JP6318479B2 - 触媒及び触媒の製造方法、並びにそれを用いたポリオール化合物の製造方法 - Google Patents

触媒及び触媒の製造方法、並びにそれを用いたポリオール化合物の製造方法 Download PDF

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本発明は、触媒及び触媒の製造方法に関し、上記触媒の存在下、ヒドロキシメチル基又はホルミル基を有するフラン化合物を還元・開環して当該フラン化合物に対応するポリオール化合物を製造する方法に関する。
従来、ホルミル基を有するフラン化合物、例えば、フルフラールを還元・開環して対応するポリオール化合物を製造する方法としては、例えば、酸化白金触媒を用いる方法(例えば、非特許文献1参照)、ニッケル−銅−マンガン触媒を用いる方法(例えば、特許文献1参照)、銅をアルミナに担持した触媒(例えば、特許文献2参照)、及び、白金とコバルトをアルミナに担持した触媒を用いる方法(例えば、非特許文献2参照)が知られている。また、ヒドロキシメチル基を有するフラン化合物、例えば、フルフリルアルコールを還元・開環して対応するポリオール化合物を製造する方法としては、銅クロム触媒を用いる方法(例えば、非特許文献3参照)が知られている。
米国特許第2201347号明細書 独国特許第827804号明細書
J.Am.Chem.Soc.,1923,45,p.3029〜044 Chem.Comm.2011、47,p.3924〜3926 J.Am.Chem.Soc.,1931,53,p.1091〜1095
しかしながら、提案されている上記いずれの触媒を用いる方法においても、高温高圧を必要とする、フラン化合物環内の二重結合或いはフラン化合物が有するホルミル基が完全に還元されない、開環されていない中間体若しくは重合物が生成する、及び/又は、フラン環の選択的解裂が進行せずに目的とは異なる位置異性体(例えば、1,2−ペンタンジオール)が生成するという問題があった。なお、下記反応式では、フルフラールを出発原料とした反応を例示している。下記反応式では、中間体として、フルフリルアルコール、2−ホルミルフラン、及び2−ヒドロキシメチルテトラヒドロフランが生じている。また、従来の技術では、目的物である1,5−ペンタンジオール以外に、位置異性体である1,2−ペンタンジオールも生成することがあった。
Figure 0006318479
そのため、上記の問題点を解消することが可能であり、且つ工業的に好適なフラン化合物からポリオール化合物の製造方法の提供することが望まれていた。
そこで、本発明は、上記問題点を解決し、ヒドロキシメチル基又はホルミル基を有するフラン化合物から、高い反応速度で、高収率且つ高選択的にポリオール化合物を製造することが可能となる、触媒及びその製造方法、並びに、ポリオール化合物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、フラン化合物から、ポリオール化合物を得るポリオール化合物合成用の触媒であって、上記フラン化合物は、下記一般式(1a)、(1b)、(1c)、(1d)及び(1e)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種のフラン化合物であり、上記ポリオール化合物は下記一般式(2a)又は(2b)で表され、周期表第3族〜11族に属する第1の金属及び当該第1の金属を含む金属化合物の少なくとも一方である成分(A)と、周期表第5族、6族又は7族に属する第2の金属を含む酸化金属化合物である成分(B)と、を還元処理して得られる、上記第1の金属及び上記第2の金属を含む触媒を提供する。ただし、上記成分(B)は、上記金属又は上記成分(A)と異なる。
Figure 0006318479

(式(1a)、(1b)、(1c)、(1d)及び(1e)中、Rは、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、ホルミル基又はヒドロキシメチル基を示し、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を示し、Rはホルミル基又はヒドロキシメチル基を示し、R及びR、並びに、R及びRは、互いに結合してそれぞれ独立に環を形成していてもよい。)
Figure 0006318479

(式(2a)及び(2b)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を示し、R1aは、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基又はヒドロキシメチル基を示し、R1a及びR、並びに、R及びRは、互いに結合してそれぞれ独立に環を形成していてもよい。)
上記触媒は、二種以上の上記成分(A)と上記成分(B)とを還元処理して得られるものであることが好ましい。
上記触媒は、上記成分(A)と、上記成分(B)と、酸化ルテニウム化合物(C1)及び周期表第8〜11族に属する第3の金属を含む高原子価化合物(C2)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である成分(C)と、を還元処理して得られる、上記第1の金属及び上記第2の金属、並びにルテニウム及び上記第3の金属の少なくとも一方を含む触媒であることが好ましい。ただし、上記成分(C)は、上記成分(A)と異なる。
上記酸化ルテニウム化合物(C1)は、酸化ルテニウム及び過酸化ルテニウム酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
上記高原子価化合物(C2)は、ヒドロキシ金属及びヒドロキシ金属酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
上記酸化金属化合物は、金属酸化物及び過酸化金属酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
上記還元処理を水素の存在下にて行うことが好ましい。
本発明はまた、周期表第3族〜11族に属する第1の金属又は当該第1の金属を含む金属化合物である成分(A)と、周期表第5族、6族又は7族に属する第2の金属を含む酸化金属化合物である成分(B)と、を還元処理して触媒を得る工程を有する、上記第1の金属及び上記第2の金属を含む触媒の製造方法を提供する。ただし、上記成分(B)は、上記成分(A)と異なる。
上記触媒の製造方法において、二種以上の上記成分(A)と上記成分(B)とを還元処理して触媒を得る工程を有することが好ましい。
上記触媒の製造方法は、上記成分(A)と、上記成分(B)と、酸化ルテニウム化合物(C1)及び周期表第8〜11族に属する第3の金属を含む高原子価化合物(C2)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である成分(C)と、を還元処理して触媒を得る工程を有する、上記第1の金属及び上記第2の金属、並びにルテニウム及び上記第3の金属の少なくとも一方を含む触媒の製造方法であることが好ましい。ただし、上記成分(C)は、上記成分(A)と異なる。
本発明はまた、水素源の存在下、下記一般式(1a)、(1b)、(1c)、(1d)及び(1e)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種のフラン化合物と、上記触媒と、を接触させて、下記一般式(2a)又は(2b)で表されるポリオール化合物を得る、ポリオール化合物の製造方法を提供する。
Figure 0006318479

(式(1a)、(1b)、(1c)、(1d)及び(1e)中、Rは、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、ホルミル基又はヒドロキシメチル基を示し、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を示し、Rはホルミル基又はヒドロキシメチル基を示し、R及びR、並びに、R及びRは、互いに結合してそれぞれ独立に環を形成してもよい。)
Figure 0006318479

