JPH11181564A - アルミナの成膜方法及び磁気抵抗効果型磁気ヘッド - Google Patents

アルミナの成膜方法及び磁気抵抗効果型磁気ヘッド

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JPH11181564A
JPH11181564A JP35173597A JP35173597A JPH11181564A JP H11181564 A JPH11181564 A JP H11181564A JP 35173597 A JP35173597 A JP 35173597A JP 35173597 A JP35173597 A JP 35173597A JP H11181564 A JPH11181564 A JP H11181564A
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JP
Japan
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film
alumina
alumina film
magnetic
forming
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JP35173597A
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Seiji Onoe
精二 尾上
Seiji Kumagai
静似 熊谷
Eiji Nakashio
栄治 中塩
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より緻密な構造とされ絶縁性が向上されたア
ルミナ薄膜を成膜することができるアルミナの成膜方法
及びその成膜方法を用いて絶縁体膜を製造することによ
り狭ギャップ化が可能となる磁気抵抗効果型磁気ヘッド
を提供する。 【解決手段】 基板1にアルミナを成膜してスパッタリ
ングアルミナ膜2を形成する工程と、このスパッタリン
グアルミナ膜2上にアルミニウムを成膜してアルミニウ
ム膜3を形成する工程と、上記アルミニウム膜3に酸化
処理を施してアルミナからなる金属酸化アルミナ膜4を
形成することにより、アルミナ膜10を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミナの成膜方
法及びその成膜方法を用いて非磁性絶縁体膜を成膜した
磁気抵抗効果型磁気ヘッドに関し、詳しくは、緻密な構
造のアルミナ膜を成膜する方法及び緻密な構造のアルミ
ナ膜からなる非磁性絶縁体膜を有する磁気抵抗効果型磁
気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録は、益々高密度化が進ん
でおり、これに対応するために、従来から広く使用され
ているバルク型の磁気ヘッドに比べて、狭トラック化、
低インダクタンス化、転送速度の高速化等の面において
有利な薄膜磁気ヘッドの需要が伸びてきている。
【0003】この薄膜磁気ヘッドの中でも、更なる高密
度記録化に好適な磁気ヘッドとして、インダクティブ型
薄膜磁気ヘッドと磁気抵抗効果型磁気ヘッドとを組み合
わせた複合型の磁気ヘッドが開発されている。この磁気
ヘッドは、インダクティブ型薄膜磁気ヘッドを用いて情
報信号の記録を行い、磁気抵抗効果型磁気ヘッドを用い
て情報信号の再生を行うものである。ここで、図28
は、磁気抵抗効果型磁気ヘッドの一例の断面を示してい
る。
【0004】上述の磁気抵抗効果型磁気ヘッドは、図2
8に示すように、軟磁性材料からなり下層磁気シールド
として働く第1の軟磁性基板300上に、非磁性絶縁体
からなる絶縁体膜301、磁気抵抗効果素子302、非
磁性絶縁体からなる絶縁体膜303、接着材層304、
軟磁性材料からなり上層磁気シールドとして働く第2の
軟磁性基板305がこの順に積層形成されている。ま
た、ここでは、端子等は省略しているが、この磁気抵抗
効果型磁気ヘッドには、図示しない外部接続用端子等が
形成されている。
【0005】このような磁気抵抗効果型磁気ヘッドで
は、絶縁体膜301,303が、例えば、ターゲットと
してアルミナを用い、スパッタガスとしてArガスを用
いて、高周波スパッタリングにより成膜されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たスパッタリングによりアルミナが成膜された絶縁体膜
301,303は、アルミナの表面活性エネルギーが低
いため、成膜面を原子レベルでみると、スパッタリング
されたアルミナの島同士が連続して形成されるのではな
く、分子運動によって比較的大きなアルミナのクラスタ
集団からなる薄膜となされている。よって、このような
スパッタリングによりアルミナが成膜された絶縁体膜
は、クラスタ同士の空隙ができやすく、微小な穴のない
緻密な構造ではなかった。
【0007】このように、スパッタリングによりアルミ
ナが成膜された絶縁体膜は、緻密な構造の薄膜ではない
ため、絶縁性が好ましくなく絶縁効率が悪い。そのた
め、図28に示すような磁気抵抗効果型磁気ヘッドを製
造する場合、磁気抵抗効果素子302と上層磁気シール
ド及び下層磁気シールドとの間において十分な絶縁性を
確保するためには、絶縁体膜301,303の膜厚があ
る程度必要であり、これら絶縁体膜301,303の膜
厚を薄くするには限界があった。
【0008】したがって、スパッタリングにより予めア
ルミナが成膜された絶縁体膜を有する磁気抵抗効果型磁
気ヘッドでは、絶縁体膜301,303の膜厚の薄膜化
に限界があるため、上層磁気シールドと下層磁気シール
ドとの間隔、つまりギャップglを狭めるのに限界があ
り、そのため高周波特性の向上が困難となって、更なる
高密度記録化の実現ができなかった。
【0009】そこで、本発明は、従来の実情に鑑みて提
案されたものであり、より緻密な構造とされ絶縁性が向
上されたアルミナ薄膜を成膜することができるアルミナ
の成膜方法及びその成膜方法を用いて絶縁体膜を製造す
ることにより狭ギャップ化が可能となり高周波特性の向
上が図られて記録密度の向上が実現される磁気抵抗効果
型磁気ヘッドを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために完成された本発明に係るアルミナの成膜方法は、
被成膜材上にアルミナを成膜して第1のアルミナ膜を形
成する工程と、上記第1のアルミナ膜上にアルミニウム
を成膜してアルミニウム膜を形成する工程と、上記アル
ミニウム膜に酸化処理を施してアルミナからなる第2の
アルミナ膜を形成する工程とを備えることを特徴とす
る。ここで、上記酸化処理は、プラズマ酸化であること
が好ましい。
【0011】また、非磁性絶縁体膜を介して一対の軟磁
性体によって磁気抵抗効果素子が挟持されてなる磁気抵
抗効果型磁気ヘッドにおける非磁性絶縁体膜は、上記第
1のアルミナ膜及び第2のアルミナ膜からなる積層膜に
より形成されることが好ましい。
【0012】以上のように構成された本発明に係るアル
ミナの成膜方法では、アルミナが成膜されてなる第1の
アルミナ膜上に、アルミニウム膜を形成した後に当該ア
ルミニウム膜に酸化処理を施して第2のアルミナ膜を形
成する。つまり、第2のアルミナ膜は、均一に成膜され
たアルミニウム膜の全体を一律に酸化して形成されたも
のである。このため、この第2のアルミナ膜は、アルミ
ナのクラスタが生じにくく、緻密な構造となる。
【0013】したがって、本発明に係るアルミナの成膜
方法によれば、アルミナ膜が第1のアルミナ膜と緻密な
構造の第2のアルミナ膜とから構成されるので、アルミ
ナを予め原料として用いて成膜したアルミナ膜よりも、
より緻密な構造で表面性の良好なアルミナ膜が形成され
る。さらに、このアルミナの成膜方法では、第1のアル
ミナ膜が被成膜材を酸化処理から保護する働きもある。
【0014】また、本発明に係るアルミナの成膜方法で
は、アルミニウム膜の酸化処理としてプラズマ酸化を用
いることによって、アルミニウム膜の全体が効率良く一
律に酸化される。さらに、本発明に係るアルミナの成膜
方法を、磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおける非磁性絶縁
体膜の成膜に用いることにより、この非磁性絶縁体膜が
上述したように緻密な構造となされるため、磁気抵抗効
果型磁気ヘッドにおける非磁性絶縁体膜の絶縁性が向上
する。
【0015】また、上述した目的を達成するために完成
された本発明に係る磁気抵抗効果型磁気ヘッドは、非磁
性絶縁体膜を介して一対の軟磁性体に挟持された磁気抵
抗効果素子を有するものである。
【0016】特に、本発明に係る磁気抵抗効果型磁気ヘ
ッドは、上記非磁性絶縁体膜が、アルミナが成膜された
第1のアルミナ膜上に、アルミニウムが成膜された後に
当該アルミニウム膜に酸化処理が施されアルミナからな
る第2のアルミナ膜が少なくとも一層形成されてなるこ
とを特徴とするものである。ここで、上記酸化処理が、
プラズマ酸化であることが好ましい。
【0017】以上のように構成された本発明に係る磁気
抵抗効果型磁気ヘッドは、非磁性絶縁体膜が、アルミナ
が成膜された第1のアルミナ膜上に、アルミニウムが成
膜された後に当該アルミニウム膜に酸化処理が施されて
第2のアルミナ膜が少なくとも1層形成されてなるた
め、均一に成膜されたアルミニウム膜を一律に酸化して
第2のアルミナ膜が形成されることから、この第2のア
ルミナ膜は、アルミナのクラスタが生じにくく、緻密な
構造となる。
【0018】したがって、本発明に係る磁気抵抗効果型
磁気ヘッドは、非磁性絶縁体膜が、第1のアルミナ膜と
緻密な構造の第2のアルミナ膜とから構成されるので、
アルミナを予め原料として用いて成膜されたアルミナ膜
よりも、より緻密な構造で表面性の良好な絶縁体膜とな
る。
【0019】その結果、本発明に係る磁気抵抗効果型磁
気ヘッドは、非磁性絶縁体膜が、絶縁効率が良く絶縁性
に優れ、電気的絶縁耐圧が大きくなる。
【0020】また、本発明に係る磁気抵抗効果型磁気ヘ
ッドでは、上記酸化処理としてプラズマ酸化を用いるこ
とによって、アルミニウム膜の全体が効率良く一律に酸
化される。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。まず、本発明
を適用したアルミナの成膜方法について詳細を説明す
る。
【0022】本発明を適用したアルミナの成膜方法で
は、先ず、図1に示すような表面を平坦化した基板1を
用意し、この基板1上に、図2に示すように、アルミナ
をターゲットとして用いて高周波スパッタリングによ
り、アルミナ膜(以下、スパッタリングアルミナ膜と称
する。)2を成膜する。
【0023】次に、図3に示すように、このスパッタリ
ングアルミナ膜2上に、アルミニウムをターゲットとし
て用いて直流マグネトロンスパッタリングによりアルミ
ニウム膜3を成膜する。
【0024】そして、このアルミニウム膜3を酸素プラ
ズマ内にさらしてプラズマ酸化させ、当該アルミニウム
膜3内のアルミニウムを酸化して酸化アルミニウム(A
23)であるアルミナを生成し、アルミナからなるア
ルミナ膜(以下、金属酸化アルミナ膜と称する。)4を
形成する。このときのプラズマ酸化の条件としては、例
えば、RF電力を20〜100[W]とし、導入ガスの
割合としてO2を90〜100[%]とし残りのガスを
Arとし、導入ガスの導入圧を0.2[Pa]とし、プ
ラズマ酸化時間を120[秒]とする。
【0025】このようにして、基板1上に、スパッタリ
ングアルミナ膜2、金属酸化アルミナ膜4が順次成膜さ
れてなるアルミナ膜10が形成される。ここで、スパッ
タリングアルミナ膜2は、酸化処理から基板1を保護す
る働きもある。
【0026】なお、これらアルミニウム膜3の成膜工程
とプラズマ酸化により金属酸化アルミナ膜4の形成工程
とを同一のスパッタリング装置内で連続的に行うことに
より、所望の厚みのアルミナ膜を効率良く得ることがで
きる。また、図2〜図4におけるアルミナ膜の成膜工程
において、基板1の温度を上げることにより、アルミナ
膜をより緻密な構造とすることができる。
【0027】以上のような工程からなる本発明を適用し
たアルミナの成膜方法は、スパッタリングアルミナ膜2
上にアルミニウム膜3が均一に形成された後に、このア
ルミニウム膜3の全体を一律にプラズマ酸化して、アル
ミナからなる金属酸化アルミナ膜4を形成するものであ
る。そのため、この金属酸化アルミナ膜4は、基板1上
に予めアルミナを原料としてスパッタリング等により成
膜したアルミナ膜よりも、アルミナのクラスタが生じに
くく、より緻密な構造となる。
【0028】したがって、本発明を適用したアルミナの
成膜方法により成膜されたアルミナ膜10は、スパッタ
リングアルミナ膜2と緻密な構造の金属酸化アルミナ膜
4とから構成されるので、基板1上に予めアルミナを原
料としてスパッタリング等により成膜したアルミナ膜よ
りも、全体としてより緻密な構造のアルミナ膜となる。
その結果、絶縁性に優れた電気絶縁耐圧の大きい絶縁体
膜となる。
【0029】しかも、このアルミナの成膜方法により成
膜されたアルミナ膜10は、上述したように電気絶縁耐
圧が大きく絶縁効率が良いため、後述する磁気ヘッドの
非磁性絶縁体膜に用いられる場合、非磁性絶縁体膜自体
を薄膜化することができる。ここで、スパッタリングア
ルミナ膜2と金属酸化アルミナ膜4の膜厚は、以下に示
す理由により製造上制限される。
【0030】スパッタリングアルミナ膜2の膜厚を非常
に厚く成膜すると、スパッタリングアルミナ膜2の表面
上の凹凸が著しく大きくなる。これは、スパッタリング
アルミナ膜2の膜厚が厚いもののほうが、スパッタリン
グアルミナ膜2の膜厚が薄いものよりも、上述したアル
ミナのクラスタが多く生じるためである。このようにス
パッタリングアルミナ膜2を非常に厚く成膜してしまう
と、その表面上に通常の薄い金属酸化アルミナ膜4を形
成した場合、スパッタリングアルミナ膜2の大きな凹凸
がほぼそのまま金属酸化アルミナ膜4の表面に反映され
てしまい、表面に大きな凹凸がある金属酸化アルミナ膜
4となされてしまう。そして、その結果、全体として緻
密な構造のアルミナ膜を形成することはできない。
【0031】また、スパッタリングアルミナ膜2の膜厚
が薄すぎると、基板1の材料が、アルミニウム膜3の酸
素プラズマによる強制酸化処理による影響を受けてしま
い、基板1の特性劣化を生じる。
【0032】さらに、アルミニウム膜3の膜厚が薄すぎ
ると、スパッタリングアルミナ膜2の凹凸による段差を
吸収できず、緻密な構造とする金属酸化アルミナ膜4の
効果が発揮されにくい。一方、アルミニウム膜3が厚す
ぎると、プラズマ酸化されないアルミニウムが残ってし
まい、絶縁性が低下してしまう。
【0033】なお、プラズマ酸化による強制酸化処理の
代わりに、H2O量及び温度がコントロールされた窒素
と酸素との混合気体をチャンバー内に導入して酸化処理
を行うことにより金属酸化アルミナ膜4を形成すれば、
基板1の材料にダメージを与えずにスパッタリングアル
ミナ膜2及び金属酸化アルミナ膜4をより薄膜化するこ
とができる。
【0034】なお、図5に示すように、この金属酸化ア
ルミナ膜4上に更にアルミニウム膜を形成した後に再び
プラズマ酸化を行って金属酸化アルミナ膜4aを形成す
る工程を繰り返して、複数層の金属酸化アルミナ膜を形
成することにより、所望の膜厚としても良い。
【0035】また、図6に示すように、基板1上にスパ
ッタリングアルミナ膜2と上述の工程からなる金属酸化
アルミナ膜4とを繰り返し形成して、所望の膜厚として
も良い。
【0036】この図6に示す場合、最外表面は、アルミ
ナ膜全体を緻密化し絶縁性を向上させるという点から
は、スパッタリングアルミナ膜2と金属酸化アルミナ膜
4の何れでも良い。
【0037】つぎに、本発明を適用したアルミナの成膜
方法を用いて非磁性絶縁体膜が形成された磁気抵抗効果
型磁気ヘッド(以下、MRヘッドと称する。)の構成を
示す。ここで、図7は、MRヘッドの配線パターンを示
す平面図であり、図8は、図7中の線分A1−A2での断
面図であり、図9は、図7中の線分B1−B2での断面図
であり、図10は、図7中の線分C1−C2での断面図で
ある。
【0038】これら図7,図8,図9及び図10に示す
ように、このMRヘッドは、下層シールドとして機能す
る第1の軟磁性基板101と、第1の軟磁性基板101
上に形成された非磁性絶縁体膜102と、非磁性絶縁体
膜102上に形成された磁気抵抗効果素子(以下、MR
素子と称する。)103及びバイアス用導体104から
なる磁気抵抗効果素子部(以下、MR素子部と称す
る。)105と、MR素子部105の長手方向両端部か
ら導出された一対の第1の導体106,107と、一対
の第1の導体106,107にそれぞれ接続された一対
の第2の導体108,109と、非磁性絶縁体膜110
a,110bと、非磁性絶縁体膜110b上に接着剤1
11によって接着され上層シールドとして機能する第2
の軟磁性基板112とを備える。
【0039】このMRヘッドにおいて、MR素子部10
5は、MR素子103と、MR素子103にバイアス磁
界を印加するためにMR素子103上に形成されたバイ
アス用導体104とからなる。そして、このMR素子部
105は、その長手方向が記録媒体対向面Mと平行にな
るように配され、その端部の一方が記録媒体対向面Mに
露出するように研磨加工されている。
【0040】MR素子部105の両端部から導出された
第1の導体106,107は、MR素子部105の端部
から非磁性絶縁体膜102上にわたって、非磁性絶縁体
膜110aに形成された溝部に埋め込まれており、その
前端部が記録媒体対向面Mに露出している。
【0041】一方、第1の導体106,107に接続さ
れた第2の導体108,109は、第1の導体106,
107の後端部に積層されており、記録媒体対向面Mに
は露出していない。そして、これらの第1の導体10
6,107及び第2の導体108,109の上に、非磁
性絶縁体膜110bが形成されている。
【0042】すなわち、このMRヘッドでは、図9に示
すように、非磁性絶縁体膜110aに形成された溝部に
埋め込まれた第1の導体106の後端部分に、第2の導
体108が積層されており、これにより、第1の導体1
06と第2の導体108とが導通している。そして、こ
れらの第1の導体106及び第2の導体108の上に、
非磁性絶縁体膜110bが形成されている。ここで、非
磁性絶縁体膜110bは、第2の導体部108の後端部
に形成される接続端子113が露出するように形成され
ている。
【0043】同様に、非磁性絶縁体膜110aに形成さ
れた溝部に埋め込まれた第1の導体107の後端部分
に、第2の導体109が積層されており、これにより、
第1の導体107と第2の導体109とが導通してい
る。そして、これらの第1の導体107及び第2の導体
109の上に、非磁性絶縁体膜110bが形成されてい
る。ここで、非磁性絶縁体膜110bは、第2の導体部
109の後端部に形成される接続端子114が露出する
ように形成されている。
【0044】ここで、第1の導体106,107は、耐
環境性に優れた高融点金属からなる。これは、第1の導
体106,107が、記録媒体対向面Mに露出している
ため、優れた耐環境性を必要とするからである。一方、
第2の導体108,109は、第1の導体106,10
7よりも比抵抗の小さい導電材料からなる。これは、第
2の導体108,109が、記録媒体対向面Mに露出し
ないため、耐環境性よりも電気的特性を優先することが
できるからである。
【0045】特に、非磁性絶縁体膜102,110a,
110bは、本発明を適用したアルミナの成膜方法によ
りアルミナが成膜されている。ここで、図11は、図1
0中の範囲Aを拡大した図である。
【0046】非磁性絶縁体膜102は、図11に示すよ
うに、アルミナをターゲットとしてスパッタリングした
スパッタリングアルミナ膜102a上に、アルミニウム
からなるアルミニウム膜を成膜した後に当該アルミニウ
ム膜をプラズマ酸化して、金属酸化アルミナ膜102b
が形成されてなる。また、非磁性絶縁体膜110aも同
様に、スパッタリングアルミナ膜110a1上に、金属
酸化アルミナ膜110a2が形成されてなる。また、非
磁性絶縁体膜110bも同様に、スパッタリングアルミ
ナ膜110b1上に、金属酸化アルミナ膜110b2が形
成されてなる。
【0047】なお、非磁性絶縁体膜102,110a,
110bの何れも、図5で示したようなスパッタリング
アルミナ膜上に金属酸化アルミナ膜を複数層繰り返し形
成したものであっても良いし、また、図6で示したよう
なスパッタリングアルミナ膜と金属酸化アルミナ膜を繰
り返し積層したものでも良い。しかも、非磁性絶縁体膜
102,110a,110bは、ぞれぞれの上面がスパ
ッタリングアルミナ膜または金属酸化アルミナ膜の何れ
かでも良い。
【0048】このように構成された非磁性絶縁体膜10
2,110a,110bは、緻密な構造をなす金属酸化
アルミナ膜102b,110a2,110b2がそれぞれ
形成されてなるため、予めアルミナを原料としてスパッ
タリング等により成膜されたアルミナ膜よりも、構造が
より緻密となり、電気絶縁耐圧がより大きく、絶縁効率
がより向上される。その結果、非磁性絶縁体膜102,
110a,110bの更なる薄膜化が可能となる。
【0049】したがって、このMRヘッドでは、磁気シ
ールド間の間隔であるギャップgを狭めることができ
て、高周波特性を向上させることができ、更なる高密度
記録化が可能となる。
【0050】このようなMRヘッドを用いて記録媒体か
ら情報信号を再生する際には、第2の導体108,10
9の後端部に形成された接続端子113,114から、
第2の導体108,109及び第1の導体106,10
7を介してMR素子部105にセンス電流を供給し、記
録媒体対向面Mに沿ってMR素子部105の長手方向に
センス電流を流す。そして、このセンス電流により、記
録媒体からの磁界によって生じるMR素子部105の抵
抗変化を検出し、これによって記録媒体から情報信号を
再生する。
【0051】なお、上記MRヘッドにおいて、第1の軟
磁性基板101及び第2の軟磁性基板112は、MR素
子部105を磁気的にシールドするためのものであり、
全体が軟磁性材料からなる必要はない。すなわち、例え
ば、非磁性基板又は磁性基板上に軟磁性薄膜を形成し
て、これを第1の軟磁性基板101や第2の軟磁性基板
112とし、当該軟磁性薄膜がMR素子部105に対向
するように配してもよい。
【0052】つぎに、以上述べたような本発明を適用し
たアルミナの成膜方法を非磁性絶縁体膜の成膜方法とし
て用いた上述のMRヘッドの製造方法について説明す
る。図12〜図26を参照しながら説明する。
【0053】MRヘッドを作製する際は、先ず、図12
に示すように、軟磁性材料であるNi−Znフェライト
を材料として表面をラッピング処理して平坦化した第1
の軟磁性基板101を用意する。
【0054】次に、図13に示すように、上記の第1の
軟磁性基板101上に、ターゲットにアルミナを用いて
高周波スパッタリングによりスパッタリングアルミナ膜
102aを、例えば、膜厚30nmとなるように成膜す
る。
【0055】次に、図14に示すように、このスパッタ
リングアルミナ膜102a上に、アルミニウムを用いて
DCマグネトロンスパッタリングによりアルミニウム膜
122を、例えば、膜厚10nmとなるように成膜す
る。
【0056】そして、このアルミニウム膜122を酸素
雰囲気中にてプラズマ酸化して、アルミニウム膜122
内のアルミニウムを酸化してアルミナを生成し、図15
に示すようなアルミナからなる金属酸化アルミナ膜10
2bを成膜する。このときのプラズマ酸化の酸化条件と
しては、例えば、RF電力を20〜100[W]とし、
導入ガスとしてO2を90〜100[%]とし残りをA
rとし、導入ガスの導入圧を0.2[Pa]とし、プラ
ズマ酸化時間を120[秒]とする。
【0057】さらに、例えば、膜厚30nmのスパッタ
リングアルミナ膜102aと膜厚10nmの金属酸化ア
ルミナ膜102bとを再び積層形成した後、図16に示
すように、膜厚20nmのスパッタリングアルミナ膜1
02aを成膜する。このようにして、膜厚が100nm
の非磁性絶縁体膜102が形成される。
【0058】なお、このとき、最終的に、非磁性絶縁体
膜102の表面をより平滑化するには、最外表面にある
アルミナ膜102aを所望の膜厚の約1.5倍程度に
し、このアルミナ膜102aをラッピングして非磁性絶
縁体膜102を所望の厚みにすると良い。
【0059】次に、図17に示すように、非磁性絶縁体
膜102上にMR素子部105を形成する。ここで、M
R素子部105は、いわゆるSAL(Soft Adjacent La
yer)バイアス方式によってDCバイアス磁界をMR素
子103に印加するために、上述したように、MR素子
103と、MR素子103へバイアス磁界を印加するた
めのバイアス用導体104とが積層されてなる。そこ
で、MR素子部105を形成する際は、MR素子103
とバイアス用導体104をDCマグネトロンスパッタリ
ングによって積層し、その後、MR素子103とバイア
ス用導体104を同時に、長手方向が記録媒体対向面M
に対して平行な短冊形状となるように、エッチングす
る。これにより、長手方向が記録媒体対向面Mに対して
平行な短冊形状のMR素子部105が非磁性絶縁体膜1
02上に形成される。
【0060】ここで、MR素子103には、例えば、膜
厚が50nmのNi−Fe合金を使用し、バイアス用導
体104には、例えば、膜厚が10nmのTaと、膜厚
が50nmのNi−Fe−Ta合金との積層膜を使用す
る。これにより、MRヘッドのMR素子部105全体の
膜厚は、例えば、110nmとなる。
【0061】なお、MR素子103とバイアス用導体1
04の積層順は逆であってもよい。すなわち、例えば、
Ni−Fe−Ta合金と、Taと、Ni−Fe合金とを
この順に積層するようにしてもよい。
【0062】次に、図18に示すように、非磁性絶縁体
膜102及びMR素子部105上に、本発明を適用した
アルミナ成膜方法により非磁性絶縁体膜110aを形成
する。 つまり、この非磁性絶縁体膜110aを形成す
るには、非磁性絶縁体膜102と同様に、スパッタリン
グアルミナ膜110a1上に、アルミニウム膜を成膜し
た後に当該アルミニウム膜をプラズマ酸化して金属酸化
アルミナ膜110a2を形成する。
【0063】このため、この非磁性絶縁体膜110a
は、予めアルミナを原料としてスパッタリングしたアル
ミナ膜よりも、より緻密な構造となされ、絶縁性が向上
される。ここで、非磁性絶縁体膜110aの膜厚を、例
えば、100nmとなるように形成する。
【0064】次に、MR素子部105の所定の2箇所が
露出するように、非磁性絶縁体膜110aに、記録媒体
対向面Mに対して略垂直方向に2つの溝部を形成する。
ここで、溝部は、図19に示すように、溝部に対応した
逆テーパー状の開口部を有するレジスト200を非磁性
絶縁体膜110a上に形成し、当該レジスト200をマ
スクとして非磁性絶縁体膜110aをイオンミリング等
によりエッチングすることによって形成する。これらの
溝部は、後工程において、MR素子部105へセンス電
流を供給するための第1の導体106,107を埋め込
むためのものである。
【0065】次に、図20に示すように、第1の導体1
06,107となる導体膜210を全面にスパッタリン
グ等により形成する。これにより、導体膜210が、非
磁性絶縁体膜110aに形成された溝部内に形成される
とともに、レジスト200上に形成される。ここで、導
体膜210の膜厚は、非磁性絶縁体膜110aの膜厚と
同一、又は非磁性絶縁体膜110aの膜厚よりも薄くな
るようにする。また、第1の導体106,107には、
上述したように優れた耐環境性が求められるため、この
導体膜210の材料には、耐環境性に優れた高融点金属
であるCr,Ti,Ta,W,Mo等、又はこれらの合
金等を使用する。
【0066】次に、レジスト200を有機溶媒等を用い
て剥離する。これにより、レジスト200上に形成され
た導体膜210は、レジスト200と共に除去される。
この結果、図21に示すように、導体膜210は、溝部
内に形成された部分、すなわち非磁性絶縁体膜110a
に埋め込まれた部分だけが残り、これが第1の導体10
6,107となる。この第1の導体106,107は、
その膜厚が非磁性絶縁体膜110aの膜厚以下とされて
いるので、ギャップgに影響を及ぼすことはない。
【0067】なお、以上のように、不要な部分をレジス
トによりマスクし、当該マスクを剥離することによって
所定のパターンを形成する方法は、リフトオフ法と呼ば
れている。
【0068】ところで、MR素子部105に供給される
センス電流は、第1の導体106,107の間に流れる
ので、MR素子部105のうち、記録媒体からの磁界を
検出するのに有効な部分は、第1の導体106と第1の
導体107との間の部分だけである。したがって、第1
の導体106と第1の導体107との間隔T1が、この
MRヘッドのトラック幅となる。そこで、これら一対の
第1の導体106,107は、第1の導体106と第1
の導体107との間の距離が所望するトラック幅となる
ように形成する。
【0069】以上のように第1の導体106,107の
形成が完了したら、次に、第2の導体108,109
を、第1の導体106,107と同様に、リフトオフ法
により形成する。なお、第2の導体の製造工程は、図7
中の線分B1−B2での断面を示す図22〜図25を参照
して説明する。ここで、図22は、図21に対応してお
り、第1の導体106,107の形成後の状態を示して
いる。
【0070】第2の導体108,109を形成する際
は、図21及び図22に示すように第1の導体106,
107を形成した後、先ず、図23に示すように、レジ
スト220を形成する。ここで、レジスト220は、第
1の導体106,107の後端部に対応する部分に開口
部を形成するとともに、その他の部分全体を覆うように
形成する。また、このレジスト220の開口部は、その
エッジ部分が逆テーパー状となるように形成する。
【0071】次に、図24に示すように、第2の導体1
08,109となる導体膜230を全面にスパッタリン
グ等により形成する。このとき、レジスト220の開口
部内に形成された導体膜230と、レジスト220上に
形成された導体膜230とは、レジスト220の開口部
のエッジ部分が逆テーパー状となるように形成されてい
るので、図24に示すように、接続することなく、互い
に完全に分離された状態で形成される。なお、第2の導
体108,109は、上述したように比抵抗が小さい導
電材料からなることが好ましい。そこで、第2の導体1
08,109となる導体膜230には、例えば、Cu,
Ag,Au系材料等や、Ti等の下地膜上にこれらの導
電材料を積層した積層膜等を使用する。
【0072】このように導体膜230を形成する際、そ
の膜厚は、MR素子部105の膜厚よりも薄くなるよう
に形成する。すなわち、本実施の形態のMRヘッドで
は、MR素子部105の膜厚が110nmなので、導体
膜230の膜厚は110nmよりも薄くする。
【0073】なお、第2の導体108,109の形状
は、第1の導体106,107に接続するようになって
いれば良い。すなわち、第2の導体108,109のそ
れぞれのパターンが、例えば、第1の導体106,10
7の後端部に一致するようなパターンとしても良いし、
第1の導体106,107の後端部を覆うような広めの
パターンとしても良いし、第1の導体106,107の
後端部よりも狭めのパターンとしてもよい。ここでは、
第2の導体108,109のパターンは、図7に示した
ように、第1の導体106,107のパターンよりも全
体的に狭めのパターンとした。
【0074】次に、図25に示すように、リフトオフ法
によって第2の導体108,109を所定の形状に形成
する。すなわち、有機溶剤等を用いて、レジスト220
上に形成された導体膜230と共に、レジスト220を
除去する。ここで、レジスト220の開口部内に形成さ
れた第2の導体108,109と、レジスト220上に
形成された第2の導体108,109とは、互いに完全
に分離された状態で形成されているので、レジスト22
0の開口部内に形成された第2の導体108,109の
エッジ部分に乱れが生じるようなことなく、レジスト2
20上に形成された導体膜230だけが確実に除去され
る。
【0075】以上の工程により、第1の導体106,1
07上に第2の導体108,109が形成される。
【0076】ここで、第2の導体108,109は、M
R素子部105よりも薄く形成している。したがって、
第1の導体106及び第2の導体108が積層された部
分の膜厚や、第1の導体107及び第2の導体109が
積層された部分の膜厚は、MR素子部105及び第1の
導体106が積層された部分の膜厚や、MR素子部10
5及び第1の導体107が積層された部分の膜厚よりも
薄くなっている。したがって、第2の導体108,10
9が形成された部分は、MR素子部105上に第1の導
体106,107が形成された部分よりも段差的に低く
なっており、第2の導体108,109がギャップ間隔
gに影響を及ぼすようなことはない。
【0077】次に、図26及び図27に示すように、M
R素子部105、非磁性絶縁体膜110a、第1の導体
106,107及び第2の導体108,109が形成さ
れた第1の軟磁性基板300上に、非磁性絶縁体膜11
0bを、本発明を適用したアルミナの成膜方法により、
例えば、膜厚が0.1μmとなるように形成する。
【0078】つまり、この非磁性絶縁体膜110bを形
成するには、非磁性絶縁体膜102,110aと同様
に、スパッタリングアルミナ膜110b1上に、アルミ
ニウム膜を成膜した後に当該アルミニウム膜をプラズマ
酸化して金属酸化アルミナ膜110b2を形成する。
【0079】このため、この非磁性絶縁体膜110b
は、予めアルミナを原料としてスパッタリングしたアル
ミナ膜よりも、より緻密な構造となされ、絶縁体性が向
上されている。また、この非磁性絶縁体膜110bは、
第1の導体106,107及び第2の導体108,10
9を静電気や腐食等から保護するためのものである。
【0080】ここで、第1の軟磁性基板101の主面に
対して、最も段差的に高い部分は、MR素子部105上
に非磁性絶縁体膜110a及び非磁性絶縁体膜110b
が形成された部分である。したがって、ギャップgは、
第1の軟磁性基板101上に形成された非磁性絶縁体膜
102と、MR素子103及びバイアス用導体104か
らなるMR素子部105と、MR素子部105上に形成
された非磁性絶縁体膜110a及び非磁性絶縁体膜11
0bとにより決定される。すなわち、このMRヘッドで
は、第1の導体106,107や第2の導体108,1
09がギャップ間隔gに影響しない。
【0081】次に、第2の導体108,109の後端部
の一部が外部接続用の電極として露出するように、第2
の導体108,109の後端部上に形成されている非磁
性絶縁体膜110bをエッチングして完全に除去した上
で、非磁性絶縁体膜110b上に第2の軟磁性基板12
0を接着剤によって接着する。ここで、第2の軟磁性基
板120は、第2の導体108,109の後端部が露出
するように接合する。
【0082】そして、以上の工程の後、MR素子103
が記録媒体対向面Mに露出するように記録媒体対向面M
を研磨加工する研磨工程や、第2の導体108,109
の後端部の電極部分に外部接続用の接続端子113,1
14を形成する端子形成工程等の後工程を施す。最終的
に、こうして得られたヘッドブロックを各ヘッドに切り
出し、ラッピングテープでMR素子103のデプスを決
めて、シールド型のMRヘッドを製造する。
【0083】以上述べたように、本発明を適用したアル
ミナの成膜方法により磁気抵抗効果型磁気ヘッドの非磁
性絶縁体膜102,110a,110bを形成すること
により、非磁性絶縁体膜102,110a,110bが
緻密な構造のアルミナ膜となるため、この非磁性絶縁体
膜102,110a,110bの絶縁効率が向上し、絶
縁性の向上を実現することができる。その結果、磁気抵
抗効果型磁気ヘッドにおける非磁性絶縁体膜102,1
10a,110bの膜厚を薄膜化することが可能とな
り、更なる狭ギャップ化を実現することができて、高周
波数特性を向上させ、更なる高密度記録化を図ることが
できる。
【0084】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
るアルミナの成膜方法は、アルミナが成膜された第1の
アルミナ膜上に、アルミニウム膜を形成した後に、当該
アルミニウム膜に酸化処理を施して第2のアルミナ膜を
生成する。つまり、第2のアルミナ膜は、均一に成膜さ
れたアルミニウム膜の全体を一律に酸化して形成された
ものである。このため、この第2のアルミナ膜は、アル
ミナのクラスタが生じにくく、緻密な構造となる。
【0085】したがって、本発明に係るアルミナの成膜
方法によれば、アルミナ膜が第1のアルミナ膜と緻密な
構造の第2のアルミナ膜とから構成されるので、アルミ
ナを予め原料として用いて成膜したアルミナ膜よりも、
より緻密な構造で表面性の良好なアルミナ膜を形成する
ことができる。さらに、このアルミナの成膜方法では、
第1のアルミナ膜が被成膜材を補強する働きもある。
【0086】また、本発明に係るアルミナの成膜方法で
は、アルミニウム膜の酸化処理としてプラズマ酸化を用
いることによって、アルミニウム膜の全体を効率良く一
律に酸化することができる。さらに、上記第1のアルミ
ナ膜及び第2のアルミナ膜を磁気抵抗効果型磁気ヘッド
における非磁性絶縁体膜に用いることにより、この非磁
性絶縁体膜が上述したように緻密な構造となされるた
め、磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおける非磁性絶縁体膜
の絶縁性が向上する。その結果、本発明に係るアルミナ
の成膜方法によれば、更なる狭ギャップ化を実現して、
高周波数特性に優れ、更なる高密度記録化を図ることが
可能となされた磁気抵抗効果型磁気ヘッドを提供するこ
とができる。
【0087】また、以上詳細に説明したように、本発明
に係る磁気抵抗効果型磁気ヘッドは、非磁性絶縁体膜
が、アルミナが成膜された第1のアルミナ膜上に、アル
ミニウムが成膜された後に当該アルミニウム膜に酸化処
理が施されて第2のアルミナ膜が少なくとも1層形成さ
れてなるため、均一に成膜されたアルミニウム膜を一律
に酸化して第2のアルミナ膜が形成されることから、こ
の第2のアルミナ膜は、アルミナのクラスタが生じにく
く、緻密な構造となる。
【0088】したがって、本発明に係る磁気抵抗効果型
磁気ヘッドは、非磁性絶縁体膜が、第1のアルミナ膜と
緻密な構造の第2のアルミナ膜とから構成されるので、
アルミナを予め原料として用いて成膜されたアルミナ膜
よりも、より緻密な構造で表面性の良好な絶縁体膜とな
る。
【0089】その結果、本発明に係る磁気抵抗効果型磁
気ヘッドは、絶縁効率が良く絶縁性に優れ、電気的絶縁
耐圧が大きくなるため、更なる狭ギャップ化を実現し
て、高周波数特性に優れ、更なる高密度記録化を図るこ
とが可能となる。
【0090】また、本発明に係る磁気抵抗効果型磁気ヘ
ッドでは、上記酸化処理としてプラズマ酸化を用いるこ
とによって、アルミニウム膜の全体を効率良く一律に酸
化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したアルミナの成膜方法において
用いられる基板を示す断面図である。
【図2】本発明を適用したアルミナの成膜方法におい
て、スパッタリングアルミナ膜が成膜された状態を示す
断面図である。
【図3】本発明を適用したアルミナの成膜方法におい
て、アルミニウム膜が成膜された状態を示す断面図であ
る。
【図4】本発明を適用したアルミナの成膜方法におい
て、アルミニウム膜が酸化されて金属酸化アルミナ膜が
形成された状態を示す断面図である。
【図5】本発明を適用したアルミナの成膜方法におい
て、金属酸化アルミナ膜が積層形成された状態を示す断
面図である。
【図6】本発明を適用したアルミナの成膜方法におい
て、スパッタリングアルミナ膜と金属酸化アルミナ膜が
繰り返し積層形成された状態を示す断面図である。
【図7】磁気抵抗効果型磁気ヘッドの一例を示す平面図
である。
【図8】図7中のA1−A2線における磁気抵抗効果型磁
気ヘッドの断面を示す断面図である。
【図9】図7中のB1−B2線における磁気抵抗効果型磁
気ヘッドの断面を示す断面図である。
【図10】図7中のC1−C2線における磁気抵抗効果型
磁気ヘッドの断面を示す断面図である。
【図11】図10中の範囲Aを拡大して示す断面図であ
る。
【図12】本発明を適用した磁気抵抗効果型磁気ヘッド
を製造する際に用いられる基板を示す断面図である。
【図13】本発明を適用した磁気抵抗効果型磁気ヘッド
を製造する際において、スパッタリングアルミナ膜が成
膜された状態を示す断面図である。
【図14】本発明を適用した磁気抵抗効果型磁気ヘッド
を製造する際において、アルミニウム膜が成膜された状
態を示す断面図である。
【図15】本発明を適用した磁気抵抗効果型磁気ヘッド
を製造する際において、金属酸化アルミナ膜が成膜され
た状態を示す断面図である。
【図16】本発明を適用した磁気抵抗効果型磁気ヘッド
を製造する際において、非磁性絶縁体膜が形成された状
態を示す断面図である。
【図17】本発明を適用した磁気抵抗効果型磁気ヘッド
を製造する際において、磁気抵抗効果素子が形成された
状態を示す断面図である。
【図18】本発明を適用した磁気抵抗効果型磁気ヘッド
を製造する際において、非磁性絶縁体膜が形成された状
態を示す断面図である。
【図19】本発明を適用した磁気抵抗効果型磁気ヘッド
を製造する際において、レジストを成膜した後にエッチ
ングを施すことにより、第1の導体を埋め込むための溝
部が設けられたマスクを形成した状態を示す断面図であ
る。
【図20】本発明を適用した磁気抵抗効果型磁気ヘッド
を製造する際において、導体膜が形成された状態を示す
断面図である。
【図21】本発明を適用した磁気抵抗効果型磁気ヘッド
を製造する際において、第1の導体が形成された状態を
示す断面図である。
【図22】第1の導体が形成された図21の工程でのB
1−B2線における断面を示す断面図である。
【図23】本発明を適用した磁気抵抗効果型磁気ヘッド
を製造する際において、第1の導体形成後にレジストが
形成された状態を示す断面図である。
【図24】本発明を適用した磁気抵抗効果型磁気ヘッド
を製造する際において、導体膜が成膜された状態を示す
断面図である。
【図25】本発明を適用した磁気抵抗効果型磁気ヘッド
を製造する際において、第2の導体が形成された状態を
示す断面図である。
【図26】本発明を適用した磁気抵抗効果型磁気ヘッド
を製造する際において、第2の導体が形成された後に非
磁性絶縁体膜が形成された状態を示す断面図である。
【図27】非磁性絶縁体膜が形成された図26の工程に
おいて、図7中のA1−A2線における断面を示す断面図
である。
【図28】従来の磁気抵抗効果型磁気ヘッドの一例を示
す断面図である。
【符号の説明】
1 基板、 2 スパッタリングアルミナ膜、 3,1
02a,110a1,110b1 アルミニウム膜、
4,102b,110a2,110b2 金属酸化アルミ
ナ膜、 102,110a,110b 非磁性絶縁体
膜、 105 磁気抵抗効果素子

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被成膜材上にアルミナを成膜して第1の
    アルミナ膜を形成する工程と、 上記第1のアルミナ膜上にアルミニウムを成膜してアル
    ミニウム膜を形成する工程と、 上記アルミニウム膜に酸化処理を施してアルミナからな
    る第2のアルミナ膜を形成する工程とを備えることを特
    徴とするアルミナの成膜方法。
  2. 【請求項2】 上記第1のアルミナ膜は、スパッタリン
    グにより成膜されることを特徴とする請求項1記載のア
    ルミナの成膜方法。
  3. 【請求項3】 上記酸化処理が、プラズマ酸化であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のアルミナの成膜方法。
  4. 【請求項4】 上記第1のアルミナ膜及び上記第2のア
    ルミナ膜からなる積層膜は、非磁性絶縁体膜を介して一
    対の軟磁性体によって磁気抵抗効果素子が挟持されてな
    る磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおける上記非磁性絶縁体
    膜であることを特徴とする請求項1記載のアルミナの成
    膜方法。
  5. 【請求項5】 非磁性絶縁体膜を介して一対の軟磁性体
    によって挟持された磁気抵抗効果素子を有し、 上記非磁性絶縁体膜は、アルミナが成膜された第1のア
    ルミナ膜上に、アルミニウムが成膜された後に当該アル
    ミニウム膜に酸化処理が施されてなる第2のアルミナ膜
    が少なくとも一層形成されてなることを特徴とする磁気
    抵抗効果型磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】 上記第1のアルミナ膜は、スパッタリン
    グにより成膜されていることを特徴とする請求項5記載
    の磁気抵抗効果型磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】 上記酸化処理が、プラズマ酸化であるこ
    とを特徴とする請求項5記載の磁気抵抗効果型磁気ヘッ
    ド。
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