JP3095293B2 - γ‐ブチロラクトンの製造方法 - Google Patents
γ‐ブチロラクトンの製造方法Info
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- JP3095293B2 JP3095293B2 JP04248560A JP24856092A JP3095293B2 JP 3095293 B2 JP3095293 B2 JP 3095293B2 JP 04248560 A JP04248560 A JP 04248560A JP 24856092 A JP24856092 A JP 24856092A JP 3095293 B2 JP3095293 B2 JP 3095293B2
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- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07D—HETEROCYCLIC COMPOUNDS
- C07D315/00—Heterocyclic compounds containing rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom according to more than one of groups C07D303/00 - C07D313/00
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- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07D—HETEROCYCLIC COMPOUNDS
- C07D307/00—Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom
- C07D307/02—Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings
- C07D307/26—Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings having one double bond between ring members or between a ring member and a non-ring member
- C07D307/30—Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings having one double bond between ring members or between a ring member and a non-ring member with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals, directly attached to ring carbon atoms
- C07D307/32—Oxygen atoms
- C07D307/33—Oxygen atoms in position 2, the oxygen atom being in its keto or unsubstituted enol form
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- Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Catalysts (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1,4−ブタンジオー
ル(以下で、BDOと称することがある)を、触媒の存
在下に気相で接触脱水素してγ‐ブチロラクトン(以下
で、GBLと称することがある)を製造する方法に関
し、さらに詳しくは、未反応のBDOのリサイクルが可
能な上記方法に関する。
ル(以下で、BDOと称することがある)を、触媒の存
在下に気相で接触脱水素してγ‐ブチロラクトン(以下
で、GBLと称することがある)を製造する方法に関
し、さらに詳しくは、未反応のBDOのリサイクルが可
能な上記方法に関する。
【0002】
【従来の技術】γ‐ブチロラクトンは溶剤として、また
N−メチルピロリドンなどのピロリドン類の製造の際の
中間原料として有用な化合物である。したがって、γ‐
ブチロラクトンの安価でかつ効率の良い製造方法の開発
が強く望まれている。
N−メチルピロリドンなどのピロリドン類の製造の際の
中間原料として有用な化合物である。したがって、γ‐
ブチロラクトンの安価でかつ効率の良い製造方法の開発
が強く望まれている。
【0003】従来、γ‐ブチロラクトンの製造方法とし
ては、1,4−ブタンジオールを、Cu‐Cr系触媒の
存在下に脱水素する方法等が知られている。本発明者ら
は、特願平3-329752号において、Cu‐Cr系触媒にM
nおよび/またはBa、ならびにNaおよび/またはK
を添加することにより、触媒の活性および選択性の向上
および触媒の高寿命化が図れることを明らかにし、ま
た、この触媒系の還元処理条件を特定するとさらに触媒
の活性向上が図れることを見出した(特願平4-114257
号)。
ては、1,4−ブタンジオールを、Cu‐Cr系触媒の
存在下に脱水素する方法等が知られている。本発明者ら
は、特願平3-329752号において、Cu‐Cr系触媒にM
nおよび/またはBa、ならびにNaおよび/またはK
を添加することにより、触媒の活性および選択性の向上
および触媒の高寿命化が図れることを明らかにし、ま
た、この触媒系の還元処理条件を特定するとさらに触媒
の活性向上が図れることを見出した(特願平4-114257
号)。
【0004】γ−ブチロラクトンを工業的に製造する際
に、生成物中の未反応のBDOをリサイクルさせること
は製造コストの低減のために有利である。しかし上記の
方法においては、副生成物として2-(4- ヒドロキシブト
キシ)- テトラヒドロフラン(以下で、HBTHFと称
