JP3211371B2 - フェノール類の製造法 - Google Patents
フェノール類の製造法Info
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- JP3211371B2 JP3211371B2 JP13564992A JP13564992A JP3211371B2 JP 3211371 B2 JP3211371 B2 JP 3211371B2 JP 13564992 A JP13564992 A JP 13564992A JP 13564992 A JP13564992 A JP 13564992A JP 3211371 B2 JP3211371 B2 JP 3211371B2
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアニリン、ビスフェノー
ル類、アルキルフェノール類およびフェノール樹脂の中
間体として化学工業において非常に重要なフェノール類
の製造方法に関するものである。
ル類、アルキルフェノール類およびフェノール樹脂の中
間体として化学工業において非常に重要なフェノール類
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】芳香環にヒドロキシル基を有するフェノ
ール類のうち、最も代表的な化合物であるフェノールは
その大部分がキュメン法により製造されている。しか
し、キュメン法フェノール製造プロセスはアルキル化、
酸化、分解等の多段の工程からなり、また、フェノール
と等モルのアセトンを副生するといった問題を抱えてい
る。
ール類のうち、最も代表的な化合物であるフェノールは
その大部分がキュメン法により製造されている。しか
し、キュメン法フェノール製造プロセスはアルキル化、
酸化、分解等の多段の工程からなり、また、フェノール
と等モルのアセトンを副生するといった問題を抱えてい
る。
【0003】このキュメン法に代わるものとしてはベン
ゼンからクロルベンゼンを経るラシッヒ法、トルエンか
ら安息香酸を経るトルエン酸化法などのプロセスがあ
り、工業化されている。しかし、これらの既存プロセス
も装置の腐食、多段工程による設備費の増加、固体やス
ラリーを扱うための煩雑さ等の問題がある。
ゼンからクロルベンゼンを経るラシッヒ法、トルエンか
ら安息香酸を経るトルエン酸化法などのプロセスがあ
り、工業化されている。しかし、これらの既存プロセス
も装置の腐食、多段工程による設備費の増加、固体やス
ラリーを扱うための煩雑さ等の問題がある。
【0004】また、芳香環にヒドロキシル基を有する多
環式芳香族化合物に関しては、非縮合環式化合物である
ジフェニルや、縮合環式化合物であるナフタレンを原料
にスルホン化し、それぞれナフトールやフェニルフェノ
ールを製造する方法が工業的に確立されている。しか
し、このプロセスでも同様に酸、アルカリによる装置の
腐食等の問題がある。
環式芳香族化合物に関しては、非縮合環式化合物である
ジフェニルや、縮合環式化合物であるナフタレンを原料
にスルホン化し、それぞれナフトールやフェニルフェノ
ールを製造する方法が工業的に確立されている。しか
し、このプロセスでも同様に酸、アルカリによる装置の
腐食等の問題がある。
【0005】この様に、ヒドロキシル基を有する芳香族
化合物の既存プロセスは多くの問題点がある為、対応す
る芳香族化合物を直接酸化して、目的とするフェノール
類を得ようとする試みが成されてきた。例えば、フェノ
ール類の最も代表的な化合物であるフェノールを得る方
法として、ベンゼンを600℃前後の高温で酸化する方
法や、室温付近の温和な条件で酸化する反応も報告され
ている。例えば、特開昭56−87527号公報は、燐
および亜鉛等あるいは燐、銀および亜鉛等の金属酸化物
又は燐酸塩を触媒としてメタノール共存下で直接酸化し
フェノールを製造している。また、特開昭61−853
38号公報は液相中、金属ポルフィリン、イミダゾー
ル、白金および水素存在下、ベンゼンと酸素を反応させ
フェノールを製造する方法を開示している。
化合物の既存プロセスは多くの問題点がある為、対応す
る芳香族化合物を直接酸化して、目的とするフェノール
類を得ようとする試みが成されてきた。例えば、フェノ
ール類の最も代表的な化合物であるフェノールを得る方
法として、ベンゼンを600℃前後の高温で酸化する方
法や、室温付近の温和な条件で酸化する反応も報告され
ている。例えば、特開昭56−87527号公報は、燐
および亜鉛等あるいは燐、銀および亜鉛等の金属酸化物