(式(2a)及び(2b)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を示し、R1aは、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基又はヒドロキシメチル基を示し、R1a及びR、並びに、R及びRは、互いに結合してそれぞれ独立に環を形成していてもよい。)
本発明によれば、ヒドロキシメチル基又はホルミル基を有するフラン化合物から、高い反応速度で、高収率且つ高選択的にポリオール化合物を製造することが可能となる、触媒及びその製造方法、並びに、ポリオール化合物の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の好適な一実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
(触媒)
本実施形態の触媒は、フラン化合物からポリオール化合物を得るポリオール化合物合成用の触媒であり、周期表第3族〜11族に属する第1の金属及び当該第1の金属を含む金属化合物の少なくとも一方である成分(A)(以下、成分(A)という)と、周期表第5族、6族又は7族に属する第2の金属を含む酸化金属化合物である成分(B)(以下、成分(B)という)と、を還元処理して得られる、上記第1の金属及び上記第1の金属を含む触媒である。フラン化合物としては、例えば、下記一般式(1a)、(1b)、(1c)、(1d)及び(1e)で表される化合物が挙げられる。また、本実施形態の触媒は、二種以上の上記成分(A)と上記成分(B)とを還元処理して得られる触媒であることが好ましい。
上記触媒は、上記成分(A)と、上記成分(B)と、酸化ルテニウム化合物(C1)(以下、成分(C1)という)及び周期表第8〜11族に属する第3の金属を含む高原子価化合物(C2)(以下、成分(C2)という)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である成分(C)(以下、成分(C)という)と、を還元処理して得られる、上記第1の金属及び上記第2の金属、並びにルテニウム及び上記第3の金属の少なくとも一方を含む触媒であることが好ましい。
本明細書において、成分(A)及び成分(B)は互いに異なる化合物又は金属である。また、上記触媒が成分(A)、成分(B)及び成分(C)を還元処理して得られる場合、成分(A)、成分(B)及び成分(C)は、互いに異なる化合物又は金属である。例えば、上述の成分(B)の具体例は、成分(A)にも該当しうるが、本実施形態の触媒を得るために、成分(B)として、使用した成分(A)とは異なる成分を用いるものとする。成分(A)と成分(B)、又は、成分(A)と成分(C)は、同一の金属を含んでいてもよい。すなわち、上記混合物は、構成元素である金属元素が共通していてもよい少なくとも2種類の化合物又は金属(混合物が成分(C)を含む場合には3種類の化合物又は金属)を含む。また、周期表第8族〜11族の金属としてルテニウムを有する高原子価金属化合物(C2)は、酸化ルテニウム化合物(C1)に該当する場合もある。例えば、酸化ルテニウム化合物(C1)が、構成元素として高原子価であるルテニウムを有する化合物である場合、当該化合物は、高原子価金属化合物(C2)にも該当しうるが、成分(C1)及び成分(C2)互いに異なる化合物であるものとする。第1の金属及び第2の金属は同じであっても、異なっていてもよく、異なっていることが好ましい。上記触媒が成分(A)、成分(B)及び成分(C)を還元処理して得られる場合、第1の金属、第2の金属、並びに、ルテニウム及び第3の金属は同じであっても異なっていてもよく、異なっていることが好ましい。
また、上記触媒は、担体に上記第1の金属及び上記第2の金属、必要に応じてさらにルテニウム又は上記第3の金属が担持された触媒(担持触媒)であってもよい。上記第1の金属の担持量は、1.0〜10.0質量%であることが好ましく、2.0〜5.0質量%であることがより好ましい。上記第2の金属の担持量は、1.0〜10.0質量%であることが好ましく、2.0〜5.0質量%であることがより好ましい。ルテニウム又は上記第3の金属の担持量は、1.0〜10.0質量%であることが好ましく、2.0〜5.0質量%であることがより好ましく、2.0〜3.0質量%であることがさらに好ましい。なお、各金属成分の担持量は、原料として使用した金属成分が全て担持されたとの前提で求めた値であり、原料中の金属のモル数に当該金属の原子量及び100を乗じ、使用する担体の質量で除することにより算出される。
(触媒の製造方法)
本実施形態の触媒の製造方法は、成分(A)と成分(B)と、必要に応じてさらに成分(C)と、を還元処理して触媒を得る工程を有する。
本実施形態において、成分(A)は周期表第3族〜11族に属する第1の金属又は当該第1の金属を含む金属化合物である。
上記第1の金属としては、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、ネオジム、サマリウム、イッテルビウム、ルテチウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、及び金等が挙げられる。これらのうち、ランタン、イッテルビウム、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、レニウム、ルテニウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、パラジウム、白金、銅、又は金が好ましく、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、パラジウム、又は白金がより好ましい。上記金属は金属単体であってもよく、合金であってもよい。
上記金属化合物は、上記周期表第3族〜11族に属する金属元素より選ばれる少なくとも1種の金属元素を、構成元素として有する化合物である。金属化合物は、金属塩、金属錯体、及び金属酸化物等のいずれであってもよく、これらの水和物や有機化合物の付加体であってもよい。また、上記成分(A)は担体に担持されていてもよい。上記成分(A)は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用することが好ましい。すなわち、上記触媒は、二種以上の成分(A)と、成分(B)とを還元処理して得られるものであることが好ましい。上記成分(A)の二種以上を組み合わせて使用する場合、上記成分(A)は、下記金属群Mより選ばれる少なくとも1種の金属又は当該金属を含む金属化合物と、下記金属群Nより選ばれる少なくとも1種の金属又は当該金属を含む金属化合物とを含むことがより好ましい。下記金属群Mより選ばれる少なくとも1種の金属と下記金属群Nより選ばれる少なくとも1種の金属とは互いに異なる金属である。二種以上の成分(A)を使用することにより、得られる触媒は、フラン化合物環内の二重結合の還元、フラン環の選択的開裂、及び、フラン化合物がホルミル基を有する場合の当該ホルミル基の還元を、一層促進できる傾向がある。この結果、フラン化合物環内の二重結合の還元と、フラン環の選択的開裂と、フラン化合物が有するホルミル基の還元とを、連続反応として1つの工程で行うことが可能となる傾向がある。
上記金属群Mは、例えば、ランタン、イッテルビウム、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、レニウム、ルテニウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、パラジウム、白金、銅、及び金からなることが好ましく、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、パラジウム、及び白金からなることがより好ましく、イリジウムからなることがさらに好ましい。また、金属群Nは、例えば、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、及びイリジウムからなることが好ましく、パラジウムからなることがより好ましい。
上記金属化合物としては、例えば、三塩化ランタン、三臭化ランタン、三ヨウ化ランタン、三硝酸ランタン、リン酸ランタン、三硫酸二ランタン、及び三炭酸二ランタン等のランタン化合物;三塩化イッテルビウム、三臭化イッテルビウム、三硝酸イッテルビウム、及び三硫酸二イッテルビウム等のイッテルビウム化合物;四塩化ジルコニウム、四臭化ジルコニウム、四ヨウ化ジルコニウム、四硝酸ジルコニウム、及び二硫酸ジルコニウム等のジルコニウム化合物;四塩化ハフニウム、四臭化ハフニウム、四ヨウ化ハフニウム、四硝酸ハフニウム、及び二硫酸ハフニウム等のハフニウム化合物;五塩化ニオブ、五臭化ニオブ、及び五ヨウ化ニオブ等のニオブ化合物;五塩化タンタル、五臭化タンタル、及び五ヨウ化タンタル等のタンタル化合物;三塩化モリブデン、五塩化モリブデン、及び三臭化モリブデン等のモリブデン化合物;四塩化タングステン、六塩化タングステン、及び五臭化タングステン等のタングステン化合物;三塩化レニウム、五塩化レニウム、及び三ヨウ化レニウム等のレニウム化合物、三塩化ルテニウム、三臭化ルテニウム、五塩化ルテニウム二アンモニウム、六塩化ルテニウム三アンモニウム、六塩化ルテニウム二カリウム、六塩化ルテニウム二ナトリウム、六臭化ルテニウム三カリウム、及び六臭化ルテニウム二カリウム等のルテニウム化合物;二塩化コバルト、二臭化コバルト、二ヨウ化コバルト、二フッ化コバルト、二硝酸コバルト、酸化コバルト、リン酸コバルト、及び二酢酸コバルト等のコバルト化合物;三塩化ロジウム、六塩化ロジウム三アンモニウム、六塩化ロジウム三カリウム、六塩化ロジウム三ナトリウム、及び三硝酸ロジウム等のロジウム化合物;三塩化イリジウム、三臭化イリジウム、四塩化イリジウム、四臭化イリジウム、イリジウム酸アンモニウム塩、ヘキサアンミンイリジウム三塩化物、ペンタアンミンクロロイリジウム二塩化物、六塩化イリジウム三アンモニウム、六塩化イリジウム三カリウム、六塩化イリジウム三ナトリウム、四塩化イリジウム二アンモニウム、六塩化イリジウム二アンモニウム、六塩化イリジウム二カリウム、六塩化イリジウム酸、及び六塩化イリジウム二ナトリウム等のイリジウム化合物;二塩化ニッケル、二臭化ニッケル、及び二ヨウ化ニッケル等のニッケル化合物;二塩化パラジウム、二臭化パラジウム、二ヨウ化パラジウム、二酢酸パラジウム、二硝酸パラジウム、硫酸パラジウム、及び酸化パラジウム等のパラジウム化合物;二塩化白金、四塩化白金、六塩化白金酸、二臭化白金、四臭化白金、六臭化白金酸、二ヨウ化白金、四ヨウ化白金、二塩化白金二アンモニウム、六塩化白金二アンモニウム、六塩化白金二アンモニウム、四塩化白金二アンモニウム、六塩化白金二ナトリウム、四塩化白金二カリウム、六塩化白金二カリウム、二臭化白金二アンモニウム、四臭化白金二カリウム、六臭化白金二アンモニウム、六ヨウ化白金酸ナトリウム、六ヨウ化白金酸カリウム、酸化白金、及びヘキサヒドロキソ白金酸等の白金化合物;一塩化銅、二塩化銅、及び二塩化銅二アンモニウム等の銅化合物;一塩化銀、一臭化銀、及び一ヨウ化銀等の銀化合物;一塩化金、三塩化金、四塩化金酸、三臭化金、及び三ヨウ化金等の金化合物が挙げられる。これらのうち、好ましくは三塩化ルテニウム、二塩化コバルト、三塩化ロジウム、三塩化イリジウム、四塩化イリジウム、六塩化イリジウム酸、二塩化ニッケル、二塩化パラジウム、二塩化白金、二塩化銅、又は四塩化金酸が使用される。
上記触媒が成分(A)を還元処理して得られるものであることにより、還元活性が飛躍的に向上する傾向がある。
本実施形態において、成分(B)は周期表第5族、6族又は7族に属する第2の金属を含む酸化金属化合物である。
周期表第5族、6族又は7族に属する第2の金属としては、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、テクノチウム、及びレニウム等が挙げられる。好ましい金属は、バナジウム、モリブデン、タングステン、又はレニウムである。
上記酸化金属化合物は、周期表第5族、6族又は7族に属する金属元素より選ばれる少なくとも1種の金属元素を、構成元素として有する化合物であり、金属−酸素結合を少なくとも1つ有する。酸化金属化合物は、水和物や有機化合物の付加体であってもよい。また、上記酸化金属化合物は担体に担持されたものであってもよい。上記酸化金属化合物は、一種を単独で又は二種以上を混合して使用してもよい。
酸化金属化合物は、金属酸化物及び過酸化金属酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。酸化金属化合物としては、例えば、酸化バナジウム、三酸化二バナジウム、二酸化バナジウム、五酸化二バナジウム、三臭化バナジウム、ピロバナジン酸カリウム、テトラオキソバナジン(V)酸カリウム、トリオキソバナジン(V)酸カリウム、トリオキソバナジン(V)酸ナトリウム、ピロバナジン酸ナトリウム、及びトリオキソバナジン(V)酸リチウム等の酸化バナジウム化合物;ケイモリブデン酸、テトラコサオキソヘプタモリブデン(VI)酸アンモニウム、テトラオキソモリブデン(VI)酸カリウム、テトラオキソモリブデン酸カルシウム、テトラオキソモリブデン(VI)酸ナトリウム、テトラオキソモリブデン(VI)酸マグネシウム、テトラオキソモリブデン(VI)酸リチウム、二酸化モリブデン、及び三酸化モリブデン等の酸化モリブデン化合物;テトラオキソタングステン(VI)酸ナトリウム、テトラオキソタングステン(VI)酸カドミウム(II)、テトラオキソタングスステン(VI)酸カリウム、及びテトラオキソタングステン(VI)酸カルシウム等の酸化タングステン化合物;テトラオキソレニウム(VII)酸アンモニウム、テトラオキソレニウム(VII)酸カリウム、テトラオキソレニウム(VII)酸ナトリウム、二酸化レニウム、三酸化レニウム、及び七酸化二レニウム等の酸化レニウム化合物が挙げられる。好ましくは、五酸化二バナジウム、トリオキソバナジン(V)酸カリウム、トリオキソバナジン(V)酸ナトリウム、ピロバナジン酸ナトリウム、テトラオキソタングステン(VI)酸ナトリウム、ケイモリブデン酸、テトラコサオキソヘプタモリブデン(VI)酸アンモニウム、テトラオキソモリブデン(VI)酸ナトリウムテトラオキソレニウム(VII)酸アンモニウム、テトラオキソレニウム(VII)酸カリウム、又は七酸化二レニウムが使用される。
上記触媒が成分(B)を還元処理して得られるものであることにより、フラン環の開裂が選択的に進行する傾向がある。
本実施形態において、成分(C)は酸化ルテニウム化合物(C1)及び周期表第8〜11族に属する第3の金属を含む高原子価化合物(C2)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である。
本実施形態において、上記酸化ルテニウム化合物は、ルテニウム元素を構成元素として有する化合物であり、ルテニウム−酸素結合を少なくとも1つ有する化合物である。上記酸化ルテニウム化合物は、酸化ルテニウム及び過酸化ルテニウム酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。酸化ルテニウムとしては、例えば、二酸化ルテニウム、三酸化ルテニウム、及び四酸化ルテニウム等が挙げられる。これらのうち、好ましくは四酸化ルテニウムが使用される。過酸化ルテニウム酸塩としては、例えば、過ルテニウム酸カリウム、過ルテニウム酸(テトラプロピルアンモニウム)、過ルテニウム酸(テトラブチルアンモニウム)、テトラオキソルテニウム(VI)酸二カリウム、及びテトラオキソルテニウム(VI)酸二ナトリウム等が挙げられる。これらのうち、好ましくは過ルテニウム酸カリウム、過ルテニウム酸(テトラプロピルアンモニウム)、テトラオキソルテニウム(VI)酸二カリウム、又はテトラオキソルテニウム(VI)酸二ナトリウム等が使用される。これらの酸化ルテニウム化合物は、水和物、水溶液、及び有機化合物の付加体のいずれであってもよく、又、担体に担持されていてもよい。
本実施形態において、成分(C2)における第3の金属としては、例えば、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、及び金等が挙げられる。これらのうち、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、パラジウム、白金、又は金が好ましく、ルテニウム、又は白金がより好ましい。
上記高原子価金属化合物は、周期表第8族〜11族に属する金属元素より選ばれる少なくとも1種の金属元素を構成元素として有する化合物であり、高原子価金属を有する化合物である。
本明細書において高原子価金属とは、原子価が3価以上の金属を示す。高原子価金属化合物は、特に限定されず、例えば、水和物や有機化合物の付加体であってもよく、又、担体に担持されていてもよい。なお、これらの高原子価金属化合物は、一種を単独で又は二種以上を混合して使用してもよい。
高原子価金属化合物は、ヒドロキシ金属及びヒドロキシ金属酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。高原子価金属化合物としては、トリヒドロキシ鉄(III)、テトラヒドロキシルテニウム(IV)、テトラヒドロキシオスミウム(IV)、トリヒドロキシコバルト(III)、ヘキサヒドロキシロジウム(III)酸三ナトリウム、ヘキサヒドロキシロジウム(III)酸三カリウム、ヘキサヒドロキシロジウム(IV)酸二ナトリウム、ヘキサヒドロキシロジウム(IV)酸二カリウム、ヘキサヒドロキシイリジウム(IV)酸二ナトリウム、ヘキサヒドロキシイリジウム(IV)酸二カリウム、ヘキサヒドロキシパラジウム(IV)酸二ナトリウム、ヘキサヒドロキシパラジウム(IV)酸二カリウム、ヘキサヒドロキシ白金(IV)酸、ヘキサヒドロキシ白金(IV)酸二ナトリウム、ヘキサヒドロキシ白金酸(IV)二カリウム、及びトリヒドロキシ金(III)等が挙げられる。好ましくはテトラヒドロキシルテニウム(IV)、ヘキサヒドロキシロジウム(III)酸三ナトリウム、ヘキサヒドロキシロジウム(III)酸三カリウム、ヘキサヒドロキシロジウム(IV)酸二ナトリウム、ヘキサヒドロキシロジウム(IV)酸二カリウム、ヘキサヒドロキシイリジウム(IV)酸二ナトリウム、ヘキサヒドロキシイリジウム(IV)酸二カリウム、ヘキサヒドロキシパラジウム(IV)酸二ナトリウム、ヘキサヒドロキシパラジウム(IV)酸二カリウム、ヘキサヒドロキシ白金(IV)酸、ヘキサヒドロキシ白金(IV)酸二ナトリウム、ヘキサヒドロキシ白金酸(IV)二カリウム、又はトリヒドロキシ金(III)、より好ましくはヘキサヒドロキシロジウム(III)酸三ナトリウム、ヘキサヒドロキシイリジウム(IV)酸二カリウム、ヘキサヒドロキシパラジウム(IV)酸二カリウム、ヘキサヒドロキシ白金(IV)酸、ヘキサヒドロキシ白金(IV)酸二ナトリウム、又はトリヒドロキシ金(III)が使用される。これらの高原子価金属化合物は、水和物や有機化合物の付加体であってもよく、又、担体に担持されていてもよい。
上記触媒が成分(C)を還元処理して得られるものであることにより、還元活性が飛躍的に向上する傾向がある。
本実施形態の触媒の製造方法は、成分(A)及び成分(B)、必要に応じてさらに成分(C)を含む混合物を得る第1工程と、上記混合物を還元処理して触媒を得る第2工程とを有していてもよい。また、本実施形態の触媒の製造方法は、触媒が担持触媒である場合には、上記混合物はさらに担体を含んでいてもよく、還元処理された上記混合物を焼成する第3工程を有していてもよい。
上記第1工程と第2工程は同時に行われてもよい。すなわち、本実施形態の触媒の製造方法は、成分(A)及び成分(B)(必要に応じて、成分(C))を含む混合物を得ながら、上記混合物を還元処理して触媒を得る工程を有していてもよい。
<第1工程>
第1工程は、成分(A)及び成分(B)を含む混合物、好ましくは成分(A)、成分(B)及び成分(C)を含む混合物を得る工程である。混合物が成分(A)〜(C)を含む場合の成分(A)〜(C)の混合順序は特に限定されないが、成分(A)と成分(C)とを混合した後、成分(B)を加えて混合することが好適である。上記成分(A)〜(C)をこのような順序で混合することにより、成分(A)と成分(C)が相互作用を持ち、触媒活性が向上する傾向がある。
より具体的には、第1工程において、成分(A)と成分(C)とを溶媒(例えば、水等)に加えて溶液(例えば、水溶液等)を得る。得られた溶液を、好ましくは60〜200℃、より好ましくは100〜150℃で加熱攪拌する。次いで、この溶液に成分(B)を加えて、好ましくは60〜200℃、より好ましくは100〜150℃で加熱攪拌して混合物を得る。
混合物中の成分(B)の金属の含有量は、成分(A)の金属原子1モルに対して、好ましくは0.5〜30モル、より好ましくは1〜20モルである。混合物が成分(B)を上記範囲で含むことにより、還元活性を低下させることなくフラン環開裂が選択的に進行する傾向がある。混合物中の成分(C)の金属の含有量は、成分(A)の金属原子1モルに対して、好ましくは0.1〜30モル、より好ましくは0.2〜20モルである。混合物が成分(C)を上記範囲で含むことにより、還元活性を向上させる傾向がある。
本実施形態の触媒が担体に担持された触媒(担持触媒)である場合、上記担持触媒は、上述の混合物が担体を含むことによって製造することができる。上記混合物が担体を含むとき、上記混合物は成分(A)〜(C)とは別に担体を含んでもよく、上記成分(A)、成分(B)又は成分(C)が担体に担持されたものを含んでいてもよい。上記担体は、多孔質の担体であることが好ましい。上記担体としては、例えば、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ(アルミノシリケート)、セリア、マグネシア、カルシア、チタニア、シリカチタニア(チタノシリケート)、ジルコニア、活性炭、ゼオライト、及びメソ孔体(メソポーラス−アルミナ、メスポーラス−シリカ、及びメスポーラス−カーボン)等が挙げられる。好ましくは、シリカ、アルミナ又は活性炭が使用される。これらの担体は、一種を単独で又は二種以上を混合して使用してもよい。
混合物中の担体の含有量は、成分(A)〜(C)の全質量100質量部に対して、1〜1000質量部であることが好ましく、5〜300質量部であることがより好ましい。混合物が担体を上記範囲で含むことにより、上記範囲より少ないと触媒中の金属分散性が低下することで触媒活性が低下し、上記範囲よりも多いと触媒使用量が増加することで、攪拌性や後処理で課題を生じる傾向がある。
<第2工程>
第2工程は、第1工程で得られた混合物を、還元処理して触媒を得る工程である。還元処理は、還元剤を用いて行うことができる。還元剤とは、水素を提供する化合物ならば特に限定されず、例えば、水素ガス、及びアンモニアガス等の還元性ガス(窒素、ヘリウム、及びアルゴン等の不活性ガスで希釈されていてもよい);水;メタノール、エタノール、及びイソプロピルアルコール等のアルコール類;ギ酸、酢酸、及びクロロギ酸等の有機酸類;塩酸、及び硫酸等の無機酸類が挙げられる。これらうち、好ましくは還元性ガス、より好ましくは水素ガスが使用される。還元剤として水素ガスを用いて還元処理する場合に、当該混合物と水素ガスとを接触させる際の温度は、好ましくは40〜300℃、より好ましくは50〜200℃であり、圧力(水素ガスの分圧)は、好ましくは常圧〜20MPa、より好ましくは0.2〜15MPaである。上述の条件で還元処理を行うことにより、混合物の還元活性がさらに向上する傾向がある。
上述の還元処理によって得られた触媒は、例えば、濾過又は洗浄等して一旦単離してもよく、懸濁液の状態でそのままポリオール化合物の製造に使用してもよい。
<第3工程>
上記触媒が担持触媒である場合、本実施形態の触媒の製造方法はさらに第3工程を備えていてもよい。第3工程は、第1及び第2工程で得られた担持触媒を焼成する工程である。焼成温度は、好ましくは50〜800℃、より好ましくは100〜600℃である。焼成時間は適宜調整することが可能であり、好ましくは0.1〜20時間、より好ましくは0.25〜15時間である。
本実施形態の触媒の製造方法は、成分(A)及び成分(B)(必要に応じて、成分(C))を個別に還元処理する工程と、還元処理された成分(A)及び成分(B)を混合する工程を有していてもよく、また、成分(A)及び成分(B)(必要に応じて、成分(C))の一部を還元処理する工程と、成分(A)及び成分(B)の還元処理された一部と、還元処理されていない残部とを混合する工程と、上記還元処理された一部及び還元処理されていない残部を併せた全体を還元処理する工程とを有していてもよい。本実施形態の触媒の製造方法における、これら別の態様における成分(A)〜成分(C)の金属の使用量は、上記混合物中の成分(A)〜成分(C)の含有量と同様であり、全工程で使用される成分(A)〜(C)の金属の総量が上記混合物中の含有量となるように調整される。
以上の方法によって得られた触媒は、ヒドロキシメチル基又はホルミル基を有するフラン化合物からポリオール化合物を製造する触媒として用いることができる。次に、上述の触媒を用いたポリオール化合物の製造方法の好適な実施形態を説明する。
(ポリオール化合物の製造方法)
本実施形態のポリオール化合物の製造方法は、水素源の存在下、ヒドロキシメチル基又はホルミル基を有するフラン化合物と上記触媒とを接触させることによりポリオール化合物を得るものである。
本実施形態のポリオール化合物の製造方法は、具体的には、水素源の存在下、下記一般式(1a)、(1b)、(1c)、(1d)及び(1e)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種のフラン化合物と、上記触媒と、を接触させて、下記一般式(2a)又は(2b)で表されるポリオール化合物を得る工程を備える。
Figure 0006318479