することがある)、2-(4- オキソブトキシ)- テトラヒ
ドロフラン(以下で、OBTHFと称することがある)
等の脱水二量体が生成する。
に、生成物中の未反応のBDOをリサイクルさせること
は製造コストの低減のために有利である。しかし上記の
方法においては、副生成物として2-(4- ヒドロキシブト
キシ)- テトラヒドロフラン(以下で、HBTHFと称
することがある)、2-(4- オキソブトキシ)- テトラヒ
ドロフラン(以下で、OBTHFと称することがある)
等の脱水二量体が生成する。
【0005】ブタンジオール類の分離法において2-メチ
ル-1,3- プロパンジオールと1,4−ブタンジオールお
よび不純物として存在するHBTHFより成る混合物を
ルテニウム触媒、水および水素の存在下で加熱すると、
HBTHFが1,4−ブタンジオールに転化することが
知られており、ルテニウム以外の貴金属、Ni、Coで
は不可であるとされている(特開昭58-167532 号公
報)。また、1,4−ブタンジオールの製造方法におい
て、HBTHFおよびOBTHFを含有する粗1,4−
ブタンジオールを蒸留しても、このような副生物はBD
Oと共沸するのでBDOを精製できず、したがって水素
添加触媒の存在下に水素添加する粗1,4−ブタンジオ
ールの精製方法が提案されており、触媒としては金属パ
ラジウム、白金等の白金属元素のみが記載されている
(特開昭61-197534 号公報)。
ル-1,3- プロパンジオールと1,4−ブタンジオールお
よび不純物として存在するHBTHFより成る混合物を
ルテニウム触媒、水および水素の存在下で加熱すると、
HBTHFが1,4−ブタンジオールに転化することが
知られており、ルテニウム以外の貴金属、Ni、Coで
は不可であるとされている(特開昭58-167532 号公
報)。また、1,4−ブタンジオールの製造方法におい
て、HBTHFおよびOBTHFを含有する粗1,4−
ブタンジオールを蒸留しても、このような副生物はBD
Oと共沸するのでBDOを精製できず、したがって水素
添加触媒の存在下に水素添加する粗1,4−ブタンジオ
ールの精製方法が提案されており、触媒としては金属パ
ラジウム、白金等の白金属元素のみが記載されている
(特開昭61-197534 号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
1,4−ブタンジオールの精製方法を、γ‐ブチロラク
トンの製造方法において未反応物のための精製方法とし
て工程に追加すると、工程が繁雑となり、コストがかか
りすぎてしまうという問題がある。
1,4−ブタンジオールの精製方法を、γ‐ブチロラク
トンの製造方法において未反応物のための精製方法とし
て工程に追加すると、工程が繁雑となり、コストがかか
りすぎてしまうという問題がある。
【0007】そこで本発明は、安価で効率の良い、未反
応物のリサイクルが可能な、γ‐ブチロラクトンの製造
方法を提供することを目的とする。
応物のリサイクルが可能な、γ‐ブチロラクトンの製造
方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、銅−クロ
ム系触媒を用いて気相で水素存在下に1,4−ブタンジ
オールを接触脱水素してγ−ブチロラクトンを製造する
方法においては、反応混合物からγ−ブチロラクトンを
蒸留分離した後のボトム(未反応1,4−ブタンジオー
ルの他に不純物を含む)をそのまま原料としてリサイク
ルしても触媒の活性、選択性、寿命に何ら悪影響を与え
ないこと、およびしかも銅−クロム系触媒によってでも
HBTHFおよびOBTHFが分解されて原料として利
用されることを見出した。
ム系触媒を用いて気相で水素存在下に1,4−ブタンジ
オールを接触脱水素してγ−ブチロラクトンを製造する
方法においては、反応混合物からγ−ブチロラクトンを
蒸留分離した後のボトム(未反応1,4−ブタンジオー
ルの他に不純物を含む)をそのまま原料としてリサイク
ルしても触媒の活性、選択性、寿命に何ら悪影響を与え
ないこと、およびしかも銅−クロム系触媒によってでも
HBTHFおよびOBTHFが分解されて原料として利
用されることを見出した。
【0009】すなわち本発明は、気相で1,4−ブタン
ジオールを、触媒の存在下に接触脱水素してγ‐ブチロ
ラクトンを製造する方法において、反応を銅およびクロ
ムを含む触媒の存在下で水素存在下に行い、かつ反応混
合物からγ‐ブチロラクトンを分離し、その残部を原料
としてリサイクルすることを特徴とする方法を提供する
ものである。
ジオールを、触媒の存在下に接触脱水素してγ‐ブチロ
ラクトンを製造する方法において、反応を銅およびクロ
ムを含む触媒の存在下で水素存在下に行い、かつ反応混
合物からγ‐ブチロラクトンを分離し、その残部を原料
としてリサイクルすることを特徴とする方法を提供する
ものである。
【0010】本発明の方法で使用する触媒は、公知の銅
−クロム系触媒であることができる。しかし、好ましく
は触媒は、特願平4-114257号明細書に記載されているよ
うに、CuおよびCrの他に、Mnおよび/またはB
a、ならびにNaおよび/またはKを含む。Naおよび
K以外のアルカリ金属(Li、Rb、Cs等)は使用に
適さない。Cu/Crの原子比は0.4〜1.8である
のが好ましく、さらに好ましくは0.8〜1.4であ
る。Mnは、CuおよびCrの和100重量部に対して
好ましくは1〜10重量部、さらに好ましくは2〜7重
量部含まれ、BaはCuおよびCrの和100重量部に
対して好ましくは2〜20重量部、さらに好ましくは2
〜10重量部含まれる。MnおよびBaの両方が含まれ
るときには合計量として、CuおよびCrの和100重
量部に対して好ましくは3〜30重量部含まれる。ま
た、NaおよびKはアルカリ金属として、CuおよびC
rの和100重量部に対して好ましくは0.1〜10重
量部、さらに好ましくは0.5〜7重量部含まれる。こ
の他に少量のSiを、CuおよびCrの和100重量部
に対して10重量部まで含むことができる。
−クロム系触媒であることができる。しかし、好ましく
は触媒は、特願平4-114257号明細書に記載されているよ
うに、CuおよびCrの他に、Mnおよび/またはB
a、ならびにNaおよび/またはKを含む。Naおよび
K以外のアルカリ金属(Li、Rb、Cs等)は使用に
適さない。Cu/Crの原子比は0.4〜1.8である
のが好ましく、さらに好ましくは0.8〜1.4であ
る。Mnは、CuおよびCrの和100重量部に対して
好ましくは1〜10重量部、さらに好ましくは2〜7重
量部含まれ、BaはCuおよびCrの和100重量部に
対して好ましくは2〜20重量部、さらに好ましくは2
〜10重量部含まれる。MnおよびBaの両方が含まれ
るときには合計量として、CuおよびCrの和100重
量部に対して好ましくは3〜30重量部含まれる。ま
た、NaおよびKはアルカリ金属として、CuおよびC
rの和100重量部に対して好ましくは0.1〜10重
量部、さらに好ましくは0.5〜7重量部含まれる。こ
の他に少量のSiを、CuおよびCrの和100重量部
に対して10重量部まで含むことができる。
【0011】上記のような触媒は、例えば次のようにし
て製造することができる。まず、Cu源として、例えば
硝酸銅、硫酸銅、塩化銅、酢酸銅等を、Cr源として重
クロム酸塩(例えばNa2 Cr2 O7 )、クロム酸塩、
硝酸クロム等を、Mnおよび/またはBa源として塩化
バリウム、硝酸バリウム、塩化マンガン、硝酸マンガ
ン、酢酸マンガン等を、Naおよび/またはK源として
炭酸塩、ケイ酸塩(水ガラス)、水酸化物等を使用でき
る。Crを含む溶液をアンモニアで塩基性にして、これ
と、CuおよびMnおよび/またはBaを含む溶液とを
混合して沈殿を生成させる。
て製造することができる。まず、Cu源として、例えば
硝酸銅、硫酸銅、塩化銅、酢酸銅等を、Cr源として重
クロム酸塩(例えばNa2 Cr2 O7 )、クロム酸塩、
硝酸クロム等を、Mnおよび/またはBa源として塩化
バリウム、硝酸バリウム、塩化マンガン、硝酸マンガ
ン、酢酸マンガン等を、Naおよび/またはK源として
炭酸塩、ケイ酸塩(水ガラス)、水酸化物等を使用でき
る。Crを含む溶液をアンモニアで塩基性にして、これ
と、CuおよびMnおよび/またはBaを含む溶液とを
混合して沈殿を生成させる。
【0012】得られた沈殿を濾別、水洗、乾燥した後、
300〜400℃で熱分解する。得られた粉体を稀酸水
溶液で洗い、さらに水洗し、乾燥する。得られた触媒前
駆体に、Naおよび/またはKを含む化合物を添加し、
乾燥し、400〜500℃で焼成する。Naおよび/ま
たはKの添加の時期に制限はないが、アルカリ金属の水
溶性が高いことから、上記の沈殿生成後に、水洗、乾燥
をおこなってから、またその後焼成してから添加するの
が普通である。その後、必要であれば黒鉛等の成形助剤
を添加して成形機を用いて所定の形状に成形する。得ら
れた触媒中の各成分は酸化物の形として存在している。
300〜400℃で熱分解する。得られた粉体を稀酸水
溶液で洗い、さらに水洗し、乾燥する。得られた触媒前
駆体に、Naおよび/またはKを含む化合物を添加し、
乾燥し、400〜500℃で焼成する。Naおよび/ま
たはKの添加の時期に制限はないが、アルカリ金属の水
溶性が高いことから、上記の沈殿生成後に、水洗、乾燥
をおこなってから、またその後焼成してから添加するの
が普通である。その後、必要であれば黒鉛等の成形助剤
を添加して成形機を用いて所定の形状に成形する。得ら
れた触媒中の各成分は酸化物の形として存在している。
【0013】触媒の還元は、例えば、3体積%程度の水
素を含む窒素ガスを触媒に対して、常温常圧換算でのガ
ス空間速度(G.H.S.V.、以下G.H.S.V.はすべて常温、常
圧換算値で示す)4000〜8000時間-1程度で数Kg
/cm2 Gの加圧下、昇温して、140〜160℃にて、
触媒床の発熱が観測されなくなるまで流通し、さらに水
素濃度と温度を徐々に上げ、100体積%として、触媒
床温度200℃にて数時間流通することにより行う。
素を含む窒素ガスを触媒に対して、常温常圧換算でのガ
ス空間速度(G.H.S.V.、以下G.H.S.V.はすべて常温、常
圧換算値で示す)4000〜8000時間-1程度で数Kg
/cm2 Gの加圧下、昇温して、140〜160℃にて、
触媒床の発熱が観測されなくなるまで流通し、さらに水
素濃度と温度を徐々に上げ、100体積%として、触媒
床温度200℃にて数時間流通することにより行う。
【0014】特に好ましい還元処理方法は、特願平4-11
4257号に記載された方法であり、(1)還元ガスとして
0.1〜1体積%の水素を含む不活性ガスを流通させな
がら、40℃以下から100〜140℃(前還元温度)
まで予備加熱し、次いで(2) 徐々に温度および水素濃度
を上昇させていく還元処理方法である。このような還元
処理方法は、マレイン酸ジエステルの水素化反応による
1,4−ブタンジオールの製造用触媒である銅クロマイ
ト触媒について活性を高める効果があることが、特開平
1-127042号公報から知られているが、1,4−ブタンジ
オールの脱水素反応によるγ‐ブチロラクトンの製造用
触媒であるCu−Cr−(Mnおよび/またはBa)−
(Naおよび/またはK)触媒についても活性を向上さ
せる効果があることが見出された(特願平4-114257
号)。
4257号に記載された方法であり、(1)還元ガスとして
0.1〜1体積%の水素を含む不活性ガスを流通させな
がら、40℃以下から100〜140℃(前還元温度)
まで予備加熱し、次いで(2) 徐々に温度および水素濃度
を上昇させていく還元処理方法である。このような還元
処理方法は、マレイン酸ジエステルの水素化反応による
1,4−ブタンジオールの製造用触媒である銅クロマイ
ト触媒について活性を高める効果があることが、特開平
1-127042号公報から知られているが、1,4−ブタンジ
オールの脱水素反応によるγ‐ブチロラクトンの製造用
触媒であるCu−Cr−(Mnおよび/またはBa)−
(Naおよび/またはK)触媒についても活性を向上さ
せる効果があることが見出された(特願平4-114257
