JP2002516889A - ヘキサンジオール−1,6の製法 - Google Patents

ヘキサンジオール−1,6の製法

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JP2002516889A JP2000552067A JP2000552067A JP2002516889A JP 2002516889 A JP2002516889 A JP 2002516889A JP 2000552067 A JP2000552067 A JP 2000552067A JP 2000552067 A JP2000552067 A JP 2000552067A JP 2002516889 A JP2002516889 A JP 2002516889A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、アジピン酸、6−ヒドロキシカプロン酸及び少量の1,4−シクロヘキサンジオールを含有するカルボン酸混合物(これは、シクロヘキサンを、酸素又は酸素を含有するガスを用いて酸化して、シクロヘキサノン/シクロヘキサノールにし、かつ反応混合物の水抽出によって副生成物として得られる)から、ヘキサンジオール−1,6を製造するための方法に関し、この際、a)水性ジカルボン酸混合物中に含有されるモノ−及びジカルボン酸を、低分子のアルコールと反応させて、相応するカルボン酸エステルとし、b)得られるエステル化混合物から、第1蒸留工程で、過剰のアルコール及び易沸点物質を除去し、c)塔底生成物から、第2蒸留工程で、1,4−シクロヘキサンジオールを実際に含まないエステルフラクション及び少なくとも大部分の1,4−シクロヘキサンジオールを含有するフラクションへの分離を実施し、d)実際に1,4−シクロヘキサンジオールを含まないエステルフラクションに、触媒的に水素化し、かつe)純粋蒸留工程で、水素化排出物から、自体公知の方法で、ヘキサンジオール−1,6を得て、この際、本発明により、コバルト20ppm以上及びホスフェートの形の燐40ppm以上を含有する水性ジカルボン酸混合物を使用し、この水性ジカルボン酸混合物を、陽イオン交換体に通し、かつ工程(a)によるエステル化後に陰イオン交換体に通す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、アジピン酸及び6−ヒドロキシカプロン酸を含有するカルボン酸混
合物(これは、シクロヘキサンを酸素でシクロヘキサノン/シクロヘキサノール
に酸化する際に、反応混合物の水抽出によって得られる)から、酸のエステル化
及び水素化によって、ヘキサンジオール−1,6を製造するための方法に関し、
この際、コバルト及びホスフェートを不純物として含有するカルボン酸混合物を
使用し、これらの不純物の除去のために、この混合物を陽イオン交換体に通し、
引続いてエステル化混合物を陰イオン交換体に通す。
【0002】 世界知的所有権機構(WO)第97/31882号明細書から、シクロヘキサ
ンを酸素で酸化してシクロヘキサノン/シクロヘキサノールにし、水で抽出する
際に生じるカルボン酸の水溶液からヘキサンジオール−1,6を製造する方法が
公知であり、この際、 a)水性ジカルボン酸混合物中に含有されるモノ−及びジカルボン酸を、低分
子のアルコールと反応させて、相応するカルボン酸エステルとし、 b)得られるエステル化混合物から、第1蒸留工程で、過剰のアルコール及び
低沸点物質を除去し、 c)塔底生成物から、第2蒸留工程で、1,4−シクロヘキサンジオールを実
際に含まないエステルフラクション及び少なくとも大部分の1,4−シクロヘキ
サンジオールを含有するフラクションへの分離を実施し、 d)実際に1,4−シクロヘキサンジオールを含まないエステルフラクション
を、触媒作用下に水素化し、かつ e)純粋蒸留工程で、水素化排出物から、自体公知の方法で、ヘキサンジオー
ル−1,6を取得する。
【0003】 ところで、水性カルボン酸混合物は、それが酸化からの不純物としてコバルト
を、Co2+及び/又はCo3+イオンの形で、例えば20〜300ppmの量
で、及びホスフェートを、例えば40〜1500ppmの量で含有する場合には
、世界知的所有権機構(WO)第97/31882号明細書による方法に直接的
には好適ではないことが判明した。従って、前記の不純物を簡単で経済的な方法
で使用溶液から除去する方法を提案する課題が存在した。
【0004】 この課題は、本発明により、アジピン酸、6−ヒドロキシカプロン酸及び少量
の1,4−シクロヘキサンジオールを含有するカルボン酸混合物(これは、シク
ロヘキサンを、酸素又は酸素を含有するガスを用いて酸化して、シクロヘキサノ
ン/シクロヘキサノールにする際に、かつ反応混合物の水抽出によって副生成物
として得られる)から、酸のエステル化及び水素化によりヘキサンジオール−1
,6を製造するための方法で解決され、この際、 a)水性ジカルボン酸混合物中に含有されるモノ−及びジカルボン酸を、低分
子のアルコールと反応させて、相応するカルボン酸エステルとし、 b)得られるエステル化混合物から、第1蒸留工程で、過剰のアルコール及び
低沸点物質を除去し、 c)塔底生成物から、第2蒸留工程で、1,4−シクロヘキサンジオールを実
際に含まないエステルフラクション及び少なくとも大部分の1,4−シクロヘキ
サンジオールを含有するフラクションへの分離を実施し、 d)実際に1,4−シクロヘキサンジオールを含まないエステルフラクション
を、触媒作用下に水素化し、かつ e)純粋蒸留工程で、水素化排出物から、自体公知の方法で、ヘキサンジオー
