JP3474249B2 - 液体封入式エンジンマウント - Google Patents

液体封入式エンジンマウント

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JP3474249B2
JP3474249B2 JP2661594A JP2661594A JP3474249B2 JP 3474249 B2 JP3474249 B2 JP 3474249B2 JP 2661594 A JP2661594 A JP 2661594A JP 2661594 A JP2661594 A JP 2661594A JP 3474249 B2 JP3474249 B2 JP 3474249B2
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洋一 河本
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、マス部材を備えた液体
封入式エンジンマウントに関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、この種の液体封入式エンジン
マウントとして、マス部材により液室の一部を画成した
ものが知られている(例えば、特開昭64−46034
号公報参照)。このものにおいては、図6に示すよう
に、一対の支持部材101,102を弾性支承体103
によって互いに連結し、内部を仕切体104によって弾
性支承体103側の受圧室105とダイヤフラム106
により拡縮可能にした平衡室107とに仕切り、両室1
05,107をオリフィス108で互いに連通してこの
オリフィス108を介した液柱共振により低周波域の入
力振動の減衰を図るようにしている。そして、上記弾性
支承体により板状マス部材109を支持ばねとしての支
持ゴムブロック110を介して弾性支持した状態で受圧
室側に配置し、上記マス部材109の外周囲を環状の隔
壁ゴム111により上記支持部材102に連結支持させ
て上記受圧室105の一部を画成するようにしている。
加えて、上記隔壁ゴム111を比較的薄肉にして、マス
部材109の変位を許容しかつ支持ばねとして作用しな
いようにされている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
液体封入式エンジンマウントにおいては、マス部材10
9によって受圧室105を画成するために、そのマス部
材109の周囲と支持部材102との間に上記の隔壁ゴ
ム111が配設され、この隔壁ゴム111が支持ばねと
して作用しない程度のばね定数にされて極めてたわみ易
いものになっている。このため、低周波域の振動が入力
して弾性支承体103とともにマス部材109が受圧室
105を縮小する側に変位すると、受圧室105内の液
体が加圧され、この加圧された液圧が上記隔壁ゴム11
1に作用して隔壁ゴム111が上記受圧室105を拡大
させる側に膨出することになる。この場合、上記隔壁ゴ
ム111が上記液圧の影響を考慮して受圧室105側に
突出するよう湾曲形成されていても、本来、たわみやす
いものにされているため上記低周波振動の入力に伴う比
較的大きい液圧変動を受けて変形する。この結果、振動
入力に伴う液圧変動がその分吸収されて、オリフィス1
08を通して流動する液体量が低減してしまい、このオ
リフィス108の液柱共振による振動減衰作用を十分に
得ることができなくなる。つまり、上記隔壁ゴム111
により液圧変動が吸収される結果、低周波域の振動入力
に対してオリフィス108による減衰効果を十分に得る
ことができなくなるという問題がある。 【0004】また、マス部材を用いて高周波域の振動入
力時の振動伝達の抑制を図る上で、そのマス部材の質量
をできるだけ小さくしてエンジンマウントのコンパクト
化を図りたいという要請もある。 【0005】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、低周波域の振
動入力に対する減衰効果を十分に確保しつつ、マス部材
の質量の低減化を図ることにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、振動入力方向に互いに離し
て配置された一対の取付部材と、この一対の取付部材を
互いに連結する弾性支承体と、この弾性支承体により画
成されて液体が封入された液室と、この液室を上記弾性
支承体の側の受圧室と少なくとも一部が弾性薄膜部材に
より画成されて拡縮可能な平衡室とに仕切る仕切体と、
上記受圧室と平衡室とを互いに連通するオリフィスとを
備えたものを前提とする。このものにおいて、少なくと
も上記液体より大きい比重の材料により形成されたマス
部材と、一端部が受圧室側の取付部材に連結され他端部
が振動入力方向に受圧室側に突出された支持杆と、この
支持杆の他端部側位置から上記振動入力方向に直交する
方向に拡がるかさ部とからなるかさ状部材と、を備え
る。そして、このマス部材を、上記受圧室の上記振動入
力方向に直交する方向に拡がり、かつ、上記受圧室内を
上記振動入力方向に変位可能な形状に形成し、上記受圧
室内の液体中に非支持状態で沈降配置し、上記支持杆
を、上記マス部材を振動入力方向にのみ自由変位可能に
案内しかつ上記振動入力方向に直交する方向への変位を
規制するガイド部材とするものである。 【0007】 【作用】上記の構成により、請求項1記載の発明では、
マス部材が受圧室内に非支持状態で配置されているた
め、低周波振動の入力に伴い弾性支承体が撓んで受圧室
内の液圧が変動しても、上記マス部材がその液圧変動を
吸収することがなく、この液圧変動に応じた量の液体が
オリフィスを通して流動する。この結果、オリフィスに
よる所定の低周波域の入力振動の減衰が図られる。加え
て、上記の如く、マス部材が非支持状態にされて支持ば
ねの存在をなくしているため、上記の従来のエンジンマ
ウントのようにマス部材を支持ばねにより弾性支持する
構成と比べて、両マス部材が同じ質量であれば、上記支
持ばねがない分、動ばね定数のピーク周波数が低周波側
になる。従って、従来のものと同じピーク周波数にする
ために必要なマス部材の質量を小さくすることが可能と
なり、マス部材の軽量化および部品点数の削減により全
体のコンパクト化,コスト低減化が図られる。 【0008】また、ガイド部材により振動入力方向に直
交する方向へのマス部材の移動が規制されているため、
マス部材は振動入力方向にのみ自由に変位することにな
る。このため、振動入力時に上記直交する方向に変位し
て受圧室の内周面と接触もしくは衝突することが回避さ
れ、これにより、上記の規制のない場合に生じるおそれ
のある衝突音などの異音の発生が防止される。 【0009】さらに、かさ状部材の支持杆によってガイ
ド部材が兼用されているため、特別なガイド部材を新た
に設けることなくマス部材の変位方向の規制が可能とな
る。加えて、上記かさ状部材とマス部材とのチューニン
グによって、より広範囲の周波数領域の防振特性が得ら
れる。 【0010】 【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。 <第1参考例> 図1は、本発明の第1参考例に係る液体封入式エンジン
マウントを示し、1は筒軸Xを振動入力方向(図1の上
下方向;以下、単に上下方向という)に向けて上側に配
置された筒状の第1取付部材、2は下側に配置された第
2取付部材、3は両取付部材1,2を互いに連結する弾
性支承体、4はこの弾性支承体3と弾性薄膜部材である
ダイヤフラム5との間に画成されて非圧縮性液体6が封
入された液室、7はこの液室4を上記弾性支承体3の側
である下側の受圧室4aとダイヤフラム4の側である上
側の平衡室4bとに仕切る仕切体、8は上記受圧室4a
内に配置されたマス部材である。以下、各構成部材の構
成について説明する。 【0011】上記第1取付部材1は、上下に開口した第
1支持筒11と、この第1支持筒11の上端開口側を閉
止する有底の第2支持筒12とが一体的に連結されて構
成されたものである。すなわち、上記第2支持筒12の
下端部には外周方向に屈曲された屈曲縁12aが形成さ
れている一方、上記第1支持筒11の上端部内周面に形
成された凹段部11aに上記屈曲縁12aが内嵌した状
態でこの屈曲縁12aを上下方向から挟むようにかしめ
部11bが形成されて、両者11,12が互いに一体化
されている。そして、上記第2支持筒12から上記筒軸
Xに沿って上向きに突出された取付ボルト13によっ
て、振動発生源である例えばエンジンに連結されるよう
になっている。 【0012】上記第2取付部材2は、有底筒14と、プ
レート部15と、このプレート部15から上記筒軸Xに
沿って下向きに突出された取付ボルト16とが一体化さ
れたものであり、上記第1支持筒11の下端開口側の位
置であって上記筒軸X上に配置されている。そして、上
記取付ボルト16により振動受部である例えば車体のブ
