JPH11183636A - 地中隠蔽物の検出装置 - Google Patents

地中隠蔽物の検出装置

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JPH11183636A
JPH11183636A JP9358143A JP35814397A JPH11183636A JP H11183636 A JPH11183636 A JP H11183636A JP 9358143 A JP9358143 A JP 9358143A JP 35814397 A JP35814397 A JP 35814397A JP H11183636 A JPH11183636 A JP H11183636A
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transmission
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Hiromasa Nakauchi
啓雅 中内
Masaru Tsunasaki
勝 綱崎
Masaki Kishi
雅樹 岸
Ikuo Arai
郁男 荒井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アンテナ体の送信効率および受信効率を高め
ることができる地中隠蔽物の検出装置を提供すること。 【解決手段】 土壌中を推進する推進体2の先端部に設
けられ、電磁波を送信するとともに隠蔽物にて反射した
電磁波を受信するアンテナ体14と、アンテナ体14に
より受信した受信電磁波を処理して隠蔽物の埋設位置を
検出するための信号処理手段とを具備する地中蔽物の検
出装置。アンテナ体14はボータイ型のアンテナを有
し、アンテナに装荷される複数個の抵抗の合成抵抗値が
20〜100Ωである。アンテナは誘電体基盤とこの誘
電体基盤の表面に設けられたアンテナエレメントから構
成され、誘電体基盤は比誘電率が5〜81の材料から形
成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁波を利用して
既に地中に存在する隠蔽物を検出する地中隠蔽物の検出
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、特願平9−65066号に
おいて、地中推進工法による障害物の検出装置を提案し
た。この提案した装置は、土壌中を推進する推進体を備
えている。この推進体は推進体本体を有し、推進体本体
の先端に推進先端部が装着されている。推進先端部には
土壌を掘削するための刃物が設けられ、また刃物の近傍
には前方に向けて開口する吐出孔が設けられ、この吐出
孔を通してベンナイト泥水が供給される。また、推進体
に関連して駆動手段が設けられ、この駆動手段は推進体
を所定方向に回転駆動するとともに推進体を土壌中に押
込み駆動する。したがって、駆動手段によって推進体が
回転駆動されるとともに推進方向の力が加えられると、
それに装着された刃物は土壌を掘削し、推進体は土壌中
を掘削しながら前進する。
【0003】このような推進体には、ガス管等の地中隠
蔽物を検出するための地中隠蔽物の検出装置が装備され
ている。この検出装置は、電磁波を送信する送信アンテ
ナと隠蔽物からの反射電磁波を受信するための受信アン
テナと、受信アンテナにより受信した電磁波を処理する
信号処理手段とを備えており、受信電磁波を信号処理手
段でもって所要のとおりに処理することによって地中に
埋設されている隠蔽物の位置が検出される。そして、こ
のようにして地中隠蔽物の位置を検出することによっ
て、地中隠蔽物を回避するように推進体が推進すること
ができ、これによって掘進作業時における地中隠蔽物の
破損を防止することができる。なお、送信アンテナと受
信アンテナは別個のアンテナから構成することもできる
が、共通のアンテナから構成して作動時間を区別するこ
とによって送信アンテナおよび受信アンテナと機能させ
ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この提案した検出装置
では、次のとおりの解決すべき問題が存在する。第1
に、送信アンテナおよび受信アンテナからなるアンテナ
体の合成抵抗値が比較的大きい値に設定されており、そ
れ故に、アンテナ体の合成抵抗値と推進体によって掘削
する土壌とのインピーダンス値とが相違し、このことに
起因して、送信アンテナの送信効率および受信アンテナ
の受信効率が低くなり、地中隠蔽物の位置検出精度が低
下する。
【0005】第2に、アンテナ体は、プレート状の誘電
体基盤と、この誘電体基盤の表面に設けられたアンテナ
エレメントを有し、誘電体基盤が土壌に接触するよう
に、換言するとアンテナエレメントが内側となるように
推進回転体に取付けられる。ところが、提案した検出装
置では、誘電体基盤の比誘電率が比較的小さく、それ故
に、誘電体基盤の比誘電率と推進体によって掘削する土
壌の比誘電率とが相違し、このことに起因して、送信ア
ンテナから誘電体基盤を通して送信される電磁波の一部
が土壌との境界面にて反射し、また土壌中からの反射電
磁波の一部が誘電体基盤を通して受信アンテナに受信さ
れる際に誘電体基盤との境界面にて反射し、送信アンテ
ナの送信効率および受信アンテナの受信効率が低くな
り、地中隠蔽物の位置検出精度が低下する。
【0006】第3に、提案した検出装置は、受信した電
磁波を増幅するための高周波増幅器等を備えているが、
この高周波発生器等がアンテナ体とは離れた部位に配置
され、アンテナ体と高周波増幅器とがケーブルを介して