号)。
【0015】1,4−ブタンジオールと水素との混合気
体と触媒との接触は、従来知られている方法のなかから
適宜選択できる。例えば、混合気体と触媒とを固定床方
式で接触させる方法、移動床方式で接触させる方法、流
動床方式で接触させる方法などを採用することができ
る。また場合によっては、混合気体と触媒を回分方式で
接触させることもできる。
体と触媒との接触は、従来知られている方法のなかから
適宜選択できる。例えば、混合気体と触媒とを固定床方
式で接触させる方法、移動床方式で接触させる方法、流
動床方式で接触させる方法などを採用することができ
る。また場合によっては、混合気体と触媒を回分方式で
接触させることもできる。
【0016】脱水素反応は、反応温度150〜300
℃、反応圧力0〜8Kg/cm2 G、水素/1,4−ブタン
ジオール比(モル比)0.5〜10、1,4−ブタンジ
オールの重量空間速度(W.H.S.V.) 0.2〜16時間-1
で行うのが好ましい。
℃、反応圧力0〜8Kg/cm2 G、水素/1,4−ブタン
ジオール比(モル比)0.5〜10、1,4−ブタンジ
オールの重量空間速度(W.H.S.V.) 0.2〜16時間-1
で行うのが好ましい。
【0017】本発明においては、上記のような反応混合
物からγ‐ブチロラクトン回収後の、未反応の1,4−
ブタンジオールを含む残部を再び原料としてリサイクル
することを特徴とする。その方法としては、例えば反応
混合物を蒸留し、低沸点のγ‐ブチロラクトンを留去後
の蒸留ボトムをそのままリサイクルする方法が最も簡便
である。しかし、より高分子量の副生物(重質物)を除
いて、1,4−ブタンジオールと共にHBTHF、OB
THF等を主として含む蒸留成分をリサイクルするのが
より好ましい。そのような方法としては、γ−ブチロラ
クトン留去後の蒸留ボトムを再度蒸留し、1,4−ブタ
ンジオールおよび共沸するHBTHF、OBTHF等を
含んだ低沸点の留分をリサイクルさせればよい。あるい
は簡便には、蒸留塔を用いてγ−ブチロラクトンを蒸留
する際に、1,4−ブタンジオールを含む留分を途中か
ら直接取り出してリサイクルする。あるいは、原料BD
Oのための気化器に蒸留ボトムをリサイクルすると、H
BTHFおよびOBTHFはBDOと共沸して気化する
が重質物は気化器内に蓄積するので、これを適宜抜き出
せばよい。
物からγ‐ブチロラクトン回収後の、未反応の1,4−
ブタンジオールを含む残部を再び原料としてリサイクル
することを特徴とする。その方法としては、例えば反応
混合物を蒸留し、低沸点のγ‐ブチロラクトンを留去後
の蒸留ボトムをそのままリサイクルする方法が最も簡便
である。しかし、より高分子量の副生物(重質物)を除
いて、1,4−ブタンジオールと共にHBTHF、OB
THF等を主として含む蒸留成分をリサイクルするのが
より好ましい。そのような方法としては、γ−ブチロラ
クトン留去後の蒸留ボトムを再度蒸留し、1,4−ブタ
ンジオールおよび共沸するHBTHF、OBTHF等を
含んだ低沸点の留分をリサイクルさせればよい。あるい
は簡便には、蒸留塔を用いてγ−ブチロラクトンを蒸留
する際に、1,4−ブタンジオールを含む留分を途中か
ら直接取り出してリサイクルする。あるいは、原料BD
Oのための気化器に蒸留ボトムをリサイクルすると、H
BTHFおよびOBTHFはBDOと共沸して気化する
が重質物は気化器内に蓄積するので、これを適宜抜き出
せばよい。
【0018】図1を参照して、1,4−ブタンジオール
からγ−ブチロラクトンを製造し、未反応物をリサイク
ルする一例について述べる。反応器1には、触媒が置か
れ、1,4−ブタンジオールが管11から導入され気化
されて反応器1に供給される。運転開始時には管12か
ら水素ガスが導入される(定常運転では水素が発生する
ので、過剰の水素は系から出される)。反応混合物は気
液分離器2へ送られ、ここで水素ガスを分離してその一
部はリサイクルされ、過剰の水素ガスは管14から系外
へ出される。一方、液体は粗蒸留塔(crude tower) 3に
送られ、ここで軽質物を除去された後、生成物蒸留塔(p
roduct tower) 4へと送られる。生成物蒸留塔では、塔
頂から留出する目的物であるγ−ブチロラクトンを凝縮
し、一部は還流し、残りを管15から取り出す。1,4
−ブタンジオールおよび共沸不純物を含んだサイドスト
リームを塔の中間部6から取り出し、管13を介してリ
サイクルに回す。ボトムの重質物は塔底5から取り出
し、別途処分する。あるいは、1,4−ブタンジオール
を含む蒸留ボトムを塔底5からそのまま取り出してリサ
イクルする(図2に示す)。
からγ−ブチロラクトンを製造し、未反応物をリサイク
ルする一例について述べる。反応器1には、触媒が置か
れ、1,4−ブタンジオールが管11から導入され気化
されて反応器1に供給される。運転開始時には管12か
ら水素ガスが導入される(定常運転では水素が発生する
ので、過剰の水素は系から出される)。反応混合物は気
液分離器2へ送られ、ここで水素ガスを分離してその一
部はリサイクルされ、過剰の水素ガスは管14から系外
へ出される。一方、液体は粗蒸留塔(crude tower) 3に
送られ、ここで軽質物を除去された後、生成物蒸留塔(p
roduct tower) 4へと送られる。生成物蒸留塔では、塔
頂から留出する目的物であるγ−ブチロラクトンを凝縮
し、一部は還流し、残りを管15から取り出す。1,4
−ブタンジオールおよび共沸不純物を含んだサイドスト
リームを塔の中間部6から取り出し、管13を介してリ
サイクルに回す。ボトムの重質物は塔底5から取り出
し、別途処分する。あるいは、1,4−ブタンジオール
を含む蒸留ボトムを塔底5からそのまま取り出してリサ
イクルする(図2に示す)。
【0019】
【作用】本発明の方法においては、未反応BDOを精製
することなく、不純物を含んだままリサイクルさせるこ
とができる。これは、不純物がCu−Cr系触媒の活
性、選択性および寿命に悪影響せず、しかもHBTHF
およびOBTHFは、反応系内に導入されるとCu−C
r系触媒により分解されるので、リサイクルにより系内