ラケットに連結されるようになっている。 【0013】上記弾性支承体3は、この第2取付部材2
および上記第1取付部材1の第1支持筒11の下端部と
一体加硫成形されて両者1,2を互いに連結している。
加えて、上記第1支持筒11の上端側の凹段部11aに
至る内周面を覆うゴム薄層3aが上記弾性支承体3と一
体に加硫接着されている。そして、この凹段部11aの
ゴム薄層3aと上記かしめ部11bとの間に、上記の屈
曲縁12aに加えて、上記仕切体7のフランジ部と、ダ
イヤフラム5の外周部とが互いに重ね合わされた状態で
挟み込まれており、これにより、上記仕切体7およびダ
イヤフラム5の第1取付部材1に対する取付けが行われ
ている。 【0014】上記仕切体7は、中央部の内部に形成され
た収容室17と、この収容室17内に上下方向に微小変
位可能に収容されたゴムもしくは合成樹脂製の可動板1
8と、外周部の内部に形成された環状のオリフィス19
とを備えている。このオリフィス19の一端19aが上
記受圧室4aに、他端19bが上記平衡室4bにそれぞ
れ開口されて、上記受圧室4aおよび平衡室4bの液体
6がこのオリフィス19を通して互いに流動可能となっ
ており、このオリフィス19は液体6の流動する際の液
柱共振により、上下方向に入力する所定の低周波域の振
動の減衰を行うように、その長さおよび断面積などが設
定されている。また、上記収容室17はそのハウジング
20を貫通する複数の連通孔21,21,…によって受
圧室4aおよび平衡室4bのそれぞれに連通され、受圧
室4aからの液圧変動を受けて上記可動板18が微小変
位して上記受圧室4aの容積変動を生じさせることによ
り、特に、上記オリフィス19が目詰まり状態となって
ロックするような中〜高周波振動に対して、上記受圧室
4aの体積補償、すなわち、体積を変化させるようにな
っている。なお、上記オリフィス19は上下に重ねられ
た一対の板状体7a,7bの外周部に平面視でC字状と
なる範囲に形成されており、また、上記ハウジング20
は上記一対の板状体7a,7bの中央部の貫通孔に上下
方向からそれぞれ嵌合して互いに結合されて形成されて
いる。 【0015】上記マス部材8は、上記受圧室4aの内径
より小さい外径を有する比較的厚肉の円形板状を有し、
上記液体6より大きい比重の例えば金属などの材料によ
って形成されている。そして、上記マス部材8は、筒軸
Xに同軸にこれに直交する方向に拡がるように受圧室4
a内の液体6中に非支持状態で配置されており、静止状
態では上記液体6中を沈降して受圧室4aの底部を画成
する弾性支承体3のすり鉢状の内面3bに着座してい
る。また、上記マス部材8の質量は、上記の可動板18
による受圧室4aの体積補償領域の周波数より高周波側
の周波数域でそのダイナミックダンパ機能を発揮するよ
うに定められている。さらに、上記マス部材8の中央部
にはエンジンマウントが受ける周波数領域の入力振動に
よっては目詰まり状態にならない程度の比較的大径の貫
通孔8aが上下方向に貫通して形成されており、上記の
着座状態においてマス部材8を挟んで受圧室4aの上側
と下側との各部分での液体6の自由な流動が確保されて
いる。 【0016】次に、上記構成の第1参考例による作用、
効果について説明する。 【0017】第1取付部材1側から低周波域の振動が弾
性支承体3に上下方向に入力すると、この弾性支承体3
が上下方向に撓められ受圧室4a内の液体6がオリフィ
ス19を通して平衡室4bとの間で流動する。そして、
この液体6の流動により上記オリフィス19を介した液
柱共振が生じ、この液柱共振により上記低周波域の振動
の減衰が図られる。入力振動がより高周波側のものとな
って、上記オリフィス19を通しての液体6の流動が実
質的に生じない目詰まり状態となってオリフィス19が
ロックする場合、可動板18の変位による体積補償によ
って受圧室4a内の内圧上昇が抑制されて振動伝達率の
低減化が図られる。 【0018】そして、入力振動がさらに高周波側になっ
た場合、マス部材8の設定共振周波数までの周波数領域
では上記マス部材8が第1取付部材1と逆位相側に相対
変位する一方、上記設定共振周波数を超えると上記マス
部材8は上記第1取付部材1と同位相側に変位するよう
になり、共振点を境にして位相が反転する。上記の逆位
相側への相対変位により、受圧室4aの内圧上昇が抑制
されて、振動伝達率の低減化が図られる。 【0019】このように広範囲の周波数領域にわたり防
振特性を発揮する液体封入式エンジンマウントにおい
て、上記マス部材8が受圧室内に非支持状態で沈降配置