ル−1,6を得て、この際、本発明により、コバルト20ppm以上及びホスフ
ェートの形の燐40ppm以上を含有する水性ジカルボン酸混合物を使用し、こ
の水性ジカルボン酸混合物を、陽イオン交換体に通し、かつ工程(a)によるエ
ステル化後に陰イオン交換体に通す。
【0005】 陽イオン又は陰イオンの除去のためのイオン交換体の使用は一般的な公知技術
水準であるが、本発明による方法では、陽イオン交換体と陰イオン交換体との間
に存在する脱水の際に、不所望の副反応が起こらないことが意外であった。つま
り、酸性陽イオン交換体中で、ホスフェートは燐酸に変換され、従って、陽イオ
ン交換体で処理されたカルボン酸溶液の蒸留的脱水の際に、ヒドロキシル基の除
去又はポリエステル生成と同様に6−ヒドロキシカプロン酸の酸性触媒反応が起
きることを考慮すべきであった。しかし、両方ともそうではない。むしろ、燐酸
の生成は、それがエステル化触媒として用いられ、かつエステル化触媒として添
加すべき硫酸の量を減少させることができるという利点を有する。
【0006】 本発明による方法は、水性カルボン酸混合物の陽イオン交換体での処理及びエ
ステル化反応混合物の陰イオン交換体での処理を除いて、世界知的所有権機構(
WO)第97/31882号明細書に詳しく記載されていて、従って、明白にこ
の明細書に関連される。そこに記載されたことはこの場合にも、全て何ら制限さ
れずに当てはまる。
【0007】 そこで記載された方法を、陽イオン交換体又は陰イオン交換体での処理箇所を
より良好に示すことを可能にするために、その変法A(図1)及び変法B(図2
)を用いて、ここでもう1度説明する(この際、塔頂又は塔底としての概念は、
各々給入口より上部の排出部又は給入口より下部の排出部を意味する): 変法A 図1に示すように、ジカルボン酸溶液(DCL)は、場合により脱水後に、C 〜C−アルコール、有利にメタノールと一緒に、エステル化反応器R1中に
供給され、そこでカルボン酸はエステル化される。得られるエステル化混合物は
、次いで、カラムKに達し、その中で過剰のアルコール(ROH)、水及び低
沸点物質(LS)が塔頂から留去され、エステル混合物(EG)は塔底液として
取り出され、分別カラムKに供給される。このカラム中では、混合物は、実
際に1,4−シクロヘキサンジオールを含まないエステルフラクション(EF)
及び高沸点物質(HS)及び1,4−シクロヘキサンジオール(1,4−CHD
O)から成る塔底フラクションに分別される。エステルフラクション(EF)は
、次いで、水素添加反応器R中で触媒作用下に水素化され、この水素化混合物
は 、蒸留カラムK中で、アルコール(ROH)、低沸点物質(LS)及び純
粋 な1,6−ヘキサンジオールに分離される。
【0008】 変法B エステル化のために、4個以上の炭素原子を有するアルコール、殊にn−又は
i−ブタノールを使用する場合には、図2による方法は、フラクションカラムK 中で、エステル混合物(EG)を、1,4−シクロヘキサンジオール(1,
4−CHDO)を含有する低沸点物質(NS)の塔頂生成物及び実際に1,4−
シクロヘキサンジオールを含まないエステルフラクション(EF)(それを、副
フラクションとして又はエステルフラクションを含有する塔底液として取得し、
水素添加工程(R)に供給する)に分離させる点だけが異なっている。
【0009】 次に、本方法を更に詳しく説明する。この際、図3により、個々の方法工程を
更なる工程に分け、この際、工程0、2、2a、3、4、5、6、7は、本方法
にとって必須であり、工程3及び4並びに6及び7を統合することもできる。工
程8、9、10及び11は、自由選択的であるが、本方法の経済性を高めるため
に、場合により重要である。
【0010】 更に詳細に後記される陽イオン交換体での処理が、工程1の前に、工程0とし
て行なわれる。
【0011】 ジカルボン酸溶液(DCL)は、一般に、水分20〜80%を有する水溶液で
ある。エステル化反応は平衡反応であるので、殊に、例えばメタノールでのエス
テル化の際に、存在する水を反応の前に除去することが、エステル化反応の間に
水が、例えば共沸除去され得ない場合に、特に重要である。工程1での脱水は、
例えば隔膜系を用いて、又は有利に蒸留装置によって行なわれ、その際、10〜
250℃、有利に20〜200℃、特に有利に30〜200℃で、及び1〜15
00、5〜1100、特に有利に20〜1000ミリバールで、水は、塔頂を経
て、及び高級モノカルボン酸、ジカルボン酸及び1,4−シクロヘキサンジオー
ルは塔底を経て分離される。その際、塔底温度は、有利に、塔底生成物を液状で
取出すことができるように選択するのが有利である。カラムの塔底液中の水含分
は、0.01〜10、有利に0.01〜5、特に有利に0.01〜1質量%であ
ってよい。
【0012】 水の分離は、水が殆ど酸を含有しないで得られるように行なうことができ、又
はDCL中に含有される低級モノカルボン酸(実際に、蟻酸)を、水と共に殆ど
留去させることができ、従って、この低級モノカルボン酸はエステル化時にエス
テル化アルコールを結合しない。
【0013】 工程1からのカルボン酸流に、1〜10個のC−原子を有するアルコール、変
法Aによれば、1〜3個の炭素原子を有するアルコール、即ちメタノール、エタ
ノール、プロパノール又はイソ−プロパノール、有利にメタノール、変法Bによ
れば、4〜10、殊に4〜8個の炭素原子を有するアルコール、特に有利にn−
ブタノール、イソ−ブタノール、n−ペンタノール及びi−ペンタノールを添加
混合させる。
【0014】 アルコール対カルボン酸流の混合比(質量比)は、0.1〜30、有利に0.
2〜20、特に有利に0.5〜10であってよい。
【0015】 この混合物は、溶融物又は溶液として、工程2の反応器に達し、この中で、カ
ルボン酸はアルコールでエステル化される。エステル化反応は、50〜400、
有利に70〜300、特に有利に90〜200℃で実施することができる。エス
テル化は、外部圧を設定することができるが、反応系の固有圧下で有利に実施さ
れる。この際、エステル化装置として、1個の撹拌釜又は流動管又は各々数個を
使用することができる。エステル化のために必要な滞留時間は、0.3〜10時
間、有利に0.5〜5時間である。エステル化反応は、触媒を添加しないで経過
することができる;しかし、反応速度を高めるために、触媒を添加することが有
利である。ここで、均一に溶解させた触媒又は固体の触媒が重要である。均一触
媒として、例えば硫酸、燐酸、塩酸、スルホン酸、例えばp−トルオールスルホ
ン酸、ヘテロポリ酸、例えばタングスト燐酸(Wolframatophosphorsaeure)又は
リュイス酸、例えばアルミニウム−、バナジウム−、チタン−、硼素−化合物が
挙げられる。鉱酸、殊に硫酸が有利である。均一触媒対カルボン酸溶融物の質量
比は、通例0.0001〜0.5、有利に0.001〜0.3である。
【0016】 固体触媒として、酸性又は過酸性物質、例えば酸性又は過酸性金属酸化物、例
えばSiO、Al、SnO、ZrO又は積層珪酸塩又はゼオライト
(こ れら全ては、酸強化のために、鉱酸残基、例えばスルフェート又はホスフ
ェートでドープされていてよい)、又はスルホン酸−又はカルボン酸残基を有す
る有機イオン交換体が好適である。固体触媒は、固定床として配置されるか、又
は懸濁液として使用することができる。
【0017】 反応の際に生じる水を、有利に連続的に、例えば隔膜によって又は蒸留により
除去する。
【0018】 カルボン酸溶融物中に存在する遊離カルボキシル基の変換の完全性は、反応後
に測定される酸価(KOHmg/g)で確認される。これは、触媒として場合に
より添加される酸に対して、0.01〜50、有利に0.1〜10である。ここ
で、系中に存在する全てのカルボキシル基が、使用アルコールのエステルとして
存在するのではなくて、一部分が、例えばヒドロキシカプロン酸のOH−末端と
のダイマー又はオリゴマーのエステルの形で存在することができる。
【0019】 更に詳細に後記の陰イオン交換体での処理が、工程2と工程3との間で、工程
2aとして行なわれる。
【0020】 エステル化混合物は、工程3で、隔膜系又は有利に蒸留カラムに供給される。
エステル化反応のために、溶解された酸を、触媒として使用する場合には、エス
テル化混合物を、有利に、塩基で中和させ、この際、触媒の1酸当量当たり、1
〜1.5塩基当量を添加する。塩基として、通例、アルカリ金属−又はアルカリ
土類金属酸化物、−炭酸塩、−水酸化物又は−アルコラート又はアミンを、その
ままで、又はエステル化アルコール中に溶かして使用する。
【0021】 工程3でカラムを使用する場合には、カラムへの供給は、有利に、塔頂−及び
塔底流の間で行なわれる。過剰のエステル化アルコールROH、水及び、例えば
相応する蟻酸、酢酸及びプロピオン酸のエステルが、1〜1500、有利に20
〜1000、特に有利に40〜800ミリバールの圧力及び、0〜150、有利
に15〜90、特に有利に25〜75℃の温度で塔頂を経て留去される。この流
れは、焼却されるか、又は有利に工程11で更に後処理され得る。
【0022】 塔底液として、エステル混合物が得られ、これは、主に、使用アルコールRO
Hとジカルボン酸、例えばアジピン酸及びグルタル酸、ヒドロキシカルボン酸、
例えば6−ヒドロキシカプロン酸及び5−ヒドロキシバレリアン酸とのエステル
、並びにオリゴマー及び遊離又はエステル化された1,4−シクロヘキサンジオ
ールから成る。エステル混合物中の水及び/又はアルコールROHの残余含量を
、各々10質量%まで認めることが重要である。塔底温度は、70〜250、有
利に80〜220、特に有利に100〜190℃である。
【0023】 水及びエステル化アルコールROHを殆ど含有しない工程3からの流れは、工
程4に供給される。この際、蒸留カラムが重要であり、ここで、供給は、一般に
易沸騰性成分と難沸騰性成分との間で行なわれる。このカラムは、10〜300
、有利に20〜270、特に有利に30〜250℃の温度で、かつ1〜1000
、有利に5〜500、特に有利に10〜200ミリバールの圧力で操作される。
【0024】 変法A、即ちC〜C−アルコール、殊にメタノールでのエステル化の後に
、ここで、工程3からの流れを、水素添加すべき塔頂フラクション及び1,4−
シクロヘキサンジオールを含有する塔底フラクションに分離する。
【0025】 塔頂フラクションは、主に、残留水及び残留アルコールROH、アルコールR
OHとモノカルボン酸、主にC〜C−モノカルボン酸とのエステル、ヒドロ
キシカルボン酸、例えば6−ヒドロキシカプロン酸、5−ヒドロキシバレリアン
酸とのエステル、並びに特にジカルボン酸、例えばアジピン酸、グルタル酸及び
コハク酸とのジエステル、更に1,2−シクロヘキサンジオール、カプロラクト
ン及びバレロラクトンから成る。
【0026】 前記の成分を、一緒に、塔頂を経て分離し、水素添加(工程5)に供給するか
、又はもう1つの有利な実施態様で、カラム中で、主に残留水及び残留アルコー
ル並びに前記のC〜C−カルボン酸のエステルを含有する塔頂流、及び主に
前記のC−カルボン酸及びジカルボン酸のエステル(これは、次いで水素添加
