JP4916038B2 - フラン類の水素化反応によるテトラヒドロフラン誘導体の製造方法 - Google Patents
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Description
(1)出発原料のフルフラール又はフルフリルアルコールを水素化して、その水素化物であるフルフリルアルコール又はテトラヒドロフルフリルアルコールを製造する方法であって、水を溶媒に用い、フルフラール又はフルフリルアルコールと、担持パラジウム触媒と、水素を用いて、更に、これらの反応系に、二酸化炭素を導入して、水素化反応を行うことにより水素化物を製造することを特徴とする上記水素化物の製造方法。
(2)水を溶媒とした反応系で、フルフリルアルコールの収量を高め、かつ、水を溶媒とし、二酸化炭素を導入した反応系で、テトラヒドロフルフリルアルコールの収量を高める、前記(1)に記載の上記水素化物の製造方法。
(3)活性炭担持パラジウム触媒を用いて、フルフラール又はフルフリルアルコールを水素化して、その水素化物であるフルフリルアルコール又はテトラヒドロフルフリルアルコールを製造する、前記(1)又は(2)に記載の上記水素化物の製造方法。
(4)アルミナ担持パラジウム触媒を用いて、フルフラール又はフルフリルアルコールを水素化して、その水素化物であるフルフリルアルコール又はテトラヒドロフルフリルアルコールを製造する、前記(1)又は(2)に記載の上記水素化物の製造方法。
(5)反応系に、0.1〜30MPaの二酸化炭素を導入して、水素化反応を行う、前記(1)から(4)のいずれかに記載の上記水素化物の製造方法。
(6)反応温度が、30〜80℃、反応時間が15〜120分である、前記(1)から(5)のいずれかに記載の上記水素化物の製造方法。
本発明は、担持パラジウムを用いたフラール又はフルフリルアルコールなどのフラン類の水素化において、水を溶媒に用い、更に、二酸化炭素を加圧した条件で水素化することにより、従来の有機溶媒を用いた水素化法に比べて、環境低負荷プロセスで、かつ効率よく、高いテトラフルフリルアルコール収率が得られるフラン類の新規水素化技術を提供することを特徴とするものである。本発明によるフラン類の水素化のプロセスを、化1に示す。
(1)工業的に非常に重要な物質であるテトラヒドロフラン誘導体を、環境に優しいプロセスで、効率的に製造することを可能とするテトラヒドロフラン誘導体の新しい製造技術を提供することができる。
(2)水と二酸化炭素と、担持パラジウム触媒を用いることで、効率的にテトラヒドロフラン誘導体を製造することができる。
(3)水を溶媒に用い、更に、二酸化炭素を加圧した条件で水素化することにより、従来の有機溶媒を用いた水素化法に比べて、高いテトラフルフリルアルコール収率を得ることができる。
(4)従来法に比べて、低温度条件下で、有機溶媒を使用しない、低環境負荷型のフラン類の新しい水素化技術を提供することができる。
(5)本発明は、従来法の高環境負荷型の生産技術に代替可能な、フラン類の水素化反応によるテトラヒドロフラン誘導体生産に関する新技術の提供を可能とするものである。
(反応条件)
基質原料: フルフラール 0.3mL
蒸留水の量:0.5mL
水素圧力: 3.0MPa
二酸化炭素圧力: 15MPa
触媒:活性炭担持パラジウム触媒(金属担持量5%、和光純薬工業製品)0.020g
反応温度: 40℃
反応時間: 30分
実施例1と同様に、基質原料を反応させて、生成物を得た。ただし、蒸留水の添加を行わず、以下の反応条件により実施した。
(反応条件)
基質原料: フルフラール 0.3mL
水素圧力: 3.0MPa
触媒:活性炭担持パラジウム触媒(金属担持量5%、和光純薬工業製品)0.020g
反応温度: 40℃
反応時間: 30分
実施例2と同様に、基質原料を反応させて、生成物を得た。ただし、蒸留水の添加を行わず、以下の反応条件により実施した。
(反応条件)
基質原料: フルフラール 0.3mL
水素圧力: 3.0MPa
二酸化炭素圧力:15MPa
触媒:活性炭担持パラジウム触媒(金属担持量5%、和光純薬工業製品)0.020g
反応温度: 40℃
反応時間: 30分
実施例1と同様に、基質原料を反応させて、生成物を得た。ただし、蒸留水に替えて、メタノールを用い、以下の反応条件により実施した。
(反応条件)
基質原料: フルフラール 0.3mL
メタノールの量:10mL
水素圧力: 3.0MPa
触媒:活性炭担持パラジウム触媒(金属担持量5%、和光純薬工業製品)0.020g
反応温度: 40℃
反応時間: 30分
実施例1と同様に、基質原料を反応させて、生成物を得た。ただし、蒸留水に替えて、エタノールを用い、以下の反応条件により実施した。
(反応条件)
基質原料: フルフラール 0.3mL
エタノールの量:10mL
水素圧力: 3.0MPa
触媒:活性炭担持パラジウム触媒(金属担持量5%、和光純薬工業製品)0.020g
反応温度: 40℃
反応時間: 30分
実施例1と同様に、基質原料を反応させて、生成物を得た。ただし、蒸留水に替えて、2−プロパノールを用い、以下の反応条件により実施した。
(反応条件)
基質原料: フルフラール 0.3mL
2−プロパノールの量:10mL
水素圧力: 3.0MPa
触媒:活性炭担持パラジウム触媒(金属担持量5%、和光純薬工業製品)0.020g
反応温度: 40℃
反応時間: 30分
実施例1と同様に、基質原料を反応させて、生成物を得た。ただし、蒸留水に替えて、ヘプタンを用い、以下の反応条件により実施した。
(反応条件)
基質原料: フルフラール 0.3mL
ヘプタンの量:10mL
水素圧力: 3.0MPa
触媒:活性炭担持パラジウム触媒(金属担持量5%、和光純薬工業製品)0.020g
反応温度: 40℃
反応時間: 30分
内容積50mLのステンレス製高圧反応器に、フルフリルアルコール(和光純薬工業製品)0.3mLと、活性炭担持パラジウム触媒(金属担持量5wt%、和光純薬工業製品)0.010gを入れ、反応器内を二酸化炭素で置換した。この反応器を、40℃まで加熱した後、該反応器に、圧力3.0MPaの水素を導入して、30分間水素化反応を行った。
実施例5と同様に、基質原料を反応させて、生成物を得た。ただし、蒸留水に替えて、メタノールを用い、以下の反応条件により実施した。
(反応条件)
基質原料: フルフリルアルコール 0.3mL
メタノールの量:10mL
水素圧力: 3.0MPa
二酸化炭素圧力:0.1MPa
触媒:活性炭担持パラジウム触媒(金属担持量5%、和光純薬工業製品)0.010g
反応温度: 40℃
反応時間: 30分
実施例5と同様に、基質原料を反応させて、生成物を得た。ただし、蒸留水に替えて、エタノールを用い、以下の反応条件により実施した。
(反応条件)
基質原料: フルフリルアルコール 0.3mL
エタノールの量:10mL
水素圧力: 3.0MPa
二酸化炭素圧力:0.1MPa
触媒:活性炭担持パラジウム触媒(金属担持量5%、和光純薬工業製品)0.010g
反応温度: 40℃
反応時間: 30分
実施例5と同様に、基質原料を反応させて、生成物を得た。ただし、蒸留水に替えて、2−プロパノールを用い、以下の反応条件により実施した。
(反応条件)
基質原料: フルフリルアルコール 0.3mL
2−プロパノールの量:10mL
水素圧力: 3.0MPa
二酸化炭素圧力:0.1MPa
触媒:活性炭担持パラジウム触媒(金属担持量5%、和光純薬工業製品)0.010g
反応温度: 40℃
反応時間: 30分
実施例5と同様に、基質原料を反応させて、生成物を得た。ただし、蒸留水に替えて、ヘプタンを用い、以下の反応条件により実施した。
(反応条件)
基質原料: フルフリルアルコール 0.3mL
ヘプタンの量:10mL
水素圧力: 3.0MPa
二酸化炭素圧力:0.1MPa
触媒:活性炭担持パラジウム触媒(金属担持量5%、和光純薬工業製品)0.010g
反応温度: 40℃
反応時間: 30分
(反応条件)
基質原料: フルフリルアルコール 0.3mL
水の量:10mL
水素圧力: 3.0MPa
二酸化炭素圧力:0.1MPa
触媒:アルミナ担持パラジウム触媒(金属担持量5%、和光純薬工業製品)0.010g
反応温度: 40℃
反応時間: 30分
(反応条件)
基質原料: フルフリルアルコール 0.3mL
水の量:10mL
水素圧力: 3.0MPa
二酸化炭素圧力:15MPa
触媒:アルミナ担持パラジウム触媒(金属担持量5%、和光純薬工業製品)0.010g
反応温度: 40℃
反応時間: 30分
Claims (6)
- 出発原料のフルフラール又はフルフリルアルコールを水素化して、その水素化物であるフルフリルアルコール又はテトラヒドロフルフリルアルコールを製造する方法であって、水を溶媒に用い、フルフラール又はフルフリルアルコールと、担持パラジウム触媒と、水素を用いて、更に、これらの反応系に、二酸化炭素を導入して、水素化反応を行うことにより水素化物を製造することを特徴とする上記水素化物の製造方法。
- 水を溶媒とした反応系で、フルフリルアルコールの収量を高め、かつ、水を溶媒とし、二酸化炭素を導入した反応系で、テトラヒドロフルフリルアルコールの収量を高める、請求項1に記載の上記水素化物の製造方法。
- 活性炭担持パラジウム触媒を用いて、フルフラール又はフルフリルアルコールを水素化して、その水素化物であるフルフリルアルコール又はテトラヒドロフルフリルアルコールを製造する、請求項1又は2に記載の上記水素化物の製造方法。
- アルミナ担持パラジウム触媒を用いて、フルフラール又はフルフリルアルコールを水素化して、その水素化物であるフルフリルアルコール又はテトラヒドロフルフリルアルコールを製造する、請求項1又は2に記載の上記水素化物の製造方法。
- 反応系に、0.1〜30MPaの二酸化炭素を導入して、水素化反応を行う、請求項1から4のいずれかに記載の上記水素化物の製造方法。
- 反応温度が、30〜80℃、反応時間が15〜120分である、請求項1から5のいずれかに記載の上記水素化物の製造方法。
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