JPH11184096A - 平版印刷版の製版方法 - Google Patents

平版印刷版の製版方法

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JPH11184096A
JPH11184096A JP34881797A JP34881797A JPH11184096A JP H11184096 A JPH11184096 A JP H11184096A JP 34881797 A JP34881797 A JP 34881797A JP 34881797 A JP34881797 A JP 34881797A JP H11184096 A JPH11184096 A JP H11184096A
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group
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printing plate
solution
fatty acid
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JP34881797A
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Hajime Fujioka
肇 藤岡
Yoshito Ohashi
由人 大橋
Toshiro Kondo
敏郎 近藤
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安定的に高いインキ受理性が得られるアルミニ
ウム平版印刷版の製版方法を提供することにある。特
に、ランニング処理においてインキ受理性が低下しない
製版方法を提供することにある。 【解決手段】アルミニウム支持体とハロゲン化銀乳剤層
の間に物理現像核を有する平版印刷材料に、露光後少な
くとも現像液、水洗液、及び仕上げ液の順で処理を施す
平版印刷版の製版方法において、前記水洗液が尿素もし
くはその誘導体を含有することを特徴とする平版印刷版
の製版方法によって達成された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム板を
支持体とする銀錯塩拡散転写法を利用した平版印刷版の
製版方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】銀錯塩拡散転写法(DTR法)を用いた
平版印刷版については、フォーカル・プレス、ロンドン
ニューヨーク(1972年)発行、アンドレ ロット
及びエディス ワイデ著、「フォトグラフィック・シル
バー・ハライド・ディヒュージョン・プロセシズ」、第
101頁〜第130頁に幾つかの例が記載されている。
【0003】その中で述べられているように、DTR法
を用いた平版印刷版には、転写材料と受像材料を別々に
したツーシートタイプ、あるいはそれらを一枚の支持体
上に設けたモノシートタイプの二方式が知られている。
ツーシートタイプの平版印刷版については、特開昭57
−158844号公報に詳しく記載されている。又、モ
ノシートタイプについては、特公昭48−30562
号、同51−15765号、特開昭51−111103
号、同52−150105号などの各公報に詳しく記載
されている。
【0004】本発明が対象とする、アルミニウム板を支
持体とした銀錯塩拡散転写法を利用したモノシートタイ
プの平版印刷版(以降、アルミニウム平版印刷版と称
す)は、特開昭57−118244号、同57−158
844号、同63−260491号、特開平3−116
151号、同4−282295号、米国特許第4,56
7,131号、同第5,427,889号等の公報に詳
しく記載されている。
【0005】前記アルミニウム平版印刷版は、粗面化さ
れ陽極酸化されたアルミニウム支持体上に物理現像核を
担持し、更にその上にハロゲン化銀乳剤層を設けた構成
に成っている。この平版印刷版の一般的な製版方法は、
露光後、現像処理、水洗処理(ウォッシュ・オフ、ハロ
ゲン化銀乳剤層の除去)、仕上げ処理の工程から成って
いる。
【0006】詳細には、現像処理によって物理現像核上
に金属銀画像部が形成され、次の水洗処理によってハロ
ゲン化銀乳剤層が除去されてアルミニウム支持体上に金
属銀画像部(以降、銀画像部と称す)が露出する。同時
に陽極酸化されたアルミニウム表面自身が非画像部とし
て露出する。
