JPH11182711A - 摺接弁 - Google Patents
摺接弁Info
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- JPH11182711A JPH11182711A JP36555997A JP36555997A JPH11182711A JP H11182711 A JPH11182711 A JP H11182711A JP 36555997 A JP36555997 A JP 36555997A JP 36555997 A JP36555997 A JP 36555997A JP H11182711 A JPH11182711 A JP H11182711A
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Abstract
き、しかも、製造上の手間と、コストの少ない摺接弁を
提供する。 【解決手段】 互いに摺接される固定弁体50と可動弁
体60とを有し、固定弁体50に対して可動弁体60を
移動させることにより摺接面に開口する両弁体50、6
0の各流路(52、61等)の連通又は遮断を行う摺接
弁である。両弁体50、60とは別個の部材で構成され
ると共に固定弁体50又は可動弁体60の少なくとも一
方の流路(61等)の遮断側縁部68に配設されて各流
路(52、61等)の遮断間際の急激な流量減少を緩和
する緩和部73を備える。可動弁体60に組み付けられ
てこれを移動操作する操作部材70の一部を可動弁体6
0の流路(61等)に挿入し、この一部により緩和部7
3を構成してもよい。
Description
に、湯水混合水栓等の各種水栓に好適に用いられる摺接
弁に関する。
されると、水栓を止水状態にするものがある。かかる摺
接弁は、リフト弁、ねじ込み弁等の他の形式の弁に比べ
て、急激な開閉が行われ易い構造となっている。従っ
て、閉弁間際にはこの弁を通過する湯水の流量が急激に
減少し、開弁直後にはこの流量が急激に増加することが
ある。そして、この急激な流量変動を原因として、不快
な音や振動等を生ずること、即ち、「ウォーターハンマ
ー」と称される現象を生ずることがある。
するために、例えば、図8に示すように、摺接弁80を
構成する可動弁体81の摺接面82に、その弁体80の
流路83に連続する凹部84を設け、この摺接弁80の
閉弁直前及び開弁直後の暫くの間、固定弁体85の流路
86から可動弁体81の流路83へと、この凹部84を
通じて湯水を少量ずつ漏れ出させることが有効である。
ただし、この方策を用いる場合には、凹部84を高精度
に形成し、その流路抵抗を十分にコントロールすること
が必要となる。例えば、凹部84の深さ等に製作上の誤
差を生じ、流路抵抗にばらつきを生ずれば、この凹部8
4に沿って過不足の無い量の湯水を漏れ出させることは
困難であるからである。
85の素材としては、耐摩耗性を重視し、樹脂等の他の
素材に比べて成形の自由度や加工性の劣るセラミックス
等が用いられるのが一般的なため、高精度な凹部84を
備えた弁体81を作製することは必ずしも容易ではな
い。
造の最終段階で、摺接面にラッピング等の鏡面加工が施
されるのが一般的であるが、その加工量を厳密に制御す
ることは困難である。そして、目的の凹部84の深さ等
が元々微少であることと相まって、鏡面加工の加工量の
僅かなばらつきのために、この凹部84の深さ等が大き
くばらつくことがある。従って、高精度の凹部84を備
えた弁体81を作製するには、多くの手間と、コストが
必要となる。
材が用いられるのが一般的なため、弁体81の摺接面8
2に形成可能な凹部84の形状にも限界がある。従っ
て、凹部84の形状に工夫を凝らせば(複雑化等)、
「ウォーターハンマー」の発生をより確実に防止できる
にも係わらず、実際に形成可能な凹部84は単純形状に
止まることも考えられる。このように、摺接弁の閉弁直
前等の暫くの間において、この摺接弁を通過する湯水の
流量を絞り込むための部分、即ち、流量絞り部を、摺接
弁を構成する弁体に直接設けることには種々の問題点が
ある。
あり、摺接弁を構成する各弁体の少なくとも一方に、各
弁体とは別体の緩和部を付加することで、ウォーターハ