又は燐酸塩を触媒としてメタノール共存下で直接酸化し
フェノールを製造している。また、特開昭61−853
38号公報は液相中、金属ポルフィリン、イミダゾー
ル、白金および水素存在下、ベンゼンと酸素を反応させ
フェノールを製造する方法を開示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、既存プ
ロセスに代わって芳香族化合物を直接酸化することによ
りフェノール類を製造する方法について、従来より種々
提案されているが、対応するフェノール類への転化率や
選択率等については、未だ多くの改良すべき点が残って
いる。
ロセスに代わって芳香族化合物を直接酸化することによ
りフェノール類を製造する方法について、従来より種々
提案されているが、対応するフェノール類への転化率や
選択率等については、未だ多くの改良すべき点が残って
いる。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような現状に鑑み、
本発明者らは、芳香族化合物類の酸化を効率よく行う方
法につき鋭意研究を進め、本発明を完成するに至った。
本発明者らは、芳香族化合物類の酸化を効率よく行う方
法につき鋭意研究を進め、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は周期律表第VIII族の貴
金属とIIIa,IVa,Va,VIa,VIIa,I
Ib,IVbおよびVb族より選ばれた一種以上からな
る卑金属酸化物をジルコニア又はチタニア担体に担持し
た触媒を用い、芳香族化合物を含酸素ガスと含水素ガス
からなる混合ガスと反応させるか又は、含酸素ガスと含
水素ガスに交互に反応させフェノール類を製造する方法
を提供する。
金属とIIIa,IVa,Va,VIa,VIIa,I
Ib,IVbおよびVb族より選ばれた一種以上からな
る卑金属酸化物をジルコニア又はチタニア担体に担持し
た触媒を用い、芳香族化合物を含酸素ガスと含水素ガス
からなる混合ガスと反応させるか又は、含酸素ガスと含
水素ガスに交互に反応させフェノール類を製造する方法
を提供する。
【0009】以下に本発明について、更に詳細に説明す
る。
る。
【0010】本発明の方法において、触媒として共存さ
せ使用される周期律表第VIII族の貴金属としてはパ
ラジウム、ロジウム、ルテニウム、白金、イリジウム、
およびこれらの混合物を挙げることができる。これらの
金属を担持する場合、原料としては、ハロゲン化物、硝
酸塩、硫酸塩、無機錯塩、有機酸塩などが挙げらる。
せ使用される周期律表第VIII族の貴金属としてはパ
ラジウム、ロジウム、ルテニウム、白金、イリジウム、
およびこれらの混合物を挙げることができる。これらの
金属を担持する場合、原料としては、ハロゲン化物、硝
酸塩、硫酸塩、無機錯塩、有機酸塩などが挙げらる。
【0011】例えば、パラジウムの場合、塩化パラジウ
ム、硝酸パラジウム、硫酸パラジウム等各種の無機酸
塩、テトラアンミンジクロロパラジウム等の無機錯体、
酢酸パラジウム等の有機酸塩が挙げられる。これらの貴
金属成分の担持量は、全触媒重量に対し、金属として通
常0.01〜20重量%であり、好ましくは0.01〜
15重量%である。担持する貴金属の量が20重量%を
越えると、反応速度が大きくなる傾向があるものの、高
価な貴金属を多量に使用するため、製造コストの上昇を
招くことになる。一方、貴金属が0.01重量%より少
ないと反応速度が遅くなり、工業プロセス上経済性が失
われる。これらの貴金属を触媒として使用する時に、還
元処理が必要である。この還元処理は反応前に行なって
も、反応中に還元することによって活性化しても、差し
支えない。この還元方法に特に制限はないが、通常の方
法、例えばギ酸ナトリウム、ホルムアルデヒドやヒドラ
ジン等の溶液で行う湿式還元法、または、水素や一酸化
炭素等を窒素やヘリウム等の不活性ガスで希釈した還元
性ガスで行う乾式還元法を用いることができる。還元処
理温度は周期律表第VIII族の貴金属が還元されれば
特に制限はないが、通常、湿式還元法では0〜200
℃、乾式還元法では0〜500℃で行なえばよい。
ム、硝酸パラジウム、硫酸パラジウム等各種の無機酸
塩、テトラアンミンジクロロパラジウム等の無機錯体、
酢酸パラジウム等の有機酸塩が挙げられる。これらの貴
金属成分の担持量は、全触媒重量に対し、金属として通
常0.01〜20重量%であり、好ましくは0.01〜
15重量%である。担持する貴金属の量が20重量%を
越えると、反応速度が大きくなる傾向があるものの、高
価な貴金属を多量に使用するため、製造コストの上昇を