に蓄積することがないためである。
することなく、不純物を含んだままリサイクルさせるこ
とができる。これは、不純物がCu−Cr系触媒の活
性、選択性および寿命に悪影響せず、しかもHBTHF
およびOBTHFは、反応系内に導入されるとCu−C
r系触媒により分解されるので、リサイクルにより系内
に蓄積することがないためである。
【0020】以下の実施例により、本発明をさらに詳し
く説明する。
く説明する。
【0021】
【実施例】実施例1 この実施例では、不純物を含む未反応の1,4−ブタン
ジオールをリサイクルする際に、不純物の触媒活性およ
び選択率への影響を調べた。HBTHFを含有する1,
4−ブタンジオールをモデル原料として用いて、Cu−
Cr−Mn−Ba−Na系の触媒と接触させてγ−ブチ
ロラクトンを製造した。 (1)HBTHFの合成 ジヒドロフラン(DHF)1モルに対して、1,4−ブ
タンジオール 10モルの割合で、アンバーリスト16
(ローム アンド ハースジャパン株式会社製)を触媒
として用いて両者を反応させた。生成物をベンゼンを用
いて抽出し、ベンゼンをフラッシュ蒸留により除去した
後、蒸留精製により高濃度のHBTHFを含む留出物を
得た。この留出物の組成は、HBTHF 88重量%、
1,4−ブタンジオール 7.5重量%、1,4-ジ-(2'-
テトラヒドロフロキシ)ブタン3.5重量%であった。 (2)触媒の準備 触媒は以下のようにして調製し、還元処理したものを使
用した。 (a) 触媒の調製 Na2 Cr2 O7 ・2H2 O 150gを蒸留水900
mlに溶解し、この溶液に28%アンモニア水225m
lを加えた。これを溶液aとする。
ジオールをリサイクルする際に、不純物の触媒活性およ
び選択率への影響を調べた。HBTHFを含有する1,
4−ブタンジオールをモデル原料として用いて、Cu−
Cr−Mn−Ba−Na系の触媒と接触させてγ−ブチ
ロラクトンを製造した。 (1)HBTHFの合成 ジヒドロフラン(DHF)1モルに対して、1,4−ブ
タンジオール 10モルの割合で、アンバーリスト16
(ローム アンド ハースジャパン株式会社製)を触媒
として用いて両者を反応させた。生成物をベンゼンを用
いて抽出し、ベンゼンをフラッシュ蒸留により除去した
後、蒸留精製により高濃度のHBTHFを含む留出物を
得た。この留出物の組成は、HBTHF 88重量%、
1,4−ブタンジオール 7.5重量%、1,4-ジ-(2'-
テトラヒドロフロキシ)ブタン3.5重量%であった。 (2)触媒の準備 触媒は以下のようにして調製し、還元処理したものを使
用した。 (a) 触媒の調製 Na2 Cr2 O7 ・2H2 O 150gを蒸留水900
mlに溶解し、この溶液に28%アンモニア水225m
lを加えた。これを溶液aとする。
【0022】Cu(NO3 )2 ・3H2 O 280g、
Mn(NO3 )2 ・6H2 O 26gおよびBa(NO
3 )2 8gを蒸留水900mlに溶解させ、80℃に
加熱した。この溶液を溶液bとする。
Mn(NO3 )2 ・6H2 O 26gおよびBa(NO
3 )2 8gを蒸留水900mlに溶解させ、80℃に
加熱した。この溶液を溶液bとする。
【0023】溶液aに、撹拌しながら溶液bを加え、生
じた沈殿物を濾別し、水洗、乾燥した後粉砕し、これを
350℃で熱分解した。得られた粉体を10%酢酸水溶
液で洗浄し、水洗し、乾燥し、触媒前駆体を得た。この
触媒前駆体100gに対し、ケイ酸ナトリウム(水ガラ
ス1号)15gを添加し、乾燥した後、450℃で3時
間焼成した。これに、さらに黒鉛を0.5重量%添加し
て、ペレットに成形した。得られた触媒(酸化形)の組
成を蛍光X線分析にて調べたところ、Cu 28.4重
量%、Cr 25.0重量%、Mn 2.3重量%、B
a 1.6重量%、Na 1.7重量%であった。 (b) 触媒の還元処理 上記で調製した触媒(酸化形)10mlをSUS316
製固定床反応器(内径15mm、長さ600mm)に充填
し、系内を窒素気流にて十分に置換した後、3Kg/cm2
Gに加圧した。窒素流量を15リットル/時間とした
(G.H.S.V.1500時間-1)。
じた沈殿物を濾別し、水洗、乾燥した後粉砕し、これを
350℃で熱分解した。得られた粉体を10%酢酸水溶
液で洗浄し、水洗し、乾燥し、触媒前駆体を得た。この
触媒前駆体100gに対し、ケイ酸ナトリウム(水ガラ
ス1号)15gを添加し、乾燥した後、450℃で3時
間焼成した。これに、さらに黒鉛を0.5重量%添加し
て、ペレットに成形した。得られた触媒(酸化形)の組
成を蛍光X線分析にて調べたところ、Cu 28.4重
量%、Cr 25.0重量%、Mn 2.3重量%、B
a 1.6重量%、Na 1.7重量%であった。 (b) 触媒の還元処理 上記で調製した触媒(酸化形)10mlをSUS316
製固定床反応器(内径15mm、長さ600mm)に充填
し、系内を窒素気流にて十分に置換した後、3Kg/cm2
Gに加圧した。窒素流量を15リットル/時間とした
(G.H.S.V.1500時間-1)。
【0024】次に、室温にて圧力およびガス流量はその
ままで、窒素ガスを、0.1体積%の水素を含む窒素ガ
スに切換えた後、昇温を開始した。昇温速度は30℃/
時間で120℃まで昇温した。
ままで、窒素ガスを、0.1体積%の水素を含む窒素ガ
スに切換えた後、昇温を開始した。昇温速度は30℃/
時間で120℃まで昇温した。
【0025】120℃で、流通ガスの入口と出口のガス
中の水素濃度が等しいことを確認した後、130℃まで
1時間かけて昇温した。さらに1時間かけて130℃か
ら140℃に、またさらに1時間かけて140℃から1
50℃に、またさらに1時間かけて150℃から160
℃に昇温した。なお、各段階では、流通ガスの入口と出
口のガス中の水素濃度が等しくなるまでその温度に保持
してから昇温した。
中の水素濃度が等しいことを確認した後、130℃まで
1時間かけて昇温した。さらに1時間かけて130℃か
ら140℃に、またさらに1時間かけて140℃から1
50℃に、またさらに1時間かけて150℃から160
℃に昇温した。なお、各段階では、流通ガスの入口と出
口のガス中の水素濃度が等しくなるまでその温度に保持
してから昇温した。
【0026】次に、水素濃度を0.1体積%から0.3
体積%までゆっくりと増加させ、この状態に2時間保持
した。
体積%までゆっくりと増加させ、この状態に2時間保持
した。
【0027】さらに、水素濃度を0.3体積%から0.
5体積%までゆっくりと増加させた後、還元温度を16
0℃から170℃まで1時間かけて昇温した。170℃
になったところで、水素濃度を2.0体積%に増加させ
て1時間保持した。
5体積%までゆっくりと増加させた後、還元温度を16
0℃から170℃まで1時間かけて昇温した。170℃
になったところで、水素濃度を2.0体積%に増加させ
て1時間保持した。
【0028】続いて、水素濃度を2.0体積%から、
5.0体積%、10.0体積%、100体積%と段階的
に増加させた。各段階で、それぞれ1〜2時間保持し
た。水素濃度を100体積%にした後、還元温度を20
0℃として、還元処理を終了した。いずれの段階におい
ても、流通ガスの入口と出口のガス中の水素濃度が等し
いことを確認した後、次の段階へと移った。
5.0体積%、10.0体積%、100体積%と段階的
に増加させた。各段階で、それぞれ1〜2時間保持し
た。水素濃度を100体積%にした後、還元温度を20
0℃として、還元処理を終了した。いずれの段階におい
ても、流通ガスの入口と出口のガス中の水素濃度が等し
いことを確認した後、次の段階へと移った。
【0029】以上の還元処理の全過程を通じ、触媒層の
発熱によるΔTは5℃以下であった 。(3)HBTHFを含む1,4−ブタンジオールを原
料としたγ−ブチロラクトンの製造 原料として、上記(1)で製造したHBTHFを、0モ
ル%、0.26モル%、0.40モル%および0.81
モル%の割合で含む1,4−ブタンジオールを使用し
た。上記(2)の還元処理(b)後の触媒に、230
℃、大気圧下、1,4−ブタンジオールの重量空間速度
(W.H.S.V.)2.0または5.0時間-1、H2 /原料比
(モル)=6.0の反応条件下で、水素ガスおよび原料
を流通して脱水素反応を行った。反応混合物をガスクロ
マトグラフィーにより分析し、以下のような結果を得た
(各モル%)。表1において、BDOの転化率およびG
BLの収率は次のように定義した: BDOの転化率=100−(反応混合物に含まれるBD
Oのモル数/反応混合物に含まれる化合物のモル数の総
和)×100 GBLの収率=(反応混合物に含まれるGBLのモル数
/反応混合物に含まれる化合物のモル数の総和)×10
0
発熱によるΔTは5℃以下であった 。(3)HBTHFを含む1,4−ブタンジオールを原
料としたγ−ブチロラクトンの製造 原料として、上記(1)で製造したHBTHFを、0モ
ル%、0.26モル%、0.40モル%および0.81
モル%の割合で含む1,4−ブタンジオールを使用し
た。上記(2)の還元処理(b)後の触媒に、230
℃、大気圧下、1,4−ブタンジオールの重量空間速度
(W.H.S.V.)2.0または5.0時間-1、H2 /原料比
(モル)=6.0の反応条件下で、水素ガスおよび原料
を流通して脱水素反応を行った。反応混合物をガスクロ
マトグラフィーにより分析し、以下のような結果を得た
(各モル%)。表1において、BDOの転化率およびG
BLの収率は次のように定義した: BDOの転化率=100−(反応混合物に含まれるBD
Oのモル数/反応混合物に含まれる化合物のモル数の総
和)×100 GBLの収率=(反応混合物に含まれるGBLのモル数
/反応混合物に含まれる化合物のモル数の総和)×10
0
【0030】
【表1】 上記の表から、原料BDOがHBTHFを含有していて
も、1,4−ブタンジオール転化率、γ−ブチロラクト
ン選択率に変化はなく、HBTHFは触媒の活性に影響
しないことが分かった。
も、1,4−ブタンジオール転化率、γ−ブチロラクト
ン選択率に変化はなく、HBTHFは触媒の活性に影響
しないことが分かった。
【0031】さらに、原料中に含有されるHBTHFの
濃度よりも反応混合物中に含有されるHBTHFの濃度
の方がいずれの場合にも低くなっている(ただし、原料
中0%を除く)ことから、HBTHFは1,4−ブタン
ジオール脱水素反応の条件下では、一部分解されて1,
4−ブタンジオール等になっていることがわかる。この
ことは、HBTHFを含む未反応1,4−ブタンジオー
ルを原料としてリサイクルしても、HBTHFは系内に
蓄積していかないことを示している。実施例2 ここでは、リサイクル原料中に含まれる不純物の触媒寿
命への影響を調べた。モデル原料としてHBTHFを含
む1,4−ブタンジオールを使用した。実施例1の
(2)で製造し、還元したのと同じ触媒(Cu−Cr−
Mn−Ba−Na系の触媒)を使用し、原料として実施
例1の(1)で製造したHBTHFを含む1,4−ブタ
ンジオールを使用して、1,4−ブタンジオールの脱水
素反応を行った。反応の条件は、次の通りであった: 反応温度 232℃、 圧力 2 kg/cm2 G BDOのW.H.S.V. 5.0時間-1 H2 /原料比(モル)=6.0 原料中のHBTHFの濃度は、反応開始後100時間ま
で0モル%、100〜600時間まで0.62モル%、
600〜1000時間まで1.02モル%とした。ま
た、1000時間以降は再び0モル%とした。
濃度よりも反応混合物中に含有されるHBTHFの濃度
の方がいずれの場合にも低くなっている(ただし、原料
中0%を除く)ことから、HBTHFは1,4−ブタン
ジオール脱水素反応の条件下では、一部分解されて1,
4−ブタンジオール等になっていることがわかる。この
ことは、HBTHFを含む未反応1,4−ブタンジオー
ルを原料としてリサイクルしても、HBTHFは系内に
蓄積していかないことを示している。実施例2 ここでは、リサイクル原料中に含まれる不純物の触媒寿
命への影響を調べた。モデル原料としてHBTHFを含
む1,4−ブタンジオールを使用した。実施例1の
(2)で製造し、還元したのと同じ触媒(Cu−Cr−
