JPH11190384A - 液体封入式エンジンマウント - Google Patents

液体封入式エンジンマウント

Info

Publication number
JPH11190384A
JPH11190384A JP35985597A JP35985597A JPH11190384A JP H11190384 A JPH11190384 A JP H11190384A JP 35985597 A JP35985597 A JP 35985597A JP 35985597 A JP35985597 A JP 35985597A JP H11190384 A JPH11190384 A JP H11190384A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluid chamber
cylindrical body
cylinder
liquid
main
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP35985597A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3830259B2 (ja
Inventor
Yoichi Kawamoto
洋一 河本
Kazuhiro Ogawara
一浩 小河原
Sumio Uchida
純生 内田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kurashiki Kako Co Ltd
Original Assignee
Kurashiki Kako Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kurashiki Kako Co Ltd filed Critical Kurashiki Kako Co Ltd
Priority to JP35985597A priority Critical patent/JP3830259B2/ja
Publication of JPH11190384A publication Critical patent/JPH11190384A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3830259B2 publication Critical patent/JP3830259B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)
  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体封入式のエンジンマウントにおいて、静
的特性を変化させることなく動的特性としての減衰効果
を向上させる。 【解決手段】 横向きの内筒体1と外筒体2とをゴム弾
性体3で連結し、両筒体間の外筒体寄りのゴム弾性体中
に、上側に凹溝部42を形成した中間筒体4を埋め込
む。内筒体より下側に主流体室5、上側に凹溝部と外筒
体とで画成した副流体室6、内筒体と凹溝部との間に貫
通空所91,92を設ける。副流体室が液室部61と気
室部62とを有するように液体11及び空気12を封入
する。第1及び第2主ばね部31に筒軸X方向に第1及
び第2側壁部と筒軸に直交する面内で重複しない領域内
であり、かつ、外筒体の内壁と所定寸法だけ内筒体側に
離れた位置から内筒体にかけての領域内にそれぞれリブ
31a,32aを形成し、静荷重に対してリブの影響を
与えず、減衰効果を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のエンジン
を支承するために用いられる液体封入式エンジンマウン
トに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の液体封入式エンジン
マウントとして、内筒体と、外筒体と、両筒体間を連結
するゴム弾性体と、このゴム弾性体中に画成されて内筒
体と外筒体との相対変位による圧力を受ける主流体室
と、この主流体室からの液体がオリフィスを通して流入
される副流体室と、上記主流体室と副流体室とに封入さ
れた流体とをを備えたものが知られている(例えば、特
開平7−151183号公報参照)。このものでは、上
記内筒体から筒軸に直交する方向であって略水平方向両
側にそれぞれ上記外筒体まで延びて上記主流体室の上面
を仕切る一対の主ばね部により、上記内筒体は上記外筒
体に対し弾性支持されており、上記内筒体に上下方向に
振動が入力されると、上記両主ばね部が下方に変位する
結果、上記主流体室内に圧力変動が発生するようにな
る。そして、この圧力変動により、液体がオリフィスを
通して上記主流体室と副流体室とを相互に流動し、上記
オリフィス内の液体の液柱共振により、上下方向の低周
