JP3088686B2 - 液体封入型防振装置 - Google Patents

液体封入型防振装置

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JP3088686B2 JP18424297A JP18424297A JP3088686B2 JP 3088686 B2 JP3088686 B2 JP 3088686B2 JP 18424297 A JP18424297 A JP 18424297A JP 18424297 A JP18424297 A JP 18424297A JP 3088686 B2 JP3088686 B2 JP 3088686B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のエンジン
マウント等として用いられる液体封入型の防振装置に関
するもので、とりわけ、数種の周波数域の振動を効果的
に低減することのできる液体封入型防振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のエンジンでは、幅広い周波数域
において振動が起こり、とりわけ、5〜20Hz付近でエ
ンジンシェイク、25〜50Hz付近でアイドル振動、5
0〜300Hz付近でこもり音や加速時振動を生じること
が知られている。
【0003】このため、エンジンの支持に用いられる防
振装置として、近年、数種の周波数域の振動を効果的に
低減できるようにしたものが開発されている。この技術
は、例えば、特開平5−280576号公報等に示され
ている。
【0004】以下、この防振装置の構造を、図10の模
式図に基づいて簡単に説明する。
【0005】この防振装置は、拡張弾性K1を有する主
液室1と、拡張弾性K2を有する副液室2とが、等価質
量の大きい第1オリフィス3と、等価質量の小さい第2
オリフィス4とで並列に接続されると共に、副液室2内
の第2オリフィス4に臨む位置に、所定振幅以上の振動
時に第2オリフィス4の液体の流動を規制する規制板5
が配設されている。尚、図中Kは、エンジン側部材と車
体側部材を連結するゴム弾性体の支持弾性を示す。
【0006】そして、この装置に、エンジンシェイク
(周波数が5〜20Hzの大振幅の振動)が入力された場
合には、第2オリフィス4の液体の流動が規制板5によ
って規制されて、第1オリフィス3のみで液体の流動を
生じるようになり、また、アイドル振動(周波数が25
〜50Hzの小振幅の振動)が入力された場合には、規制
板5による流動規制が働かずに、第1オリフィス3と第
2オリフィス4で液体の流動を生じるようになる。した
がって、エンジンシェイクに対しては、第1オリフィス
3の大きな等価質量による低周波数域(5〜20Hz)で
の共振により、また、アイドル振動に対しては、第1オ
リフィス3と第2オリフィス4の合成等価質量、つま
り、小さな等価質量による高周波数域(25〜50Hz)
での共振により、それぞれの振動を確実に低減すること
ができる。
【0007】ところで、5〜20Hz付近の振動に対して
は、ロスファクターのピークを大きくし、また、それよ
りも高い周波数域の振動に対しては、動ばね定数を小さ
く抑えることが振動の低減に有効であることが知られて
おり、上記の防振装置においては、5〜20Hz付近での
最初の共振によってロスファクターの大きなピークを
得、25〜50Hz付近での後の共振で小さい動ばね定数
を得るようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の防振装置においては、大振幅の振動入力時にだけ規
制板5が第2オリフィス4を閉じる構造となっているた
め、周波数が5〜20Hzの大振幅の振動であるエンジン
シェイクと、周波数が25〜50Hzの小振幅の振動であ
るアイドル振動とを効果的に低減することが可能である
が、入力振動の周波数域が50Hzよりもさらに高まると
ばね定数が急激に大きくなって、こもり音や加速時騒音
等のさらに高周波域(50〜300Hz付近)での振動に
対する振動低減性能が低下するという不具合がある。
【0009】また、上記従来の防振装置の場合、第2オ
リフィス4での液体の流動を振幅の大きさに応じてオン
オフ切り換える構造となっていたため、5〜20Hzの周
波数範囲で起こる大振幅のエンジンシェイクは低減でき
るものの、ほぼ同周波数範囲で起こる小振幅の良路走行
振動は低減することができない。このため、現在この点
を改善し、車両の乗り心地をより向上させることが望ま
れている。
【0010】そこで本発明は、エンジンシェイク、アイ
ドル振動に加えて、こもり音や加速時騒音、低周波の良
路走行振動等を効果的に低減することのできる液体封入
型防振装置を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上述した課題を
解決するための手段として、拡張弾性を有する主液室と
副液室と、これら主液室と副液室とを連通するオリフィ
スを備えた液体封入型防振装置において、前記主液室
を、振動入力側に位置される第1主室と、この第1主室
に隣接して配置される第2主室とで構成する一方で、前
記副液室を、互いに独立した拡張弾性壁を有する第1副
室と第2副室とで構成し、前記第1主室と第2主室を、
所定振幅以上の振動の入力時にばね荷重が急増する非線
形特性の弾性膜ユニットで仕切り、前記第1主室と第1
副室を第1オリフィスで連通し、前記第2主室と第1副
室、第2主室と第2副室を夫々第2オリフィスと第3オ
リフィスで連通すると共に、前記第1主室、第1副室の
ばねと第1オリフィスの等価質量とによる大振幅時の共
振系の共振周波数を、エンジンシェイク領域の周波数に
設定し、前記第1主室、第1副室のばね、前記弾性膜ユ
ニットの小振幅域でのばねと、前記第1オリフィスの等
価質量とによる小振幅時の第1の共振系の共振周波数
を、低周波の良路走行振動領域の周波数に、前記第1主
室、第1副室のばね、前記弾性膜ユニットの小振幅域で
のばねと、前記第2オリフィスの等価質量とによる小振
幅時の第2の共振系の共振周波数を、アイドル振動領域
の周波数に、前記第1主室、第2副室のばね、前記弾性
膜ユニットの小振幅域でのばねと、前記第3オリフィス
の等価質量とによる小振幅時の第3の共振系の共振周波
数を、こもり音・加速時騒音領域の周波数に夫々設定し
た。
【0012】この装置に、エンジンシェイクが入力され
ると、エンジンシェイクが所定振幅以上の振動であるこ
とから、弾性膜ユニットのばね荷重が急増して、第1主
室と第2主室の間の液体の流動が弾性膜ユニットによっ
て規制されるようになり、実質的な液体の流動は第1オ
リフィスのみで行われるようになる。そして、このとき
大振幅時の共振系が共振して大きなロスファクターが得
られるようになる。
【0013】この装置に、低周波の良路走行振動が入力
された場合には、この良路走行振動が所定振幅よりも小
さい振幅であることから、弾性膜ユニットが自身の変動
によって第1主室、第2主室間の液体の流動を許容しつ
つ弾性膜ユニットの小振幅域でのばね作用が働く。この
ため、このとき小振幅時の第1の共振系が共振して大き
なロスファクターが得られる。
【0014】また、この装置に、アイドル振動が入力さ
れた場合と、こもり音や加速時騒音の原因振動が入力さ
れた場合には、やはりこれらの振動が所定振幅よりも小
さい振幅であることから、弾性膜ユニットが第1主室、
第2主室間の液体の流動を許容しつつ弾性膜ユニットの
小振幅域でのばね作用が働く。このため、アイドル振動
の入力時には小振幅時の第2の共振系が共振し、こもり
音や加速時騒音の原因振動の入力時には小振幅時の第3
の共振系が共振し、いずれの場合にも動ばね定数が低下
する。
【0015】また、前記弾性膜ユニットは、略中央部の
厚肉の高剛性部及びこの高剛性部の周域の薄肉の低剛性
部を有する弾性膜と、この弾性膜に所定隙間をもって対
峙する規制壁を有する支持部材と、から成る構成として
も良い。弾性膜ユニットをこのような構成にした場合に
は、小振幅振動時に弾性膜の薄肉の低剛性部によって低
いばね剛性を得ることができ、大振幅振動時には支持部
材の規制壁による変位規制作用と、弾性膜の厚肉の高剛
性部の弾性とによって急激なばね荷重の増加を得ること
ができる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施例を図1〜
図9に基づいて説明する。
【0017】図2,図3において、10は、図外のロッ
ドを介して車体に取り付けられる内筒であり、11は、
図外のブラケットを介してエンジンに取り付けられる外
筒である。外筒11の内周には、軸方向略中央部が縮径
され、その縮径部分12aに適宜窓を形成した筒金12
が後述するオリフィス部材13a,13bと共に密閉状
