JPH11161911A - 薄膜磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドの製造方法

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JPH11161911A
JPH11161911A JP32175397A JP32175397A JPH11161911A JP H11161911 A JPH11161911 A JP H11161911A JP 32175397 A JP32175397 A JP 32175397A JP 32175397 A JP32175397 A JP 32175397A JP H11161911 A JPH11161911 A JP H11161911A
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magnetic
buried
head
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JP32175397A
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Hisashi Kudo
久 工藤
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 埋め込み膜に接続孔を形成する際にエッチン
グ量を高い精度で制御することができ、また接続孔を形
成してから第2の磁性膜を成膜するまでの間に生じる第
1の磁性膜の酸化を防止し、製造されたヘッド同士で特
性にばらつきを生ずることなく良好な特性を発揮する薄
膜磁気ヘッドを製造する。 【解決手段】 上層磁気コアが2層の磁性膜よるなる薄
膜磁気ヘッドを製造するに際して、コア形状の第1の磁
性膜を覆って埋め込み膜を全面形成する工程と、埋め込
み膜上に、第2の磁性膜形成領域に対応する領域に開口
部を有するレジストマスクを形成する工程と、反応性イ
オンエッチング法によって、第2の磁性膜形成領域に対
応する領域の埋め込み膜を底部に一部残存させて除去す
る工程と、埋め込み膜上のレジストマスクを除去する工
程と、反応性イオンエッチング法によって、第1の磁性
膜形成領域に対応する領域に残存させた埋め込み膜を除
去する工程と、埋め込み膜を除去した領域上に、コア形
状の第2の磁性膜を形成する工程によって上層磁気コア
を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上層磁気コアの磁
気ギャップ側に高飽和磁束密度材が配された薄膜磁気ヘ
ッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に薄膜磁気ヘッドは、磁性膜、絶縁
膜等の薄膜層が多層に積層されて構成される。これらの
薄膜層は、めっき法や、スパッタ法等の真空薄膜形成技
術によって形成されるため狭トラック化や狭ギャップ化
等の微細寸法化が容易である。このため、上記薄膜磁気
ヘッドは、高密度記録化に対応する磁気ヘッドとして注
目されている。
【0003】このような薄膜磁気ヘッドとしては、電磁
誘導現象を利用した磁気ヘッド(インダクティブヘッ
ド)と、磁気抵抗効果現象を利用した磁気ヘッド(MR
ヘッド)が知られている。
【0004】インダクティブヘッドは、記録用、再生用
の両方で使われる磁気ヘッドであり、酸化物磁性材料等
よりなる基板上に、軟磁性薄膜よりなる下層磁気コアと
上層磁気コアが形成され、この下層磁気コアと上層磁気
コアの間にスパイラル状の導体コイル層が形成されて構
成される。
【0005】また、MRヘッドは、再生専用で用いられ
る磁気ヘッドであり、基板上に上層シールド磁性体と下
層シールド磁性体が形成され、この上層シールド磁性体
と下層シールド磁性体の間に、磁気抵抗効果を有する磁
性薄膜よりなる磁気抵抗効果素子(以下、MR素子と称
する)と、このMR素子に所要の向きの磁化状態を与え
るバイアス導体とが挟み込まれて構成される。
【0006】また、例えばハードディスクドライブにお
いては、上記インダクディブヘッドを記録用ヘッドと
し、MRヘッドを再生ヘッドとして組み合わせた複合型
磁気ヘッドが使用されている。
【0007】この複合型磁気ヘッドが用いられるハード
ディスクシステムにおいては、さらなる高記録密度化が
要求され、磁気ディスクとしては高保磁力を有するもの
が用いられるようになっている。また、記録用に用いら
れるインダクティブヘッドに対しては、このような保磁
力の高い磁気ディスクに対して良好な情報記録が行える
ように、高い飽和磁束密度を有することが求められてい
る。
【0008】ここで、上述のようなインダクティブヘッ
ドでは、上層磁気コア及び下層磁気コアにはNi−Fe
(パーマロイ)合金メッキ膜等が一般に使用されるが、
Ni−Fe合金は軟磁性には優れるものの、飽和磁束密
度については十分であるとは言えない。
【0009】そこで、インダクティブヘッドにおいて
は、高密度記録に対応するために上層磁気コアの磁気ギ
ャップ近傍にCo−Zr−Nbアモルファス材料等の高
飽和磁束密度材料を配した構成が提案されている。
【0010】ところで、例えばNi−Fe合金磁性材は
めっき法によって成膜されるが、Co−Zr−Nbアモ
ルファス材料のような高飽和磁束密度材はスパッタ法に
よって成膜される。したがって、このような2種類の磁
性薄膜を用いる上層磁気コアはこれまで次のようにして
形成されている。
【0011】すなわち、基板上に下層磁気コア、平坦化
膜、導体コイル、平坦化膜を順次形成した後、この上に
上層磁気コアを形成する。
【0012】上層磁気コアを形成するには、まず、スパ
ッタ法によって高飽和磁束密度材よりなる第1の磁性膜
を全面形成する。そして、この第1の磁性膜を上層磁気
コア形状に対応した平面形状でパターニングする。
【0013】次に、このパターニングされた第1の磁性
膜を埋め込むように、スパッタリング法によって、Al
23よりなる埋め込み膜を全面形成し、この上に第1の
磁性膜形成領域に対応する領域に開口部を有するレジス
トマスクを形成する。そして、このレジストマスクが形
成された上から、例えばケミカルポリッシュを行うこと
によってレジストマスクの開口部に対応する領域の埋め
込み膜を除去し、第1の磁性膜と第2の磁性膜とを接続
する接続孔を形成する。
【0014】そして、上記レジストマスクを有機溶媒を
用いて除去した後、第1の磁性膜上に上層磁気コアの外
形形状に対応したフレーム状のマスクを用いるめっき法
(フレームめっき法)と湿式エッチング法によって上層
磁気コア形状に対応した平面形状で第2の磁性膜を形成
する。以上の工程によって第1の磁性膜と第2の磁性膜
よりなる上層磁気コアは形成される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようにし
て上層磁気コアを形成した場合、埋め込み膜をケミカル
ポリッシュする際にエッチング量の制御が難しく、研磨
が進み過ぎて第1の磁性膜を多く削ってしまったり、逆
に研磨が不十分で埋め込み膜が厚く残存し、製造される
ヘッドの特性がばらついてしまうといった問題がある。
【0016】また、この製造工程では、埋め込み膜に接
続孔を形成してから、第1の磁性膜を成膜するまでの間
にレジストマスクを除去する作業が入り、接続孔から露
出する第1の磁性膜表面はこの作業の間中外気に曝され
るため、酸化されてしまう。
【0017】第1の磁性膜が酸化されるとその磁気特性
が劣化するため第1の磁性膜が疑似ギャップとして作用
したり、また、第1の磁性膜と第2の磁性膜の密着性が
悪くなり、ヘッドの特性が損なわれる。
【0018】そこで、本発明はこのような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、埋め込み膜に接続孔を形
成する際にエッチング量を高い精度で制御することがで
き、また接続孔を形成してから第2の磁性膜を成膜する
までの間に生じる第1の磁性膜の酸化が防止される薄膜
磁気ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、下層磁気
コア、導体コイル、絶縁層が形成された基板上に、コア
形状の第1の磁性膜を形成した後、この第1の磁性膜を
覆って埋め込み膜を全面形成する工程と、埋め込み膜上
に、第2の磁性膜形成領域に対応する領域に開口部を有
するレジストマスクを形成する工程と、反応性イオンエ
ッチング法によって、第2の磁性膜形成領域に対応する
領域の埋め込み膜を底部に一部残存させて除去する工程
と、埋め込み膜上のレジストマスクを除去する工程と、
反応性イオンエッチング法によって、第2の磁性膜形成
領域に対応する領域に残存させた埋め込み膜を除去する
工程と、埋め込み膜を除去した領域上に、コア形状の第
2の磁性膜を形成する工程によって上層磁気コアを形成
することを特徴とするものである。
【0020】第1の磁性膜上に形成された埋め込み膜上
に、第2の磁性膜形成領域に対応する領域に開口部を有
するレジストマスクを形成し、この第2の磁性膜形成領
域に対応する領域の埋め込み膜を底部に一部残存させて
エッチング除去した後、レジストマスクを除去するよう
にすると、このレジストマスクを除去する工程ではエッ
チング領域に埋め込み膜が残存しているので第1の磁性
膜の酸化が防止される。
【0021】また、この後の第2の磁性膜形成領域に対
応する領域に残存させた埋め込み膜を除去する工程では
第1の磁性膜表面が露出するが、レジストマスクは先の
工程で除去されており、この後、直ぐに第2の磁性膜の
形成なされるので、第1の磁性膜表面の酸化は抑えられ
る。
【0022】つまり、この製造工程では、埋め込み膜を
エッチングしてから第2の磁性膜を成膜するまでの間に
生じる第1の磁性膜の酸化が防止される。
【0023】さらに、この製造方法では、埋め込み膜の
エッチングを反応性イオンエッチング法によって行って
いる。反応性イオンエッチング法は、エッチングレート
が高く、しかもエッチング量が高い精度で制御される。
【0024】このため、埋め込み膜のエッチングにおい
て、底部に所望の厚さで埋め込み膜を残存させられ、ま
たこの残存させた埋め込み膜が精度良くエッチング除去
される。
【0025】したがって、この製造方法によれば、製造
されるヘッド同士で特性にばらつきを生じることなく、
特性に優れた薄膜磁気ヘッドが製造される。
【0026】
【発明の実施の形態】この薄膜磁気ヘッドは、図1に示
すように、磁気記録媒体対向面Aに再生用磁気ギャップ
1を臨ませる磁気抵抗効果型ヘッド(以下、MRヘッ
ドと称する)1と、この磁気記録媒体対向面Aに記録用
磁気ギャップg2を臨ませるインダクティブヘッド2
を、非磁性基板25上に積層した、複合型磁気ヘッドと
されている。
【0027】上記MRヘッド1は、センス電流がトラッ
ク幅方向と直交する方向に流れるいわゆる縦型のMRヘ
ッドである。このMRヘッド1は、上記基板25上にA
23、SiO2等よりなり絶縁層26を介して形成さ
れた下層シールド磁性体3と上層シールド磁性体4との
間に、MR素子5及びバイアス導体6が挟み込まれてな
るものであり、磁気記録媒体対向面AにMR素子5の一
端が露出されることによって再生用磁気ギャップg1
形成されるようになっている。
【0028】上記MR素子5は、長方形パターンとして
形成され、その長手方向が上記磁気記録媒体対向面Aに
対する直交方向となるように設けられるとともにその一
端縁が上記磁気記録媒体対向面Aに臨むようになってい
る。
【0029】このMR素子には、先端部と後端部にそれ
ぞれ図示しない定電流源からのセンス電流を通ずるため
の一対の電極7a,7bが積層されている。
【0030】上記バイアス導体6は、平面長方形状の細
長い配線パターンとして形成され、上記MR素子5上に
絶縁層8を介して所定の距離を隔てて積層されている。
【0031】また、このバイアス導体6は、上記MR素
子5に対して略直交する方向、つまりMR素子5を横切
る形で設けられている。そして、このバイアス導体6の
両端部は、直流電源からのバイアス電流を通電するため
の端子部とされている。したがって、この端子部より供
給される直流電流は、配線パターンの長手方向であるト
ラック幅方向に流れる。これにより、磁気記録媒体対向
面Aと直交する方向にバイアス磁界が上記MR素子5に
印加される。
【0032】そして、上記MRヘッド1においては、上
記MR素子5を絶縁層8,9,10を介してパーマロイ
等の軟磁性体からなる下層シールド磁性体3と上層シー
ルド磁性体4とで挟み込んだ、いわゆるシールド型構成
となっている。
【0033】一方、インダクティブヘッド2は、図1に
示すように上層シールド磁性体4を閉磁路を構成する他
方の磁気コア(下層磁気コア)とし、この上層シールド
磁性体4に対向して積層される上層磁気コア11とによ
って上記磁気記録媒体対向面A側にフロントギャップ部
2aが構成され、このフロントギャップ部2aの上記磁
気記録媒体対向面Aに臨んでその前方端部間に記録用磁
気ギャップg2が形成されている。このインダクティブ
ヘッド2においては上記フロントギャップ部2aでの上
層磁気コア11の幅によって記録用磁気ギャップg2
トラック幅が規制される。また、上記上層シールド磁性
体4と上層磁気コア11とは後端部で磁気的に接触して
バックギャップ2bを構成するようになっている。
【0034】そして、上記上層シールド磁性体4と上層
磁気コア11との間には、上記上層シールド磁性体4上
に第1の平坦化膜12、第2の平坦化膜13を介して導
体コイル14が形成されている。この導体コイル14
は、上記バックギャップ2bを取り囲むようにしてスパ
イラル状に設けられている。また、この導体コイル14
上には、第3の平坦化膜15と第4の平坦化膜16が形
成され、前記第4の平坦化膜16上に上層磁気コア11
が形成されている。第1の平坦化膜12〜第4の平坦化
膜16はレジスト等の絶縁材料よりなり、このうち第1
の平坦化膜12の厚さによって記録用磁気ギャップg2
のギャップ幅が規制される。また、第2の平坦化膜13
〜第4の平坦化膜16は、フロントギャップ部2aを除
いた部分に設けられ、上層シールド磁性体4と導体コイ
ル14との絶縁と、導体コイル14と上層磁気コア11
との絶縁を図るとともに表面を平坦化することによっ
て、その上に導体コイル14や上層磁気コア11を正確
な形状で形成するために設けられる。
【0035】また、ここでは、特に上記上層磁気コア1
1は、第1の磁性膜17と第2の磁性膜18の2層の磁
性膜によって構成されている。
【0036】上記第1の磁性膜17には、第2の磁性膜
18よりも飽和磁束密度の高い磁性材料、例えばCo−
Zr−Nbアモルファス磁性材料が用いられる。また、
第2の磁性膜18は、例えばNi−Fe合金のような軟
磁性材料によって構成される。
【0037】以上が複合型磁気ヘッドの構成であり、こ
のような複合型磁気ヘッドは次のようにして製造され
る。
【0038】まず、非磁性基板25上に形成された絶縁
層26上に、下層シールド磁性体3を形成し、この上に
MR素子5、バイアス導体6、上層シールド磁性体4を
絶縁層8,9,10を介して形成し、MRヘッド1を作
製する。
【0039】そして、図2に示すように、上記上層シー
ルド磁性体4上に、第1の平坦化膜12、第2の平坦化
膜13を形成する。これら第1の平坦化膜12、第2の
平坦化膜13は、例えば有機高分子材料を塗布、真空キ
ュア炉にてキュアリングすることによって形成される。
【0040】次に、図3に示すように、第2の平坦化膜
13上に、スパッタリング法によって例えばCr膜とC
u膜よりなるめっき下地膜19を成膜し、このめっき下
地膜19上にフォトレジストを塗布し、所定のパターン
のマスクを重ねた状態でレジストを光硬化させること
で、導体コイル14のパターンに対して反転パターンの
レジストマスクを形成する。そして、このレジストパタ
ーンから露出しているめっき下地膜19上に、めっき法
によってCu等を析出させ、図4に示すようにスパイラ
ル状の導体コイル14を形成する。この後、有機溶剤に
よってレジストパターンを除去し、図5に示すようにこ
のレジストパターンの下側から露出した不要なめっき下
地膜19を例えばイオンミリング法によってエッチング
除去する。
【0041】続いて、図6に示すように、このようにし
て形成された導体コイル14の配線間を埋めるようにレ
ジストを塗布し、真空キュア炉にてキュアリングするこ
とによって第3の平坦化膜15を形成し、図7(a)に
示すようにこの第3の平坦化膜15上にさらにレジスト
を塗布し、ハードキュアすることによって第4の平坦化
膜16を形成する。このときのウェハを磁気記録媒体対
向面A側から見た正面図を図7(b)に示す。
【0042】そして、上記第4の平坦化膜16上に第1
の磁性膜17と第2の磁性膜18よりなる上層磁気コア
11を形成する。以下、上層磁気コア11の形成工程
を、このウェハを磁気記録媒体対向面A側から見た正面
図を参照しながら説明する。
【0043】上層磁気コア11を形成するには、まず、
図8に示すようにスパッタリング法によって高飽和磁束
密度材よりなる第1の磁性膜17を成膜する。そして、
図9に示すように、この第1の磁性膜17上に上層磁気
コアに対応した平面形状でレジストマスク20を形成す
る。次いで、図10に示すようにレジストマスク20が
形成されていない領域の第1の磁性膜17をエッチング
除去した後、レジストマスク20を除去する。その結
果、図11に示すように第1の磁性膜17が上層磁気コ
アに対応したパターンで残存したかたちになる。
【0044】次いで、図12に示すように、スパッタリ
ング法によって、パターニングされた第1の磁性膜17
を埋め込むように、SiO2よりなる埋め込み膜21を
全面形成する。
【0045】続いて、埋め込み膜21の第2の磁性膜形
成領域に対応する領域の埋め込み膜を除去して第1の磁
性膜と第2の磁性膜とを接続する接続孔を形成するが、
この製造方法では特に埋め込み膜の加工を、反応性イオ
ンエッチング法によって2段階で行うこととする。
【0046】すなわち、図13に示すように、上記埋め
込み膜21上に、接続孔形成領域Cに対応する領域に開
口部を有するレジストマスク22を形成する。そして、
図14に示すように反応性イオンエッチング法によっ
て、この接続孔形成領域Cの埋め込み膜21を底部に一
部のみ残存させて除去した後、レジストマスク22を除
去する。
【0047】ここで反応性イオンエッチング処理は、ケ
ミカルポリッシュと同等のエッチングレートが得られ、
しかもエッチング速度とエッチング時間によってエッチ
ング量が高い精度で制御される。したがって、処理時間
が短くて済み、また接続孔形成領域Cの底部に所望の厚
さで埋め込み膜を残存させることができる。
【0048】また、従来の製造方法では、接続孔形成領
域Cに第1の磁性膜を露出させた後にレジストマスクを
除去するため、このレジストマスクの除去工程での第1
の磁性膜の酸化が問題となるが、この製造方法ではレジ
ストマスクの除去工程では接続孔形成領域Cに埋め込み
膜が残存しているので第1の磁性膜の酸化が防止され
る。
【0049】なお、接続孔形成領域Cに残存させる埋め
込み膜の厚さdは20〜100nmとするのが望まし
い。残存させる埋め込み膜の厚さを20nm未満と薄く
設定した場合、埋め込み膜から第1の磁性膜が部分的に
露出してしまい、その部分から酸化が進行してしまう可
能性がある。また、残存させる埋め込み膜の厚さを10
0nmを越えて厚く設定した場合、次工程で行う埋め込
み膜のエッチング除去に長時間を要することになる。
【0050】そして、この後、反応性イオンエッチング
処理を全面に施すことで、図15に示すように埋め込み
膜21の接続孔形成領域Cに残存させた埋め込み膜を除
去することで接続孔21aを形成する。
【0051】このときも、反応性イオンエッチング法で
はエッチング量が高い精度で制御されるので、第1の磁
性膜12を多く削ってしまったり、埋め込み膜21を厚
く残してしまうことなく、第1の磁性膜12表面を露出
させることができる。
【0052】また、この段階で第1の磁性膜12表面は
露出するが、レジストマスクは先の工程で除去されてお
り、この後、直ぐにこの第1の磁性膜12上に第2の磁
性膜の形成が行われるので、第1の磁性膜12表面の酸
化は抑えられる。
【0053】つまり、この製造工程では、埋め込み膜2
1をエッチングしてから第2の磁性膜を成膜するまでの
間に生じる第1の磁性膜12の酸化が防止される。
【0054】そして、以上のようにして埋め込み膜21
に接続孔21aを形成した後、メッキ下地膜の形成、上
層磁気コアの外形形状に対応しためっきフレームの形
成、めっき法による第2の磁性膜の形成、湿式エッチン
グによる不要な第2の磁性膜の除去といった工程で、図
16に示すように上層磁気コアに対応した形状で第2の
磁性膜18を形成し、薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0055】このようにして製造される薄膜磁気ヘッド
は、接続孔形成領域Cにおける第1の磁性膜表面の酸化
や過度なエッチング、埋め込み膜の残存が防止されてい
るので、第1の磁性膜が疑似ギャップとして作用するこ
とがなく、また第1の磁性膜と第2の磁性膜の密着性が
良好であり、また製造されたヘッド同士で特性にばらつ
きがなく、いずれも良好な特性が得られる。
【0056】以上、本発明の製造方法を、複合型磁気ヘ
ッドを製造する場合を例にして説明したが、この製造方
法はインダクティブヘッドのみを製造する場合にも勿論
適用できる。この場合にも、接続孔形成領域Cにおける
第1の磁性膜表面の酸化や過度なエッチング、埋め込み
膜の残存が防止され、製造されたヘッド同士で特性にば
らつきを生じることなく、良好な特性を発揮する薄膜磁
気ヘッドを製造することができる。
【0057】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、コア形状の第1の磁
性膜を覆って埋め込み膜を全面形成する工程と、埋め込
み膜上に、第2の磁性膜形成領域に対応する領域に開口
部を有するレジストマスクを形成する工程と、反応性イ
オンエッチング法によって、第2の磁性膜形成領域に対
応する領域の埋め込み膜を底部に一部残存させて除去す
る工程と、埋め込み膜上のレジストマスクを除去する工
程と、反応性イオンエッチング法によって、第1の磁性
膜形成領域に対応する領域に残存させた埋め込み膜を除
去する工程と、埋め込み膜を除去した領域上に、コア形
状の第2の磁性膜を形成する工程によって2層構成の上
層磁気コアを形成するので、埋め込み膜の第1の磁性膜
形成領域をエッチングするに際して、第1の磁性膜表面
の酸化や過度なエッチング、埋め込み膜の残存が防止さ
れ、製造されたヘッド同士で特性にばらつきを生ずるこ
となく良好な特性を発揮する薄膜磁気ヘッドを製造する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法で製造される薄膜磁気ヘッド
の一例を示す概略断面図である。
【図2】薄膜磁気ヘッドの製造方法を工程順に示すもの
であり、第1の平坦化膜、第2の平坦化膜の形成工程を
示す概略断面図である。
【図3】第1のメッキ下地膜形成工程を示す概略断面図
である。
【図4】導体コイル形成工程を示す概略断面図である。
【図5】第1のメッキ下地膜エッチング工程を示す概略
断面図である。
【図6】第3の平坦化膜形成工程を示す概略断面図であ
る。
【図7】第4の平坦化膜形成工程を示すものであり、
(a)はウェハの概略断面図であり、(b)はウェハを
磁気記録媒体対向面側から見た正面図である。
【図8】第1の磁性膜形成工程を示す正面図である。
【図9】第1のレジストマスク形成工程を示す正面図で
ある。
【図10】第1の磁性膜エッチング工程を示す正面図で
ある。
【図11】第1のレジストマスク除去工程を示す正面図
である。
【図12】埋め込み膜形成工程を示す正面図である。
【図13】第2のレジストマスク形成工程を示す正面図
である。
【図14】第1の埋め込み膜エッチング工程を示す正面
図である。
【図15】第2の埋め込み膜エッチング工程を示す正面
図である。
【図16】第2の磁性膜形成工程を示す正面図である。
【符号の説明】
4 上層シールド磁性体(下層磁気コア)、11 上層
磁気コア、12,13,15,16 平坦化膜、17
第1の磁性膜、18 第2の磁性膜、21 埋め込み膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下層磁気コア、導体コイル、絶縁層が形
    成された基板上に、コア形状の第1の磁性膜を形成した
    後、この第1の磁性膜を覆って埋め込み膜を全面形成す
    る工程と、 埋め込み膜上に、第2の磁性膜形成領域に対応する領域
    に開口部を有するレジストマスクを形成する工程と、 反応性イオンエッチング法によって、第2の磁性膜形成
    領域に対応する領域の埋め込み膜を底部に一部残存させ
    て除去する工程と、 埋め込み膜上のレジストマスクを除去する工程と、 反応性イオンエッチング法によって、第2の磁性膜形成
    領域に対応する領域に残存させた埋め込み膜を除去する
    工程と、 埋め込み膜を除去した領域上に、コア形状の第2の磁性
    膜を形成する工程によって上層磁気コアを形成すること
    を特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 第1の磁性膜の成膜方法は、スパッタ法
    であることを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気ヘッド
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 第2の磁性膜の成膜方法は、めっき法で
    あることを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気ヘッドの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 反応性イオンエッチング法によって、第
    2の磁性膜形成領域に対応する領域の埋め込み膜を底部
    に一部残存させて除去するに際して、残存させる埋め込
    み膜の厚さを20nm〜100nmとすることを特徴と
    する請求項1記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
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