JP3473037B2 - 芳香族化合物の水酸化方法 - Google Patents

芳香族化合物の水酸化方法

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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、アニリン、ビスフェノ
ール類、アルキルフェノール類およびフェノール樹脂の
中間体などとして、化学工業において非常に重要なフェ
ノール類の製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】芳香環に水酸基を有するフェノール類の
うち、最も代表的な化合物であるフェノールは、その大
部分がキュメン法により製造されている。しかし、キュ
メン法フェノール製造プロセスは、アルキル化、酸化、
分解などの多段の工程からなり、また、フェノールと等
モルのアセトンを副生するといった問題を抱えている。 【0003】このキュメン法に代わるものとしては、ベ
ンゼンからクロルベンゼンを経るラシッヒ法、トルエン
から安息香酸を経るトルエン酸化法などのプロセスがあ
り、工業化されている。しかしこれらの既存プロセス
も、装置の腐食、多段工程による設備費の増加、固体や
スラリーを扱うための煩雑さなどの問題がある。 【0004】またフェノール類のうち、芳香環に水酸基
を有する多環式芳香族化合物に関しては、非縮合環式化
合物であるジフェニルや、縮合環式化合物であるナフタ
レンを原料にスルホン化し、それぞれフェニルフェノー
ルやナフトールを製造する方法が工業的に確立されてい
る。しかしこのプロセスでも同様に、酸、アルカリによ
る装置の腐食などの問題がある。 【0005】この様に、水酸基を有する芳香族化合物の
既存の製造プロセスには多くの問題点があるため、対応
する芳香族化合物を直接水酸化して、目的とするフェノ
ール類を得ようとする試みがなされてきた。例えば、フ
ェノール類の最も代表的化合物であるフェノールを得る
方法として、ベンゼンを600℃前後の高温で水酸化す
る方法や、室温付近の温和な条件で水酸化する反応も報
告されている。特開昭56−87527号公報では、リ
ンおよび亜鉛、あるいはリン、銀および亜鉛などの金属
酸化物又はリン酸塩を触媒として、メタノール共存下で
ベンゼンを直接水酸化しフェノールを製造している。ま
た、特開昭61−85338号公報は液相中、金属ポル
フィリン、イミダゾール、白金および水素存在下、ベン
ゼンと酸素を反応させフェノールを製造する方法を開示
している。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】前述のように、既存プ
ロセスに代わって芳香族化合物を直接水酸化することに
よりフェノール類を製造する方法について、従来より種
々提案されているが、対応するフェノール類への転化率
や選択率などについては、未だ多くの改良すべき点が残
っている。 【0007】 【課題を解決するための手段】このような現状に鑑み、
本発明者らは、芳香族化合物類の水酸化を効率よく行な
う方法について鋭意研究を進めた結果、本発明を完成す
るに至った。 【0008】即ち本発明は、芳香族化合物を、酸素及び
水素を含む混合ガスと反応させるか、又は含酸素ガス及
び含水素ガスと交互に反応させ、液相で芳香族化合物を
水酸化するにあたり、周期表第8族の貴金属を担体に担
持した触媒の存在下、バナジウム−リン系複合酸化物を
反応液中に共存させることを特徴とする芳香族化合物の
水酸化方法である。以下に本発明について、さらに詳細
に説明する。 【0009】本発明の方法において、反応液中に共存さ
せて使用されるバナジウム−リン系複合酸化物とは、バ
ナジウムとリンとを含む酸化物のことをいう。この酸化
物は、結晶質であってもよく、また非晶質であってもよ
い。バナジウムの価数は3〜5価であればよい。リン/
バナジウム比に特に制限はないが、0.001〜100
の範囲で使用することができる。本発明に使用される
バナジウム−リン系複合酸化物の具体例としては種々挙
げることができるが、例えば、有機合成化学、45、2
58(1987)に記載のバナジウム−リン複合酸化物
を挙げることができ、更に具体的には、リン酸バナジ
ル、ピロリン酸ジバナジル、リン酸水素バナジル水和
物、亜リン酸バナジル、リン酸二水素バナジル、亜リン
酸バナジウムあるいはこれらの前駆体などの結晶質又は
非晶質のバナジウム−リン系複合酸化物を挙げることが
できる。 【0010】また、バナジウムとリンとを含む酸化物
は、他の成分を含有していてもよい。他の成分として
は、例えば、周期表第1A族のリチウム、ナトリウム、
カリウム、ルビジウム、セシウム、第2A族のベリリウ
ム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリ
ウム、第3A族のスカンジウム、イットリウム、ランタ
ン、ランタニド、第4A族のチタン、ジルコニウム、ハ
フニウム、第5A族のニオブ、タンタル、第6A族のク
ロム、モリブデン、タングステン、第7A族のマンガ
ン、第8族の鉄、コバルト、ニッケル、第1B族の銅、
銀、第2B族の亜鉛、カドミウム、第3B族のホウ素、
アルミニウム、ガリウムなどがあげられる。 【0011】更に第4B族のケイ素、ゲルマニウム、ス
ズ、鉛、第5B族のヒ素、アンチモン、ビスマス、第6
B族のテルルなどを挙げることができる。これらの成分
のうち、いずれか一種あるいは二種以上を同時に含有し
てもよい。他の金属成分/バナジウム比に特に制限はな
いが、100以下の範囲で使用することができる。 【0012】他の成分を含有するバナジウム−リン系複
合酸化物としては、例えば、前記のリン酸バナジル、ピ
ロリン酸ジバナジル、リン酸水素バナジル水和物、亜リ
ン酸バナジル、リン酸二水素バナジル、亜リン酸バナジ
ウムあるいはこれらの前駆体などを、他の成分で修飾し
たものであってもよい。例えば、8モリブド4バナドリ
ン酸、9モリブド3バナドリン酸、10モリブド2バナ
ドリン酸、11モリブドバナドリン酸、8タングスト4
バナドリン酸、9タングスト3バナドリン酸、10タン
グスト2バナドリン酸、11タングストバナドリン酸あ
るいはこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、
アンモニウム塩などのヘテロポリ化合物であっても構わ
ず、これらのいずれか一種あるいは二種以上を組み合わ
せて用いることができる。以上のバナジウム−リン系複
合酸化物の中では、ピロリン酸ジバナジルが好ましい。 【0013】本発明の方法において用いられるバナジウ
ム−リン系複合酸化物を調製するためのバナジウム原料
としては、例えば、五酸化バナジウム、メタバナジン酸
アンモニウム、オキシ三塩化バナジウム、塩化バナジウ
ム(III)などの無機塩、シュウ酸バナジル、バナジ
ウム(III)アセチルアセトナートなどの有機塩など
を挙げることができる。 【0014】一方、バナジウム−リン系複合酸化物を調
製するためのリン原料としては、例えば、五酸化リン、
リン酸、メタリン酸、ピロリン酸、亜リン酸などの各種
リン酸、リン酸アンモニウム、リン酸水素アンモニウ
ム、リン酸二水素アンモニウムといったリン酸アンモニ
ウム塩類、リン酸ナトリウム塩類、リン酸カリウム塩
類、リン酸カルシウム塩類などを挙げることができる。
また他の成分を含有するバナジウム−リン系複合酸化物
において、他の成分の原料としては、例えば、前記成分
の酸化物、硝酸塩、炭酸塩、水酸化物、塩化物、臭化
物、酢酸塩、硫酸塩などを挙げることができる。 【0015】本発明の方法において用いられるバナジウ
ム−リン系複合酸化物を調製する方法としては種々知ら
れているが、例えば、上記バナジウム原料とリン原料
に、水、炭素数1〜10のアルコール、エーテル、ケト
ン、アルデヒドなどの有機溶媒あるいはこれらの混合溶
媒などの下に調製することができ、必要であれば、さら
