JPH06300156A - 水 栓 - Google Patents

水 栓

Info

Publication number
JPH06300156A
JPH06300156A JP5110952A JP11095293A JPH06300156A JP H06300156 A JPH06300156 A JP H06300156A JP 5110952 A JP5110952 A JP 5110952A JP 11095293 A JP11095293 A JP 11095293A JP H06300156 A JPH06300156 A JP H06300156A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
hot
hot water
passage
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5110952A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2616873B2 (ja
Inventor
Shinsuke Matsuo
信介 松尾
Masakazu Kogo
雅一 古後
Yoshinori Sagara
芳則 相良
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toto Ltd filed Critical Toto Ltd
Priority to JP11095293A priority Critical patent/JP2616873B2/ja
Priority to TW83102929A priority patent/TW286346B/zh
Priority to KR1019940704394A priority patent/KR0157658B1/ko
Priority to CA 2137370 priority patent/CA2137370A1/en
Priority to CN94190211A priority patent/CN1047228C/zh
Priority to US08/347,364 priority patent/US5524668A/en
Priority to EP94910603A priority patent/EP0645568A4/en
Priority to PCT/JP1994/000565 priority patent/WO1994023229A1/ja
Publication of JPH06300156A publication Critical patent/JPH06300156A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2616873B2 publication Critical patent/JP2616873B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Valve Housings (AREA)
  • Multiple-Way Valves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐腐食性,耐熱性を有する水栓とする。 【構成】 金属材料により形成された外側ケーシング5
0の内表面にポリテトラフルオロエチレンによる被覆層
54を設け、外側ケーシング50の内径と内側ケーシン
グ60の外径の差によって形成される空間を水流路5
5,混合湯水の流路174,184として用いる。この
結果、外側ケーシング50の内表面を滑らかにすること
ができるので、外側ケーシング50等のキャビテーショ
エロージョンを防止することができる。また、シール部
材が接触する部分等について研削・研磨等の二次加工を
する必要がない。さらに、被覆層54を厚くすれば、樹
脂が断熱性を有することに基づき、湯流路付近の外側ケ
ーシング50の外表面が熱くなるのを防止することがで
きる。もとより、外側ケーシング50の外表面は金属特
有の光沢,質感を有するので、高級感や重量感を表わす
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水栓に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の水栓としては、湯や水を
単独で吐水できることは勿論、湯水を混合して吐水する
湯水混合水栓がある。この湯水混合水栓は、そのケーシ
ング内部に湯水の混合比を調整して混合湯水の温度を変
更する湯水混合機構や湯水の切換を行なう切換機構を備
える。また、湯側および水側の供給配管からこの湯水混
合機構に到るまでの湯側通路と水側通路のほか、湯水混
合機構から吐水口に向かう混合湯水通路が、ケーシング
の内周面を利用して形成されている。
【0003】ところで、湯水混合水栓は、吐水される混
合湯水の温度を変更できることから、快適な水まわりの
環境の創造の一貫として急速に普及している。例えば、
一般家庭の台所やバスルームは勿論、ホテルのバスルー
ムやデパート,空港等におけるトイレ等に設置されてい
る。
【0004】そして、湯水混合水栓の形状自体は勿論、
その多種多様な設置場所の雰囲気を高めるために、高級
感を持たせることが求められている。このような要求に
応えるために、湯水混合水栓の外観をなすケーシングを
鋳型成形することが行なわれている。このように、ケー
シングを鋳型成形すれば、鋳型に施した彫刻模様等をケ
ーシング外表面に転写できるので、上記した要求を充足
できていた。なお、倣い加工やNC工作機械によりケー
シング外表面に彫刻模様等を切削形成できるが、長時間
の機械加工を必要としたり高コストとなるため現実的で
はない。
【0005】また、ケーシングを鋳型成形することによ
り、ウォーターハンマ発生時等に生じる過度の水圧に対
する強度への要求や、冷水と熱水とによる急激な温度変
化に対する耐久性への要求も十分に満たしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ケーシ
ングを鋳型成形した場合には、次のような問題点が残さ
れている。既述したようにケーシングは湯水混合機構等
を内蔵するとともに、ケーシングの内周面は水栓内部に
おける湯側通路,水側通路や混合湯水通路として利用さ
れている。よって、シール性の確保,湯水混合機構の組
み込みや通路形成のために、ケーシング内部に種々の機
械加工を必要とする。具体的には、鋳肌のままではシー
ル性を確保できなかったり、湯水混合機構等の組み込み
や均一な通路形成ができないため、ケーシングの内部に
おいて、湯水混合機構等の収納用の穴やOリング配置用
の溝等の切削加工や旋削加工,研磨加工等を必要とす
る。
【0007】穴や溝等の切削加工や旋削加工,研磨加工
等の機械加工は、ケーシングの外側であれば容易に行な
うことができるが、ケーシングの内部では使用する工具
に制約を受けたり、内部でのいわゆるバリ取りが必要と
なるため特別な工具や複雑な製造工程を必要とする。つ
まり、ケーシングの内部において複雑な機械加工を経な
ければならなかった。
【0008】また、鋳型成形によるケーシングでは、鋳
物は熱容量が小さく、断熱性に欠けるため、ケーシング
内部に湯流路を設けると、ケーシング表面の温度が部分
的に高くなり、使いにくい場合があった。従って、ケー
シング内に湯流路を設けることなく、湯が流入すると同
時に水と混合されるよう混合弁を湯の流入口に設置する
設計が要求されていた。なお、上記した問題点の多く
は、水或いは湯のみを吐水する水栓であっても指摘され
ている。
【0009】本発明の水栓は、こうした問題を解決し、
製造が容易で、断熱性を有することを目的としてなさ
れ、次の構成を採った。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の水栓は、
流体の入口および出口と、該入口と該出口とを連通する
通路とを備えた内部部材と、前記内部部材を収納する収
納空間を備え、該収納空間に収納された該内部部材との
間に間隙を形成する外部部材とからなり、前記内部部材
の入口および/または出口を前記間隙に連通し、前記外
部部材の内周面の少なくとも一部に樹脂による層を備え
たことを要旨とする。
【0011】ここで、請求項1記載の水栓において、前
記内部部材は、該内部部材の通路に流れる流体を制御す
る弁装置を備えた構成とすることもできる。この場合、
前記弁装置は、前記内部部材の通路に嵌挿される所定形
状のハウジングを有し、該ハウジング内に流体を制御す
る機能の少なくとも一部を納めた構成とすることもでき
る。
【0012】また、請求項1ないし3いずれか記載の水
栓において、前記外部部材は、前記内部部材を収納する
前記収納空間に該内部部材を挿入する挿入穴を備えた構
成とすることもできる。この場合、前記挿入穴は、前記
内部部材が該内部部材の通路に流れる流体を制御する弁
装置を備える場合には該弁装置と該弁装置の駆動部とを
連絡する連絡口、または、前記外部部材における流体の
入口若しくは出口、あるいは、水栓を他の構造物に固定
する場合の固定部である構成とすることもできる。
【0013】
【作用】以上のように構成された請求項1記載の水栓
は、外部部材の内周面に樹脂による層を有することによ
り、外部部材の内周面を腐食やキャビテーションによる
壊食から防止する。また、Oリング等のシール部材が接
触する部分について研削・研磨等の二次加工を不要とす
る。したがって、鋳造品の場合でも鋳肌のままでよく、
製造工程を簡潔にする。また、樹脂は、熱容量が大きい
ので、断熱性を有し、湯流路付近の外表面が熱くなるこ
とを防止する。
【0014】ここで、外部部材の内周面に層をなす樹脂
としては、ポリテトラフルオロエチレンに代表されるフ
ッ素樹脂や熱硬化性のエポキシ樹脂,一般的にエンジニ
アリングプラスチックといわれるプラスチックが該当す
る。エンジニアリングプラスチックとは、耐熱,耐じ
ん,耐薬品,耐難燃等に優れているプラスチックであ
る。数値的に示せば、引張強さがおよそ50MPa以
上、衝撃強さがおよそ50J/m以上、熱変形温度がお
よそ100℃以上のプラスチックである(プラスチック
成形加工用語辞典)。例えば、ポリアミド(PA),ポ
リカーボネート(PC),ポリアセタール(POM),
変性ポリフェニレンエーテル(PPE),ポリエステル
等のいわゆる汎用エンジニアリングプラスチックや、ポ
リフェニレンスルフィド(PPS),ポリアリレート
(PAR),ポリエーテルイミド(PEI),ポリスル
ホン(PSF),ポリエーテルスルホン(PES),ポ
リエーテルケトン(PEK),ポリエーテルエーテルケ
トン(PEEK),ポリイミド(PI),ポリアミドイ
ミド(PAI),液晶プラスチック,耐衝撃性および耐
薬品性に優れる熱硬化性樹脂等のいわゆるスーパーエン
ジニアリングプラスチックを用いることが可能である。
また、これらの樹脂にガラス繊維を加えたものや、二種
あるいは三種以上を混合した樹脂を用いることも可能で
ある。
【0015】請求項1記載の水栓は、水,湯,混合湯
水,石鹸水,薬剤水,ムース,アルコール,食塩水など
の流体に対して一般的に使用される状態でのすべての水
栓を含む。また、水栓内部に弁装置を備えたものに限ら
れず、弁装置がないもの、例えば、水栓本体に弁装置が
なくシャワーヘッド内に止水弁を備える場合等をも含
む。
【0016】請求項1記載の水栓の外部部材の内周面に
層をなす樹脂は、単一の樹脂による層に限られず、異な
る樹脂による二層以上であってもよい。また、本発明の
水栓の外部部材の内周面における樹脂の層は、溶剤など
に溶かした樹脂を直接吹き付けることにより形成する場
合や樹脂により形成された管を外部部材に挿入すること
により形成する場合も含まれる。
【0017】請求項2記載の水栓は、弁装置が内部部材
に有する通路に流れる流体に対して流体の流れの停止,
切り換え,2種以上の流体の混合,混合割合の調節,流
速の調節等の制御をする。
【0018】請求項3記載の水栓は、弁装置を所定形状
のハウジングに収納することで、水栓の組み付けを容易
とし、弁装置に不良が生じた場合の対応を容易とする。
【0019】請求項4記載の水栓は、外部部材の内部部
材を収納する収納空間に、内部部材を挿入する挿入穴を
設けたことにより、内部部材の挿入を容易とする。
【0020】請求項5記載の水栓は、挿入穴を、弁装置
の操作部の連絡口や流体の出入口,水栓を他の構造物に
固定する固定部に兼用することにより、外部部材に設け
る穴を少なくし、外部部材の強度を維持する。
【0021】
【実施例】以上説明した本発明の構成・作用を一層明ら
かにするために、以下本発明の好適な一実施例としての
湯水混合水栓について説明する。
【0022】図1は本発明の一実施例に係る湯水混合水
栓の平面図である。この湯水混合水栓は、本体10と、
図示しない水道管に接続される給水脚金具20と、図示
しない給湯機からの配管に接続される給湯脚金具40と
を備えている。本体10は、外側ケーシング50内に主
要な機能部品を収納しており、その両端には、温度調節
ハンドル80および切り換えハンドル160とを備えて
いる。
【0023】図2は、給水脚金具20の構造を示す図1
のI−I線断面図である。給水脚金具20は、止水弁3
0を組み込んだハウジング22と、後述する外側ケーシ
ング50の水入り口51に接続される接続金具24と、
接続金具24とハウジング22とを接続・固定する締め
具28とを備えている。接続金具24は、一端の出口2
9で、外側ケーシング50の水入り口51に嵌合され、
その先端において後述する外側ケーシング50内に形成
される水流路55と導通する。他端には、螺刻部を有
し、螺刻部と締め具28を螺合することで、ハウジング
22に接続・固定される。ハウジング22の他端には、
入り口21が形成され、入り口21外周には水道管に螺
合するよう螺刻部が設けられている。なお、接続金具2
4とハウジング22との間には樹脂製のパッキン26が
装着されており、液密になるようシールされている。
【0024】ハウジング22に組み込まれた止水弁30
は、ハウジング22に液密に締結されたキャップ34
と、キャップ34とハウジング22にガイドされた弁体
32と、ストレーナ38とを有する。弁体32は、ハウ
ジング22とのガイド部35と、端部36とを有してお
り、ガイド部35には通水時に水の通路となる開口部3
7が設けられている。ガイド部35は、ハウジング22
と噛み合っており、弁体32を回転させることにより、
弁体32が軸方向にスライドする構成となっている。し
たがって、弁体32を回転させて端部36とハウジング
22に形成された弁座23とを着脱させることにより、
止水または通水する。通水時には、端部36と弁座23
との隙間から流入した水は、開口部37を通り、ストレ
ーナ38によりゴミを除去した後、出口29を通って本
体10に流れ込む。
【0025】給湯脚金具40は、給水脚金具20と同一
の構成を備え、図示しない給湯管に接続されており、湯
を後述する湯流路130(図3参照)に導入する。この
給湯脚金具40の構成については、その説明を省略す
る。
【0026】図3は、図1のII−II線断面図であ
る。同図に示すように、本体10の外側ケーシング50
は、外側ケーシング50内に嵌挿された内側ケーシング
60と、内側ケーシング60内に収納された混合弁カー
トリッジ70と、同じく内側ケーシング60内に収納さ
れた切り換え弁カートリッジ150と、カラン出口17
0と、シャワー出口180とを備えている。また、外側
ケーシング50には、給水脚金具20に接続された水入
り口51と、給湯脚金具40に接続された湯入り口52
と、カラン出口170と、シャワー出口180とが形成
されている。
【0027】この外側ケーシング50は、合金製の管で
形成されており、その内周面は、ポリテトラフルオロエ
チレンによる被覆層54が厚さ100μmに亘って施さ
れている。このポリテトラフルオロエチレンは、フッ素
樹脂の一つで、耐熱性,耐薬品性に優れ、摩擦係数が小
さい樹脂である。本実施例では、被覆層54にポリテト
ラフルオロエチレンを用いたが、熱硬化性のエポキシ樹
脂でもよい。エポキシ樹脂は、金属に対する粘着力が大
きく、硬化剤を適当に選択することにより軟化点を上げ
て、耐熱性に優れたプラスチックとすることができる。
また、この他のプラスチックであっても性能的に優れた
プラスチックであれば使用できることは勿論である。例
えば、ポリテトラフルオロエチレン以外のフッ素樹脂、
ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリイミド(P
I)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルエー
テルケトン(PEEK)、ポリエーテルスルフォン(P
ES)、ポリスルフォン(PSF)、ポリアリレート
(PAR)、ポリエーテルイミド(PEI)等も使用可
能である。
【0028】外側ケーシング50の被覆層54は、ポリ
テトラフルオロエチレンを溶融させて吹き付けることに
より被覆し、吹き付ける量を加減することにより必要な
層の厚さを得る。また、熱硬化性のエポキシ樹脂を用い
る場合には、溶剤に溶かしたエポキシ樹脂を吹き付ける
ことにより被覆層54を形成する。樹脂層を得るのに本
実施例では上記のようにポリテトラフルオロエチレンを
吹き付けて行なったが、耐熱性を有する樹脂を予め管形
状とし、これを外側ケーシング50の内側に挿入するこ
とにより形成する構成も好適である。
【0029】こうした外側ケーシング50の内径に対し
て内側ケーシング60の外径は数ミリ小さくなっている
ので、両者の間には間隙が構成されており、ここが、水
流路55と、混合湯水のカラン出口170への流路17
4と、混合湯水のシャワー出口180への流路184と
して用いられている。
【0030】水流路55は、水入り口51から水が流入
し、この水は、内側ケーシング60に形成された図示し
ない孔を通過して混合弁カートリッジ70に流れ込む。
一方、湯入り口52から湯流路に流入した湯は、内側ケ
ーシング60に形成された図示しない孔を通過して混合
弁カートリッジ70に流れ込む。そして、混合弁カート
リッジ70において湯水が混合され、混合湯水が切り換
え弁カートリッジ150を経て、カラン出口170また
はシャワー出口180から流出する。なお、混合弁カー
トリッジ70および切り換え弁カートリッジ150の構
造については、後で、詳しく説明する。
【0031】次に外側ケーシング50内に収納される混
合弁カートリッジ70について説明する。混合弁カート
リッジ70は、感温ばね室90と、バイアスばね室10
0と、スライド室120とを備えている。混合弁カート
リッジ70には、湯入り口52に接続された湯流路13
0が形成されると共に、この湯流路130からバイアス
ばね室100への湯の通路である湯側ポート132を有
する湯側弁座134が形成されている。同様に、混合弁
カートリッジ70には、水流路140が形成されると共
に、この水流路140から感温ばね室90への水の通路
である水側ポート142を有する水側弁座144が形成
されている。また、混合弁カートリッジ70はその外周
に水流路140を備え、この水流路140と水入り口5
1とは内側ケーシング60に形成された孔を介して連通
する。この水流路140から感温ばね室90への水の通
路である水側ポート142には、後述の可動弁体110
が着座する水側弁座144が形成されている。
【0032】湯側弁座134と水側弁座144との間に
は、湯側弁座134および水側弁座144と着脱する可
動弁体110が摺動自在に嵌合されている。この可動弁
体110は、感温ばね室90に収納された感温ばね92
のばね力をばね受け94を介して受けると共に、バイア
スばね室100に収納されたバイアスばね102のばね
力を受け、これらのばね力の釣合により、その位置が定
まる。また、この可動弁体110には、バイアスばね室
100と感温ばね室90とを連通する連通孔111が形
成されている。
【0033】よって、湯流路130に流入した湯は、可
動弁体110と湯側弁座134との間の間隙を通過して
バイアスばね室100に流入し、その後連通孔111を
通過して感温ばね室90内に流入する。一方、水流路1
40に流入した水は、可動弁体110と水側弁座144
との間の間隙を通過して感温ばね室90内に流入する。
このため、この感温ばね室90内において湯水が混合さ
れ、その混合比は、可動弁体110とその両側の弁座と
の間の間隙の比で定まる。混合弁カートリッジ70の感
温ばね室90において混合された湯水は、後述の切り換
え弁カートリッジ150を経て流路174に流入し、カ
ラン出口170から吐水される。
【0034】感温ばね92は、温度に応じて弾性係数が
変化する金属によって形成されている。温度に応じて弾
性係数が変化する金属材料としては、ニッケル・チタン
合金からなる形状記憶合金(SMA)の範疇に属する合
金が知られている。このSMAが温度に応じて弾性係数
を変化させることにより、感温ばね92のばね定数が温
度に応じて変化する。一方、バイアスばね102は温度
に関して一定のばね定数を有する通常のばね材料により
形成されている。
【0035】スライド室120には、バイアスばね10
2のばね受け122が軸方向変位自在、かつ回転不能に
混合弁カートリッジ70の内側にスプライン嵌合されて
おり、ばね受け122の内ねじには、温度調節ハンドル
80に固定されたウォーム124が噛み合っている。し
たがって、温度調節ハンドル80を回転させることによ
り、ウォーム124が回転し、ばね受け122が軸方向
にスライドして、バイアスばね102の付勢量が変化す
る。この結果、感温ばね92とバイアスばね102との
釣合が崩れて可動弁体110は新たな釣合の位置まで変
位し、可動弁体110とその両側の弁座との間の新たな
間隙の比となるよう湯水の混合比が変化して、混合湯水
の温度が変わる。
【0036】温度調節ハンドル80によりバイアスばね
102の付勢量を調節することにより出湯温度を設定し
た後は、次に説明するように感温ばね92とバイアスば
ね102により出湯温度が調節される。
【0037】出湯開始後、混合湯水が設定温度となり、
給湯機からの給湯温度,水道水温または流量等の条件が
定常状態にある時には、可動弁体110は、感温ばね室
90内の混合湯水の温度により発生する感温ばね92の
ばね力とバイアスばね102のばね力との釣合により位
置が決定され、静止している。この状態から、給湯機か
らの給湯温度、水道水温または流量等の条件が外乱によ
り変動し、混合湯水の温度が設定温度より高くなると、
感温ばね92は、この温度変化に応じてばね定数を大き
い側に変化させ、ばね力を増大させる。このことによ
り、感温ばね92のばね力とバイアスばね102のばね
力との釣合が崩れ、感温ばね92は、バイアスばね10
2の予荷重を増加させ、可動弁体110を図3左方に変
位させる。この可動弁体110の変位に従って、湯の割
合が減少し、混合湯水の温度が低下する。反対に、混合
湯水の温度が設定温度より低くなると、感温ばね92
は、この温度変化に応じてばね定数を小さな側に変化さ
せ、そのばね力を減少させる。このことにより、感温ば
ね92のばね力とバイアスばね102のばね力との釣合
が崩れ、バイアスばね102が感温ばね92の付勢力に
抗して可動弁体110を図3右方に変位させる。この可
動弁体110の変位にしたがって、水の割合が減少し、
混合湯水の温度が上昇する。こうした感温ばね92の作
用により混合湯水の温度は設定温度に保持される。
【0038】内側ケーシング60に収納された切り換え
弁カートリッジ150は、混合湯水の吐水・止水の切換
および吐水量の調整を行なうための切り換え弁152を
ハウジング153内に回動自在に収納して備える。ま
た、その外周には、混合湯水を流路174に流入させる
ための環状の流路172と同じく混合湯水を流路184
に流入させるための環状の流路182とを備える。そし
て、内側ケーシング60に切り換え弁カートリッジ15
0が水密に収納されることで、この流路172と流路1
74とは、内側ケーシング60に形成された孔61を介
して連通する。同様に、流路182と流路184とは、
内側ケーシング60に形成された孔62を介して連通す
る。この切り換え弁152には、感温ばね室90におい
て混合された湯水が切り換え弁152の端面から流入す
る流入室154が形成されており、この流入室154を
覆うよう、切り換え弁152には弁体155が取り付け
られている。一方、ハウジング153には、流入室15
4と流路172とを連通する湯水通過孔156と、流入
室154と流路182とを連通する湯水通過孔157と
が穿孔されている。この湯水通過孔156および157
は、切り換え弁152の回転により弁体155を介して
その開口面積を変化させる。また、切り換え弁152は
切り換えハンドル160に固定されており、切り換えハ
ンドル160を回転させることにより、切り換え弁15
2が回転する。
【0039】よって、切り換えハンドル160を介して
切り換え弁152を回転させて、切り換え弁152の弁
体155により湯水通過孔156を開口することで、そ
の開口面積に応じた吐水量の混合湯水が、流路172,
内側ケーシング60の孔61,流路174を経てカラン
出口170から吐水される。また、弁体155により湯
水通過孔157を開口することで、その開口面積に応じ
た吐水量の混合湯水が、流路182,内側ケーシング6
0の孔62,流路184を経てシャワー出口180から
吐水される。弁体155により湯水通過孔156および
157のいずれをも開口しないことで止水する。したが
って、上記した切り換え弁カートリッジ150により、
カラン出口170からの混合湯水の吐水・止水、シャワ
ー出口180からの混合湯水の吐水・止水の切替および
吐水量の調整がなされる。
【0040】以上説明した実施例の湯水混合水栓によれ
ば、外側ケーシング50の内周面をポリテトラフルオロ
エチレンによる被覆層54を施したので、外側ケーシン
グ50のキャビテーションによる壊食を防止することが
できる。また、被覆層54の表面を滑らかにすることが
できるので、Oリング等のシール材が接触する部分の研
削・研磨等の二次加工をする必要がない。また、被覆層
54を厚くすれば、樹脂は、断熱性を有するので、外側
ケーシング50の外周面が熱くなることを防止すること
ができる。このことにより、水の流路と湯の流路とを入
れ替えること、すなわち本実施例において水流路55を
湯流路とすることが可能となる。したがって、混合弁カ
ートリッジ70と切り換え弁カートリッジ150との位
置の変更等の設計の自由度を高くすることができる。も
とより、外側ケーシング50を鋳物で形成したので、十
分な強度を有することができる。さらに、外側ケーシン
グ50と内側ケーシング60との間隙を水流路55とし
たので、円形断面あるいは矩形断面の流路を設けた場合
に比べて、外側ケーシング50の直径を小さくすること
ができる。
【0041】本実施例では、混合湯水の温度制御にSM
Aによる感温ばね92を用いる構成としたが、ワックス
エレメントを用いる構成も差し支えない。もとより、感
温素子による温度制御を行なわない構成であってもかま
わない。また、本実施例では、カランとシャワーとの選
択により吐水する構成としたが、カランのみの吐水また
はシャワーのみの吐水とする構成であってもかまわな
い。
【0042】本実施例では、外側ケーシング50を略円
柱形としたが、多角柱形や楕円柱形も好適である。ま
た、外側ケーシング50の肉厚を一定としたが、内面に
凹凸がなく滑らかであれば肉厚は一定でなくてもかまわ
ない。さらに、外側ケーシング50は、内側ケーシング
60を収納することができればよいので、両端とも開口
していなくてもよく、一端のみ開口している形状であっ
てもかまわない。
【0043】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明はこうした実施例に何等限定されるものではな
く、例えば、外側ケーシング50を鋳物やアルミニウム
合金等の他の金属材料により形成する構成、外側ケーシ
ング50を金属材料以外の材料により形成する構成な
ど、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々な
る態様で実施し得ることは勿論である。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の水栓
では、外部部材の内周面に樹脂による層を有するので、
水栓として要求される種々の要請に応えることが容易で
あるといる効果を奏する。例えば、樹脂の層の表面の滑
らかさに着目すれば、流体の流路の摩擦係数を小さくす
ることができ、外部部材等のキャビテーションによる壊
食を防止することができると共に、研削・研磨等の二次
加工をする必要がなく、製造行程を容易とすることがで
きる。樹脂部にOリング等のシール部材が接触する場合
には、研削・研磨しなくても高いシール力を得ることが
できる。また、樹脂の断熱性を生かした構成(厚み等)
をとれば、湯の流路を設けても外部部材の外周面が熱く
なりすぎることがなく、水栓内で混合弁の位置を自由に
設計することができる。さらに、樹脂部にエンジニアリ
ングプラスチックを用いれば、研削・研磨等の二次加工
を容易に行なうことができる。もとより、外部部材を金
属材料により形成することができるので、外表面に金属
特有の光沢や質感による高級感や重量感を表わすことが
できる。
【0045】請求項2記載の水栓では、弁装置を備えた
ので、内部部材に有する通路に流れる流体に対して、流
体の流れの停止,切り換え,2種以上の流体の混合,混
合割合の調節,流速の調節等の種々の制御をすることが
できる。
【0046】請求項3記載の水栓では、弁装置の機能を
所定形状のハウジングに収納したものを用いたので、弁
装置の組立を水栓の組立と別に行なうことができる。ま
た、水栓に弁装置を組み付ける場合にも部品数を少なく
することができるので、水栓の組み付けを容易とするこ
とができる。さらに、弁装置に不良が生じた場合でも弁
装置を容易に交換することができる。
【0047】請求項4記載の水栓では、外部部材の内部
部材を収納する収納空間に、内部部材を挿入する挿入穴
を設けたので、水栓を組み付けるときに内部部材の挿入
を容易とすることができる。
【0048】請求項5記載の水栓では、挿入穴を、弁装
置の駆動部の連絡口や流体の出入口,水栓を他の構造物
に固定する固定部に兼用するので、外部部材に設ける穴
を少なくすることができ、この結果、外部部材の強度を
維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である湯水混合水栓の外観平
面図である。
【図2】実施例の湯水混合水栓の給水脚金具20を含む
断面図である。
【図3】実施例の湯水混合水栓の本体断面図である。
【符号の説明】
10…本体 20…給水脚金具 21…入り口 22…ハウジング 23…弁座 24…接続金具 26…パッキン 28…締め具 29…出口 30…止水弁 32…弁体 34…キャップ 35…ガイド部 36…端部 37…開口部 38…ストレーナ 40…給湯脚金具 50…外側ケーシング 51…水入り口 52…湯入り口 54…被覆層 55…水流路 60…内側ケーシング 61,62…孔 70…混合弁カートリッジ 80…温度調節ハンドル 90…感温ばね室 100…バイアスばね室 110…可動弁体 111…連通孔 120…スライド室 124…ウォーム 130…湯流路 132…湯側ポート 134…湯側弁座 140…水流路 142…水側ポート 144…水側弁座 150…切り換え弁カートリッジ 152…切り換え弁 153…ハウジング 154…流入室 155…弁体 156,157…湯水通過孔 160…切り換えハンドル 170…カラン出口 172,174…流路 180…シャワー出口 182,184…流路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体の入口および出口と、該入口と該出
    口とを連通する通路とを備えた内部部材と、 前記内部部材を収納する収納空間を備え、該収納空間に
    収納された該内部部材との間に間隙を形成する外部部材
    とからなり、 前記内部部材の入口および/または出口を前記間隙に連
    通し、前記外部部材の内周面の少なくとも一部に樹脂に
    よる層を備えた水栓。
  2. 【請求項2】 前記内部部材は、該内部部材の通路に流
    れる流体を制御する弁装置を備えたことを特徴とする請
    求項1記載の水栓。
  3. 【請求項3】 前記弁装置は、前記内部部材の通路に嵌
    挿される所定形状のハウジングを有し、該ハウジング内
    に流体を制御する機能の少なくとも一部を納めたことを
    特徴とする請求項2記載の水栓。
  4. 【請求項4】 前記外部部材は、前記内部部材を収納す
    る前記収納空間に該内部部材を挿入する挿入穴を備えた
    ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の水
    栓。
  5. 【請求項5】 前記挿入穴は、前記内部部材が該内部部
    材の通路に流れる流体を制御する弁装置を備える場合に
    は該弁装置と該弁装置の駆動部とを連絡する連絡口、ま
    たは、前記外部部材における流体の入口若しくは出口、
    あるいは、水栓を他の構造物に固定する場合の固定部で
    あることを特徴とする請求項4記載の水栓。
JP11095293A 1993-04-05 1993-04-13 水 栓 Expired - Fee Related JP2616873B2 (ja)

Priority Applications (8)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11095293A JP2616873B2 (ja) 1993-04-13 1993-04-13 水 栓
TW83102929A TW286346B (ja) 1993-04-05 1994-04-02
CA 2137370 CA2137370A1 (en) 1993-04-05 1994-04-05 Hot and cold water mixing device
CN94190211A CN1047228C (zh) 1993-04-05 1994-04-05 冷热水混合装置
KR1019940704394A KR0157658B1 (ko) 1993-04-05 1994-04-05 온냉수 혼합장치
US08/347,364 US5524668A (en) 1993-04-05 1994-04-05 Hot and cold water mixing device
EP94910603A EP0645568A4 (en) 1993-04-05 1994-04-05 MIXING TAP.
PCT/JP1994/000565 WO1994023229A1 (en) 1993-04-05 1994-04-05 Mixing device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11095293A JP2616873B2 (ja) 1993-04-13 1993-04-13 水 栓

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06300156A true JPH06300156A (ja) 1994-10-28
JP2616873B2 JP2616873B2 (ja) 1997-06-04

Family

ID=14548705

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11095293A Expired - Fee Related JP2616873B2 (ja) 1993-04-05 1993-04-13 水 栓

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2616873B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009133422A (ja) * 2007-11-30 2009-06-18 Fujii Gokin Seisakusho Co Ltd ガス栓、及びガス栓用せんの製造方法
US8366073B2 (en) 2003-10-10 2013-02-05 Asahi Organic Chemicals Industry Co., Ltd. Resin member for valve
WO2014141358A1 (ja) * 2013-03-11 2014-09-18 株式会社島津製作所 流路切換バルブ
CN114008361A (zh) * 2019-06-11 2022-02-01 株式会社岛津制作所 背压控制阀

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8366073B2 (en) 2003-10-10 2013-02-05 Asahi Organic Chemicals Industry Co., Ltd. Resin member for valve
JP2009133422A (ja) * 2007-11-30 2009-06-18 Fujii Gokin Seisakusho Co Ltd ガス栓、及びガス栓用せんの製造方法
WO2014141358A1 (ja) * 2013-03-11 2014-09-18 株式会社島津製作所 流路切換バルブ
JP5999252B2 (ja) * 2013-03-11 2016-09-28 株式会社島津製作所 流路切換バルブ
CN114008361A (zh) * 2019-06-11 2022-02-01 株式会社岛津制作所 背压控制阀

Also Published As

Publication number Publication date
JP2616873B2 (ja) 1997-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6557770B2 (en) Thermostatic cartridge for mixer taps
US7198059B2 (en) Apparatus and system for retrofitting water control valves
US8522814B2 (en) Water control valve assembly
US20060049267A1 (en) Water control fixture having thermostatically controlled bypass valve
US20060191580A1 (en) In-line valve cartridge
KR20040024530A (ko) 세라믹 디스크 디버터 밸브
US20100058534A1 (en) Pressure balancing spool mixing valve
US3448755A (en) Non-scald mixing valve
US2966928A (en) Fluid mixing devices
JPH06300156A (ja) 水 栓
JP2830689B2 (ja) 水 栓
JP2731840B2 (ja) 水 栓
US7509976B2 (en) Multi-port diverter valve
JP2827806B2 (ja) 水 栓
JPH10160022A (ja) 水 栓
EP0077506B1 (en) Fluid control valve
TWI814879B (zh) 冷熱水混合閥
TW202032046A (zh) 冷熱水混合閥
JP4591860B2 (ja) 湯水混合栓
US20040074543A1 (en) Valving and mixing unit
JP2686468B2 (ja) 水 栓
CN217422274U (zh) 一种出水装置
JP2686897B2 (ja) 機能モジュールを用いた湯水混合装置
CA2251046A1 (en) Pressure-equalizing control
WO2006000316A1 (en) In-line valve cartridge

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080311

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090311

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100311

Year of fee payment: 13

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees