヘテロポリ酸、特にPと、V
及びMoのうちの少なくとも1つの元素とを含むヘテロ
ポリ酸が好ましい。
【0022】ヘテロポリ酸又はその塩を構成するヘテロ
ポリ酸アニオンとしては、種々の組成のものが挙げられ
るが、中でも「XM1240」で表される組成が好まし
い。なお、Xは、例えば、Si、Pなどの元素を示し、
Mは、Mo、W、Vなどの元素を示す。Mは一種類の元
素であってもよく二種以上の元素の組み合わせであって
もよい。このような組成を有するヘテロポリ酸アニオン
として、例えば、リンモリブデン酸、リンタングステン
酸、ケイモリブデン酸、ケイタングステン酸、リンバナ
ドモリブデン酸のアニオンなどが例示できる。
【0023】ヘテロポリ酸の塩としては、ヘテロポリ酸
のカチオンに相当する水素原子の少なくとも一部を他の
カチオンで置換した種々の化合物が挙げられる。前記置
換可能なカチオンとしては、例えば、アンモニウム(N
4など)、アルカリ金属(Cs、Rb、K、Na、L
iなど)、アルカリ土類金属(Ba、Sr、Ca、Mg
など)などが例示できる。特に、ヘテロポリ酸の水素原
子の一部をNH4で置換し、カチオンをHとNH4とで構
成したヘテロポリ酸塩は触媒活性だけでなく安定性も優
れている。この場合、Hに対するNH4の割合は、例え
ばNH4/H(モル比)=0.1〜10、好ましくは
0.2〜8、さらに好ましくは0.3〜5程度である。
【0024】前記ヘテロポリ酸又はその塩の中でも、下
記式で表されるリンバナドモリブデン酸又はその塩が好
適に用いられる。 A3+n[PVnMo12-n40] (式中、Aはヘテロポリ酸カチオンを示し、nは1〜1
0の整数である) Aで示されるカチオンとしては、水素原子の他、前記の
カチオンが例示できる。nの値は、酸化力、安定性を考
慮して適宜選択することができ、好ましくは4〜10
(例えば、4〜8)、より好ましくは5〜8程度であ
る。ヘテロポリ酸カチオンをHと他のカチオン(例えば
NH4など)とで構成する場合、nの値は4〜10であ
る場合が多い。ヘテロポリ酸又はその塩は単独で又は2
種以上組み合わせて使用できる。
【0025】金属触媒は触媒成分を担体に担持した担体
担持型金属触媒であってもよい。触媒成分を担体に担持
することにより触媒活性が増大することが多い。担体と
しては、触媒担持用の慣用の担体、例えば、活性炭、シ
リカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、ゼオライト、チタ
ニア、マグネシア、ケイソウ土、カオリンなどの無機担
体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体などの有機担
体が挙げられる。なかでも、触媒活性の点で活性炭やア
ルミナなどが好ましい。活性炭としては、種々の原料
(例えば、植物系、鉱物系、樹脂系等)から得られる活
性炭を使用できる。活性炭はガス賦活炭及び薬品賦活炭
の何れであってもよい。担体の比表面積は、例えば10
〜3000m2/g程度、好ましくは50〜3000m2
/g程度である。
【0026】担体担持型金属触媒における触媒成分の担
持量は、担体に対して、例えば0.1〜50重量%、好
ましくは1〜20重量%程度である。触媒の調製は、慣
用の方法、例えば、含浸法、沈殿法、イオン交換法など
により行うことができる。
【0027】金属触媒(担体担持型金属触媒の場合には
触媒成分)の使用量は、基質であるジオール1モルに対
して、例えば0.001〜1モル、好ましくは0.01
〜0.6モル、さらに好ましくは0.02〜0.4モル
程度である。金属触媒は単独で又は2種以上を組み合わ
せて使用できる。
【0028】本発明では、前記触媒とともに酸(ヘテロ
ポリ酸以外の酸)を用いることもできる。前記触媒(例
えば、ヘテロポリ酸又はその塩)と酸とを組み合わせて
用いることにより、触媒活性が増大する場合がある。こ
のような酸として、例えば、硫酸、硝酸、ハロゲン化水
素(フッ化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、及
び対応するハロゲン化水素酸)、リン酸、ホウ酸などの
無機酸;ギ酸、酢酸、モノクロロ酢酸、トリクロロ酢
酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸などのカルボン酸、メ
タンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベン
ゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレン
スルホン酸などのスルホン酸類などの有機酸;スルホン
酸型イオン交換樹脂などの強酸性イオン交換樹脂などが
挙げられる。これらの酸は単独で又は2種以上を組み合
わせて使用できる。
【0029】前記酸の中でも、25℃における水溶液中
のpKaが3以下(例えば、−14〜3程度)、特に0
以下(例えば、−14〜0)のプロトン酸が好ましい。
好ましい酸として、例えば、硫酸、硝酸、ハロゲン化水
素(ハロゲン化水素酸を含む)、リン酸などの無機酸;
スルホン酸類;トリクロロ酢酸などのハロアルカン酸な
どが挙げられる。
【0030】前記酸の使用量は、特に制限はないが、基
質に対して、例えば0.01〜250モル%、好ましく
は0.1〜200モル%、さらに好ましくは2〜50モ
ル%程度である。なお、後述のように、酢酸などのカル
ボン酸等は反応溶媒として用いることもできる。
【0031】本発明では、助触媒として、例えばヒドロ
キノンなどのジオキシベンゼン類又はその酸化体を系内
に存在させてもよいが、必ずしも必要ではない。また、
酸化反応においては塩基が反応を促進させる場合がある
が、本発明では、中性又は酸性条件下で反応を行うのが
好ましい。塩基性条件下で、1,4−ジオール、1,5
−ジオール又は1,6−ジオールを酸素と反応させる
と、後述するラクトン(γ−ラクトン、δ−ラクトン又
はε−ラクトン)が副生し易くなり、目的のジアルデヒ
ドの選択率が著しく低下する場合がある。例えば、o−
ベンゼンジメタノールを塩基性条件下で酸化すると、フ
タリドの生成量が著しく増大して、目的のo−フタルア
ルデヒドの選択率は低くなる。
【0032】[水]本発明の重要な特徴の1つは、基質
を水の存在下で反応させる点にある。水の形態は液体及
び気体の何れであってもよい。また、水は遊離の水だけ
でなく、使用する触媒などに含まれる結晶水であっても
よい。水は、反応開始時に添加してもよく、反応中に連
続的又は間欠的に添加してもよい。また、反応中に副生
する水を系外に除去することなく、反応系に保持しても
よい。これらの中でも、反応開始時又は反応中に水を系
内に添加する方法が好ましい。
【0033】反応で副生する水を系外に除去しながら
(系中に水を添加することもなく)反応を行うと、基質
であるジオールと反応中間体又はその異性体(例えば、
2つのヒドロキシメチル基のうち1方のみがホルミル基
に酸化された化合物又はその異性体である環状ヘミアセ
タール)との脱水縮合物(アセタール化合物)の生成量
が増大し、目的化合物であるジアルデヒドの収率が大き
く低下する。そのため、例えばディーンスターク装置や
デカンター等の水分離器などを用いて水を反応系外へ取
り除くのは好ましくない。
【0034】反応系における水の存在量は、特に制限は
ないが、基質1モルに対して、例えば0.01〜10モ
ル、好ましくは0.01〜5モル、さらに好ましくは
0.05〜4モル程度である。特に、水の存在量は、基
質1モルに対して2.01モル以上(例えば、2.01
〜10モル、就中2.05〜10モル程度)であるの
が、収率の点で好ましい。
【0035】[酸素]酸素は分子状の酸素及び発生期の
酸素の何れであってもよい。分子状酸素としては、純粋
な酸素を用いてもよく、窒素、ヘリウム、アルゴン、二
酸化炭素などの不活性ガスで希釈した酸素を使用しても
よい。操作性及び安全性のみならず経済性などの点か
ら、空気を使用するのが好ましい。酸素の使用量は、基
質の種類に応じて適宜選択できるが、通常、基質1モル
に対して、例えば1モル以上、好ましくは1〜100モ
ル、さらに好ましくは2〜50モル程度である。基質に
対して過剰モルの酸素を使用する場合が多い。
【0036】[反応]反応は液相及び気相の何れで行う
こともできる。液相反応の場合、反応は、通常、有機溶
媒中で行われる。有機溶媒としては、例えば、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリフルオ
ロメチルベンゼン(トリフルオロトルエン)、クロロベ
ンゼン、アニソール、ベンゾニトリル、ニトロベンゼ
ン、安息香酸エチルなどの、ベンゼン環がハロゲン原