電気的に接続されている。それ故に、この接続用のケー
ブルにおいてノイズを受信したり、ケーブル内にて多重
反射が発生し、地中隠蔽物を検出するための信号にノイ
ズ成分が含まれ、このことによっても地中隠蔽物の位置
検出の精度が低下する。
【0007】本発明の目的は、アンテナ体の送信効率お
よび受信効率を高めることができる地中隠蔽物の検出装
置を提供することである。
【0008】本発明の他の目的は、アンテナ体と掘削す
る土壌との境界面における電磁波の反射を少なくするこ
とができる地中隠蔽物の検出装置を提供することであ
る。
【0009】本発明のさらに他の目的は、地中隠蔽物を
検出するための信号に含まれるノイズ成分を少なくする
ことができる地中隠蔽物の検出装置を提供することであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、土壌中を推進
する推進体の先端部に設けられ、電磁波を送信するとと
もに隠蔽物にて反射した電磁波を受信するアンテナ体
と、前記アンテナ体により受信した受信電磁波を処理し
て隠蔽物の埋設位置を検出するための信号処理手段とを
具備する地中隠蔽物の検出装置において、前記アンテナ
体はボータイ型のアンテナを有し、前記アンテナに装荷
される複数個の抵抗の合成抵抗値が20〜100Ωであ
ることを特徴とする地中隠蔽物の検出装置である。
【0011】本発明に従えば、アンテナ体がボータイ型
のアンテナから構成され、このアンテナ体に装荷される
複数個の抵抗の合成抵抗値が20〜100Ωであるの
で、アンテナ体の合成抵抗値と推進体によって掘削され
る土壌のインピーダンス値とがほぼ等しくなり、これに
よってアンテナ体と土壌との間の電磁波の送信効率およ
び受信効率を高めることができる。
【0012】また本発明は、前記アンテナは、誘電体基
盤と、この誘電体基盤の表面に設けられたアンテナエレ
メントから構成され、前記誘電体基盤の比誘電率rが5
〜81(5≦r≦81)であることを特徴とする。
【0013】本発明に従えば、アンテナ体の誘電体基盤
の比誘電率が5〜81であるので、誘電体基盤の比誘電
率と推進体が掘削する土壌の比誘電率とがほぼ等しくな
り、これによって誘電体基盤と土壌との境界面における
電磁波の反射が抑えられ、電磁波の伝達を効率よく行う
ことができる。
【0014】また本発明は、前記誘電体基盤の比誘電率
rが10〜30(10≦r≦30)であることを特徴と
する。
【0015】本発明に従えば、誘電体基盤の比誘電率が
10〜30であるので、この比誘電率はたとえばベンナ
イト泥水を噴出しながら土壌を掘進する場合における土
壌の比誘電率と実質上等しくなり、これによって誘電体
基盤と土壌との境界面における電磁波の反射を大幅に抑
えることができる。
【0016】また本発明は、前記アンテナ体は、前記ア
ンテナを収容するためのアンテナハウジングを有し、前
記アンテナハウジングと前記アンテナの前記アンテナエ
レメントとの間に、比誘電率rが2〜5(2≦r≦5)
である中間体が介在されていることを特徴とする。
【0017】本発明に従えば、アンテナハウジングとア
ンテナエレメントとの間に比誘電率が2〜5である中間
体が介在されているので、この中間体によってアンテナ
エレメントから送信される電磁波の共振を抑えることが
でき、地中隠蔽物を検出するための電磁波として広い周
波数帯をカバーすることができ、送信および受信する電
磁波の広帯域化を図ることができる。
【0018】また本発明は、電磁波を発生するための送
信パルス信号を前記アンテナ体に送給するための送信パ
ルス発生器をさらに備え、前記送信パルス発生器が前記
アンテナハウジングに直接的に取付けられていることを
特徴とする。
【0019】本発明に従えば、送信パルス発生器がアン
テナハウジングに直接的に取付けられているので、送信
パルス発生器とアンテナ体との間を電気的に接続するた
めのケーブルを実質上省略することができ、このことに
関連して、地中隠蔽物を検出するための信号に含まれる
ノイズ成分を少なくすることができる。
【0020】さらに本発明は、前記アンテナ体にて受信
した受信電磁波を増幅するための高周波増幅器をさらに
備え、前記高周波増幅器が前記アンテナハウジングに直
接的に取付けられていることを特徴とする。
【0021】本発明に従えば、高周波増幅器がアンテナ
ハウジングに直接的に設けられているので、高周波増幅
器とアンテナ体との間を電気的に接続するためのケーブ
ルを実質上省略することができ、このことに関連しても
地中隠蔽物を検出するための信号に含まれるノイズ成分
を少なくすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に従う地中隠蔽物の検出装置の一実施形態について説
明する。図1は、本発明に従う地中隠蔽物の検出装置の
一実施形態を装備した推進体のの要部を示す部分断面図
であり、図2は、図1の推進体に装備された検出装置の
回路系を簡略的に示すブロック図である。
【0023】図1において、図示の推進体2は、土壌中
を推進する推進体本体4と、この推進体本体4の先端に
装着された推進先端部6とを備えている。推進体2は、
たとえば地面に形成された発進立坑(図示せず)から土
壌中に推進される。この推進体2に関連して、発進立坑
には油圧モータの如き駆動手段(図示せず)が設けられ
る。この駆動手段は、推進体2に駆動連結され、推進体
2を所定方向に回転駆動するとともに、推進体2を土壌
中に押込み駆動する。
【0024】この推進体2は、推進先端部6を発進立坑
から土壌中に貫入し、推進体本体4の一部を構成する推
進管を継足しながら圧入し、掘削しながら前進する。推