に熱処理工程が加えられる。 【0016】これらのバナジウム−リン系複合酸化物の
具体的な調製方法としては、例えば、ピロリン酸ジバナ
ジルは、Bull.Chem.Soc.Jpn.,5
8,2163(1985)に記載の方法などにより調製
することができる。すなわち、シュウ酸水溶液に五酸化
バナジウムを溶解し、次にリン酸二水素アンモニウムを
添加し、生成した沈澱を洗浄、乾燥、焼成する方法、リ
ン酸二水素アンモニウム水溶液に五酸化バナジウムを加
え、生成した沈澱を洗浄、乾燥、焼成する方法、あるい
は塩酸ヒドロキシルアミンとリン酸の水溶液に五酸化バ
ナジウムを加え、蒸発乾固、洗浄、乾燥、焼成する方法
によってピロリン酸ジバナジルを調製することが開示さ
れている。 【0017】本発明の方法においては、上述したバナジ
ウム−リン系複合酸化物を反応液中に添加して共存させ
るが、その添加量は、通常バナジウム−リン系複合酸化
物中のバナジウム換算で1ppm〜5重量%であり、好
ましくは5ppm〜2重量%である。共存させるバナジ
ウム−リン系複合酸化物の添加量が、バナジウム換算で
1ppmより少ないと反応速度が遅くなり、バナジウム
−リン系複合酸化物の添加効果は、著しく小さくなるお
それがある。一方、バナジウム−リン系複合酸化物の添
加量がバナジウム換算で5重量%を越える場合、製造コ
ストの上昇を招くことになる。 【0018】本発明の方法においては、周期表第8族の
貴金属を担体に担持した触媒を使用してフェノ−ル類を
製造するが、ここで使用される周期表第8族の貴金属と
しては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウ
ム、白金又はこれらの混合物などを挙げることができ
る。これらのうち特にパラジウム、白金が好ましく用い
られる。 【0019】本発明の方法において使用される周期表第
8族の貴金属の原料としては、これら貴金属を含む各種
の無機、有機の化合物、例えば、ハロゲン化物、硝酸
塩、硫酸塩、無機錯塩、有機酸塩などを用いることがで
きる。例えば、パラジウムの場合、塩化パラジウム、硝
酸パラジウム、硫酸パラジウムなど各種の無機酸塩、テ
トラアンミンジクロロパラジウムなどの無機錯体、酢酸
パラジウムなどの有機酸塩などが挙げられる。 【0020】本発明の方法において使用される触媒の担
体としては、一般に触媒担体として使用されているもの
であれば使用でき、具体的にはシリカ、アルミナ、チタ
ニア、ジルコニアあるいはこれらの複合酸化物および活
性炭などを挙げることができる。 【0021】本発明方法で使用される触媒において、貴
金属を担体に担持する方法は特に制限はなく、例えば上
記の貴金属の原料を溶媒に溶解し、これに担体を加え浸
漬し、しかるのちに溶媒を留去するいわゆる含浸法によ
り担持することもできる。また、ここで使用される溶媒
としては、例えば、水、塩酸水溶液、アンモニア水溶
液、水酸化ナトリウム水溶液、酢酸、ベンゼン、アルコ
ール、アセトンなどを挙げることができる。 【0022】本発明の方法において使用される担体に担
持された周期表第8族の貴金属は、芳香族化合物の水酸
化反応中に金属状態でいることが必要である。このため
上記の担体に担持された貴金属は、通常使用される前に
還元処理が施される。この還元処理は触媒調製工程で行
なっても、反応系中で還元しても差し支えない。この還
元方法に特に制限はないが、通常の方法、すなわちギ酸
ナトリウム、ホルムアルデヒド、ヒドラジンなどの溶液
中で還元を行なう湿式還元法、又は水素や一酸化炭素な
どを窒素やヘリウムなどの不活性ガスで希釈した還元性
ガスにより気相で行なう乾式還元法などを用いることが
できる。また還元処理温度は、周期表第8族の貴金属が
還元される温度であれば特に制限はないが、通常、湿式
還元法では0〜200℃、乾式還元法では0〜500℃
で行なえばよい。 【0023】本発明方法において使用される触媒の貴金
属の担持量は、全触媒重量に対し、金属として通常0.