波数域の振動を減衰させるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の如き
主ばね部の変形により主流体室の圧力変動を生じさせる
ものとして、例えば図9に示すような液体封入式エンジ
ンマウントを、同図の上下方向(鉛直方向)を車両の上
下方向にし、同図の左右方向(水平方向)を車両の前後
方向になるように配置して、外筒体2を車体側に内筒体
1をエンジン側にそれぞれ取り付けた場合、例えば内筒
体1に対し上下方向に振動が入力して、この内筒体1が
外筒体2に対し相対的に下方に変位すると、同図に実線
で示すように、第1及び第2主ばね部31,32がそれ
ぞれ上方に膨らんでしまい主流体室5が受ける圧力が分
散してしまうおそれがある。このように膨らんでしまう
と、主流体室5内の液体がオリフィス7及びオリフィス
8を通して副流体室6に押し出されるというピストン効
果が得られなくなり、この結果、上記の液柱共振による
減衰効果が低減してしまうという不都合がある。
【0004】これを解消するために、第1及び第2主ば
ね部の肉厚を分厚くすることで、上記内筒体が下方に相
対変位する際の上記両主ばね部の膨らみを防止・抑制す
ることが考えられる。
【0005】ところが、上記両主ばね部の肉厚を分厚く
すると上記の如き両主ばね部の膨らみは防止することが
できるものの、主としてエンジンの自重に起因する静荷
重に対する上下方向の支持剛性と前後方向の支持剛性と
の比率(剛性バランス)が上記両主ばね部の肉厚を分厚
くすることによって肉厚を厚くしない状態から変化して
しまうことになる。このため、例えば車両の上下方向に
対し硬く、前後方向に対し軟らかくするというような剛
性バランスの設定要求がある場合に、上記の如く両主ば
ね部の肉厚を分厚くすることで上記剛性バランスの設定
値が変化してしまい上記設定要求を実現できないという
不都合がある。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、液体封入式の
エンジンマウントにおいて、静的特性を変化させること
なく動的特性としての減衰効果を向上させることにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、筒軸が横向きに配置されて
エンジン及び車体の一側に連結される内筒体と、この内
筒体の周囲を囲みエンジン及び車体の他側に連結される
外筒体と、この外筒体と内筒体とを互いに連結するゴム
弾性体と、上記内筒体の下側位置のゴム弾性体中に画成
されて上記内筒体の外筒体に対する上下方向の相対変位
に伴い圧力変動を受ける主流体室と、この主流体室に対
しオリフィスを介して連通されて上記主流体室の圧力変
動を補償する副流体室と、これら主流体室及び副流体室
に封入された流体とを備えた液体封入式エンジンマウン
トを前提とし以下のように構成するものである、すなわ
ち、上記ゴム弾性体を、上記内筒体から上記筒軸に直交
する方向であって略水平方向両側にそれぞれ上記外筒体
まで延びて上記主流体室の上面を仕切る一対の主ばね部
と、上記領主ばね部の上記筒軸方向両側端の各位置から
上記外筒体までの間を閉止して上記主流体室の筒軸方向
両側面を仕切る一対の側壁部とを備えたものとし、上記
各主ばね部には、上記エンジン自重に基づく静荷重の支
持剛性に対し影響を及ぼさない死にゴムとなる領域に、
上記主流体室からの流体圧に対する曲げ剛性を増大させ
るよう厚肉部を一体に形成するものである。
【0008】上記の構成の場合、厚肉部を静荷重の支持
剛性に対し死にゴムとなる領域に形成するため、上記厚
肉部を形成しても静荷重に対する上下方向と前後方向と
の剛性バランスが上記厚肉部を設けない状態から変化し
てしまうことはない。
【0009】また、上記厚肉部を形成することにより、
上記主ばね部の曲げ剛性が増大されるため、動的荷重が
加わったとき、つまり、振動が加えられて内筒体が下方
に相対変位したときに上記主ばね部が上方に膨らむこと
を防止・抑制することが可能になる。これにより、確実
に主流体室内の液体をオリフィスを通して副流体室に押
し出すことが可能になり、この結果、減衰特性を向上さ
せることが可能になる。
【0010】従って、静的特性を変化させることなく動
的特性としての減衰効果を向上させることが可能にな
る。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、厚肉部を、各主ばね部と一対の側壁部とが
筒軸方向に直交する方向に互いに重複しない領域であっ
て、外筒体の内周面近傍を除く領域に形成する構成とす
るものである。
【0012】上記の構成の場合、厚肉部を形成する具体
的な領域、つまりエンジン自重に基づく静荷重の支持剛
性に対し死にゴムとなる領域を特定されることになる。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
