JPH10281213A - 液体封入式防振マウント - Google Patents

液体封入式防振マウント

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JPH10281213A
JPH10281213A JP8254397A JP8254397A JPH10281213A JP H10281213 A JPH10281213 A JP H10281213A JP 8254397 A JP8254397 A JP 8254397A JP 8254397 A JP8254397 A JP 8254397A JP H10281213 A JPH10281213 A JP H10281213A
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JP
Japan
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fluid chamber
cylinder
liquid
inner cylinder
main fluid
Prior art date
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Application number
JP8254397A
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English (en)
Inventor
Yoichi Kawamoto
洋一 河本
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Kurashiki Kako Co Ltd
Original Assignee
Kurashiki Kako Co Ltd
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Publication date
Application filed by Kurashiki Kako Co Ltd filed Critical Kurashiki Kako Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 気体を封入してダイヤフラムを省略したもの
において、低周波域での防振効果を十分に得つつ主流体
室内の気体の滞留や残留を確実に防止し、併せて、支承
条件に対する要求を満足させる。 【解決手段】横向きの内筒体1と外筒体2とを弾性体3
で連結し、弾性体と、その上方の外筒体との間を仕切体
5により下側の主流体室6と上側の副流体室7とに仕切
る。主流体室の左端から副流体室の右端までの間を、外
筒体の周面に沿って略2/3周にわたり延ばしたオリフ
ィス8により連通させ、大通路長,大通路断面積のオリ
フィスにして低周波域での損失係数のピーク値をより高
くする。仕切体の両側に凸部53,54を形成し、その
下面に気泡を導く案内面13を形成する。各凸部の頂点
位置に気泡を副流体室に排出する連通孔9を形成する。
副流体室の下部を液室部71、上部を気室部72とし、
空気12の拡縮によりオリフィスを介した液体11の流
動を可能にする。連通孔を低周波振動力時には液体の流
動が実質的に遮断される細径にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車のエ
ンジンを支承するブッシュタイプの液体封入式防振マウ
ントに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の液体封入式防振マウ
ントとして、内筒体と、外筒体と、両筒体間を連結する
弾性体と、この弾性体中に画成されて内筒体と外筒体と
の相対変位による圧力を受ける主流体室と、この主流体
室からの液体がオリフィスを通して流入される副流体室
とを備え、この副流体室の一部がダイヤフラムにより仕
切られて副流体室の液体の容積が拡縮可能にされたもの
が、一般に知られている。また、上記のダイヤフラムを
省略することを目的として、主流体室を内筒体の下方位
置に、副流体室を内筒体よりも上方位置にそれぞれ画成
してその副流体室に対し液体に加えて空気を封入し、そ
の空気部分の圧縮・膨脹作用を利用して副流体室内の液
体部分の容積の拡縮を行なわせるようにしたエアダイア
フラム式のものも知られている(例えば特開平7−15
1183号公報)。そして、この公報で開示されたもの
においては、内筒体を挟んで略水平方向に外筒体側に延
びる弾性体を上記水平方向の中央位置が最下点となるV
字状に形成し、このV字状の弾性体の下面により主流体
室の上面が画成されるようにし、そのV字状の両側上端
位置にそれぞれオリフィスの下端開口を位置させること
により、主流体室側の液体に混入した気泡が上記V字状
の弾性体下面に沿って上方に案内されそれぞれオリフィ
スを通して副流体室に導かれるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のエア
ダイアフラム式の従来の液体封入式防振マウントにおい
ては、主流体室への気泡の滞留や残留を防止するために
弾性体をV字状にしているため、両オリフィスを内筒体
の筒軸に直交する方向であって水平方向両側の外筒体寄
りの位置に設けたとしても、そのオリフィスの通路長が
比較的短いものとなり、所望の低周波域での液柱共振を
得るためにはそのオリフィスの断面積を上記の通路長に
対応して比較的小さいものに設定することになってしま
う。このため、上記の低周波域での損失係数(tan δ)
のピーク値をそれ程高くすることができず低周波域での
防振効果として十分なものを得難くなる。また、内筒体
の下方位置に主流体室を形成しているため、その主流体
室内の気泡を導くための案内面として、弾性体をV字状
にしてその主流体室に臨む弾性体の下面に案内面を形成
する必要があり、その結果、弾性体の形状設定、ひいて
は、弾性体の支持剛性の設定に制約が生じることにな
り、例えば自動車のエンジンを支承する場合、そのエン
ジンの配置等の種々の支承条件に対処することが困難な
ものになる場合が生じることになる。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、気体を封入し
てダイヤフラムを省略するようにしたものにおいて、低
周波域での防振効果を十分に得つつ主流体室内の気体の
滞留や残留を確実に防止し得るようにし、併せて、支承
条件に対する要求を満足させることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、筒軸が横向きに配置された
内筒体と、この内筒体の周囲を囲む外筒体と、この外筒
体と上記内筒体とを互いに連結する弾性体と、上記内筒
体よりも上側の弾性体と外筒体の上部との間の上下方向
中間位置に配設された仕切体と、この仕切体を挟んで下
側位置に上記仕切体と上記内筒体の上側の弾性体とによ
り画成された主流体室と、上記仕切体を挟んで上側位置
にその仕切体と上記外筒体とにより画成された副流体室
と、これら主流体室及び副流体室に封入された液体及び
気体と、上記内筒体よりも下方位置を通りその内筒体を
囲むように配設されて上記主流体室と副流体室とを互い
に連通するオリフィスと、上記仕切体を上下方向に貫通
して主流体室と副流体室とを互いに連通する連通孔とを
備える構成とするものである。そして、上記仕切体の下
面に、上記主流体室内の気泡を上記連通孔に向かって上
方に案内する案内面を形成し、上記連通孔を、上記オリ
フィスの共振周波数において上記連通孔を介した液体の
流動が実質的に停止される径及び長さに設定するもので
ある。
【0006】上記の構成の場合、主流体室の内部上面を
構成する仕切体の下面に、連通孔に向かって上方に案内
する案内面が形成されているため、主流体室の液体内に
滞留もしくは残留した気泡が液体内を上記案内面まで上
昇し、ついで、その案内面に沿って自然に連通孔まで導
かれることになる。そして、上記の気泡は上記連通孔を
通して副流体室に導かれるため、気泡が主流体室に残留
することはない。しかも、この主流体室内の気泡の除去
を上記の如く仕切体の下面に案内面を形成することによ
り行っているため、内筒体と外筒体との間を連結する弾
性体の形状設定の自由度が、従来の如く弾性体の下面形
状により案内面を形成する必要がある場合と比べ、その
ような制約を受けない分、増大し、種々の支承条件に基
づく弾性体の形状や支持剛性の各設定に対する要求を満
足させることが可能になる。加えて、上記オリフィス
は、共に内筒体よりも上方位置に画成された主流体室及
び副流体室の内の主流体室から副流体室までの間におい
て、上記内筒体よりも下方位置を通り内筒体を囲むよう
に配設されているため、オリフィスの通路長も従来の弾
性体をV字状にしてその弾性体の外筒体側の位置に配設
する場合よりも長いものにすることが可能になる。これ
により、防振対象とする低周波域での損失係数のピーク
値もより一層高いものにすることが可能になり、低周波
域の入力振動に対する防振効果を高めることが可能にな
る。
【0007】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の発明におけるオリフィスを、内筒体の筒軸に直交す
る方向であって水平方向一端側の主流体室に位置付けら
れた主流体室側開口から、上記水平方向の他端側の副流
体室に位置付けられた副流体室側開口まで、外筒体の内
周面寄りの位置を通って上記内筒体の下半部を囲むよう
周方向に延びるように形成するものである。
【0008】上記の構成の場合、主流体室及び副流体室
が共に内筒体よりも上方位置に形成されている場合のオ
リフィスの配設態様が具体的に特定される。すなわち、
上記主流体室の水平方向一端側から外筒体の内周面寄り
の位置を通り内筒体の下半部を囲むように周方向に延び
て副流体室の水平方向他端側まで配設されているため、
オリフィスの通路長をかなり長いものにするという作用
が具体的に得られることになる。
【0009】さらに、請求項3記載の発明は、請求項1
記載の発明において、内筒体と外筒体との中間位置の上
記外筒体寄りの弾性体中に上記内筒体の周囲を囲むよう
埋め込まれた中間筒体を備える構成とするものである。
加えて、上記中間筒体の下部に径方向内方側に凹む凹部
を形成し、この凹部の内方側の面に対し上記内筒体及び
弾性体を上下方向に隔てて配設するものである。
【0010】上記の構成の場合、中間筒体に形成された
凹部の内方側の面から内筒体及び弾性体が上下方向に隔
てられて形成されているため、内筒体もしくは外筒体の
いずれか一方に対し上下方向の振動が入力した場合に、
上記内筒体及び弾性体が外筒体に対し上下方向に比較的
自由に相対変位することが可能になり、種々の支承条件
に対する弾性体の支持剛性の設定をより高い自由度をも
って行うことが可能になる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基いて説明する。
【0012】図1及び図2は本発明の実施形態に係る液
体封入式防振マウントを示し、この防振マウントは振動
発生源としての例えばエンジンを、振動受部としての例
えば車体に対し吊り下げ支持する用途に用いられるもの
として構成されたものである。図1及び図2において、
1は筒軸Xが略水平方向に延びるよう配置された内筒
体、2はこの内筒体1の周囲を囲むよう外周囲に配置さ
れた外筒体、3はこの外筒体2と上記内筒体1とを互い
に連結する弾性体、4は上記内筒体1と外筒体2との中
間位置であって上記外筒体2に近接した位置の弾性体3
中に上記内筒体1の周囲を囲むよう埋め込まれた中間筒
体である。また、5は上記内筒体の上側部分に弾性体3
と外筒体2とにより画成された空間を上下に仕切る仕切
体、6は上記内筒体1の上側の弾性体3内に上記仕切体
5により画成された主流体室、7は上記仕切体5と外筒
体2とにより画成された副流体室、8は上記の主流体室
5と副流体室6を互いに連通するオリフィス、9,9は
上記仕切体5を上下方向に貫通して上記主流体室5と副
流体室とを互いに連通する連通孔、10は上記内筒体1
よりも上側の弾性体3中を上記筒軸Xに平行に貫通する
貫通空所である。そして、上記主流体室6および副流体
室7には非圧縮性の液体11と、圧縮性の気体としての
空気12とが封入されている。
【0013】上記内筒体1は、無負荷状態(図1の実線
参照)では、その筒軸Xが外筒体2の筒軸Yよりも所定
寸法下方位置であって上記筒軸Yと平行に延びるように
弾性体3によって外筒体2に対し支持されている。ま
た、上記中間筒体4には、図3にも示すように、外周面
の上側部分が切り欠かれて窓部41が形成されている一
方、下側部分が径方向内方に凹まされて凹部としての凹
溝部42が形成されており、この凹溝部42の一部には
下方に凸となるリバウンド受部43が形成されている。
【0014】上記弾性体3は、上記内筒体1及び中間筒
体4と一体に加硫成形されたものであり、内筒体1から
筒軸Xに直交する水平方向(図1の左右方向)両側にV
の字状に延びて内筒体1を外筒体2に対し弾性支持して
防振機能を果たす主ばね部31,31を主要構成要素と
して備えるものである。加えて、上記弾性体3は、上記
内筒体1の下側を所定肉厚で覆うリバウンド側被覆部3
2と、上記内筒体1の上側を所定肉厚で覆う入力側被覆
部33と、上記凹溝部42を埋める中実部34と、中間
筒体4の外周面を覆うように加硫接着されて外筒体2の
内周面との間に介装される薄肉層35とを、上記両主ば
ね部31,31と一体のものとして備えている。
【0015】そして、この弾性体3は、本防振マウント
をエンジンマウントとして使用する場合、その車両への
装着前の状態(製造後の単品の状態)において内筒体1
を外筒体2に対して相対的に下方に変位させた状態であ
って上記リバウンド側被覆部32がリバウンド受部43
に当接した偏心状態(図1に実線で示す状態)で支持す
るようになっている。一方、上記内筒体1が車体側に上
記外筒体2がエンジン側にそれぞれ取付けられてそのエ
ンジンを吊り下げ支承した装着状態(1G状態)におい
て、外筒体2を介してエンジンの自重を下向きの外力と
して受けて主ばね部31,31が撓む結果、図1に二点
鎖線で示すように内筒体1を上方に相対移動させて上記
リバウンド側被覆部32がリバウンド受部43から上方
に離れた状態に支持するようになっている。
【0016】上記のリバウンド側被覆部34は、製造時
において中間筒体4のリバウンド受部43の内面に対し
非接着状態で当接した状態に形成されて、内筒体1の両
側に筒軸Xに平行に貫通する貫通空所101,102が
形成されるようになっている一方、1G状態においては
両貫通空所101,102が連続した1つの貫通空所1
0が形成されるようになっている。この1G状態では、
振動入力時に上記リバウンド側被覆部32がリバウンド
受部43に当接することにより内筒体1の下方変位を所
定量に制限するようになっている。加えて、上記貫通空
所10が上記中間筒体4の凹溝部42の壁部により中実
部34と区画されて隔てられ、これにより、弾性体3の
両主ばね部31,31が弾性変形しても上記中実部34
に引張応力が作用しないようになっている。
【0017】上記仕切体5は、鋼板のプレス加工もしく
は合成樹脂成形により形成されたものであり、底板部5
1と、その底板部51の筒軸X方向両側から立ち上がる
円弧状の側板部52,52とが一体に形成されたもので
ある。上記底板部51には、内筒体1の筒軸Xに直交す
る方向であって水平方向の両端側(図1の左右端側)に
それぞれ外筒体2の内周面に沿って湾曲されて上方に凸
となる凸部53,54が形成されており、この凸部5
3,54の各端部を弾性体3の薄肉層35に食い込ませ
た状態でその各凸部53,54の外周面が外筒体2の内
周面に密着されている。これにより、上記仕切体5の固
定が行われ、この仕切体5により弾性体3の各主ばね部
31,31の上面と、外筒体2の上部の内周面との間が
下側の主流体室6と上側の副流体室7とに仕切られてい
る。
【0018】そして、上記主流体室6は振動入力を受け
て変形する各主ばね部31の上面と、上記仕切体5によ
り画成されて、上記の振動入力により内部の液体11に
圧力変動が付与されるようになっている。一方、上記副
流体室7は共に剛体である仕切体5と外筒体2とにより
画成されて体積が不変の状態で画成されている。そし
て、上記副流体室7には、上記仕切体5の各凸部53,
54の頂点よりも上方位置に液面11aが位置するよう
に液体11が封入された液室部71と、その上部に空気
12が封入された気室部72とが形成され、液室部71
の液体11の容積変動が気室部72の空気12の拡縮に
より許容されるようになっている。
【0019】上記オリフィス8は、主流体室側開口81
が上記主流体室6の図1の左端位置に位置設定され、副
流体室側開口82が上記副流体室7の図1の右端側位置
に位置設定されたものである。そして、両開口81,8
2間の中間部83(図2及び図4参照)が中間筒体4の
外周側の薄肉層35及び中実部34の外周面に形成され
た凹溝と外筒体2の内周面とに挟まれて形成され、内筒
体1の下半部を周方向に半周以上にわたり延びるように
なっている。これにより、上記オリフィス8は、かなり
長い通路長とされ、その結果、所定の低周波域(例えば
自動車のシェイク振動域10〜15Hz )で液柱共振を
発生させる上で大通路断面積A1 でかつ大通路長L1 の
ものとして形成されている。なお、上記副流体室側開口
82の近傍の中間部83は、仕切体5の右端側の凸部5
4の所定位置が上記薄肉部35に形成された凹溝に連通
するように樋状に凹まされた溝部55(図1,図3及び
図5参照)により形成されている。
【0020】また、連通孔9,9は、上記仕切体5の各
凸部53,54の頂点部位を上下方向に貫通するように
形成されており、各凸部53,54の下面を案内面13
として主流体室6内の気泡を集めて副流体室7に排出さ
せるようになっている。
【0021】この各連通孔9は、上記オリフィス8に設
定された共振周波数と関係で定まる細径のものに形成さ
れており、これにより、このオリフィス8での防振対象
である低周波域の振動入力に対し上記各連通孔9を介し
た主流体室6と副流体室7との間の液体11の流動が実
質的に阻止されようになっている。すなわち、各連通孔
9の通路断面積をA2 、通路長をL2 とした場合に、 (A1 /L1 )>(A2 /L2 ) となるように設定されている。
【0022】そして、1G状態(図1の二点鎖線参照)
において、主流体室6内の全てに液体11が充満され、
副流体室7内に上記の如く下半部には液室部71が形成
される一方、上半部には気室部72が形成されるように
なっている。なお、この気室部72の容積、すなわち、
封入空気量は、オリフィス8を介しての主流体室6と副
流体室7との間の液体11の流動により上記液室部71
の容積を拡縮させて有効に液柱共振を生じさせるような
量に設定されている。
【0023】次に、上記構成の液体封入式防振マウント
の製造方法について説明すると、まず、弾性体3を上述
のごとく内筒体1および中間筒体4と一体加硫成形す
る。ついで、この一体成形物に仕切体5を嵌め込み、こ
れらと外筒体2とを筒軸Xが上下方向になるように配置
し、上記外筒体2の内周面に対して上から上記一体成形
物の外周面の薄肉層35と仕切体5とを圧入していく。
そして、副流体室7となる空所の上端部と外筒体2の上
端開口縁との間に隙間を開けた状態で上記圧入を一時停
止し、この状態で、上記隙間から液体11を気室部72
の空気量を考慮した所定量だけ注入し、その後、上記一
体成形物と仕切体5とを最後まで圧入する。最後に、上
記外筒体2の上下の各開口縁をかしめて上記一体成形物
と外筒体2とを一体化する。この製造方法によれば、液
体11を満たした液槽中で組み付けを行う必要がないた
め、圧入による液体の飛散の発生や組み付け後に外面に
付着した液体の洗浄の必要などを省略することができ
る。
【0024】この製造された防振マウントを上記筒軸X
が水平になるようして主流体室6が下に副流体室7が上
になるようにすれば、図1に実線で示す無負荷状態にな
り、仕切体5の底板部51が略水平方向に拡がりこれに
連続して各案内面13が各連通孔9に向かい徐々に上方
に上昇する傾斜面となる。このため、上記製造時に封入
された空気12が主流体室6の上部に滞留していても、
その滞留空気は仕切体5の底板部51の下面から案内面
13に沿って各連通孔9まで自然に導かれ、各連通孔9
を通して滞留空気の全量が副流体室7に排出されること
になる。このため、空気12が副流体室7にのみ封入さ
れた状態に自動的にされ,副流体室7内に確実に所定の
設定空気量(設定容積)の気室部72が形成される。
【0025】そして、この無負荷状態の防振マウントの
外筒体2をエンジン側に、内筒体1を車体側にそれぞれ
取付けて1G状態にすることにより、各主ばね部31が
上向きに変形してその弾性体3のリバウンド側被覆部3
2が中間筒体4のリバウンド受部43から上方に離れる
ことになる(図1の二点鎖線参照)。
【0026】次に、外筒体2を介して弾性体3に対しエ
ンジン側から上下方向の低周波域の振動が入力すると、
内筒体1が上下方向に相対的に変位する。この変位によ
りオリフィス8を通して主流体室6と副流体室7の液室
部71との間で液体11が流動する。この際、各連通孔
9は液体11が実質的に流通しない状態になるため、オ
リフィス8を介した液体11の流動を有効に生じさせる
ことができ、そのオリフィス8を介した液柱共振によっ
て上記低周波域の入力振動の減衰が図られる。なお、上
記のオリフィス8を介した液体11の流動は気室部72
の空気12の圧縮・膨脹作用によって液室部71の容積
の拡縮により可能となるものである。
【0027】上記オリフィス8の液柱共振による防振に
おいて、オリフィス8が外筒体2の内周面に沿ってその
全周の略2/3に亘り長く延びて大通路長とされている
ため、同じ低周波域で液柱共振が生じるように上記オリ
フィス8よりも小通路長及び小通路断面積に設定(通路
断面積に対する通路長の比率を同じに設定)したオリフ
ィスと比べ、損失係数のピーク値をより一層高いものに
することができ、これにより、より高い防振効果を得る
ことができる。しかも、上記のオリフィス8を介した液
体11の流動により気室部72の空気12が乱されて一
部が液体11中に巻き込まれ、その巻き込まれた気泡が
液体11と共に主流体室6の側に持ち込まれたとして
も、上述の如くその気泡が底板部51及び案内面13に
沿って自然に連通孔9まで導かれて副流体室7の側に排
出されるため、主流体室6への気泡の残留の発生をも確
実に防止することができる。これにより、振動入力に対
し気室部62の容積を常に所定量に維持した状態で所期
の防振機能を果たすことができるようになる。
【0028】また、内筒体1及び両主ばね部31,31
の上方位置に入力振動により液圧上昇を受ける主流体室
6と、その液圧上昇を平行させる副流体室7とを配設
し、主流体室6内の滞留もしくは残留空気の排出のため
の案内面13と連通孔9とを両流体室6,7を仕切る仕
切体5に設けているため、従来の防振マウントのように
弾性体の形状設定により上記滞留空気等の排出を行うと
いう必要がなく、エンジンを吊り下げ支持するような支
承条件に対しても、主ばね部31,31の支持剛性をそ
の支承条件からの要求に対応したものに自由に設定する
ことができる。
【0029】加えて、上記振動入力の際、弾性体3の下
側に貫通空所10が存在するため、入力振動が大振幅の
ものであっても、上記弾性体3は引張応力が過度に大き
くなることなしに大変位することができ、エンジンマウ
ントとしてその機能を十分に発揮することができる。ま
た、上記の大振幅の振動が入力して副流体室7の内圧が
増大しても、上記副流体室7が仕切体5のほぼ剛体に近
い底板部51及び両側板部52,52と、外筒体2の内
周面とにより画成されているため、上記副流体室7を画
成する部材(仕切体5,外筒体2)の強度を、ゴム薄膜
などの弾性膜部材により画成する場合と比べ、飛躍的に
増強させることができ、上記内圧による破損のおそれを
回避することができる。
【0030】<他の実施形態>なお、本発明は上記実施
形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態
を包含するものである。すなわち、上記実施形態では、
副流体室6に封入する気体として空気12を用いたが、
これに限らず、気体の膨脹・圧縮作用によりオリフィス
8を介して主流体室6と副流体室7との間の液体11の
流動を可能とするものならばいずれを採用してもよく、
例えば窒素ガスなどを用いてもよい。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明における液体封入式防振マウントによれば、オリフィ
スを介した低周波域振動の防振を確実に得つつ、主流体
室の内部上面を構成する仕切体の下面の案内面と連通孔
により主流体室内の気泡の滞留もしくは残留を確実に防
止することができる。しかも、この主流体室内の気泡の
除去を仕切体の下面に案内面を形成することにより行っ
ているため、内筒体と外筒体との間を連結する弾性体の
形状設定の自由度を、従来の如く弾性体の下面形状によ
り案内面を形成する必要がある場合と比べ、そのような
制約を受けない分、増大させることができ、種々の支承
条件に基づく弾性体の支持剛性に対する要求を十分に満
足させることができるようになる。加えて、オリフィス
を、共に内筒体よりも上方位置に画成された主流体室及
び副流体室に対し上記内筒体よりも下方位置を通るよう
に配設しているため、オリフィスの通路長も従来の弾性
体をV字状にしてその弾性体の外筒体側の位置に配設す
る場合に比べ大幅に長いものにすることができ、これに
より、防振対象とする低周波域での損失係数のピーク値
をよりも高いものにして、低周波域の入力振動に対する
防振効果をより一層高めることができる。
【0032】また、請求項2記載の発明によれば、請求
項1記載の発明による効果に加え、オリフィスの配設態
様を具体的に特定することができ、そのオリフィスの通
路長の長大化を確実に図ることができ、低周波域の入力
振動に対する高い防振効果を確実に得ることができる。
【0033】さらに、請求項3記載の発明によれば、請
求項1記載の発明による効果に加え、種々の支承条件に
対する弾性体の支持剛性の設定をより高い自由度をもっ
て行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す横断面図である。
【図2】図1のものの1G状態におけるA−A線断面図
である。
【図3】内筒体と中間筒体と仕切体との分解斜視図であ
る。
【図4】図1のB−B線における断面図である。
【図5】図1のC−C線における断面図である。
【符号の説明】
1 内筒体 2 外筒体 3 弾性体 4 中間筒体 5 仕切体 6 主流体室 7 副流体室 8 オリフィス 9 連通孔 11 液体 12 空気(気体) 13 案内面 42 凹溝部(中間筒体の凹部) 81 オリフィスの主流体室側開口 82 オリフィスの副流体室側開口 X 内筒体の筒軸

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒軸が横向きに配置された内筒体と、 この内筒体の周囲を囲む外筒体と、 この外筒体と上記内筒体とを互いに連結する弾性体と、 上記内筒体よりも上側の弾性体と外筒体の上部との間の
    上下方向中間位置に配設された仕切体と、 この仕切体を挟んで下側位置に上記仕切体と上記内筒体
    の上側の弾性体とにより画成された主流体室と、 上記仕切体を挟んで上側位置にその仕切体と上記外筒体
    とにより画成された副流体室と、 これら主流体室及び副流体室に封入された液体及び気体
    と、 上記内筒体よりも下方位置を通りその内筒体を囲むよう
    に配設されて上記主流体室と副流体室とを互いに連通す
    るオリフィスと、 上記仕切体を上下方向に貫通して主流体室と副流体室と
    を互いに連通する連通孔とを備え、 上記仕切体の下面には、上記主流体室内の気泡を上記連
    通孔に向かって上方に案内する案内面が形成され、 上記連通孔は、上記オリフィスの共振周波数において上
    記連通孔を介した液体の流動が実質的に停止される径及
    び長さに設定されていることを特徴とする液体封入式防
    振マウント。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 オリフィスは、内筒体の筒軸に直交する方向であって水
    平方向一端側の主流体室に位置付けられた主流体室側開
    口から、上記水平方向の他端側の副流体室に位置付けら
    れた副流体室側開口まで、外筒体の内周面寄りの位置を
    通って上記内筒体の下半部を囲むよう周方向に延びるよ
    うに形成されていることを特徴とする液体封入式防振マ
    ウント。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 内筒体と外筒体との中間位置の上記外筒体寄りの弾性体
    中に上記内筒体の周囲を囲むよう埋め込まれた中間筒体
    を備えており、 上記中間筒体の下部には径方向内方側に凹む凹部が形成
    され、この凹部の内方側の面に対し上記内筒体及び弾性
    体が上下方向に隔てられて配設されていることを特徴と
    する液体封入式防振マウント。
JP8254397A 1997-04-01 1997-04-01 液体封入式防振マウント Pending JPH10281213A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010133453A (ja) * 2008-12-02 2010-06-17 Kurashiki Kako Co Ltd 液体封入式防振装置
JP2010133452A (ja) * 2008-12-02 2010-06-17 Kurashiki Kako Co Ltd 液体封入式防振装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010133453A (ja) * 2008-12-02 2010-06-17 Kurashiki Kako Co Ltd 液体封入式防振装置
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