進先端部6の前端部からは、たとえばベンナイト泥水を
噴射し、推進先端部6による掘削を容易にするととも
に、推進先端部6により形成された孔壁を安定化させ
る。このような推進体2では、図1に示すとおり、推進
先端部6の前端部に、推進体2の中心軸線8に対して傾
斜した、すなわち推進先端部6の後側に向けて外側に傾
斜した傾斜面10が設けられており、したがってこの推
進体2を回転駆動しながら推進方向に押込むことによっ
て図1において左方に直進させることができ、また推進
体2を回転駆動することなく押込むことによって湾曲さ
せて図1において左方に移動させることができ、このよ
うに推進させることによって、推進体2は、ガス管等の
地中隠蔽物(図示せず)を回避して土壌中を掘進するこ
とができる。
【0025】このようにして推進体2によって土壌中に
孔を形成し、その後、たとえばガス管等の埋設部材(図
示せず)を敷設する。すなわち、推進体2によってたと
えば到達立孔まで孔を形成し、この到達立孔で推進体2
を取外し、敷設する埋設部材の外径に対応した拡孔リー
マを取付け、しかる後、敷設する埋設部材を接続し、拡
孔リーマからベンナイト泥水を再噴射しながら所要の口
径に拡げつつ推進管を引戻し、発進立孔まで埋設部材を
引込んで埋設部材の敷設作業を終了する。
【0026】このような推進体2の推進先端部6には、
上記傾斜面10に対応して取付け座12が設けられ、こ
の取付け座12にアンテナ体14が取付けられている。
アンテナ体14は、推進体2の中心軸線8に対して傾斜
した取付け座12に固定されているので、推進体2が回
転駆動されると、推進方向前方の比較的広い範囲に向け
て電磁波を発信し、したがってこの範囲に存在する地中
隠蔽物を探知することができる。アンテナ体14の構成
については後述する。
【0027】推進先端部6の前面、この実施形態では取
付け座12の近傍に、土壌を掘削するための刃物16が
固定されており、またこの刃物16の近傍に前方に向け
て開口する吐出孔18が形成されている。この吐出孔1
8には、管路20を介して掘進時のベンナイト泥水等が
圧送される。
【0028】管路20は管継手22を介して推進体本体
4内の管路24に接続される。この推進先端部6と推進
体本体4とには、電源ライン28,30と、信号ライン
32,34がそれぞれ対応して設けられる。
【0029】この推進体2には、図2に示す検出装置が
装備されている。図示の検出装置は、発振器52および
送信パルス発生器54を備えている。発信器52は、た
とえば水晶発振器から構成され、所定周波数の発信信号
P1を生成する。この発信器52からの発信信号P1
は、たとえばサイン波でよい(図3参照)。発信器52
として水晶発振器を用いることによって、発信信号の周
波数を安定させることができ、また高周波の発信信号の
ピーク値をたとえば3V程度にすることができる。地中
隠蔽物、たとえば地中に埋設されたガス管等を高速でか
つ高精度で検出するためには、この発信信号P1の周波
数は大きい程望ましく、たとえば1メガヘルツ(MH
z)以上に設定するのが好ましい。発信器52からの発
信信号P1は送信パルス発信器54に送給され、送信パ
ルス発生器54は、発信信号P1がゼロ点から立上がっ
て所定値V1になると送信パルス信号P4を発生する
(図3参照)。したがって、送信パルス発生器54によ
って発生される送信パルス信号P4は、上記発信信号の
立上がりのゼロ点から時間T1遅れて発生される。
【0030】この検出装置は、また、アンテナ体14を
含んでいる。この実施形態のアンテナ体14はアンテナ
筐体を備え、このアンテナ筐体に送信アンテナ56と受
信アンテナ58が設けられている。送信パルス発生器5
4からの送信パルス信号は送信アンテナ56に送給さ
れ、送信アンテナ56はこの送信パルス信号に基づいて
探知用電磁波を地中隠蔽物(図示せず)に向けて発信す
る。また、受信アンテナ58は、送信アンテナ56から
発信された後地中隠蔽物によって反射された電磁波を受
信する。送信アンテナ56および受信アンテナ58は、
実質上同一の構成のボータイ型のアンテナから構成さ
れ、平面的または立体的形態のものでよい(図4参
照)。この実施形態では、アンテナ体14は、別個の専
用の送信アンテナ56および受信アンテナ58から構成
しているが、共通の兼用アンテナから構成し、この兼用
アンテナの作動時間を区別することによって送信アンテ
ナおよび受信アンテナの双方の機能を持たせることもで
きる。
【0031】この検出装置は、さらに、高周波増幅器6
0およびサンプリング手段62を備えている。受信アン
テナ58にて受信された受信信号P5は、高周波増幅器
60に送給される。受信アンテナ58の受信信号P5
は、地中隠蔽物から反射された電磁波の受信信号である
ので、送信パルス信号よりも時間遅れの信号となり(図
3参照)、この時間遅れT2は、送信アンテナ56およ
び受信アンテナ58と地中隠蔽管との距離が大きい程長
くなる。高周波増幅器60は、受信アンテナ58からの
受信信号を高周波増幅し、増幅した受信信号をサンプリ
ング手段62に送給する。
【0032】発信器52からの発信信号は、移相手段6
4に送給される。図示の移相手段64は移相回路電圧制
御手段66と電圧可変移相回路68から構成されてい
る。移相回路電圧制御回路から構成される移相回路電圧
制御手段66は、電圧可変移相回路68に供給される電
圧を変化させる。また、電圧可変移相回路68は、移相
回路電圧制御手段66からの制御電圧に基づいて上記発
信信号の移相を可変とする。すなわち、電圧可変移相回
路68は、移相回路電圧制御手段66からの制御電圧が