明において、厚肉部を、各主ばね部に対し上下方向に突
出して内筒体と外筒体とを結ぶ方向にリブ状に形成する
構成とするものである。
【0014】上記の構成の場合、厚肉部の具体的な形状
が特定され、主流体室からの流体圧に対する曲げ剛性を
増大させて、内筒体が下方に相対変位したときに上記主
ばね部が上方に膨らむことを効果的に防止することが可
能になる。
【0015】請求項4記載の発明は、請求項2または請
求項3記載の発明において、厚肉部を、各主ばね部の上
面部に形成する構成とするものである。
【0016】上記の構成の場合、厚肉部を各主ばね部の
上面部に形成することにより、主流体室の容積を縮小さ
せることなく、減衰効果の向上が図られる。しかも、厚
肉部を各主ばね部の上面部に形成することにより、例え
ば主流体室内に形成されて内筒体の下方への変位を制限
するストッパー等と上記厚肉部とが干渉することを回避
して、液体封入式エンジンマウントの構造を簡易なもの
にすることが可能になる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基いて説明する。
【0018】図1は、本発明の実施形態に係る液体封入
式エンジンマウントの無負荷状態(製造状態)を示し、
図2、図3及び図4は上記実施形態の内筒体がエンジン
側に、外筒体が振動受部としての車体側にそれぞれ取り
付けられ、エンジンの自重が内筒体及びゴム弾性体に作
用した状態(1G状態)を示す。
【0019】図1〜図4において、1は筒軸Xが略水平
方向となるよう配置された内筒体、2はこの内筒体1の
周囲を囲むよう外周囲に配置された外筒体、3はこの外
筒体2と上記内筒体1とを互いに連結するゴム弾性体、
4は上記内筒体1と外筒体2との中間位置であって上記
外筒体2に近接した位置のゴム弾性体3中に上記内筒体
1の周囲を囲むよう埋め込まれた中間筒体である。ま
た、5は上記内筒体1の下側のゴム弾性体3内に画成さ
れた主流体室、6は上記内筒体1の上側に画成された副
流体室、7は上記の主流体室5と副流体室6を互いに連
通するオリフィス、8は同じく主流体室5と副流体室と
を互いに連通するオリフィス、9は上記内筒体1よりも
上側のゴム弾性体3中を上記筒軸Xに平行に貫通する貫
通空所である。そして、上記主流体室5および副流体室
6には非圧縮性の流体としての液体10と、圧縮性の気
体としての空気11とが封入されている。
【0020】上記内筒体1は、無負荷状態(図1参照)
では、その筒軸Xが外筒体2の筒軸Yよりも所定寸法上
方位置であって上記筒軸Yと平行に延びるようにゴム弾
性体3によって外筒体2に対し支持されている。また、
上記中間筒体4には、図5にも示すように、外周面の下
側部分が切り欠かれて窓部41が形成される一方、上側
部分が内方に凹まされて凹溝部42が形成されており、
この凹溝部42の一部には上方に凸となるリバウンド受
部43が形成されている。
【0021】そして、上記ゴム弾性体3は、上記内筒体
1及び中間筒体4と一体に加硫成形されたものであり、
内筒体1から筒軸Xに直交する水平方向(図1及び図2
の左右方向)両側にハの字状に延びて内筒体1を外筒体
2に対し弾性支持して防振機能を果たす第1及び第2の
主ばね部31,32を主要構成要素として備えるもので
ある。加えて、上記ゴム弾性体3は上記内筒体1の下側
を所定肉厚で覆い、その変形抵抗により上記内筒体1の
下方変位を所定量に制限する入力側被覆部33と、上記
内筒体1の上側を所定肉厚で覆うリバウンド側被覆部3
4と、中間筒体4の外周面を覆うように加硫接着されて
外筒体2の内周面との間に介装される薄肉層35とを上
記両主ばね部31,32と一体のものとして備えてい
る。
【0022】上記第1主ばね部31は上記内筒体1から
左斜め下方に比較的急傾斜の下り勾配で外筒体2まで延
びるように形成され、また、上記第2主ばね部32は上
記内筒体1から右斜め下方に比較的緩傾斜の下り勾配で
外筒体2まで延びるように形成されている。このような
第1及び第2主ばね部31,32は、その下面が1G状
態(図2参照)で後述の案内面13を構成することにな
るように定められ、具体的には無負荷状態(図1参照)
で筒軸Xを通る鉛直軸Zと上記第1主ばね部31の延び
る方向(図1の一点鎖線参照)との間の内角が、上記鉛
直軸Zと第2主ばね部32の延びる方向との間の内角よ
りも所定量小さくなるように定められる。そして、1G
状態(図2参照)では、ゴム弾性体3がエンジン自重を
受けて下方に撓むことにより、上記鉛直軸Zと第1主ば
ね部31の延びる方向との間の内角が90度よりも小さ
くなる一方、第2主ばね部32の延びる方向との間の内
角が90度以上(図例ではほぼ90度)になるようにな
っている。その結果、そのゴム弾性体3の下面が主流体
室5の上記水平方向左端側からオリフィス8の主流体室
側開口8aが位置する右端側に向けて徐々に上昇するよ