されているため、図6に示す如き隔壁ゴム111で連結
されたマス部材109によって受圧室105が画成され
ている従来のエンジンマウントと異なり、低周波振動の
入力に伴い弾性支承体が撓んで受圧室4a内の液圧が変
動しても、上記マス部材8がその液圧変動を吸収するこ
とはない。これにより、上記液圧変動に応じた量の液体
6がオリフィス19を通して流動する結果、オリフィス
19による所定の低周波域の入力振動の減衰を確実に図
ることができる。 【0020】加えて、上記の如く、マス部材8が非支持
状態にされて上記の支持ばね110などの存在をなくし
ているため、上記の従来のエンジンマウントのようにマ
ス部材109を支持ばね110により支持する構成と比
べて、両マス部材8,109が同じ質量であれば、上記
支持ばね110がない分、動ばね定数のピーク周波数が
低周波側になる。すなわち、図5に同形状(直径63,
9mm,肉厚4mm)、同質量(95g)のマス部材を
用いた本参考例と上記従来のエンジンマウントとにおけ
る周波数に対する絶対ばね定数および位相との関係につ
いての比較試験結果を示すように、本参考例における周
波数に対する絶対ばね定数の共振点(ピーク周波数)A
が上記従来のものの共振点Bよりも低周波側になるとと
もに、その共振点を超えた周波数領域での本参考例の場
合の位相反転角度(同図のaで示す曲線参照)が上記従
来のものの場合(同図にbで示す曲線参照)よりも−1
80度により近付く。 【0021】この点について、さらに考察を加えるに、
上記図6の従来の構成における弾性支承体103の拡張
ばね定数をK1、支持ゴムブロック110の支持ばね定
数をK2、隔壁ゴム111のばね定数をK3、ダイヤフ
ラム106のばね定数をK4、および、マス部材109
の質量をmとした場合、位相反転の動ばね定数のピーク
周波数f1について、近似的に下記の(1)式により表
せることが実験的に得られる。 【0022】 f1=(1/2π)×√{(K1+K2+K3+K4)/m}…(1) ここで、上記支持ゴムブロック110および隔壁ゴム1
11の各ばね定数K2,K3を除去した場合のピーク周
波数f2は、上記(1)式に、K2=K3=0を代入し
て、 f2=(1/2π)×√{(K1+K4)/m}…(2) により表せられる。 【0023】従って、マス部材を非支持状態にした場
合、そのピーク周波数f2を、上記の支持ゴムブロック
110などで弾性支持した場合のものf1よりも、K
2,K3がない分、低周波側にすることができる。換言
すれば、従来のものと同じピーク周波数にする(f1=
f2の場合)ために必要なマス部材の質量を従来の場合
よりも小さく(軽く)することが可能となり、マス部材
8の軽量化を図ることができ、上記の従来のものから支
持ゴムブロック110および隔壁ゴム111などの省略
による部品点数の削減化とあいまってエンジンマウント
全体のコンパクト化およびコスト低減化を図ることがで
きる。 【0024】また、上記マス部材8に貫通孔8aが形成
されているため、第1取付部材1側へのエンジン自重の
載荷などにより弾性支承体3が変形してその内面3bが
例えば平面状態になってマス部材8の下面の全体が上記
内面3bに接触したり両側から挟まれたりしたとして
も、上記貫通孔8aを介して上記弾性支承体3の内面3
b側に液体6の流動が確保されて液圧が作用するように
なっているため、上記マス部材8が上記弾性支承体3の
内面3bに密着して張り付くなどしてその自由な変位が
妨げられることを確実に防止することができる。このた
め、上記マス部材8による振動伝達率の低減効果を確実
に得ることができる。 <第2参考例> 図2は本発明の第2参考例に係る液体封入式エンジンマ
ウントを示す。本第2参考例はマス部材の変位方向を所
定方向にのみ許容して他の方向への変位を規制するガイ
ド部材を設けたものであり、同図において、22はマス
部材、23はこのマス部材22の変位方向を規制するガ
イド部材としてのガイドピン(ガイド棒)である。 【0025】上記ガイドピン23は、下端部23aが第
2取付部材2の有底筒14に固定されて上端部23bが
筒軸Xに沿って受圧室4a内を上方に突出するよう配設
されている。 【0026】また、上記マス部材22は、第1参考例
もの8と同様に液体6より大きい比重を有する材料によ
り形成され、中央部には筒軸Xに沿って上記ガイドピン
23の外径より大きい内径の貫通孔22aが形成されて
いる。そして、上記貫通孔22a内に上記ガイドピン2
3が内挿されるよう上記マス部材22が上記ガイドピン
23に上から外挿されて、ガイドピン23の上端部23
bがマス部材22より上方に所定寸法突出した状態にさ
れている。なお、上記貫通孔22aは、上記ガイドピン
22より所定寸法大径にされて、ガイドピン22の外周
面と貫通孔22aの内周面との間を通して液体6が自由
に流動するようになっている。 【0027】さらに、上記マス部材22の下面と相対向
する弾性支承体3の内面3bには、2以上の凸部3c,
3c,…が弾性支承体3と一体に形成されており、受圧
室4a内を沈降した状態のマス部材22がこの各凸部3
cの頂点に略点接触状態で着座するようにされている。 【0028】なお、上記液体封入式エンジンマウントの
その他の構成は第1参考例のものと同様であるために、
同一部材には同一符号を付して、その説明は省略する。 【0029】そして、上記第2参考例の場合、マス部材
22による振動伝達率の低減効果、および、そのマス部
材22が非支持状態で設けられていることによる効果を
第1参考例と同様に得ることができるのに加えて、以下
の作用、効果を得ることができる。すなわち、マス部材
22がガイドピン23によって上下方向にのみ変位が許
容されてこれに直交する方向(振動入力方向に直交する
方向)への変位が規制されているため、振動入力時に上
記直交する方向に変位して受圧室4aの内周面と接触も
しくは衝突することを確実に回避することができ、これ
により、上記の規制のない場合に生じるおそれのある衝
突音などの異音の発生を防止することができる。しか
も、このような異音発生を防止するための変位方向規制
を、ガイドピン23を貫通孔22aに挿通させるだけと
いう簡易な構成により、容易かつ確実に達成することが
できる。 <第1実施例> 図3は第1実施例に係る液体封入式エンジンマウントを
示す。本第1実施例は、マス部材のガイド部材をかさ状
部材と共用させるものであり、同図において、24は受
圧室4a内に配設されたかさ状部材、25はこのかさ状
部材24に上下方向に変位可能に設けられたマス部材で
ある。 【0030】上記かさ状部材24は、上方に開口した有
底筒状の支持杆部24aと、この支持杆部24aの上端
から筒軸Xに直交する方向に拡がる所定径のかさ部24
bとが一体に形成されたものであり、上記支持杆部24
aの底壁を貫通するボルト26により第2取付部材2の
有底筒14に固定されている。そして、上記かさ部24
bは上記支持杆部24aによって弾性支承体3′から所
定寸法上方位置に配置されており、このかさ部24bに
よって受圧室4aが上側部分と下側部分とに区画され、
その両部分が上記かさ部24bの外周部と受圧室4aの
内周面との間の所定幅の環状隙間27を通して連通され
ている。 【0031】上記マス部材25は、第1参考例と同様の
材料により形成され、中央部には筒軸Xに沿って上記支
持杆部24aの外径より大きい内径の貫通孔25aが形
成されている。そして、この貫通孔25aにより上記支
持杆部24aに外挿された状態で、上記かさ部24bの
下面と、弾性支承体3′の内面に形成された平段部3d
との間に配置され、これにより、上記マス部材25は上
下方向にのみ変位可能でそれに直交する方向への変位が
規制されている。 【0032】なお、上記液体封入式エンジンマウントの
その他の構成は第1参考例のものと同様であるために、
同一部材には同一符号を付して、その説明は省略する。 【0033】そして、上記第1実施例の場合、マス部材
25による振動伝達率の低減効果、および、そのマス部
材25が非支持状態で設けられていることによる効果を
第1参考例と同様に得ることができる。加えて、上記マ
ス部材25がかさ状部材24の支持杆部24aによって
上下方向にのみ変位が許容されてこれに直交する方向へ
の変位が規制されているため、振動入力時にマス部材2
5と受圧室4aの内周面との衝突を確実に回避してその
衝突音などの異音の発生を第2参考例と同様に防止する
ことができる。 【0034】しかも、この場合、マス部材25の変位方
向規制をかさ状部材24を利用して行っているため、特
別なガイド部材を設置することなく異音の発生を防止し
つつマス部材25の変位方向の規制,案内を行うことが
できる。加えて、上記かさ状部材24が高周波振動の入
力時に弾性支承体3とともに上下方向に相対変位して環
状隙間27を通して受圧室4a内で液体6を強制的に流
動させることにより振動伝達率の低減効果が得られる
上、このかさ状部材24とマス部材25とで高周波域で
も互いに異なる周波数領域にチューニングすることによ
って、より広範囲の周波数領域の防振特性を得ることが
できる。 <第2実施例> 図4は第2実施例に係る液体封入式エンジンマウントを
示す。本第2実施例は、第1実施例と同様にマス部材の
ガイド部材をかさ状部材と共用させる場合の他の態様を
示すものであり、同図において、28は受圧室4a内に
配設されたかさ状部材、29はこのかさ状部材28に上
下方向に変位可能に設けられたマス部材である。 【0035】上記かさ状部材28は、第2取付部材2の
有底筒18に下端部が固定されて上端部が筒軸Xに沿っ
て上方に受圧室4a内に突出された支持杆部材30と、
この支持杆部材30に固定されて弾性支承体3から所定
寸法上方位置の受圧室4a内に配置されたかさ部材31
とからなるものである。このかさ部材31は、下端部に
狭さく部31aが形成され上端部に所定径の拡径部31
bが形成されており、上記狭さく部31aにより上記支
持杆部材30への取付けが行われる一方、上記拡径部3
1bによって受圧室4aが上側部分と下側部分とに区画
され、その両部分が上記拡径部31bの外周部と受圧室
4aの内周面との間の所定幅の環状隙間32を通して連
通されている。 【0036】上記マス部材29は、第1参考例と同様の
材料によりその下面が上記かさ部材31の内面形状に対
応する形状に形成され、中央部には筒軸Xに沿って上記
支持杆部材30の外径より大きい内径の貫通孔29aが
形成されている。そして、この貫通孔29aにより上記
支持杆部材30に外挿された状態で、上記かさ部材31
の内面に着座した状態で配置されている。一方、上記支
持杆部材30は、その上端部30aがマス部材29の貫
通孔29aを上方に貫通した後、所定寸法突出する長さ
に設定されており、これにより、上記マス部材29は上
下方向にのみ変位可能でそれに直交する方向への変位が
規制されている。また、上記かさ部材31の内面にはゴ
ム薄膜33が加硫接着されており、上記マス部材29の
上下方向変位に際し、衝突音の発生を防止するようにな
っている。 【0037】なお、上記液体封入式エンジンマウントの
その他の構成は第1参考例のものと同様であるために、
同一部材には同一符号を付して、その説明は省略する。 【0038】そして、上記第2実施例の場合、マス部材
29による振動伝達率の低減効果、および、そのマス部
材29が非支持状態で設けられていることによる効果を
第1参考例と同様に得ることができる他、上記マス部材
29がかさ状部材28の支持杆部材30によって上下方
向にのみ自由な変位が許容されてこれに直交する方向へ
の変位が規制されているため、振動入力時にマス部材2
9と受圧室4aの内周面との衝突を確実に回避してその
衝突音などの異音の発生を第2参考例と同様に防止する
ことができる。加えて、マス部材29の変位方向規制を
かさ状部材28を利用して行っているため、第1実施例
と同様に特別なガイド部材を設置することなく異音の発
生を防止しつつマス部材29の変位方向の案内を行うこ
とができる。また、上記かさ状部材28による振動伝達
率の低減効果およびより広範囲の周波数領域の防振特性
第1実施例と同様に得ることができる。 <他の態様例> なお、本発明は上記第1〜第2実施例に限定されるもの
ではなく、その他種々の変形例を包含するものである。
すなわち、上記実施例では、第1取付部材1をエンジン
側に、第2取付部材2を車体側に連結しているが、これ
に限らず、例えばエンジンを吊り下げ支承するタイプで
は、第1取付部材を車体側に、第2取付部材をエンジン
側に連結すればよい。 【0039】また、上記実施例では、第1取付部材1を
エンジン側に、第2取付部材2を車体側に連結して弾性
支承体3および受圧室4aが下側に位置するようにして
いるが、これに限らず、上下を逆転して弾性支承体3お
よび受圧室4aが上側に位置するようにしてもよい。こ
の場合、第2参考例のガイドピン23の上端部23b、
もしくは、第2実施例の支持杆部材30の上端部30a
をさらに所定寸法突出させてその突出端に拡径部を設け
て、マス部材22,29の上下方向移動範囲を規制する
ストッパー部としてもよい。 【0040】さらに、上記実施例では、オリフィス19
を仕切体7自体に形成しているが、これに限らず、例え
ば仕切体とは全く独立してオリフィスを形成してもよ
い。 【0041】 【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明における液体封入式エンジンマウントによれば、マス
部材を非支持状態で受圧室内に配置しているため、低周
波振動の入力に伴い弾性支承体が撓んで受圧室内の液圧
が変動しても、従来のマス部材をゴム隔壁により連結し
て受圧室を画成するように配置したエンジンマウントに
おける上記液圧変動が吸収されてしまうという弊害を生
じることなく、その液圧変動に応じた量の液体がオリフ
ィスを通して流動する結果、オリフィスによる所定の低
周波振動の減衰を確実に得ることができる。加えて、上
記の如く、マス部材を非支持状態にして支持ばねの存在
をなくしているため、上記の従来のエンジンマウントの
ようにマス部材を支持ばねにより支持する構成と比べ
て、両マス部材が同じ質量であれば、その支持ばねがな
い分、動ばね定数のピーク周波数を低周波側にすること
ができる一方、従来のものと同じピーク周波数にするた
めに必要なマス部材の質量を小さくすることができ、マ
ス部材の軽量化および部品点数の削減によりエンジンマ
ウント全体のコンパクト化を図ることができる。 【0042】また、ガイド部材により振動入力方向に直
交する方向へ変位しないようにマス部材の変位方向を規
制しているため、振動入力時に上記マス部材が受圧室の
上記直交する方向の内周面と接触もしくは衝突すること
を回避することができ、これにより、上記の規制のない
場合に生じるおそれのある衝突音などの異音の発生を確
実に防止することができる。 【0043】さらに、かさ状部材の支持杆によってガイ
ド部材を兼用させるようにしているため、特別なガイド
部材を新たに設けることなくマス部材の変位方向の規制
を行うことができる。加えて、上記かさ状部材とマス部
材とのチューニングによって、より広範囲の周波数領域
の防振特性を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の第1参考例を示す縦断面図である。 【図2】本発明の第2参考例を示す縦断面図である。 【図3】本発明の第1実施例を示す縦断面図である。 【図4】本発明の第2実施例を示す縦断面図である。 【図5】周波数と、絶対ばね定数および位相との関係
図、 【図6】マス部材を備えた従来の液体封入式エンジンマ
ウントの縦断面図である。 【符号の説明】 1第1取付部材 2第2取付部材 3,3′弾性支承体 3b弾性支承体の内面 3d平段部(弾性支承体の内面) 4液室 4a受圧室 4b平衡室 5ダイヤフラム(弾性薄膜部材) 6液体 7仕切体(振動板) 8,22,25,29マス部材 19オリフィス 22a,25a,29a貫通孔 23ガイドピン(ガイド棒,ガイド部材) 24,28かさ状部材 24a支持杆部(支持杆,ガイド部材) 24bかさ部 30支持杆部材(支持杆,ガイド部材) 31かさ部材(かさ部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 13/00 - 13/30 B60K 5/12

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】振動入力方向に互いに離して配置された一
    対の取付部材と、この一対の取付部材を互いに連結する
    弾性支承体と、この弾性支承体により画成されて液体が
    封入された液室と、この液室を上記弾性支承体の側の受
    圧室と少なくとも一部が弾性薄膜部材により画成されて
    拡縮可能な平衡室とに仕切る仕切体と、上記受圧室と平
    衡室とを互いに連通するオリフィスとを備えた制御式防
    振装置において、 少なくとも上記液体より大きい比重の材料により形成さ
    れたマス部材と、 一端部が受圧室側の取付部材に連結され他端部が振動入
    力方向に受圧室側に突出された支持杆と、この支持杆の
    他端部側位置から上記振動入力方向に直交する方向に拡
    がるかさ部とからなるかさ状部材と、 を備えており、 上記マス部材は、上記受圧室の上記振動入力方向に直交
    する方向に拡がり、かつ、上記受圧室内を上記振動入力
    方向に変位可能な形状に形成されて、上記受圧室内の液
    体中に非支持状態で沈降配置され 上記支持杆は、上記マス部材を振動入力方向にのみ自由
    変位可能に案内しかつ上記振動入力方向に直交する方向
    への変位を規制するガイド部材を構成している ことを特
    徴とする液体封入式エンジンマウント。
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