JPH11180291A - 負圧式倍力装置 - Google Patents

負圧式倍力装置

Info

Publication number
JPH11180291A
JPH11180291A JP9355874A JP35587497A JPH11180291A JP H11180291 A JPH11180291 A JP H11180291A JP 9355874 A JP9355874 A JP 9355874A JP 35587497 A JP35587497 A JP 35587497A JP H11180291 A JPH11180291 A JP H11180291A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sleeve
power piston
plunger
negative pressure
valve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9355874A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoo Ogura
倉 智 男 小
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP9355874A priority Critical patent/JPH11180291A/ja
Publication of JPH11180291A publication Critical patent/JPH11180291A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Braking Systems And Boosters (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 応答性のよい負圧式倍力装置を提供するこ
と。 【解決手段】 ハウジング2と、ハウジング2内を前室
4a、4bと後室5a、5bとに分割する可動壁3a、
3bと、パワーピストン6と、入力部材と8、弁機構4
0と、リアクションディスク9と、出力ロッド13とを
有する負圧式倍力装置1において、入力部材8とリアク
ションディスク9との間に、プランジャ10と、第1、
第2フランジ部11a、11bを有する第1スリーブ1
1と、第1スリーブ11の第1フランジ部11aに係合
する内向フランジ部12aを有する第2スリーブ12
と、圧縮スプリング20と、段差部6gとを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はブレーキ力を助勢す
る負圧式倍力装置に関するものであり、特に自動車に適
用される負圧式倍力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年ブレーキの急作動時のフィーリング
向上を目的として、助勢域途中で倍力比を変化させる負
圧式倍力装置が考案されている。一例としては、実公平
3−57568号公報に開示されるような負圧式倍力装
置が知られている。
【0003】この従来の負圧式倍力装置は、内部に少な
くとも一つの圧力室を形成するハウジングと、前記ハウ
ジング内に前記ハウジングに対して前進及び後退可能に
設置され、前記圧力室を、負圧源に連通される前室と前
記負圧源および大気に選択的に連通される後室とに分割
する可動壁と、前記可動壁に結合されたパワーピストン
と、前記パワーピストンに形成された段付き孔の大径部
内に弾性のリアクション部材を介してその後端部を軸方
向へ移動可能に嵌挿されて前記ハウジングの前部を気密
的かつ摺動可能に突出するロッド状出力部材と、前記段
付き孔の小径部内に軸方向へ移動可能に嵌挿されて前記
リアクション部材に対向するプランジャと、前記プラン
ジャの後端部にその前端部を係合されて前記ハウジング
の後部を突出し前方への移動時に前記両室間の差圧を制
御するバルブを作動させるロッド状の入力部材と、前記
段付き孔の小径部内周と前記プランジャの外周間に前方
への移動時には前記プランジャに設けた外向フランジ部
に係合してそれ以上の前方への移動を規制される内向フ
ランジ部を有して前記プランジャと一体的に移動し且つ
後方への移動時には前記小径部内周に形成した環状凹所
の段部に係合してそれ以上の後方への移動を規制され前
記パワーピストンと一体的に移動するスリーブと、前記
スリーブと前記プランジャとの間に配設され、前記スリ
ーブを前方へ付勢して前記プランジャの外向フランジ部
に段撥的に係合させる圧縮スプリングと、を備えたもの
である。
【0004】この従来の負圧式倍力装置は、リアクショ
ン部材の反力が圧縮スプリングの設定荷重よりも小さい
場合には、リアクション部材はその反力をプランジャと
スリーブとに印加して入力部材を後方へ付勢し、リアク
ション部材の反力が圧縮スプリングの設定荷重よりも大
きい場合には、リアクション部材はその反力をプランジ
ャのみに印加して入力部材を後方へ付勢する。即ち、リ
アクション部材の反力が圧縮スプリングの設定荷重より
も小さい場合には、負圧式倍力装置の倍力比はリアクシ
ョン部材の面積(A)と、プランジャの前端面の面積
(B)及びスリーブの前端面の面積(C)の和(B+
C)との比(A/B+C)になり、リアクション部材の
反力が圧縮スプリングの設定荷重よりも大きい場合に
は、負圧式倍力装置の倍力比はリアクション部材の面積
(A)と、プランジャの前端面の面積(B)との比(A
/B)となる。この面積変化により、負圧式倍力装置の
倍力比の変更、又、圧縮スプリングのセット荷重により
倍力比の変更点荷重を設定している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこの従来
の負圧式倍力装置は、リアクション部材の弾性変形量と
の兼ね合いからスリーブの後方への移動量を大きくでき
ないため、スリーブの内向フランジ部にその外向フラン
ジ部で係合可能となるプランジャもまた移動量を大きく
できないものであった。従って、例えば、ブレーキ操作
が解除されて入力部材が急激に後方へ移動される場合、
プランジャひいては入力部材の後方への移動がさほどで
きないことからバルブの離間量を大きくできず、負圧式
倍力装置において速やかな出力の減少ができない虞の有
るものであった。
【0006】本発明は、助勢途中で倍力比を変化させ、
且つ、ブレーキ解除時の応答性のよい負圧式倍力装置を
提供することを、その技術的課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るために、内部に少なくとも一つの圧力室を形成するハ
ウジングと、前記ハウジング内に前記ハウジングに対し
て前進及び後退可能に設置され、前記圧力室を、負圧源
に連通される前室と前記負圧源および大気に選択的に連
通される後室とに分割する可動壁と、前記可動壁に結合
されたパワーピストンと、前記パワーピストンの内部に
前記パワーピストンに対して前進及び後退可能に設置さ
れ、ブレーキ操作によって移動可能な入力部材と、前記
パワーピストン内に配設され、前記入力部材の移動に応
じて前記後室を前記前室に連通する負圧弁及び前記入力
部材の移動に応じて前記後室を大気に連通する大気弁を
備えた弁機構と、前記パワーピストン内に前記パワーピ
ストンに対して前進及び後退可能に配設され、前記入力
部材と一体的に移動可能なプランジャと、前記パワーピ
ストン内で前記プランジャの外周に前記プランジャに対
して前進及び後退可能に配設され、その外周部において
径方向外方に突出する第1突出部及び前記第1突出部よ
りも後方で径方向外方に突出する第2突出部を有し、そ
の軸長が前記プランジャの軸長よりも短い第1スリーブ
と、前記パワーピストン内で前記第1スリーブの外周に
前記第1スリーブに対して前進及び後退可能に配設さ
れ、前記第1スリーブの前記第1突出部に係合すること
により前方への移動が規制される係合部を有する第2ス
リーブと、前記第2スリーブと前記第1スリーブの前記
第2突出部との間に配設され、前記第2スリーブを前方
に付勢する付勢部材と、前記パワーピストンに配設さ
れ、前記第2スリーブに係合することによって前記第2
スリーブの後方への移動を規制する規制部と、前記可動
壁の移動に伴った前記パワーピストンの推進力を出力と
して装置外に出力する出力部材と、その後端面で前記プ
ランジャと前記第2スリーブと前記パワーピストンとに
当接するとともにその前端面で前記出力部材に当接する
弾性部材とを備えた負圧式倍力装置を構成した。
【0008】請求項1の負圧式倍力装置は、第2スリー
ブが係合部に係合しても、プランジャはパワーピスト
ン、第1スリーブ及び第2スリーブに対して十分に後方
へ移動することができ、ひいては入力部材もまた十分に
後方へ移動することが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態により
具体的に説明する。
【0010】図1は本発明の一実施の形態の負圧式倍力
装置の断面図である。図1に示すように、負圧式倍力装
置1のハウジング2は、前方側(図1中左方側)部分の
フロントシェル2aと後方側(図1中右方側)部分のリ
アシェル2bとから成り、ハウジング2内には、ハウジ
ング2内の圧力室を前方圧力室と後方圧力室とに分割す
る隔壁60と、前方圧力室内でその外周部を気密的に固
定され、前後方向(図1中左右方向)に移動可能なフロ
ント可動壁3aと、後方圧力室内でその外周部を気密的
に固定され、前後方向に移動可能なリア可動壁3bとを
備えている。
【0011】フロント可動壁3aによって、ハウジング
2内の前方圧力室は第1前室4aと第1後室5aとに互
いに気密的に分離され、第2可動壁3bによって、ハウ
ジング2内の後方圧力室は第2前室4bと第2後室5b
とに互いに気密的に分離されている。
【0012】ハウジング2には、その後方より樹脂材料
製のパワーピストン6が挿入され、パワーピストン6に
は両可動壁3a、3bがその内周端において気密的に固
定されている。パワーピストン6には、第1前室4aと
第2前室4bとを連通する第1連通路6aと、第1後室
5aと第2後室5bとを連通する第2通路6bとが形成
されている。
【0013】第1前室4aはインレット2cを介して負
圧源である図示しない車両のエンジンのインテークマニ
ホールドと連通し、常に負圧を発生している。従って、
第2前室4bも常時負圧に保たれている。
【0014】パワーピストン6の内部には、図示しない
車両のブレーキ操作部材である、例えばブレーキペダル
に図1においてその後端にて連結された入力ロッド7が
挿入されている。入力ロッド7は後述する入力部材8に
一体的にパワーピストン6内を前後方向に移動可能なよ
うに連結されている。
【0015】入力部材8は入力ロッド7からの入力をリ
アクションディスク9に伝達する役割を果たす。パワー
ピストン6内で入力部材8の前方にはプランジャ10、
第1スリーブ11、及び第2スリーブ12とが配設され
ている。プランジャ10と第1、第2スリーブ11、1
2とは、入力部材8と同様に入力をリアクションディス
ク9に伝達する役割を果たす。
【0016】リアクションディスク9と当接した出力ロ
ッド13は、リアクションディスク9を介して入力を受
けて移動することによってマスタシリンダのピストン
(図示省略)を作動させる。
【0017】ハウジング2とパワーピストン6との間に
は、リタンスプリング21が介在されている。リタンス
プリング21はパワーピストン6を後方に付勢してい
る。
【0018】図2は、図1の弁機構40部分の拡大図で
ある。図2に示すように、入力ロッド7には戻しスプリ
ング14を受ける第1リテーナ15が固定されている。
パワーピストン6にはコントロールバルブ16の後端部
16bを支持する第2リテーナ17が第1リテーナ1
5,戻しスプリング14を介して入力ロッド7から弾撥
力を受けながら固定されている。
【0019】コントロールバルブ16は図2中後方(図
2中右方)の後端部16bの内周において第2リテーナ
17に係合しており、外周においてはパワーピストン6
との間でシール機能を発生している。コントロールバル
ブ16の前端部であるシール部16aを支持するリテー
ナと第2リテーナ17との間にはバルブスプリング18
が介装されている。
【0020】上記構成を採ることによって、コントロー
ルバルブ16のシール部16aのエアバルブ部16aa
は入力ロッド7の非作動状態において、入力部材8の後
端に形成されたエアバルブ弁座8aと係合している。
又、入力ロッド7の作動状態においては、シール部16
aのバキュームバルブ部16abがパワーピストン6に
設けたバキュームバルブ弁座6cと係合可能となってい
る。即ち、エアバルブ部16aaとエアバルブ弁座8a
とは大気弁V1 を構成し、バキュームバルブ部16ab
とバキューム弁座6cとは負圧弁V2 を構成しており、
コントロールバルブ16、入力部材8のエアバルブ弁座
8a、パワーピストン6のバキュームバルブ弁座6とは
弁機構40を構成している。
【0021】パワーピストン6に設置されたキー溝6d
にはキー19が挿入され、非作動状態でダンパ部材を介
してハウジング2に当接している。更に、パワーピスト
ン6には、第1前室4aと負圧弁V2 とを連通するため
のバキュームパス6eと、第2後室5bと大気弁V1
を連通するためのエアパス6fとが形成されている。バ
キュームパス6eは第1通路6aを介して第1前室4a
に連通しており、エアパス6fは第2通路6fを介して
第1後室5aに連通している。
【0022】入力部材8とリアクションディスク9との
間には、プランジャ10と第1スリーブ11と第2スリ
ーブ12とが介在されている。プランジャ10はパワー
ピストン6に対して前進及び後退可能に配設されてお
り、その前方端部外周に径方向外方に突出する外向フラ
ンジ部10aを有している。
【0023】第1スリーブ11は筒状を呈しており、プ
ランジャ10の外周にプランジャ10及びパワーピスト
ン6に対して前進及び後退可能に配設されている。第1
スリーブ11は、その前方端部の外周で径方向外方に突
出する第1外向フランジ部11aとその後方端部の外周
で径方向外方に突出する第2外向フランジ部11bとを
有しており、その軸長はプランジャ10の軸長に比して
短くされている。
【0024】第2スリーブ12は筒状を呈しており、第
1スリーブ11の外周に第1スリーブ11及びパワーピ
ストン6に対して前進及び後退可能に配設されている。
第2スリーブ12はその後方端部の外周に径方向内方に
突出する内向フランジ部12aを有している。
【0025】第1スリーブ11の第2外向フランジ部1
1bと第2スリーブ12の内向フランジ部12aとの間
には、第2スリーブ12を前方に付勢する圧縮スプリン
グ20が配設されている。第2スリーブ12が前方に付
勢されることにより、第2スリーブ12の内向フランジ
部12aと第1スリーブ11の第1外向フランジ部11
aとが係合し、第2スリーブ12の前方への移動を規制
している。
【0026】第1スリーブ11の第1外向フランジ部1
1aと第2スリーブ12の内向フランジ部12aとが当
接して第1スリーブ11と第2スリーブ12とが一体化
している状態において、第2スリーブ12の前端から第
1スリーブ11の後端までの前後長はプランジャ10の
軸長と略等しくされている。パワーピストン6には、第
2スリーブ12の後端面が係合可能な係合部としての段
差部6gが形成されている。段差部6gは第2スリーブ
12が係合することにより第2スリーブ12の後方への
移動を規制する。
【0027】負圧式倍力装置1の非作動状態において、
プランジャ10の外向フランジ部10aの後面と第1ス
リーブ11の第1外向フランジ部11aの前面との間に
は所定量のクリアランスが存在している。プランジャ1
0と第2スリーブ12とはその前端面においてリアクシ
ョンディスク9の後端面に当接可能とされている。
【0028】出力ロッド13はリアクションディスク9
を収容するとともにパワーピストン6の前端側に嵌合さ
れる有底筒状部13aを有している。出力ロッド13
は、其の後端面としての有底筒状部13aの底面13a
aでリアクションディスク9の前端面に当接している。
【0029】リアクションディスク9は、出力ロッド1
3の有底筒状部13a内に配設されることにより、パワ
ーピストン6とプランジャ10及び第2スリーブ12と
の間に介在されることになる。弾性材から成るリアクシ
ョンディスク9は、周知のように、パワーピストン6の
推進力を出力ロッド13に、更に、入力部材8の前進力
をプランジャ10及び第1、第2スリーブ11、12と
を介して出力ロッド13に伝達すると共に出力ロッド1
3からの出力に対応した大きさの反力をプランジャ10
及び第1、第2スリーブ11、12とを介して入力部材
8に印加するものである。
【0030】以下に、負圧式倍力装置1の作動について
説明する。図3は、縦軸は出力を表し、横軸は入力を表
した負圧式倍力装置1の特性線図である。図1〜図3に
示すように、運転者が図示しない車両のブレーキ操作部
材を操作していない初期状態においては、コントロール
バルブ16のシール部16aのエアバルブ部16aaは
入力部材8のエアバルブ弁座8aと係合状態、又、シー
ル部16aのバキュームバルブ部16abはパワーピス
トン6のバキュームバルブ弁座6cとは非係合状態にあ
るため、両後室5a、5bは、エアパス6f、バキュー
ムバルブ部16abとバキュームバルブ弁座6cとの隙
間、バキュームパス6e、第1通路6a、前室4、及び
インレット2cを介して負圧源である図示しない車両の
エンジンのインテークマニホールドと連通している。
【0031】従って、弁機構40は両後室5a、5bを
負圧源に連通すると共に大気から遮断する出力減少作用
状態を採っているものであり、両後室5a、5bの圧力
は両前室4a、4bの圧力と同じ圧力に低下しており、
両可動壁3a、3bとパワーピストン6には前進力が作
用していない。
【0032】又、初期状態においては、プランジャ10
の後端面及び第1スリーブ11の後端面が入力部材8の
前端面に当接し、プランジャ10の前端面と第2スリー
ブ12の前端面とは略同一平面上にあり、プランジャ1
0の前端面及び第2スリーブ12の前端面とリアクショ
ンディスク9の後端面とは所定距離で離間されているも
のとして説明する。尚、第2スリーブ12の後端面とパ
ワーピストン6の段差部6gとの間には所定の隙間が存
在している。
【0033】運転者により、車両のブレーキ操作部材で
ある、例えばブレーキペダルが図3中の入力Fi1で操
作されると、これと連結した入力ロッド7が入力を受け
て前方に移動する。従って、入力ロッド7に固定された
入力部材8も入力ロッド7と一体となって前方に移動
し、入力部材8の移動によってプランジャ10と第1、
第2スリーブ11、12とが前方に押圧されてプランジ
ャ10及び第1、第2スリーブ11、12も入力ロッド
7及び入力部材8と一体的に前進する。
【0034】入力部材8の移動により、コントロールバ
ルブ16ひいてはシール部16aもバルブスプリング1
8の付勢力によって入力部材8と共に前方に移動し、や
がてシール部16aのバキュームバルブ部16abがパ
ワーピストン6のバキュームバルブ弁座6cに当接して
両後室5a、5bは両前室4a、4bと遮断されるため
車両の負圧源との連通も断たれる。
【0035】更に入力部材8が前方に移動するとシール
部16aのエアバルブ部16aaと入力部材8のエアバ
ルブ弁座8aとの係合が解消され、両後室5a、5bが
エアパス6d及びエアバルブ部16aaとエアバルブ弁
座8aとの隙間を介して大気と連通する。即ち、弁機構
40が出力減少作用状態から出力増加作用状態に切り換
えられる。従って、両後室5a、5bへの大気の流入に
よって、両前室4a、4bと両後室5a、5bとの間に
気圧差が発生するため、この気圧差による荷重を受けた
両可動壁3a、3bとこれに連結されたパワーピストン
6がリアクションディスク9を介して出力ロッド13を
前方に押圧する。
【0036】出力ロッド13にパワーピストン6の推進
力及び入力部材8の前進力が出力され、出力ロッド13
が前方に移動されるとマスタシリンダのピストンが押圧
されて、図示しない車両の各ホイールに制動力が付与さ
れる。
【0037】パワーピストン6が出力ロッド13を押圧
する際、パワーピストン6は入力部材8、プランジャ1
0、及び第1、第2スリーブ11、12に対しても前進
し、コントロールバルブ16のシール部16aのエアバ
ルブ部16aaがエアバルブ弁座8aに接近する。ま
た、リアクションディスク9がパワーピストン6と出力
ロッド13とにより圧縮されて弾性変形することによ
り、プランジャ10及び第2スリーブ12の前端面に対
向するリアクションディスク9の後端面の中心部分がリ
アクションディスク9とプランジャ10及び第2スリー
ブ12との間の隙間を減少するようにプランジャ10及
び第2スリーブ12の前端面に向かって張り出し、プラ
ンジャ10及び第2スリーブ12の前端面に当接して出
力ロッド13からの出力に応じた反力をプランジャ10
及び第1、第2スリーブ11、12に付与する。
【0038】この入力Fi1におけるリアクションディ
スク9からの反力は圧縮スプリング20の設定荷重より
も小さいことから、第2スリーブ12を介してリアクシ
ョンディスク9から反力を受けることによって圧縮スプ
リング20が撓むことはなく、第2スリーブ12の後端
面がパワーピストン6の段差部6gに当接することはな
い。従って、リアクションディスク9は出力ロッド13
からの出力に応じた反力を先ずプランジャ10及び第
1、第2スリーブ11、12に付与し、プランジャ10
及び第1、第2スリーブ11、12を介して入力部材8
に入力部材8をパワーピストン6に対して後退させるよ
うに印加するようになる。
【0039】出力ロッド13からの出力に対応した大き
さの反力をリアクションディスク9から受けることによ
る入力部材8の後退及びパワーピストン6の入力部材8
に対する前進により、やがて、コントロールバルブ16
のシール部16aのエアバルブ部16aaが再びエアバ
ルブ弁座8aに当接し、両後室5a、5bへの大気の流
入が停止される。即ち、弁機構40が出力保持作用状態
に切り換わる。
【0040】このブレーキ作用において、ブレーキペダ
ルから入力部材8に加えられている入力は図3中に示し
た値Fi1であり、出力ロッド13からマスタシリンダ
に付与される出力は図3に示した値Fo1である。即
ち、入力Fi1でのブレーキ操作によって生じるパワー
ピストン6の推進力及び入力部材8に加えられた入力
は、出力ロッド13を介して出力Fo1として装置外に
出力されることになる。
【0041】入力がFi1の時における負圧式倍力装置
1の入力に対する出力の比率、即ち、図3中の線Aの傾
きは、出力ロッド13の有底筒状部13aの底面13a
aの面積をAとし、プランジャ10の前端面の面積をB
とし、第2スリーブ12の前端面の面積をCとした場
合、A/(B+C)の比率に一致する。
【0042】例えば、ブレーキペダルが図3中の入力F
i2で操作されると、上述したようにして、バルブ機構
40により両前室4a、4bが両後室5a、5bとの連
通が遮断されるとともに両後室5a、5bが大気に連通
されてパワーピストン6に推進力が生じ、出力ロッド1
3を介して出力Fo2として装置外に出力される。
【0043】この入力Fi2においてリアクションディ
スク9がパワーピストン6と出力ロッド13とにより圧
縮されて弾性変形することにより、プランジャ10及び
第2スリーブ12の前端面に対向するリアクションディ
スク9の後端面の中心部分がリアクションディスク9と
プランジャ10及び第2スリーブ12との間の隙間を減
少するようにプランジャ10及び第2スリーブ12の前
端面に向かって張り出し、プランジャ10及び第2スリ
ーブ12の前端面に当接してリアクションディスク9が
出力ロッド13からの出力に応じた反力をプランジャ1
0及び第1、第2スリーブ11、12に付与するように
なる。
【0044】この入力Fi2におけるリアクションディ
スク9から第2スリーブ12への反力は圧縮スプリング
20の設定荷重よりも大きくなることから、リアクショ
ンディスク9から反力を受けることによって圧縮スプリ
ング20を撓ませながら第2スリーブ12が圧縮スプリ
ング20の付勢力に抗してパワーピストン6、プランジ
ャ10、及び第1スリーブ11に対して後方に移動さ
れ、第2スリーブ12の後端面がパワーピストン6の段
差部6gに当接することになる。
【0045】第2スリーブ12が段差部6gに当接する
することによって第2スリーブ12のパワーピストン6
に対する後方への移動が規制され、第2スリーブ12は
パワーピストン6と一体化される。第2スリーブ12が
パワーピストン6と一体化することにより、リアクショ
ンディスク9からの入力部材8への反力の伝達手段はプ
ランジャ10のみとなる。従って、リアクションディス
ク9は、出力ロッド13からの出力に応じた反力をプラ
ンジャ10を介して入力部材8に入力部材8をパワーピ
ストン6に対して後退させるように印加するようにな
る。
【0046】このときのプランジャ10の外向フランジ
部10aの後面と第1スリーブ11の第1外向フランジ
部11aの前面との間には十分なクリアランスがあり、
プランジャ10は第2スリーブ12と非係合であること
から、プランジャ10はパワーピストン6、第1スリー
ブ11及び第2スリーブ12に対して十分に後方へ移動
することが可能となり、ひいては入力部材8もまた十分
に後方へ移動することが可能となる。
【0047】出力ロッド13からの出力に対応した大き
さの反力をリアクションディスク9から受けることによ
る入力部材8の後退及びパワーピストン6の入力部材8
に対する前進により、やがて、コントロールバルブ16
のシール部16aのエアバルブ部16aaが再びエアバ
ルブ弁座8aに当接し、両後室5a、5bへの大気の流
入が停止される。即ち、弁機構40が出力保持作用状態
に切り換わる。
【0048】従って、入力がFi2の時或いは入力Fi
2以降における負圧式倍力装置1の入力に対する出力の
比率、即ち、図3中の点P或いは線Bの傾きは、出力ロ
ッド13の有底筒状部13aの底面13aaの面積をA
とし、プランジャ10の前端面の面積をBとした場合、
A/Bの比率に一致する。即ち、入力Fi2以降から
は、負圧式倍力装置1の入出力比が入力Fi2以前にお
ける負圧式倍力装置1の入出力比に対して変化すること
になる。図3中の点Pは入出力比の変更点を示してい
る。
【0049】この入力Fi2時にバルブ機構40が出力
保持作用状態を採るときにおいて、依然としてプランジ
ャ10の外向フランジ部10aの後面と第1スリーブ1
1の第1外向フランジ部11aの前面との間には十分な
クリアランスがあり、プランジャ10は第2スリーブ1
2非係合であることから、プランジャ10はパワーピス
トン6、第1スリーブ11及び第2スリーブ12に対し
て十分に後方へ移動することができ、ひいては入力部材
8もまた十分に後方へ移動することが可能となる。従っ
て、この入力Fi2のときのバルブ機構40の出力保持
作用状態においてブレーキ操作が解除されると、入力ロ
ッド7が右方に後退してバルブ機構40が解除される。
【0050】即ち、入力ロッド7の移動によって入力部
材8も後退し、入力部材8の右方への移動により、コン
トロールバルブ16のバキュームシール部16ab、ひ
いてはコントロールバルブ16のシール部16aが右方
へ押されて移動され、パワーピストン6のバキュームバ
ルブ弁座6cとコントロールバルブ16のバキュームバ
ルブ部16abとが離間される。このときのバキューム
バルブ弁座6cとバキュームバルブ部16abとの離間
量は、プランジャ10と第1スリーブ11との間に十分
なクリアランスが確保されていることにより、従来の負
圧式倍力装置に比べて大きくすることができる。
【0051】バキュームバルブ弁座6cとコントロール
バルブ16のバキュームバルブ部16abとが離間され
ことにより、両変圧室5a、5bが両定圧室4a、4b
と連通して両変圧室5a、5b内の大気がエア通路6
f、バキュームバルブ弁座6cとバキュームバルブ部1
6abとの隙間、バキューム通路6e、及び第1通路6
aを介して定圧室4aへ速やかに流入することから再び
変圧室5a、5b内の負圧度が増加して、パワーピスト
ン6の推進力も低下し、図示しないマスタシリンダから
の反力とブースタ内のリタンスプリング21により、パ
ワーピストン6および入力ロッド7は右方に移動させら
れ、入力の解除によってり戻り行程が完了される。
【0052】以上説明したように、本実施の形態の負圧
式倍力装置1によれば、第2スリーブ12がパワーピス
トン6の段部6gに当接した場合でも、プランジャ10
ひいては入力部材8が十分に後方へ移動可能であること
から、速やかに負圧式倍力装置1の出力を減少できる。
【0053】更に、圧縮スプリング20の設定荷重を適
宜設定することによって、負圧式倍力装置1の入出力比
の変更点Pを設定することができる。
【0054】従って、助勢途中で倍力比を変化させ、且
つ、ブレーキ解除時の応答性のよい負圧式倍力装置1を
提供することを可能としている。
【0055】本実施の形態においては、タンデム型の負
圧式倍力装置1において本発明を適用したが、特にこの
構成に限定されるものではなく、例えば、シングル型の
負圧式倍力装置において本発明を適用しても同様の作用
効果が得られる。
【0056】又、本実施の形態においては、プランジャ
10と入力部材8とが分離される構成を採っているが、
特にこの構成に限定されるものではなく、例えば、プラ
ンジャと入力部材とが一体化された本発明の負圧式倍力
装置においても同様の作用効果が得られる。
【0057】又、本実施の形態においては、第1スリー
ブ11の第1突出部として外向フランジ部11aが形成
されているが、特にこの構成に限定されるものではな
く、第2スリーブの係合部に係合可能な形状であればよ
い。
【0058】又、本実施の形態においては、第2スリー
ブ12の係合部として内向フランジ部12aが形成され
ているが、特にこの構成に限定されるものではなく、第
1スリーブの突出部に係合可能な形状であればよい。
【0059】又、本実施の形態においては、第1スリー
ブ11の第2突出部として外向フランジ部11bが形成
されているが、特にこの構成に限定されるものではな
く、付勢手段を支持可能な形状であればよい。
【0060】又、本実施の形態においては、第2スリー
ブ12の後退限を規定する規制部としてパワーピストン
6に段差部6gが一体成形されているが、特にこの構成
に限定されるものではなく、第2スリーブ12の後方へ
の移動を規制するものであればよく、又、パワーピスト
ン6と別体に設けてもよい。
【0061】以上、本発明を上記実施の態様に則して説
明したが、本発明は上記態様にのみ限定されるものでは
なく、本発明の原理に準ずる各種態様を含むものであ
る。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、第2スリーブがパワーピストンの規制部に当接
した場合でも、プランジャひいては入力部材が十分に後
方へ移動可能であることから、速やかに負圧式倍力装置
の出力を減少できる。
【0063】従って、助勢途中で倍力比を変化させ、且
つ、ブレーキ解除時の応答性のよい負圧式倍力装置を提
供することを可能としている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の負圧式倍力装置1の断面図。
【図2】図1の一部拡大断面図。
【図3】実施の形態の負圧式倍力装置1の性能線図。
【符号の説明】
1 負圧式倍力装置 2 ハウジング 3 可動壁 4a、4b 前室 5a、5b 後室 6 パワーピストン 6c バキュームバルブ弁座 6g 段差部 7 入力ロッド 8 入力部材 8a エアバルブ
弁座 9 リアクションディスク 10 プランジャ 10a 外向フ
ランジ部 11 第1スリーブ 11a 第1外向フランジ部 11b 第2外
向フランジ部 12 第2スリーブ 12a 外向フ
ランジ部 13 出力ロッド 13aa 底面 16 コントロールバルブ 16aa エアバルブ部 16ab バキ
ュームバルブ部 40 弁機構 V1 大気弁 V2 負圧弁

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に少なくとも一つの圧力室を形成す
    るハウジングと、前記ハウジング内に前記ハウジングに
    対して前進及び後退可能に設置され、前記圧力室を、負
    圧源に連通される前室と前記負圧源および大気に選択的
    に連通される後室とに分割する可動壁と、 前記可動壁に結合されたパワーピストンと、 前記パワーピストンの内部に前記パワーピストンに対し
    て前進及び後退可能に設置され、ブレーキ操作によって
    移動可能な入力部材と、 前記パワーピストン内に配設され、前記入力部材の移動
    に応じて前記後室を前記前室に連通する負圧弁及び前記
    入力部材の移動に応じて前記後室を大気に連通する大気
    弁を備えた弁機構と、 前記パワーピストン内に前記パワーピストンに対して前
    進及び後退可能に配設され、前記入力部材と一体的に移
    動可能なプランジャと、 前記パワーピストン内で前記プランジャの外周に前記プ
    ランジャに対して前進及び後退可能に配設され、その外
    周部において径方向外方に突出する第1突出部及び前記
    第1突出部よりも後方で径方向外方に突出する第2突出
    部を有し、その軸長が前記プランジャの軸長よりも短い
    第1スリーブと、 前記パワーピストン内で前記第1スリーブの外周に前記
    第1スリーブに対して前進及び後退可能に配設され、前
    記第1スリーブの前記第1突出部に係合することにより
    前方への移動が規制される係合部を有する第2スリーブ
    と、 前記第2スリーブと前記第1スリーブの前記第2突出部
    との間に配設され、前記第2スリーブを前方に付勢する
    付勢部材と、 前記パワーピストンに配設され、前記第2スリーブに係
    合することによって前記第2スリーブの後方への移動を
    規制する規制部と、 前記可動壁の移動に伴った前記パワーピストンの推進力
    を出力として装置外に出力する出力部材と、 その後端面で前記プランジャと前記第2スリーブと前記
    パワーピストンとに当接するとともにその前端面で前記
    出力部材に当接する弾性部材と、 を備えた負圧式倍力装置。
JP9355874A 1997-12-24 1997-12-24 負圧式倍力装置 Pending JPH11180291A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9355874A JPH11180291A (ja) 1997-12-24 1997-12-24 負圧式倍力装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9355874A JPH11180291A (ja) 1997-12-24 1997-12-24 負圧式倍力装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11180291A true JPH11180291A (ja) 1999-07-06

Family

ID=18446175

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9355874A Pending JPH11180291A (ja) 1997-12-24 1997-12-24 負圧式倍力装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11180291A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6897092B2 (en) 1999-09-03 2005-05-24 Micron Technology, Inc. Method of supporting a substrate film

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6897092B2 (en) 1999-09-03 2005-05-24 Micron Technology, Inc. Method of supporting a substrate film

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4757748A (en) Vacuum booster for automobiles
JP2861112B2 (ja) 倍力装置
JPH11217072A (ja) ブレーキ倍力装置
JPH11180291A (ja) 負圧式倍力装置
JPH1044973A (ja) 倍力装置
JP3818475B2 (ja) ブレーキ倍力装置
JPH11301457A (ja) 負圧式倍力装置
JP3829261B2 (ja) 気圧式倍力装置
JP2000177578A (ja) 負圧式倍力装置
JPH10129458A (ja) 車両用ブレーキブースタ
JP2007098970A (ja) 気圧式倍力装置
JPH0357568Y2 (ja)
JPH1086812A (ja) 負圧式倍力装置
JP3198511B2 (ja) ブレーキ装置
JP3661259B2 (ja) 倍力装置
JPH1059164A (ja) 倍力装置
JP2001080494A (ja) 倍力装置
JPH0347014Y2 (ja)
JP3885178B2 (ja) 気圧式倍力装置
JPH049701B2 (ja)
JPH0986398A (ja) 気圧式倍力装置
US20050098029A1 (en) Negative pressure type booster
JP2000071971A (ja) ブレーキ倍力装置
JPH10230841A (ja) 気圧式倍力装置および反力制御方法
JP2536598Y2 (ja) 気圧式倍力装置