たとえば大きくなるにしたがって上記発信信号の遅れを
大きくし(換言すると、遅延時間を長くする)、一方移
相回路電圧制御手段66からの制御電圧がたとえば小さ
くなるにしたがって上記発信信号の遅れを小さくする
(換言すると、遅延時間を短くする)。このような電圧
可変移相回路68として、たとえば、30〜200pF
程度のバリキャップを5個程度を組込んだ回路を用いる
ことができ、このような回路において電圧をたとえば0
〜5V変化させることによって上記発信信号P1の位相
をたとえば0〜60×10-9秒(0〜60ns)遅らせ
ることができる。上述したバリキャップを用いた回路
は、回路の温度特性が良好であり、温度が変化してもそ
の特性が安定しており、移相手段64から出力される移
相信号のゼロ点の変動を少なくすることができる。
【0033】この移相手段64は、上述したとおりにし
て移相信号P2(図3参照)を生成する。この移相信号
P2は、上記発信信号P1から所定時間T位相が遅れた
信号となり、電圧可変移相回路68に供給される制御電
圧を変化させることによって発信信号P1との位相遅れ
時間が制御される。このような移相信号P2の遅延量
は、発信信号P1の発信周波数とも関連するが、1〜1
000nsの適宜の範囲に設定するのが望ましい。
【0034】移相手段64からの移相信号P2はパルス
化回路70に送給され、このパルス化回路70によって
移相信号P2がパルス化される。パルス化された移相信
号は、その後サンプリングパルス発生器72に送給さ
れ、サンプリングパルス発生器72は、送給された移相
信号に基づいて、この実施形態では移相手段64からの
移相信号P2の出力値が所定値V2になるとサンプリン
グパルス信号P3(図3)を生成する。すなわち、サン
プリングパルス発生器72は、図3に示すとおり、移相
信号P2の立上がりのゼロ点の時点から所定値V2にな
るとサンプリングパルス信号P3を生成し、このサンプ
リングパルス信号P3をサンプリング手段62に送給す
る。サンプリングパルス発生器72にて生成されるサン
プリングパルス信号は非常に短く設定される。サンプリ
ングパルス発生器72からのサンプリングパルス信号P
3はサンプリング手段62のゲート信号として機能し、
サンプリング回路から構成されるサンプリング手段62
は、サンプリングパルス発生器72からのサンプリング
パルス信号P3が送給されると、受信アンテナ58が受
信した受信信号を取入れて信号処理手段74に送給す
る。
【0035】この実施形態では、発信信号P1の周波数
はたとえば20MHzに設定され、その周期は50ns
である。このような場合、たとえば312.5μsに設
定される第1計測期間の間、移相手段64は発信信号P
1から所定時間T位相が遅れた移相信号Pを生成し、か
かる移相信号P2に基づいてサンプリングパルス発生器
72は6250個のサンプリングパルス信号P3を生成
する。したがって、第1計測期間においては、サンプリ
ング手段62は受信アンテナ58の受信信号を上記サン
プリングパルス信号P3に基づいて6250回測定し、
これら測定したサンプリング信号P6(図3)を信号処
理手段74に送給する。信号処理手段74は、積分回路
およびメモリを含んでおり、このような第1計測期間に
おけるサンプリング信号P6を積分回路によって積分処
理し、積分処理された積分値がメモリに記憶される。こ
のように多数回測定した測定値を積分処理することによ
ってノイズ成分を低減して高精度な測定が可能となる。
第1計測期間が終了すると、移相回路電圧制御手段66
は電圧可変移相回路68に供給される電圧をたとえば幾
分大きくし、これによって移相手段64からの移相信号
P2は発信信号P1から時間(T+ΔT)位相が遅れた
ものとなる。第1計測期間に続く次の312.5μsの
第2計測期間の間、移相手段64は、発信信号P1から
時間(T+ΔT)位相が遅れた移相信号Pを生成し、か
かる移相信号P2に基づいてサンプリングパルス発生器
72は、第1計測期間と同様に6250個のサンプリン
グパルス信号P3を生成する。なお、順次遅らせる時間
ΔTは、たとえば0.117nsに設定される。第2計
測期間においても同様に、サンプリング手段62は受信
アンテナ58の受信信号を上記サンプリングパルス信号
P3に基づいて6250回計測し、これら計測したサン
プリング信号P6(図3)を信号処理手段74に送給す
る。信号処理手段74は、次に、第2計測期間における
サンプリング信号P6を積分回路によって積分処理し、
積分処理された積分値がメモリ75に記憶される。
【0036】この実施形態では、図3に示すとおり、計
測の1サイクルが80msに設定されており、したがっ
て第1計測期間の計測開始から上述した各計測期間の計
測が80msに達するまで遂行され、その間、移相手段
64は発信信号P1から順次ΔTずつ遅れた移相信号を
生成し、各計測期間毎のサンプリング信号P6が信号処
理手段74の積分回路によって積分処理され、積分処理
された各積分値がメモリにストアされる。なお、計測の
1サイクルの期間および各計測期間は、発信信号P1の
周波数等に応じて適宜設定することができる。
【0037】信号処理手段74は、メモリにストアされ
た1サイクル分の積分値をさらに積分処理し、低周波数
化して探知信号P7(図3)を生成する。このようにし
て得られた探知信号は、液晶表示装置等の表示手段76
に送給され、探知信号に含まれた埋設位置情報が表示手
段76に表示され、かくして操作者は表示手段76に表
示された検出情報を見ることによって隠蔽物の埋設位置
を容易に知ることができる。
【0038】このような検出装置では、たとえば、発信
器52、送信パルス発生器54、アンテナ体14、高周
波増幅器60、移相手段64、パルス化回路70、サン
プリングパルス発生器72およびサンプリング手段62
が推進体2に装備され、残りの信号処理手段74および
表示手段76が、たとえば発進立孔抗または地上に設け
られ、操作者は発進立抗内または地上にて表示手段76
に表示された地中隠蔽物の位置情報を見ることによって
推進体2を所望のとおりに掘進させることができる。
【0039】次に、図4および図5を参照して、図示の
アンテナ体14について説明する。図示のアンテナ体1
4は送信アンテナ56を含む送信アンテナ体82と受信
アンテナ58を含む受信アンテナ体84を備えている。
送信アンテナ体82および受信アンテナ体84は実質上
同一の構成であり、以下送信アンテナ体82(または受
信アンテナ体84)の構成について説明する。送信アン
テナ体82(または受信アンテナ体84)は略矩形状の
アンテナハウジング86を備え、アンテナハウジング8
6は底壁88と、この底壁88の縁部に設けられた4側
壁90を有し、これら底壁88および4側壁90によっ
て収容空間を規定している。送信アンテナ56(または
受信アンテナ58)は誘電体基盤92と、この誘電体基
盤92の表面に設けられたアンテナエレメント94から
構成されている。誘電体基盤92は矩形状に形成され、
図5に示すとおり、アンテナハウジング86の収容空間
の開口部に配設され、この誘電体基盤92の外面が、推
進体2が掘進する土壌に接触する。この誘電体基盤92
は比誘電率rが5〜81(5≦r≦81)の材料から形
成するのが好ましく、その比誘電率rが10〜30(1
0≦r≦30)の材料から形成するのが一層望ましい。
このような比誘電率を有する材料としては、たとえばア
ルミナ系、チタン系のセラミックを用いることができ
る。誘電体基盤92として比誘電率rが5〜81の材料
を用いることによって、誘電体基盤92の比誘電率を推
進体2が掘進する各種土壌の比誘電率とほぼ等しくする
ことができ、これによって誘電体基盤92と土壌との境
界面における電磁波の反射を抑えることができ、電磁波
の送信アンテナ56から土壌中(または土壌中から受信
アンテナ58)への伝達効率を高めることができる。特
に、誘電体基盤92として比誘電率rが10〜30の材
料を用いることによって、誘電体基盤92の比誘電率
を、ベンナイト泥水を噴出しながら掘進する場合におけ
る土壌の比誘電率と実質上等しくすることができ、これ
によりベンナイト泥水を用いる場合における上記境界面
における電磁波の反射を大幅に抑えることができる。
【0040】アンテナエレメント94は、対向して配設
された略矩形状の一対の第1の部分96,97と、一対
の第1の部分96,97を囲むように設けられた第2の
部分98を有している。これら第1および第2の部分9
6,97,98は銅から形成され、誘電体基盤92の内
面(図5において上側の面)に設けられている。このよ
うなアンテナエレメント94はエッチング処理によって
形成することができる。
【0041】図示のアンテナエレメント94において
は、片方の第1の部分96と第2の部分98のこれに対
向する部位98aとの間に4個の抵抗100が電気的に
並列に接続されている。同様に、他方の第1の部分97
と第2の部分のこれに対向する部位98bとの間に4個
の抵抗102が電気的に並列に設けられている。また、
一対の第1の部分96,97の対向する部位にバランの
如きコネクタ99が電気的に接続され、送信パルス発生
器54からの送信パルス信号がコネクタ99を介して送
信アンテナ56のアンテナエレメント94に送給される
(または受信アンテナ58のアンテナエレメント94か
らの受信信号がコネクタ99を介して高周波増幅器60
に送給される。
【0042】この実施形態では、各抵抗100,102
の抵抗値Rは100Ωに設定されており、したがってア
ンテナエレメント94に装荷された抵抗100,102
の合成抵抗値RTは50Ωになる。このようにアンテナ
エレメント94に装荷される抵抗100,102の合成
抵抗値RTを50Ωに設定することによって、この合成
抵抗値RTがベンナイト泥水を噴出しながら掘進する場
合における土壌のインピーダンス値とが実質上等しくな
り、電磁波の送信アンテナ56から土壌中(土壌中から
受信アンテナ58)への送信効率(受信効率)を高める
ことができる。抵抗100,102の合成抵抗値RT
は、必ずしも50Ωに設定する必要はなく、この合成抵
抗値RTを20〜100Ωに設定することによって、土
壌のインピーダンス値とほぼ等しくなり、上述したと同
様の所望の効果を達成することができる。
【0043】アンテナハウジング86の底壁88と誘電
体基盤92およびアンテナエレメント94との間の収容
空間には、中間体104が介在されている。この中間体
104は、比誘電率rが2〜5である材料、たとえばゴ
ム、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(P
E)、ガラス繊維強化プラスチック(FRP)等から形
成することができ、かかる収容空間に充填される。この
ような材料からなる中間体104を介在させることによ
って、電磁波の送信、受信時に発生するアンテナエレメ
ント94の共振(特にアンテナエレメント94の角部に
おいて発生し易い)を抑えることができ、地中隠蔽物を
探知する際に用いる電磁波のより広帯域化を図ることが
できる。
【0044】この実施形態では、さらに、アンテナハウ
ジング86の底壁88と中間体104との間に電磁シー
ルド部材106が設けられている。電磁シールド部材1
