JP3936085B2 - 磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、極めて狭いトラック幅を有する磁気ヘッドの製造方法に係り、特に、バイアス磁石膜及び電気伝導膜からなる一対のリード間の距離を極めて狭く形成し得る磁気ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
MR素子(又はGMR素子)を用いた再生ヘッドを有する磁気抵抗効果薄膜磁気ヘッドにおいては、素子にバイアス磁界を与えるとともに、素子の抵抗変化を検出するための一対のリードを素子の両端に設ける必要がある。かかるリードを有する再生ヘッドについて、出願人が既に提案している製造方法を図13から図16を参酌して説明すると、先ず、図13(A)に示したように、後にスライダを構成する基板51上に絶縁膜52を成膜し、この絶縁膜52の上に下シールド(軟磁性膜)53を堆積して素子の基板Bを形成する。その後、再生下ギャップ54をなす絶縁膜をスパッタ等で堆積させ、更にバイアス磁石膜55と電気伝導膜56をスパッタ等により積層する。
【0003】
次に、図13(B)に示したように、電気伝導膜56の上面に一対のレジストRa,Rbを形成する。具体的には、図16(A)に示したように、レジストRを電気伝導膜56の上に所定の厚みになるよう塗布し、図16(B)に示したように、レジストRを露光・現像により所定の幅W(以下、この幅を「抜きパターン幅W」と称する。)を有するようにカットすることにより、一対のレジストRa,Rbを形成する。この状態が図13(B)にも示されている。一対のレジストRa,Rb間の空間を溝部58と称する。
【0004】
続いて、図13(C)に示したように、一対のレジストRa,Rbの対向する端面(溝部58との境界面)上部の角部を溶融(レジストフロー)によりなだらかな形状にする。これにより、レジストRa,Rbの対向面は電気伝導膜56の上面に対して傾斜する。従って、レジストRa,Rbの端部の膜厚は溝部58の中央に向かうにつれて次第に小さくなるように形成される。
【0005】
その後、図14(A)に示したように、全面(上面)にイオンミリングを行い、図14(B)に示すような一対のリード59a,59bを形成する。上記のイオンミリングでは、レジストRa,Rb、電気伝導膜56及びバイアス磁石膜55を一括してエッチングするため、溝部58が逆台形形状に保たれる。以上によって、一対のリード59a,59bが完成する。
【0006】
その後、図14(C)に示したようにMR素子層60を形成し、図15(A)に示したように、MR素子層60の上にレジスト61を塗布する。このとき、レジスト61の形状を、形成すべきMR素子のパターンに合致させておく。次いで、図15(B)に示したように、イオンミリングによりMR素子層60の不要部分を除去して、矩形の平面形状を有するMR素子62を形成する。次に、図15(C)に示したように、アルミナ等からなる絶縁膜を堆積させて再生上ギャップ63を形成し、更に、下地メッキ層、上シールド兼下コア(いずれもパーマロイ等の軟磁性膜)等を成膜して再生ヘッドを完成する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、磁気情報記録媒体の記録密度の増大に伴い、トラック幅を狭くする要求(例えば、0.6μm以下とする要求)が高まっている。再生トラック幅はMR素子62が溝部58において下ギャップ54と接触している部分の幅で決定されるので、上記の製造方法においては、一対のレジストRa,Rb間の距離、即ち、抜きパターン幅Wを狭く形成することが必要となる。
【0008】
しかしながら、図16(B)、(C)に示したように、抜きパターン幅Wが広い場合(図16(B)及び(C)の抜きパターン幅Wは、それぞれ2μm、及び1μmである。)にはレジストは問題なくカットされるが、図16(D)に示したように、抜きパターン幅Wが0.5μmと非常に狭くなると、レジストを露光させるための露光レンズの解像度、及びレジスト自身の解像度を越えるために解像不可能となり、レジストRをカットすることができなくなる。このため、上記の方法によっては、要求される狭トラック幅の磁気ヘッドを得ることが困難であった。
【0009】
また、図17(A)に示したように、一対のレジストRa,Rbを溶融(レジストフロー)し、これらの対向する端面の上部角部に傾斜面を形成した後に上面からミリング加工を施して図17(B)に示した一対のリード59a,59bを形成すると、ミリング加工前の抜きパターンの底面幅W0よりも、ミリング加工後の一対のリードRa,Rb間の距離W1のほうが大きくなる。例えば、底面幅W0が1.0μmの場合には、距離W1は1.2μmとなる。この幅W1の広がりは、狭トラック幅を有する磁気ヘッドの製造を一層困難なものにしている。
【0010】
従って、本発明は記録密度の増大に対応するためになされたものであり、その目的は、露光解像度の制限を受けることのない新たな発想に基づく手法により一対のレジストを形成して、狭いトラック幅を有する磁気ヘッド(再生ヘッド)を製造することのできる方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段及びその作用・効果】
上記課題を解決するための本発明の第1の特徴は、イオンミリングのマスクとして使用する一対のレジストを、一つずつ個別に形成するようにしたことにある。即ち、本発明は、再生下ギャップ層に積層されたリード層の上に所定形状を有する一対のレジストを形成する工程が、前記リード層の上面にレジスト層を形成する工程と、前記レジスト層を露光及び現像して一対のレジストの一方を形成する工程と、この一方のレジストを硬化させる工程と、前記リード層及び前記硬化された一方のレジストの上に新たなレジスト層を形成する工程と、この新たなレジスト層を露光及び現像して前記一対のレジストの他方を形成する工程とを含むことを特徴としている。
【0012】
この特徴によれば、先ず、一対のレジストの一方を露光・現像により形成する。即ち、レジスト層を必要部分と不要部分に所定の境界線によって区別して露光・現像し、その不要部分を除去する。こうして形成されるレジストパターン(端面位置)の精度は露光位置精度にのみ依存する。
【0013】
次に、形成された一方のレジストを硬化した後、このレジスト及び露呈しているリード層の上に新たなレジスト層を重ねて形成する。最後に、この新たなレジスト層を必要部分と不要部分に所定の境界線によって区別して露光・現像し、その不要部分を除去する。この場合においても、新たに形成されるレジストパターン(端面位置)の精度は露光位置精度にのみ依存する。露光位置の精度は数十nmであるので、新たに形成される(除去されずに残された)レジストの端部は、狙いとした位置から数十nm程度しかずれない。従って、先に形成した一方のレジストの端部に極めて近い位置に新たに形成する他方のレジストの端部を配置することが可能となる。これにより、一対のレジストの端部間距離を極めて小さくすることができるので、結果として狭いトラック幅を有する磁気ヘッドを製造することが可能となる。なお、本発明においては、新たなレジスト層の露光・現像が、既に形成した一方のレジストの形状に影響を及さないように、一方のレジストを新たなレジスト層の露光・現像前に(次のレジストカットの前に)予め硬化しておくようにしている。
【0014】
本発明の第2の特徴は、第1の特徴に加えて、各レジストを加熱溶融してレジスト端部の膜厚を次第に低下させるようにしたことにある。具体的には、一対のレジストを形成する工程が、レジスト層を露光及び現像して前記一対のレジストの一方を形成する工程と、この一方のレジストを加熱溶融して同一方のレジストの膜厚を端部に向って次第に小さくなるように形成した後、さらにこの形状を保って硬化させる工程と、前記リード層及び前記硬化された一方のレジストの上に新たなレジスト層を形成する工程と、この新たなレジスト層を露光及び現像して前記一対のレジストの他方を形成する工程と、この他方のレジストを加熱溶融して同他方のレジストの膜厚を端部に向って次第に小さくなるように形成した後、さらにこの形状を保って硬化させる工程と、を含んだことを特徴としている。
【0015】
この特徴によれば、一対のレジストの対向する端面が傾斜し、露出したリード層の上面とレジストの両端面とが逆台形形状の空間を形成する。この場合、第1の特徴と同様に、一対のレジストの端面間の距離を任意の(狭さを有する)幅に形成することができる。そして、このレジストが形成された状態にてイオンミリングを施すと一対のレジストがマスクしていない部分の下方(リードの下方)に位置していた再生下ギャップが露呈し、端面が傾斜した一対のリードが形成される。更に、イオンミリングを継続すると、リード間の距離は次第に広がって行く(再生下ギャップの露呈幅が広がる)。即ち、イオンミリングのミリング量(ミリング時間)を管理すれば、任意の狭トラック幅を形成する一対のリード(傾斜面を有するリード)を形成することが可能となる。
【0016】
本発明の第3の特徴は、上記特徴を有する磁気ヘッドの製造方法において、一対のレジストの一方を形成する際の露光及び現像により前記基板上に基準位置マークを形成しておき、新たなレジスト層の露光を行う際に、この形成された基準位置マークを基準として露光位置を調整するようにしたことにある。
【0017】
この特徴によれば、直前の工程(直近の工程において形成された基準位置マーク)に基づいて新たなレジスト層の露光位置の基準が決定されるので、いわゆるアライメント崩れと呼ばれる位置ずれを抑制することが可能となる。従って、一方のレジストに対する他方のレジストの位置精度の低下を最小限にすることができるため、一層精度の良い狭トラック幅を得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る磁気ヘッド(磁気抵抗効果薄膜磁気ヘッド)の製造方法の一実施形態について、図面を参酌しつつ説明する。なお、図4〜図9は、磁気ヘッドを製造するための各工程におけるウエハの状態を斜視図にて示している。図10は、完成した磁気ヘッド斜視図である。図1〜図3は、図4(B)に示した状態から図5(A)に示した状態に到る間に実施されるレジスト及びリードの形成工程を示している。
【0019】
先ず、図4(A)に示したように、後にスライダとなるアルチック(Al23−TiC)等の基板10上にアルミナ(Al23)または窒化アルミニウム(AlN)等の絶縁膜である保護層11を成膜し、保護層11の上に下シールド層(パーマロイ等の軟磁性膜)12を堆積して素子の基板Bを形成する。その後、再生下ギャップ13(再生下ギャップ層)をなすアルミナ又は窒化アルミニウム等の絶縁膜をスパッタ等により堆積する。
【0020】
次に、図4(B)に示したように、再生下ギャップ13の上面にCoCrPt等のバイアス磁石膜14とW,Ta,Nb等の高電気伝導膜15をスパッタ、蒸着あるいは電気メッキにより積層してリード層16を形成する。なお、バイアス磁石膜14をスパッタで形成した場合にあっても、同磁石膜14は平面をなす再生下ギャップ13の上面に形成されるため、その結晶配向が乱されない。従って、保磁力Hc、角形比などの点で優れた磁気特性を有するバイアス磁石膜14を得ることができる。
【0021】
次いで、図4(C)に示したように、後にMR素子17aが形成される部位の上方に抜きパターン(溝部M)を有する一対のレジストRa,Rbを形成する。次いで、レジストフロー、イオンミリングなどの工程を経て、図5(A)に示した、一対のリード16a,16bを形成する。
【0022】
ここで、図4(B)に示した状態から図5(A)に示した状態に到るまでの工程について、図1〜図3、及び図11を参酌しつつより詳細に説明する。なお、図1〜図3は、製造される磁気ヘッドのウエハの各工程における正面図である。図11は、所定の状態にあるウエハを上方から見た様子を示す図である。
【0023】
図1(A)は図4(B)の状態にあるウエハを示し、このウエハは再生下ギャップ13の上にリード層16が形成されている。最初の工程においては、図1(B)に示したように、リード層16の上にレジストRoを所定の厚さに塗布する。次いで、図1(C)に示したように、レジストRoを露光・現像して不要部分を除去することによりレジストRaを形成する。このレジストの除去工程を「パターンカット」と呼ぶ。
また、図11(A)に示したように、上記露光・現像により基準位置マーク(アライメントマーク)30を形成しておく。実際には、図11(B)に示したように、ウエハ上(ウエハのリード層16の上面)に多数のレジストRaが形成されるとともに、各レジストRaに対応した多数の基準位置マーク30が、後に素子が形成される位置とは重ならない所定の位置に形成される。
【0024】
次に、パターンカットしたレジストRaを加熱溶融(レジストフロー)して、図1(D)に示したように、同レジストRaの端面の上部角部にR形状を付与してレジストRaの端部の膜厚を次第に小さくし、その形状を保ってレジストRaを硬化させる。なお、レジストを加熱するとレジストは比較的早期に溶融し、その後時間経過に伴って除々に効果するので、溶融と硬化が同一工程内にて行われることになる。この硬化したレジストRaは、後の工程において現像液に溶解せず、また再加熱しても溶融しない。
【0025】
続いて、図2(A)に示したように、レジストRoが除去されて露呈しているリード層16及びレジストRaの上面に、新たなレジストRnを所定厚さに塗布する。次いで、図2(B)に示したように、新たなレジストRnの不要部分を露光・現像により除去(パターンカット)し、レジストRaに対向するようにレジストRbを形成する。このときの露光・現像の位置決めは、図11(A)に示した基準位置マーク30を基準として行う。
【0026】
なお、図11(C)はレジストRaに加えてレジストRbが形成されたウエハ上の個々の素子状態を示し、図11(D)はそのウエハの一部を示している。このように、一つのウエハ上に複数個の素子(一対のレジスト)が、同一方向、等間隔、且つマトリクス状に形成され、基準位置マーク30は各素子の間の適所に形成される。また、このウエハは、図11(B)及び図11(D)に示したラインLに沿って後の工程にて切断されてスライダロー(複数の素子を一列に配置したもの)とされ、そのスライダローに対して更に他の加工が施される。
【0027】
次に、図2(C)に示したように、レジストRbを加熱溶融(レジストフロー)して、レジストRbのレジストRaに対向する端面の上部角部にR形状を付与するとともに、レジストRbの端部の膜厚を次第に小さくし、その形状を保ってレジストRbを硬化させる。以上により、レジストRa,Rbの対向面はリード層16の上面に対して傾斜し、レジストRa,Rbの膜厚は、各端部に向って次第に小さくなる。即ち、レジストRa,Rbは溝部Mの中央に向うにつれて次第に薄くなるように形成されるため、溝部Mは逆台形形状となる。この状態が、図4(C)に示した状態である。
【0028】
次に、図3(A)に示したように、一対のレジストRa,Rb及び溝部Mに露呈しているリード層16の上面(ウエハの全面)にプラズマ化したアルゴンイオンを照射するイオンミリング加工(プラズマエッチング加工)を施して、図3(B)に示した状態を得て、その後残っているレジストRa,Rbを除去する。この結果、図3(C)及び図5(A)に示したように、逆台形形状を有する溝部Mを挟んて対向する一対のリード16a,16bが形成される。
【0029】
次に、MR素子を形成する工程に移る。即ち、図5(B)に示したように、CoZrM(Nb,Mo)等の軟磁性膜であるSAL、Ti等からなるスペーサ、及びニッケル―鉄合金等からなるMR膜をウエハの全面に対して積層してMR素子層17を形成する。
【0030】
続いて、図5(C)に示したように、MR素子層17上にレジストRcを塗布する。このとき、レジストRcの形状を、形成すべきMR素子17aのパターンに合致させておく。即ち、形成すべきMR素子17aの直上位置にのみレジストRcを塗布する。この結果、レジストRcは溝部M内であって略正方形状をなし、対向する一組の辺の端部が溝部Mの傾斜面途中に位置するように塗布される。
【0031】
次に、図6(A)に示したように、イオンミリングによりMR素子層17の不要部分を除去して、矩形の略平面形状を有するMR素子17aを形成する。これにより、MR素子17aはその左右両端部がリード16a,16bの傾斜面の途中でカットされた状態に形成される。続いて、図6(B)に示したように、MR素子17a、左右のリード16a,16b、及びその周囲に露出している再生下ギャップ13の上にアルミナ又は窒化アルミニウム等からなる絶縁膜を堆積させて再生上ギャップ(再生上ギャップ層)18を形成する。
【0032】
次に、図6(C)に示したように、再生上ギャップ18の上に軟磁性膜(ニッケル−鉄合金の81パーマロイ等)を堆積して下地メッキ層19aを形成する。この後、図7(A)に示したように、下地メッキ層19aと同等のニッケル−鉄合金からなる軟磁性膜を電気メッキ等により所定の厚さに堆積して上シールド兼下コア(上シールド層)19を形成する。次いで、図7(B)に示したように、上シールド兼下コア19の上面を研磨して、上シールド兼下コア19の上面を平坦化する。
【0033】
続いて、図7(C)に示したように、上シールド兼下コア19の上にアルミナ等からなる絶縁膜をスパッタ等で堆積して書込みギャップ21を形成する。次いで、図8(A)に示したように、書込みギャップ21の上面であって、MR素子17aの直上位置にニッケル−鉄合金(81パーマロイ)等の高透磁率材料からなる書込み上ポール22を形成する。
【0034】
次に、図8(B)に示したように、イオンミリングを行い(プラズマ化したアルゴンイオンを上方から照射する)、書込み下ポール20を形成する。即ち、このイオンミリング時には書込み上ポール22がマスクとなるため、書込み上ポール22の直下部の上シールド兼下コア19が残されて書込み下ポール20となり、上シールド兼下コア19の他の部分は削られる。この結果、書込み上ポール22の幅と略等しい幅を有する断面が矩形の突起部(書込み下ポール20)が形成され、上シールド兼下コア19の上面は、書込み下ポール20の根元から遠ざかるにつれて僅かに下方に傾斜した傾斜面19bとなる。
【0035】
続いて、図9(A)に示したように、全面にアルミナ等からなる絶縁膜27をスパッタ等で堆積させて、書込み上ポール22を埋設する。次に、図9(B)に示したように、堆積された絶縁膜27を書込み上ポール22の先端部の上面まで研磨して、絶縁膜27の上面を平坦化する。これにより、書込み上ポール27の周囲は絶縁膜27で包囲される。その後、図10に示したように、絶縁膜27の上に絶縁層24及びコイル25を形成した後、絶縁層24及びコイル25を跨ぐようにして上コア23を形成する。最後に、図示しない保護膜を被せてシールド型磁気抵抗効果薄膜磁気ヘッドを形成する。
【0036】
以上説明したように、この実施形態においては、一対のリード16a,16bを形成するための一対のレジストRa,Rbを個別に形成するようにした。一般に、ある境界線を境としてレジストを露光・現像により除去するパターン加工においては、その境界線(残されたレジストの端面)の位置は露光位置精度に依存する。この露光位置は、現状、数十nm(例えば、3σで65nmの精度)という極めて高い精度をもって調整され得る。従って、上記本発明の実施形態によれば、一方のレジストRaの端面に極めて接近した位置に他方のレジストRbの端面を配置することが可能であり、図2に示した溝部Mの距離(レジストRaとRbとの距離=レジストカット幅)を極めて小さくすることができるので、結果として極めて狭いトラック幅を達成する一対のリード16a,16bを形成することが可能となった。なお、実験したところ、レジストカット幅を0.08μmとすることができ、このときのトラック幅は0.26μmになった。
【0037】
また、上記の実施形態においては、レジストRoからレジストRaを形成する露光・現像と同時にウエハの所定位置に基準位置マーク(アライメント)を形成し、レジストRbの露光・現像の位置合わせをこの基準位置マークを基準として行うようにした。このため、レジストカット幅の精度を一層向上することが可能となった。例えば、位置合せ精度が3σで65nmのステッパを使用した場合であって、当初から形成しておいた基準位置マークを用いてレジストRbの露光・現像の位置合せを行った場合は、レジストカット幅のバラツキは3σで116nmであった。これに対し、本発明の実施形態のように、レジストRaの露光・現像時に形成した基準位置マークを用いてレジストRbの露光・現像の位置合せを行ったところ、その位置ずれは3σで72nmとなった。
【0038】
更に、上記の実施形態においては、一対のリード16a,16bの端面を傾斜させるため、一対のレジストRa,Rbの端面を溶融により傾斜面とした。この場合、後のイオンミリングにより形成される一対のリード16a,16bの下端部間の距離(即ち、溝部Mの底部の幅=トラック幅)は一対のレジストRa,Rb間の当初の距離よりもよりも広がることになる。しかしながら、本実施形態においては一対のレジストRa,Rb間の当初の距離を極めて小さくすることが可能であるので、係る傾斜面を有するリード16a,16bを有する磁気ヘッドに対しても十分狭いトラック幅を与えることが可能となった。
【0039】
また、本実施形態によれば、原理的には限りなく“0”に近いトラック幅を有する磁気ヘッドを製造することも可能である。即ち、図12(A)に示したように、先ず一対のレジストRa,Rbの端部を隙間がないように形成する。本実施形態においては、露光解像度による制約を受けないため、このようなレジストパターンを形成することが可能である。
【0040】
次いで、イオンミリングを開始すると、図12(B)に示したように、端面が傾斜した一対のリードが形成され始める。ミリングを継続すると、図12(C)に示したように実質的に“0”の幅W2だけ再生下ギャップ層13が露出する。この段階でミリングを停止すれば、限りなく“0”に近いトラック幅を達成する一対のリード16a,16bが形成できる。即ち、本実施形態は、イオンミリングのミリング量(ミリング時間)を管理することにより、任意の狭トラック幅を形成する一対のリードを形成することを可能とするものである。
【0041】
以上、本発明の一実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されず、本発明の思想の範囲内で種々の変形が可能である。例えば、一対のリードの端面を傾斜させる必要がない(対向する各端面が再生下ギャップ層に対して直立している)ようなリードを形成するには、上記レジストの加熱溶融による傾斜面の付与工程(端部の膜厚を次第に小さくする工程)を、レジストを硬化させるだけの工程と置換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のリードを形成する工程を示した図である。
【図2】 本発明のリードを形成する工程を示した図である。
【図3】 本発明のリードを形成する工程を示した図である。
【図4】 本発明の磁気ヘッドの製造工程を示した図である。
【図5】 本発明の磁気ヘッドの製造工程を示した図である。
【図6】 本発明の磁気ヘッドの製造工程を示した図である。
【図7】 本発明の磁気ヘッドの製造工程を示した図である。
【図8】 本発明の磁気ヘッドの製造工程を示した図である。
【図9】 本発明の磁気ヘッドの製造工程を示した図である。
【図10】 本発明の完成した磁気ヘッドの斜視図である。
【図11】 レジスト形成時に使用する基準位置マークを示す図である。
【図12】 本発明のリードを形成する工程を示した図である。
【図13】 出願人が提案した磁気ヘッドの製造工程を示した図である。
【図14】 出願人が提案した磁気ヘッドの製造工程を示した図である。
【図15】 出願人が提案した磁気ヘッドの製造工程を示した図である。
【図16】 出願人が提案したリードを形成する工程を示した図である。
【図17】 出願人が提案したリードを形成する工程を示した図である。
【符号の説明】
10…基板、11…保護層(絶縁膜)、12…下シールド層、13…再生下ギャップ、14…バイアス磁石膜、15…電気伝導膜、16…リード層、16a,16b…一対のリード、17…MR素子層、17a…MR素子、18…再生上ギャップ、19…上シールド兼下コア(上シールド層)、20…書込み下ポール、21…書込みギャップ、22…書込み上ポール、23…上コア、25…コイル、B…素子の基板、Ra,Rb…一対のレジスト、Ro…塗布されたレジスト、Rn…新たに塗布されたレジスト。

Claims (3)

  1. 基板上に再生下ギャップ層を形成する工程と、前記再生下ギャップ層の上面にバイアス磁石膜および電気伝導膜からなるリード層を積層する工程と、前記リード層の上に所定形状を有する一対のレジストを形成する工程と、前記リード層及び前記一対のレジストに対してイオンミリング加工を施すことにより前記バイアス磁石膜および前記電気伝導膜からなる一対のリードを形成する工程と、前記一対のリード間に磁気抵抗効果素子を形成する工程と、前記素子の上に再生上ギャップ層を形成する工程とを含む磁気ヘッドの製造方法において、
    前記一対のレジストを形成する工程が、
    前記リード層の上面にレジスト層を形成する工程と、
    前記レジスト層を露光及び現像して前記一対のレジストの一方を形成する工程と、
    前記一方のレジストを硬化させる工程と、
    前記リード層及び前記硬化された一方のレジストの上に新たなレジスト層を形成する工程と、
    前記新たなレジスト層を露光及び現像して前記一対のレジストの他方を形成する工程と、
    を含んだことを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
  2. 基板上に再生下ギャップ層を形成する工程と、前記再生下ギャップ層の上面にバイアス磁石膜および電気伝導膜からなるリード層を積層する工程と、前記リード層の上に所定形状を有する一対のレジストを形成する工程と、前記リード層及び前記一対のレジストに対してイオンミリング加工を施すことにより前記バイアス磁石膜および前記電気伝導膜からなる一対のリードを形成する工程と、前記一対のリード間に磁気抵抗効果素子を形成する工程と、前記素子の上に再生上ギャップ層を形成する工程とを含む磁気ヘッドの製造方法において、
    前記一対のレジストを形成する工程が、
    前記リード層の上面にレジスト層を形成する工程と、
    前記レジスト層を露光及び現像して前記一対のレジストの一方を形成する工程と、
    前記一方のレジストを加熱溶融して同一方のレジストの膜厚を端部に向って次第に小さくなるように形成した後、さらにこの形状を保って硬化させる工程と、前記リード層及び前記硬化された一方のレジストの上に新たなレジスト層を形成する工程と、
    前記新たなレジスト層を露光及び現像して前記一対のレジストの他方を形成する工程と、
    前記他方のレジストを加熱溶融して同他方のレジストの膜厚を端部に向って次第に小さくなるように形成した後、さらにこの形状を保って硬化させる工程と、
    を含んだことを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
  3. 前記一対のレジストの一方を形成する工程にて前記レジスト層の露光及び現像により前記基板上の所定箇所に基準位置マークを形成し、
    前記一対のレジストの他方を形成する工程にて前記新たなレジスト層の露光を行う際に、前記形成された基準位置マークを基準として露光位置を調整するようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の磁気ヘッドの製造方法。
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