式(1a)、(1b)、(1c)、(1d)及び(1e)中、Rは、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、ホルミル基又はヒドロキシメチル基を示し、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を示し、Rはホルミル基又はヒドロキシメチル基を示す。R及びR、並びに、R及びRは、互いに結合してそれぞれ独立に環(例えば、シクロヘキサン環等)を形成していてもよい。
Figure 0006318479

式(2a)又は式(2b)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を示し、R1aは、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基又はヒドロキシメチル基を示し、R及びRは、互いに結合してそれぞれ独立に環を形成していてもよい。上記炭素原子数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、及びペンチル基が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体の構造を含む。
一般式(1a)、(1b)、(1c)、(1d)及び(1e)で表される、ヒドロキシメチル基又はホルミル基を有するフラン化合物としては、例えば、フルフラール、5−ヒドロキシメチルフルフラール、5−ホルミルフルフラール、5−メチルフルフラール、5−エチルフルフラール、5−プロピルフルフラール、5−ブチルフルフラール、5−ペンチルフルフラール、2−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロフラン、2−ヒドロキシメチル−4,5−ジヒドロフラン、2−ヒドロキシメチル−2,5−ジヒドロフラン、フルフリルアルコール、5−ヒドロキシメチルフルフリルアルコール、5−ホルミルフルフルフリルアルコール、5−メチルフルフリルアルコール、5−エチルフルフリルアルコール、5−プロピルフルフリルアルコール、5−ブチルフルフリルアルコール、5−ペンチルフルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、5−ヒドロキシメチルテトラヒドロフルフリルアルコール、5−メチルテトラヒドロフルフリルアルコール、5−エチルテトラヒドロフルフリルアルコール、5−プロピルテトラヒドロフルフリルアルコール、5−ブチルテトラヒドロフルフリルアルコール、5−ペンチルテトラヒドロフルフリルアルコール、及び2−ホルミルフラン等が挙げられる。好ましくはフルフラール、5−ヒドロキシメチルフルフラール、5−ホルミルフルフラール、5−メチルフルフラール、フルフリルアルコール、2−ヒドロキシメチル−2,5−ジヒドロフラン、テトラヒドロフルフリルアルコール、5−ヒドロキシメチルテトラヒドロフルフリルアルコール、5−メチルテトラヒドロフルフリルアルコール、又は2−ホルミルフランが使用され、より好ましくはフルフラール、5−メチルフルフラール、又はフルフリルアルコールが使用される。またこれらのフラン誘導体は単独で用いられてもよく、二種以上を組み合わせて用いられてもよい。
一般式(1a)、(1b)、(1c)、(1d)及び(1e)で表される、ヒドロキシメチル基又はホルミル基を有するフラン化合物と触媒とを接触させて得られるポリオール化合物は、上記一般式(2a)又は(2b)で表されるポリオール化合物である。上記ポリオール化合物としては、例えば、1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘプタンジオール、1,5−オクタンジオール、1,5−ノナンジオール、1,5−デカンジオール、1,6−ヘキサンジオール、及び1,2,6−ヘキサントリオール等が挙げられ、1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、又は1,2,6−ヘキサントリオールが好ましく、1,5−ペンタンジオールがより好ましい。
本実施形態のポリオール化合物の製造方法では、例えば、以下の一般式(1e)で表される化合物から一般式(1e−1)及び(1e−2)で表される化合物を経て、一般式(2a)又は(2b)で表される化合物が得られる。一般式(2a)又は(2b)で表されるポリオール化合物が得られるまで反応工程において、以下の一般式(1e−2)で表される化合物から一般式一般式(2a)又は(2b)で表される化合物への反応式に示したように、フラン化合物中のヒドロキシメチル基が結合している炭素と、エーテル基を形成している酸素との結合が切断され、対応するポリオール化合物が得られる。
Figure 0006318479