06は、たとえばフェライトから形成され、外部からの
電磁波が底壁88を通して送信アンテナ56(または受
信アンテナ58)に受信さることを防止し、これによっ
て受信アンテナ58の受信信号に含まれるノイズ成分の
低減を図ることができる。
【0045】図示の実施形態では、さらに、送信アンテ
ナ体82のアンテナハウジング86の底壁88には送信
パルス発生器54が取付けられ、受信アンテナ体84の
アンテナハウジング86には高周波増幅器60が取付け
られている。図5に示すように、送信アンテナ体82の
アンテナハウジング86の底壁88の外面には、送信パ
ルス発生器54がたとえば取付ねじ(図示せず)によっ
て固定され、この送信パルス発生器54がリード線10
8を介して送信アンテナ体82のコネクタ99に電気的
に接続されている。このように送信パルス発生器54を
取付けることによって、送信パルス発生器54と送信ア
ンテナ56とを電気的に接続する電気的コードを省略す
ることができる。また、受信アンテナ58に関連して、
受信アンテナ体84のアンテナハウジング86の底壁8
8の外面には、高周波増幅器60がたとえば取付ねじ
(図示せず)によって固定され、受信アンテナ体84の
コネクタ99がリード線108を介して高周波増幅器6
0に電気的に接続されている。このように高周波増幅器
60を取付けることによって、受信アンテナ58と高周
波増幅器60とを電気的に接続する電気的コードを省略
することができる。このように送信パルス発生器54お
よび高周波増幅器60を取付けることによって、検出装
置の回路構成を簡略化することができるとともに、受信
アンテナ58の受信信号に含まれるノイズ成分をさらに
低減することができる。なお、送信アンテナ体82およ
び受信アンテナ体84のアンテナハウジングおよび誘電
体基盤を共通のものから構成し、共通の誘電体基盤の表
面に送信アンテナ56と受信アンテナ58のアンテナエ
レメント94を設けるようにすることもできる。
【0046】上述した実施形態では、送信アンテナ56
と受信アンテナ58とを別個のアンテナから構成してい
るが、兼用のアンテナから構成した場合、アンテナ体の
アンテナハウジングは兼用のハウジングとなり、送信パ
ルス発生器54および高周波増幅器60はこの共通のア
ンテナハウジングに取付けられる。
【0047】上述した構成のアンテナ体は、上述した回
路構成の検出装置に代えて、たとえば、図6に示す検出
装置にも同様に用いることができる。検出装置の他の実
施形態を簡略的に示す図6を参照して、図示の検出装置
は、可変周期発信器202、固定遅延回路204、送信
器206および送信アンテナ208を備えている。可変
周期発信器202は、電圧制御発信回路(略称VCO)
を含み、最初の周期に各回毎に少量時間Δtずつ順次に
伸張した可変周期をもつパルス信号をを生成し、この可
変周期パルス信号を可変周期信号として固定遅延回路2
04に送給する。この可変周期信号は、また、後述する
相関信号発生器に送給される。固定遅延回路204は、
上記可変周期信号を所定の固定遅延量だけ遅延させた固
定遅延信号を生成し、この固定遅延信号を送信器206
に送給する。送信器206は、固定遅延信号に基づいて
送信信号を生成し、この送信信号を送信アンテナ208
に送給する。送信アンテナ208は、送信信号に基づい
て電磁波を生成し、この電磁波を地中に存在する地中隠
蔽物に向けて発信する。
【0048】この検出装置は、また、受信アンテナ21
0、高周波増幅器212、相関信号発生器214および
信号処理手段216を含んでいる。受信アンテナ210
は、送信アンテナ208から送信され、地中隠蔽物にて
反射された電磁波を受信し、受信信号を高周波増幅器2
12に送給する。高周波増幅器212は、上記受信信号
を増幅する。相関信号発生器214には、可変周期発生
器202からの可変周期信号毎に所定時間長のモノサイ
クル波形による約束波形の信号を相関信号として生成
し、この相関信号を信号処理手段216に送給する。信
号処理手段216は掛算回路、積分回路および増幅回路
を含んでいる。掛算回路は、高周波増幅器40からの受
信信号と相関信号発生器14からの相関信号との各振幅
幅を掛算して掛算信号を生成し、また積分回路は、掛算
回路からの掛算信号を積分処理して積分信号を生成
し、、また増幅回路は上記積分信号を増幅して増幅信号
を生成する。信号処理手段16は、さらに、上記増幅信
号に相関検出処理とパルス圧縮処理を施して探知信号を
生成する。この探知信号は、障害物の埋設位置情報を含
んでおり、この探知信号を利用することによって表示手
段18に障害物の埋設位置を表示することができる。
【0049】このような検出装置における送信アンテナ
208および受信アンテナ210として上述したボータ
イ型のアンテナ体を用いることができ、このアンテナ体
を用いることによって上述したと同様の効果を達成する
ことができる。かかる場合、送信アンテナ体のアンテナ
ハウジングに送信器206が取付けられ、また受信アン
テナ体のアンテナハウジングに高周波増幅器212が取
付けられる。
【0050】実施例および比較例実施例として、図2に
示す構成の検出装置に図4および図5に示すアンテナ体
を組合わせてその効果を確認する実験を行った。なお、
実験の都合上、送信パルス発生器と送信アンテナとをケ
ーブルを介して接続し、また受信アンテナと高周波増幅
器とをケーブルを介して接続した。図7は、実験に用い
た検出装置の回路構成を簡略的に示している。この回路
構成では、検出装置のコントローラaの送信端子部に第
1補正ケーブルcを介して第1のアッテネータbを接続
し、この第1アッテネータbにアンテナ体dの送信アン
