JP6168044B2 - テトラヒドロフラン化合物の製造方法 - Google Patents

テトラヒドロフラン化合物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、パラジウム触媒を用い、フラン化合物を水素還元して、対応するテトラヒドロフラン化合物を製造する方法に関する。
従来、フラン化合物(特に、ホルミル基又はヒドロキシメチル基を有するフラン化合物)を水素還元してテトラヒドロフラン化合物(特に、ヒドロキシメチル基を有するテトラヒドロフラン化合物)を製造する方法としては、例えば、ラネーニッケル(例えば、非特許文献1参照)、又は、活性炭にパラジウム化合物が担持された触媒(例えば、非特許文献2参照)を用いる反応が知られていた。
J.Am.Chem.Soc.,1955,77,p.393〜396 Organic Process Research & Development,2010,14,p.450〜485
しかしながら、提案されている上記いずれの反応においても、高温又は高圧を必要とする、或いは、触媒又は有機溶媒を大量に用いなければ反応が進行しないことがあった。また、フラン化合物の環内の二重結合が完全に還元されずに中間生成物が蓄積する(不完全還元)、或いは、フラン化合物が水素化分解されて開環した生成物が生じるという問題があった(下記式では、ホルミルフラン、ヒドロキシメチルフランを例に挙げた)。
Figure 0006168044
そのため、上記の問題点を解消できる、工業的に好適な、フラン化合物からテトラヒドロフラン化合物を製造する方法の提供が望まれていた。
本発明の課題は、即ち、上記問題点を解決し、高い反応速度で、高収率且つ高選択的に、フラン化合物からテトラヒドロフラン化合物を製造する方法を提供することにある。
本発明は、水素源の存在下、一般式(1)で示されるフラン化合物とパラジウム触媒とを接触させる反応工程を含む、一般式(2)で示されるテトラヒドロフラン化合物の製造方法である。
Figure 0006168044
(式(1)中、Rはホルミル基又はヒドロキシメチル基を示し、R1aは水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、ホルミル基又はヒドロキシメチル基を示し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を示し、R1a及びR、又は、R及びRは、互いに結合して環を形成していてもよい。)
Figure 0006168044
(式(2)中、R1bは水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、又はヒドロキシメチル基を示し、R及びRは上記と同義である。R1b及びR、又は、R及びRは、互いに結合して環を形成していてもよい。)
本発明により、高い反応速度で、高収率且つ高選択的に、フラン化合物からテトラヒドロフラン化合物を製造する方法を提供することができる。
(テトラヒドロフラン化合物の製造)
本実施形態の製造方法は、水素源の存在下、一般式(1)で示されるフラン化合物とパラジウム触媒とを接触させる反応工程を含む、一般式(2)で示されるテトラヒドロフラン化合物を製造する方法である。
Figure 0006168044
(式(1)中、Rはホルミル基又はヒドロキシメチル基を示し、R1aは水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、ホルミル基又はヒドロキシメチル基を示し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を示し、R1a及びR、又は、R及びRは、互いに結合して環を形成していてもよい。)
Figure 0006168044
(式(2)中、R1bは水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、又はヒドロキシメチル基を示し、R及びRは上記と同義である。R1b及びR、又は、R及びRは、互いに結合して環を形成していてもよい。)
上記一般式(1)において、Rはホルミル基又はヒドロキシメチル基を示し、R1aは水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、ホルミル基又はヒドロキシメチル基を示す。具体的には、R1aは、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ホルミル基又はヒドロキシメチル基を示す。なお、これらの基は、各種異性体を含む。
及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を示し、当該アルキル基は上述のR1aで示したものと同義である。なお、隣接する炭素に結合しているR1a、R及びRは、互いに結合して環(例えば、シクロヘキサン環等)を形成していてもよい。