Mn−Ba−Na系の触媒)を使用し、原料として実施
例1の(1)で製造したHBTHFを含む1,4−ブタ
ンジオールを使用して、1,4−ブタンジオールの脱水
素反応を行った。反応の条件は、次の通りであった: 反応温度 232℃、 圧力 2 kg/cm2 G BDOのW.H.S.V. 5.0時間-1 H2 /原料比(モル)=6.0 原料中のHBTHFの濃度は、反応開始後100時間ま
で0モル%、100〜600時間まで0.62モル%、
600〜1000時間まで1.02モル%とした。ま
た、1000時間以降は再び0モル%とした。
【0032】結果を図3に示す。BDO転化率は、HB
THFの濃度が上昇しても変化がみられず、また経時的
な低下もみられなかった。GBL収率はHBTHFの濃
度が上昇するにつれて低下しているが、この低下の割合
は、原料中のHBTHFの割合の増大に相当しており、
原料中のBDOの量を基準にして見るとまったく低下が
見られないといえる。
THFの濃度が上昇しても変化がみられず、また経時的
な低下もみられなかった。GBL収率はHBTHFの濃
度が上昇するにつれて低下しているが、この低下の割合
は、原料中のHBTHFの割合の増大に相当しており、
原料中のBDOの量を基準にして見るとまったく低下が
見られないといえる。
【0033】また、1000時間以降の原料を再びHB
THFの濃度0モル%(すなわちBDOのみ)としてみ
たところ、BDO転化率およびGBL収率がいずれも反
応開始直後のレベルに戻っていることからも、原料中の
HBTHFの存在による触媒寿命への影響はないと結論
できる。
THFの濃度0モル%(すなわちBDOのみ)としてみ
たところ、BDO転化率およびGBL収率がいずれも反
応開始直後のレベルに戻っていることからも、原料中の
HBTHFの存在による触媒寿命への影響はないと結論
できる。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、安価で効率の良い、未
反応物のリサイクルが可能な、γ‐ブチロラクトンの製
造方法を提供することができる。
反応物のリサイクルが可能な、γ‐ブチロラクトンの製
造方法を提供することができる。
【図1】図1は、本発明の方法を実施するフローチャー
トの具体例である。
トの具体例である。
【図2】図2は、本発明の方法を実施するフローチャー
トの具体例である。
トの具体例である。
【図3】図3は、HBTHFの存在が触媒寿命に及ぼす
影響を調べた実験の結果を表すグラフである。
影響を調べた実験の結果を表すグラフである。
1:反応器 2:気液分離器 3:粗蒸留塔 4:生成物蒸留塔 5:塔底 6:中間部 11:1,4−ブタンジオール導入管 12:水素ガス導入管 13:リサイクル管 14:水素ガス除去管 15:γ‐ブチロラクトン回収管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上野 廣 埼玉県比企郡滑川町羽尾398−1 (56)参考文献 特開 平3−232875(JP,A) 特開 昭61−246173(JP,A) 特開 平3−232874(JP,A) 特開 昭58−167532(JP,A) 特開 昭61−197534(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 307/33 B01J 23/86 C07B 61/00 300 CA(STN) CASREACT(STN) REGISTRY(STN)
Claims (1)
- 【請求項1】 気相で1,4−ブタンジオールを、触媒
の存在下に接触脱水素してγ‐ブチロラクトンを製造す
る方法において、 反応を銅およびクロムを含む触媒の存在下で水素存在下
に行い、かつ反応混合物からγ‐ブチロラクトンを分離
し、その残部を原料としてリサイクルすることを特徴と
する方法。
Priority Applications (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04248560A JP3095293B2 (ja) | 1992-08-25 | 1992-08-25 | γ‐ブチロラクトンの製造方法 |
ES92202909T ES2127740T3 (es) | 1992-08-25 | 1992-09-22 | Procedimiento para la preparacion de gamma-butirolactona. |
EP92202909A EP0584408B1 (en) | 1992-08-25 | 1992-09-22 | Process for the preparation of gamma-butyrolactone |
DE69228114T DE69228114T2 (de) | 1992-08-25 | 1992-09-22 | Verfahren zur Herstellung von Gamma-Butyrolacton |
AT92202909T ATE175411T1 (de) | 1992-08-25 | 1992-09-22 | Verfahren zur herstellung von gamma-butyrolacton |
KR1019920018853A KR940003946A (ko) | 1992-08-25 | 1992-10-12 | r-부티로락톤의 제조방법 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0673042A JPH0673042A (ja) | 1994-03-15 |
JP3095293B2 true JP3095293B2 (ja) | 2000-10-03 |
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Family Applications (1)
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AT (1) | ATE175411T1 (ja) |