に 達する)を含有する側流に分けすることができる。
【0027】 主に1,4−シクロヘキサンジオール又はそのエステル、DCLのダイマー又
はオリゴマーエステル及び詳細には定義できない一部ポリマーの成分から成る工
程4からの流れの難沸騰性成分を、カラムの蒸留部分を経て分離させる。これを
一緒に得るか、又はカラムの側流を経て、蒸留部分で、主に1,4−シクロヘキ
サンジオールを分離し、かつ塔頂を経て残分を分離させるようにして得ることが
できる。そうして得られる1,4−シクロヘキサンジオールを、例えば作用物質
の出発物質として使用することができる。難沸騰性成分を、1,4−シクロジオ
ール含量と共に、又はそれを含有しないで燃焼させるか、又は有利な1実施態様
で、いわゆるエステル交換のために、工程8に到達させることができる。
【0028】 変法B、即ちC〜C10−アルコール、殊にn−又はi−ブタノールでのエ
ス テル化の後に、工程3からの流れを、工程4で、1,4−シクロヘキサンジ
オールを含有する塔頂フラクション、主にC−エステルを含有する側流(これ
は、水素添加に達する)及び高沸点物質を含有する塔底流(これは、場合により
工程8に到達することができる)に分離することができる。
【0029】 塔頂フラクションは、主に残留アルコールROH、アルコールROHのC
−モノエステル、バレロラクトン及び1,2−及び1,4−シクロヘキサン
ジオールから成る。
【0030】 側流は、主にコハク酸、グルタル酸及びアジピン酸のジエステル、及び5−ヒ
ドロキシバレリアン酸及び6−ヒドロキシカプロン酸のモノエステルを含有する
。この側流は、カラムの供給部分の上部でも又は下部でも取出すことができ、水
素添加(工程5)に供給することができる。
【0031】 オリゴマーエステル及びその他の高沸点物質を有する塔底流を、変法Aと同様
に、燃焼させるか、又は有利に工程8に到達させることができる。
【0032】 もう1つの実施態様によれば、工程4で、C−エステルは、塔底流と一緒に
分 離され、次いでもう1つのカラムで、主に残留アルコールROH、アルコー
ルROHのC〜C−モノエステル、バレロラクトン及び1,2−及び1,4
−シクロヘキサンジオールから成る前記の塔頂フラクションの塔底生成物として
か、又は高沸点物質の塔頂流として分離される。
【0033】 1,4−シクロヘキサンジオールを含有しない又は実際に不含の工程4のフラ
クションは、全流又は主にC−酸のエステルを含有する側流が、水素添加工程
5に導入される。
【0034】 工程3及び工程4は、殊に少量だけを加工する場合には、統合することができ
る。そのために、例えば回分法で実施される分別蒸留で、C−エステル流を取
得 することができ、再度、1,4−シクロヘキサンジオールが水素添加へ至る
流れに到達することはない。
【0035】 水素添加は、触媒作用下に気相又は液相で行なわれる。触媒として、原則的に
、カルボニル基の水素化に好適な全ての均一又は不均一系の触媒、例えば金属、
金属酸化物、金属化合物又はその混合物がこれに該当する。均一系触媒の例は、
例えば、Houben-Weyl, Methoden der Organischen Chemie,Band IV/1c, Georg T
hieme Verlag Stuttgart, 1980,s.45-67に記載されていて、不均一
系触媒の例は、例えば、Houben-Weyl, Methoden der Organischen Chemie, Band
IV/1c,S.16〜26に記載され ている。
【0036】 元素の周期律系の第I及びVI〜VIII副族からの1種以上の元素、有利に
銅、クロム、モリブデン、マンガン、レニウム、ルテニウム、コバルト、ニッケ
ル及びパラジウム、特に有利に銅、コバルト又はレニウムを含有する触媒を使用
することが有利である。
【0037】 触媒は、単独で活性成分から成っているか、又は活性成分が担体上に担持され
ていてよい。担体物質として、例えばCr、Al、SiO、Zr
、ZnO、BaO及びMgO又はそれらの混合物が好適である。
【0038】 欧州特許(EP)第0552463号明細書に記載されている触媒が特に有利
である。これは、酸化物の形で、次の組成: CuAlZrMn を有する触媒であり、ここで、a>0、b>0、c≧0、d>0、a>b/2、
b>a/4、a>c及びa>dが当てはまり、xは、式単位当たりの電気的中性
を保持するために必要な酸素イオンの数を示す。この触媒の製造は、例えば欧州
特許(EP)第552463号明細書の記載によれば、相応する金属イオンをそ
の塩の形で含有する溶液からの難溶性化合物の沈殿によって行なうことができる
。好適な塩は、例えばハロゲン化物、硫酸塩及び硝酸塩である。沈殿剤としては
、熱処理によって酸化物に変換することができるような不溶性の中間体を生成さ
せる全ての試剤が好適である。特に好適な中間体物は、水酸化物及び炭酸塩又は
水素炭酸塩であり、従って、特に有利な沈殿剤として、アルカリ金属炭酸塩又は
炭酸アンモニウムを使用する。500〜1000℃の温度での中間体の熱処理が
、この触媒の製造にとって重要である。触媒のBET−表面積は、10〜150
/gである。
【0039】 固定配置されるか又は懸濁液として使用される不均一系触媒の使用が特に有利
である。水素添加を、気相で、固定配置の触媒上で実施する場合には、一般に1
50〜300℃の温度が、1〜100、有利に15〜70バールの圧力で適用さ
れる。この際、有利に少なくとも、出発物質、中間生成物及び生成物が、反応の