一般式(1)で示されるフラン化合物としては、例えば、フルフラール(すなわち、2−ホルミルフラン)、5−メチルフルフラール、5−エチルフルフラール、5−プロピルフルフラール、5−ブチルフルフラール、5−ペンチルフルフラール、5−ヒドロキシメチルフルフラール、5−ホルミルフルフラール、フルフリルアルコール、5−メチルフルフリルアルコール、5−エチルフルフリルアルコール、5−プロピルフルフリルアルコール、5−ブチルフルフリルアルコール、5−ペンチルフルフリルアルコール、5−ヒドロキシメチルフルフリルアルコール、及び5−ホルミルフルフリルアルコール等が挙げられる。一般式(1)で示されるフラン化合物は、フルフラール、5−メチルフルフラール、5−ヒドロキシメチルフルフラール、5−ホルミルフルフラール、フルフリルアルコール、5−メチルフルフリルアルコール、5−ヒドロキシメチルフルフリルアルコール、又は5−ホルミルフルフリルアルコールであってもよい。
上記の一般式(2)において、R1bは水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、又はヒドロキシメチル基を示す。具体的には、R1bは、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、又はヒドロキシメチル基を示す。なお、これらの基は、各種異性体を含む。
一般式(2)で示したR及びRは一般式(1)で示したR及びRと同義である。なお、隣接する炭素に結合しているR1b、R及びRは、互いに結合して環(例えば、シクロヘキサン環等)を形成していてもよい。
本実施形態の製造方法において使用されるパラジウム触媒は金属パラジウム又はパラジウム化合物を備える。また、パラジウム触媒は、反応液からの濾別を容易にするために、担体とこの担体に担持された金属パラジウム又はパラジウム化合物とを備えていてもよい。パラジウム化合物は、構成元素としてパラジウム元素を有する化合物である。パラジウム化合物は、金属元素として、パラジウムのみを有するものであってもよい。パラジウム化合物としては、例えば、塩化パラジウム、臭化パラジウム、及びヨウ化パラジウム等のハロゲン化パラジウム;酢酸パラジウム、硝酸パラジウム、及び硫酸パラジウム等のパラジウムと酸との塩;、並びに、酸化パラジウムが挙げられる。上記パラジウム化合物はハロゲン化パラジウムであってもよく、塩化パラジウムであってもよい。なお、これらのパラジウム化合物は、水和物又は水溶液に溶解させた状態で用いてもよく、単独又は2種以上を混合して使用してもよい。
上記担体は多孔質であってもよく、使用される担体としては、例えば、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、セリア、マグネシア、カルシア、チタニア、シリカ−チタニア、ジルコニア、活性炭(炭素)、ゼオライト、並びに、メソ孔体(メソポーラスアルミナ、メスポーラスシリカ、及びメスポーラスカーボン)等が挙げられる。担体は、シリカ、アルミナ、又は活性炭(炭素)であってもよい。なお、これらの担体は、単独又は二種以上を混合して使用してもよく、既にパラジウム化合物が担持された市販品をそのまま又は適当な処理をして使用することができるし、別途調製して使用することもできる。本明細書では、担体とこの担体に担持された金属パラジウム又はパラジウム化合物とを備える触媒における、パラジウムと担体との組み合わせを、「パラジウム/担体」ということがある。パラジウムと担体との組み合わせとしては、例えば、パラジウム/炭素、パラジウム/アルミナ、パラジウム/シリカ−アルミナ、パラジウム/ゼオライト、及びパラジウム/シリカ等が挙げられる。
担体とこの担体に担持されたパラジウム化合物とを備えるパラジウム触媒(「パラジウム化合物担持触媒」と称することもある)の調製法には、特に制約はなく、含浸、沈殿、及び吸水等、調製における一般的な方法を適宜選択して採用することができる。この調製法の例としては、パラジウム化合物を含む溶液を担体粉末に加え、共沈法による同時担持法で調製する方法が挙げられる。担体とこの担体に担持された金属パラジウムとを備えるパラジウム触媒(「金属パラジウム担持触媒」と称することもある)は、パラジウム化合物担持触媒を焼成し、還元処理することにより得られる。焼成雰囲気は、通常は酸素を含んだガス(例えば、空気)であるが、窒素などの不活性ガスを用いても差し支えない。焼成温度は、用いるパラジウム化合物の分解温度や焼成雰囲気などを考慮して適宜選択でき、焼成時間も0.5時間〜24時間の間で適宜選択できる。
上記パラジウム触媒におけるパラジウム原子換算のパラジウム含量は、担体に対して、0.1〜20質量%、又は0.5〜10質量%であってもよい。なお、本明細書では、パラジウム触媒及びそのパラジウム含量を、たとえば、「5質量%金属/担体」のように記載することがある。
還元処理の方法は、還元剤を用いた方法であってもよい。還元剤としては、酸化状態のパラジウム原子(パラジウム化合物)を還元する能力を有する化合物であればいずれも使用でき、例えば、エタノール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、エチレングリコール、及びプロピレングリコール等のアルコール類;ホルムアルデヒド等のアルデヒド類;ギ酸、及びアスコルビン酸等の酸類;ヒドラジン;水素;、並びに、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、及びイソブチレン等のオレフィン類が使用される。上記還元処理は、気相、液相のいずれで行なっても差し支えない。還元剤として水素を用いて還元処理する場合には、その温度は、40〜800℃、又は50〜500℃であってもよい。圧力は、0.5〜12MPa、又は1〜8MPaであってもよい。なお、既に還元処理された市販品を使用することもできる。
以上のパラジウム触媒は、フラン化合物の環構造中の二重結合とともに、その環に結合したホルミル基等を還元して、テトラヒドロフラン化合物(特に、ヒドロキシメチル基を有するテトラヒドロフラン化合物)を製造できる。
本実施形態の製造方法において使用するパラジウム触媒の量は、パラジウム原子換算で、フラン化合物1モルに対して、0.0001〜0.1モル、又は0.0005〜0.05モルとなるように、調整されてもよい。この使用量の範囲とすることで、十分な反応速度を得つつ、高収率且つ高選択的にテトラヒドロフラン化合物を得ることができる。なお、パラジウム触媒は、複数種の触媒を別々に調製して使用してもよい。
本実施形態の製造方法において使用する水素源とは、水素を提供する化合物ならば特に限定されず、例えば、水素ガス、及びアンモニアガス等の還元性ガス(窒素、ヘリウム、及びアルゴン等の不活性ガスで希釈されていてもよい);水;メタノール、エタノール、及びイソプロピルアルコール等のアルコール類;ギ酸、酢酸、及びクロロギ酸等の有機酸類;、並びに、塩酸、及び硫酸等の無機酸類が挙げられる。水素源は、還元性ガス、水又はアルコール類であってもよく、還元性ガスであってもよく、水素ガスであってもよい。
上記水素源の量は、フラン化合物1モルに対して、5〜200モル、又は10〜160モルであってもよい。この使用量とすることで、十分な反応速度を得つつ、不完全な還元体で止めることなく、高収率且つ高選択的にテトラヒドロフラン化合物を得ることができる。
本実施形態の製造方法における反応は、溶媒(又は分散媒)の非存在下で行うことができる。攪拌性の観点から、フラン化合物1質量部に対して0質量部超20質量部以下、又は0質量部超1質量部以下の溶媒の存在下で行うこともできる。溶媒としては、たとえば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、及びエチレングリコール等のアルコール類;ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン、及びトルエン等の炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、及びN−メチル−2−ピロリドン等のアミド類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、及びジエチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル類;塩化メチレン、及びジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、並びに水等が挙げられる。溶媒は水であってもよい。なお、上記溶媒中には反応を阻害しない塩が含まれていてもよい。
本実施形態の製造方法で使用される溶媒は、上述の水素源と同一であってもよく、水素源と異なっていてもよい。溶媒及び水素源のいずれにも該当する化合物としては、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、及びn−ブタノール等が挙げられる。このような溶媒及び水素源の両方の機能を有する化合物の量は、フラン化合物1質量部に対して、0〜20質量部であってもよく、0〜1質量部であってもよい。
本実施形態の製造方法の反応形態は、触媒の形態により回分式(バッチ式)及び連続式のいずれの方法も選択することができる。また、触媒の性質により均一系及び不均一系(懸濁反応)のいずれの反応系でも実施できる。パラジウム触媒が担体と該担体に担持された金属パラジウム又はパラジウム化合物を備える場合、固定床で連続的に反応を行うこともできる。
本実施形態の製造方法における反応は、例えば、フラン化合物、パラジウム化合物及び必要ならば溶媒を混合し、水素源の存在下にて、混合物を攪拌しながら反応させる等の方法によって行われる。その際の反応温度は、10〜250℃、又は20〜180℃であってもよく、反応圧力は、水素分圧として、常圧〜20MPa、又は0.2〜15MPaであってもよい。この反応温度、反応圧力とすることで、副生成物を生じさせることなく、高い反応速度で、高収率且つ高選択的に目的物であるテトラヒドロフラン化合物を得ることができる。
本実施形態の製造方法の反応工程で用いられるフラン化合物の転化率は、例えば、80〜100モル%、90〜100モル%又は98〜100モル%である。また、上記反応工程で合成されるテトラヒドロフラン化合物の選択率は、例えば、60〜100モル%、80〜100モル%、又は90〜100モル%である。さらに、上記反応工程で合成されるテトラヒドロフラン化合物の収率は、例えば、50〜100モル%、60〜100モル%、80〜100モル%又は90〜100モル%である。なお、本明細書において、転化率とは、反応に供されたフラン化合物のモル数と反応後に残ったフラン化合物のモル数の差(転化したフラン化合物のモル数)を、反応に供されたフラン化合物のモル数で除した値に、100を乗じることにより計算される。また、選択率は、得られたテトラヒドロフラン化合物のモル数を、転化したフラン化合物のモル数で除した値に、100を乗じることにより計算される。また、収率は、得られたテトラヒドロフラン化合物のモル数を、反応に供されたフラン化合物のモル数で除した値に、100を乗じることにより計算される。
本実施形態の製造方法により、目的とするテトラヒドロフラン化合物が得られるが、このテトラヒドロフラン化合物は、反応終了後、得られた反応液から、例えば、濾過、濃縮、抽出、蒸留、昇華、再結晶、及びカラムクロマトグラフィー等の一般的な操作によって単離又は精製することができる。
本実施形態の方法によって製造されるテトラヒドロフラン化合物は、具体的には、ヒドロキシメチル基を有するテトラヒドロフラン化合物である。ヒドロキシメチル基を有するテトラヒドロフラン化合物は、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、及びポリウレタン等のポリマーの原料、樹脂添加剤、医農薬中間体原料、各種溶剤等として有用な化合物である。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1(2−ヒドロキシメチルテトラヒドロフランの合成)
Figure 0006168044
内容積50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、5質量%パラジウム/炭素(川研ファインケミカル株式会社製、AD型)25.0mg、フルフラール0.250g(2.60mmol)及び水4.75gを加え、水素(フルフラール1モルに対して62モル)で8MPaまで加圧した後、25℃で2.5時間、55℃で2時間、更に180℃で2時間加熱攪拌した。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、フルフラールの転化率は100モル%であり、2−ヒドロキシメチルテトラヒドロフランの収率は98.4モル%であり、選択率は98.4モル%であった。
実施例2(2−ヒドロキシメチルテトラヒドロフランの合成)
内容積50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、5質量%パラジウム/炭素(川研ファインケミカル株式会社製、AD型)150mg、フルフラール1.50g(15.6mmol)及び水1.50gを加え、水素(フルフラール1モルに対して10モル)で8MPaまで加圧した後、25℃で2.5時間、55℃で2時間、更に180℃で2時間加熱攪拌した。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、フルフラールの転化率は100モル%であり、2−ヒドロキシメチルテトラヒドロフランの収率は92.8モル%であり、選択率は92.8モル%であった。
実施例3(2−ヒドロキシメチルテトラヒドロフランの合成)
内容積50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、5質量%パラジウム/炭素(川研ファインケミカル株式会社製、PH型)50.0mg、フルフラール0.500g(5.20mmol)を加え、水素(フルフラール1モルに対して31モル)で8MPaまで加圧した後、25℃で2.5時間、55℃で2時間、更に180℃で3時間加熱攪拌した。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、フルフラールの転化率は100モル%であり、2−ヒドロキシメチルテトラヒドロフランの収率は92.2モル%であり、選択率は92.2モル%であった。
実施例4(2−ヒドロキシメチルテトラヒドロフランの合成)
実施例1において水素圧を4MPa(フルフラール1モルに対して31モルを供給)にしたこと以外は、実施例1と同様に反応を行った。その結果、フルフラールの転化率は100モル%であり、2−ヒドロキシメチルテトラヒドロフランの収率は91.1モル%であり、選択率は91.1モル%であった。
実施例5(2−ヒドロキシメチルテトラヒドロフランの合成)
実施例2において使用する触媒(5質量%パラジウム/炭素)の量を300mgにしたこと以外は、実施例2と同様に反応を行った。その結果、フルフラールの転化率は100モル%であり、2−ヒドロキシメチルテトラヒドロフランの収率は97.5モル%であり、選択率は97.5モル%であった。
参考例6(2−ヒドロキシメチルテトラヒドロフランの合成)
内容積50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、5質量%パラジウム/炭素(川研ファインケミカル株式会社製、AD型)25.0mg、フルフラール0.250g(2.60mmol)及び水4.75gを加え、水素(フルフラール1モルに対して62モル)で8MPaまで加圧した後、25℃で2.5時間、55℃で2時間加熱攪拌した。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。
得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、フルフラールの転化率は100モル%であり、2−ヒドロキシメチルテトラヒドロフランの収率は91.7モル%であり、選択率は91.7モル%であった。
実施例7(2−ヒドロキシメチルテトラヒドロフランの合成)
実施例3において触媒を5質量%パラジウム/アルミナ(エヌ・イー・ケムキャット社製)150mgに変えたこと以外は、実施例3と同様に反応を行った。その結果、フルフラールの転化率は100モル%であり、2−ヒドロキシメチルテトラヒドロフランの収率は97.8モル%であり、選択率は97.8モル%であった。
参考例8(2−ヒドロキシメチルテトラヒドロフランの合成)
Figure 0006168044
内容積50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、5質量%パラジウム/炭素(川研ファインケミカル株式会社製、AD型)25.0mg、フルフリルアルコール0.250g(2.55mmol)及び水4.75gを加え、水素(フルフリルアルコール1モルに対して63モル)で8MPaまで加圧した後、25℃で2.5時間、55℃で2時間、更に180℃で2時間加熱攪拌した。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。
得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、フルフリルアルコールの転化率は100モル%であり、2−ヒドロキシメチルテトラヒドロフランの収率は98.4モル%であり、選択率は98.4モル%であった。
参考例9(2−ヒドロキシメチルテトラヒドロフランの合成)
内容積50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、5質量%パラジウム/炭素(川研ファインケミカル株式会社製、AD型)50.0mg、フルフリルアルコール0.500g(5.10mmol)を加え、水素(フルフリルアルコール1モルに対して32モル)で8MPaまで加圧した後、25℃で4時間攪拌した。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。
得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、フルフリルアルコールの転化率は99.0モル%であり、2−ヒドロキシメチルテトラヒドロフランの収率は92.1モル%であり、選択率は93.0モル%であった。
参考例10(2−ヒドロキシメチルテトラヒドロフランの合成)
内容積50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、5質量%パラジウム/炭素(川研ファインケミカル株式会社製、AD型)200mg、フルフリルアルコール2.00g(20.4mmol)を加え、水素(フルフリルアルコール1モルに対して8モル)で8MPaまで加圧した後、130℃で4時間加熱攪拌した。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。
得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、フルフリルアルコールの転化率は100モル%であり、2−ヒドロキシメチルテトラヒドロフランの収率は93.1モル%であり、選択率は93.1モル%であった。
参考例11(2−ヒドロキシメチルテトラヒドロフランの合成)
内容積50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、5質量%パラジウム/炭素(川研ファインケミカル株式会社製、AD型)200mg、フルフリルアルコール2.00g(20.4mmol)を加え、水素(フルフリルアルコール1モルに対して4モル)で4MPaまで加圧した後、160℃で8時間加熱攪拌した。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。
得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、フルフリルアルコールの転化率は98.5モル%であり、2−ヒドロキシメチルテトラヒドロフランの収率は90.4モル%であり、選択率は91.8モル%であった。
参考例12(2−ヒドロキシメチルテトラヒドロフランの合成)
参考例10において触媒を5質量%パラジウム/炭素(川研ファインケミカル株式会社製、PH型)200mgに変えたこと以外は、全て参考例10と同様に反応を行った。その結果、フルフリルアルコールの転化率は100モル%であり、2−ヒドロキシメチルテトラヒドロフランの収率は90.3モル%であり、選択率は90.3モル%であった。
参考例13(2−ヒドロキシメチルテトラヒドロフランの合成)
内容積50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、5質量%パラジウム/炭素(川研ファインケミカル株式会社製、AD型)150mg、フルフリルアルコール1.50g(15.3mmol)及び水1.50gを加え、水素(フルフリルアルコール1モルに対して11モル)で8MPaまで加圧した後、150℃で3時間加熱攪拌した。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。
得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、フルフリルアルコールの転化率は98モル%であり、2−ヒドロキシメチルテトラヒドロフランの収率は92.8モル%であり、選択率は94.7モル%であった。
参考例14(2−ヒドロキシメチルテトラヒドロフランの合成)
参考例13において触媒(5質量%パラジウム/炭素)の使用量を300mgに変えたこと以外は、参考例13と同様に反応を行った。その結果、フルフリルアルコールの転化率は100モル%であり、2−ヒドロキシメチルテトラヒドロフランの収率は97.5モル%であり、選択率は97.5モル%であった。
参考例15(2−ヒドロキシメチルテトラヒドロフランの合成)
参考例13において触媒を5質量%パラジウム/シリカ−アルミナ(エヌ・イー・ケムキャット社製)150mgに変えたこと以外は、参考例13と同様に反応を行った。その結果、フルフリルアルコールの転化率は100モル%であり、2−ヒドロキシメチルテトラヒドロフランの収率は92.5モル%であり、選択率は92.5モル%であった。
参考例16(2−ヒドロキシメチルテトラヒドロフランの合成)
参考例13において触媒を5質量%パラジウム/ゼオライト(エヌ・イー・ケムキャット社製)150mgに変えたこと以外は、参考例13と同様に反応を行った。その結果、フルフリルアルコールの転化率は100モル%であり、2−ヒドロキシメチルテトラヒドロフランの収率は82.4モル%であり、選択率は82.4モル%であった。
参考例17(2−ヒドロキシメチルテトラヒドロフランの合成)
参考例13において触媒を0.75質量%パラジウム/シリカ(エヌ・イー・ケムキャット社製)500mgに変えたこと以外は、参考例13と同様に反応を行った。その結果、フルフリルアルコールの転化率は100モル%であり、2−ヒドロキシメチルテトラヒドロフランの収率は91.5モル%であり、選択率は91.5モル%であった。
参考例18(2−ヒドロキシメチルテトラヒドロフランの合成)
参考例13において触媒を5質量%パラジウム/アルミナ(エヌ・イー・ケムキャット社製)150mgに変えたこと以外は、参考例13と同様に反応を行った。その結果、フルフリルアルコールの転化率は100モル%であり、2−ヒドロキシメチルテトラヒドロフランの収率は98.4モル%であり、選択率は98.4モル%であった。
実施例19(2,5−ジヒドロキシメチルテトラヒドロフランの合成)
Figure 0006168044
内容積50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、5質量%パラジウム/炭素(川研ファインケミカル株式会社製、AD型)25.0mg、5−ヒドロキシメチルフルフラール0.250g(東京化成工業株式会社製、純度90.4質量%、純度による換算後1.79mmol)と水4.75gを加え、水素(5−ヒドロキシメチルフルフラール1モルに対して90モル)で8MPaまで加圧した後、25℃で2時間、55℃で2時間、更に180℃で2時間加熱攪拌した。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。
得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、5−ヒドロキシメチルフルフラールの転化率は100モル%であり、2,5−ジヒドロキシメチルテトラヒドロフランの収率は95.5モル%であり、選択率は95.5モル%であった。
実施例20(2,5−ジヒドロキシメチルテトラヒドロフランの合成)
内容積50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、5質量%パラジウム/炭素(川研ファインケミカル株式会社製、AD型)150mg、5−ヒドロキシメチルフルフラール1.50g(東京化成製、純度90.4質量%、純度による換算後10.8mmol)を加え、水素(5−ヒドロキシメチルフルフラール1モルに対して15モル)で8MPaまで加圧した後、25℃で2時間、55℃で2時間、更に180℃で2時間加熱攪拌した。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。
得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、5−ヒドロキシメチルフルフラールの転化率は100モル%であり、2,5−ジヒドロキシメチルテトラヒドロフランの収率は92.6モル%であり、選択率は92.6モル%であった。
実施例21(2,5−ジヒドロキシメチルテトラヒドロフランの合成)
実施例19において使用した5−ヒドロキシメチルフルフラールをアルドリッチ社製5−ヒドロキシメチルフルフラール0.250g(純度100質量%、純度による換算後1.98mmol)に変えたこと以外は、全て実施例19と同様に反応を行った。なお、加圧は水素(5−ヒドロキシメチルフルフラール1モルに対して81モル)で8MPaまで行った。その結果、5−ヒドロキシメチルフルフラールの転化率は100モル%であり、2,5−ジヒドロキシメチルテトラヒドロフランの収率は94.8モル%であり、選択率は94.8モル%であった。
参考例22(2,5−ジヒドロキシメチルテトラヒドロフランの合成)
内容積50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、5質量%パラジウム/炭素(川研ファインケミカル株式会社製、PH型)25.0mg、5−ヒドロキシメチルフルフラール0.250g(東京化成製、純度90.4質量%、純度換算後1.79mmol)と水4.75gを加え、水素(5−ヒドロキシメチルフルフラール1モルに対して45モル)で4MPaまで加圧した後、25℃で2.5時間攪拌した。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。
得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、5−ヒドロキシメチルフルフラールの転化率は100モル%であり、2,5−ジヒドロキシメチルテトラヒドロフランの収率は82.9モル%であり、選択率は82.9モル%であった。
実施例23(2,5−ジヒドロキシメチルテトラヒドロフランの合成)
内容積50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、5質量%パラジウム/炭素(川研ファインケミカル株式会社製、AD型)150mg、5−ヒドロキシメチルフルフラール1.50g(東京化成製、純度90.4質量%、純度換算後10.8mmol)と水1.50gを加え、水素(5−ヒドロキシメチルフルフラール1モルに対して15モル)で8MPaまで加圧した後、25℃で2時間、55℃で2時間、更に150℃で5時間加熱攪拌した。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。
得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、5−ヒドロキシメチルフルフラールの転化率は100モル%であり、2,5−ジヒドロキシメチルテトラヒドロフランの収率は92.5モル%であり、選択率は92.5モル%であった。
実施例24(2,5−ジヒドロキシメチルテトラヒドロフランの合成)
実施例23において使用する触媒(5質量%パラジウム/炭素)の量を300mgに変えたこと以外は、実施例23と同様に反応を行った。その結果、5−ヒドロキシメチルフルフラールの転化率は100モル%であり、2,5−ジヒドロキシメチルテトラヒドロフランの収率は97.8モル%であり、選択率は97.8モル%であった。
参考例25(2,5−ジヒドロキシメチルテトラヒドロフランの合成)
参考例22において溶媒を水から酢酸エチル4.75gに変えたこと以外は、参考例22と同様に反応を行った。その結果、5−ヒドロキシメチルフルフラールの転化率は91.0モル%であり、2,5−ジヒドロキシメチルテトラヒドロフランの収率は59.0モル%であり、選択率は64.8モル%であった。
参考例26(2,5−ジヒドロキシメチルテトラヒドロフランの合成)
参考例22において溶媒を水からエタノール4.75gに変えたこと以外は、参考例22と同様に反応を行った。その結果、5−ヒドロキシメチルフルフラールの転化率は100モル%であり、2,5−ジヒドロキシメチルテトラヒドロフランの収率は65.2モル%であり、選択率は65.2モル%であった。
比較例1(2,5−ジヒドロキシメチルテトラヒドロフランの合成)
実施例22において溶媒を水からエタノール4.75gに、触媒を5質量%ロジウム/炭素(和光純薬工業株式会社製)25.0mgに変えたこと以外は、実施例22と同様に反応を行った。その結果、5−ヒドロキシメチルフルフラールの転化率は99.0モル%であり、2,5−ジヒドロキシメチルテトラヒドロフランの収率は34.5モル%であり、選択率は34.8モル%であった。
比較例2(2,5−ジヒドロキシメチルテトラヒドロフラン合成)
実施例22において触媒を5質量%ルテニウム/炭素(和光純薬工業株式会社製)25.0mgに変えたこと以外は全て実施例22と同様に反応を行った。その結果、5−ヒドロキシメチルフルフラールの転化率は3.95モル%であり、2,5−ジヒドロキシメチルテトラヒドロフランの収率は0.30モル%であり、選択率は7.59モル%であった。
実施例27(2−ヒドロキシメチル−5−メチルテトラヒドロフランの合成)
Figure 0006168044
内容積50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、5質量%パラジウム/炭素(川研ファインケミカル株式会社製、AD型)150mg、5−メチルフルフラール1.50g(13.6mmol)と水1.50gを加え、水素(5−メチルフルフラール1モルに対して12モル)で8MPaまで加圧した後、25℃で2.5時間、55℃で2.5時間、更に180℃で3時間加熱攪拌した。反応終了後、得られた反応液を25℃まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。
得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、5−メチルフルフラールの転化率は100モル%であり、2−ヒドロキシメチル−5−メチルテトラヒドロフランの収率は95.7モル%であり、選択率は95.7モル%であった。
実施例28(2−ヒドロキシメチル−5−メチルテトラヒドロフランの合成)
内容積50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、5質量%パラジウム/炭素(川研ファインケミカル株式会社製、AD型)50.0mg、5−メチルフルフラール0.50g(4.54mmol)を加え、水素(5−メチルフルフラール1モルに対して35モル)で8MPaまで加圧した後、25℃で2.5時間、55℃で2.5時間、更に120℃で3時間加熱攪拌した。反応終了後、得られた反応液を25℃まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。
得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、5−メチルフルフラールの転化率は100モル%であり、2−ヒドロキシメチル−5−メチルテトラヒドロフランの収率は93.3モル%であり、選択率は93.3モル%であった。
実施例29(2−ヒドロキシメチル−5−メチルテトラヒドロフランの合成)
実施例28において触媒を5質量%パラジウム/アルミナ(エヌ・イー・ケムキャット社製)50.0mgに変えたこと以外は、全て実施例28と同様に反応を行った。その結果、5−メチルフルフラールの転化率は100モル%であり、2−ヒドロキシメチル−5−メチルテトラヒドロフランの収率は99.3モル%であり、選択率は99.3モル%であった。
実施例1〜29及び比較例1〜2に記載した反応条件及び評価結果を表1〜6に示す。
Figure 0006168044
Figure 0006168044
Figure 0006168044
Figure 0006168044
Figure 0006168044
Figure 0006168044
以上の結果から、本発明により、フラン化合物(特に、ホルミル基又はヒドロキシメチル基を有するフラン化合物)を水素還元してテトラヒドロフラン化合物(特にヒドロキシメチル基を有するテトラヒドロフラン化合物)を、高い反応速度で、高収率且つ高選択的に製造できることが分かった。
本発明により、パラジウム触媒を用い、フラン化合物を水素還元して対応するテトラヒドロフラン化合物を製造することができる。テトラヒドロフラン化合物は、具体的には、ヒドロキシメチル基を有するフラン化合物であり、これは、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、及びポリウレタン等のポリマー原料、樹脂添加剤、医農薬中間体原料、並びに各種溶剤等として有用な化合物である。

Claims (6)

  1. 水素源の存在下、一般式(1)で示されるフラン化合物とパラジウム触媒とを、水の存在下又は溶媒の非存在下で、120〜180℃で接触させる反応工程を含み、
    前記フラン化合物から合成される一般式(2)で示されるテトラヒドロフラン化合物の収率が90〜100モル%である、前記一般式(2)で示されるテトラヒドロフラン化合物の製造方法。
    Figure 0006168044

    (式(1)中、Rはホルミル基を示し、R1aは水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、ホルミル基又はヒドロキシメチル基を示し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を示し、R1a及びR、又は、R及びRは、互いに結合して環を形成していてもよい。)
    Figure 0006168044

    (式(2)中、R1bは水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、又はヒドロキシメチル基を示し、R及びRは前記と同義である。R1b及びR、又は、R及びRは、互いに結合して環を形成していてもよい。)
  2. 前記フラン化合物が、フルフラール、5−メチルフルフラール、5−ヒドロキシメチルフルフラール又は5−ホルミルフルフラールを含む、請求項1記載のテトラヒドロフラン化合物の製造方法。
  3. 前記パラジウム触媒が、担体と、前記担体に担持された金属パラジウム又はパラジウム化合物と、を備える、請求項1又は2に記載のテトラヒドロフラン化合物の製造方法。
  4. 前記担体は、炭素、アルミナ、シリカ−アルミナ、ゼオライト、又はシリカを含む、請求項3に記載のテトラヒドロフラン化合物の製造方法。
  5. 前記フラン化合物と前記パラジウム触媒との接触を、フラン化合物1質量部に対して20質量部以下のの存在下で行う、請求項1〜4のいずれか一項に記載のテトラヒドロフラン化合物の製造方法。
  6. 前記反応工程において合成されるテトラヒドロフラン化合物の選択率が90〜100モル%である、請求項1〜のいずれか一項に記載のテトラヒドロフラン化合物の製造方法。
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