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DE19636066A1 (de) * | 1996-09-05 | 1998-03-12 | Basf Ag | Verfahren zur Dehydrierung von 1,4-Butandiol zu gamma-Butyrolacton |
CN1081948C (zh) * | 1997-12-16 | 2002-04-03 | 中国石油化工集团公司 | 1,4-丁二醇气相脱氢制γ-丁内酯的催化剂 |
DE19941569A1 (de) * | 1999-09-01 | 2001-03-08 | Basf Ag | Verfahren zur Herstellung von gamma-Butyrolacton |
JP4470358B2 (ja) * | 2002-05-28 | 2010-06-02 | 三菱化学株式会社 | カルボニル化合物の製造方法 |
KR101049276B1 (ko) * | 2008-09-01 | 2011-07-14 | 한국화학연구원 | 1,4-부탄디올로부터 감마-부티로락톤의 제조를 위한 촉매 및 이를 이용한 1,4-부탄디올로부터 감마-부티로락톤의 제조 방법 |
TWI471296B (zh) * | 2012-01-17 | 2015-02-01 | China Petrochemical Dev Corp Taipei Taiwan | A heterogeneous catalyst and a method of producing 1,4-butanediol, γ-butyrolactone and tetrahydrofuran |
CN102580756B (zh) * | 2012-03-15 | 2014-07-30 | 重庆大学 | 1,4-丁二醇常压脱氢制γ-丁内酯的催化剂制备方法 |
WO2015015804A1 (ja) * | 2013-08-01 | 2015-02-05 | 広栄化学工業株式会社 | 1-アルキルイミダゾール化合物の製法 |
CN111995601A (zh) * | 2020-09-15 | 2020-11-27 | 安徽英特力工业工程技术有限公司 | 一种用于制备gbl的反应系统 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US2420250A (en) * | 1944-09-08 | 1947-05-06 | Monsanto Chemicals | Method of preparing gammavalerolactone |
JPS61246173A (ja) * | 1985-04-23 | 1986-11-01 | Idemitsu Petrochem Co Ltd | γ−ブチロラクトンの製造方法 |
JP2874017B2 (ja) * | 1990-02-09 | 1999-03-24 | 東燃株式会社 | γ―ブチロラクトンの製造方法 |
JP2874016B2 (ja) * | 1990-02-09 | 1999-03-24 | 東燃株式会社 | γ―ブチロラクトンの製造法 |
US5110954A (en) * | 1990-07-11 | 1992-05-05 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Dehydrogenation of diols |
US5210229A (en) * | 1991-07-17 | 1993-05-11 | Tonen Chemical Corporation | Process for the preparation of gamma-butyrolactone |
-
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- 1992-08-25 JP JP04248560A patent/JP3095293B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 1992-09-22 DE DE69228114T patent/DE69228114T2/de not_active Expired - Fee Related
- 1992-09-22 AT AT92202909T patent/ATE175411T1/de not_active IP Right Cessation
- 1992-09-22 ES ES92202909T patent/ES2127740T3/es not_active Expired - Lifetime
- 1992-09-22 EP EP92202909A patent/EP0584408B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1992-10-12 KR KR1019920018853A patent/KR940003946A/ko not_active Application Discontinuation
- 1992-10-29 TW TW081108617A patent/TW360648B/zh active
Also Published As
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KR940003946A (ko) | 1994-03-14 |
JPH0673042A (ja) | 1994-03-15 |
EP0584408A2 (en) | 1994-03-02 |
ES2127740T3 (es) | 1999-05-01 |
DE69228114T2 (de) | 1999-06-02 |
DE69228114D1 (de) | 1999-02-18 |
EP0584408B1 (en) | 1999-01-07 |
ATE175411T1 (de) | 1999-01-15 |
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