間に液化しないような量の水素を水素化剤及びキャリアガスとして使用する。過
剰の水素は、有利に循環され、この際、少量は、排ガスとして、不活性物質、例
えばメタンの除去のために排出することができる。この際、1個以上の反応器を
前後連結して使用することができる。
【0040】 水素化を液相で固定配置又は懸濁触媒を用いて行なう場合には、これは一般に
100〜350、有利に120〜300℃の温度で、30〜350、有利に40
〜300バールの圧力で実施される。
【0041】 水素添加は、1又は数個の前後の連結反応器中で実施することができる。固定
床上の液相での水素添加は、流動法でも、塔底法でも実施することができる。有
利な1実施態様によれば、数個の反応器を使用し、この際、第1反応器中で、エ
ステルの主要部分が水素化され、第1反応器は、有利に熱排除のための液体循環
で、かつ次の1個以上の反応器は、有利に循環させずに、変換を完全にするため
に操作される。
【0042】 水素添加は、不連続的に、有利に連続的に行なわれ得る。
【0043】 水素化排出物は、実際に、1,6−ヘキサンジオール及びアルコールROHか
ら成る。他の成分は、特に工程4の全ての低沸点物流が、変法Aにより使用され
た場合には、1,5−ペンタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−シ
クロヘキサンジオール及び1〜6個のC−原子を有するモノアルコールの少量及
び水である。
【0044】 この水素化排出物は、例えば隔膜系又は有利に蒸留カラムである工程6中で、
付加的に他の易沸騰性成分の大部分を含有するアルコールROH及び1,5−ペ
ンタンジオールの他に主に1,6−ヘキサンジオール及び1,2−シクロヘキサ
ンジオールを含有する流れに分離される。この際、10〜1500、有利に30
〜1200、特に有利に50〜1000ミリバールの圧力で、0〜120、有利
に20〜100、特に有利に30〜90℃の塔頂温度、及び100〜270、有
利に140〜260、特に有利に160〜250℃の塔底温度が調整される。低
沸点物質流を、直接、工程2のエステル化に戻すか、又は工程8又は工程11に
到達させることができる。
【0045】 1,6−ヘキサンジオールを含有する物質流を、工程7で、カラム中で精製す
る。この際、1,5−ペンタンジオール、場合により1,2−シクロヘキサンジ
オール及び他の場合により存在する低沸点物質が塔頂を経て分離される。1,2
−シクロヘキサンジオール及び/又は1,5−ペンタンジオールを、付加的な有
価生成物として取得すべき場合には、これをもう1つのカラムで分離することが
できる。塔底を経て、場合により存在する高沸点物質を排出させる。1,6−ヘ
キサンジオールはカラムの側流から、少なくとも99%の純度で取出される。こ
の際、1〜1000、有利に5〜800、特に有利に20〜500ミリバ−ルの
圧力で、50〜200、有利に60〜150℃の塔頂温度、及び130〜270
、有利に150〜250℃の塔底温度が調整される。
【0046】 1,6−ヘキサンジオールを少量だけ製造すべき場合には、工程6及び7を不
連続の分別蒸留に統合することもできる。
【0047】 ヘキサンジオール−製造をできるだけ経済的に操作するために、エステル化ア
ルコールROHを回収し、再びエステル化に使用することが重要である。そのた
めに、主にアルコールROH、例えばメタノールを含有する工程3及び/又は6
からの流れを、工程11で後処理することができる。この目的のために、有利に
1個のカラムが使用され、このカラム中で、アルコールROHよりも容易に沸騰
する成分が塔頂を経て、水及びアルコールROHよりも高い沸点を有する成分が
、塔底を経て側流中で得られるアルコールROHから分離される。カラムは、5
00〜4000、有利に800〜3000ミリバールで有利に操作される。
【0048】 本方法のもう1つの有利な実施態様によれば、工程4からの高沸点物流(変法
Aによる)が、使用DCL中の使用アジピン酸及び6−ヒドロキシカプロン酸に
対する1,6−ヘキサンジオールの総収率の上昇のために使用される。そのため
に、工程8で、アジピン酸又はヒドロキシカプロン酸のダイマー及びオリゴマー
エステル成分を、触媒の存在下に、更なる量のアルコールROHと反応させる。
アルコールROHと工程4からの塔底流との質量比は、0.1〜20、有利に0
.5〜10、特に有利に1〜5である。触媒として、原則的に、工程2における
エステル化のために既に記載されたものが好適である。しかし、リュイス酸を使
用することが有利である。その例は、アルミニウム、錫、アンチモン、ジルコン
又はチタンの化合物又は錯体、例えばジルコニウムアセチルアセトネート又はテ
トラアルキルチタネート、例えばテトライソプロピルチタネートであり、これら
はエステル交換混合物に対して、1〜10000、有利に50〜6000、特に
有利に100〜4000ppmの濃度で使用される。この際、チタン化合物が特
に有利である。
【0049】 エステル交換は、回分法又は連続的に、1個以上の反応器中で、連結された撹
拌釜又は管状反応器中で、100〜300、有利に120〜270、特に有利に
140〜240℃の温度で、この際に生じる固有圧で実施することができる。必
要な滞留時間は、0.5〜10、有利に1〜4時間である。
【0050】 この工程8からの流れは、メタノールでのエステル化の場合には、例えば再び
工程3に流入させることができる。この時、特に1,4−シクロヘキサンジオー
ルのレベルオーバー(Aufpegelung)を避けるために特に、工程4からの高沸点
物質の部分流を、回分法で又は連続的に排出させるべきである。他の1可能性は
、工程8からの流れを、工程3に戻さないで、それを、工程3と同様に、工程9
で、主にアルコールROH(これは、次いで再び工程2、8又は11に到達し得
る)及びエステルを含有する流れに分せることである。
【0051】 このエステル流は、原則的に(1,4−シクロヘキサンジオールのレベルオー
バーの回避の条件で)工程4に戻すことができるか、又は有利に、一方で、もう
1つの工程10で、C−酸のエステル及び、量的にはむしろ重要ではないが、
工程4又は直接工程5に供給され得るC−酸のエステル中に、かつ他方で、1
,4−シ クロヘキサンジオールを含有する高沸点物質に分けられ、その後に、
高沸点物質は排出される。
【0052】 この方法で、95%以上の1,6−ヘキサンジオール収率が、99%以上の純
度で得ることができる。
【0053】 詳細には、出発物質を陽イオン交換体で処理する際に、有利に固定床イオン交
換体を使用して行なわれ、この固定床イオン交換体は、強酸性のゲル状陽イオン
交換体又は有利に強酸性のマクロ孔性高架橋樹脂であってよい。
【0054】 陽イオン交換体での処理は、前後に連結することもできる2個の交互に作動す
る固定床中で有利に実施され、この際、先ず第1床だけにコバルトを担持させる
。遅くとも、排出物中にコバルト10ppmの濃度が達成したら、カルボン酸水
溶液を付加的に第2床を経て、第1床が消耗し尽くすまでに、即ち、第1床の排
出物が、例えば排出濃度の90%以上を達成したか、又はもはや吸収されないコ
バルトの完全な消耗が行なわれるまでに導入させる。次いで、供給流を直接第2
床上に導く。次いで、有利に前以て、イオン交換体中になお保留されている生成
物を予め水で洗浄し、溶離液を出発物質流中に戻してから、最初の第1床が再生
され、この再生後に、後続床の機能を引き受ける。
【0055】 本発明により使用すべき陽イオン交換体を用いて、コバルト含量を、1ppm
以下の値に減少させることができる。
【0056】 陽イオン交換体として、自体公知の交換体樹脂、例えば弱酸性、強酸性の交換
体樹脂又はキレート化剤が使用され、これらは、例えば "Ionenaustauscher, Dr
.U.Dorfner,1970,Walter de Gruyter & Co,Berlin" に記載されている。強
酸性陽イオン交換体が特に有利である。
【0057】 ポリマー骨格中に結合されたスルホン酸残基又はカルボン酸残基を含有し、ジ
ビニルベンゾールと架橋結合したポリスチロール組成の陽イオン交換体が特に重
要である。ジビニルベンゾールの含量によって、ゲル状(ジビニルベンゾール含
量〜4%)又はマクロ孔性(ジビニルベンゾール含量〜12〜20%)のイオン
交換体樹脂である。
【0058】 ジビニルベンゾールと架橋結合したアクリル酸又はメタクリル酸又はホルムア
ルデヒド及びフェノールの縮合によって製造される樹脂をベースとする陽イオン
交換体を使用することもできる。
【0059】 詳細には、例えばバイエル社(Firma Bayer)のレワチット(Lewatit)(R) CNP 80、レワチットSP 112、レワチットK 2621、レワチット
10 P 80及びローム&ハース社(Fa.Rohm & Haas)の アンバーライト(A
mberlite)(R)252C、アンバー ライト200及びデユオライト(Duolite
(R)AR C9652又はアンバーリスト(Amberlyst)(R) WETが挙げら
れ、例えばこれらはその会社の文献に記載されている。
【0060】 特にホスフェート及びスルフェート(エステル化触媒としての硫酸から)でも
ある不所望の陰イオンの除去のために、陽イオン交換体のために記載された、有
利に同様に2個の交互に操作され、前後に連結されていてもよい固定床が使用さ
れる。そのために、エステル化混合物を、排出物中のホスフェート含量が、例え
ば10ppmに達するまで、第1床上に導入させる。このことは、伝導率の上昇
及びpH−値の降下により確かめることができる。この限界の達成後に、第1の
イオン交換体が使用尽くされるまで、即ち排出物中のホスフェート濃度が、例え
ば供給値の50%に達するまで、又は完全に消耗されるまで、第2の陰イオン交
換体床をその後に接続させる。このことは、通例、pH−値が4以下に降下する
場合である。次いで、第1の床を遮断し、再生させる。この再生の前に、有利に
、イオン交換体中に保留されるエステル混合物を洗浄するのが有利である。これ
は、一般に、窒素、メタノール及び新規に窒素での清浄及び溶離液のエステル化
工程へ戻すことよって行なわれる。再生された第1床は、次いで、後続床の機能
を引き受ける。
【0061】 陰イオン交換体として、例えば"Ionenaustauscher,Dr.U.Dorfner, 1970,
Walter de Gruyter & Co, Berlin" に記載されているような、同様に自体公知
の、強塩 基性、弱塩基性、中程度塩基性のゲル状又はマクロ孔性イオン交換体
がこれに該当する。これは、通例、弱塩基性のマクロ孔性イオン交換体、有利に
特に低い塩基度を有するイオン交換体である。これは、例えば官能基として三級
アミノ基と架橋結合したジビニルベンゾールを有するポリスチロール樹脂構造の
陰イオン交換体である。本発明により、強塩基性基(四級アミン)又は中程度塩
基性基を有するイオン交換体を使用することもできる。ジビニルベンゾールと架
橋結合したアクリル酸又はメタクリル酸又はホルムアルデヒドとフェノールとの
縮合によって製造された樹脂をベースとする陰イオン交換体もこれに該当する。
【0062】 詳細には、例えばバイエル社及びローム&ハース社のアンバーライト(R)
RA 92、IRA 96、レワチット(R)MP 64、MP 500、アン
バージェット(Amberjet)4200又はレワチット(R)MP 62がこれに該
当する(これらの会社の製品文献、参照)。
【0063】 出発物質又はエステル化混合物の本発明による処理により、世界知的所有権機
構(WO)第97/31882号明細書の方法を、コバルト及びホスフェート含
有出発溶液を用いて、支障なく、連続的に操作することができる。更に、スルフ
ェートイオンの排除によって利点が生じ、それというのも、燃焼すべき廃物流中
のその存在が、特に極めて経費の嵩む燃焼炉のデザインを必要とさせる、例えば
SOの生成を、中和の際に回避することができるからである。硫酸カリウ
ムは、通例の炉壁と共融混合物を形成し、従って、内張りの溶融温度の低下によ
って、ボイラーの可使時間が著しく減少される。
【0064】 本方法を、次の実施例につき詳説するが、本発明は、これに限定されるもので
はない。
【0065】 例(変法A) 工程0(陽イオン交換) ジカルボン酸溶液4.7kg/時を、から管速度14m/時で、アンバーリス
ト(Amberlyst)(R)15 WET を充填して60℃に保ったカラム(直径
20mm、樹脂床高2000mm)を経てポンプ送入し、コバルト−及び鉄濃度
の測定のために、排出口から試料を取出した。供給溶液は、Co−含量115p
pm(及び鉄含量9ppm)を有した。双方の陽イオンは、含量<1ppmまで
低下した。消耗し尽くすまでに達成された全作働能力は、0.823モル/lで
あり、これは1.703バル/lに相当する。
【0066】 から管速度約33m/時の場合には、全作働能力は、0.70モル/lであり
、これは1.45バル/lに相当した。この場合にも、コバルト及び鉄の濃度は
1ppm以下まで低下した。
【0067】 工程1(脱水): ジカルボン酸溶液(主として、アジピン酸、6−ヒドロキシカプロン酸、1,
4−シクロヘキサンジオール、グルタル酸、5−ヒドロキシバレリアン酸、蟻酸
、水から成り、残留コバルト含量<1ppmを有する)0.1kg/時を、充填
塔(約4段階の理論的分離工程、塔頂での還流なし)を装着した蒸留装置(外部
油−加熱循環を有する3棚段のバブルプレートカラム、油温150℃、プレート
容量各約25ml、バブルプレートを経る供給)中で連続的に蒸留した。塔頂生
成物として、水中の蟻酸含量約3%を有する、0.045k/時が得られた。塔
底流(5.5kg)中の水含量は、約0.4%であった。
【0068】 工程2(エステル化): 工程1からの塔底流5.5kg/時を、メタノール8.3kg/時及び硫酸1
4g/時と、管状反応器(l 0.7m、φ1.8cm、滞留時間2.7時間)
中で連続的に反応させた。硫酸を差し引いた排出物の酸価は、KOH約10mg
/gであった。
【0069】 工程2a(陰イオン交換) エステル化排出物550g/時を、から管速度約2m/時で、35℃に保った
レワチット(R)MP 62(Bayer)を充填したカラムを経てポンプ送りした。排
出溶液 から試料を取出し、硫黄及び燐の含量を測定した。スルフェート105
0ppm及びホスフェート950ppmの供給溶液の濃度で、2種の陰イオンを
、<1ppmに貧化することができた。達成された全能力は、1.2モル/lで
あり、これは1.84バル/l(ベース SO 2-及びHPO -)に相応し
た。21サイ クルの持続試験の経過で、作働能力の減少は認められなかった。
から管速度7m/時でも、貧化は1ppm以下まで達成された。
【0070】 工程3(過剰アルコール及び水の除去): 20cm充填体カラム中で、ホスフェート<1ppm及びスルフェート<1p
pmを含有する工程2からのエステル化流を蒸留させた(1015ミリバール、
塔頂温度65℃、塔底温度125℃まで)。塔頂を経て、7.0kgが留去され
た。塔底生成物として、6.8kgが得られた。
【0071】 工程4(分別;1,4−シクロヘキサンジオール分離): 50cm充填体カラム中で、工程3からの塔底流を分別蒸留させた(1ミリバ
ール、塔頂温度70〜90℃、塔底温度180℃まで)。塔底液(1.9kg)
は、実際に全ての1,4−シクロヘキサンジオールを含有した。
【0072】 低沸点物質として、0.6kgが留去された(1,2−シクロヘキサンジオー
ル、バレロラクトン、5−ヒドロキシバレリアン酸メチルエステル、グルタル酸
ジメチルエステル、コハク酸ジメチルエステル等)。主にアジピン酸ジメチルエ
ステル及び6−ヒドロキシカプロン酸メチルエステルを含有するフラクションと
して、4.3kgが得られた。
【0073】 エステルフラクションである塔頂流を、水素添加工程5に導く。
【0074】 工程5(水素添加): 工程4からのC−エステルフラクション4.3kgを、25−ml−反応器
中で、前以て水素流中で180℃で活性化させておいた触媒に接して、連続的
に水素添加した(触媒、CuO70質量%、ZnO25質量%、Al5質
量%)。供給は、20g/時、圧力220バール及び温度220℃であった。エ
ステル変換率は99.5%であり、1,6−ヘキサンジオール選択率は99%以
上であった。
【0075】 選択的に、エステルフラクションを2段階の反応器カスケード中で連続的に水
素添加した(第1反応器、触媒2.5l、流動法、250バール、生成物戻し:
供給=10:1、220〜230℃;第2反応器、触媒0.5l、直通過の流動
法、260バール、220℃)。触媒として、CuO(60%)、Al
30%)及びMn(10%)から成る、予め180℃で活性化された触媒
を使用した。供給量は1kg/時であった。変換率99.5%で、ヘキサンジオ
ール選択率は99%以上であった。
【0076】 工程6及び7: 工程5からの水素化排出物4.0kgを分別蒸留させた(70cm充填剤カラ
ムを装着させた蒸留器、還流比2)。1013ミリバールで、メタノール1kg
が留去された。真空(20ミリバール)の設定後に、主に1,2−シクロヘキサ
ンジオール及び1,5−ペンタンジオールが留去された。その後、純度99.8
%を有する1,6−ヘキサンジオールが留去した(沸騰温度146℃)。(残留
含有分は、主に1,5−ペンタンジオール)。
【0077】 収率は、方法条件で既にコバルト20ppm以下、ホスフェート40ppm以
下を含有し、従って陽イオン−及び陰イオン交換体で処理されなかったDCL−
出発物質を使用した場合と同様であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 変法Aのフローシート。
【図2】 変法Bのフローシート。
【図3】 本発明の方法の有利な1実施形のフローシート。
【符号の説明】
DCL ジカルボン酸溶液、 ROH アルコール、 LS,NS 低沸点物
質、 EG エステル混合物、 EF エステルフラクション、 HS 高沸点
物質、 1,4−CHDO 1,4−シクロヘキサンジオール、 R エステ
ル化反応器、 K,K,K カラム、 R 水素添加反応器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 69/44 C07C 69/44 69/675 69/675 (72)発明者 マルティン ガル ドイツ連邦共和国 ムッターシュタット ガルテンシュトラーセ 20 (72)発明者 ガブリエレ イフラント ドイツ連邦共和国 ルートヴィッヒスハー フェン フェルシャッフェルトシュトラー セ 28 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC41 AC48 AD11 AD17 BA20 BA53 BE20 FE11 FG29

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アジピン酸、6−ヒドロキシカプロン酸及び少量の1,4−
    シクロヘキサンジオールを含有するカルボン酸混合物(これは、シクロヘキサン
    を、酸素又は酸素を含有するガスを用いて酸化して、シクロヘキサノン/シクロ
    ヘキサノールにする際に、かつ反応混合物の水抽出によって副生成物として得ら
    れる)から、酸のエステル化及び水素化によって、ヘキサンジオール−1,6を
    製造する方法において、 a)水性ジカルボン酸混合物中に含有されるモノ−及びジカルボン酸を、低分
    子のアルコールと反応させて、相応するカルボン酸エステルとし、 b)得られるエステル化混合物から、第1蒸留工程で、過剰のアルコール及び
    低沸点物質を除去し、 c)塔底生成物から、第2蒸留工程で、1,4−シクロヘキサンジオールを実
    際に含まないエステルフラクション及び少なくとも大部分の1,4−シクロヘキ
    サンジオールを含有するフラクションの分離を実施し、 d)実際に1,4−シクロヘキサンジオールを含まないエステルフラクション
    を触媒的に水素化し、かつ e)純粋蒸留工程で、水素化排出物から、自体公知の方法で、ヘキサンジオー
    ル−1,6を取得するに当たり、コバルト20ppm以上及びホスフェートの形
    の燐40ppm以上を含有する水性ジカルボン酸混合物を使用し、この水性ジカ
    ルボン酸混合物を、陽イオン交換体に通し、かつ工程(a)によるエステル化の
    後に、陰イオン交換体に通すことを特徴とする、ヘキサンジオール−1,6の製
    法。
  2. 【請求項2】 固定床イオン交換体を用いる予備処理を実施する、請求項1
    に記載の方法。
  3. 【請求項3】 連結することもできる2個の交互に作動する固定床を用いる
    予備処理を、第1床の排出物のコバルト含量が供給濃度の90%以上になるまで
    実施し、引き続き、第1床の遮断及び再生を行い、次いで、第1床は、後続床の
    機能を引き受ける、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 各2個の前後に連結された陰イオン交換体を用いる予備処理
    を、第1床の排出物のホスフェート含量が供給値の50%以上になるまで実施し
    、引き続き、第1床の遮断及び再生を行い、次いで、第1床は、後続床の機能を
    引き受ける、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 陽イオン交換体を、再生の前に水で洗浄して生成物を除去し
    、洗浄水を、出発ジカルボン酸溶液に混合させる、請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 陰イオン交換体を、その再生の前にメタノールで洗浄し、洗
    浄液をエステル化に戻す、請求項1に記載の方法。
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