招くことになる。一方、貴金属が0.01重量%より少
ないと反応速度が遅くなり、工業プロセス上経済性が失
われる。これらの貴金属を触媒として使用する時に、還
元処理が必要である。この還元処理は反応前に行なって
も、反応中に還元することによって活性化しても、差し
支えない。この還元方法に特に制限はないが、通常の方
法、例えばギ酸ナトリウム、ホルムアルデヒドやヒドラ
ジン等の溶液で行う湿式還元法、または、水素や一酸化
炭素等を窒素やヘリウム等の不活性ガスで希釈した還元
性ガスで行う乾式還元法を用いることができる。還元処
理温度は周期律表第VIII族の貴金属が還元されれば
特に制限はないが、通常、湿式還元法では0〜200
℃、乾式還元法では0〜500℃で行なえばよい。
【0012】本発明の方法において、共存させ使用され
るもう一方の触媒成分である卑金属酸化物は、周期律表
IIIa,IVa,Va,VIa,VIIa,IIb,
IVbおよびVb族の卑金属酸化物より選ばれた一種以
上からなる。卑金属酸化物の例として、周期律表III
a族の酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化セリウ
ム、IVa族の酸化ジルコニウム、Va族の五酸化バナ
ジウム、VIa族の酸化クロム、酸化モリブデン、酸化
タングステン、VIIa族の酸化マンガン、IIb族の
酸化亜鉛、IVb族の酸化すず、Vb族の酸化ビスマス
等の単一成分の卑金属酸化物や酸化モリブデン−酸化ビ
スマス、酸化モリブデン−酸化リン等の二種以上の卑金
属酸化物から成るものをあげることができる。卑金属酸
化物の成分の担持量は全触媒重量に対し卑金属酸化物と
して、通常1〜99重量%で好ましくは5〜20重量%
である。
るもう一方の触媒成分である卑金属酸化物は、周期律表
IIIa,IVa,Va,VIa,VIIa,IIb,
IVbおよびVb族の卑金属酸化物より選ばれた一種以
上からなる。卑金属酸化物の例として、周期律表III
a族の酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化セリウ
ム、IVa族の酸化ジルコニウム、Va族の五酸化バナ
ジウム、VIa族の酸化クロム、酸化モリブデン、酸化
タングステン、VIIa族の酸化マンガン、IIb族の
酸化亜鉛、IVb族の酸化すず、Vb族の酸化ビスマス
等の単一成分の卑金属酸化物や酸化モリブデン−酸化ビ
スマス、酸化モリブデン−酸化リン等の二種以上の卑金
属酸化物から成るものをあげることができる。卑金属酸
化物の成分の担持量は全触媒重量に対し卑金属酸化物と
して、通常1〜99重量%で好ましくは5〜20重量%
である。
【0013】卑金属酸化物を担持する場合、その原料と
しては、例えば、アンモニウム塩、硝酸塩、塩化物、無
機酸塩、酢酸塩、酸化物等が利用できる。具体的に例示
すると、メタバナジン酸アンモニウム、モリブデン酸ア
ンモニウム、パラタングステン酸アンモニウム、硝酸イ
ットリウム、硝酸ランタン、硝酸亜鉛、硝酸ビスマス、
オキシ硝酸ジルコニウム、塩化クロム、塩化スズ、酢酸
マンガン、酸化ニオブ等が挙げられる。これらの卑金属
酸化物の原料は常法により、担持した後、熱処理して対
応する卑金属酸化物とする。最終的に卑金属酸化物が得
られれば熱処理の方法に特に制限はないが、例えば、酸
素含有ガス等の流通下あるいは非流通下において、20
0〜1000℃の温度で熱処理すればよい。
しては、例えば、アンモニウム塩、硝酸塩、塩化物、無
機酸塩、酢酸塩、酸化物等が利用できる。具体的に例示
すると、メタバナジン酸アンモニウム、モリブデン酸ア
ンモニウム、パラタングステン酸アンモニウム、硝酸イ
ットリウム、硝酸ランタン、硝酸亜鉛、硝酸ビスマス、
オキシ硝酸ジルコニウム、塩化クロム、塩化スズ、酢酸
マンガン、酸化ニオブ等が挙げられる。これらの卑金属
酸化物の原料は常法により、担持した後、熱処理して対
応する卑金属酸化物とする。最終的に卑金属酸化物が得
られれば熱処理の方法に特に制限はないが、例えば、酸
素含有ガス等の流通下あるいは非流通下において、20
0〜1000℃の温度で熱処理すればよい。
【0014】本発明の方法において貴金属及び卑金属酸
化物は特定の担体に担持させて使用する。本発明の方法
における特定の担体としては、ジルコニア又は、チタニ
アである。使用できる担体には、先に挙げた卑金属酸化
物と同一のものもあるが、担体と同じ卑金属酸化物が担
持されても何ら差し支えない。ジルコニア、チタニアに
は、種々の結晶構造のものが知られているが、いずれの
ものも使用することができる。いわゆる無定形のもので
あっても構わない。唯一の条件は、その比表面積(窒素
吸着法で測定)が0.1m2/g以上であることであ
る。比表面積が0.1m2/g未満では、最終の触媒の
活性が充分でない。
化物は特定の担体に担持させて使用する。本発明の方法
における特定の担体としては、ジルコニア又は、チタニ
アである。使用できる担体には、先に挙げた卑金属酸化
物と同一のものもあるが、担体と同じ卑金属酸化物が担
持されても何ら差し支えない。ジルコニア、チタニアに
は、種々の結晶構造のものが知られているが、いずれの
ものも使用することができる。いわゆる無定形のもので
あっても構わない。唯一の条件は、その比表面積(窒素
吸着法で測定)が0.1m2/g以上であることであ
る。比表面積が0.1m2/g未満では、最終の触媒の
活性が充分でない。
【0015】これらの担体に触媒成分を担持させる方法
に特に制限はなく、公知の手法であれば良い。例えば、
貴金属の原料及び/あるいは卑金属酸化物の原料の水溶
液、懸濁液、酸性溶液、アルカリ性溶液、有機溶液に担
体を浸漬する、いわゆる含浸法で調製することができ
る。担体に触媒成分を担持する場合には、全触媒成分を
同時に担持させても、あるいは、逐次的に担持してもい
っこうに差し支えない。
に特に制限はなく、公知の手法であれば良い。例えば、
貴金属の原料及び/あるいは卑金属酸化物の原料の水溶
液、懸濁液、酸性溶液、アルカリ性溶液、有機溶液に担
体を浸漬する、いわゆる含浸法で調製することができ
る。担体に触媒成分を担持する場合には、全触媒成分を
同時に担持させても、あるいは、逐次的に担持してもい
っこうに差し支えない。
【0016】反応に使用する触媒量は、反応を連続式に
行う場合には反応速度や熱収支により決定される為、一
概に規定することは難しい。また、回分式あるいは半回
分式に反応を行う場合には、反応溶液に対して0.01
〜30重量%で良く、これ以上用いると反応装置の攪拌
に支障をきたす場合がある。
行う場合には反応速度や熱収支により決定される為、一
概に規定することは難しい。また、回分式あるいは半回
分式に反応を行う場合には、反応溶液に対して0.01
〜30重量%で良く、これ以上用いると反応装置の攪拌
に支障をきたす場合がある。
【0017】本発明の方法において、原料として使用で
きる芳香族化合物は、少なくとも1つ以上の芳香族環を
有する芳香族化合物であり、これらは、アルキル基、ヒ
ドロキシル基等の置換基で置換されていてもよい。この
ような、芳香族化合物として、例えば、ベンゼン、トル
エン、キシレンおよびアニソール等の単環式芳香族化合
物、ジフェニル、ジフェニルメタン、ジフェニルエーテ
ル等の非縮合多環式芳香族化合物、ナフタレン、インデ
ン等の縮合多環式芳香族化合物を挙げることができる。
きる芳香族化合物は、少なくとも1つ以上の芳香族環を
有する芳香族化合物であり、これらは、アルキル基、ヒ
ドロキシル基等の置換基で置換されていてもよい。この
ような、芳香族化合物として、例えば、ベンゼン、トル
エン、キシレンおよびアニソール等の単環式芳香族化合
物、ジフェニル、ジフェニルメタン、ジフェニルエーテ
ル等の非縮合多環式芳香族化合物、ナフタレン、インデ
ン等の縮合多環式芳香族化合物を挙げることができる。
【0018】本発明の方法において、反応は液相で行
い、必要なら溶媒を用いてもよい。溶媒としては、原料
である芳香族化合物それ自体を溶媒としてもよいし、ま
たは、他の適当な溶媒を用いてもよい。溶媒として使用
できるものとしては、例えば、有機溶媒としてはペンタ
ン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素類、アセトニト
リルなどのニトリル類、メチルエーテル、エチルエーテ
ルなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトンな
どのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル
類、アセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなど
のアミド類、ギ酸、酢酸、プロピオン酸などの有機酸が
挙げられ、これらのいずれか一種あるいは二種以上を混
合して溶媒とすることもできる。また、本反応は溶媒と
して水を使用することもできる。勿論、前述した有機溶
媒類に水を混合して用いても良い。
い、必要なら溶媒を用いてもよい。溶媒としては、原料
である芳香族化合物それ自体を溶媒としてもよいし、ま
たは、他の適当な溶媒を用いてもよい。溶媒として使用
できるものとしては、例えば、有機溶媒としてはペンタ
ン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素類、アセトニト
リルなどのニトリル類、メチルエーテル、エチルエーテ
ルなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトンな
どのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル
類、アセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなど
のアミド類、ギ酸、酢酸、プロピオン酸などの有機酸が
挙げられ、これらのいずれか一種あるいは二種以上を混
合して溶媒とすることもできる。また、本反応は溶媒と
して水を使用することもできる。勿論、前述した有機溶
媒類に水を混合して用いても良い。
【0019】また、これらの反応溶媒に必要なら無機酸
を添加することもできる。添加できる酸としては、リン
酸、硫酸、硝酸などの無機酸を挙げることができる。無
機酸を添加する場合には、触媒の成分の溶出、装置の腐
蝕等の問題から0.5N以下の濃度となるように用いる
のが好ましい。溶媒の量にとくに制限はないが、多すぎ
る場合は反応速度が遅くなるので、好ましくは溶媒濃度
が反応溶液全体の1〜60重量%となるように添加量を
調整する。
を添加することもできる。添加できる酸としては、リン
酸、硫酸、硝酸などの無機酸を挙げることができる。無
機酸を添加する場合には、触媒の成分の溶出、装置の腐
蝕等の問題から0.5N以下の濃度となるように用いる
のが好ましい。溶媒の量にとくに制限はないが、多すぎ
る場合は反応速度が遅くなるので、好ましくは溶媒濃度
が反応溶液全体の1〜60重量%となるように添加量を
調整する。
【0020】本発明の方法においては、反応方法に特に
制限はなく、例えば、反応は原料である芳香族化合物、
触媒、含酸素ガス、含水素ガス及び必要であれば溶媒を
一度に反応装置に仕込む回分式であっても、反応装置に
含酸素ガス及び/又は含水素ガスを連続的に吹込む半回
分式であっても、あるいは、芳香族化合物、含酸素ガ
ス、含水素ガス等を連続的に供給すると共に未反応ガス
及び、反応液を連続的に抜出す連続式であってもよい。
また、供給するガスは窒素、へリウム、アルゴン、二酸
化炭素等の不活性ガスで希釈されていても構わない。含
酸素ガスは空気を利用することもできる。含酸素ガスの
供給量は、反応方法や反応条件により変化するので、一
概には決められないが、触媒単位重量(g)当りの酸素
ガス供給量は、0.01ml/min〜1000ml/
minで良い。0.01ml/min未満では生産性が
不充分となり、また、1000ml/minを越えると
それ以上供給する効果が小さい。1000ml/min
を越えると、ガスの転化率が小さくなり経済的でなくな
る。含酸素ガスと含水素ガス中の酸素と水素の割合は特
に制限はなく任意に変えることができるが水素/酸素
(モル比)は好ましくは0.1〜10である。芳香族化
合物を連続的に供給する場合、触媒単位重量(g)当り
の芳香族化合物供給速度は1×10−5g/min〜1
02g/minで良い。1×10−5g/min未満で
は生産性が不充分となり、また、102g/minを越
えると、未反応芳香族化合物の量が多くなり、経済的に
不都合となる場合がある。
制限はなく、例えば、反応は原料である芳香族化合物、
触媒、含酸素ガス、含水素ガス及び必要であれば溶媒を
一度に反応装置に仕込む回分式であっても、反応装置に
含酸素ガス及び/又は含水素ガスを連続的に吹込む半回
分式であっても、あるいは、芳香族化合物、含酸素ガ
ス、含水素ガス等を連続的に供給すると共に未反応ガス
及び、反応液を連続的に抜出す連続式であってもよい。
また、供給するガスは窒素、へリウム、アルゴン、二酸
化炭素等の不活性ガスで希釈されていても構わない。含
酸素ガスは空気を利用することもできる。含酸素ガスの
供給量は、反応方法や反応条件により変化するので、一
概には決められないが、触媒単位重量(g)当りの酸素
ガス供給量は、0.01ml/min〜1000ml/
minで良い。0.01ml/min未満では生産性が
不充分となり、また、1000ml/minを越えると
それ以上供給する効果が小さい。1000ml/min
を越えると、ガスの転化率が小さくなり経済的でなくな
る。含酸素ガスと含水素ガス中の酸素と水素の割合は特
に制限はなく任意に変えることができるが水素/酸素
(モル比)は好ましくは0.1〜10である。芳香族化
合物を連続的に供給する場合、触媒単位重量(g)当り
の芳香族化合物供給速度は1×10−5g/min〜1
02g/minで良い。1×10−5g/min未満で
は生産性が不充分となり、また、102g/minを越
えると、未反応芳香族化合物の量が多くなり、経済的に
不都合となる場合がある。
【0021】反応温度及び圧力は原料である反応溶液が
反応中に液相であれば特に制限されない。反応速度を速
くする為に反応温度を高くする場合には加圧下での反応
を行なえばよい。実用的な温度範囲としては常温〜20
0℃である。反応温度が常温より低いと、芳香族化合物
の転化率が低くなる。一方、反応温度を200℃より高
くすると、生成物の選択率が低くなる場合がある。ま
た、圧力は通常、常圧〜200Kg/cm2であるが、
好ましくは常圧〜50Kg/cm2である。
反応中に液相であれば特に制限されない。反応速度を速
くする為に反応温度を高くする場合には加圧下での反応
を行なえばよい。実用的な温度範囲としては常温〜20
0℃である。反応温度が常温より低いと、芳香族化合物
の転化率が低くなる。一方、反応温度を200℃より高
くすると、生成物の選択率が低くなる場合がある。ま
た、圧力は通常、常圧〜200Kg/cm2であるが、
好ましくは常圧〜50Kg/cm2である。
【0022】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもの
ではない。
するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0023】実施例1 メタバナジン酸アンモニウム0.28gとシュウ酸0.
28gを蒸溜水10mlに溶かし、ここにジルコニア
[NORTON社製;比表面積90m2/g(窒素吸着
法で測定)]2.50gを加えた。湯浴上で蒸発乾固し
たのち、空気流通下500℃で3時間加熱分解して、8
wt%−V2O5/ジルコニアを調製した。
28gを蒸溜水10mlに溶かし、ここにジルコニア
[NORTON社製;比表面積90m2/g(窒素吸着
法で測定)]2.50gを加えた。湯浴上で蒸発乾固し
たのち、空気流通下500℃で3時間加熱分解して、8
wt%−V2O5/ジルコニアを調製した。
【0024】テトラアンミンジクロロ白金1.3mgを
蒸溜水0.6mlに溶かしたものに上記の8wt%−V
2O5/ジルコニア0.146gを浸漬し湯浴上で蒸発
乾固したのち、水素流通下250℃で1時間還元して
0.5wt%−Pt/8wt%−V2O5/ジルコニア
触媒を調製した。
蒸溜水0.6mlに溶かしたものに上記の8wt%−V
2O5/ジルコニア0.146gを浸漬し湯浴上で蒸発
乾固したのち、水素流通下250℃で1時間還元して
0.5wt%−Pt/8wt%−V2O5/ジルコニア
触媒を調製した。
【0025】還流冷却器を取付けた100mlガラス製
反応器に反応溶液としてベンゼン20ml、酢酸25m
lを混合し、ここに上記の触媒0.1gを加えた。溶液
の温度を60℃としてマグネチックスターラーで撹拌し
ながら水素40ml/minを30分間供給して触媒の
活性化を行った。続いて、水素24ml/min,空気
38ml/minを同時に供給し1時間後に溶液中の生
成物をガスクロマトグラフィーで分析した。結果を表1
に示す。
反応器に反応溶液としてベンゼン20ml、酢酸25m
lを混合し、ここに上記の触媒0.1gを加えた。溶液
の温度を60℃としてマグネチックスターラーで撹拌し
ながら水素40ml/minを30分間供給して触媒の
活性化を行った。続いて、水素24ml/min,空気
38ml/minを同時に供給し1時間後に溶液中の生
成物をガスクロマトグラフィーで分析した。結果を表1
に示す。
【0026】実施例2 実施例1において、ジルコニア担体の代わりにチタニア
[堺化学工業(株)製;比表面積59m2/g(窒素吸
着法で測定)]担体を用いて調製した0.5wt%−P
t/8wt%−V2O5/チタニア触媒を用いた以外は
実施例1と全く同様にして反応を行なった。結果を表1
に示す。
[堺化学工業(株)製;比表面積59m2/g(窒素吸
着法で測定)]担体を用いて調製した0.5wt%−P
t/8wt%−V2O5/チタニア触媒を用いた以外は
実施例1と全く同様にして反応を行なった。結果を表1
に示す。
【0027】比較例1 実施例1において、ジルコニア担体の代わりにシリカ
[CARiACT−15;富士デヴィソン化学(株)社
製;比表面積185m2/g(窒素吸着法で測定)]担