【0007】露出した銀画像部及び非画像部には、その
保護のためにアラビアゴム、デキストリン、カルボキシ
メチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸等の保護コ
ロイドを含有する仕上げ液が塗布される。所謂、ガム引
きと云われる処理が施される。この仕上げ液は、定着液
やフィニッシング液とも称され、銀画像部を親油性にす
る化合物(以降、親油化剤と称す)を含有することも一
般的である。
【0008】前記アルミニウム平版印刷版の製版方法に
おける課題として、印刷開始時の銀画像部のインキ受理
性が低いという問題がある。特にランニング処理によっ
てインキ受理性が大幅に低下していた。
【0009】インキ受理性を向上させる方法として、タ
ンパク質分解酵素と疎水化剤(親油化剤)を含有する仕
上げ液が米国特許第4,567,131号公報に開示さ
れている。
【0010】上記方法によって、インキ受理性はある程
度改良されたが、ランニング処理におけるインキ受理性
の低下については充分に改良されるまでには至っていな
かった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題を解決し、安定的に高いインキ受理性が得られるア
ルミニウム平版印刷版の製版方法を提供することにあ
る。特に、ランニング処理においてインキ受理性が低下
しない製版方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、ア
ルミニウム支持体とハロゲン化銀乳剤層の間に物理現像
核を有する平版印刷材料に、露光後少なくとも現像液、
水洗液、及び仕上げ液の順で処理を施す平版印刷版の製
版方法において、前記水洗液が尿素もしくはその誘導体
を含有することを特徴とする平版印刷版の製版方法によ
って達成された。
【0013】本発明が対象とするアルミニウム平版印刷
版は、現像処理によって形成した銀画像を表面に露出さ
せるために、水洗液によるウォッシュ・オフでハロゲン
化銀乳剤層を完全に除去する必要がある。ハロゲン化銀
乳剤層中に含有するゼラチン等の除去が不十分な場合、
銀画像部の親油化を阻害し、インキ受理性を低下させ
る。水洗液によるウォッシュ・オフ性は極めて不安定
で、平版印刷版材料の保管条件、ウォッシュ・オフ条件
(温度、水洗液組成等)等によって微妙に影響され、そ
の結果製版された平版印刷版のインキ受理性を不安定に
していた。特にランニング処理によって、ウォッシュ・
オフ性は更に不安定になり、しばしばインキ受理性を大
きく低下させていた。
【0014】従って、本発明者はウォッシュ・オフ性を
安定化させて、常に高いインキ受理性が得られる処理方
法について、鋭意研究した結果、水洗液に尿素を含有さ
せることによって、その解決を見いだした。水洗液に尿
素を含有させることによって、その尿素が水洗中に溶出
したゼラチン及び銀画像上に残ったゼラチンの水素結合
を破壊し、ウォッシュ・オフ性を安定的に向上している
とものと考えられる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、水洗液への尿素もしくはその誘導体の
添加量は、水洗液1リットル当たり、0.1から10g
の範囲が適当である。好ましくは0.1〜2gの範囲で
ある。
【0016】本発明に用いられる尿素もしくはその誘導
体は、下記一般式で表すことができる。
【0017】
【化1】 式中、 R1、R2、R3は水素、アルキル基、アリール
基、アミノ基、ヒドロキシル基またはアミド基を表し、
またR1とR2、R1とR3が結合して環を形成してもよ
い。
【0018】下記に具体例を挙げるが、これらに限定さ
れない。
【0019】
【化2】
【0020】
【化3】
【0021】
【化4】
【0022】
【化5】
【0023】
【化6】
【0024】
【化7】
【0025】
【化8】
【0026】
【化9】
【0027】
【化10】
【0028】
【化11】
【0029】
【化12】
【0030】
【化13】
【0031】
【化14】
【0032】
【化15】
【0033】上記化合物の中でも、特に尿素が好まし
い。
【0034】本発明の製版方法において、製版に用いら
れる処理液に、エチレンオキシ基を有する界面活性剤を
含有させることによって、ランニング処理でのインキ受
理性を更に安定にすることができる。該界面活性剤を含
有させる処理液は、現像液、水洗液、仕上げ液、また
は、現像液と水洗液の間に設けることができる安定液で
あり、2種類以上の処理液に含有させてもよい。
【0035】前記界面活性剤の好ましいものとして、ポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキ
シエチレンソルビット脂肪酸エステル、プロピレンオキ
シ基とエチレンオキシ基を有するアミン化合物、プロピ
レンオキシ基とエチレンオキシ基を有する脂肪酸アミド
化合物及びプロピレンオキシ基とエチレンオキシ基を有
する4級アンモニウム化合物が挙げられる。
【0036】前記ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸
エステルもしくはポリオキシエチレンソルビット脂肪酸
エステルは、エチレンオキシ基の付加したソルビタンも
しくはソルビットと高級脂肪酸とのエステル化反応で作
られるノニオン性界面活性剤の一群である。エチレンオ
キシ基の繰り返し単位は5以上、合計では5〜180、
脂肪酸は好ましくは炭素数10以上、例えばラウリル
酸、パルミチン酸、ステリン酸、オレイン酸等が用いら
れる。脂肪酸エステルはモノ、ジ、トリ、テトラ等の形
を取り得る。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エス
テルとしては、日光ケミカル(株)社製のニッコールT
P−10、同TS−10、同TS−30、同TO−1
0、同TO−30等、日本油脂(株)社製のノニオンL
T−221、同PT−221、同ST−221、同OT
−221等がある。ポリオキシエチレンソルビット脂肪
酸エステルとしては、ニッコールGO−460、同GS
−460等が市販されている。以下に具体例を挙げる。
【0037】
【化16】
【0038】
【化17】
【0039】
【化18】
【0040】
【化19】
【0041】
【化20】
【0042】
【化21】
【0043】
【化22】
【0044】
【化23】
【0045】
【化24】
【0046】
【化25】
【0047】
【化26】
【0048】
【化27】
【0049】前記プロピレンオキシ基(PO基)とエチ
レンオキシ基(EO基)を有するアミン化合物もしくは
脂肪酸アミド化合物もしくは4級アンモニウム化合物に
ついて、詳しく説明する。これらの化合物は、PO基と
EO基がブロックもしくはランダムに重合した基を有す
るアミン化合物であり、脂肪酸アミド化合物であり、4
級アンモニウム化合物である。PO基とEO基の重合比
は、1:9〜5:5が好ましい。PO基及びEO基は1
分子中にそれぞれ1〜60個の範囲で含有する。好まし
くは、それぞれ2〜40個必要である。以下、具体的に
説明する。
【0050】PO基とEO基を有するアミン化合物の代
表的なものは下記一般式で表される。
【0051】
【化28】 式中、R1及びR2は、脂肪族基、またはEO基とPO基
が重合した基を表し、m及びnはそれぞれEO基または
PO基の繰り返し単位を表す。
【0052】更に詳細に説明すると、脂肪族基として
は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基が挙げら
れる。これらの脂肪族基はアミノ基等で置換されていて
もよい。更に、アミノ基は脂肪族基で置換されていても
よいし、またはEO基とPO基が重合した基が付加して
いてもよい。好ましくは、R1、R2のどちらか一方がE
O基とPO基が重合した基であり、他方が炭素数4〜1
8の脂肪族基である。以下に具体化合物を挙げる。
【0053】
【化29】
【0054】
【化30】
【0055】
【化31】
【0056】
【化32】
【0057】次に、PO基とEO基を有する脂肪酸アミ
ド化合物を説明する。該化合物の代表的なものは下記一
般式で表される。
【0058】
【化33】 式中、R3は脂肪族基を表し、R4は脂肪族基またはEO
基とPO基が重合した基を表す。m、nは化28と同義
である。
【0059】更に詳細に説明すると、 R3の脂肪族基と
しては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基が挙
げられる。これらの脂肪族基は炭素数4〜18程度が好
ましい。 R4の脂肪族基としてはアルキル基、アルケニ
ル基、アルキニル基が挙げられる。 R4は、好ましくは
EO基とPO基が重合した基である。以下に具体化合物
を挙げる。
【0060】
【化34】
【0061】
【化35】
【0062】次に、PO基とEO基を有する4級アンモ
ニウム化合物を説明する。該化合物の代表的なものは下
記一般式で表される。
【0063】
【化36】 式中、R5はR3と同義であり、 R6、R7はR4と同義で
あり、m、nは化28と同義である。この中で好ましい
化合物は、 R5が炭素数4〜18の脂肪族基、R6及び
7がEO基とPO基が重合した基である。以下に具体
化合物を挙げる。
【0064】
【化37】
【0065】
【化38】
【0066】前記エチレンオキシ基を有する界面活性剤
は、処理液中に、0.1〜30g/リットルの範囲で含
有させる。好ましくは0.5〜20g/リットルの範囲
である。該界面活性剤は、水洗液または/及び仕上げ液
に含有させることが好ましい。
【0067】前記界面活性剤は単独で用いてもよいし、
組合わせて用いてもよい。組み合わせる場合、ポリオキ
シエチレンソルビタン脂肪酸エステルもしくはポリオキ
シエチレンソルビット脂肪酸エステルの中の少なくとも
1種と、プロピレンオキシ基とエチレンオキシ基を有す
るアミン化合物もしくは脂肪酸アミド化合物もしくは4
級アンモニウム化合物の中の少なくとも1種を組み合わ
せるのが好ましい。
【0068】本発明の処理液には銀画像部を親油性にす
る化合物(親油化剤)を含有させるのが好ましい。親油
化剤としては、フォーカル・プレス、ロンドン ニュー
ヨーク(1972年)発行、アンドレ ロット及びエデ
ィス ワイデ著、「フォトグラフィック・シルバー・ハ
ライド・ディヒュージョン・プロセシズ」、105、1
06ページに記載されている化合物が挙げられる。例え
ばメルカプト基またはチオン基を有する化合物、4級ア
ンモニウム化合物等があり、本発明においてはメルカプ
ト基またはチオン基を有する化合物が好ましく用いられ
る。特に好ましくは、メルカプト基またはチオン基を有
する含窒素複素環化合物であり、特公昭48−2972
3号、特開昭58ー127928号に記載されている。
以下にその具体例を挙げるが、これらに限定されること
はない。
【0069】2−メルカプト−4−フェニルイミダゾー
ル、2−メルカプト−1−ベンジルイミダゾール、2−
メルカプト−ベンズイミダゾール、1−エチル−2−メ
ルカプト−ベンズイミダゾール、2−メルカプト−1−
ブチル−ベンズイミダゾール、1,3−ジエチル−ベン
ゾイミダゾリン−2−チオン、1,3−ジベンジル−イ
ミダゾリジン−2−チオン、2,2´−ジメルカプト−
1,1´−デカメチレン−ジイミダゾリン、2−メルカ
プト−4−フェニルチアゾール、2−メルカプト−ベン
ゾチアゾール、2−メルカプトナフトチアゾール、3−
エチル−ベンゾチアゾリン−2−チオン、3−ドデシル
−ベンゾチアゾリン−2−チオン、2−メルカプト−
4,5−ジフェニルオキサゾール、2−メルカプトベン
ゾオキサゾール、3−ペンチル−ベンゾオキサゾリン−
2−チオン、1−フェニル−3−メチルピラゾリン−5
−チオン、3−メルカプト−4−アリル−5−ペンタデ
シル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−5
−ノニル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト
−4−アセタミド−5−ヘプチル−1,2,4−トリア
ゾール、3−メルカプト−4−アミノ−5−ヘプタデシ
ル−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプト−5−
フェニル−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプ
ト−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール、2−
メルカプト−5−n−ヘプチル−オキサチアゾール、2
−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール、2
−メルカプト−5−フェニル−1,3,4−オキサジア
ゾール、2−ヘプタデシル−5−フェニル−1,3,4
−オキサジアゾール、5−メルカプト−1−フェニル−
テトラゾール、2−メルカプト−5−ニトロピリジン、
1−メチル−キノリン−2(1H)−チオン、3−メル
カプト−4−メチル−6−フェニル−ピリダジン、2−
メルカプト−5,6−ジフェニル−ピラジン、2−メル
カプト−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジ
ン、2−アミノ−4−メルカプト−6−ベンジル−1,
3,5−トリアジン、1,5−ジメルカプト−3,7−
ジフェニル−S−トリアゾリノ〔1,2−a〕−S−ト
リアゾリン等が挙げられる。
【0070】本発明において、上記親油化剤は現像液、
水洗液、仕上げ液または適宜設けることができる安定液
に含有させる。好ましくは複数の処理液に含有させるこ
とである。
【0071】処理液への親油化剤の含有量は、0.01
〜10g/リットル程度が適当である。
【0072】上記メルカプト基またはチオン基を有する
化合物はアルカリ溶液には溶解するが、中性から弱酸性
の水洗液に溶解しないため、有機溶剤、アミン化合物
(例えばアミノアルコール)、ポリエチレングリコー
ル、第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤等の溶
解助剤を用いて添加することができる。
【0073】本発明に用いられる現像液には、現像主
薬、例えばポリヒドロキシベンゼン類、3-ピラゾリジノ
ン類、アルカリ性物質、例えば水酸化カリウム、水酸化
ナトリウム、水酸化リチウム、第3燐酸ナトリウム、あ
るいはアミン化合物、保恒剤、例えば亜硫酸ナトリウ
ム、粘稠剤、例えばカルボキシメチルセルロース、カブ
リ防止剤、例えば臭化カリウム、現像変成剤、例えばポ
リオキシアルキレン化合物、ハロゲン化銀溶剤、例えば
チオ硫酸塩、チオシアン酸塩、環状イミド、チオサリチ
ル酸、メソイオン性化合物等の添加剤を含ませることが
できる。現像液のpHは通常10〜14、好ましくは1
2〜14である。
【0074】本発明に用いられる水洗液には、尿素の他
に、pHを4〜8、好ましくは4.5〜7の範囲に緩衝
させる緩衝剤、例えば燐酸塩緩衝剤、クエン酸塩緩衝剤
またはそれらの混合物を含有することができる。また、
防腐剤を含有させてもよい。
【0075】上記水洗液はアルミニウム支持体上のハロ
ゲン化銀乳剤層を完全に除去するために用いるもので、
通常、25〜35℃の水洗液をジェット方式で吹き付け
る方法、または水洗液を吹き付けながらスクラブローラ
で乳剤層を剥離する方法が採用されている。
【0076】アルミニウム平版印刷版において、ハロゲ
ン化銀乳剤層の水洗除去は、銀画像部及びアルミニウム
表面自身で構成する非画像部を完全に露出させるために
極めて重要な工程である。とりわけ、インキを受容する
銀画像部は強い親油性が必要であり、ゼラチン等の親油
性を阻害する物質は完全に排除する必要がある。
【0077】水洗処理によって露出した銀画像部及び非
画像部は、各々の親油性及び親水性を高めるため、及び
版面の保護のために、仕上げ液による処理が施される。
本発明において、仕上げ液には、非画像部の陽極酸化層
の保護及び親水性向上のために、アラビヤガム、デキス
トリン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸のプロピレ
ングリコールエステル、ヒドロキシエチル澱粉、カルボ
キシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ポリビニルピロリドン、ポリスチレンスルホン酸、ポリ
ビニルアルコール等の保護コロイドを含有することが好
ましい。また、画像部の親油性を更に向上させるため
に、上記親油化剤を含有することが好ましい。
【0078】本発明が対象とする平版印刷版は、アルミ
ニウム支持体上に物理現像核及びハロゲン化銀乳剤層を
有する。ハロゲン化銀乳剤は、一般に用いられる塩化
銀、臭化銀、ヨウ化銀、塩臭化銀、塩ヨウ臭化銀、ヨウ
臭化銀等から選択されるが、塩化銀主体(塩化銀50モ
ル%以上のものを意味する)が好ましい。また乳剤のタ
イプとしてはネガ型、ポジ型のいずれでもよい。これら
のハロゲン化銀乳剤は必要に応じて化学増感あるいはス
ペクトル増感することができる。
【0079】ハロゲン化銀乳剤層は前記親油化剤を含有
することが好ましい。ハロゲン化銀乳剤層の親水性コロ
イドとしてはゼラチンを用いることがハロゲン化銀粒子
を作成する際に好ましい。ゼラチンには酸処理ゼラチ
ン、アルカリ処理ゼラチン等各種ゼラチンを用いること
ができる。また、それらの修飾ゼラチン(例えばフタル
化ゼラチン、アミド化ゼラチンなど)も用いることがで
きる。また、更にポリビニルピロリドン、各種でんぷ
ん、アルブミン、ポリビニルアルコール、アラビアが
ム、ヒドロキシエチルセルロース、等の親水性高分子化
合物を含有させることができる。用いられる親水性コロ
イドとしては、現像後の剥離性を容易にするために実質
的に硬膜剤を含まない親水性コロイド層を用いることが
望ましい。
【0080】本発明に用いられるアルミニウム支持体は
粗面化され陽極酸化されたアルミニウム板であり、好ま
しくは米国特許第5,427,889号公報に記載され
ているものが用いられる。
【0081】本発明で用いられる物理現像核層の物理現
像核としては、公知の銀錯塩拡散転写法に用いられるも
のでよく、例えば金、銀等のコロイド、パラジウム、亜
鉛等の水溶性塩と硫化物を混合した金属硫化物などが使
用できる。保護コロイドとして各種親水性コロイドを用
いることもできる。これらの詳細及び製法については、
例えば、フォーカル・プレス、ロンドン ニューヨーク
(1972年)発行、アンドレ ロット及びエディス
ワイデ著、「フォトグラフィック・シルバー・ハライド
・ディヒュージョン・プロセシズ」を参照し得る。
【0082】本発明において、物理現像核層とハロゲン
化銀乳剤層の間に、特開平3−116151号公報記載
の水膨潤性中間層、同平4−282295号公報の疎水
性重合体ビーズを含有する中間層を設けてもよい。ま
た、ハロゲン化銀乳剤層の上に保護層を設けてもよい。
【0083】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明する。 実施例1 アルミニウム支持体の電解粗面化処理及び陽極酸化は米
国特許第5,427,889号公報に記載の方法に従っ
て、平均直径約5μmのプラト−上に直径0.03〜
0.30μmのピットを100μm2当たり約5,600
個有し、かつこれらのピットの平均直径が0.08μm
である厚さ0.30mmのアルミニウム板を得た。この
アルミ板は粗面化処理後に陽極酸化したものであり、平
均粗さ(Ra)は0.5〜0.6μmであった。
【0084】このアルミニウム支持体に硫化パラジウム
核液を塗布し、その後乾燥した。物理現像核層に含まれ
る核量は3mg/m2であった。
【0085】ハロゲン化銀乳剤として、保護コロイドと
して、アルカリ処理ゼラチンを用い、コントロールダブ
ルジェット法で平均粒径0.2μmの、ヘキサクロロイ
リジウム(IV)酸カリウムを銀1モル当り0.006m
molドープさせた塩ヨウ臭化銀乳剤(AgBr20モ
ル%、AgI0.4モル%)を作成した。更に、この乳
剤に硫黄金増感を施し、化39増感色素を銀1g当り3
mg用いて分光増感した。
【0086】
【化39】
【0087】このようにして作成したハロゲン化銀乳剤
に界面活性剤を加え、前記物理現像核が塗布されたアル
ミニウム支持体上に銀量が2g/m2(ゼラチン量3.5
g/m2)になるように塗布、乾燥して平版印刷材料を得
た。
【0088】上記平版印刷材料を633nmの赤色LD
レーザーを光源とする出力機で画像出力し、次に製版用
プロセッサー(デュポン社製SLT−85N自動現像
機)で処理して平版印刷版を作成した。製版用プロセッ
サーは、現像処理工程(21℃、15秒間浸漬)、水洗
処理工程(32℃の水洗液を10秒間シャワー噴射しな
がらスクラブローラで乳剤層を剥離する)、仕上げ処理
工程(21℃、5秒間シャワー)及び乾燥工程から構成
されている。現像処理工程は現像槽に貯溜した30リッ
トルの現像液中に平版印刷材料を浸漬させて現像し、水
洗処理工程は、貯溜タンクに貯溜した30リットルの水
洗液をポンプで循環させて平版印刷版上にシャワー噴射
した後、貯溜タンクに回収し、再度使用する機構になっ
ている。仕上げ処理工程は、貯溜タンクに10リットル
の仕上げ液を貯溜する以外は水洗処理工程と同様な構成
になっている。ランニング処理中には現像液は液面補充
し、水洗液及び仕上げ液は補充しなかった。この処理条
件で平版印刷材料を100m2処理した。
【0089】処理に用いた現像液、水洗液及び仕上げ液
を以下に示す。 <現像液> 水酸化ナトリウム 20g ハイドロキノン 20g 1−フェニル−3ピラゾリジノン 2g 無水亜硫酸ナトリウム 80g モノメチルエタノールアミン 6g 2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール 0.4g 無水チオ硫酸ナトリウム 6g エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩 5g ポリエチレングリコ−ル(平均分子量400) 10g 水を加えて全量を1000ccに調整する。pHは13.0に調整した。
【0090】 <水洗液A> 2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール 0.5g モノエタノールアミン 5g 第1燐酸カリウム 20g 亜硫酸ナトリウム 10g 水を加えて全量を1000ccに調整する。pHは6.0に調整した。
【0091】<水洗液B>上記水洗液Aに尿素を0.5
g加えた。
【0092】<水洗液C>上記水洗液Aに化3の化合物
を0.5g加えた。
【0093】<水洗液D>上記水洗液Aに化13の化合
物を0.5g加えた。
【0094】 <仕上げ液A> アラビアゴム 10g 2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール 0.4g 第1燐酸ナトリウム 10g 水を加えて全量を1000ccに調整する。pH6.0に調整した。
【0095】<仕上げ液B>前記仕上げ液Aにタンパク
質分解酵素(トリプシン)を10g加えた。
【0096】<仕上げ液C>仕上げ液Aに化16の化合
物を10g加えた。
【0097】<仕上げ液D>仕上げ液Aに化26の化合
物を10g加えた。
【0098】<仕上げ液E>仕上げ液Aに化29の化合
物を10g加えた。
【0099】<仕上げ液F>仕上げ液Aに化34の化合
物を10g加えた。
【0100】<仕上げ液G>仕上げ液Aに化37の化合
物を10g加えた。
【0101】<仕上げ液H>仕上げ液Aに化16の化合
物を1gと、化29の 化合物を9g加えた。
【0102】上記記載の方法で製版された平版印刷版の
内、1版目、50m2処理後、及び100m2処理後の平版
印刷版について、印刷機ハイデルベルグTOK(Heidel
berg社製オフセット印刷機の商標)、インキ(大日本イ
ンキ株製のニューチャンピオン墨H)及び市販のPS版
用給湿液を用いて印刷を行い、印刷開始時のインキ受理
性(インキ乗り)を評価した。インキ受理性は印刷開始
後、画像の濃度の変化の起きなくなる迄の枚数で評価し
た。その結果を表1に示す。
【0103】
【表1】
【0104】上記結果から明らかなように、本発明の製
版方法は従来の方法に比べ、インキ受理性が向上する。
特に、ランニング処理で、比較は大幅にインキ受理性が
低下しているのに、本発明はほとんど低下せず、高いイ
ンキ受理性を維持している。特に、水洗液に尿素を含有
させ、仕上げ液に本発明の界面活性剤を含有させること
によって、更にインキ受理性が向上し、ランニング処理
安定性が向上する。特に、仕上げ液にポリオキシエチレ
ンソルビタン脂肪酸エステルと、プロピレンオキシ基と
エチレンオキシ基を有するアミン化合物を組み合わせて
用いることによって、優れた効果を発現する。
【0105】
【発明の効果】本発明の製版方法を用いることによっ
て、インキ受理性が向上し、特にランニング処理時に安
定した高いインキ受理性を維持できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム支持体とハロゲン化銀乳剤
    層の間に物理現像核を有する平版印刷材料に、露光後少
    なくとも現像液、水洗液、及び仕上げ液の順で処理を施
    す平版印刷版の製版方法において、前記水洗液が尿素も
    しくはその誘導体を含有することを特徴とする平版印刷
    版の製版方法。
  2. 【請求項2】 前記少なくとも1つの処理液にエチレン
    オキシ基を有する界面活性剤を含有する請求項1に記載
    の平版印刷版の製版方法。
  3. 【請求項3】 前記界面活性剤がポリオキシエチレンソ
    ルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビッ
    ト脂肪酸エステル、プロピレンオキシ基とエチレンオキ
    シ基を有するアミン化合物、プロピレンオキシ基とエチ
    レンオキシ基を有する脂肪酸アミド化合物及びプロピレ
    ンオキシ基とエチレンオキシ基を有する4級アンモニウ
    ム化合物の中から選ばれる少なくとも1つである請求項
    2に記載の平版印刷版の製版方法。
  4. 【請求項4】 前記仕上げ液がポリオキシエチレンソル
    ビタン脂肪酸エステルと、プロピレンオキシ基とエチレ
    ンオキシ基を有するアミン化合物を含有する請求項3に
    記載の平版印刷版の製版方法。
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