子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、シア
ノ基、ニトロ基、置換オキシカルボニル基などで置換さ
れていてもよいベンセン誘導体;ヘキサン、ヘプタン、
オクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサンなどの
脂環式炭化水素;四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロ
メタン、1,2−ジクロロエタンなどのハロアルカン;
アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン;酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチルなどの
エステル;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミドなどのアミド;アセトニトリル、プ
ロピオニトリルなどのニトリル;ジエチルエーテル、ジ
ブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジオキサン、テト
ラヒドロフランなどの鎖状または環状エーテル;酢酸な
どの有機酸などが挙げられる。好ましい溶媒には、ベン
ゼン、トルエン、トリフルオロメチルベンゼンなどの前
記ベンゼン誘導体、酢酸ブチルなどのエステルなどが挙
げられる。また、酢酸などの有機酸、アセトニトリルな
どのニトリル、N,N−ジメチルホルムアミドなどのア
ミド等の極性溶媒などの水と混和性の溶媒も水を溶解す
るため好ましい溶媒として挙げられる。これらの溶媒は
1種で又は2種以上混合して用いられる。
【0037】反応温度は、基質の種類などに応じて適宜
選択でき、例えば、0〜200℃、好ましくは10〜1
50℃、さらに好ましくは30〜120℃程度である。
反応は常圧で行ってもよく、加圧下(例えば、1〜10
0atm)に行ってもよい。また、反応はバッチ式、セ
ミバッチ式、連続式などの何れの方法で行ってもよい。
【0038】本発明の方法では、反応により、温和な条
件であっても、末端の2つのヒドロキシメチル基が酸化
されて、対応するジアルデヒドが生成する。例えば、前
記式(1)、(2)又は(3)で表されるジオールから
は、それぞれ下記式(4)、(5)又は(6)で表され
るジアルデヒドが生成する。
【化2】 (式中、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、Rg、Rh、R
iは前記に同じ)
【0039】反応終了後、反応生成物は、慣用の方法、
例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラ
ムクロマトグラフィーなどの分離手段や、これらを組み
合わせた分離手段により、容易に分離精製できる。
【0040】なお、1,4−ジオール、1,5−ジオー
ル又は1,6−ジオールを酸化する場合には、中間生成
物(2つのヒドロキシメチル基のうち一方のみがホルミ
ル基に酸化された化合物;モノアルデヒド)が、それぞ
れ5員環、6員環又は7員環を形成しやすく、そのよう
な環構造を有する化合物が副生しやすい。例えば、前記
式(1)、(2)又は(3)で表されるジオールから
は、それぞれ下記式(7)、(8)又は(9)で表され
るラクトンが生成しうる。これらのラクトンは、前記中
間生成物が対応する環状ヘミアセタール化合物に異性化
した後、酸化されて生成するものと考えられる。また、
副生物として環状構造を有するアセタール化合物も生成
しやすい。例えば、式(1)で表される化合物からは、
下記式(10a)で表されるアセタール化合物が生成しう
る。また、式(2)又は(3)で表されるジオールから
も対応する6員環又は7員環の環構造を有するアセター
ル化合物が生成しうる。これらのアセタール化合物は、
基質であるジオールと前記モノアルデヒド又は前記環状
ヘミアセタール化合物とが脱水縮合して生成するものと
考えられる。さらに、原料ジオールと目的化合物のジア
ルデヒドとのアセタール化合物である環状化合物も副生
しやすい。例えば、前記式(1)で表されるジオールか
らは、下記式(10b)、(10c)で表されるアセタール化
合物が生成しうる。
【化3】
【化4】 (式中、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、Rg、Rh、R
iは前記に同じ)
【0041】上記の反応について、o−ベンゼンジメタ
ノールを基質として用いた場合を例にとってより具体的
に説明すると、下記反応工程式に示されるように、o−
ベンゼンジメタノール(11)を金属触媒の存在下で酸素
と反応させると、まず式(13)で表されるモノアルデヒ
ド(o−ヒドロキシメチルベンズアルデヒド)が生成
し、さらに酸化されて目的化合物である式(16)で表さ
れるジアルデヒド(フタルアルデヒド)が生成する。前
記モノアルデヒド(13)は系内で一部異性化して式(1
2)で表される環状ヘミアセタール化合物が生成する。
この環状ヘミアセタール化合物(12)がさらに酸化され
ると式(15)で表されるラクトン化合物(フタリド)が
生成する。
【化5】
【0042】一方、前記環状ヘミアセタール化合物(1
2)及び/又はモノアルデヒド(13)は、原料であるo
−ベンゼンジメタノール(11)と脱水縮合して、式(1
4)で表されるアセタール化合物を与える。このアセタ
ール化合物(14)は、水が存在すると逆反応により、前
記環状ヘミアセタール化合物(12)及び/又はモノアル
デヒド(13)と原料であるo−ベンゼンジメタノール
(11)とを与える。また、原料であるo−ベンゼンジメ
タノール(11)と目的化合物であるジアルデヒド(16)
とが脱水縮合して、式(17)及び/又は式(18)で表さ
れる環状アセタール化合物を与える。この環状アセター
ル化合物(17)、(18)は、逆反応により、原料である
o−ベンゼンジメタノール(11)と目的化合物であるジ
アルデヒド(16)とを与える。これらの反応は可逆反応
である。そのため、反応で副生する水を系外に除去する
と、反応は前記アセタール化合物(14)、(17)、(1
8)が生成する方向に進み、その結果、目的物であるジ
アルデヒド(16)の収率は大きく低下する。これに対
し、本発明では、水の存在下で反応を行うので、反応は
前記アセタール化合物(14)、(17)、(18)が消費さ
れる方向に進み、従って目的のジアルデヒド(16)の生
成反応が極めて有利に進行する。さらに、本発明の方法
では、前記ラクトン(例えば、式(7)〜(9)で表さ
れる化合物)の副生も少ない。
【0043】なお、前記ラクトンは慣用の還元法(例え
ば、金属水素錯化合物による還元法、接触還元法など)
により、それぞれ対応するジオール(原料として用いた
ジオール)又は環状ヘミアセタール(目的化合物の中間
体)に変換可能である。従って、ラクトンが副生した場
合には、これを還元してジオール又は環状ヘミアセター
ルに変換し、これを反応系にリサイクルすることができ
る。また、前記アセタール化合物は加水分解により原料
ジオール及び環状ヘミアセタール等(目的化合物の中間
体)に変換できるので、この化合物が副生した場合に
は、そのまま又は加水分解後、反応系にリサイクルでき
る。
【0044】
【発明の効果】本発明の方法によれば、特定の条件下
で、1,4−ジオール、1,5−ジオール又は1,6−
ジオールを酸化するので、環状構造を有する副生物の生
成が抑制され、対応するジアルデヒドを効率よく製造す
ることができる。
【0045】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
【0046】実施例1 RuO2・H2O 0.16g(0.8ミリモル)、o−
ベンゼンジメタノール(o−キシリレンアルコール)
1.11g(8ミリモル)及びトルエン10gからなる
混合液を、酸素雰囲気下(1気圧=0.101MP
a)、100℃で8時間攪拌した。生成物をガスクロマ
トグラフィーで分析した結果、o−フタルアルデヒドが
66.0%、フタリド(1−フタラノン)が17.0%
の収率で生成していた。
【0047】実施例2 RuO2・H2O 0.16g(0.8ミリモル)、o−
ベンゼンジメタノール1.11g(8ミリモル)及び酢
酸n−ブチル10gからなる混合液を、酸素雰囲気下
(1気圧=0.101MPa)、100℃で10時間攪
拌した。生成物をガスクロマトグラフィーで分析した結
果、o−フタルアルデヒドが67.1%、フタリドが1
4.8%の収率で生成していた。
【0048】実施例3 5重量%Ru/C 1.62g(ルテニウムとして0.
8ミリモル)、o−ベンゼンジメタノール1.11g
(8ミリモル)、N,N−ジメチルホルムアミド10g
及び酢酸0.48gからなる混合液を、酸素雰囲気下
(1気圧=0.101MPa)、100℃で8時間攪拌
した。生成物をガスクロマトグラフィーで分析した結
果、o−フタルアルデヒドが54.1%、フタリドが1
5.8%の収率で生成していた。
【0049】実施例4 5重量%Ru/アルミナ 1.62g(ルテニウムとし
て0.8ミリモル)、o−ベンゼンジメタノール1.1
1g(8ミリモル)、N,N−ジメチルホルムアミド1
0g及び酢酸0.48gからなる混合液を、酸素雰囲気
下(1気圧=0.101MPa)、100℃で8時間攪
拌した。生成物をガスクロマトグラフィーで分析した結
果、o−フタルアルデヒドが56.3%、フタリドが1
5.3%の収率で生成していた。
【0050】比較例1 ディーンスターク及び還流管を備え付けたフラスコに、
RuO2 0.01モル、o−ベンゼンジメタノール1
3.82g(0.1モル)及びトルエン122gを加え
た。この混合液中に空気を、常圧下、50ml/min
の流量で流通し、副生する水を留出させながら100℃
で8時間攪拌した。生成物をガスクロマトグラフィーで
分析した結果、o−フタルアルデヒドは全く生成してお
らず、フタリドが5.1%の収率で生成していた。
【0051】実施例5 チタン製オートクレーブに、RuO2・H2O 1.45
g(0.0072モル)、o−ベンゼンジメタノール1
0.00g(0.072モル)及びトルエン190gを
加え、空気雰囲気下(30kgf/cm2=2.94M
Pa)、100℃で2時間攪拌した。生成物をガスクロ
マトグラフィーで分析した結果、o−フタルアルデヒド
が68.1%、フタリドが24.3%の収率で生成して
いた。
【0052】実施例6 チタン製のオートクレーブに、RuO2・H2O 1.4
5g(0.0072モル)、o−ベンゼンジメタノール
10.00g(0.072モル)及び酢酸n−ブチル9
0gを加え、空気雰囲気下(30kgf/cm2=2.
94MPa)、100℃で2時間攪拌した。生成物をガ
スクロマトグラフィーで分析した結果、o−フタルアル
デヒドが68.3%、フタリドが28.6%の収率で生
成していた。
【0053】実施例7 チタン製のオートクレーブに、RuO2・H2O 0.7
2g(0.0036モル)、o−ベンゼンジメタノール
10.00g(0.072モル)及びトルエン90gを
加え、空気雰囲気下(30kgf/cm2=2.94M
Pa)、100℃で4時間攪拌した。生成物をガスクロ
マトグラフィーで分析した結果、o−フタルアルデヒド
が62.3%、フタリドが24.3%の収率で生成して
いた。
【0054】実施例8 10重量%(NH456PMo4840/C 0.3
5g、o−ベンゼンジメタノール0.27g(2ミリモ
ル)、水0.07g(4ミリモル)、メタンスルホン酸
0.04g(0.4ミリモル)及びトルエン6gからな
る混合液を、酸素雰囲気下(1気圧=0.101MP
a)、100℃で15時間攪拌した。生成物をガスクロ
マトグラフィーで分析した結果、o−フタルアルデヒド
が72.0%、フタリドが1.0%の収率で生成してい
た。
【0055】実施例9 メタンスルホン酸に代えて、p−トルエンスルホン酸
0.08g(0.4ミリモル)を用いた以外は、実施例
8と同様の操作を行ったところ、o−フタルアルデヒド
が65.2%、フタリドが2.1%の収率で生成してい
た。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属触媒及び水の存在下、1,4−ジオ
    ール、1,5−ジオール又は1,6−ジオールを酸素と
    反応させて、対応するジアルデヒドを生成させるジアル
    デヒドの製造方法。
  2. 【請求項2】 反応系内に水を添加するか、又は反応中
    に副生する水を反応系外に除去することなく反応を行う
    請求項1記載のジアルデヒドの製造方法。
  3. 【請求項3】 反応系における水の存在量が、原料とし
    て用いるジオール1モルに対して0.01〜10モルで
    ある請求項1又は2記載のジアルデヒドの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7169954B2 (en) 2002-04-26 2007-01-30 Sumitomo Chemical Company, Limited Method for preparing ruthenium-carrying alumina and method for oxidizing alcohol
JP2020066594A (ja) * 2018-10-24 2020-04-30 旭化成株式会社 ジアルデヒドの製造方法

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