体を用いて調製した0.5wt%−Pt/8wt%−V
2O5/シリカ触媒を用いた以外は実施例1と全く同様
にして反応を行なった。結果を表1に示す。
[CARiACT−15;富士デヴィソン化学(株)社
製;比表面積185m2/g(窒素吸着法で測定)]担
体を用いて調製した0.5wt%−Pt/8wt%−V
2O5/シリカ触媒を用いた以外は実施例1と全く同様
にして反応を行なった。結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】以上述べたとおり、本発明によれば効率
良く芳香族類の酸化を行ない、フェノール類を製造する
ことができる。
良く芳香族類の酸化を行ない、フェノール類を製造する
ことができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−4935(JP,A) 特開 平4−356429(JP,A) 特開 平4−178341(JP,A) 特開 平1−211540(JP,A) 特開 昭61−85338(JP,A) 特開 昭56−87527(JP,A) 特公 昭45−38044(JP,B1) 特公 昭46−33024(JP,B1) 特公 昭45−29493(JP,B1) 特公 昭45−11887(JP,B1) 特公 昭42−2344(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 39/04 B01J 23/648 C07C 37/58 C07B 61/00
Claims (2)
- 【請求項1】 芳香族化合物を含酸素ガスと含水素ガス
からなる混合ガスと反応させるか又は、含酸素ガスと含
水素ガスを交互に反応させてフェノール類を製造するに
あたり、周期律表第VIII族の貴金属と、IIIa,
IVa,Va,VIa,VIIa,IIb,IVbおよ
びVb族より選ばれた一種以上からなる卑金属酸化物を
その比表面積(窒素吸着法で測定)が0.1m 2 /g以
上であるジルコニア又はチタニア担体に担持した触媒を
用いることを特徴とするフェノール類の製造方法。 - 【請求項2】 反応を常圧以上の圧力下で行うことを特
徴とする請求項1に記載のフェノール類の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13564992A JP3211371B2 (ja) | 1992-04-30 | 1992-04-30 | フェノール類の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13564992A JP3211371B2 (ja) | 1992-04-30 | 1992-04-30 | フェノール類の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05310622A JPH05310622A (ja) | 1993-11-22 |
JP3211371B2 true JP3211371B2 (ja) | 2001-09-25 |
Family
ID=15156736
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13564992A Expired - Fee Related JP3211371B2 (ja) | 1992-04-30 | 1992-04-30 | フェノール類の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3211371B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4051713B2 (ja) * | 1993-08-10 | 2008-02-27 | 東ソー株式会社 | フェノール類の製造方法 |
EP2178820A1 (en) | 2007-08-20 | 2010-04-28 | Shell Internationale Research Maatschappij B.V. | Process for the preparation of a diaryl carbonate |
-
1992
- 1992-04-30 JP JP13564992A patent/JP3211371B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05310622A (ja) | 1993-11-22 |
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