テナTxを接続した。第1のアッテネータbの減衰値を
6dBに設定し、第1補正ケーブルcの長さを25cm
に設定した。また、アンテナ体dの受信アンテナRxに
第2補正ケーブルeを介して第2のアッテネータfを接
続し、この第2のアッテネータfを検出装置のコントロ
ーラaの受信端子部に接続した。第2のアッテネータf
の減衰値を6dBに設定し、第2補正ケーブルeの長さ
を25cmに設定した。
【0051】このような検出装置を用いて、次のとおり
の土槽実験を行った。用いた土槽は、図8に示すとおり
であり、土槽内に真砂土gを充填し、その内部に検出装
置のアンテナ体dを位置付けた。土槽の下部には直径2
インチの塩化ビニル管hを水平に配置し、この塩化ビニ
ル管hの内部に直径1インチの鋼管iを挿入した。この
ような状態にて、真砂土の中に、まず、鋼管iとの間隔
Lが50cmとなるようにアンテナ体dを位置付け、し
かる後このアンテナ体dを鋼管iに近づく方向に真砂土
中を上記間隔Lが10cmとなる位置まで下方に移動さ
せ、このようにして鋼管iの探索を行った。実施例とし
て、送信アンテナTxおよび受信アンテナRxには、そ
れぞれ、合成抵抗値が50Ωである抵抗を装荷した。ま
た、誘電体基盤は、比誘電率が10である合成樹脂から
形成したものを用い、中間体は、誘電率が3であるゴム
材を充填して形成した。
【0052】上述した土槽実験により、図9に示す結果
が得られた。図9(a)は、鋼管iまでの距離Lが50
cmから10cmになるまで実施例のアンテナ体dを移
動させたときに得られた探索情報であり、検出装置の表
示手段に表示された画像である。図9(a)の縦軸は電
流波到達時間軸であり、横軸はアンテナ体dの最上面か
らの移動長さを示す距離軸であり、図9(a)において
左方に向けて斜め上方に延びる黒白の直線状のラインQ
1が鋼管iからの電波到達時間を示しており、このアン
テナ体dを少しずつ真砂土内に押込んでいくことによっ
て鋼管iまでの間隔Lが小さくなることを示している。
また、図9(b)は、図9(a)のラインL0、すなわ
ちアンテナ体dから鋼管iまでの距離が30cmである
地点における信号波形を切出してその振幅を示したもの
である。図9(b)の信号波形における高い部分が図9
(a)における白いラインに対応し、図9(b)の信号
波形における低い部分が図9(a)における黒いライン
に対応する。これら図9(a)および(b)に示す実験
結果から、実施例のアンテナ体を用いた場合、大きい振
幅の受信信号を得ることができ、これによって、鋼管i
をより高精度に探知できることが判明した。
【0053】比較のために、実施例と同様の検出装置に
比較例のアンテナ体を組合わせて実施例と同様の上述し
た実験を行った。比較例のアンテナ体においては、送信
アンテナおよび受信アンテナには、それぞれ、合成抵抗
値が200Ωである抵抗を装荷した。また、誘電体基盤
は、比誘電率が3であるガラスエポキシ樹脂から形成し
たものを用い、中間体を充填しなかった。比較例のアン
テナ体を用いた場合、図10に示す実験結果が得られ
た。図10(a)は、鋼管iまでの距離Lが50cmか
ら10cmになるまで比較例のアンテナ体dを移動させ
たときに得られた探索情報であり、検出装置の表示手段
に表示された画像であって、実施例の図9(a)に対応
するものである。図10(a)においても左方に向けて
斜め上方に延びる黒白の直線状のラインQ2が鋼管iを
示すが、図9(a)の白黒のラインQ1と比較してその
濃度差が薄くなっている。また、図10(b)は、図1
0(a)のラインL0、すなわちアンテナ体dから鋼管
iまでの距離が30cmである地点における信号波形を
切出してその振幅を示したものであり、実施例の図9
(b)に対応するものである。図10(b)において
も、信号波形における高い部分が図10(a)における
白いラインに対応し、その低い部分が図10(a)にお
ける黒いラインに対応する。実施例の実験結果を示す図
9(a)および(b)と比較例の実験結果を示す図10
(a)および(b)とを比較することによって、実施例
のアンテナ体dの方が比較例のものよりも電磁波の反射
強度が大きく、受信信号の振幅(ピークピーク値)は、
実施例のもの方が比較例のものよりも約2倍程度大きく
なっている。また、バックグランドのノイズを考慮する
と、実施例のものは比較例のものに比してS/N比が約
10dB向上していることが判る。なお、S/N比は、 S/N=20log(ピークピーク値)−20log
(ノイズ成分の平均値) で求めた。
【0054】以上の実験結果から、実施例のアンテナ体
を用いた方が比較例のものを用いるよりもS/N比を向
上させることができ、地中隠蔽物をより高精度に探知で
きることが判明した。
【0055】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の検出装置によれ
ば、アンテナ体がボータイ型のアンテナから構成され、
このアンテナ体に装荷される複数個の抵抗の合成抵抗値
が20〜100Ωであるので、アンテナ体の合成抵抗値
と推進体によって掘削される土壌のインピーダンス値と
がほぼ等しくなり、これによってアンテナ体と土壌との
間の電磁波の送信効率および受信効率を高めることがで
きる。
【0056】また本発明の請求項2記載の検出装置によ
れば、アンテナ体の誘電体基盤の比誘電率が5〜81で
あるので、誘電体基盤の比誘電率と推進体が掘削する土
壌の比誘電率とがほぼ等しくなり、これによって誘電体
基盤と土壌との境界面における電磁波の反射が抑えら
れ、電磁波の伝達を効率よく行うことができる。
【0057】また本発明の請求項3記載の検出装置によ
れば、誘電体基盤の比誘電率が10〜30であるので、
この比誘電率はたとえばベンナイト泥水を噴出しながら
土壌を掘進する場合における土壌の比誘電率とが実質上
等しくなり、これによって誘電体基盤と土壌との境界面
における電磁波の反射を大幅に抑えることができる。
【0058】また本発明の請求項4記載の検出装置によ
れば、アンテナハウジングとアンテナエレメントとの間
に比誘電率が2〜5である中間体が介在されているの
で、この中間体によってアンテナエレメントから送信さ
れる電磁波の共振を抑えることができ、地中隠蔽物を検
出するための電磁波として広い周波数帯をカバーするこ
とができ、送受信する電磁波の広帯域化を図ることがで
きる。
【0059】また本発明の請求項5記載の検出装置によ
れば、送信パルス発生器がアンテナハウジングに直接的
に取付けられているので、送信パルス発生器とアンテナ
体との間を電気的に接続するためのケーブルを実質上省
略することができ、このことに関連して、地中隠蔽物を
検出するための信号に含まれるノイズ成分を少なくする
ことができる。
【0060】さらに本発明の請求項6記載の検出装置に
よれば、高周波増幅器がアンテナハウジングに直接的に
設けられているので、高周波増幅器とアンテナ体との間
を電気的に接続するためのケーブルを実質上省略するこ
とができ、このことに関連しても地中隠蔽物を検出する
ための信号に含まれるノイズ成分を少なくすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う地中隠蔽物の検出装置の一実施形
態を装備した推進体を、その一部を断面で示す断面図で
ある。
【図2】図1の推進体に装備された検出装置を簡略的に
示すブロック図である。
【図3】図2の検出装置の種々の構成要素において生成
される各種信号を示すタイムチャートである。
【図4】図2の検出装置のアンテナ体を示す断面図であ
る。
【図5】図4におけるV−V線による断面図である。
【図6】検出装置の他の実施形態を簡略的に示すブロッ
ク図である。
【図7】土槽実験を行うための土槽を簡略的に示す断面
図である。
【図8】実施例のアンテナ体を取付けた検出装置を用い
たシステムの回路構成を簡略的に示すブロック図であ
る。
【図9】図9(a)および(b)は、それぞれ、実施例
のアンテナ体を用いて行った土槽実験の結果を示す図で
ある。
【図10】図10(a)および(b)は、それぞれ、比
較例のアンテナ体を用いて行った土槽実験の結果を示す
図である。
【符号の説明】
2 推進体 4 推進体本体 14 アンテナ体 52 発信器 54 送信パルス発生器 56 送信アンテナ 58 受信アンテナ 60 高周波増幅器 62 サンプリング手段 64 移相手段 74 信号処理手段 76 表示手段 82 送信アンテナ体 84 受信アンテナ体 86 アンテナハウジング 92 誘電体基盤 94 アンテナエレメント 100,102 抵抗 104 中間体 208 送信アンテナ 210 受信アンテナ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒井 郁男 東京都世田谷区船橋1−48−31

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 土壌中を推進する推進体の先端部に設け
    られ、電磁波を送信するとともに隠蔽物にて反射した電
    磁波を受信するアンテナ体と、前記アンテナ体により受
    信した受信電磁波を処理して隠蔽物の埋設位置を検出す
    るための信号処理手段とを具備する地中隠蔽物の検出装
    置において、 前記アンテナ体はボータイ型のアンテナを有し、前記ア
    ンテナに装荷される複数個の抵抗の合成抵抗値が20〜
    100Ωであることを特徴とする地中隠蔽物の検出装
    置。
  2. 【請求項2】 前記アンテナは、誘電体基盤と、この誘
    電体基盤の表面に設けられたアンテナエレメントから構
    成され、前記誘電体基盤の比誘電率rが5〜81(5≦
    r≦81)であることを特徴とする請求項1記載の地中
    隠蔽物の検出装置。
  3. 【請求項3】 前記誘電体基盤の比誘電率rが10〜3
    0(10≦r≦30)であることを特徴とする請求項2
    記載の地中隠蔽物の検出装置。
  4. 【請求項4】 前記アンテナ体は、前記アンテナを収容
    するためのアンテナハウジングを有し、前記アンテナハ
    ウジングと前記アンテナの前記アンテナエレメントとの
    間に、比誘電率rが2〜5(2≦r≦5)である材料か
    ら形成された中間体が介在されていることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかに記載の地中隠蔽物の検出装
    置。
  5. 【請求項5】 電磁波を発生するための送信パルス信号
    を前記アンテナ体に送給するための送信パルス発生器を
    さらに備え、前記送信パルス発生器が前記アンテナハウ
    ジングに直接的に取付けられていることを特徴とする請
    求項4記載の地中隠蔽物の検出装置。
  6. 【請求項6】 前記アンテナ体にて受信した受信電磁波
    を増幅するための高周波増幅器をさらに備え、前記高周
    波増幅器が前記アンテナハウジングに直接的に取付けら
    れていることを特徴とする請求項4または5記載の地中
    隠蔽物の検出装置。
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