上記一般式中、R、R、R、R、及びR1aは、上述と同義である。本実施形態のポリオール化合物の製造方法によれば、上記一般式(1e)又は(1e−1)で表される化合物から、一般式(2a)又は一般式(2b)で表される化合物を連続反応として得ることができる。
本実施形態におけるポリオール化合物の製造方法において、使用する触媒の量は、周期表第3族〜11族の金属原子換算で、フラン化合物1モルに対して、好ましくは0.00005〜0.1モル、より好ましくは0.0001〜0.05モルである。使用する触媒の量を上記範囲とすることで、十分な反応速度を得つつ、高収率且つ高選択的にポリオール化合物を得ることがより高度に達成できる傾向がある。なお、触媒は、複数種の触媒を別々に調製して使用してもよい。
本実施形態のポリオール化合物の製造方法において、水素源とは、水素を提供する化合物ならば特に限定されず、例えば、水素ガス、及びアンモニアガス等の還元性ガス(窒素、ヘリウム、及びアルゴン等の不活性ガスで希釈されていてもよい);水;メタノール、エタノール、及びイソプロピルアルコール等のアルコール類;ギ酸、酢酸、及びクロロギ酸等の有機酸類;塩酸、及び硫酸等の無機酸類が挙げられる。これらうち、好ましくは還元性ガス、より好ましくは水素ガスが使用される。
上述の水素源の量は、フラン化合物1モルに対して、好ましくは5〜200モル、より好ましくは10〜160モルである。この使用量とすることで、十分な反応速度を得つつ、高収率且つ高選択的にポリオール化合物を得ることができる傾向がある。
本実施形態のポリオール化合物の製造方法は、フラン化合物と触媒とを溶媒中で接触させることが好ましいが、溶媒を用いなくてもよい。使用する溶媒としては反応を阻害しないものであれば特に限定されず、例えば、水;メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、tert−ブチルルコール、及びエチレングリコール等のアルコール類;ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン、及びトルエン等の炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、及びN−メチル−2−ピロリドン等のアミド類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、及びジオキサン等のエーテル類;塩化メチレン、ジクロロエタン、及びクロロシクロヘキサン等のハロゲン化炭化水素類が挙げられる。これらのうち、水、炭化水素類、又はエーテル類が好ましく、水がより好ましい。なお、これらの溶媒は、一種を単独で又は二種以上を混合して使用してもよい。
上記溶媒を使用する場合の使用量は、フラン化合物1質量部に対して、好ましくは0質量部超〜100質量部、より好ましくは0質量部超〜50質量部である。溶媒の使用量を上記範囲とすることで、攪拌が速やかに行われ、反応をスムーズに進行させることができる。
本実施形態のポリオール化合物の製造方法で使用される溶媒は、上述の水素源と同一であってもよく、水素源と異なっていてもよい。溶媒及び水素源のいずれにも該当する化合物としては、水、並びにメタノール及びエタノール等のアルコール類等が挙げられる。このような溶媒及び水素源の両方の機能を有する化合物を使用する場合の量は、フラン化合物1質量部に対して、0質量部超100質量部以下であってもよく、0質量部超50質量部以下であってもよい。
本実施形態のポリオール化合物の製造方法において、フラン化合物と触媒とを接触させる際の温度は、好ましくは10〜200℃、より好ましくは20〜180℃である。反応工程は、当該温度を段階的又は連続的に温度を上げる工程を含んでいてもよい。フラン化合物と触媒とを接触させる際の圧力は、水素分圧として、好ましくは常圧〜20MPa、より好ましくは0.2〜15MPaである。温度及び圧力を上記範囲とすることで、副生成物の生成を抑制しつつ、高い反応速度で、高収率且つ高選択的に目的物であるポリオール化合物を得ることがより高度に達成できる傾向がある。
本実施形態の製造方法の反応工程で用いられるフラン化合物の転化率は、例えば、30〜100モル%、40〜100モル%又は50〜100モル%である。また、上記反応工程で合成されるポリオール化合物の選択率は、例えば、5〜98モル%、10〜95モル%、又は15〜90モル%である。さらに、上記反応工程で合成されるポリオール化合物の収率は、例えば、5〜98モル%、10〜95モル%又は15〜90モル%である。なお、本明細書において、転化率とは、反応に供されたフラン化合物のモル数と反応後に残ったフラン化合物のモル数の差(転化したフラン化合物のモル数)を、反応に供されたフラン化合物のモル数で除した値に、100を乗じることにより計算される。また、選択率は、得られたポリオール化合物のモル数を、転化したフラン化合物のモル数で除した値に、100を乗じることにより計算される。また、収率は、得られたポリオール化合物のモル数を、反応に供されたフラン化合物のモル数で除した値に、100を乗じることにより計算される。
本実施形態のポリオール化合物の製造方法は、触媒の形態により回分式(バッチ式)又は連続式のいずれの方法も選択することができる。また、触媒の性質により均一系、及び不均一系(懸濁反応)のどちらの反応系でも実施できる。担体に担持させた触媒であれば、固定床で連続的に反応を行うこともできる。
本実施形態における反応により、目的とするポリオール化合物が得られる。このポリオール化合物は、反応終了後、得られた反応液から、例えば、濾過、濃縮、抽出、蒸留、昇華、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の一般的な操作によって単離・精製することができる。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1−1−1(触媒の製造)
シリカ(富士シリシア化学株式会社製、商品名:CARiACT G−6)0.50gを、テトラオキソルテニウム(VI)酸二カリウム水溶液(株式会社フルヤ金属製、ルテニウム濃度4.3質量%)0.244g(ルテニウム換算で0.104mmol)に水0.2gを加えた水溶液中に含浸させ、110℃で7時間乾燥した。次に、得られた粉末を、六塩化イリジウム酸(和光純薬製、イリジウム濃度37.7質量%)53.0mg(イリジウム換算で0.104mmol)を水0.4gに溶解させた水溶液中に含浸させ、110℃で7時間乾燥した。この粉末を250℃で4時間乾燥して、シリカにイリジウムが4質量%、ルテニウムが2.1質量%担持された固体触媒(以下、「Ir−Ru/SiO触媒(1)」と称することもある)568mgを得た。
内容積50mLのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、上記触媒(Ir−Ru/SiO触媒(1))25.0mg、水4.75g及び七酸化二レニウム水溶液(レニウム濃度2.5質量%)39.0mg(レニウム換算で0.0524mmol)を入れ、水素ガスで8MPaまで加圧した後、攪拌しながら120℃で1時間反応させて、シリカにイリジウムが4質量%、ルテニウムが2.1質量%、レニウムが3.9質量%担持された触媒(以下、「Ir−Ru−Re/SiO触媒(1)」と称することもある)の水分散物を得た。なお、各金属成分の担持量は、原料として使用した金属成分が全て担持されたとの前提で求めた値である。
実施例1−2−1(触媒の製造)
シリカ(富士シリシア化学株式会社製、商品名:CARiACT G−6)0.50gを、テトラオキソルテニウム(VI)酸二カリウム水溶液(株式会社フルヤ金属製、ルテニウム濃度4.3質量%)0.244g(ルテニウム換算で0.104mmol)に水0.2gを加えた水溶液中に含浸させ、110℃で7時間乾燥した。次に、得られた粉末を、六塩化イリジウム酸(和光純薬製、イリジウム濃度37.7質量%)53.0mg(イリジウム換算で0.104mmol)を水0.4gに溶解させた水溶液中に含浸させ、110℃で7時間乾燥した。さらに、得られた粉末を、テトラオキソレニウム(VII)酸アンモニウム27.9mg(レニウム換算で0.104mmol)を水0.4gに溶解させた溶液中に含浸させ、110℃で7時間乾燥させた。この粉末を250℃で4時間乾燥して、シリカにイリジウムが4質量%、ルテニウムが2.1質量%、レニウムが3.9質量%担持された固体触媒(以下、「Ir−Ru−Re/SiO触媒(2)」と称することもある)588mgを得た。
実施例1−2−2(触媒の製造)
内容積50mLのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例1−2−1で得られた触媒(Ir−Ru−Re/SiO触媒(2))25.0mg及び水4.75gを入れ、水素ガスで8MPaまで加圧した後、攪拌しながら120℃で1時間反応させて、シリカにイリジウムが4質量%、ルテニウムが2.1質量%、レニウムが3.9質量%担持された触媒(以下、「Ir−Ru−Re/SiO触媒(3)」と称することもある)の水分散物を得た。
実施例1−2−3(触媒の製造)
内容積50mLのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例1−2−1で得られた触媒(Ir−Ru−Re/SiO触媒(2))150.0mg及び水10.0gを入れ、水素ガスで8MPaまで加圧した後、攪拌しながら120℃で1時間反応させて、シリカにイリジウムが4質量%、ルテニウムが2.1質量%、レニウムが3.9質量%担持された触媒(Ir−Ru−Re/SiO触媒(3))の水分散物を得た。
参考例1−3−1(触媒の製造)
内容積30mLのナスフラスコに、塩化パラジウム44.2mg、水3.5mL及び2mol/L塩酸0.04mLを加え、85℃に加温して均一溶液とした。得られた溶液に室温で活性炭(日本エンバイロケミカルズ社製、商品名:白鷺)506mgを入れ、110℃で7時間乾燥させた。この粉末を250℃で4時間乾燥して、活性炭にパラジウムが5質量%担持された固体触媒(以下、「Pd/C触媒(1)」と称することもある)528mgを得た。
参考例1−3−2(触媒の製造)
内容積50mLのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、参考例1−3−1で得られた触媒(Pd/C触媒(1))20.0mg及び水4.75gを入れ、水素ガスで8MPaまで加圧した後、攪拌しながら120℃で1時間反応させて、活性炭にパラジウムが5質量%担持された触媒(以下、「Pd/C触媒(2)」と称することもある)の水分散物を得た。
実施例1−4−1(触媒の製造)
内容積50mLのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、三塩化イリジウム・n水和物(石津製薬株式会社製、イリジウム含量53質量%)17.5mg(イリジウム換算で0.0482mmol)、ヘキサヒドロキシ白金(IV)酸二ナトリウム16.3mg(白金換算で0.0475mmol)及び水5.0gを加え、120℃で30分間加熱攪拌した。これを一旦室温まで冷却した溶液に、活性炭(カルゴンカーボンジャパン株式会社製、商品名:ダイヤソープ)463mgを入れ、25℃で30分間攪拌後、七酸化二レニウム21.1mg(レニウム換算で0.0870mmol)を入れたものを、水素ガスで8MPaまで加圧した後、攪拌しながら120℃で1時間反応させた。得られたスラリー溶液の水層を遠心分離機で除去し、ウエット状態の活性炭にイリジウムが2.0質量%、白金が2.0質量%、レニウムが3.5質量%担持された固体触媒(以下、「Ir−Pt−Re/C触媒(1)」と称することもある)1.45gを得た。
実施例1−4−2(触媒の製造)
内容積50mLのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例1−4−1で得られた触媒(Ir−Pt−Re/C触媒(1))147.0mg及び水4.75gを入れ、水素ガスで8MPaまで加圧した後、攪拌しながら120℃で1時間反応させて、活性炭にイリジウムが2.0質量%、白金が2.0質量%、レニウムが3.5質量%担持された触媒(以下、「Ir−Pt−Re/C触媒(2)」と称することもある)の水分散物を得た。
実施例1−4−3(触媒の製造)
内容積50mLのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例1−4−1で得られた触媒(Ir−Pt−Re/C触媒(1))882mg及び水10.0gを入れ、水素ガスで8MPaまで加圧した後、攪拌しながら120℃で1時間反応させて、活性炭にイリジウムが2.0質量%、白金が2.0質量%、レニウムが3.5質量%担持された触媒(Ir−Pt−Re/C触媒(2))の水分散物を得た。
実施例1−5−1(触媒の製造)
活性炭にパラジウムが5質量%担持された触媒(和光純薬工業株式会社製、5質量%Pd/C)1.00gを、テトラオキソルテニウム(VI)酸二カリウム水溶液(株式会社フルヤ金属製、ルテニウム濃度4.3質量%)618mg(ルテニウム換算で0.263mmol)に水1.00gを加えた水溶液中に含浸させ、110℃で7時間乾燥した。次に、六塩化イリジウム酸(和光純薬工業株式会社製、イリジウム濃度37.7質量%)134mg(イリジウム換算で0.263mmol)を水1.30gに溶解させた水溶液中に含浸させ、110℃で7時間乾燥した。さらに、得られた粉末を、テトラオキソレニウム(VII)酸アンモニウム70.5mg(レニウム換算で0.263mmol)を水1.40gに溶解させた溶液中に含浸させ、110℃で7時間乾燥させた。この粉末を250℃で4時間乾燥して、活性炭にパラジウムが5.0質量%、イリジウムが5.0質量%、ルテニウムが2.6質量%、レニウムが4.9質量%担持された固体触媒(以下、「Pd−Ir−Ru−Re/C触媒(1)」と称することもある)1.27gを得た。
実施例1−5−2(触媒の製造)
内容積50mLのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例1−5−1で得られた触媒(Pd−Ir−Ru−Re/C触媒(1))25.0mg及び水4.75gを入れ、水素ガスで8MPaまで加圧した後、攪拌しながら120℃で1時間反応させて、活性炭にパラジウムが5.0質量%、イリジウムが5.0質量%、ルテニウムが2.6質量%、レニウムが4.9質量%担持された触媒(以下、「Pd−Ir−Ru−Re/C触媒(2)」と称することもある)の水分散物を得た。
実施例1−5−3(触媒の製造)
内容積50mLのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例1−5−1で得られた触媒(Pd−Ir−Ru−Re/C触媒(1))150mg及び水10.0gを入れ、水素ガスで8MPaまで加圧した後、攪拌しながら120℃で1時間反応させて、活性炭にパラジウムが5.0質量%、イリジウムが5.0質量%、ルテニウムが2.6質量%、レニウムが4.9質量%担持された触媒(Pd−Ir−Ru−Re/C触媒(2))の水分散物を得た。
実施例1−6−1(触媒の製造)
実施例1−5−1で用いた5質量%Pd/Cを、活性炭にパラジウムが5質量%担持された触媒(川研ファインケミカル株式会社製、5質量%Pd/C(ADタイプ、含水率50質量%))2.00gに代えたこと以外は、実施例1−5−1と同様に触媒調製を行い、活性炭にパラジウムが5.0質量%、イリジウムが5.0質量%、ルテニウムが2.6質量%、レニウムが3.9質量%担持された固体触媒(以下、「Pd−Ir−Ru−Re/C触媒(3)」と称することもある)1.29gを得た。
実施例1−6−2(触媒の製造)
内容積50mLのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例1−6−1で得られた触媒(Pd−Ir−Ru−Re/C触媒(3))25.0mg及び水4.75gを入れ、水素ガスで8MPaまで加圧した後、攪拌しながら120℃で1時間反応させて、活性炭にパラジウムが5.0質量%、イリジウムが5.0質量%、ルテニウムが2.6質量%、レニウムが4.9質量%担持された触媒(以下、「Pd−Ir−Ru−Re/C触媒(4)」と称することもある)の水分散物を得た。
実施例1−6−3(触媒の製造)
内容積50mLのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例1−6−1で得られた触媒(Pd−Ir−Ru−Re/C触媒(3))150mg及び水10.0gを入れ、水素ガスで8MPaまで加圧した後、攪拌しながら120℃で1時間反応させて、活性炭にパラジウムが5.0質量%、イリジウムが5.0質量%、ルテニウムが2.6質量%、レニウムが4.9質量%担持された触媒(Pd−Ir−Ru−Re/C触媒(4))の水分散物を得た。
実施例1−7−1(触媒の製造)
実施例1−5−1で用いた5質量%Pd/Cを、アルミナにパラジウムが5質量%担持された触媒(エヌ・イー・ケムキャット株式会社製、5質量%Pd/アルミナ)に代えたこと以外は、実施例1−5−1と同様に触媒調製を行い、アルミナにパラジウムが5.0質量%、イリジウムが5.0質量%、ルテニウムが2.6質量%、レニウムが4.9質量%担持された固体触媒(以下、「Pd−Ir−Ru−Re/アルミナ触媒(1)」と称することもある)1.24gを得た。
実施例1−7−2(触媒の製造)
内容積50mLのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例1−7−1で得られた触媒(Pd−Ir−Ru−Re/アルミナ触媒(1))25.0mg及び水4.75gを入れ、水素ガスで8MPaまで加圧した後、攪拌しながら120℃で1時間反応させて、アルミナにパラジウムが5.0質量%、イリジウムが5.0質量%、ルテニウムが2.6質量%、レニウムが4.9質量%担持された触媒(以下、「Pd−Ir−Ru−Re/アルミナ触媒(2)」と称することもある)の水分散物を得た。
実施例1−8−1(触媒の製造)
活性炭にパラジウムが5質量%担持された触媒(和光純薬工業株式会社製、5質量%Pd/C)0.250gを、六塩化イリジウム酸(和光純薬工業株式会社製、イリジウム濃度37.7質量%)133.5mg(イリジウム換算で0.263mmol)を水0.3gに溶解させた水溶液中に含浸させ、110℃で7時間乾燥した。この粉末を250℃で4時間乾燥して、活性炭にパラジウムが5.0質量%、イリジウムが5.0質量%担持された固体触媒(以下、「Pd−Ir/C触媒(1)」と称することもある)0.274gを得た。
内容積50mLのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、上記触媒(Pd−Ir/C触媒(1))25.0mg、水4.75g及び七酸化二レニウム水溶液(レニウム濃度2.5質量%)48.0mg(レニウム換算で0.00645mmol)を入れ、水素ガスで8MPaまで加圧した後、攪拌しながら120℃で1時間反応させて、活性炭にパラジウムが5.0質量%、イリジウムが5.0質量%、レニウムが4.8質量%担持された触媒(以下、「Pd−Ir−Re/C触媒(1)」と称することもある)の水分散物を得た。
実施例2−1(1,5−ペンタンジオールの合成)
Figure 0006318479

実施例1−1−1で得られた触媒(Ir−Ru−Re/SiO触媒(1))の水分散物に、室温で活性炭にパラジウムが5質量%担持された触媒(和光純薬工業株式会社製、5質量%Pd/C)20.0mgとフルフラール0.250g(2.60mmol)を入れ、水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら30℃で2時間反応(この時点でフルフラール及びフルフリルアルコールはテトラヒドロフルフリルアルコールに転化)させた後、120℃で更に2時間反応させた。得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(孔径:0.45μm)を備えた注射器で濾過した。濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、フルフラールの転化率は100モル%で、1,5−ペンタンジオールの収率は50.2モル%、テトラヒドロフルフリルアルコールの収率は42.7モル%であった。なお、副生成物である1,2−ペンタンジオールは、全く生成していなかった。
実施例2−2(1,5−ペンタンジオールの合成)
実施例1−2−2で得られた触媒(Ir−Ru−Re/SiO触媒(3))の水分散物に、室温で活性炭にパラジウムが5質量%担持された触媒(和光純薬工業株式会社製、5質量%Pd/C)20.0mgとフルフラール0.250g(2.60mmol)を入れ、水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら30℃で2時間反応(この時点でフルフラール及びフルフリルアルコールはテトラヒドロフルフリルアルコールに転化)させた後、120℃で更に2時間反応させた。得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(孔径:0.45μm)を備えた注射器で濾過した。濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、フルフラールの転化率は100モル%で、1,5−ペンタンジオールの収率は44.2モル%、テトラヒドロフルフリルアルコールの収率は48.7モル%であった。なお、副生成物である1,2−ペンタンジオールは、全く生成していなかった。
比較例2−1(1,5−ペンタンジオールの合成)
内容積50mLのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、活性炭にパラジウムが5質量%担持された触媒(和光純薬工業株式会社製、5質量%Pd/C)20.0mgとフルフラール0.250g(2.60mmol)及び水4.75gを入れ、水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら30℃で2時間反応(この時点でフルフラール及びフルフリルアルコールはテトラヒドロフルフリルアルコールに転化)させた後、120℃で更に2時間反応させた。得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(孔径:0.45μm)を備えた注射器で濾過した。濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、フルフラールの転化率は100モル%で、1,5−ペンタンジオールの収率は0.5モル%、テトラヒドロフルフリルアルコールの収率は96.5モル%であった。また、副生成物である1,2−ペンタンジオールは、全く生成してなかった。
実施例2−3(1,5−ペンタンジオールの合成)
実施例2−2で使用した触媒(和光純薬工業株式会社製、5質量%Pd/C)20.0mgを、活性炭にパラジウムが5質量%担持された触媒(川研ファインケミカル株式会社製、5質量%Pd/C(PHタイプ、50質量%含水率))40.0mgに代えたこと以外は、実施例2−2と同様に合成を行った。その結果、フルフラールの転化率は100モル%で、1,5−ペンタンジオールの収率は42.1モル%、テトラヒドロフルフリルアルコールの収率は51.5モル%であった。なお、副生成物である1,2−ペンタンジオールは、全く生成していなかった。
実施例2−4(1,5−ペンタンジオールの合成)
内容積50mLのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例1−2−1で得られた触媒(Ir−Ru−Re/SiO触媒(2))25.0mg、水4.75g、活性炭にパラジウムが5質量%担持された触媒(エヌ・イー・ケムキャット株式会社製、5質量%Pd/アルミナ)20.0mg及びフルフラール0.250g(2.60mmol)を入れ、水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら30℃で2時間反応(この時点でフルフラール及びフルフリルアルコールはテトラヒドロフルフリルアルコールに転化)させた後、155℃で更に2時間反応させた。得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(孔径:0.45μm)を備えた注射器で濾過した。濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、フルフラールの転化率は100モル%で、1,5−ペンタンジオールの収率は55.8モル%、テトラヒドロフルフリルアルコールの収率は24.3モル%であった。なお、副生成物である1,2−ペンタンジオールは、全く生成していなかった。
比較例2−2(1,5−ペンタンジオールの合成)
内容積50mLのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、アルミナにパラジウムが5質量%担持された触媒(エヌ・イー・ケムキャット株式会社製、5質量%Pd/アルミナ)20.0mgとフルフラール0.250g(2.60mmol)及び水4.75gを入れ、水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら30℃で2時間反応(この時点でフルフラール及びフルフリルアルコールはテトラヒドロフルフリルアルコールに転化)させた後、120℃で更に2時間反応させた。得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(孔径:0.45μm)を備えた注射器で濾過した。濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、フルフラールの転化率は100モル%で、1,5−ペンタンジオールの収率は0モル%、テトラヒドロフルフリルアルコールの収率は97.5モル%であった。また、副生成物である1,2−ペンタンジオールは生成してなかった。
実施例2−5(1,5−ペンタンジオールの合成)
実施例2−2で使用した触媒(和光純薬工業株式会社製、5質量%Pd/C)を、アルミナにパラジウムが5質量%担持された触媒(エヌ・イー・ケムキャット株式会社製、5質量%Pd/アルミナ)に代え、120℃の反応温度を155℃に代えたこと以外は、実施例2−2と同様に合成を行った。その結果、フルフラールの転化率は100モル%で、1,5−ペンタンジオールの収率は46.6モル%、テトラヒドロフルフリルアルコールの収率は35.8モル%であった。なお、副生成物である1,2−ペンタンジオールは、全く生成していなかった。
実施例2−6(1,5−ペンタンジオールの合成)
実施例1−2−3で得られた触媒(Ir−Ru−Re/SiO触媒(3))の水分散物を室温まで冷却し、デカンテーションにより水層を除き、残渣にフルフラール1.50g(15.6mmol)、及びアルミナにパラジウムが5質量%担持された触媒(エヌ・イー・ケムキャット株式会社製、5質量%Pd/アルミナ)120mgを入れ、水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら40℃で2時間、80℃で2時間、105℃で1時間反応(この時点でフルフラール及びフルフリルアルコールはテトラヒドロフルフリルアルコールに転化)させた後、150℃で更に2時間反応させた。得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(孔径:0.45μm)を備えた注射器で濾過した。濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、フルフラールの転化率は100モル%で、1,5−ペンタンジオールの収率は19.5モル%、テトラヒドロフルフリルアルコールの収率は70.4モル%であった。なお、副生成物である1,2−ペンタンジオールは、全く生成していなかった。
実施例2−7(1,5−ペンタンジオールの合成)
内容積50mLのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例1−2−1で得られた触媒(Ir−Ru−Re/SiO触媒(2))25.0mg、水4.75g、フルフラール0.250g(2.60mmol)、及び、活性炭にロジウムが5質量%担持された触媒(和光純薬工業株式会社製、5質量%Rh/C)20.0mgを入れ、水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら40℃で2時間、80℃で2時間反応(この時点でフルフラール及びフルフリルアルコールはテトラヒドロフルフリルアルコールに転化)させ、更に120℃で2時間反応させた。得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(孔径:0.45μm)を備えた注射器で濾過した。濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、フルフラールの転化率は100モル%で、1,5−ペンタンジオールの収率は44.8モル%、テトラヒドロフルフリルアルコールの収率は45.4モル%であった。なお、副生成物である1,2−ペンタンジオールは、全く生成していなかった。
実施例2−8(1,5−ペンタンジオールの合成)
内容積50mLのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例1−2−1で得られた触媒(Ir−Ru−Re/SiO触媒(2))25.0mg、水4.75g、フルフラール0.250g(2.60mmol)、及び、活性炭にルテニウムが5質量%担持された触媒(エヌ・イー・ケムキャット株式会社製、5質量%Ru/C)20.0mgを入れ、水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら40℃で2時間、80℃で2時間、105℃で2時間反応(この時点でフルフラール及びフルフリルアルコールはテトラヒドロフルフリルアルコールに転化)させ、更に120℃で2時間反応させた。得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(孔径:0.45μm)を備えた注射器で濾過した。濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、フルフラールの転化率は100モル%で、1,5−ペンタンジオールの収率は26.5モル%、テトラヒドロフルフリルアルコールの収率は50.3モル%であった。なお、副生成物である1,2−ペンタンジオールは、全く生成していなかった。
実施例2−9(1,5−ペンタンジオールの合成)
実施例2−8で使用した触媒(エヌ・イー・ケムキャット株式会社製、5質量%Ru/C)を、活性炭にイリジウムが5質量%担持された触媒(エヌ・イー・ケムキャット株式会社製、5質量%Ir/C)に代えたこと以外は、実施例2−8と同様に合成を行った。その結果、フルフラールの転化率は100モル%で、1,5−ペンタンジオールの収率は30.2モル%、テトラヒドロフルフリルアルコールの収率は38.2モル%であった。なお、副生成物である1,2−ペンタンジオールは、全く生成していなかった。
実施例2−10(1,5−ペンタンジオールの合成)
参考例1−3−2で得られた触媒(Pd/C触媒(2))の水分散物を、一旦室温まで冷却したものに、実施例1−2−1で得られた触媒(Ir−Ru−Re/SiO触媒(2))25.0mg及びフルフラール0.250g(2.60mmol)を入れ、水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら40℃で2時間、80℃で2時間反応(この時点でフルフラール及びフルフリルアルコールはテトラヒドロフルフリルアルコールに転化)させた後、150℃で更に2時間反応させた。得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(孔径:0.45μm)を備えた注射器で濾過した。濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、フルフラールの転化率は100モル%で、1,5−ペンタンジオールの収率は15.4モル%、テトラヒドロフルフリルアルコールの収率は73.8モル%であった。なお、副生成物である1,2−ペンタンジオールは、全く生成していなかった。
実施例2−11(1,5−ペンタンジオールの合成)
実施例1−4−2で得られた触媒(Ir−Pt−Re/C触媒(2))の水分散物に、室温で、活性炭にパラジウムが5質量%担持された触媒(和光純薬株式会社製、5質量%Pd/C)20.0mgとフルフラール0.250g(2.60mmol)を入れ、水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら30℃で2時間反応(この時点でフルフラール及びフルフリルアルコールはテトラヒドロフルフリルアルコールに転化)させた後、120℃で更に2時間反応させた。得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(孔径:0.45μm)を備えた注射器で濾過した。濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、フルフラールの転化率は100モル%で、1,5−ペンタンジオールの収率は38.5モル%、テトラヒドロフルフリルアルコールの収率は57.6モル%であった。なお、副生成物である1,2−ペンタンジオールは、全く生成していなかった。
実施例2−12(1,5−ペンタンジオールの合成)
実施例1−5−2で得られた触媒(Pd−Ir−Ru−Re/C触媒(2))の水分散物に、室温で、フルフラール0.250g(2.60mmol)を入れ、水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら30℃で2時間反応(この時点でフルフラール及びフルフリルアルコールはテトラヒドロフルフリルアルコールに転化)させた後、140℃で更に2時間反応させた。得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(孔径:0.45μm)を備えた注射器で濾過した。濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、フルフラールの転化率は100モル%で、1,5−ペンタンジオールの収率は49.4モル%、テトラヒドロフルフリルアルコールの収率は36.5モル%であった。なお、副生成物である1,2−ペンタンジオールは、全く生成していなかった。
実施例2−13(1,5−ペンタンジオールの合成)
実施例1−5−3で得られた触媒(Pd−Ir−Ru−Re/C触媒(2))の水分散物を室温まで冷却し、デカンテーションにより水層を除き、残渣にフルフラール1.50g(15.6mmol)及び水1.50gを入れ、水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら40℃で8時間反応(この時点でフルフラール及びフルフリルアルコールはテトラヒドロフルフリルアルコールに転化)させた後、140℃で更に2時間反応させた。得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(孔径:0.45μm)を備えた注射器で濾過した。濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、フルフラールの転化率は100モル%で、1,5−ペンタンジオールの収率は42.9モル%、テトラヒドロフルフリルアルコールの収率は42.7モル%であった。なお、副生成物である1,2−ペンタンジオールは、全く生成していなかった。
実施例2−14(1,5−ペンタンジオールの合成)
実施例1−5−2で得られた触媒(Pd−Ir−Ru−Re/C触媒(2))の水分散物の代わりに、実施例1−6−2で得られた触媒(Pd−Ir−Ru−Re/C触媒(4))の水分散物を用いた以外は、実施例2−12と同様に合成を行った。その結果、フルフラールの転化率は100モル%で、1,5−ペンタンジオールの収率は51.9モル%、テトラヒドロフルフリルアルコールの収率は35.2モル%であった。なお、副生成物である1,2−ペンタンジオールは、全く生成していなかった。
実施例2−15(1,5−ペンタンジオールの合成)
実施例1−5−3で得られた触媒(Pd−Ir−Ru−Re/C触媒(2))の水分散物の代わりに実施例1−6−3で得られた触媒(Pd−Ir−Ru−Re/C触媒(4))の水分散物を用いた以外は、実施例2−13と同様に合成を行った。その結果、フルフラールの転化率は100モル%で、1,5−ペンタンジオールの収率は33.5モル%、テトラヒドロフルフリルアルコールの収率55.6モル%であった。なお、副生成物である1,2−ペンタンジオールは、全く生成していなかった。
実施例2−16(1,5−ペンタンジオールの合成)
実施例1−5−2で得られた触媒(Pd−Ir−Ru−Re/C触媒(2))の水分散物の代わりに実施例1−7−2で得られた触媒(Pd−Ir−Ru−Re/アルミナ(2))50.0mgを用い、140℃の反応温度を150℃に代えたこと以外は、実施例2−12と同様に反応を行った。その結果、フルフラールの転化率は100モル%で、1,5−ペンタンジオールの収率は53.8モル%、テトラヒドロフルフリルアルコールの収率は30.5モル%であった。なお、副生成物である1,2−ペンタンジオールは、全く生成していなかった。
実施例2−17(1,5−ペンタンジオールの合成)
実施例1−8−1で得られた触媒(Pd−Ir−Re/C触媒(1))の水分散物に、室温で、フルフラール0.250g(2.60mmol)を入れ、水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら20℃で2時間反応(この時点でフルフラール及びフルフリルアルコールはテトラヒドロフルフリルアルコールに転化)させた後、140℃で更に8時間反応させた。得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(孔径:0.45μm)を備えた注射器で濾過した。濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、フルフラールの転化率は100モル%で、1,5−ペンタンジオールの収率は30.9モル%、テトラヒドロフルフリルアルコールの収率は52.9モル%であった。なお、副生成物である1,2−ペンタンジオールは、全く生成していなかった。
参考例2−18(1,5−ペンタンジオールの合成)
Figure 0006318479

実施例2−2で使用したフルフラール0.250gを、フルフリルアルコール0.250g(2.55mmol)に代えたこと以外は、実施例2−2と同様に合成を行った。その結果、フルフリルアルコールの転化率は100モル%で、1,5−ペンタンジオールの収率は41.8モル%、テトラヒドロフルフリルアルコールの収率は50.6モル%であった。なお、副生成物である1,2−ペンタンジオールは、全く生成していなかった。
実施例2−19(1,5−ペンタンジオールの合成)
実施例2−17で使用したフルフラール0.250gを、フルフリルアルコール0.250g(2.55mmol)に代えたこと以外は、実施例2−17と同様に反応を行った。その結果、フルフリルアルコールの転化率は100モル%で、1,5−ペンタンジオールの収率は42.6モル%、テトラヒドロフルフリルアルコールの収率は43.0モル%であった。なお、副生成物である1,2−ペンタンジオールは、全く生成していなかった。
参考例2−20(1,5−ペンタンジオールの合成)
Figure 0006318479

実施例2−2で使用したフルフラール0.250gを、2−ホルミルテトラヒドロフラン0.250g(2.50mmol)に代えたこと以外は、実施例2−2と同様に合成を行った。その結果、2−ホルミルテトラヒドロフランの転化率は100モル%で、1,5−ペンタンジオールの収率は54.2モル%、テトラヒドロフルフリルアルコールの収率は41.9モル%であった。なお、副生成物である1,2−ペンタンジオールは、全く生成していなかった。
参考例2−21(1,5−ペンタンジオールの合成)
Figure 0006318479

実施例2−2で使用したフルフラール0.250gを、2−ヒドロキシメチル−2,5−ジヒドロフラン0.250g(2.50mmol)に代えたこと以外は、実施例2−2と同様に合成を行った。その結果、2−ヒドロキシメチル−2,5−ジヒドロフランの転化率は100モル%で、1,5−ペンタンジオールの収率は67.1モル%、テトラヒドロフルフリルアルコールの収率は21.2モル%であった。なお、副生成物である1,2−ペンタンジオールは、全く生成していなかった。
参考例2−22(1,5−ペンタンジオールの合成)
Figure 0006318479

実施例2−2で使用したフルフラール0.250gを、2−ホルミルテトラヒドロフラン0.145g(1.45mmol)とテトラヒドロフルフリルアルコール0.105g(1.03mmol)との混合物に代えたこと以外は、実施例2−2と同様に合成を行った。その結果、2−ホルミルテトラヒドロフランの転化率は100%モルで、テトラヒドロフルフリルアルコールの転化率は63.1モル%で、1,5−ペンタンジオールの収率は58.2モル%、テトラヒドロフルフリルアルコールの収率は36.9モル%であった。なお、副生成物である1,2−ペンタンジオールは、全く生成していなかった。
実施例2−23(1,5−ヘキサンジオールの合成)
Figure 0006318479

内容積50mLのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例1−2−1で得られた触媒(Ir−Ru−Re/SiO触媒(2))25.0mg、水4.75g、5−メチルフルフラール0.25g(2.27mmol)、及び、活性炭にパラジウムが5質量%担持された触媒(和光純薬工業株式会社製、5質量%Pd/C)20.0mgを入れ、水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら40℃で2時間、80℃で2時間反応(この時点で5−メチルフルフラール及び5−メチルフルフリルアルコールは5−メチルテトラヒドロフルフリルアルコールに転化)させ、更に150℃で2時間反応させた。得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(孔径:0.45μm)を備えた注射器で濾過した。濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、5−メチルフルフルフラールの転化率は100モル%で、1,5−ヘキサンジオールの収率は35.3モル%、5−メチルテトラヒドロフルフリルアルコールの収率は43.8モル%であった。なお、副生成物である1,2−ヘキサンジオールは、全く生成していなかった。
実施例2−24(1,2,6−ヘキサントリオール及び1,6−ヘキサンジオールの合成)
Figure 0006318479

内容積50mLのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例1−2−1で得られた触媒(Ir−Ru−Re/SiO触媒(2))25.0mg、水4.75g、5−ヒドロキシメチルフルフラール0.250g(1.98mmol)、及び、活性炭にパラジウムが5質量%担持された触媒(和光純薬工業株式会社製、5質量%Pd/C)20.0mgを入れ、水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら40℃で2時間、80℃で2時間反応(この時点で5−ヒドロキシメチルフルフラールは及び5−ヒドロキシメチルフルフリルアルコールは2,5−ジヒドロキシメチルフラン及び1,2,6−ヘキサントリオールに転化)させた。得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(孔径:0.45μm)を備えた注射器で濾過した。濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、5−ヒドロキシメチルフルフルフラールの転化率は100モル%で、1,2,6−ヘキサントリオールの収率は88.7モル%、2,5−ジヒドロキシメチルテトラヒドロフランの収率は9.9モル%であった。
実施例2−25(1,2,6−ヘキサントリオール及び1,6−ヘキサンジオールの合成)
内容積50mLのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例1−2−1で得られた触媒(Ir−Ru−Re/SiO触媒(2))25.0mg、水4.75g、5−ヒドロキシメチルフルフラール0.250g(1.98mmol)、及び、活性炭にパラジウムが5質量%担持された触媒(和光純薬工業株式会社製、5質量%Pd/C)20.0mgを入れ、水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら40℃で2時間、80℃で2時間反応(この時点で5−ヒドロキシメチルフルフラール及び5−ヒドロキシメチルフルフリルアルコールは2,5−ジヒドロキシメチルフラン及び1,2,6−ヘキサントリオールに転化)させ、更に105℃で14時間反応させた。得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(孔径:0.45μm)を備えた注射器で濾過した。濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、5−ヒドロキシメチルフルフルフラールの転化率は100モル%で、1,6−ヘキサンジオールの収率は47.0モル%、1,5−ヘキサンジオールの収率は23.4モル%、1,2,6−ヘキサントリオールの収率は2.4モル%、2,5−ジヒドロキシメチルテトラヒドロフランの収率0.9モル%であった。
以上の結果から、本発明により得られる触媒が、水素源の存在下でフラン化合物と接触することにより、高い反応速度で、高収率且つ高選択的に対応するポリオール化合物を与えることが分かった。
本発明の製造方法によって製造されるポリオール化合物は、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、及びポリウレタン等の原料、樹脂添加剤、医農薬中間体原料、並びに各種溶剤等として有用である。

Claims (7)

  1. フラン化合物から、ポリオール化合物を得るポリオール化合物合成用の触媒の製造方法であって、
    前記フラン化合物は、下記一般式(1b)、(1c)、(1d)及び(1e)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種であり、
    前記ポリオール化合物は下記一般式(2a)又は(2b)で表され、
    イリジウム又はイリジウムを含む金属化合物である成分(A1)と、パラジウム又はパラジウムを含む金属化合物である成分(A2)と、レニウム又はレニウムを含む酸化金属化合物である成分(B)(ただし、前記成分(B)は、前記成分(A1)及び前記成分(A2)と異なる。)と、を還元処理して触媒を得る工程を有する、イリジウム、パラジウム及びレニウムを含む触媒の製造方法。
    Figure 0006318479

    (式(1b)、(1c)、(1d)及び(1e)中、Rは、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、ホルミル基又はヒドロキシメチル基を示し、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を示し、Rはホルミル基を示し、R及びR、並びに、R及びRは、互いに結合してそれぞれ独立に環を形成していてもよい。)
    Figure 0006318479

    (式(2a)及び(2b)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を示し、R1aは、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基又はヒドロキシメチル基を示し、R1a及びR、並びに、R及びRは、互いに結合してそれぞれ独立に環を形成していてもよい。)
  2. 前記成分(A1)と、前記成分(A2)と、前記成分(B)と、酸化ルテニウム化合物(C1)及び周期表第8〜11族に属する第3の金属を含む高原子価化合物(C2)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である成分(C)(ただし、前記成分(C)は、前記成分(A1)及び前記成分(A2)と異なる。)と、を還元処理して触媒を得る工程を有する、イリジウム、パラジウム及びレニウム、並びにルテニウム及び前記第3の金属の少なくとも一方を含む請求項に記載の触媒の製造方法。
  3. 前記酸化ルテニウム化合物(C1)が、酸化ルテニウム及び過酸化ルテニウム酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である、請求項2に記載の触媒の製造方法。
  4. 前記高原子価化合物(C2)が、ヒドロキシ金属及びヒドロキシ金属酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である、請求項2又は3に記載の触媒の製造方法。
  5. 前記酸化金属化合物が、金属酸化物及び過酸化金属酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の触媒の製造方法。
  6. 前記還元処理を水素の存在下にて行う請求項1〜5のいずれか1項に記載の触媒の製造方法。
  7. 水素源の存在下、下記一般式(1b)、(1c)、(1d)及び(1e)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種のフラン化合物と、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法で得られる触媒と、を接触させて、下記一般式(2a)又は一般式(2b)で表されるポリオール化合物を得る、ポリオール化合物の製造方法。
    Figure 0006318479

    (式(1b)、(1c)、(1d)及び(1e)中、Rは、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、ホルミル基又はヒドロキシメチル基を示し、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を示し、Rはホルミル基を示し、R及びR、並びに、R及びRは、互いに結合してそれぞれ独立に環を形成してもよい。)
    Figure 0006318479

    (式(2a)及び(2b)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を示し、R1aは、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基又はヒドロキシメチル基を示し、R1a及びR、並びに、R及びRは、互いに結合してそれぞれ独立に環を形成していてもよい。)
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