態でかしめ固定され、この筒金12が内筒10に対して
ゴム弾性体14によって連結されている。
【0018】ゴム弾性体14は、その軸方向略中央部の
上面側に一つの凹部15が設けられると共に、下面側
に、周方向で隣接する一対の凹部16,17が設けられ
ている。そして、筒金12の縮径部分12aには、両者
が上下に組み合わされて円筒形状を成す前記一対のオリ
フィス部材13a,13bが嵌合され、上部側のオリフ
ィス部材13aと凹部15に囲繞される空間部が第1主
室18、下部側のオリフィス部材13bと凹部16に囲
繞された空間部が第1副室19、下部側のオリフィス部
材13bともう一方の凹部17に囲繞された空間部が第
2副室20となっている。尚、第1副室19と第2副室
20を構成する各凹部16,17は夫々異なる拡張弾性
を有する弾性膜(拡張弾性壁)21,22によって形成
されている。
【0019】両オリフィス部材13a,13bの外周面
には第1,第2,第3溝23,24,25が周方向に沿
って形成され、上部側のオリフィス部材13aの外周面
の頂部には凹部26が形成されている。これらの溝2
3,24,25と凹部26は、オリフィス部材13a,
13bが筒金12と共に外筒11にかしめ固定された状
態において、外筒11の内周面との間で夫々第1,第
2,第3オリフィス27,28,29と、第2主室30
を形成している。
【0020】尚、第1,第2主室18,30、第1,第
2副室19,20と、第1,第2,第3オリフィス2
7,28,29には所定の液体が封入されており、前記
第1主室18と第2主室30は内筒10と外筒11の変
動に応じて圧力変動する主液室を構成し、第1副室19
と第2副室20は主液室の圧力変動に応じて弾性的に容
積変化する副液室を構成している。
【0021】ところで、第1溝23(第1オリフィス2
7)は、図4,図5に示すように、オリフィス部材13
a,13bの外周面に沿ってその外周のほぼ一周半の長
さに形成されると共に、一端が上部側のオリフィス部材
13aの開口31を介して第1主室18に連通し、他端
が下部側のオリフィス部材13bの開口32を介して第
1副室19に連通している。また、第2溝24(第2オ
リフィス28)と第3溝25(第3オリフィス29)
は、夫々オリフィス部材13a,13bの外周面に沿っ
てその外周のほぼ3分の1の長さに形成されており、第
2溝24は一端が上部側のオリフィス部材13aの凹部
26(第2主室30)に連通する一方で、他端が下部側
のオリフィス部材13bの開口33を介して第1副室1
9に連通し、第3溝25は一端が凹部26(第2主室3
0)に連通する一方で、他端が下部側のオリフィス部材
13bの開口34を介して第2副室20に連通してい
る。
【0022】また、前記凹部26の底壁は第1主室18
と第2主室30を隔成する弾性膜ユニット35によって
形成されている。この弾性膜ユニット35は、図6に示
すように、平面視が円形状のゴム材等から成る弾性膜3
6と、上部側のオリフィス部材13aの下面中央部に形
成された窪み37と、この窪み37に嵌着固定されて弾
性膜36の外周縁部を支持固定する環状のリテーナ38
とによって構成されている。尚、オリフィス部材13a
とリテーナ38は本発明における支持部材を構成する。
弾性膜36はその略中央部が厚肉に形成されると共に、
この厚肉部分の外周側が漸次薄肉に形成されており、こ
の薄肉部分のさらに外周側には支持固定用の円筒フラン
ジ39が一体に形成されている。弾性膜36は均一の材
質によって形成されていることから、厚肉部分は高剛性
部40、薄肉部分は低剛性部41となっている。したが
って、この弾性膜36に外力(振動)が加わった場合に
は薄肉である低剛性部41が主に変形する。
【0023】さらに、弾性膜36の低剛性部41の上面
とオリフィス部材13a、低剛性部41の下面側とリテ
ーナ38の各間には所定の隙間d1,d2が設けられてお
り、この隙間d1,d2内において低剛性部41が拘束を
受けずに自由に弾性変形できるようになっている。逆に
言えば、高剛性部40がこの隙間d1,d2を越える範囲
で上下に変動した場合には、低剛性部41がオリフィス
部材13aの窪み37内の下面、または、リテーナ38
の上面に当接してその変形を規制されるようになってい
る。したがって、この弾性膜ユニット35は、図7に示
すように、所定振幅(撓み量a)に満たない振動の入力
時には撓み量の増大に対してばね荷重が緩やかに増大
し、所定振幅(撓み量a)以上の振動の入力時に撓み量
の増大に対してばね荷重が急激に増大する、非線形の特
性を得ることができる。尚、オリフィス部材13aの窪
み37内の下面とリテーナ38の上面の弾性膜36に望
むエッジ部には、弾性膜36の低剛性部41から高剛性
部40に向かう肉厚の漸増に合わせて面取りが為されて
いる。
【0024】ここで、この防振装置の有する共振系とそ
の共振系の周波数設定を図1の振動モデルを参照して説
明する。
【0025】この防振装置は、以下の4つの共振系を有
している。
【0026】(1)大振幅時の共振系 第1主室18、第1副室19の拡張弾性(ばね)K1
2と第1オリフィス27の等価質量とによる共振系。
【0027】(2)小振幅時の第1の共振系 第1主室18、第1副室19の拡張弾性(ばね)K1
2、弾性膜ユニット35の小振幅域でのばねK4と、第
1オリフィス27の等価質量とによる共振系。
【0028】(3)小振幅時の第2の共振系 第1主室18、第1副室19の拡張弾性(ばね)K1
2、弾性膜ユニット35の小振幅域でのばねK4と、第
2オリフィス28の等価質量とによる共振系。
【0029】(4)小振幅時の第3の共振系 第1主室18及び第2副室20の拡張弾性(ばね)
1,K3、弾性膜ユニット35の小振幅域でのばねK4
と、第3オリフィス29の等価質量とによる共振系。
【0030】そして、大振幅時の共振系の共振周波数は
エンジンシェイク領域の周波数(5〜20Hz)に設定さ
れ、小振幅時の第1の共振系の共振周波数は低周波の良
路走行振動領域の周波数(5〜20Hz)、小振幅時の第
2の共振系の共振周波数はアイドル振動領域の周波数
(25〜50Hz)、小振幅時の第3の共振系の共振周波
数はこもり音・加速時騒音領域の周波数(50〜300
Hz)に夫々設定されている。この各共振系の周波数設定
は、各オリフィスの長さや断面積、各ばねのばね剛性を
適宜変えることによって行われる。
【0031】以下、各種の振動が入力された場合のこの
液体封入型防振装置の作用について図8,図9の特性図
を参照しつつ説明する。
【0032】この装置に、エンジンシェイク(5〜20
Hzの大振幅の振動)が入力された場合には、エンジンシ
ェイクが所定振幅以上の振動であることから、弾性膜ユ
ニット35のばね荷重が図7に示すように急増して、第
1主室18と第2主室30の間の液体の流動がこの弾性
膜ユニット35によって規制される。これにより、防振
装置内の実質的な液体の流動は第1オリフィス27のみ
で行われることとなり、その結果、前述の大振幅時の共
振系が共振して、図8に示すように、10Hz付近をピー
クとする大きなロスファクターが得られるようになる。
したがって、エンジンシェイクはこの大きなロスファク
ターでもって確実に低減される。
【0033】また、この装置に、低周波の良路走行振動
(5〜20Hzの小振幅の振動)が入力された場合には、
その良路走行振動が所定振幅に満たない振動であること
から、弾性膜ユニット35の低ばね剛性のばね作用が働
くと共に、第1主室18と第2主室30の間の液体の流
動が許容されるようになる。このため、このときには小
振幅時の第1の共振系が共振して、図9に示すように、
10Hz付近をピークとするロスファクターが得られるよ
うになる。したがって、低周波の良路走行振動はこのロ
スファクターによって確実に低減される。
【0034】さらにまた、この装置に、アイドル振動
(25〜50Hzの小振幅の振動)が入力された場合と、
こもり音や加速時騒音の原因振動が入力された場合に
は、いずれの振動も所定振幅に満たない振動であること
から、弾性膜ユニット35の低ばね剛性のばね作用が働
くと共に、第1,第2主室18,30間の液体の流動が
許容されるようになる。このため、アイドル振動の入力
時には、小振幅時の第2の共振系が共振して40Hz前後
での動ばね定数が低下し、こもり音・加速時騒音の原因
振動の入力時には、小振幅時の第3の共振系が共振して
80Hz前後での動ばね定数が低下する。したがって、ア
イドル振動と、こもり音・加速時騒音の原因振動とは低
い動ばね定数でもって確実に低減される。
【0035】ここで、図9中の細く描かれた実線と点線
は、夫々図10の従来の防振装置の動ばね定数とロスフ
ァクターを示すものである。これらの線と本願にかかる
装置の特性を示す線(太く描かれた実線と点線)とを比
較すると明らかなように、本発明にかかる装置は同図中
のハッチングを入れた部分の性能が確実に向上する。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明は、エンジンシェイ
クに対しては大振幅時の共振系の共振により、低周波の
良路走行振動に対しては小振幅の第1の共振系の共振に
より夫々ロスファクーを増大させることができ、しか
も、アイドル振動に対しては小振幅時の第2の共振系の
共振により、こもり音・加速時騒音の原因振動に対して
は第3の共振系の共振により動ばね定数を低下させるこ
とができる。したがって、本発明によれば、エンジンシ
ェイクとアイドル振動ばかりでなく、低周波の良路走行
振動とこもり音・加速時振動をも効果的に低減すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の振動モデルを示すを示す模式図。
【図2】本発明の一実施例を示す図3のA−A線に沿う
断面図。
【図3】同実施例を示す断面図。
【図4】同実施例を示す構成部品の分解斜視図。
【図5】同実施例を示す平面図と背面図を合成した図。
【図6】同実施例を示す構成部品の拡大断面図。
【図7】同実施例の弾性膜ユニットのばね荷重−撓み量
特性を示すグラフ。
【図8】同実施例の大振幅振動時における動ばね定数・
ロスファクターの特性を示すグラフ。
【図9】同実施例の小振幅振動時における動ばね定数・
ロスファクター特性を示すグラフ。
【図10】従来の技術の振動モデルを示す模式図。
【符号の説明】
13a…オリフィス部材(支持部材)、 18…第1主室、 19…第1副室、 20…第2副室、 21,22…弾性膜(拡張弾性壁)、 27…第1オリフィス、 28…第2オリフィス、 29…第3オリフィス、 30…第2主室、 35…弾性膜ユニット、 36…弾性膜、 38…リテーナ(支持部材)、 40…高剛性部、 41…低剛性部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 13/06 B60K 5/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 拡張弾性を有する主液室と副液室と、こ
    れら主液室と副液室とを連通するオリフィスを備えた液
    体封入型防振装置において、 前記主液室を、振動入力側に位置される第1主室と、こ
    の第1主室に隣接して配置される第2主室とで構成する
    一方で、 前記副液室を、互いに独立した拡張弾性壁を有する第1
    副室と第2副室とで構成し、 前記第1主室と第2主室を、所定振幅以上の振動の入力
    時にばね荷重が急増する非線形特性の弾性膜ユニットで
    仕切り、 前記第1主室と第1副室を第1オリフィスで連通し、 前記第2主室と第1副室、第2主室と第2副室を夫々第
    2オリフィスと第3オリフィスで連通すると共に、 前記第1主室、第1副室のばねと第1オリフィスの等価
    質量とによる大振幅時の共振系の共振周波数を、エンジ
    ンシェイク領域の周波数に設定し、 前記第1主室、第1副室のばね、前記弾性膜ユニットの
    小振幅域でのばねと、前記第1オリフィスの等価質量と
    による小振幅時の第1の共振系の共振周波数を、低周波
    の良路走行振動領域の周波数に、 前記第1主室、第1副室のばね、前記弾性膜ユニットの
    小振幅域でのばねと、前記第2オリフィスの等価質量と
    による小振幅時の第2の共振系の共振周波数を、アイド
    ル振動領域の周波数に、 前記第1主室、第2副室のばね、前記弾性膜ユニットの
    小振幅域でのばねと、前記第3オリフィスの等価質量と
    による小振幅時の第3の共振系の共振周波数を、こもり
    音・加速時騒音領域の周波数に夫々設定したことを特徴
    とする液体封入型防振装置。
  2. 【請求項2】 前記弾性膜ユニットが、略中央部の厚肉
    の高剛性部及びこの高剛性部の周域の薄肉の低剛性部を
    有する弾性膜と、この弾性膜に所定隙間をもって対峙す
    る規制壁を有する支持部材と、から成ることを特徴とす
    る請求項1に記載の液体封入型防振装置。
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