うに傾斜した案内面13を構成するようになっている。
【0023】上記第1及び第2主ばね部31,32には
それぞれ、図1に示すように、リブ31a,32aが形
成されており、上記第1主ばね部31に形成されたリブ
31aは、上記中間筒体4の窓部41の付近の内周面に
対して所定寸法αだけ離れた位置から上記中間筒体4の
リバウンド受部43の付近の内周面に対して上記所定寸
法βだけ離れた位置までであり、かつ、図6に示すよう
に、上記主流体室5を区画する第1及び第2側壁部3
6,37の内壁に対して所定寸法γだけ離れた位置の間
のリブ領域内に後述の貫通空所91側に突出するように
形成されている。一方、上記第2主ばね部32に形成さ
れたリブ32aは、上記中間筒体4の窓部41の付近の
内周面に対して所定寸法αだけ離れた位置から上記中間
筒体4のリバウンド受部43の付近の内周面に対して上
記所定寸法βだけ離れた位置までであり、かつ、図7に
示すように、上記主流体室5を区画する第1及び第2側
壁部36,37の内壁に対してそれぞれ所定寸法γだけ
離れた位置の間のリブ領域内に後述の貫通空所92側に
突出するように形成されている。
【0024】また、上記のリバウンド側被覆部34は、
無負荷状態(図1参照)において中間筒体4のリバウン
ド受部43の下面に対し非接着状態で当接した状態に形
成されて、内筒体1の両側に筒軸Xに平行に貫通する貫
通空所91,92が形成されるようになっている一方、
1G状態(図2参照)においては上記リバウンド側被覆
部34がリバウンド受部43から離れて両貫通空所9
1,92が連続した1つの貫通空所9が形成されるよう
になっている。この1G状態では、振動入力時に上記被
覆部34がリバウンド受部43に当接することにより内
筒体1の上方変位を所定量に制限するようになってい
る。
【0025】上記主流体室5は、図1及び図3に示すよ
うに、上記ゴム弾性体3の下面と、中間筒体4の窓部4
1位置に外筒体2の内周面と、上記第1及び第2側壁部
36,37の内壁とによって画成されている。また、上
記副流体室6は、中間筒体4の凹溝部42の筒壁と外筒
体2の内周面とにより体積が不変の状態で画成されてお
り、上記凹溝部42の筒壁により上記貫通空所9と副流
体室6との間が互いに隔てられて区画されている。
【0026】上記オリフィス7は、内筒体1を挟んで左
側の薄肉層35(図4及び図6参照)の主流体室5と副
流体室6との間の部分が筒軸X方向に所定幅だけ周方向
に切り欠かれて凹溝状とされ、この凹溝の部分と外筒体
2の内周面とに挟まれて形成されたオリフィス部71に
より形成されている。そして、このオリフィス7は、第
1主ばね部31の外筒体2との連結位置が比較的下位に
設定されていることにより、比較的大通路長を有するよ
うに形成されており、また、所定の低周波域(例えば自
動車のシェイク振動域10〜15Hz )で液柱共振を生
じるように上記通路長に応じて比較的大通路断面積を有
するように形成されている。また、上記オリフィス7
は、一端開口で主流体室5の右端部側に連通し、その一
端開口が上記オリフィス7の主流体室側開口7aとされ
ている。
【0027】また、オリフィス8は、図4及び図7に示
すように、内筒体1を挟んで右側の薄肉層35の主流体
室5と副流体室6との間の部分が筒軸X方向に所定幅だ
け周方向に切り欠かれて凹溝状とされ、この凹溝の部分
と外筒体2の内周面とに挟まれて形成されている。この
オリフィス8は、上記オリフィス7に設定された共振周
波数と関係で定まる細径のものに形成されている。
【0028】上記オリフィス7とオリフィス8とは、図
4に示すように、筒軸X方向に対し互いにオフセットし
た位置に形成されており、上記筒軸X方向に対し同じ位
置に上記オリフィス7とオリフィス8とが形成した場合
にこの両オリフィス7,8とから流入する液体が上記副
流体室6内で衝突することによって、空気11が液体内
10へ気泡となって混入することを防止するようにして
いる。
【0029】そして、1G状態(図2参照)において、
主流体室5内の全てに液体10が充満され、副流体室6
内に液面10aがその副流体室6の上下方向中間位置で
あって上記オリフィス7及びオリフィス8の副流体室側
開口7b,8bよりも上方に位置するように液体が封入
され、これにより、上記副流体室6の下半部には液室部
61が形成される一方、上半部には気室部62が形成さ
れるようになっている。なお、この気室部62の容積、
すなわち、封入空気量は、オリフィス7及びオリフィス
8を介しての主流体室5と副流体室6との間の液体10
の流動により上記液室部61の容積を拡縮させて有効に
液柱共振を生じさせるような量に設定されている。
【0030】次に、上記構成の液体封入式エンジンマウ
ントの製造方法について説明すると、まず、内筒体1お
よび中間筒体4とを上述のごとくゴム弾性体3と一体加
硫成形する。ついで、この一体成形物と外筒体2とを筒