01〜20重量%であり、好ましくは0.1〜10重量
%である。担持する貴金属の量が20重量%を越える
と、反応速度が大きくなる傾向があるものの、高価な貴
金属を多量に使用するため、製造コストの上昇を招くこ
とになる。一方、貴金属が0.01重量%より少ないと
反応速度が遅くなり、工業プロセス上経済性が失われる
ことがある。また、本発明の方法において使用される触
媒量は、反応溶液に対して0.01〜30重量%で良
く、この範囲より多く用いると反応液の攪拌に支障をき
たす場合がある。 【0024】本発明の方法において、原料として使用さ
れる芳香族化合物は、少なくとも1つ以上の芳香環を有
する芳香族化合物であり、これらは、アルキル基、水酸
基などの置換基で置換されていてもよい。このような芳
香族化合物として、例えば、ベンゼン、トルエン、キシ
レンおよびアニソールなどの単環式芳香族化合物、ジフ
ェニル、ジフェニルメタン、ジフェニルエーテルなどの
非縮合多環式芳香族化合物、ナフタレン、インデンなど
の縮合多環式芳香族化合物を挙げることができる。この
ような芳香族化合物を本発明の方法により水酸化して、
対応するフェノール類を製造することができる。 【0025】本発明の方法においては反応は液相で行な
うが、必要であれば溶媒を用いてもよい。溶媒として
は、原料である芳香族化合物それ自体を溶媒としてもよ
いし、他の適当な溶媒を用いてもよい。他の溶媒として
使用できるものとしては、例えば、有機溶媒としてはペ
ンタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素類、アセト
ニトリルなどのニトリル類、メチルエーテル、エチルエ
ーテルなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケト
ンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエス
テル類、アセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド
などのアミド類、ギ酸、酢酸、プロピオン酸などの有機
酸類などが挙げられる。上記の溶媒は一種あるいは二種
以上を混合して使用することもできる。 【0026】また、溶媒として上記溶媒の他に水を使用
してもよく、勿論、前述した有機溶媒類に水を混合して
用いてもよい。更にこれらの反応溶媒に必要であれば無
機酸を添加することもできる。添加できる酸としては、
リン酸、硫酸、硝酸などの無機酸を挙げることができ
る。無機酸を添加する場合には、触媒の成分の溶出、装
置の腐蝕などの問題から0.5N以下の濃度となるよう
に用いるのが好ましい。溶媒の量に特に制限はないが、
多すぎる場合は反応速度が遅くなるので、好ましくは溶
媒濃度が反応溶液全体の1〜60重量%となるように添
加量を調整する。 【0027】本発明の方法においては、反応方法に特に
制限はなく、例えば、反応は原料である芳香族化合物、
触媒、バナジウム−リン系複合酸化物、酸素、水素およ
び必要であれば溶媒を一度に反応装置に仕込む回分式で
あっても、反応装置に酸素および/又は水素を連続的に
吹込む半回分式であってもよい。 【0028】また、供給する酸素および水素は、窒素、
へリウム、アルゴン、二酸化炭素などの不活性ガスで希
釈されていても構わない。酸素は空気を利用することも
できる。ここで酸素の供給量は、反応方法や反応条件に
より変化するので、一概には決められないが、触媒単位
重量(g)当りの酸素供給量は通常0.01ml/mi
n〜1000ml/minで行なわれる。0.01ml
/min未満では生産性が不充分となるおそれがあり、
また、1000ml/minを越えると、ガスの転化率
が小さくなり経済的でなくなる傾向にある。また、酸素
と水素の割合は特に制限はなく任意に変えることができ
るが、水素/酸素(モル比)は好ましくは0.1〜10
である。含酸素ガス及び含水素ガスを交互に反応させる
場合には、その方法に特に限定はない。 【0029】反応温度および圧力は、原料である反応溶
液が反応中に液相であれば特に制限されない。反応速度
を速くするために反応温度を高くする場合には、加圧下
での反応を行なえばよい。実用的な温度範囲としては常
温〜200℃であり、反応温度が常温より低いと、芳香
族化合物の転化率が低くなり、一方、反応温度を200
℃より高くすると、生成物の選択率が低くなる場合があ
る。また圧力は、通常、常圧〜200Kg/cm2であ
るが、好ましくは常圧〜50Kg/cm2である。 【0030】 【実施例】以下に実施例を用いて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもの
ではない。 【0031】実施例1 テトラアンミンジクロロ白金41.5mgを蒸留水18
mlに溶かし、ここにシリカ(CARiACT−15,
100〜200mesh;富士デヴィソン(株)製)
4.51gを加えた。湯浴上で蒸発乾固したのち、10
%−水素(残り窒素)流通下150℃で1時間還元して
0.5重量%−Pt/シリカ触媒を調製した。 【0032】塩酸ヒドロキシルアミン6.95gとリン
酸9.80gを80℃に加温した蒸留水100mlに溶
かし、ここに五酸化バナジウム9.10gを撹拌しなが
ら徐々に加えた。得られた溶液を蒸発乾固したのち、空
気流通下130℃で16時間乾燥し、さらに窒素流通下
550℃で2時間焼成して、結晶質のピロリン酸ジバナ
ジルを調製した。 【0033】還流冷却器を取付けた100mlガラス製
反応器に反応溶液として、ベンゼン20ml、酢酸25
mlを入れ、ここに上記の0.5重量%−Pt/シリカ
触媒0.1g、ピロリン酸ジバナジル0.0014gを
加えた。溶液の温度を60℃として、マグネチックスタ
ーラーで撹拌しながら水素40ml/minを30分間
供給して、触媒の活性化を行なった。続いて、水素24
ml/min,空気38ml/minを同時に供給し、
1時間後に溶液中の生成物をガスクロマトグラフィーで
分析した。その結果フェノールが0.124mmol生
成していた。 【0034】実施例2 実施例1において、ピロリン酸ジバナジル0.0141
gを加えた以外は実施例1と全く同様にして反応を行な
ったところ、フェノールが0.262mmol生成して
いた。 【0035】実施例3 実施例1において、ピロリン酸ジバナジル0.136g
を加えた以外は実施例1と全く同様にして反応を行なっ
たところ、フェノールが0.132mmol生成してい
た。 【0036】実施例4 実施例1において、ピロリン酸ジバナジル1.36gを
加えた以外は実施例1と全く同様にして反応を行なった
ところ、フェノールが0.107mmol生成してい
た。 【0037】実施例5 実施例1において、ピロリン酸ジバナジルの代わりに8
モリブド4バナドリン酸(日本無機化学工業(株)製)
0.0012gを加えた以外は実施例1と全く同様にし
て反応を行なったところ、フェノールが0.076mm
ol生成していた。 【0038】比較例1 実施例1において、ピロリン酸ジバナジルを加えなかっ
た以外は実施例1と全く同様にして触媒を調製し、反応
を行なったところ、フェノールが0.029mmol生
成していた。 【0039】 【発明の効果】以上述べたとおり、本発明によれば効率
良く芳香族化合物の水酸化を行ない、フェノール類を製
造することができる。 【0040】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−40976(JP,A) 特開 平5−320082(JP,A) 特開 平5−310623(JP,A) 特開 平5−310622(JP,A) 特開 平5−4935(JP,A) 特開 平4−356429(JP,A) 特開 平4−178341(JP,A) 特開 平2−138233(JP,A) 特開 平1−211540(JP,A) 特開 昭61−85338(JP,A) 特開 昭56−87527(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 37/00 C07C 39/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】芳香族化合物を、酸素及び水素を含む混合
    ガスと反応させるか、又は含酸素ガス及び含水素ガスと
    交互に反応させ、液相で芳香族化合物を水酸化するにあ
    たり、周期表第8族の貴金属を担体に担持した触媒の存
    在下、バナジウム−リン系複合酸化物を反応液中に共存
    させることを特徴とする芳香族化合物の水酸化方法。
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