ンマーの発生を確実に防止でき、しかも、製造上の手間
と、コストの少ない摺接弁を提供することを目的とす
る。
いに摺接される固定弁体と可動弁体とを有し、固定弁体
に対して可動弁体を移動させることにより摺接面に開口
する固定弁体及び可動弁体の各流路の連通又は遮断を行
う摺接弁において、前記固定弁体又は可動弁体とは別個
の部材で構成されると共に前記固定弁体又は可動弁体の
少なくとも一方の流路の遮断側縁部に配設されて前記各
流路の遮断間際の急激な流量減少を緩和する緩和部を備
えたことを特徴とする。
の少なくとも一方)の流路の遮断側縁部に緩和部を配設
し、この流路の遮断側縁部近傍の流路深さの絞り込み等
を行う。そして、本摺接弁の閉弁直前及び開弁直後の暫
くの間は、この絞り込まれた部分、即ち、流量絞り部が
他の弁体の流路と連通する。このとき、流量絞り部の流
路抵抗が的確であれば、摺接弁を通過する湯水の流量が
適量(僅かに漏れ出る程度)に絞り込まれる。これによ
り、固定弁体及び可動弁体の各流路の遮断間際、即ち、
本摺接弁の閉弁間際にこの弁を通過する湯水の流量は、
この絞り込まれた流量を基準に緩やかに減少する。同様
に、各流路の連通直後、即ち、本摺接弁の開弁直後に、
この弁を通過する湯水の流量は、緩やかに増加する。
抵抗等)を大きく左右するのは緩和部の寸法精度や形状
等であるが、この緩和部を弁体とは別個に作製するた
め、その寸法精度を高めたり、所望の形状を得ることが
容易である。特に、緩和部を樹脂等の成形の自由度や加
工性の高い素材で構成すれば、緩和部の寸法精度と、形
状選択の自由度とがより一層高くなる。そして、簡便に
作製できる高性能な緩和部を所望の弁体の流路に入れ込
むだけで、的確な流路抵抗を備えた流量絞り部が得ら
れ、摺接弁の閉弁間際及び開弁直後の急激な流量変動が
防止される。このように、本発明によれば、ウォーター
ハンマーの発生を確実に防止できる摺接弁を少ない手間
とコストで得られる。
「不快な振動」等の発生を防止できると共に、この摺接
弁の配備された水栓の配管(水道管等)の的確な保護が
なされ、しかもこの摺接弁を操作するためのハンドル、
レバー等の操作感の向上(引っ掛かり感を低減させ
る。)を図ることができる。また、本摺接弁では、仮に
弁体の摺接面の鏡面加工にバラツキを生じても、取り扱
いの容易な緩和部の寸法調整等を行えば、十分な精度の
流量絞り部が得られる。
面ではなく、流路内に流量絞り部を設けるため、各摺接
面のシール性能に影響を与えない。即ち、摺接面に対し
て前述のような凹部84を設けると、摺接面のシール性
能が低下することがあるが、本摺接弁ではかかる事態を
生ずることはない。
は、この凹部84が有底であるため、ゴミ等の異物が一
旦浸入すると、停滞し、付着し易い。そして、この状態
で可動弁体81の回動等を行うと、この異物により固定
弁体85の摺接面87等に傷が付く恐れがある。このた
め、この異物をブラシ等で除去する必要があり面倒であ
る。また、この除去作業を慎重に行わなければ、ブラシ
等で可動弁体81の摺接面82に傷を付け、水漏れの原
因になることもある。一方、本摺接弁では、弁体より緩
和部を取り外して(但し、弁体に対して着脱可能とした
場合)、付着した異物を取り除けばよいため、この除去
作業が容易である。しかも、異物の多くは緩和部に付着
するものと考えられ、緩和部のみに除去作業を施せばよ
いため、弁体の摺接面に傷を付けることはない。また、
弁体の流路の内壁に異物が付着した場合にも、この内壁
のみに除去作業を施せばよいため、弁体の摺接面に傷を
付けることはない。
例示すると、「略小片状、略小塊状、略薄板状、略小柱
状等の種々の形状とされ、本摺接弁を構成する一方の弁
体(固定弁体又は可動弁体の少なくとも一方)の流路の
遮断側縁部に配設されると共に、他方の弁体の側を向い
た機能面を一方の弁体の摺接面に近接させ、一方の弁体
の流路の遮断側縁部近傍の流路深さを、この機能面と、
一方の弁体の摺接面との間隔に絞り込むようにした緩和
部」を挙げることができる。この場合、一方の弁体の摺
接面よりも流路内に段差状に後退した機能面により、流
量絞り部が形成され、摺接弁の閉弁直前及び開弁直後の
暫くの間、この機能面に沿って、固定弁の流路から可動
弁の流路へと、少量ずつの湯水を漏れ出させることにな
る。
しては、(1)回動のみを行う態様や(2)進退のみを
行う態様の他に、(3)回動と共に進退を行う態様等が
例示できる。また、本摺接弁は、少なくとも通水・止水
の選択機能を備えるものである。例えば、シングルレバ
ータイプやワンハンドルタイプの単水栓等に配備され、
単純に通水・止水の選択を行う摺接弁を例示できる。ま
た、種々のタイプの水栓に配備され、通水・止水の選択
及び流路の切換を行う摺接弁等を例示できる。更に、シ
ングルレバータイプの湯水混合水栓等に配備され、通水
・止水の選択及び湯水の混合調節、若しくはこれらと共
に流路切換を行う摺接弁を例示できる。
体と可動弁体の対応し合う各流路(連通可能な各流路)
の各周縁のうちで、摺接弁の閉弁を行う際に、互いに終
端として交差し合う側に位置する部分である。換言すれ
ば、摺接弁の開弁を行う際に、始端として互いに交差し
合う側に位置する部分である。そして、本発明では、緩
和部を両弁体の対応し合う各遮断側縁部のうちの一方に
配設しても、双方に配設してもよい。また、緩和部は、
対象となる弁体の流路に単に挿入されるものであって
も、この流路の内壁面等に固着(接着等)されるもので
あってもよい。
おいて、前記可動弁体に組み付けられて該可動弁体を移
動操作する操作部材の一部を、該可動弁体の流路に挿入
し、この操作部材の一部により前記緩和部を構成したこ
とを特徴としている。本発明によれば、操作部材の一部
を緩和部とするため、部品点数の減少が図られる。従っ
て、摺接弁の製造上の手間とコストをより一層少なくで
きる。尚、本発明の「操作部材の一部」とは、可動弁体
が操作軸(スピンドル等)や操作杆等に直接連結される
場合には、この操作軸等の一部を指し、可動弁体がこの
操作軸等に、操作部材の一部を構成する介在物(可動ブ
ロック等)等を介して間接的に連結される場合には、こ
の介在物等自体若しくはその一部を指す。
明する。本実施の形態では、本摺接弁の組み込まれた切
換弁カートリッジBの一具体例を説明する。この切換弁
カートリッジBは、所定の湯水混合水栓(図示を省略)
に配備されるものであり、図1に示すように、後方ハウ
ジング30と、前方ハウジング40と、固定弁体50
と、可動弁体60と、操作部材70とを備えている。
を用いて作製した一体成形品であり、略円筒状の外形を
備える。但し、前端部の2箇所からは、孔付きの係止腕
31を突出させている。また、後方ハウジング30の前
端部のうちで、各係止腕31の根元側に位置する箇所に
は略矩形状の切り欠き部32が設けられている。
には、カラン側出口孔33が設けられている。また、こ
の出口孔33の前方に位置する周面部分には、Oリング
hを装着するための装着溝が設けられている。更に、後
方ハウジング30の前方の開口部は、段差状に凹んだ弁
体搭載部34とされている。また、この搭載部34に
は、内周側にT字状部分が付加された特殊形状のOリン
グkを嵌め込むための装着溝sを備える。そして、この
搭載部34は、この装着溝sを境界に開口d(駄肉を削
除した単なる開口)と、取入用通過孔(中心角が90度
前後の平面略扇形状)qと、流出用通過孔(中心角が9
0度前後の平面略扇形状)rとに区画されている。
ウジング30内部の中間から前端寄りには、仕切り壁3
5が設けられており、この仕切り壁35により取入用流
路vと流出用流路wとが区画されている。そして、取入
用流路vは、後方ハウジング30後端の取入口36を入
口とし、取入用通過孔qを出口とし、流出用流路wは、
流出用通過孔rを入口とし、カラン側出口孔33を出口
としている。
て作製した一体成形品であり、図1に示すように、有底
の略円筒形とされている。更に、前面の略中央には、こ
のハウジング40の内外を貫通する軸挿通部43が略筒
状に立ち上げられている。また、周面の前端側には、O
リングmが嵌め込まれる装着溝が設けられている。更
に、前方ハウジング40の周面の後方側の2箇所には、
係止腕31と略凹凸の反転した形状の係止用凹部45が
設けられ、各凹部45の略中心位置には係止腕31の孔
に嵌入可能な突起が設けられている。尚、各凹部45の
後端側が略矩形状の切り欠き部47とされている。ま
た、前方ハウジング40の周面の中間部には、2つシャ
ワー側出口孔48、48が設けられている。
製)50は、図1に示すように、略円板形状とされ、周
面に2つの位置決め突起51を備える。更に、固定弁体
50には、供給用流路52と、カラン連絡用流路53
が、この弁体50の摺接面55及び背面56で開口する
状態に設けられている。そして、何れの流路52、53
も、中心角が90度前後の平面略扇形状とされている。
製)60も、図1に示すように、略円板形状とされてい
る。そして、図2に示すように、この弁体60の摺接面
65及び背面66で開口するカラン選択用流路(中心角
が略180度前後の平面略扇形状)61と、この弁体5
0の摺接面65及び側面67で開口するシャワー選択用
流路(中心角が略90度前後の平面扇形状)62が設け
られている。更に、図3に示すように、可動弁体の背面
66には有底の補助穴63が設けられている。
製した一体成形品であり、図1に示すように、略スカー
ト形状とされた基端部71と、その前端より略軸状に突
設された軸本体部72とを備える。このうち、基端部7
1の傾斜状の内壁面からは、一対の脚状突起73、74
が略ハの字状に垂下している。尚、これらの脚状突起7
3、74のうちの一方73の下端側が緩和部を構成する
ことになる。また、この内壁面の両突起73、74に挟
まれた箇所からは補助突起75が垂下している。更に、
この内壁面には、これらの突起73、74、75を周回
状に取り囲み、Oリングnが嵌め込まれる装着溝76が
設けられている。また、軸本体部72の根元部にはOリ
ングpの嵌め込まれる装着溝が設けられている。更に、
中間部にはセレーション溝Mが設けられ、前端部は略太
鼓形状のハンドル係合部Nとされている。
手順等の一例を簡単に述べる。先ず、後方ハウジング3
0にOリングh、kを装着した後に、固定弁体50を後
方ハウジング30に取着する。この取着は、各位置決め
突起51の下半側を対応する切り欠き部32に嵌め込
み、固定弁体50の背面56を弁体搭載部34の前面
に、Oリングkを挟んで水密状に衝合させて行われる。
これにより、供給用流路52が取入用流路vと連通し、
カラン連絡用流路53が流出用流路wと連通する。
装着した後に、操作部材70を可動弁体60の背面66
に取着する。この取着は、図3(a)に示すように、両
脚状突起73、74をカラン選択用流路61の両端側
(可動弁体60の回動方向に沿った両端側)に挿入する
と共に補助突起75を補助穴63に挿入しながら行われ
る。この装着により、図3(b)に示すように、両脚状
突起73、74の下面が、可動弁体60の摺接面65の
若干、手前の位置まで到達する。また、各脚状突起7
3、74の2つの側面a、bがカラン選択用流路61の
内壁面に接触すると共に、補助突起75が補助穴63に
係合しているため、操作部材70を回動させれば可動弁
体60も一体で回動することになる。
を装着した後に、操作部材70及び可動弁体60を、こ
のハウジング40の後端側よりその内部に挿入する。こ
のとき、図2に示すように、軸本体部72が軸挿通部4
3に挿入され、セレーション溝M及びハンドル係合部N
が軸挿通部43の前方に露出する。
続すれば、本切換弁カートリッジBの組付けを完了す
る。この接続は、各係止腕31を対応する係止用凹部4
5に位置合わせし、前者の孔に後者の突起を係止させて
行われる。同時に、固定弁体50の各位置決め突起51
の上半側が、前方ハウジング40の対応する切り欠き部
47に嵌め込まれる。
の水栓本体10に配備された後、操作部材70の露出部
分M、Nに切換ハンドルが取着され、使用可能な状態と
なる。このとき、後方ハウジング30の後端の取入口3
6は、この水栓本体10に設けられた湯水混合室に連絡
される。同時に、後方ハウジング30のカラン側出口孔
33は、この水栓本体10に設けられたカラン室に連絡
される。また、前方ハウジング40のシャワー側出口4
8、48は、この水栓本体10に設けられたシャワー室
に連絡される。
図4〜7を用いて説明する。尚、本実施の形態では周縁
寸法の略等しい固定弁体50と可動弁体60を用いた
が、これらの図においては、説明の便宜上、固定弁体5
0を大きめに図示している。先ず、図4は、湯水混合水
栓が止水状態にあることを示している。即ち、可動弁体
60の何れの選択用流路61、62も、固定弁体50の
供給用流路52と遮断された状態となっている。
合には、図5に示すように、切換ハンドルH(水栓本体
10の右側面に配置される。)を使用者の側に回転させ
る。これにより、可動弁体60が回転し、カラン選択用
流路61が固定弁体50の両流路52、53に連通し、
取入用流路vと流出用流路wが連絡され、カラン吐水が
可能となる。一方、湯水をシャワーヘッドから吐水させ
たい場合には、図6に示すように、切換ハンドルHを使
用者と反対側に回転させる。これにより、可動弁体60
が回転し、シャワー選択用流路62が固定弁体50の供
給用流路52に連通し、シャワー吐水が可能となる。更
に、何れの吐水の場合にもハンドルHの操作量を選択
し、各選択用流路61、62と、供給用流路52の重な
り合う面積を調節すれば流量調節が行われる。
7に示すように、カラン選択用流路61の遮断側縁部6
8(カラン吐水を終了させる際に供給用流路52の周縁
を最後に横切る部分)に、脚状突起(緩和部)73が配
設されている。このため、この選択用流路61のうち
で、脚状突起73の配設された箇所は流路深さの絞り込
まれた流量絞り部Rとされている。そして、カラン吐水
の終了直前や開始直後の暫くの間は、専ら、この流量絞
り部Rを介して、カラン選択用流路61と、供給用流路
52の連通がなされる。
起73を可動弁体60のカラン選択用流路61に入れ込
んで流量絞り部Rを形成している。このため、ウォータ
ーハンマーに関する対策を各弁体60、50自体に施す
必要はない。また、脚状突起73が各弁体60、50と
は別個に、しかも成形の自由度や加工性の高い樹脂を用
いて成形されるため、その寸法精度を高くすることが容
易である。更に、仮に可動弁体60の摺接面65の鏡面
加工にばらつきを生じても、脚状突起73の寸法調節で
瞬時に対応できる。従って、少ない手間とコストで得ら
れる高精度の流量絞り部Rを用いて、カラン吐水開始時
と、終了時のウォーターハンマーの発生を確実に防止で
きる。
別個に成形される脚状突起(緩和部)73では、形状選
択の自由度が高いため、この突起73の形状を工夫(複
雑化等)して、更に高性能な流量絞り部Rを得ることも
容易である。尚、本切換弁カートリッジBでは、カラン
側の吐止水時のウォーターハンマー対策のみを講じた
が、シャワー側の吐止水時のみ、若しくはカラン側及び
シャワー側の吐止水時のウォーターハンマー対策の講じ
られた切換弁カートリッジであってもよい。例えば、図
7(a)のシャワー選択用流路62の遮断側縁部69
に、略小片状等とされた緩和部を配設すれば(例えば、
内壁に貼付する。)、シャワー側の吐止水時のウォータ
ーハンマーを確実に防止できる。
ラン選択用流路61に対する遮断側縁部58や、シャワ
ー選択用流路62に対する遮断側縁部59に緩和部を配
設してもよい。例えば、弁体搭載部34より所定の脚状
突起を立ち上げ、この突起を供給用流路52に挿入して
流量絞り部を形成してもよい。この場合、この脚状突起
を固定弁体50の位置決めや固定のために用いることも
できる。また、可動弁体60及び固定弁体50の双方に
緩和部を配設してもよい。
各弁体50、60の摺接面55、65自体には流量絞り
部(凹部等)を設ける必要がないため、各摺接面55、
65のシール性能が低下しない。また、このカートリッ
ジBでは、流量絞り部Rに異物が付着しても、脚状突起
73を可動弁体60より取り外せば、この異物の除去作
業を容易に行うことができる。
弁体60と操作部材70の一体的な回動を行うための係
合を、両脚状突起73、74のカラン選択用流路61へ
の挿入を主体に行っている。このため、可動弁体60に
対しては、操作部材70との係合のみに用いられる被係
合部(補助穴63のような補助的なものは除く。)を別
途形成する必要はない。従って、図1等に示すような小
型(薄肉)の可動弁体60の積極的な使用が可能とな
る。以下、この点に関して詳述する。
力を備えた流路(例えば、十分な開口面積を備えた流路
等)を有することが必要である。そして、このような流
路が小型の可動弁体の背面や側面で開口すると、これら
の面の空き領域が狭くなる。また、この背面や側面の全
周にOリング等のシール部材が配置されると、この空き
領域が特に狭くなる。因みに、本実施の形態の可動弁体
60では、図3(b)に示すように、背面66の周縁側
がOリングnの当接部位tとなり、この部位tで囲まれ
た部分の約半分がカラン選択用流路61の開口部とされ
ている。更に、この部位tで囲まれた部分の約1/4の
部分の真下には、シャワー選択用流路62が設けられ、
肉厚が小さくされているため、この背面66の空き領域
は、図3(a)の一点鎖線xで囲まれた狭い部分に限定
される。また、この弁体60の側面には、シャワー選択
用流路62の開口部が設けられると共に、この弁体60
が元々薄肉タイプであるため十分な空き領域は存在しな
い。
作部材70に係合される被係合部を別途設けることは困
難であるばかりか、かかる領域に被係合部を無理に設け
れば、止水不良の原因をつくり出すことにもなりかねな
い。一方、小型の可動弁体に被係合部を設けることを優
先させた場合にも、この弁体の流路形成のための領域が
狭くなるため、流路形成の自由度が低くなったり、十分
な通水能力を備えた流路を形成できなくなる可能性が高
い。このため、従来の摺接弁では、可動弁体の肉厚を十
分に確保し、その十分な空き領域を備えた背面、側面等
に被係合部を設けざるを得なかった。従って、可動弁体
が大型になると共に構造が複雑で製造上の手間とコスト
の掛かるものとなっていた。
60の摺接面65以外の部位(例えば、背面66や側面
67)に、この弁体60に設けられた流路61、62の
第2の開口部が設けられている(第1の開口部は夫々摺
接面65に設けられている。)。そして、「操作部材7
0に、この第2の開口部に係合する係合部(例えば、両
脚状突起73、74)を設け、この係合部と、この第2
の開口部との係合により、操作部材70と一体で可動弁
体60が移動される。」ようにしている。従って、可動
弁体60に対して被係合部を別途設ける必要がないた
め、構造が簡単な小型の弁体60の積極的な使用が可能
となる。尚、本切換弁カートリッジBでは、補助突起
(補助係合部)75と、補助穴(補助被係合部)63と
の係合を行っているが、これはあくまでも補助的なもの
である。従って、この補助突起(補助係合部)75の形
状やサイズは、前述の狭い領域x内に収まる程度とされ
ている。また、この補助穴(補助被係合部)63の形成
を省略することもできる。
した各実施の形態に示すものに限定されず、各発明の範
囲内で種々の変形例を例示できる。即ち、本摺接弁にお
いて湯水の入出力方向は特に問わない。例えば、実施の
形態の切換弁カートリッジBにおいて、カラン側出口孔
33及びシャワー側出口孔48を入力側とし、後方ハウ
ジング30の取入口36を出力側とすることもできる。
具体的には、出口孔33及び出口孔48の一方を水道に
直接連絡された源水取入口とし、他方を浄水器に連絡さ
れた浄水取入口(他方をソーラシステムに連絡されたソ
ーラ取入口でもよい。)としてもよい。
0に補助突起75を設け、操作部材70に補助穴63を
設けてもよい。また、操作部材70より他方の脚状突起
74を省略してもよい。この場合も、残りの脚状突起7
3と補助突起75を用いて十分な係合が行われる。更
に、各脚状突起73、74を可動弁体60との係合に関
与しないものとすることもできる。
と、ウォーターハンマーの発生を確実に防止でき、しか
も、製造上の手間とコストの少ない摺接弁が得られる。
また、請求項2の発明によると、部品点数の減少を通じ
て、請求項1の発明の摺接弁の製造上の手間とコストを
より一層少なくできる。
成部品を説明するための斜視図である。
を示す縦断面図である。
るための平面図、(b)は図3(a)の3−3縦断面図
である。
弁体及び脚状突起の位置関係を説明する概略的な横断面
図である。
体、可動弁体及び脚状突起の位置関係を説明する概略的
な横断面図である。
弁体、可動弁体及び脚状突起の位置関係を説明する概略
的な横断面図である。
体、可動弁体及び脚状突起の概略的な横断面図、(b)
は図7(a)の7−7縦断面図である。
るための概略的な縦断面図である。
m、n、p;Oリング、H;切換ハンドル、30;後方
ハウジング、31;係止腕、32;切り欠き部、33;
カラン側出口孔、34;弁体搭載部、s;装着溝、d;
開口、q、r;通過孔、35;仕切り壁、36;取入
口、v;取入用流路、w;流出用流路、40;前方ハウ
ジング、43;軸挿通部、45;係止用凹部、47;切
り欠き部、48;シャワー側出口孔、50;固定弁体、
51;位置決め突起、52;供給用流路、53;カラン
連絡用流路、55;摺接面、56;背面、58、59;
遮断側縁部、60;可動弁体、61、62;選択用流
路、63;補助穴、65;摺接面、66;背面、67;
側面、68、69;遮断側縁部、70;操作部材、7
1;基端部、72;軸本体部、73、74;脚状突起、
75;補助突起、76;装着溝、M;セレーション溝、
N;ハンドル係合部。
Claims (2)
- 【請求項1】 互いに摺接される固定弁体と可動弁体と
を有し、固定弁体に対して可動弁体を移動させることに
より摺接面に開口する固定弁体及び可動弁体の各流路の
連通又は遮断を行う摺接弁において、 前記固定弁体又は可動弁体とは別個の部材で構成される
と共に前記固定弁体又は可動弁体の少なくとも一方の流
路の遮断側縁部に配設されて前記各流路の遮断間際の急
激な流量減少を緩和する緩和部を備えたことを特徴とす
る摺接弁。 - 【請求項2】 前記可動弁体に組み付けられて該可動弁
体を移動操作する操作部材の一部を該可動弁体の流路に
挿入し、この操作部材の一部により前記緩和部を構成し
たことを特徴とする請求項1記載の摺接弁。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP36555997A JP4238289B2 (ja) | 1997-12-22 | 1997-12-22 | 摺接弁 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36555997A JP4238289B2 (ja) | 1997-12-22 | 1997-12-22 | 摺接弁 |
Publications (2)
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JPH11182711A true JPH11182711A (ja) | 1999-07-06 |
JP4238289B2 JP4238289B2 (ja) | 2009-03-18 |
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ID=18484564
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JP36555997A Expired - Fee Related JP4238289B2 (ja) | 1997-12-22 | 1997-12-22 | 摺接弁 |
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JP (1) | JP4238289B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008069977A (ja) * | 2007-10-15 | 2008-03-27 | Toto Ltd | シリンダバルブ |
CN102449366A (zh) * | 2009-04-01 | 2012-05-09 | 丹福斯有限公司 | 阀操作方法 |
JP2015025301A (ja) * | 2013-07-26 | 2015-02-05 | Toto株式会社 | シングルレバー水栓装置 |
-
1997
- 1997-12-22 JP JP36555997A patent/JP4238289B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015025301A (ja) * | 2013-07-26 | 2015-02-05 | Toto株式会社 | シングルレバー水栓装置 |
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