軸Xが上下方向になるように配置し、上記外筒体2の内
周面に対して上から上記一体成形物の外周面の薄肉層3
5を圧入していく。そして、主流体室5となる空所の上
端部と外筒体2の上端開口縁との間に隙間を開けた状態
で上記圧入を一時停止し、この状態で、上記隙間から液
体10を気室部62の空気量を考慮した所定量だけ注入
し、その後、上記一体成形物を最後まで圧入する。最後
に、上記外筒体2の上下の各開口縁をかしめて上記一体
成形物と外筒体2とを一体化する。この製造方法によれ
ば、液体10を満たした液槽中で組み付けを行う必要が
ないため、圧入による液体の飛散の発生や組み付け後に
外面に付着した液体の洗浄の必要などを省略することが
できる。
【0031】この製造されたエンジンマウントを上記筒
軸Xが水平になるようして主流体室5が下に副流体室6
が上になるようにすれば、図1に示す無負荷状態にな
り、封入された空気11は、通常は、副流体室6の上部
と、主流体室5のオリフィス8の主流体室側開口8aを
通る水平面よりも上方部分とにそれぞれ位置することに
なる。
【0032】そして、この無負荷状態のエンジンマウン
トの内筒体1をエンジン側に、外筒体2を車体側にそれ
ぞれ取付けて1G状態にすることにより、ゴム弾性体3
が下方に変位してそのゴム弾性体3の下面に案内面13
(図2参照)が形成されるため、上記主流体室5内の空
気11が上記案内面13に沿ってオリフィス8の主流体
室側開口8aに自然に導かれ、このオリフィス8を通し
て全量が副流体室6に入る。これにより、空気11が副
流体室6にのみ封入された状態に自動的にされ,副流体
室6内に確実に所定の設定空気量(設定容積)の気室部
62が形成される。
【0033】次に、内筒体1を介してゴム弾性体3に対
し上下方向の低周波域の振動が入力すると、内筒体1が
上下方向に相対的に変位する。この変位によりオリフィ
ス7及びオリフィス8を通して主流体室5と副流体室6
の液室部61との間で液体10が流動し、上記両オリフ
ィス7,8を介した液柱共振によって上記低周波域の入
力振動の減衰が図られる。なお、上記のオリフィス7及
びオリフィス8を介した液体10の流動は気室部62の
空気11の圧縮・膨脹作用によって液室部61の容積の
拡縮により可能となるものである。
【0034】つぎに、上記実施形態の作用・効果を説明
する。
【0035】静荷重に対する剛性は、上記第1及び第2
主ばね部31,32の上記外筒体2に接する面、及び、
上記第1及び第2主ばね部31,32と第1及び第2側
壁部36,37とがそれぞれ接する面の面積に依存する
が、上記両リブ31a,32aは、それぞれ中間筒体4
の窓部41の付近の内周面に対して所定寸法αだけ離れ
た位置から上記中間筒体4のリバウンド受部43の付近
の内周面に対して上記所定寸法βだけ離れた位置までで
あり、かつ、図6に示すように、上記主流体室5を区画
する第1及び第2側壁部36,37の内壁に対して所定
寸法γだけ離れた位置の間のリブ領域内に形成されてい
る。このため、上記両リブ31a,32aにより上記の
面積が拡大されることにはならず、上記両リブ31a,
32aは、静荷重に対して死にゴムとなる。これによ
り、静荷重に対する剛性バランスは上記リブ31a,3
2aを設けても変化しないことになる。
【0036】また、第1及び第2主ばね部31,32に
リブ31a,32aを設けることにより、この第1及び
第2主ばね部31,32の肉厚が厚くなり、変形に対す
る抵抗が増加するようになる。このため、振動が加えら
れて内筒体1が外筒体2に対して下方に相対変位したと
きに上記第1及び第2主ばね部31,32が上方に膨ら
むことを防止することができるようになる。これによ
り、確実に主流体室5内の液体をオリフィス7及びオリ
フィス8を通して副流体室6に押し出すことができるよ
うになり、この結果、減衰特性を向上させることができ
るようになる。
【0037】従って、上記のリブ31a,32aを設け
るという簡易な構造で、静的特性を変化させることなく
動的特性としての減衰効果を向上させることができるよ
うになる。
【0038】<他の実施形態>なお、本発明は上記実施
形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態
を包含するものである。すなわち、上記実施形態では、
第1及び第2主ばね部31,32として内筒体1から斜
め下方に下り勾配で延びるもののようにしているが、こ
れに限らず、例えば第1及び第2主ばね部が水平方向に
延びるように形成されたものに対して、リブをそれぞれ
形成するようにしてもよい。
【0039】上記実施形態では、液体封入式エンジンマ
ウントとしてエアダイアフラムを用いたエアダイアフラ
ム式のものを用いているが、これに限らず、例えばダイ
アフラムを用いたダイアフラム式のエンジンマウントに
適用してもよい。
【0040】上記実施形態では、リブ31a,32aと
して各主ばね部31,32の上面側に突出して貫通空所
91,92に突出するようにしているが、これに限ら
ず、リブを例えば上記各主ばね部31,32の下面側に
形成して主流体室5内にそれぞれ突出するようにしても
よい。
【0041】上記実施形態では、リブ31a,32aと
して、その上端が中間筒体4のリバウンド受部43の付
近の内周面に対して上記所定寸法βだけ離れた位置から
突出するようにしているが、これに限らず、例えばリブ
の上端を上記中間筒体4のリバウンド受部43まで連続
させるようにしてもよい。この場合にでも、同様の効果
を得ることができるようになる。
【0042】また、上記実施形態では、各リブ31a,
32aとして、それぞれのリブ領域内から突出する1つ
もののように形成しているが、これに限らず、例えば第
1または第2主ばね部31,32に沿って内筒体1と外
筒体2とを結ぶ方向に延びる複数列のリブをリブ領域内
に筒軸方向に並べるように形成してもよい。
【0043】さらに、筒軸方向に延びるリブをリブ領域
内に形成してもよい。この場合であっても、そのリブの
内筒体1と外筒体2とを結ぶ方向の幅に応じて、この上
記第1または第2主ばね部31,32の上方への膨らみ
を防止することができるようになる。
【0044】加えて、リブ領域全体を厚肉部にするよう
にしてもよい。
【0045】
【実施例】図8は、図1及び図2に示す、リブを形成し
た実施形態の液体封入式エンジンマウントと、図9に示
す、上記実施形態のものからリブを省略した液体封入式
エンジンマウントとに対して、それぞれ強制的に加振を
行った場合の減衰効果の変化を示す実験結果であり、こ
の図において、実線及び破線はリブ有りの液体封入式エ
ンジンマウントの結果であり、一点鎖線及び二点鎖線は
リブ無しの液体封入式エンジンマウントの結果である。
なお、実線及び一点鎖線は振幅が±0.1mmで加振し
たときの結果であり、破線及び二点鎖線は振幅が±0.
5mmで加振したときの結果である。
【0046】図8の実線と一点鎖線とを比較すると、上
記リブを形成することにより、損失係数のピーク値が高
くなっており、減衰効果が向上している。また、加振振
幅を大きくした場合の破線と二点鎖線とを比較しても、
上記リブを形成することにより、損失係数のピーク値が
高くなっており、減衰効果が向上している。なお、上記
加振振幅を大きくなれば、減衰効果は低下するようにな
るが、上記リブを形成することによる減衰効果の向上率
は、上記加振振幅が±0.1mmの場合でも、±0.5
mmの場合でも同じであり、上記リブを形成することに
より、加振振幅に依らず減衰効果が向上している。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明における液体封入式エンジンマウントによれば、静荷
重の支持剛性に対し死にゴムとなる領域に厚肉部を形成
することによって、剛性バランスが変化してしまうこと
を防止し、上記厚肉部により、動的荷重が加わったとき
に上記主ばね部の上方への膨らみを防止・抑制すること
ができ、静的特性を変化させることなく動的特性として
の減衰効果を向上させることができる。
【0048】請求項2記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明による効果に加えて、厚肉部を形成する具
体的な領域を特定することができる。
【0049】請求項3記載の発明によれば、上記請求項
2記載の発明による効果に加えて、厚肉部の具体的な形
状を特定することができる。
【0050】請求項4記載の発明によれば、上記請求項
2または請求項3記載の発明による効果に加えて、主流
体室の容積を縮小させることなく、減衰効果の向上を図
ることができ、しかも、例えば主流体室内に形成されて
内筒体の下方への変位を制限するストッパー等と厚肉部
とが干渉することを回避して、液体封入式エンジンマウ
ントの構造を簡易なものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の製造段階のものを示す横断
面図である。
【図2】上記実施形態の1G状態のものを示す図1対応
図である。
【図3】図2のC−C線における断面図である。
【図4】図2のD−D線における断面図である。
【図5】内筒体と中間筒体との分解斜視図である。
【図6】図1のA−A線における端面図である。
【図7】図1のB−B線における端面図である。
【図8】本発明の実施形態における損失係数と周波数と
の関係図である。
【図9】従来の液体封入式エンジンマウントを示す図2
対応図である。
【符号の説明】
1 内筒体 2 外筒体 3 ゴム弾性体 5 主流体室 6 副流体室 7,8 オリフィス 10 液体(流体) 11 気体(流体) 31 第1主ばね部 32 第2主ばね部 36 第1側壁部 37 第2側壁部 31a,32a リブ X 筒軸

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒軸が横向きになるように配置されてエ
    ンジン及び車体の一側に連結される内筒体と、この内筒
    体の周囲を囲みエンジン及び車体の他側に連結される外
    筒体と、この外筒体と上記内筒体とを互いに連結するゴ
    ム弾性体と、上記内筒体の下側位置のゴム弾性体中に画
    成されて上記内筒体の上記外筒体に対する上下方向の相
    対変位に伴い圧力変動を受ける主流体室と、この主流体
    室に対しオリフィスを介して連通されて上記主流体室の
    圧力変動を補償する副流体室と、これら主流体室及び副
    流体室に封入された流体とを備えた液体封入式エンジン
    マウントにおいて、 上記ゴム弾性体は、上記内筒体から上記筒軸に直交する
    方向であって略水平方向両側にそれぞれ上記外筒体まで
    延びて上記主流体室の上面を仕切る一対の主ばね部と、
    上記両主ばね部の上記筒軸方向両側端の各位置から上記
    外筒体までの間を閉止して上記主流体室の筒軸方向両側
    面を仕切る一対の側壁部とを備え、 上記各主ばね部には、上記エンジン自重に基づく静荷重
    の支持剛性に対し影響を及ぼさない死にゴムとなる領域
    に、上記主流体室からの流体圧に対する曲げ剛性を増大
    させるよう厚肉部が一体に形成されていることを特徴と
    する液体封入式エンジンマウント。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 厚肉部は、各主ばね部と一対の側壁部とが筒軸方向に直
    交する方向に互いに重複しない領域であって、外筒体の
    内周面近傍を除く領域に形成されていることを特徴とす
    る液体封入式エンジンマウント。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 厚肉部は、各主ばね部に対し上下方向に突出して内筒体
    と外筒体とを結ぶ方向に延びるリブ状に形成されている
    ことを特徴とする液体封入式エンジンマウント。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3において、 厚肉部は、各主ばね部の上面側に形成されていることを
    特徴とする液体封入式エンジンマウント。
JP35985597A 1997-12-26 1997-12-26 液体封入式エンジンマウント Expired - Fee Related JP3830259B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35985597A JP3830259B2 (ja) 1997-12-26 1997-12-26 液体封入式エンジンマウント

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35985597A JP3830259B2 (ja) 1997-12-26 1997-12-26 液体封入式エンジンマウント

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11190384A true JPH11190384A (ja) 1999-07-13
JP3830259B2 JP3830259B2 (ja) 2006-10-04

Family

ID=18466652

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35985597A Expired - Fee Related JP3830259B2 (ja) 1997-12-26 1997-12-26 液体封入式エンジンマウント

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3830259B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009074610A (ja) * 2007-09-20 2009-04-09 Kurashiki Kako Co Ltd 液体封入式防振装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009074610A (ja) * 2007-09-20 2009-04-09 Kurashiki Kako Co Ltd 液体封入式防振装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3830259B2 (ja) 2006-10-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0221633Y2 (ja)
JP4494988B2 (ja) 液体封入式防振マウント装置
JP3035222B2 (ja) 液体封入型防振装置
JP4823976B2 (ja) 液体封入式防振支持装置
JP4544783B2 (ja) 液封防振装置
JP2001349368A (ja) 液封入式防振装置
JP4188751B2 (ja) 液封入式防振装置
JPH11190384A (ja) 液体封入式エンジンマウント
JP3631348B2 (ja) 液体封入式防振マウント
JP2603798B2 (ja) 流体封入式エンジンマウント
JP3676025B2 (ja) 液体封入式防振マウント
JP3771028B2 (ja) 液体封入式エンジンマウント
JPH02240430A (ja) 流体封入式筒型マウント装置
JP3088686B2 (ja) 液体封入型防振装置
JPH01250636A (ja) 液封入防振装置
JP4378249B2 (ja) 液体封入式防振マウント装置
JPH11280828A (ja) 液体封入式防振装置
JPH05272579A (ja) 液体封入式防振マウント
JPH10281213A (ja) 液体封入式防振マウント
JPH0349316Y2 (ja)
JPH0135959Y2 (ja)
JPH05280576A (ja) 液体封入型防振装置
JPH0674286A (ja) 防振装置
JPH07259921A (ja) 流体封入型防振支持装置
JPH07197983A (ja) 防振装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20060308

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060314

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060427

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060627

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060711

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 3

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090721

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100721

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100721

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 5

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110721

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110721

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120721

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees