JPH11167704A - 薄膜磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドの製造方法

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JPH11167704A
JPH11167704A JP33300197A JP33300197A JPH11167704A JP H11167704 A JPH11167704 A JP H11167704A JP 33300197 A JP33300197 A JP 33300197A JP 33300197 A JP33300197 A JP 33300197A JP H11167704 A JPH11167704 A JP H11167704A
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magnetic film
film
resist
head
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JP33300197A
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Satoshi Terui
聡 照井
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 上層磁気コアが第1の磁性膜と第2の磁性膜
によって構成される薄膜磁気ヘッドを製造するに際し
て、第1の磁性膜をイオンミーリング法によるエッチン
グするに当たり、第1の磁性膜のエッチング物の第2の
磁性膜側面に付着するのを防止し、所定のトラック幅を
有する薄膜磁気ヘッドを製造する。 【解決手段】 コア形状にパターニングされた第2の磁
性膜をマスクとして、イオンミーリング法によって第1
の磁性膜をパターニングするに際して、第2の磁性膜の
トラック幅方向の一端縁をレジストで覆い、第2の磁性
膜の反対側の端縁に向かってイオンビームを斜めに照射
してこの部分の第1の磁性膜をエッチングした後、上記
レジストを除去した後、これとは反対に上記第2の磁性
膜のトラック幅方向の他端縁をレジストで覆い、第2の
磁性膜の反対側の端縁に向かってイオンビームを斜めに
照射して残りの第1の磁性膜をエッチングする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上層磁気コアの磁
気ギャップ側に高飽和磁束密度材料が配された薄膜磁気
ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に薄膜磁気ヘッドは、磁性膜、絶縁
膜等の薄膜層が多層に積層されて構成される。これらの
薄膜層は、めっき法や、スパッタ法等の真空薄膜形成技
術によって形成されるため狭トラック化や狭ギャップ化
等の微細寸法化が容易である。このため、上記薄膜磁気
ヘッドは、高密度記録化に対応する磁気ヘッドとして注
目されている。
【0003】このような薄膜磁気ヘッドとしては、電磁
誘導現象を利用した磁気ヘッド(インダクティブヘッ
ド)と、磁気抵抗効果現象を利用した磁気ヘッド(MR
ヘッド)が知られている。
【0004】インダクティブヘッドは、記録用、再生用
の両方で使われる磁気ヘッドであり、酸化物磁性材料等
よりなる基板上に、軟磁性薄膜よりなる下層磁気コアと
上層磁気コアが形成され、この下層磁気コアと上層磁気
コアの間にスパイラル状の導体コイル層が形成されて構
成される。
【0005】また、MRヘッドは、再生専用で用いられ
る磁気ヘッドであり、基板上に上層シールド磁性体と下
層シールド磁性体が形成され、この上層シールド磁性体
と下層シールド磁性体の間に、磁気抵抗効果を有する磁
性薄膜よりなる磁気抵抗効果素子(以下、MR素子と称
する)と、このMR素子に所要の向きの磁化状態を与え
るバイアス導体とが挟み込まれて構成される。
【0006】また、例えばハードディスクドライブにお
いては、上記インダクディブヘッドを記録用ヘッドと
し、MRヘッドを再生ヘッドとして組み合わせた複合型
磁気ヘッドが使用されている。
【0007】この複合型磁気ヘッドが用いられるハード
ディスクシステムにおいては、さらなる高記録密度化が
要求され、磁気ディスクとしては高保磁力を有するもの
が用いられるようになっている。また、記録用に用いら
れるインダクティブヘッドに対しては、このような保磁
力の高い磁気ディスクに対して良好な情報記録が行える
ように、高い飽和磁束密度を有することが求められてい
る。
【0008】ここで、上述のようなインダクティブヘッ
ドでは、上層磁気コア及び下層磁気コアにはNi−Fe
(パーマロイ)合金メッキ膜等が一般に使用されるが、
Ni−Fe合金は軟磁性には優れるものの、飽和磁束密
度については十分であるとは言えない。
【0009】そこで、インダクティブヘッドにおいて
は、高密度記録に対応するために上層磁気コアの磁気ギ
ャップ近傍にCo−Zr−Nbアモルファス材料等の高
飽和磁束密度材料を配した構成が提案されている。
【0010】ところで、例えばNi−Fe合金磁性材は
めっき法によって成膜されるが、Co−Zr−Nbアモ
ルファス材料のような高飽和磁束密度材はスパッタ法に
よって成膜されるのが一般的である。したがって、この
ような2種類の磁性薄膜を用いる上層磁気コアはこれま
で次のようにして形成されている。
【0011】すなわち、基板上に下層磁気コア、平坦化
膜、導体コイル、平坦化膜を順次形成した後、この上に
上層磁気コアを形成する。
【0012】上層磁気コアを形成するには、スパッタ法
によって高飽和磁束密度材よりなる第1の磁性膜を全面
形成し、その上にフレームめっき法と湿式エッチング法
を用いて上層磁気コア形状にパターニングされた第2の
磁性膜を形成する。図17(a)に第1の磁性膜31上
にパターニングされた第2の磁性膜32の平面形状を、
図17(b)に第2の磁性膜32を磁気記録媒体対向面
側から見た正面図をそれぞれ示す。
【0013】そして、このように第2の磁性膜32が形
成された基板を回転させながら、第1の磁性膜31をイ
オンミーリング法によってエッチングする。イオンミー
リング法は、イオンビームの照射によってエッチングを
行うものであり、この場合、イオンビームを照射する
と、第2の磁性膜32がエッチングマスクとなり、この
第2の磁性膜32が形成されていない領域の第1の磁性
膜31がエッチング除去される。その結果、第2の磁性
膜32が第1の磁性膜31に対応する平面形状にパター
ニングされ、第1の磁性膜31と第2の磁性膜32より
なる上層磁気コアが形成される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようにし
て上層磁気コアを形成した場合、第1の磁性膜をイオン
ミーリング法によってエッチングする際に、エッチング
除去された第1の磁性膜のエッチング物が、コア形状に
パターニングされた第1磁性膜の端縁に再付着してしま
う。このエッチング物の再付着は、特にイオンビームを
照射している側と反対側の第2の磁性膜の端縁で著し
い。
【0015】そして、図18に示すように、エッチング
物33がトラック幅Twを規制するフロントギャップ部
で多く生じた場合、所定のトラック幅Twが得られなく
なり、安定な特性で薄膜磁気ヘッドが得られなくなる。
【0016】そこで、本発明はこのような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、第2の磁性膜をマスクと
して、第1の磁性膜をイオンミーリング法によってエッ
チングするに際して、エッチング物の第2の磁性膜端縁
への付着が防止される薄膜磁気ヘッドの製造方法を提供
することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、下層磁気
コア、導体コイル及び絶縁層が形成された基板上に第1
の磁性膜と第2の磁性膜を順次積層形成し、上記第2の
磁性膜を磁気ギャップ部が所定のトラック幅となるよう
にパターニングする工程と、上記第2の磁性膜のトラッ
ク幅方向の一端縁をレジストで覆い、第2の磁性膜の反
対側の端縁に向かってイオンビームを斜めに照射してこ
の部分の第1の磁性膜をエッチングする工程と、上記レ
ジストを除去した後、これとは反対に上記第2の磁性膜
のトラック幅方向の他端縁をレジストで覆い、第2の磁
性膜の反対側の端縁に向かってイオンビームを斜めに照
射して残りの第1の磁性膜をエッチングして第1の磁性
膜をパターニングする工程と、を有することを特徴とす
るものである。
【0018】第2の磁性膜のトラック幅方向の一端縁を
レジストで覆い、第2の磁性膜の反対側の端縁に向かっ
てイオンビームを斜めに照射してこの部分の第1の磁性
膜をエッチングすると、この部分の第1の磁性膜が第2
の磁性膜に対応した平面形状にエッチングされる。この
とき発生する第1の磁性膜のエッチング物は、イオンビ
ームを照射している側とは反対側で付着を生じやすい
が、この反対側の第2の磁性膜の端縁はレジストで覆わ
れているので、この端縁へのエッチング物の付着が防止
される。
【0019】また、この後、これとは反対に上記第2の
磁性膜のトラック幅方向の他端縁をレジストで覆い、第
2の磁性膜の反対側の端縁に向かってイオンビームを斜
めに照射して残りの第1の磁性膜をエッチングすると、
第1の磁性膜が第2の磁性膜の平面形状に対応した形状
にパターニングされる。
【0020】このときも第1の磁性膜のエッチング物
は、イオンビームを照射している側とは反対側で付着を
生じやすいが、この反対側の第2の磁性膜の端縁はレジ
ストで覆われているので、この端縁へのエッチング物の
付着が防止される。
【0021】したがって、エッチング物によってトラッ
ク幅を変動させることなく2層構成の上層磁気コアが形
成され、特性の安定な薄膜磁気ヘッドが製造される。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施の形
態について説明する。
【0023】この薄膜磁気ヘッドは、図1に示すよう
に、磁気記録媒体対向面Aに再生用磁気ギャップg1
臨ませる磁気抵抗効果型ヘッド(以下、MRヘッドと称
する)1と、この磁気記録媒体対向面Aに記録用磁気ギ
ャップg2を臨ませるインダクティブヘッド2を、非磁
性基板25上に積層した、複合型磁気ヘッドとされてい
る。
【0024】上記MRヘッド1は、センス電流がトラッ
ク幅方向と直交する方向に流れる、いわゆる縦型のMR
ヘッドである。このMRヘッド1は、上記基板25上に
Al23、SiO2等よりなり絶縁層26を介して形成
された下層シールド磁性体3と上層シールド磁性体4と
の間に、MR素子5及びバイアス導体6が挟み込まれて
なるものであり、磁気記録媒体対向面AにMR素子5の
一端が露出されることによって再生ギャップg1が形成
されるようになっている。
【0025】上記MR素子5は、長方形パターンとして
形成され、その長手方向が上記磁気記録媒体対向面Aに
対する直交方向となるように設けられるとともにその一
端縁が上記磁気記録媒体対向面Aに臨むようになってい
る。
【0026】このMR素子5には、先端部と後端部にそ
れぞれ図示しない定電流源からのセンス電流を通ずるた
めの一対の電極7a,7bが積層されている。
【0027】上記バイアス導体6は、平面長方形状の細
長い配線パターンとして形成され、上記MR素子5上に
絶縁層8を介して所定の距離を隔てて積層されている。
【0028】また、このバイアス導体6は、上記MR素
子5に対して略直交する方向、つまりMR素子5を横切
る形で設けられている。そして、このバイアス導体6の
両端部は、直流電源からのバイアス電流を通電するため
の端子部とされている。したがって、この端子部より供
給される直流電流は、配線パターンの長手方向であるト
ラック幅方向に流れる。これにより、磁気記録媒体対向
面Aと直交する方向にバイアス磁界が上記MR素子5に
印加される。
【0029】そして、上記MRヘッド1においては、上
記MR素子5を絶縁層8,9,10を介してパーマロイ
等の軟磁性体からなる下層シールド磁性体3と上層シー
ルド磁性体4とで挟み込んだ、いわゆるシールド型構成
となっている。
【0030】一方、インダクティブヘッド2は、図1に
示すように上層シールド磁性体4を閉磁路を構成する他
方の磁気コア(下層磁気コア)とし、この上層シールド
磁性体4に対向して積層される上層磁気コア11とによ
って上記磁気記録媒体対向面A側にフロントギャップ部
2aが構成され、このフロントギャップ部2aの上記磁
気記録媒体対向面Aに臨んでその前方端部間に記録用磁
気ギャップg2が形成されている。このインダクティブ
ヘッド2においては上記フロントギャップ部2aでの上
層磁気コア11の幅によって記録用磁気ギャップg2
トラック幅が規制される。また、上記上層シールド磁性
体4と上層磁気コア11とは後端部で磁気的に接触して
バックギャップ2bを構成するようになっている。
【0031】そして、上記上層シールド磁性体4と上層
磁気コア11との間には、上記上層シールド磁性体4上
に第1の平坦化膜12、第2の平坦化膜13を介して導
体コイル14が形成されている。この導体コイル14
は、上記バックギャップ2bを取り囲むようにしてスパ
イラル状に設けられている。また、この導体コイル14
上には、第3の平坦化膜15と第4の平坦化膜16が形
成され、前記第4の平坦化膜16上に上層磁気コア11
が形成されている。第1の平坦化膜12〜第4の平坦化
膜16はレジスト等の絶縁材料よりなり、このうち第1
の平坦化膜12の厚さによって記録用磁気ギャップg2
のギャップ幅が規制される。また、第2の平坦化膜13
〜第4の平坦化膜16は、フロントギャップ部2aを除
いた部分に設けられ、上層シールド磁性体4と導体コイ
ル14との絶縁と、導体コイル14と上層磁気コア11
との絶縁を図るとともに表面を平坦化することによっ
て、その上に導体コイル14や上層磁気コア11を正確
な形状で形成するために設けられる。
【0032】また、ここでは、特に上記上層磁気コア1
1は、第1の磁性膜17と第2の磁性膜18の2層の磁
性膜によって構成されている。
【0033】上記第1の磁性膜17には、第2の磁性膜
よりも飽和磁束密度の高い磁性材料、例えばCo−Zr
−Nbアモルファス磁性材料が用いられる。また、第2
の磁性膜18は、例えばNi−Fe合金のような軟磁性
材料によって構成される。
【0034】以上が複合型磁気ヘッドの構成であり、こ
のような複合型磁気ヘッドは次のようにして製造され
る。
【0035】まず、非磁性基板25上に形成された絶縁
層26上に、下層シールド磁性体3を形成し、この上に
MR素子5、バイアス導体6、上層シールド磁性体4を
絶縁層8,9,10を介して形成し、MRヘッド1を作
製する。
【0036】そして、図2に示すように、上記上層シー
ルド磁性体4上に、第1の平坦化膜12、第2の平坦化
膜13を形成する。これら第1の平坦化膜12、第2の
平坦化膜13は、例えば有機高分子材料を塗布、真空キ
ュア炉にてキュアリングすることによって形成される。
【0037】次に、図3に示すように、第2の平坦化膜
13上に、スパッタリング法によって例えばCr膜とC
u膜よりなるめっき下地膜19を成膜し、このめっき下
地膜19上にフォトレジストを塗布し、所定のパターン
のマスクを重ねた状態でレジストを光硬化させること
で、導体コイル14のパターンに対して反転パターンの
レジストマスクを形成する。そして、このレジストマス
クから露出しているめっき下地膜19上に、電解めっき
法によってCu等を析出させ、図4に示すようにスパイ
ラル状の導体コイル14を形成する。この後、有機溶剤
によってレジストマスクを除去し、図5に示すようにこ
のレジストマスクの下側から露出した不要なめっき下地
膜19をイオンミリング法によってエッチング除去す
る。
【0038】続いて、図6に示すように、このようにし
て形成された導体コイル14の配線間を埋めるようにレ
ジストを塗布し、真空キュア炉にてキュアリングするこ
とによって第3の平坦化膜15を形成し、図7に示すよ
うにこの第3の平坦化膜15上にさらにレジストを塗布
し、真空キュア炉によってキュアリングすることによっ
て第4の平坦化膜16を形成する。
【0039】そして、上記第4の平坦化膜16上に第1
の磁性膜17と第2の磁性膜18よりなる上層磁気コア
11を形成する。
【0040】上層磁気コア11を形成するには、図8に
示すように、まずスパッタリング法によって高飽和磁束
密度材よりなる第1の磁性膜17を成膜し、この上にス
パッタリング法によって、Ni−Feメッキ下地膜ある
いはTi膜とNi−Fe膜よりなるメッキ下地膜20を
成膜する。なお、ヘッドに高飽和磁束密度を付与するた
めに上記第1の磁性膜17は0.3μm以上の厚さで成
膜するのが望ましい。
【0041】そして、上記めっき下地膜20上にフォト
レジストを塗布し、所定のパターンのマスクを重ねた状
態でレジストを硬化させることで、図9に示すように上
層磁気コア11の外形形状に対応しためっきフレーム2
1を形成する。そして、図10に示すように、このめっ
きフレーム21から露出しているめっき下地膜20上
に、電解めっき法によってNi−Feのような軟磁性材
を析出させ、第2の磁性膜18を形成する。
【0042】この後、図11に示すように、有機溶剤に
よってめっきフレーム21を除去する。そして、第2の
磁性膜18上の上層磁気コア11に対応する領域にレジ
ストマスクを形成し、さらに硝酸を含有するエッチング
液を用いる湿式エッチングによってレジストマスクから
露出している第2の磁性膜18及びNi−Feめっき下
地膜を溶解させて除去する。図12(a)に第2の磁性
膜18を上から見た平面図を示すが、このように上層磁
気コア11形状に対応して第2の磁性膜18が残存した
かたちになる。この第2の磁性膜18を磁気記録媒体対
向面A側から見た正面図を図12(b)に示す。なお、
図12(b)及び以下に示す図13(b)〜図16
(b)の正面図において第1の磁性膜17は第2の磁性
膜18よりも厚さが薄いものとする。
【0043】次に、イオンミーリング法によって、第2
の磁性膜18をマスクとして、この第2の磁性膜18の
非成膜領域に存する第1の磁性膜17を除去するが、そ
のままイオンミーリング法によるエッチングを行うと、
エッチング除去された第1の磁性膜17のエッチング物
が第2の磁性膜18端縁に再付着し、トラック幅が変動
してしまう。
【0044】そこで、ここでは第2の磁性膜18をカバ
ーレジストで覆いながら、第1の磁性膜17を2段階に
分けてイオンミーリング法によってエッチングする。
【0045】すなわち、まず図13(a),(b)に示
すように上記第2の磁性膜18のトラック幅方向の一端
縁を第1のカバーレジスト22で覆う。なお、この第1
のカバーレジスト22は、例えばフォトレジストを塗布
し、所定のパターンで光硬化させることによって形成さ
れる。
【0046】そして、第2の磁性膜18の、第1のカバ
ーレジスト22で覆われた側とは反対側の端縁に向かっ
てイオンビームを斜めに照射してこの部分の第1の磁性
膜17をエッチングする。これにより、図14(a),
(b)に示すようにこの部分の第1の磁性膜17が第2
の磁性膜18に覆われた部分を除いて除去される。
【0047】このとき、イオンミーリング法では、エッ
チングが行われている側とは反対側にエッチング物が付
着し易いが、この反対側の第2の磁性膜18の端縁は第
1のカバーレジスト22によって覆われているので、こ
の端縁へのエッチング物の付着が防止される。
【0048】次に、図15(a),(b)に示すよう
に、第1のカバーレジスト22を除去し、第1のカバー
レジスト22で覆った側とは反対の第2の磁性膜18の
トラック幅方向の他端縁を第2のカバーレジスト23で
覆い、第2の磁性膜18の反対側の端縁に向かってイオ
ンビームを斜めに照射して残りの第1の磁性膜17をエ
ッチングし、第2のカバーレジスト23を除去する。こ
れによって、図16(a),(b)に示すように第1の
磁性膜17が、第2の磁性膜18の平面形状に対応した
平面形状でパターニングされたかたちになる。
【0049】このときも、イオンミーリング法では、エ
ッチングが行われている側とは反対側にエッチング物が
付着し易いが、この反対側の第2の磁性膜の端縁は第2
のカバーレジストによって覆われているので、この端縁
へのエッチング物の付着が防止される。
【0050】したがって、以上の工程によれば、第1の
磁性膜17のエッチング物によってトラック幅を変動さ
せることなく2層構成の上層磁気コアが形成され、特性
の安定な薄膜磁気ヘッドが製造される。
【0051】なお、このとき、エッチング物の再付着を
十分に防止するためには、図13(b),図15(b)
に示すようにイオンミリングに用いるイオンビームを、
磁気記録媒体対向面Aに対して略平行に入射させ、第1
の磁性膜17表面と直交する面Sに対する入射角度θが
40゜〜45゜となるようにするのが望ましい。イオン
ビームの入射角度θが小さ過ぎるとエッチング物の再付
着が多くなるおそれがある。また、イオンビームの入射
角度θが大き過ぎると、第2の磁性膜の下側でエッチン
グが進行してしまう等の不都合が生じる。
【0052】以上、本発明の製造方法を、複合型磁気ヘ
ッドを製造する場合を例にして説明したが、この製造方
法はインダクティブヘッドのみを製造する場合にも勿論
適用できる。この場合にも、上層磁気コア11が高い寸
法精度で形成され、所定のトラック幅を有するインダク
ティブヘッドが製造される。
【0053】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明は上層磁気コアが第1の磁性膜と第2の磁性膜よりな
る薄膜磁気ヘッドの製造方法であり、コア形状にパター
ニングされた第2の磁性膜をマスクとして、イオンミー
リング法によって第1の磁性膜をパターニングするに際
して、上記第2の磁性膜のトラック幅方向の一端縁をレ
ジストで覆い、第2の磁性膜の反対側の端縁に向かって
イオンビームを斜めに照射してこの部分の第1の磁性膜
をエッチングした後、上記レジストを除去した後、これ
とは反対に上記第2の磁性膜のトラック幅方向の他端縁
をレジストで覆い、第2の磁性膜の反対側の端縁に向か
ってイオンビームを斜めに照射して残りの第1の磁性膜
をエッチングするので、第1の磁性膜のエッチング物に
よってトラック幅を変動させることなく2層構成の上層
磁気コアを形成することができる。
【0054】したがって、本発明によれば所定のトラッ
ク幅を有する薄膜磁気ヘッドを高い歩留まりで製造する
ことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法で製造される薄膜磁気ヘッド
の一例を示す概略断面図である。
【図2】薄膜磁気ヘッドの製造方法を工程順に示すもの
であり、第1の平坦化膜、第2の平坦化膜の形成工程を
示す概略断面図である。
【図3】第1のメッキ下地膜形成工程を示す概略断面図
である。
【図4】導体コイル形成工程を示し概略断面図である。
【図5】第1のメッキ下地膜エッチング工程を示す概略
断面図である。
【図6】第3の平坦化膜形成工程を示す概略断面図であ
る。
【図7】第4の平坦化膜形成工程を示す概略断面図であ
る。
【図8】第1の磁性膜及び第2のメッキ下地膜形成工程
を示す概略断面図である。
【図9】めっきフレーム形成工程を示す概略断面図であ
る。
【図10】第2の磁性膜形成工程を示す概略断面図であ
る。
【図11】めっきフレーム除去工程を示す概略断面図で
ある。
【図12】第1の磁性膜上に、コア形状にパターニング
された第2の磁性膜が形成されている様子を示し、
(a)は第1の磁性膜及び第2の磁性膜の平面図であ
り、(b)は第1の磁性膜及び第2の磁性膜を磁気記録
媒体対向面側から見た正面図である。
【図13】第1の磁性膜の片側をイオンミーリング法に
よってエッチングする工程を示し、(a)は第1の磁性
膜及び第2の磁性膜の平面図であり、(b)は第1の磁
性膜及び第2の磁性膜を磁気記録媒体対向面側から見た
正面図である。
【図14】第1の磁性膜の片側が第2の磁性膜に対応し
た平面形状にパターニングされた様子を示し、(a)は
平面図であり、(b)は第1の磁性膜及び第2の磁性膜
を磁気記録媒体対向面側から見た正面図である。
【図15】第1の磁性膜の反対側をイオンミーリング法
によってエッチングする工程を示し、(a)は第1の磁
性膜及び第2の磁性膜の平面図であり、(b)は第1の
磁性膜及び第2の磁性膜を磁気記録媒体対向面側から見
た正面図である。
【図16】第1の磁性膜が第2の磁性膜に対応した平面
形状にパターニングされた様子を示し、(a)は平面図
であり、(b)は第1の磁性膜及び第2の磁性膜を磁気
記録媒体対向面側から見た正面図である。
【図17】第1の磁性膜上に、コア形状にパターニング
された第2の磁性膜が形成されている様子を示し、
(a)は第1の磁性膜及び第2の磁性膜の平面図であ
り、(b)は第1の磁性膜及び第2の磁性膜を磁気記録
媒体対向面側から見た正面図である。
【図18】磁性膜の端縁にエッチング物が付着している
様子を示す正面図である。
【符号の説明】
4 上層シールド磁性体(下層磁気コア)、11 上層
磁気コア、12,13,15,16 平坦化膜、17
第1の磁性膜、18 第2の磁性膜

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下層磁気コア、導体コイル及び絶縁層が
    形成された基板上に第1の磁性膜と第2の磁性膜を順次
    積層形成し、上記第2の磁性膜を磁気ギャップ部が所定
    のトラック幅となるようにパターニングする工程と、 上記第2の磁性膜のトラック幅方向の一端縁をレジスト
    で覆い、第2の磁性膜の反対側の端縁に向かってイオン
    ビームを斜めに照射してこの部分の第1の磁性膜をエッ
    チングする工程と、 上記レジストを除去した後、これとは反対に上記第2の
    磁性膜のトラック幅方向の他端縁をレジストで覆い、第
    2の磁性膜の反対側の端縁に向かってイオンビームを斜
    めに照射して残りの第1の磁性膜をエッチングして第1
    の磁性膜をパターニングする工程と、 を有することを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 第1の磁性膜の成膜方法は、スパッタ法
    であることを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気ヘッド
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 第2の磁性膜の成膜方法は、めっき法で
    あることを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気ヘッドの
    製造方法。
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