JP2002208113A - 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法

Info

Publication number
JP2002208113A
JP2002208113A JP2001337421A JP2001337421A JP2002208113A JP 2002208113 A JP2002208113 A JP 2002208113A JP 2001337421 A JP2001337421 A JP 2001337421A JP 2001337421 A JP2001337421 A JP 2001337421A JP 2002208113 A JP2002208113 A JP 2002208113A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
magnetic
thin
film
pole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001337421A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3986292B2 (ja
Inventor
Keiichi Sato
慶一 佐藤
Tetsuya Roppongi
哲也 六本木
Yuichi Watabe
裕一 渡部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2001337421A priority Critical patent/JP3986292B2/ja
Publication of JP2002208113A publication Critical patent/JP2002208113A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3986292B2 publication Critical patent/JP3986292B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Heads (AREA)
  • Hall/Mr Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁極部分より発生される、記録媒体の面に垂
直な方向の磁界を大きくし、且つ磁路長を短縮して高周
波特性を向上させる。 【解決手段】 薄膜磁気ヘッドは、第1の磁性層8およ
び第2の磁性層14と、第1の磁性層8と第2の磁性層
14との間に設けられたギャップ層9と、媒体対向面A
BSから離れた位置において第1の磁性層8と第2の磁
性層14とを磁気的に連結する連結部12と、一部が第
1の磁性層8および第2の磁性層14の間に設けられた
薄膜コイル10とを備えている。第2の磁性層14は、
磁極部分層14Aとヨーク部分層14Bとを有してい
る。磁極部分層14Aの飽和磁束密度は、ヨーク部分層
14Bの飽和磁束密度以上になっている。ヨーク部分層
14Bは、連結部12の上端部と磁極部分層14Aの後
端面とを磁気的に接続している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク装
置、磁気テープ装置等の磁気記録再生装置に使用される
薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録再生装置における記録方式に
は、信号磁化の向きを記録媒体の面内方向(長手方向)
とする長手磁気記録方式と、信号磁化の向きを記録媒体
の面に対して垂直な方向とする垂直磁気記録方式とがあ
る。垂直磁気記録方式は、長手磁気記録方式に比べて、
記録媒体の熱揺らぎの影響を受けにくく、高い線記録密
度を実現することが可能であると言われている。
【0003】長手磁気記録方式用の薄膜磁気ヘッドは、
一般的に、記録媒体に対向する媒体対向面(エアベアリ
ング面)と、互いに磁気的に連結され、媒体対向面側に
おいてギャップ部を介して互いに対向する磁極部分を含
む第1および第2の磁性層と、少なくとも一部が第1お
よび第2の磁性層の間に、第1および第2の磁性層に対
して絶縁された状態で設けられた薄膜コイルとを備えた
構造になっている。
【0004】一方、垂直磁気記録方式用の薄膜磁気ヘッ
ドには、長手磁気記録方式用の薄膜磁気ヘッドと同様の
構造のリングヘッドと、一つの主磁極によって記録媒体
に対して垂直方向の磁界を印加する単磁極ヘッドとがあ
る。単磁極ヘッドを用いる場合には、記録媒体としては
一般的に、基板上に軟磁性層と磁気記録層とを積層した
2層媒体が用いられる。
【0005】ところで、薄膜磁気ヘッドでは、トラック
密度を上げるためにトラック幅の縮小が望まれている。
そして、記録媒体に印加される磁界の強度を低下させる
ことなくトラック幅を縮小するために、磁極部分を含む
磁性層を、磁極部分と、この磁極部分に対して磁気的に
接続されたヨーク部分とに分け、磁極部分の飽和磁束密
度をヨーク部分の飽和磁束密度よりも大きくした薄膜磁
気ヘッドも種々提案されている。
【0006】上述のように、磁極部分を含む磁性層を、
磁極部分とヨーク部分とに分けた構造の薄膜磁気ヘッド
の例は、特開2000−57522号公報、特開200
0−67413号公報、特開平11−102506号公
報等に示されている。
【0007】上記の各公報に示された薄膜磁気ヘッドで
は、いずれも、第1の磁性層と第2の磁性層のうち、記
録媒体の進行方向の前側(薄膜磁気ヘッドを含むスライ
ダにおける空気流出端側)に配置された第2の磁性層
が、磁極部分とヨーク部分とに分けられている。
【0008】また、上記の各公報に示された薄膜磁気ヘ
ッドでは、いずれも、ヨーク部分は、第1の磁性層と第
2の磁性層との磁気的な接続部分から磁極部分まで、コ
イルを迂回するように配置されている。
【0009】特開2000−57522号公報に示され
た薄膜磁気ヘッドでは、第2の磁性層は、主磁性膜と補
助磁性膜とを有している。このヘッドでは、主磁性膜の
媒体対向面側の一部によって磁極部分が構成され、主磁
性膜の他の部分と補助磁性膜とによってヨーク部分が構
成されている。
【0010】特開2000−67413号公報に示され
た薄膜磁気ヘッドでは、第2の磁性層は、磁極部分を含
む磁極部分層と、ヨーク部分を含むヨーク部分層とを有
している。磁極部分層は、その後端面(媒体対向面とは
反対側の面)、側面(媒体対向面およびギャップ部の面
に垂直な面)および上面(ギャップ部とは反対側の面)
でヨーク部分層と磁気的に接続されている。
【0011】特開平11−102506号公報に示され
た薄膜磁気ヘッドでは、第2の磁性層は、磁極部分を含
む磁極部分層と、ヨーク部分を含むヨーク部分層とを有
している。磁極部分層は、その側面および上面でヨーク
部分層と磁気的に接続されている。
【0012】一方、垂直磁気記録方式用の薄膜磁気ヘッ
ドに関しては、「日経エレクトロニクス2000年9月
25日号(no.779),p.206」における図2
に、単磁極ヘッドの構造の一例が示されている。このヘ
ッドでは、主磁極を含む磁性層は単層になっている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】例えば60ギガビット
/(インチ)2以上のような大きな面記録密度を有する
磁気記録再生装置を実現しようとする場合には、垂直磁
気記録方式を採用することが有望視されている。しかし
ながら、垂直磁気記録方式に適した薄膜磁気ヘッドであ
って、60ギガビット/(インチ)2以上のような大き
な面記録密度を有する磁気記録再生装置を実現するため
の性能を有するヘッドは実現できていない。それは、従
来の薄膜磁気ヘッドが以下で説明するような問題点を有
しているためである。
【0014】まず、前記の各公報に示された薄膜磁気ヘ
ッドは、いずれも、構造上、長手磁気記録方式用のヘッ
ドであり、垂直磁気記録方式には適していない。具体的
に説明すると、各公報に示された薄膜磁気ヘッドでは、
いずれも、ギャップ部の厚みが小さいと共にスロートハ
イトが短く、ヨーク部分はコイルを迂回するように配置
された構造であるため、磁極部分より発生される、記録
媒体の面に垂直な方向の磁界が小さいという問題点があ
る。また、前記の各公報に示された薄膜磁気ヘッドで
は、いずれも、第2の磁性層の磁極部分をパターニング
するためのエッチングや磁極部分の形成後の工程の影響
で、磁極部分のギャップ部とは反対側のエッジが湾曲し
やすい。そのため、前記の各公報に示された薄膜磁気ヘ
ッドでは、記録媒体におけるビットパターン形状に歪み
が生じ、そのため線記録密度を高めることが難しいとい
う問題点がある。また、前記の各公報に示された薄膜磁
気ヘッドでは、いずれも、ヨーク部分はコイルを迂回す
るように配置された構造であるため、磁路長が長くな
り、そのため高周波特性が悪化するという問題点があ
る。
【0015】また、特開平11−102506号公報に
示された薄膜磁気ヘッドでは、磁極部分層は、その側面
および上面でのみヨーク部分層と磁気的に接続されてい
る。そのため、このヘッドでは、磁極部分層とヨーク部
分層との磁気的な接続部分の面積が小さく、そのため、
この接続部分において磁束が飽和して、媒体対向面にお
いて磁極部分より発生される磁界が小さくなるという問
題点がある。
【0016】一方、「日経エレクトロニクス2000年
9月25日号(no.779),p.206」における
図2に示された薄膜磁気ヘッドでは、主磁極を含む磁性
層は単層になっている。このヘッドでは、媒体対向面に
おける磁性層の厚みを小さくするために、磁性層全体が
薄くなっている。そのため、このヘッドでは、磁性層の
途中で磁束が飽和しやすく、媒体対向面において主磁極
より発生される磁界が小さくなるという問題点がある。
また、このヘッドでは、主磁極を平坦化する必要性を考
えたとき、磁性層全体を平坦化しなければならず、その
ため、このヘッドでは、磁路は四角く、長くなってい
る。このような構造は、磁界強度および高周波特性の観
点から非効率的である。
【0017】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、磁極部分より発生される、記録媒体
の面に垂直な方向の磁界を大きくでき、且つ磁路長を短
縮して高周波特性を向上させることができるようにした
薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法を提供することにあ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜磁気ヘッド
は、記録媒体に対向する媒体対向面と、記録媒体の進行
方向の前後に所定の間隔を開けて互いに対向するように
配置された磁極部分を含む第1および第2の磁性層と、
非磁性材料よりなり、第1の磁性層と第2の磁性層との
間に設けられたギャップ層と、媒体対向面から離れた位
置において第1の磁性層と第2の磁性層とを磁気的に連
結する連結部と、少なくとも一部が第1および第2の磁
性層の間に、第1および第2の磁性層に対して絶縁され
た状態で設けられた薄膜コイルとを備え、薄膜コイルの
少なくとも一部の第2の磁性層側の面は、媒体対向面に
おけるギャップ層の第2の磁性層側の端部の位置および
連結部の第2の磁性層側の端部の位置よりも第1の磁性
層側の位置に配置され、第2の磁性層は、磁極部分を含
み、媒体対向面における幅がトラック幅を規定する磁極
部分層と、ヨーク部分となるヨーク部分層とを有し、磁
極部分層の飽和磁束密度は、ヨーク部分層の飽和磁束密
度以上であり、ヨーク部分層は、連結部の第2の磁性層
側の端部と磁極部分層の媒体対向面とは反対側の端面と
を磁気的に接続するものである。
【0019】本発明の薄膜磁気ヘッドでは、第2の磁性
層が磁極部分層とヨーク部分層とを有し、ヨーク部分層
は、磁極部分層に磁束を導くための十分な体積を有し、
また、磁極部分層の飽和磁束密度がヨーク部分層の飽和
磁束密度以上であることから、第2の磁性層の途中にお
ける磁束の飽和を防止することができる。また、本発明
では、薄膜コイルの少なくとも一部の第2の磁性層側の
面が、媒体対向面におけるギャップ層の第2の磁性層側
の端部の位置および連結部の第2の磁性層側の端部の位
置よりも第1の磁性層側の位置に配置され、ヨーク部分
層は、連結部の第2の磁性層側の端部と磁極部分層の媒
体対向面とは反対側の端面とを磁気的に接続するので、
ヨーク部分層は、連結部と磁極部分層との間に短い磁気
経路で且つ強い磁気的結合を形成することができる。こ
れらのことから、本発明では、磁極部分より発生され
る、記録媒体の面に垂直な方向の磁界を大きくし、且つ
磁路長を短縮して高周波特性を向上させることが可能に
なる。
【0020】本発明の薄膜磁気ヘッドにおいて、第1の
磁性層は記録媒体の進行方向の後側に配置され、第2の
磁性層は記録媒体の進行方向の前側に配置されてもよ
い。
【0021】また、本発明の薄膜磁気ヘッドにおいて、
ヨーク部分層は、その内部において連結部の第2の磁性
層側の端部と磁極部分層の媒体対向面とは反対側の端面
との間を最短距離で結ぶ磁気経路が形成されるような形
状を有していてもよい。
【0022】また、本発明の薄膜磁気ヘッドにおいて、
媒体対向面における磁極部分層と第1の磁性層との間の
距離は、連結部の厚み以上であってもよい。この場合、
ヨーク部分層は、磁極部分層の媒体対向面とは反対側の
端面との接続位置から連結部との接続位置にかけて、徐
々に第1の磁性層に近づいていてもよい。
【0023】また、本発明の薄膜磁気ヘッドにおいて、
ヨーク部分層の少なくとも一部は、第1の磁性層側に突
出する弧状に形成されていてもよい。
【0024】また、本発明の薄膜磁気ヘッドにおいて、
ヨーク部分層は、磁極部分層の媒体対向面とは反対側の
端面と磁極部分層の幅方向の両側面とに磁気的に接続さ
れていてもよい。
【0025】また、本発明の薄膜磁気ヘッドにおいて、
ヨーク部分層の媒体対向面側の端部は、媒体対向面から
離れた位置に配置されていてもよい。
【0026】また、本発明の薄膜磁気ヘッドにおいて、
磁極部分層のヨーク部分層と接する部分の幅は、磁極部
分層の媒体対向面における幅よりも大きくてもよい。
【0027】また、本発明の薄膜磁気ヘッドにおいて、
媒体対向面から磁極部分層の媒体対向面とは反対側の端
面までの長さは2μm以上であってもよい。
【0028】また、本発明の薄膜磁気ヘッドにおいて、
更に、磁極部分層のギャップ層とは反対側の面に接する
非磁性層を備えていてもよい。この場合、非磁性層は媒
体対向面に露出していてもよい。また、ヨーク部分層の
一部は、非磁性層を介して磁極部分層のギャップ層とは
反対側の面に隣接し、非磁性層を介して磁極部分層に磁
気的に接続されていてもよい。また、非磁性層は、磁極
部分層を構成する材料よりもドライエッチングに対する
エッチング速度が小さい材料よりなっていてもよい。
【0029】また、本発明の薄膜磁気ヘッドにおいて、
薄膜コイルの少なくとも一部は、第1の磁性層と第2の
磁性層の中間の位置よりも第1の磁性層に近い位置に配
置されていてもよい。
【0030】また、本発明の薄膜磁気ヘッドにおいて、
ギャップ層は、形成時に流動性を有する材料よりなり、
少なくとも薄膜コイルの少なくとも一部の巻線間に充填
される第1の部分と、第1の部分よりも耐食性、剛性お
よび絶縁性が優れた材料よりなり、薄膜コイルの少なく
とも一部および第1の部分を覆い、第1の磁性層、第2
の磁性層および連結部に接する第2の部分とを有してい
てもよい。この場合、第1の部分は、有機系の非導電性
非磁性材料またはスピンオングラス膜よりなっていても
よい。また、第2の部分は、無機系の非導電性非磁性材
料よりなっていてもよい。
【0031】また、本発明の薄膜磁気ヘッドにおいて、
更に、再生素子としての磁気抵抗効果素子を備えていて
もよい。この場合、更に、媒体対向面側の一部が磁気抵
抗効果素子を挟んで対向するように配置された、磁気抵
抗効果素子をシールドするための第1および第2のシー
ルド層を備えていてもよい。また、第1の磁性層は第2
のシールド層を兼ねていてもよい。
【0032】また、本発明の薄膜磁気ヘッドは、垂直磁
気記録方式に用いられるものであってもよい。
【0033】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、記
録媒体に対向する媒体対向面と、記録媒体の進行方向の
前後に所定の間隔を開けて互いに対向するように配置さ
れた磁極部分を含む第1および第2の磁性層と、非磁性
材料よりなり、第1の磁性層と第2の磁性層との間に設
けられたギャップ層と、媒体対向面から離れた位置にお
いて第1の磁性層と第2の磁性層とを磁気的に連結する
連結部と、少なくとも一部が第1および第2の磁性層の
間に、第1および第2の磁性層に対して絶縁された状態
で設けられた薄膜コイルとを備え、第2の磁性層は、磁
極部分を含み、媒体対向面における幅がトラック幅を規
定する磁極部分層と、ヨーク部分となるヨーク部分層と
を有し、磁極部分層の飽和磁束密度がヨーク部分層の飽
和磁束密度以上である薄膜磁気ヘッドを製造する方法で
あって、第1の磁性層を形成する工程と、薄膜コイルの
少なくとも一部の第2の磁性層側の面が、媒体対向面に
おけるギャップ層の第2の磁性層側の端部の位置および
連結部の第2の磁性層側の端部の位置よりも第1の磁性
層側の位置に配置されるように、第1の磁性層の上にギ
ャップ層、連結部および薄膜コイルを形成する工程と、
ギャップ層および連結部の上に第2の磁性層を形成する
工程とを備え、第2の磁性層を形成する工程は、ギャッ
プ層の上に磁極部分層を形成する工程と、ヨーク部分層
によって連結部の第2の磁性層側の端部と磁極部分層の
媒体対向面とは反対側の端面とが磁気的に接続されるよ
うに、ギャップ層および連結部の上にヨーク部分層を形
成する工程とを含むものである。
【0034】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法では、
第2の磁性層が磁極部分層とヨーク部分層とを有し、ヨ
ーク部分層は、磁極部分層に磁束を導くための十分な体
積を有し、また、磁極部分層の飽和磁束密度がヨーク部
分層の飽和磁束密度以上となることから、第2の磁性層
の途中における磁束の飽和を防止することができる。ま
た、本発明では、薄膜コイルの少なくとも一部の第2の
磁性層側の面が、媒体対向面におけるギャップ層の第2
の磁性層側の端部の位置および連結部の第2の磁性層側
の端部の位置よりも第1の磁性層側の位置に配置され、
ヨーク部分層は、連結部の第2の磁性層側の端部と磁極
部分層の媒体対向面とは反対側の端面とを磁気的に接続
するので、ヨーク部分層は、連結部と磁極部分層との間
に短い磁気経路で且つ強い磁気的結合を形成することが
できる。これらのことから、本発明では、磁極部分より
発生される、記録媒体の面に垂直な方向の磁界を大きく
し、且つ磁路長を短縮して高周波特性を向上させること
が可能になる。
【0035】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法におい
て、磁極部分層を形成する工程は、ギャップ層および連
結部の上に、磁極部分層を構成する材料よりなる被エッ
チング層を形成する工程と、被エッチング層をドライエ
ッチングによって選択的にエッチングして、磁極部分層
の外形を決定すると共に連結部を露出させる工程とを含
んでいてもよい。
【0036】この場合、磁極部分層を形成する工程は、
更に、被エッチング層を形成する工程の後で、研磨によ
り、被エッチング層の上面を平坦化する工程を含んでい
てもよい。また、磁極部分層を形成する工程は、更に、
被エッチング層を形成する工程の前に、研磨により、被
エッチング層の下地を平坦化する工程を含んでいてもよ
い。また、磁極部分層を形成する工程は、更に、被エッ
チング層を形成する工程の後で、被エッチング層の上に
非磁性層を形成する工程と、非磁性層の上に、磁極部分
層の形状に対応したマスクを形成する工程とを含み、被
エッチング層をエッチングする工程は、マスクを用い
て、非磁性層および被エッチング層をエッチングしても
よい。マスクを形成する工程は、非磁性層の上に、磁極
部分層の形状に対応した空隙部を有するレジストフレー
ムを形成し、このレジストフレームの空隙部内にマスク
を形成してもよい。
【0037】また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法
において、ヨーク部分層は電気めっき法によって形成さ
れてもよい。この場合、ヨーク部分層を形成する工程
は、磁極部分層における媒体対向面側の一部を覆うレジ
ストカバーを形成する工程と、レジストカバー、磁極部
分層、ギャップ層および連結部の上に、電気めっき法の
ための電極層を形成する工程と、電極層を用いて、電気
めっき法によってヨーク部分層を形成する工程とを含ん
でもよい。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の一実
施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成を示す断面図であ
る。なお、図1は媒体対向面および基板の面に垂直な断
面を示している。また、図1において記号Tで示す矢印
は、記録媒体の進行方向を表している。図2は図1に示
した薄膜磁気ヘッドの要部を示す斜視図である。図3は
図2における磁極部分の近傍を拡大して示す斜視図であ
る。図4は図1に示した薄膜磁気ヘッドの媒体対向面の
一部を示す正面図である。図5は図4における磁極部分
層および非磁性層を拡大して示す正面図である。
【0039】図1に示したように、本実施の形態に係る
薄膜磁気ヘッドは、アルティック(Al23・TiC)
等のセラミック材料よりなる基板1と、この基板1の上
に形成されたアルミナ(Al23)等の絶縁材料よりな
る絶縁層2と、この絶縁層2の上に形成された磁性材料
よりなる下部シールド層3と、この下部シールド層3の
上に、絶縁層4を介して形成された再生素子としてのM
R(磁気抵抗効果)素子5と、このMR素子5の上に絶
縁層4を介して形成された磁性材料よりなる上部シール
ド層6とを備えている。下部シールド層3および上部シ
ールド層6の厚みは、それぞれ例えば1〜2μmであ
る。
【0040】MR素子5の一端部は、媒体対向面(エア
ベアリング面)ABSに配置されている。MR素子5に
は、AMR(異方性磁気抵抗効果)素子、GMR(巨大
磁気抵抗効果)素子あるいはTMR(トンネル磁気抵抗
効果)素子等の磁気抵抗効果を示す感磁膜を用いた素子
を用いることができる。
【0041】薄膜磁気ヘッドは、更に、上部シールド層
6の上に形成された非磁性層7と、この非磁性層7の上
に形成された磁性材料よりなる第1の磁性層8と、この
第1の磁性層8の上において薄膜コイル10を形成すべ
き位置に形成された絶縁層9Aと、この絶縁層9Aの上
に形成された薄膜コイル10と、少なくとも薄膜コイル
10の巻線間に充填された絶縁層9Bとを備えている。
絶縁層9Aには、媒体対向面ABSから離れた位置にお
いて、コンタクトホール9aが形成されている。
【0042】第1の磁性層8の厚みは例えば1〜2μm
である。第1の磁性層8を構成する磁性材料は、例えば
鉄−ニッケル系合金すなわちパーマロイでもよいし、後
述するような高飽和磁束密度材でもよい。
【0043】絶縁層9Aは、アルミナ等の非導電性且つ
非磁性の材料よりなり、その厚みは例えば0.1〜1μ
mである。
【0044】薄膜コイル10は、銅等の導電性の材料よ
りなり、その巻線の厚みは例えば0.3〜2μmであ
る。薄膜コイル10の巻数は任意であり、巻線のピッチ
も任意である。ここでは、一例として、薄膜コイル10
の巻線の厚みを1.3μm、巻線の幅を0.8μm、巻
線のピッチを1.3μm、巻数を8とする。
【0045】絶縁層9Bは、形成時に流動性を有する非
導電性且つ非磁性の材料よりなる。具体的には、絶縁層
9Bは、例えば、フォトレジスト(感光性樹脂)のよう
な有機系の非導電性非磁性材料によって形成してもよい
し、塗布ガラスよりなるスピンオングラス(SOG)膜
で形成してもよい。
【0046】薄膜磁気ヘッドは、更に、コンタクトホー
ル9aが形成された位置において第1の磁性層8の上に
形成された磁性材料よりなる連結部12と、薄膜コイル
10、絶縁層9Aおよび絶縁層9Bを覆うように形成さ
れた絶縁層9Cとを備えている。薄膜コイル10は、連
結部12の回りに巻回されている。
【0047】連結部12の形状は、例えば、厚みが2〜
4μm、奥行き(媒体対向面ABSに垂直な方向の長
さ)が2〜10μm、幅が5〜20μmである。連結部
12を構成する磁性材料は、例えば鉄−ニッケル系合金
すなわちパーマロイでもよいし、後述するような高飽和
磁束密度材でもよい。
【0048】絶縁層9Cは、絶縁層9Bよりも耐食性、
剛性および絶縁性が優れた非導電性且つ非磁性の材料よ
りなる。このような材料としては、アルミナやシリコン
酸化物(SiO2)等の無機系の非導電性非磁性材料を
用いることができる。媒体対向面ABSにおける絶縁層
9Aおよび絶縁層9Cの合計の厚みは、例えば2〜4μ
mである。また、この厚みは、連結部12の厚み以上と
する。
【0049】絶縁層9A,9B,9Cは、第1の磁性層
8と後述する第2の磁性層14との間に設けられるギャ
ップ層9を構成する。絶縁層9Bは本発明におけるギャ
ップ層の第1の部分に対応し、絶縁層9A,9Cは本発
明におけるギャップ層の第2の部分に対応する。
【0050】薄膜磁気ヘッドは、更に、媒体対向面AB
Sから少なくとも連結部12まで、絶縁層9Cおよび連
結部12の上に形成された磁性材料よりなる第2の磁性
層14を備えている。第2の磁性層14は、磁極部分を
含む磁極部分層14Aと、ヨーク部分となるヨーク部分
層14Bとを有している。磁極部分層14Aは、媒体対
向面ABSから、媒体対向面ABSと連結部12との間
の所定の位置にかけて、絶縁層9Cの上に形成されてい
る。ヨーク部分層14Bは、連結部12の第2の磁性層
14側の端部(以下、上端部と言う。)と磁極部分層1
4Aの媒体対向面ABSとは反対側の端面(以下、後端
面と言う。)とを磁気的に接続する。また、ヨーク部分
層14Bは、その内部において連結部12の上端部と磁
極部分層14Aの後端面との間を最短距離で結ぶ磁気経
路20が形成されるような形状を有している。薄膜磁気
ヘッドは、更に、磁極部分層14Aの上に形成された非
磁性層15を備えている。ヨーク部分層14Bの媒体対
向面ABS側の一部は、非磁性層15を介して磁極部分
層14Aの上面に隣接し、非磁性層15を介して磁極部
分層14Aに磁気的に接続されている。薄膜磁気ヘッド
は、更に、アルミナ等の非導電性且つ非磁性の材料より
なり、第2の磁性層14を覆うように形成された保護層
17を備えている。
【0051】薄膜コイル10の第2の磁性層14側の面
は、媒体対向面ABSにおけるギャップ層9の第2の磁
性層14側の端部(絶縁層9Cの磁性層14側の端部)
の位置よりも第1の磁性層8側の位置に配置されてい
る。
【0052】磁極部分層14Aの厚みは、好ましくは
0.1〜0.8μmであり、更に好ましくは0.3〜
0.8μmである。ここでは、一例として、磁極部分層
14Aの厚みを0.5μmとする。また、媒体対向面A
BSから磁極部分層14Aの後端面までの長さは2μm
以上である。ここでは、一例として、この長さを10μ
mとする。
【0053】図3に示したように、磁極部分層14A
は、媒体対向面ABS側に配置された第1の部分14A
1と、この第1の部分14A1よりも媒体対向面ABSか
ら離れた位置に配置された第2の部分14A2とを含ん
でいる。第1の部分14A1は、第2の磁性層14にお
ける磁極部分となる。第1の磁性層8における磁極部分
は、第1の磁性層8のうちギャップ層9を介して上記第
1の部分14A1に対向する部分を含む。
【0054】第1の部分14A1は、トラック幅と等し
い幅を有している。すなわち、第1の部分14A1の媒
体対向面ABSにおける幅がトラック幅を規定してい
る。第2の部分14A2の幅は、第1の部分14A1との
境界位置では第1の部分14A 1の幅と等しく、その位
置から媒体対向面ABSより遠ざかる程、徐々に大きく
なった後、一定の大きさになっている。ヨーク部分層1
4Bの媒体対向面ABS側の一部は、非磁性層15を介
して磁極部分層14Aの第2の部分14A2の上に重な
っている。
【0055】第1の部分14A1の媒体対向面ABSに
おける幅、すなわちトラック幅は、好ましくは0.5μ
m以下であり、更に好ましくは0.3μm以下である。
ヨーク部分層14Bと重なる部分における第2の部分1
4A2の幅は、第1の部分14A1の媒体対向面ABSに
おける幅よりも大きく、例えば2μm以上である。
【0056】ヨーク部分層14Bの厚みは、例えば1〜
2μmである。ヨーク部分層14Bは、図1に示したよ
うに、磁極部分層14Aの後端面に磁気的に接続されて
いると共に、図3に示したように、磁極部分層14Aの
幅方向の両側面に磁気的に接続されている。また、ヨー
ク部分層14Bの媒体対向面ABS側の端部は、媒体対
向面ABSから例えば1.5μm以上離れた位置に配置
されている。
【0057】磁極部分層14Aの飽和磁束密度は、ヨー
ク部分層14Bの飽和磁束密度以上となっている。磁極
部分層14Aを構成する磁性材料としては、飽和磁束密
度が1.4T以上の高飽和磁束密度材を用いるのが好ま
しい。高飽和磁束密度材としては、鉄および窒素原子を
含む材料、鉄、ジルコニアおよび酸素原子を含む材料、
鉄およびニッケル元素を含む材料等を用いることができ
る。具体的には、高飽和磁束密度材としては、例えば、
NiFe(Ni:45重量%,Fe:55重量%)、F
eNやその化合物、Co系アモルファス合金、Fe−C
o、Fe−M(必要に応じてO(酸素原子)も含
む。)、Fe−Co−M(必要に応じてO(酸素原子)
も含む。)の中のうちの少なくとも1種類を用いること
ができる。ここで、Mは、Ni,N,C,B,Si,A
l,Ti,Zr,Hf,Mo,Ta,Nb,Cu(いず
れも化学記号)の中から選択された少なくとも1種類で
ある。
【0058】ヨーク部分層14Bを構成する磁性材料と
しては、例えば、飽和磁束密度が1.0T程度となる鉄
およびニッケル元素を含む材料を用いることができる。
このような材料は、耐食性に優れ、且つ磁極部分層14
Aを構成する材料よりも高抵抗である。また、このよう
な材料を用いることにより、ヨーク部分層14Bの形成
が容易になる。
【0059】また、ヨーク部分層14Bを構成する磁性
材料としては、磁極部分層14Aを構成する磁性材料と
同じ組成系のものを用いることもできる。この場合に
は、ヨーク部分層14Bの飽和磁束密度を、磁極部分層
14Aの飽和磁束密度よりも小さくするために、ヨーク
部分層14Bを構成する磁性材料としては、磁極部分層
14Aを構成する磁性材料に比べて、鉄原子の組成比の
小さい材料を用いるのが好ましい。
【0060】非磁性層15の平面的な形状は、磁極部分
層14Aと同様である。また、非磁性層15は、媒体対
向面ABSに露出している。非磁性層15の厚みは、好
ましくは0.5μm以下である。ここでは、一例とし
て、非磁性層15の厚みを0.3μmとする。また、非
磁性層15は、省くことも可能である。
【0061】非磁性層15を構成する材料としては、例
えば、チタンまたはタンタルを含む材料(合金および酸
化物を含む。)や、アルミナやシリコン酸化物(SiO
2)等の無機系の非導電性非磁性材料を用いることがで
きる。また、磁極部分層14Aをドライエッチングによ
って形成する場合には、非磁性層15を構成する材料と
して、磁極部分層14Aを構成する材料、およびギャッ
プ層9のうちの磁極部分層14Aに接する絶縁層9Cを
構成する材料よりもドライエッチングに対するエッチン
グ速度が小さい材料を用いるのが好ましい。このような
材料としては、例えばチタンまたはタンタルを含む材料
(合金および酸化物を含む。)を用いることができる。
【0062】図4および図5に示したように、媒体対向
面ABSに露出する磁極部分層14Aの面の形状は、長
方形でもよいし、記録媒体の進行方向Tの後側(スライ
ダにおける空気流入端側)に配置される下辺が上辺より
も小さい台形または三角形でもよい。また、磁極部分層
14Aの側面は凹面でもよい。また、媒体対向面ABS
に露出する磁極部分層14Aの面における側辺と基板1
の面とのなす角度は80〜88゜が好ましい。
【0063】以上説明したように、本実施の形態に係る
薄膜磁気ヘッドは、記録媒体に対向する媒体対向面AB
Sと再生ヘッドと記録ヘッドとを備えている。再生ヘッ
ドは、再生素子としてのMR素子5と、媒体対向面AB
S側の一部がMR素子5を挟んで対向するように配置さ
れた、MR素子5をシールドするための下部シールド層
3および上部シールド層6を備えている。
【0064】記録ヘッドは、媒体対向面ABS側におい
て記録媒体の進行方向Tの前後に所定の間隔を開けて互
いに対向するように配置された磁極部分を含む第1の磁
性層8および第2の磁性層14と、非磁性材料よりな
り、第1の磁性層8と第2の磁性層14との間に設けら
れたギャップ層9と、媒体対向面ABSから離れた位置
において第1の磁性層8と第2の磁性層14とを磁気的
に連結する連結部12と、少なくとも一部が第1の磁性
層8および第2の磁性層14の間に、これらの磁性層
8,14に対して絶縁された状態で設けられた薄膜コイ
ル10とを備えている。
【0065】本実施の形態では、薄膜コイル10のうち
磁性層8,14の間に配置された部分の第2の磁性層1
4側の面(図1における上側の面)は、媒体対向面AB
Sにおけるギャップ層9の第2の磁性層14側の端部
(図1における上側の端部)の位置よりも第1の磁性層
8側(図1における下側)の位置に配置されている。
【0066】また、第2の磁性層14は、磁極部分を含
み、媒体対向面ABSにおける幅がトラック幅を規定す
る磁極部分層14Aと、ヨーク部分となるヨーク部分層
14Bとを有している。磁極部分層14Aの飽和磁束密
度は、ヨーク部分層14Bの飽和磁束密度以上となって
いる。ヨーク部分層14Bは、連結部12の上端部と磁
極部分層14Aの後端面とを磁気的に接続している。
【0067】本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドは、垂
直磁気記録方式に用いるのに適している。この薄膜磁気
ヘッドを垂直磁気記録方式に用いる場合、第2の磁性層
14の磁極部分層14Aにおける第1の部分14A1
主磁極となり、第1の磁性層8の磁極部分が補助磁極と
なる。なお、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドを垂直
磁気記録方式に用いる場合には、記録媒体としては2層
媒体と単層媒体のいずれをも使用することが可能であ
る。
【0068】本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドでは、
第2の磁性層14が磁極部分層14Aとヨーク部分層1
4Bとを有し、ヨーク部分層14Bは、磁極部分層14
Aに磁束を導くための十分な体積を有し、また、磁極部
分層14Aの飽和磁束密度がヨーク部分層14Bの飽和
磁束密度以上であることから、第2の磁性層14の途中
における磁束の飽和を防止することができる。
【0069】また、本実施の形態では、薄膜コイル10
のうち磁性層8,14の間に配置された部分の第2の磁
性層14側の面は、媒体対向面ABSにおけるギャップ
層9の第2の磁性層14側の端部の位置および連結部1
2の上端部の位置よりも第1の磁性層8側の位置に配置
されている。そして、ヨーク部分層14Bは、連結部1
2の上端部と磁極部分層14Aの後端面とを磁気的に接
続している。従って、ヨーク部分層14Bは、連結部1
2と磁極部分層14Aとの間に短い磁気経路で且つ強い
磁気的結合を形成することができる。
【0070】これらのことから、本実施の形態によれ
ば、第2の磁性層14の磁極部分より発生される、記録
媒体の面に垂直な方向の磁界を大きくし、且つ磁路長を
短縮して高周波特性を向上させることが可能になる。磁
極部分層14Aに高飽和磁束密度材を用いた場合には、
特に、記録媒体の面に垂直な方向の磁界を大きくするこ
とができ、保磁力の大きな記録媒体への記録も可能とな
る。
【0071】また、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド
では、記録媒体の面に垂直な方向の磁界は長手方向の磁
界よりも大きく、ヘッドが発生する磁気エネルギを効率
よく、記録媒体に伝達することができる。従って、この
薄膜磁気ヘッドによれば、記録媒体の熱揺らぎの影響を
受けにくくして、線記録密度を高めることができる。
【0072】図1に示したように、本実施の形態に係る
薄膜磁気ヘッドは、第1の磁性層8を記録媒体の進行方
向Tの後側(薄膜磁気ヘッドを含むスライダにおける空
気流入端側)に配置し、第2の磁性層14を記録媒体の
進行方向Tの前側(薄膜磁気ヘッドを含むスライダにお
ける空気流出端側)に配置するのが好ましい。このよう
な配置とすることにより、これとは逆の配置の場合に比
べて、垂直磁気記録方式を用いた場合の記録媒体におけ
る磁化反転遷移幅が小さくなり、記録媒体において、よ
り高密度の磁化パターンを形成することができ、その結
果、線記録密度を高めることができる。
【0073】また、図1に示したように、本実施の形態
に係る薄膜磁気ヘッドでは、第2の磁性層14のヨーク
部分層14Bは、その内部において連結部12の上端部
と磁極部分層14Aの後端面との間を最短距離で結ぶ磁
気経路20が形成されるような形状を有している。これ
により、特に磁路長を短縮でき、高周波特性を向上させ
ることが可能になる。
【0074】また、図3に示したように、本実施の形態
に係る薄膜磁気ヘッドでは、媒体対向面ABSにおける
磁極部分層14Aと第1の磁性層8との間の距離は、連
結部12の厚み以上としている。そして、ヨーク部分層
14Bは、磁極部分層14Aの後端面との接続位置から
連結部12との接続位置にかけて、徐々に第1の磁性層
8に近づいている。これにより、特に磁路長を短縮で
き、高周波特性を向上させることが可能になる。
【0075】また、図1に示したように、本実施の形態
に係る薄膜磁気ヘッドでは、ヨーク部分層14Bの少な
くとも一部は、第1の磁性層8側に突出する弧状に形成
されている。これにより、ヨーク部分層14Bの一部
が、薄膜コイル10に近くなり、薄膜コイル10によっ
て発生される磁界をヨーク部分層14Bで効率よく吸収
することが可能になる。
【0076】また、図3に示したように、本実施の形態
に係る薄膜磁気ヘッドでは、ヨーク部分層14Bは、磁
極部分層14Aの後端面と両側面とに磁気的に接続され
ている。これにより、磁極部分層14Aの体積が小さく
ても、ヨーク部分層14Bと磁極部分層14Aとの接続
部分の面積を増やすことができ、この接続部分における
磁束の飽和を防止することができる。その結果、磁束を
効率よくヨーク部分層14Bから磁極部分層14Aへ導
くことができ、記録媒体に印加される磁界を大きくする
ことができる。
【0077】また、図1に示したように、本実施の形態
に係る薄膜磁気ヘッドでは、ヨーク部分層14Bの媒体
対向面ABS側の端部は、媒体対向面ABSから離れた
位置に配置されている。これにより、ヨーク部分層14
Bの媒体対向面ABS側の端部より発生される磁界によ
って記録媒体に情報の書き込みが生じることを防止する
ことができる。
【0078】また、図2に示したように、本実施の形態
に係る薄膜磁気ヘッドでは、磁極部分層14Aのヨーク
部分層14Bと接する部分の幅は、磁極部分層14Aの
媒体対向面ABSにおける幅よりも大きくなっている。
これにより、磁極部分層14Aのヨーク部分層14Bと
接する部分の面積を大きくすることができ、この部分で
の磁束の飽和を防止することができる。その結果、磁束
を効率よくヨーク部分層14Bから磁極部分層14Aへ
導くことができ、且つ磁極部分層14Aの媒体対向面A
BSにおける露出面積を小さくすることで、記録媒体に
印加される磁界を大きくすることができる。
【0079】また、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド
において、媒体対向面ABSから磁極部分層14Aの後
端面までの長さを2μm以上とすることにより、磁極部
分層14Aの厚みや幅を大きくすることなく、磁極部分
層14Aのヨーク部分層14Bと接する部分の面積を大
きくして、この部分での磁束の飽和を防止することがで
きる。その結果、磁束を効率よくヨーク部分層14Bか
ら磁極部分層14Aへ導くことができる。
【0080】また、図1に示したように、本実施の形態
に係る薄膜磁気ヘッドでは、磁極部分層14Aのギャッ
プ層9とは反対側の面に接する非磁性層15を備えてい
る。これにより、磁極部分層14Aをドライエッチング
によって形成する際や、ヨーク部分層14Bを電気めっ
き法によって形成する際に、磁極部分層14Aのギャッ
プ層9とは反対側の面がダメージを受けることを防止で
き、その面を平坦にすることができる。特に、本実施の
形態では、非磁性層15が媒体対向面ABSに露出して
いるので、媒体対向面ABSにおいて、磁極部分層14
Aのギャップ層9とは反対側の端部を平坦に保つことが
できる。これにより、媒体対向面ABSにおいて磁極部
分層14Aより発生される磁界を、トラックに交差する
方向について均一化することができる。その結果、記録
媒体におけるビットパターン形状の歪みを抑えて、線記
録密度を向上させることができる。
【0081】また、本実施の形態では、ヨーク部分層1
4Bの媒体対向面ABS側の一部は、非磁性層15を介
して磁極部分層14Aのギャップ層9とは反対側の面に
隣接し、非磁性層15を介して磁極部分層14Aに磁気
的に接続されている。その結果、磁極部分層14Aのギ
ャップ層9とは反対側の面からも、非磁性層15を介し
てヨーク部分層14Bから磁極部分層14Aの媒体対向
面ABS側へ磁束を導くことができる。
【0082】また、非磁性層15を、磁極部分層14A
を構成する材料、およびギャップ層9のうちの磁極部分
層14Aと接する部分を構成する材料よりもドライエッ
チングに対するエッチング速度が小さい材料で構成した
場合には、磁極部分層14Aをドライエッチングによっ
て形成する際に、磁極部分層14Aのギャップ層9とは
反対側の面がダメージを受けることを防止することがで
きる。
【0083】また、図1に示したように、本実施の形態
に係る薄膜磁気ヘッドでは、薄膜コイル10のうち第1
の磁性層8と第2の磁性層14の間に配置された部分
は、第1の磁性層8と第2の磁性層14の中間の位置よ
りも第1の磁性層8に近い位置に配置されている。これ
により、第2の磁性層14よりも体積の大きな第1の磁
性層8によって、薄膜コイル10から発生する磁界を効
率よく吸収でき、薄膜コイル10が第2の磁性層14に
近い場合に比べて、第1の磁性層8および第2の磁性層
14における磁界の吸収率を高めることができる。
【0084】また、図1に示したように、本実施の形態
に係る薄膜磁気ヘッドでは、ギャップ層9は、形成時に
流動性を有する材料よりなり、少なくとも薄膜コイル1
0の巻線間に充填された第1の部分(絶縁層9B)と、
この第1の部分よりも耐食性、剛性および絶縁性が優れ
た材料よりなり、薄膜コイル10および第1の部分を覆
い、第1の磁性層8、第2の磁性層14および連結部1
2に接する第2の部分(絶縁層9A,9C)とを有して
いる。ギャップ層9の第2の部分は、媒体対向面ABS
に露出している。薄膜コイル10の巻線間に隙間なく非
磁性材料を充填することは、スパッタリング法では困難
であるが、有機系の材料のように流動性を有する非磁性
材料を用いた場合には容易である。しかし、有機系の材
料は、ドライエッチングに対する耐性、耐食性、耐熱
性、剛性等の点で信頼性に乏しい。本実施の形態では、
上述のように、形成時に流動性を有する材料によって薄
膜コイル10の巻線間に充填された第1の部分(絶縁層
9B)を形成し、この第1の部分よりも耐食性、剛性お
よび絶縁性が優れた材料によって、薄膜コイル10およ
び第1の部分を覆い、第1の磁性層8、第2の磁性層1
4および連結部12に接する第2の部分(絶縁層9A,
9C)を形成するようにしたので、薄膜コイル10の巻
線間に隙間なく非磁性材料を充填でき、且つギャップ層
9の信頼性を高めることができる。
【0085】また、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド
は、再生素子としてのMR素子5を備えている。これに
より、誘導型電磁変換素子を用いて再生を行う場合に比
べて、再生性能を向上させることができる。また、MR
素子5は、シールド層3,6によってシールドされてい
るので、再生時の分解能を向上させることができる。
【0086】次に、図6ないし図8を参照して、本実施
の形態に係る薄膜磁気ヘッドの第1の変形例について説
明する。図6は第1の変形例の薄膜磁気ヘッドの構成を
示す断面図である。なお、図6は媒体対向面および基板
の面に垂直な断面を示している。図7は図6に示した薄
膜磁気ヘッドの要部を示す斜視図である。図8は図7に
おける磁極部分の近傍を拡大して示す斜視図である。
【0087】第1の変形例の薄膜磁気ヘッドでは、図1
に示した薄膜磁気ヘッドに比べて、媒体対向面ABSか
ら磁極部分層14Aの後端面までの長さが短くなってい
る。ここでは、一例として、この長さを5μmとする。
非磁性層15の平面的な形状は、磁極部分層14Aと同
様である。第1の変形例の薄膜磁気ヘッドのその他の構
成は、図1に示した薄膜磁気ヘッドと同様である。
【0088】次に、図9を参照して、本実施の形態に係
る薄膜磁気ヘッドの第2の変形例について説明する。図
9は第2の変形例の薄膜磁気ヘッドの構成を示す断面図
である。なお、図9は媒体対向面および基板の面に垂直
な断面を示している。
【0089】第2の変形例の薄膜磁気ヘッドは、上記第
1の変形例の薄膜磁気ヘッドにおける上部シールド層6
および非磁性層7を省き、第1の磁性層8が上部シール
ド層6を兼ねるようにしたものである。この構成によれ
ば、薄膜磁気ヘッドの構造が簡単になり、製造も簡単に
なる。第2の変形例の薄膜磁気ヘッドのその他の構成
は、第1の変形例の薄膜磁気ヘッドと同様である。
【0090】次に、図10ないし図25を参照して、本
実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法について説
明する。なお、ここでは、図6に示した薄膜磁気ヘッド
を製造する場合を例にとって製造方法を説明するが、図
1に示した薄膜磁気ヘッドを製造する場合も同様であ
る。また、図9に示した薄膜磁気ヘッドを製造する場合
も、上部シールド層6および非磁性層7を形成する工程
が省かれること以外は、以下の説明と同様である。
【0091】本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造
方法では、まず、基板1の上に絶縁層2を形成する。次
に、絶縁層2の上に下部シールド層3を形成する。な
お、図10ないし図25では、基板1および絶縁層2を
省略している。
【0092】次に、図10に示したように、下部シール
ド層3の上に、絶縁層4の一部となる絶縁膜を形成し、
この絶縁膜の上にMR素子5と、このMR素子5に接続
される図示しないリードとを形成する。次に、MR素子
5およびリードを、絶縁層4の他の一部となる新たな絶
縁膜で覆い、MR素子5およびリードを絶縁層4内に埋
設する。
【0093】次に、絶縁層4の上に上部シールド層6を
形成し、その上に非磁性層7を形成する。次に、この非
磁性層7の上に、第1の磁性層8を所定の形状に形成す
る。次に、図示しないが、非磁性層7および第1の磁性
層8をアルミナ等の非磁性材料で覆い、第1の磁性層8
が露出するまで非磁性材料を研磨して、第1の磁性層8
の上面を平坦化する。
【0094】次に、図11に示したように、第1の磁性
層8の上に、アルミナ等の非導電性且つ非磁性の材料を
スパッタして、絶縁層9Aを形成する。次に、周知のフ
ォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術とを用い
て、連結部12を形成すべき位置において、絶縁層9A
にコンタクトホール9aを形成する。
【0095】次に、図12に示したように、周知のフォ
トリソグラフィ技術および成膜技術(例えば電気めっき
法)を用いて、絶縁層9Aの上に薄膜コイル10を形成
する。
【0096】次に、図13に示したように、周知のフォ
トリソグラフィ技術を用いて、少なくとも薄膜コイル1
0の巻線間に充填される絶縁層9Bを形成する。
【0097】次に、図14に示したように、周知のフォ
トリソグラフィ技術および成膜技術(例えば電気めっき
法)を用いて、コンタクトホール9aが形成された位置
において第1の磁性層8の上に連結部12を形成する。
連結部12の厚みは、例えば2〜4μmとする。
【0098】次に、図15に示したように、スパッタ法
を用いて、薄膜コイル10、絶縁層9A、絶縁層9Bお
よび連結部12を覆うように絶縁層9Cを形成する。こ
の時点で、絶縁層9Cの厚みは、連結部12の厚み以
上、例えば2〜6μmとする。
【0099】次に、図16に示したように、例えば化学
機械研磨を用いて、絶縁層9Cの厚みが所定の記録ギャ
ップ長と等しくなるまで絶縁層9Cの表面を研磨して、
絶縁層9Cおよび連結部12の上面を平坦化する。この
時点で、第1の磁性層8の上面から絶縁層9Cおよび連
結部12の上面までの距離は、例えば2〜4μmとす
る。なお、この時点では、必ずしも連結部12を露出さ
せる必要はなく、後の工程で露出させてもよい。
【0100】次に、図17に示したように、絶縁層9C
および連結部12の上に、第2の磁性層14の磁極部分
層14Aを構成する材料よりなる被エッチング層14A
eを形成する。被エッチング層14Aeの厚みは、好ま
しくは0.1〜0.8μmとし、更に好ましくは0.3
〜0.8μmとする。被エッチング層14Aeの形成方
法は、電気めっき法でもよいし、スパッタ法でもよい。
被エッチング層14Aeの表面の粗さが大きい場合(例
えば、算術平均粗さRaが12オングストローム以上の
場合)は、化学機械研磨等によって被エッチング層14
Aeの表面を研磨して平坦化することが好ましい。
【0101】次に、被エッチング層14Aeの上に、非
磁性層15eを形成する。非磁性層15eの厚みは、好
ましくは0.5μm以下とする。
【0102】次に、図示しないが、非磁性層15eの上
に、スパッタ法により、電気めっき法のための電極層を
形成する。この電極層の厚みは0.1μm以下とし、材
料は例えば鉄−ニッケル合金とする。
【0103】次に、図18に示したように、フォトリソ
グラフィ技術を用いて、上記電極層の上に、フォトレジ
ストによって、磁極部分層14Aの形状に対応した空隙
部を有するレジストフレーム31を形成する。次に、こ
のレジストフレーム31を用いて、電気めっき法(フレ
ームめっき法)によって、上記電極層の上に、磁極部分
層14Aの形状に対応したマスク32となるめっき膜を
形成する。このめっき膜の厚みは1〜4μmとし、材料
は例えば鉄−ニッケル合金とする。次に、レジストフレ
ーム31を除去する。
【0104】次に、図19に示したように、マスク32
を用いて、イオンミリング等のドライエッチング技術に
よって、非磁性層15eおよび被エッチング層14Ae
をエッチングして、非磁性層15および磁極部分層14
Aの外形を決定する。このとき、マスク32のうち、少
なくとも媒体対向面ABSに対応する部分は完全に除去
することが好ましいが、マスク32が非磁性で、耐食性
等の点で信頼性が十分にあれば、この限りではない。
【0105】上記のエッチングにより、図4および図5
に示したように、媒体対向面ABSに露出する磁極部分
層14Aの面の形状を長方形、あるいは記録媒体の進行
方向Tの後側(スライダにおける空気流入端側)に配置
される下辺が上辺よりも小さい台形または三角形とす
る。また、磁極部分層14Aの側面は凹面でもよい。ま
た、上記のエッチングにより、媒体対向面ABSにおけ
る磁極部分層14Aの幅を、トラック幅の規格に一致す
るように規定してもよい。
【0106】また、上記のエッチングにより、非磁性層
15および磁極部分層14Aの外形が決定されるのと同
時に、連結部12が露出する。なお、このときに連結部
12が露出するように、連結部12の厚みは予め所望の
厚み以上に大きくしておく。
【0107】なお、上述のようにめっき膜によるマスク
32を形成する代りに、フォトリソグラフィ技術を用い
て、非磁性層15eの上に、フォトレジストによって、
磁極部分層14Aの形状に対応したレジストパターンを
形成してもよい。そして、このレジストパターンをマス
クとして、非磁性層15eおよび被エッチング層14A
eをエッチングして、非磁性層15および磁極部分層1
4Aの外形を決定すると共に連結部12を露出させ、そ
の後、レジストパターンを除去してもよい。
【0108】次に、図20に示したように、フォトリソ
グラフィ技術を用いて、フォトレジストによって、磁極
部分層14Aおよび非磁性層15における媒体対向面A
BS側の一部を覆うレジストカバー33を形成する。こ
のレジストカバー33の厚みは、後述するヨーク部分層
形成用のフレームの厚み以下とするのが好ましい。
【0109】次に、図21に示したように、レジストカ
バー33、磁極部分層14A(および非磁性層15)、
絶縁層9C(ギャップ層9)および連結部12の上に、
スパッタ法により、電気めっき法のための電極層34を
形成する。この電極層34の厚みは0.1μm以下と
し、材料は例えば鉄−ニッケル合金とし、下地にTi
(チタン)を成膜してもよい。
【0110】次に、図22に示したように、電極層34
の上に、フォトレジストによって、ヨーク部分層14B
の形状に対応した空隙部を有するレジストフレーム35
を形成する。
【0111】次に、図23に示したように、レジストフ
レーム35を用いて、電気めっき法(フレームめっき
法)によって、電極層34の上にヨーク部分層14Bを
形成する。次に、レジストフレーム35を除去する。な
お、ヨーク部分層14Bは、リフトオフ法を用いて形成
することも可能であるが、ヨーク部分層14Bの形状を
下地の形状に追従させるためには電気めっき法を用いる
のが最も好ましい。
【0112】次に、図24に示したように、電極層34
のうち、ヨーク部分層14Bの下に存在する部分以外の
部分をドライエッチングで除去する。
【0113】次に、図25に示したように、レジストカ
バー33を除去する。次に、第2の磁性層14を覆うよ
うに保護層17を形成する。次に、保護層17の上に配
線や端子等を形成し、スライダ単位で基板を切断し、媒
体対向面ABSの研磨、浮上用レールの作製等を行っ
て、薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0114】本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造
方法によれば、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドと同
様の作用、効果の他に、以下のような作用、効果が得ら
れる。
【0115】本実施の形態では、第2の磁性層14の磁
極部分層14Aを形成する工程は、ギャップ層9および
連結部12の上に、磁極部分層14Aを構成する材料よ
りなる被エッチング層14Aeを形成する工程と、被エ
ッチング層14Aeをドライエッチングによって選択的
にエッチングして、磁極部分層14Aの外形を決定する
と共に連結部12を露出させる工程とを含む。本実施の
形態では、被エッチング層14Aeをドライエッチング
することによって、磁極部分層14Aの後端面から連結
部12の上端部にかけて緩やかな傾斜を持つように、ヨ
ーク部分層14Bの下地の形状が決定される。従って、
この下地の上にヨーク部分層14Bを形成することによ
り、連結部12と磁極部分層14Aとの間を最短距離で
結ぶ磁気経路を形成することが可能になる。
【0116】また、本実施の形態において、被エッチン
グ層14Aeを形成する工程の後で、研磨により、被エ
ッチング層14Aeの上面を平坦化した場合には、媒体
対向面ABSにおいて、磁極部分層14Aのギャップ層
9とは反対側の端部を完全に平坦化することができる。
これにより、媒体対向面ABSにおいて磁極部分層14
Aより発生される磁界を、トラックに交差する方向につ
いて均一化することができ、その結果、記録媒体におけ
るビットパターン形状の歪みを抑えて、線記録密度を向
上させることができる。
【0117】また、本実施の形態では、被エッチング層
14Aeを形成する工程の前に、研磨により、被エッチ
ング層14Aeの下地となる絶縁層9Cおよび連結部1
2の上面を平坦化している。これにより、媒体対向面A
BSにおいて、磁極部分層14Aのギャップ層9側の端
部を平坦化することができる。また、被エッチング層1
4Aeをスパッタ法によって形成する場合には、被エッ
チング層14Aeの成膜時の膜厚均一性がよいため、媒
体対向面ABSにおいて、磁極部分層14Aのギャップ
層9とは反対側の端部も平坦化することができる。これ
らのことから、媒体対向面ABSにおいて磁極部分層1
4Aより発生される磁界を、トラックに交差する方向に
ついて均一化することができ、その結果、記録媒体にお
けるビットパターン形状の歪みを抑えて、線記録密度を
向上させることができる。
【0118】また、本実施の形態において、磁極部分層
14Aを形成する工程は、被エッチング層14Aeを形
成する工程の後で、被エッチング層14Aeの上に非磁
性層15eを形成する工程と、非磁性層15eの上に、
磁極部分層14Aの形状に対応したマスク32を形成す
る工程とを含み、被エッチング層14Aeをエッチング
する工程は、このマスク32を用いて、非磁性層15e
および被エッチング層14Aeをエッチングしてもよ
い。この場合には、被エッチング層14Aeの上面を非
磁性層15eで保護した状態で磁極部分層14Aの外形
を決定でき、磁極部分層14Aのギャップ層9とは反対
側の端部の平坦性を維持することが可能になる。
【0119】また、マスク32を形成する工程は、非磁
性層15eの上に、磁極部分層14Aの形状に対応した
空隙部を有するレジストフレーム31を形成し、このレ
ジストフレーム31の空隙部内にマスク32を形成して
もよい。この場合には、マスク32をレジストで形成す
る場合に比べて、ドライエッチングに対する耐性に優れ
たマスク32を形成することが可能になる。これによ
り、磁極部分層14Aを構成する材料がドライエッチン
グに対する耐性に優れている場合でも、マスク32を用
いたドライエッチングによって磁極部分層14Aの外形
を決定することが可能になる。
【0120】また、本実施の形態において、ヨーク部分
層14Bを形成する工程は、電気めっき法によってヨー
ク部分層14Bを形成してもよい。この場合には、ヨー
ク部分層14Bを容易に形成できると共に、ヨーク部分
層14Bを、その下地の形状によく追従した形状に形成
することが可能になる。
【0121】また、ヨーク部分層14Bを形成する工程
は、磁極部分層14Aの媒体対向面ABS側の一部を覆
うレジストカバー33を形成する工程と、レジストカバ
ー33、磁極部分層14A、ギャップ層9および連結部
12の上に、電気めっき法のための電極層34を形成す
る工程と、電極層34を用いて、電気めっき法によって
ヨーク部分層14Bを形成する工程とを含んでもよい。
この場合には、磁極部分層14Aの媒体対向面ABS側
の一部の側面に電極層が付着し、残留することを防止す
ることができ、電極層の付着、残留によってトラック幅
が大きくなることを防止することができる。更に、電極
層をドライエッチングによって除去する際に、エッチン
グされた材料が磁極部分層14Aの媒体対向面ABS側
の一部の側面に付着し、残留して薄膜磁気ヘッドの信頼
性が低下してしまうことを防止することもできる。
【0122】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし2
2のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドによれば、第2の
磁性層が磁極部分層とヨーク部分層とを有し、ヨーク部
分層は、磁極部分層に磁束を導くための十分な体積を有
し、また、磁極部分層の飽和磁束密度がヨーク部分層の
飽和磁束密度以上であることから、第2の磁性層の途中
における磁束の飽和を防止することができる。また、本
発明では、薄膜コイルの少なくとも一部の第2の磁性層
側の面が、媒体対向面におけるギャップ層の第2の磁性
層側の端部の位置および連結部の第2の磁性層側の端部
の位置よりも第1の磁性層側の位置に配置され、ヨーク
部分層は、連結部の第2の磁性層側の端部と磁極部分層
の媒体対向面とは反対側の端面とを磁気的に接続するの
で、ヨーク部分層は、連結部と磁極部分層との間に短い
磁気経路で且つ強い磁気的結合を形成することができ
る。これらのことから、本発明によれば、磁極部分より
発生される、記録媒体の面に垂直な方向の磁界を大きく
し、且つ磁路長を短縮して高周波特性を向上させること
が可能になるという効果を奏する。
【0123】また、請求項2記載の薄膜磁気ヘッドによ
れば、第1の磁性層は記録媒体の進行方向の後側に配置
され、第2の磁性層は記録媒体の進行方向の前側に配置
されるので、記録媒体において、より高密度の磁化パタ
ーンを形成することができ、その結果、線記録密度を高
めることができるという効果を奏する。
【0124】また、請求項3記載の薄膜磁気ヘッドによ
れば、ヨーク部分層は、その内部において連結部の第2
の磁性層側の端部と磁極部分層の媒体対向面とは反対側
の端面との間を最短距離で結ぶ磁気経路が形成されるよ
うな形状を有するので、特に磁路長を短縮でき、高周波
特性を向上させることが可能になるという効果を奏す
る。
【0125】また、請求項5記載の薄膜磁気ヘッドによ
れば、媒体対向面における磁極部分層と第1の磁性層と
の間の距離を連結部の厚み以上とした場合に、ヨーク部
分層が、磁極部分層の媒体対向面とは反対側の端面との
接続位置から連結部との接続位置にかけて、徐々に第1
の磁性層に近づくようにしたので、特に磁路長を短縮で
き、高周波特性を向上させることが可能になるという効
果を奏する。
【0126】また、請求項6記載の薄膜磁気ヘッドによ
れば、ヨーク部分層の少なくとも一部は、第1の磁性層
側に突出する弧状に形成されているので、ヨーク部分層
の一部が、薄膜コイルに近くなり、薄膜コイルによって
発生される磁界をヨーク部分層で効率よく吸収すること
が可能になるという効果を奏する。
【0127】また、請求項7記載の薄膜磁気ヘッドによ
れば、ヨーク部分層は、磁極部分層の媒体対向面とは反
対側の端面と磁極部分層の幅方向の両側面とに磁気的に
接続されているので、ヨーク部分層と磁極部分層との接
続部分における磁束の飽和を防止し、磁束を効率よくヨ
ーク部分層から磁極部分層へ導き、記録媒体に印加され
る磁界を大きくすることができるという効果を奏する。
【0128】また、請求項8記載の薄膜磁気ヘッドによ
れば、ヨーク部分層の媒体対向面側の端部は、媒体対向
面から離れた位置に配置されているので、ヨーク部分層
の媒体対向面側の端部より発生される磁界によって記録
媒体に情報の書き込みが生じることを防止することがで
きるという効果を奏する。
【0129】また、請求項9記載の薄膜磁気ヘッドによ
れば、磁極部分層のヨーク部分層と接する部分の幅が磁
極部分層の媒体対向面における幅よりも大きいので、磁
極部分層のヨーク部分層と接する部分での磁束の飽和を
防止して、磁束を効率よくヨーク部分層から磁極部分層
へ導くことができ、且つ磁極部分層の媒体対向面におけ
る露出面積を小さくすることで、記録媒体に印加される
磁界を大きくすることができるという効果を奏する。
【0130】また、請求項10記載の薄膜磁気ヘッドに
よれば、媒体対向面から磁極部分層の媒体対向面とは反
対側の端面までの長さを2μm以上としたので、磁極部
分層の厚みや幅を大きくすることなく、磁極部分層のヨ
ーク部分層と接する部分での磁束の飽和を防止して、磁
束を効率よくヨーク部分層から磁極部分層へ導くことが
できるという効果を奏する。
【0131】また、請求項11ないし14のいずれかに
記載の薄膜磁気ヘッドによれば、磁極部分層のギャップ
層とは反対側の面に接する非磁性層を備えたので、磁極
部分層をドライエッチングによって形成する際や、ヨー
ク部分層を電気めっき法によって形成する際に、磁極部
分層のギャップ層とは反対側の面がダメージを受けるこ
とを防止でき、その面を平坦にすることができるという
効果を奏する。
【0132】また、請求項12記載の薄膜磁気ヘッドに
よれば、非磁性層が媒体対向面に露出しているので、媒
体対向面において、磁極部分層のギャップ層とは反対側
の端部を平坦に保ち、媒体対向面において磁極部分層よ
り発生される磁界を、トラックに交差する方向について
均一化することができ、その結果、記録媒体におけるビ
ットパターン形状の歪みを抑えて、線記録密度を向上さ
せることができるという効果を奏する。
【0133】また、請求項13記載の薄膜磁気ヘッドに
よれば、ヨーク部分層の一部は非磁性層を介して磁極部
分層のギャップ層とは反対側の面に隣接し、非磁性層を
介して磁極部分層に磁気的に接続されているので、磁極
部分層のギャップ層とは反対側の面からも、非磁性層を
介してヨーク部分層から磁極部分層の媒体対向面側へ磁
束を導くことができるという効果を奏する。
【0134】また、請求項14記載の薄膜磁気ヘッドに
よれば、非磁性層は、磁極部分層を構成する材料よりも
ドライエッチングに対するエッチング速度が小さい材料
よりなるので、磁極部分層をドライエッチングによって
形成する際に、磁極部分層のギャップ層とは反対側の面
がダメージを受けることを防止することができるという
効果を奏する。
【0135】また、請求項15記載の薄膜磁気ヘッドに
よれば、薄膜コイルの少なくとも一部は、第1の磁性層
と第2の磁性層の中間の位置よりも第1の磁性層に近い
位置に配置されているので、第1の磁性層によって、薄
膜コイルから発生する磁界を効率よく吸収できるという
効果を奏する。
【0136】また、請求項16ないし18のいずれかに
記載の薄膜磁気ヘッドによれば、ギャップ層は、形成時
に流動性を有する材料よりなり、少なくとも薄膜コイル
の少なくとも一部の巻線間に充填される第1の部分と、
第1の部分よりも耐食性、剛性および絶縁性が優れた材
料よりなり、薄膜コイルの少なくとも一部および第1の
部分を覆い、第1の磁性層、第2の磁性層および連結部
に接する第2の部分とを有するので、薄膜コイルの巻線
間に隙間なく非磁性材料を充填でき、且つギャップ層の
信頼性を高めることができるという効果を奏する。
【0137】また、請求項19ないし21のいずれかに
記載の薄膜磁気ヘッドによれば、再生素子としての磁気
抵抗効果素子を備えたので、誘導型電磁変換素子を用い
て再生を行う場合に比べて、再生性能を向上させること
ができるという効果を奏する。
【0138】また、請求項22記載の薄膜磁気ヘッドに
よれば、この薄膜磁気ヘッドが垂直磁気記録方式に用い
られるようにしたので、記録媒体の熱揺らぎの影響を受
けにくくして、線記録密度を高めることができるという
効果を奏する。
【0139】請求項23ないし30のいずれかに記載の
薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、第2の磁性層が磁
極部分層とヨーク部分層とを有し、ヨーク部分層は、磁
極部分層に磁束を導くための十分な体積を有し、また、
磁極部分層の飽和磁束密度がヨーク部分層の飽和磁束密
度以上となることから、第2の磁性層の途中における磁
束の飽和を防止することができる。また、本発明では、
薄膜コイルの少なくとも一部の第2の磁性層側の面が、
媒体対向面におけるギャップ層の第2の磁性層側の端部
の位置および連結部の第2の磁性層側の端部の位置より
も第1の磁性層側の位置に配置され、ヨーク部分層は、
連結部の第2の磁性層側の端部と磁極部分層の媒体対向
面とは反対側の端面とを磁気的に接続するので、ヨーク
部分層は、連結部と磁極部分層との間に短い磁気経路で
且つ強い磁気的結合を形成することができる。これらの
ことから、本発明によれば、磁極部分より発生される、
記録媒体の面に垂直な方向の磁界を大きくし、且つ磁路
長を短縮して高周波特性を向上させることが可能になる
という効果を奏する。
【0140】また、請求項24ないし28のいずれかに
記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法では、磁極部分層を形
成する工程は、ギャップ層および連結部の上に、磁極部
分層を構成する材料よりなる被エッチング層を形成する
工程と、被エッチング層をドライエッチングによって選
択的にエッチングして、磁極部分層の外形を決定すると
共に連結部を露出させる工程とを含む。これにより、本
発明によれば、磁極部分層の媒体対向面とは反対側の端
面から連結部の第2の磁性層側の端部にかけて緩やかな
傾斜を持つように、ヨーク部分層の下地の形状を決定す
ることができ、この下地の上にヨーク部分層を形成する
ことにより、連結部と磁極部分層との間を最短距離で結
ぶ磁気経路を形成することが可能になるという効果を奏
する。
【0141】また、請求項25記載の薄膜磁気ヘッドの
製造方法によれば、被エッチング層を形成する工程の後
で、研磨により、被エッチング層の上面を平坦化するよ
うにしたので、媒体対向面において、磁極部分層のギャ
ップ層とは反対側の端部を完全に平坦化することがで
き、これにより、媒体対向面において磁極部分層より発
生される磁界を、トラックに交差する方向について均一
化することができ、その結果、記録媒体におけるビット
パターン形状の歪みを抑えて、線記録密度を向上させる
ことができるという効果を奏する。
【0142】また、請求項26記載の薄膜磁気ヘッドの
製造方法によれば、被エッチング層を形成する工程の前
に、研磨により、被エッチング層の下地を平坦化するよ
うにしたので、媒体対向面において、磁極部分層のギャ
ップ層側の端部を平坦化することができる。また、これ
により、被エッチング層をスパッタ法によって形成する
場合には、媒体対向面において、磁極部分層のギャップ
層とは反対側の端部も平坦化することができる。これら
のことから、本発明によれば、媒体対向面において磁極
部分層より発生される磁界を、トラックに交差する方向
について均一化することができ、その結果、記録媒体に
おけるビットパターン形状の歪みを抑えて、線記録密度
を向上させることができるという効果を奏する。
【0143】また、請求項27または28記載の薄膜磁
気ヘッドの製造方法によれば、被エッチング層を形成す
る工程の後で、被エッチング層の上に非磁性層を形成
し、この非磁性層の上に、磁極部分層の形状に対応した
マスクを形成し、このマスクを用いて、非磁性層および
被エッチング層をエッチングして、磁極部分層の外形を
決定するようにしたので、被エッチング層の上面を非磁
性層で保護した状態で磁極部分層の外形を決定でき、磁
極部分層のギャップ層とは反対側の端部の平坦性を維持
することが可能になるという効果を奏する。
【0144】また、請求項28記載の薄膜磁気ヘッドの
製造方法によれば、マスクを形成する工程は、非磁性層
の上に、磁極部分層の形状に対応した空隙部を有するレ
ジストフレームを形成し、このレジストフレームの空隙
部内にマスクを形成するようにしたので、ドライエッチ
ングに対する耐性に優れたマスクを形成することが可能
になり、その結果、磁極部分層を構成する材料がドライ
エッチングに対する耐性に優れている場合でも、マスク
を用いたドライエッチングによって磁極部分層の外形を
決定することが可能になるという効果を奏する。
【0145】また、請求項29または30記載の薄膜磁
気ヘッドの製造方法によれば、電気めっき法によってヨ
ーク部分層を形成するようにしたので、ヨーク部分層を
容易に形成できると共に、ヨーク部分層を、その下地の
形状によく追従した形状に形成することが可能になると
いう効果を奏する。
【0146】また、請求項30記載の薄膜磁気ヘッドの
製造方法によれば、ヨーク部分層を形成する工程は、磁
極部分層における媒体対向面側の一部を覆うレジストカ
バーを形成する工程と、レジストカバー、磁極部分層、
ギャップ層および連結部の上に、電気めっき法のための
電極層を形成する工程と、電極層を用いて、電気めっき
法によってヨーク部分層を形成する工程とを含むように
したので、磁極部分層における媒体対向面側の一部の側
面に電極層やエッチング時の付着物が残留することを防
止することができ、電極層の残留によってトラック幅が
大きくなったり、エッチング時の付着物の残留により薄
膜磁気ヘッドの信頼性が低下したりすることを防止する
ことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの
構成を示す断面図である。
【図2】図1に示した薄膜磁気ヘッドの要部を示す斜視
図である。
【図3】図2における磁極部分の近傍を拡大して示す斜
視図である。
【図4】図1に示した薄膜磁気ヘッドの媒体対向面の一
部を示す正面図である。
【図5】図4における磁極部分層および非磁性層を拡大
して示す正面図である。
【図6】本発明の一実施の形態における第1の変形例の
薄膜磁気ヘッドの構成を示す断面図である。
【図7】図6に示した薄膜磁気ヘッドの要部を示す斜視
図である。
【図8】図7における磁極部分の近傍を拡大して示す斜
視図である。
【図9】本発明の一実施の形態における第2の変形例の
薄膜磁気ヘッドの構成を示す断面図である。
【図10】本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド
の製造方法における一工程を示す断面図である。
【図11】図10に続く工程を示す断面図である。
【図12】図11に続く工程を示す断面図である。
【図13】図12に続く工程を示す断面図である。
【図14】図13に続く工程を示す断面図である。
【図15】図14に続く工程を示す断面図である。
【図16】図15に続く工程を示す断面図である。
【図17】図16に続く工程を示す断面図である。
【図18】図17に続く工程を示す断面図である。
【図19】図18に続く工程を示す断面図である。
【図20】図19に続く工程を示す断面図である。
【図21】図20に続く工程を示す断面図である。
【図22】図21に続く工程を示す断面図である。
【図23】図22に続く工程を示す断面図である。
【図24】図23に続く工程を示す断面図である。
【図25】図24に続く工程を示す断面図である。
【符号の説明】
3…下部シールド層、4…絶縁層、5…MR素子、6…
上部シールド層、7…非磁性層、8…第1の磁性層、9
…ギャップ層、9A,9B,9C…絶縁層、10…薄膜
コイル、12…連結部、14…第2の磁性層、14A…
磁極部分層、14B…ヨーク部分層、15…非磁性層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 43/08 H01L 43/08 Z (72)発明者 渡部 裕一 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 5D033 AA05 BA07 BA34 BB03 BB43 CA00 CA01 DA04 DA07 DA31 5D034 AA05 BA02 BA18 DA07

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体に対向する媒体対向面と、 記録媒体の進行方向の前後に所定の間隔を開けて互いに
    対向するように配置された磁極部分を含む第1および第
    2の磁性層と、 非磁性材料よりなり、前記第1の磁性層と第2の磁性層
    との間に設けられたギャップ層と、 前記媒体対向面から離れた位置において前記第1の磁性
    層と第2の磁性層とを磁気的に連結する連結部と、 少なくとも一部が前記第1および第2の磁性層の間に、
    前記第1および第2の磁性層に対して絶縁された状態で
    設けられた薄膜コイルとを備えた薄膜磁気ヘッドであっ
    て、 前記薄膜コイルの少なくとも一部の第2の磁性層側の面
    は、媒体対向面における前記ギャップ層の第2の磁性層
    側の端部の位置および前記連結部の第2の磁性層側の端
    部の位置よりも第1の磁性層側の位置に配置され、 前記第2の磁性層は、磁極部分を含み、媒体対向面にお
    ける幅がトラック幅を規定する磁極部分層と、ヨーク部
    分となるヨーク部分層とを有し、 前記磁極部分層の飽和磁束密度は、前記ヨーク部分層の
    飽和磁束密度以上であり、 前記ヨーク部分層は、前記連結部の第2の磁性層側の端
    部と前記磁極部分層の媒体対向面とは反対側の端面とを
    磁気的に接続することを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記第1の磁性層は記録媒体の進行方向
    の後側に配置され、前記第2の磁性層は記録媒体の進行
    方向の前側に配置されることを特徴とする請求項1記載
    の薄膜磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記ヨーク部分層は、その内部において
    前記連結部の第2の磁性層側の端部と前記磁極部分層の
    媒体対向面とは反対側の端面との間を最短距離で結ぶ磁
    気経路が形成されるような形状を有することを特徴とす
    る請求項1または2記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 媒体対向面における前記磁極部分層と前
    記第1の磁性層との間の距離は、前記連結部の厚み以上
    であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに
    記載の薄膜磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記ヨーク部分層は、前記磁極部分層の
    媒体対向面とは反対側の端面との接続位置から前記連結
    部との接続位置にかけて、徐々に第1の磁性層に近づい
    ていることを特徴とする請求項4記載の薄膜磁気ヘッ
    ド。
  6. 【請求項6】 前記ヨーク部分層の少なくとも一部は、
    前記第1の磁性層側に突出する弧状に形成されているこ
    とを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の薄
    膜磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記ヨーク部分層は、前記磁極部分層の
    媒体対向面とは反対側の端面と前記磁極部分層の幅方向
    の両側面とに磁気的に接続されていることを特徴とする
    請求項1ないし6のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記ヨーク部分層の媒体対向面側の端部
    は、媒体対向面から離れた位置に配置されていることを
    特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の薄膜磁
    気ヘッド。
  9. 【請求項9】 前記磁極部分層の前記ヨーク部分層と接
    する部分の幅は、前記磁極部分層の媒体対向面における
    幅よりも大きいことを特徴とする請求項1ないし8のい
    ずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  10. 【請求項10】 媒体対向面から前記磁極部分層の媒体
    対向面とは反対側の端面までの長さは2μm以上である
    ことを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の
    薄膜磁気ヘッド。
  11. 【請求項11】 更に、前記磁極部分層のギャップ層と
    は反対側の面に接する非磁性層を備えたことを特徴とす
    る請求項1ないし10のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッ
    ド。
  12. 【請求項12】 前記非磁性層は媒体対向面に露出して
    いることを特徴とする請求項11記載の薄膜磁気ヘッ
    ド。
  13. 【請求項13】 前記ヨーク部分層の一部は、前記非磁
    性層を介して前記磁極部分層のギャップ層とは反対側の
    面に隣接し、前記非磁性層を介して前記磁極部分層に磁
    気的に接続されていることを特徴とする請求項11また
    は12記載の薄膜磁気ヘッド。
  14. 【請求項14】 前記非磁性層は、前記磁極部分層を構
    成する材料よりもドライエッチングに対するエッチング
    速度が小さい材料よりなることを特徴とする請求項11
    ないし13のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  15. 【請求項15】 前記薄膜コイルの少なくとも一部は、
    前記第1の磁性層と第2の磁性層の中間の位置よりも第
    1の磁性層に近い位置に配置されていることを特徴とす
    る請求項1ないし14のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッ
    ド。
  16. 【請求項16】 前記ギャップ層は、形成時に流動性を
    有する材料よりなり、少なくとも前記薄膜コイルの少な
    くとも一部の巻線間に充填される第1の部分と、前記第
    1の部分よりも耐食性、剛性および絶縁性が優れた材料
    よりなり、前記薄膜コイルの少なくとも一部および前記
    第1の部分を覆い、第1の磁性層、第2の磁性層および
    連結部に接する第2の部分とを有することを特徴とする
    請求項1ないし15のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッ
    ド。
  17. 【請求項17】 前記第1の部分は、有機系の非導電性
    非磁性材料またはスピンオングラス膜よりなることを特
    徴とする請求項16記載の薄膜磁気ヘッド。
  18. 【請求項18】 前記第2の部分は、無機系の非導電性
    非磁性材料よりなることを特徴とする請求項16または
    17記載の薄膜磁気ヘッド。
  19. 【請求項19】 更に、再生素子としての磁気抵抗効果
    素子を備えたことを特徴とする請求項1ないし18のい
    ずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  20. 【請求項20】 更に、前記媒体対向面側の一部が前記
    磁気抵抗効果素子を挟んで対向するように配置された、
    前記磁気抵抗効果素子をシールドするための第1および
    第2のシールド層を備えたことを特徴とする請求項19
    記載の薄膜磁気ヘッド。
  21. 【請求項21】 前記第1の磁性層は前記第2のシール
    ド層を兼ねていることを特徴とする請求項20記載の薄
    膜磁気ヘッド。
  22. 【請求項22】 垂直磁気記録方式に用いられることを
    特徴とする請求項1ないし21のいずれかに記載の薄膜
    磁気ヘッド。
  23. 【請求項23】 記録媒体に対向する媒体対向面と、記
    録媒体の進行方向の前後に所定の間隔を開けて互いに対
    向するように配置された磁極部分を含む第1および第2
    の磁性層と、非磁性材料よりなり、前記第1の磁性層と
    第2の磁性層との間に設けられたギャップ層と、前記媒
    体対向面から離れた位置において前記第1の磁性層と第
    2の磁性層とを磁気的に連結する連結部と、少なくとも
    一部が前記第1および第2の磁性層の間に、前記第1お
    よび第2の磁性層に対して絶縁された状態で設けられた
    薄膜コイルとを備え、前記第2の磁性層は、磁極部分を
    含み、媒体対向面における幅がトラック幅を規定する磁
    極部分層と、ヨーク部分となるヨーク部分層とを有し、
    前記磁極部分層の飽和磁束密度が前記ヨーク部分層の飽
    和磁束密度以上である薄膜磁気ヘッドの製造方法であっ
    て、 前記第1の磁性層を形成する工程と、 前記薄膜コイルの少なくとも一部の第2の磁性層側の面
    が、媒体対向面における前記ギャップ層の第2の磁性層
    側の端部の位置および前記連結部の第2の磁性層側の端
    部の位置よりも第1の磁性層側の位置に配置されるよう
    に、前記第1の磁性層の上に前記ギャップ層、前記連結
    部および前記薄膜コイルを形成する工程と、 前記ギャップ層および前記連結部の上に前記第2の磁性
    層を形成する工程とを備え、 前記第2の磁性層を形成する工程は、 前記ギャップ層の上に前記磁極部分層を形成する工程
    と、 前記ヨーク部分層によって前記連結部の第2の磁性層側
    の端部と前記磁極部分層の媒体対向面とは反対側の端面
    とが磁気的に接続されるように、前記ギャップ層および
    前記連結部の上に前記ヨーク部分層を形成する工程とを
    含むことを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  24. 【請求項24】 前記磁極部分層を形成する工程は、 前記ギャップ層および前記連結部の上に、前記磁極部分
    層を構成する材料よりなる被エッチング層を形成する工
    程と、 前記被エッチング層をドライエッチングによって選択的
    にエッチングして、前記磁極部分層の外形を決定すると
    共に前記連結部を露出させる工程とを含むことを特徴と
    する請求項23記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  25. 【請求項25】 前記磁極部分層を形成する工程は、更
    に、前記被エッチング層を形成する工程の後で、研磨に
    より、前記被エッチング層の上面を平坦化する工程を含
    むことを特徴とする請求項24記載の薄膜磁気ヘッドの
    製造方法。
  26. 【請求項26】 前記磁極部分層を形成する工程は、更
    に、前記被エッチング層を形成する工程の前に、研磨に
    より、前記被エッチング層の下地を平坦化する工程を含
    むことを特徴とする請求項24または25記載の薄膜磁
    気ヘッドの製造方法。
  27. 【請求項27】 前記磁極部分層を形成する工程は、更
    に、前記被エッチング層を形成する工程の後で、前記被
    エッチング層の上に非磁性層を形成する工程と、前記非
    磁性層の上に、磁極部分層の形状に対応したマスクを形
    成する工程とを含み、 前記被エッチング層をエッチングする工程は、前記マス
    クを用いて、前記非磁性層および前記被エッチング層を
    エッチングすることを特徴とする請求項24ないし26
    のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  28. 【請求項28】 前記マスクを形成する工程は、前記非
    磁性層の上に、磁極部分層の形状に対応した空隙部を有
    するレジストフレームを形成し、このレジストフレーム
    の空隙部内に前記マスクを形成することを特徴とする請
    求項27記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  29. 【請求項29】 前記ヨーク部分層は電気めっき法によ
    って形成されることを特徴とする請求項23ないし28
    のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  30. 【請求項30】 前記ヨーク部分層を形成する工程は、
    前記磁極部分層における媒体対向面側の一部を覆うレジ
    ストカバーを形成する工程と、前記レジストカバー、前
    記磁極部分層、前記ギャップ層および前記連結部の上
    に、電気めっき法のための電極層を形成する工程と、前
    記電極層を用いて、電気めっき法によってヨーク部分層
    を形成する工程とを含むことを特徴とする請求項29記
    載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
JP2001337421A 2000-11-10 2001-11-02 薄膜磁気ヘッドの製造方法 Expired - Fee Related JP3986292B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001337421A JP3986292B2 (ja) 2000-11-10 2001-11-02 薄膜磁気ヘッドの製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000-343245 2000-11-10
JP2000343245 2000-11-10
JP2001337421A JP3986292B2 (ja) 2000-11-10 2001-11-02 薄膜磁気ヘッドの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002208113A true JP2002208113A (ja) 2002-07-26
JP3986292B2 JP3986292B2 (ja) 2007-10-03

Family

ID=26603738

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001337421A Expired - Fee Related JP3986292B2 (ja) 2000-11-10 2001-11-02 薄膜磁気ヘッドの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3986292B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6952325B2 (en) 2001-12-14 2005-10-04 Tdk Corporation Thin film magnetic head and method of manufacturing the same

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6952325B2 (en) 2001-12-14 2005-10-04 Tdk Corporation Thin film magnetic head and method of manufacturing the same

Also Published As

Publication number Publication date
JP3986292B2 (ja) 2007-10-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6922316B2 (en) Thin-film magnetic head and method of manufacturing same
JP3999469B2 (ja) 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
JP3943337B2 (ja) 薄膜磁気ヘッドの製造方法
US6556391B1 (en) Biasing layers for a magnetoresistance effect magnetic head using perpendicular current flow
US6738222B2 (en) Thin-film magnetic head and method of manufacturing same
US6850390B2 (en) Thin-film magnetic head and method of manufacturing same
US6466415B1 (en) Thin film magnetic head including a first pole portion having a depressed portion for receiving a coil
US6901651B2 (en) Method of manufacturing thin-film magnetic head
JP3362034B2 (ja) 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
JP3640916B2 (ja) 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
JP3611801B2 (ja) 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
JP4004017B2 (ja) 薄膜磁気ヘッドの製造方法
JP3986292B2 (ja) 薄膜磁気ヘッドの製造方法
JP2003016608A (ja) 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
JP2004005899A (ja) 磁気抵抗効果装置およびその製造方法ならびに薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
JPH10269523A (ja) 磁気ヘッドおよびこれを用いた磁気記録装置
JP3934881B2 (ja) 垂直通電型磁気抵抗効果素子、垂直通電型磁気抵抗効果ヘッドおよび磁気記録再生装置
JP3474533B2 (ja) 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
JP2003030804A (ja) 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
JP2005063661A (ja) 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
JP2001084531A (ja) 磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド
JP2005050544A (ja) 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
US7065859B2 (en) Method for manufacturing a thin film magnetic head
JPH10255234A (ja) 磁気ヘッド
JPH07129929A (ja) 磁気抵抗効果型磁気ヘッド

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040914

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040928

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041125

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050125

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050328

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20050412

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20050603

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070611

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070710

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100720

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110720

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees