JPH0986398A - 気圧式倍力装置 - Google Patents

気圧式倍力装置

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JPH0986398A
JPH0986398A JP7266326A JP26632695A JPH0986398A JP H0986398 A JPH0986398 A JP H0986398A JP 7266326 A JP7266326 A JP 7266326A JP 26632695 A JP26632695 A JP 26632695A JP H0986398 A JPH0986398 A JP H0986398A
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JP
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valve body
plunger
reaction
force
pressure chamber
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JP7266326A
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Mitsuhiro Endo
光弘 遠藤
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Tokico Ltd
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Tokico Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 気圧式倍力装置において、低出力領域の倍力
比に対して、大出力領域の倍力比を大きくする。 【解決手段】 ハウジング内をパワーピストンで定圧室
2a(負圧)と変圧室2bとに画成する。パワーピストンに
連結したバルブボディ5に、入力ロッドを連結したプラ
ンジャ10を嵌装する。プランジャ10の移動に応じて制御
弁15で変圧室2bに大気(正圧)を導入し、定圧室2aと変
圧室2bとの差圧によって生じるパワーピストンの推力を
バルブボディ5とプランジャ10に当接するリアクション
ディスク7を介して出力ロッド8に付与し、その反力の
一部をプランジャ10に作用させる。リアクションディス
ク7をバルブボディ5の段付凹部22に嵌合して周囲に環
状空間Sを形成する。大出力領域では、リアクションデ
ィスク7が圧縮、拡径して環状空間Sに充填され、バル
ブボディ5の受圧面積が大きくなって倍力比が大きくな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車両の
制動装置に装着される気圧式倍力装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車の制動装置には、制動力
を高めるために気圧式倍力装置が装着されている。従来
の気圧式倍力装置の一例について、図9を用いて説明す
る。
【0003】図9に示すように、気圧式倍力装置1は、
本体ハウジング2内にダイヤフラム3を介してパワーピ
ストン4が移動可能に装着されており、これのパワーピ
ストン4によって、本体ハウジング2内が定圧室2aと変
圧室2bとに画成されている。
【0004】パワーピストン4には、略円筒状のバルブ
ボディ5が連結されている。バルブボディ5は、本体ハ
ウジング2の後部壁の開口部6に挿通されて摺動可能か
つ気密的に案内されており、一端部が外部へ延出されて
いる。バルブボディ5の他端部には、円板状の弾性体か
らなるリアクションディスク7を介して出力ロッド8の
基端部が連結されており、出力ロッド8の先端部は、本
体ハウジング2の前部壁の開口部9に、気密的かつ摺動
可能に挿通されて外部に延出されている。
【0005】バルブボディ5内には、リアクションディ
スク7に対向させてプランジャ10が摺動可能に嵌装され
ている。プランジャ10は、図9に示す後退位置(非制動
位置)では、リアクションディスク7との間に所定の隙
間Cが形成されている。プランジャ10には、入力ロッド
11の一端部が連結されており、入力ロッド11の他端部
は、バルブボディ5内の端部に装着された通気性のダス
トシール12に摺動可能に挿通されて外部へ延ばされてい
る。
【0006】バルブボディ5の側壁には、バルブボディ
5の内部を定圧室2aに連通させる負圧通路13および変圧
室2bに連通させる正圧通路14が設けられている。なお、
バルブボディ5の内部は、ダストシール12を介して大気
に開放されている。バルブボディ5には、プランジャ10
のバルブボディ5に対する相対位置に応じて負圧通路13
と正圧通路14と外部(大気)との間の連通、遮断を選択
的に切り換える制御弁15が設けられている。
【0007】制御弁15は、プランジャ10が、バルブボデ
ィ5に対して、図9に示すようにリアクションディスク
7との間に所定の隙間Cを有する後退位置(非制動位
置)にある場合には、負圧通路13と正圧通路14とを遮断
しているとともに、これらを大気から遮断し、プランジ
ャ10がリアクションディスク7に当接する前進位置(制
動位置)にある場合には、負圧通路13と正圧通路14とを
遮断するとともに、正圧通路14を外部(大気)に連通さ
せるようになっている。
【0008】定圧室2aは、接続口16によって当該車両の
エンジンの吸気装置等の負圧源に接続されていおり、常
時、負圧状態となっている。本体ハウジング2は車体に
固定され、出力ロッド8は油圧ブレーキ装置のマスタシ
リンダ(図示せず)に連結され、また、入力ロッド11は
ブレーキペダル(図示せず)に連結されている。なお、
図9中、17はバルブボディ5およびパワーピストン4を
後退位置側へ付勢する戻しばね、18は入力ロッド11およ
びプランジャ10を後退位置側へ付勢する戻しばね、19は
制御弁15の弁体を弾性的に支持する弁ばね、20はダスト
カバーである。
【0009】次に、気圧式倍力装置1の作動について説
明する。
【0010】通常、バルブボディ5およびプランジャ10
は、戻しばね17,18の付勢力によって後退位置(非制動
位置)にあり、制御弁15によって負圧通路13と正圧通路
14とは互いに遮断されているとともに、正圧通路14は大
気からも遮断されているので、定圧室2aと変圧室2bとが
同圧(負圧)となっており、パワーピストン4に推力が
発生せず、出力ロッド8にサーボ力(倍力)は作用しな
い。
【0011】ブレーキペダルを操作し、入力ロッド11を
押圧してプランジャ10が戻しばね18の付勢力に抗して前
進すると、制御弁15によって正圧通路14のみが大気に連
通される。これにより、変圧室2bに大気(正圧)が導入
されて、負圧源に接続された定圧室2a(負圧)と変圧室
2b(正圧)との間に圧力差が生じ、この圧力差によって
パワーピストン4に推力が発生し、バルブボディ5がリ
アクションディスク7を介して出力ロッド8にサーボ力
を作用させて制動力を高める。パワーピストン4の推力
によってバルブボディ5が前進すると、リアクションデ
ィスク7はこのときの出力反力を受けて変形し、予め決
められた出力のところでプランジャ10とリアクションデ
ィスク7とが当接するようになる。そして、リアクショ
ンディスク7からプランジャ10に加わる力すなわち反力
が入力ロッド11の押圧力よりも大きくなると、プランジ
ャ10がバルブボディ15に対して後退方向に押され、制御
弁15による正圧通路14と大気との連通が遮断されるよう
になり、変圧2b室が大気から遮断され、その後は、入力
ロッド11への入力に応じて変圧室2bと大気との連通、遮
断が繰り返えされて入力に応じた出力が得れる。
【0012】このとき、パワーピストン4の推力と出力
ロッド8の反力によってリアクションディスク7が圧縮
されることにより、出力ロッド8の反力の一部がリアク
ションディスク7を介してプランジャ10を後退させる方
向に作用する。このようにして、出力ロッド8の反力の
一部を入力ロッド11にフィードバックすることにより、
制動力に応じたブレーキペダル操作感覚が得られる。こ
こで、倍力比、すなわち、ペダル踏力とサーボ力との比
は、リアクションディスク7に対するプランジャ10とバ
ルブボディ5との受圧面積比によって決まる。
【0013】また、制動初期状態では、プランジャ10が
リアクションディスク7との間に形成された隙間Cを移
動することにより、リアクションディスク7からの反力
を受けることなくサーボ力を発生させることができるの
で、初期制動力を高めることができる(ジャンプイン作
用)。
【0014】ブレーキペダルの操作力を解除すると、戻
しばね18によってプランジャ10が非制動位置に戻り、制
御弁15によって負圧通路13と正圧通路14とが連通される
とともに、これらが外部から遮断されるので、定圧室2a
と変圧室2bとが同圧(負圧)となってパワーピストン4
の推力がなくなり、戻しばね17の付勢力によってバルブ
ボディ5が後退して制動が解除される。
【0015】気圧式倍力装置1の入力(ブレーキペダル
操作力)と出力(制動力)との関係を図10に示す。図10
に示すように、制動初期において一定出力までは、ジャ
ンプイン作用によって、小さな入力に対して大きなサー
ボ力が発生する(図10中の領域A参照)。その後、プラ
ンジャ10がリアクションディスク7から反力を受けるこ
とにより、入力の増加に応じて出力が直線的に増加する
(図10中の領域B参照)。なお、図10中の点Pは、全負
荷作動点を示している。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の気圧式倍力装置1では、初期制動状態を除いて入力
と出力とが直線的に比例するので、急制動時等において
大きな制動力を必要とする場合には大きな操作力を要求
されることになる。そこで、急制動時等の操作力の負担
を小さくするために、倍力比を大きく設定し、あるい
は、ジャンプイン作動領域を広く設定した場合、通常の
使用状態において、サーボ力が大きくなりすぎ、操作性
が悪化するという問題を生じる。
【0017】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
であり、通常の使用状態の操作性を損なうことなく、出
力の大きな領域において操作力を軽減することができる
気圧式倍力装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、バルブボディが連結されたパワーピス
トンによってハウジング内を定圧室と変圧室とに画成
し、前記バルブボディに嵌装されて入力ロッドが連結さ
れたプランジャの前記バルブボディに対する相対移動に
応じて前記変圧室に気体を導入して前記定圧室との間に
圧力差を生じさせることより前記パワーピストンに推力
を生じさせ、この推力を前記バルブボディおよびプラン
ジャに当接する円板状のリアクションディスクを介して
出力ロッドに付与するとともに、その反力の一部を前記
リアクションディスクを介して前記プランジャに作用さ
せるようにした気圧式倍力装置において、前記リアクシ
ョンディスクの前記バルブボディとの当接部の周囲に空
間を形成したことを特徴とする。
【0019】この構成により、リアクションディスク
は、パワーピストンの推力によって圧縮されると、拡径
して空間内へ充填されて、バルブボディとの当接面積が
大きくなる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0021】第1実施形態について図1ないし図4を用
いて説明する。なお、第1実施形態に係る気圧式倍力装
置は、図9に示す従来例に対して、リアクションディス
ク取付部の構造が異なる以外は概略同様の構造となって
いるので、以下、図9に示すものと同様の部分には同一
の番号を付して異なる部分についてのみ詳細に説明す
る。
【0022】図1に示すように、バルブボディ5の一端
部には、プランジャ10(直径d)を嵌装させるボア21に
軸方向に連接する段付凹部22が同心上に形成されてい
る。段付凹部22は、ボア21に連接する小径部23(直径
D1)と端部側の大径部24(直径D2>D1)とからなり、こ
れらの間に段部25が形成されている。
【0023】段付凹部22の小径部23には、軸方向の寸法
が小径部23より大きく、小径部23と略同径の円板状の弾
性体からなるリアクションディスク7が嵌合されてお
り、リアクションディスク7の一端面がプランジャ10に
所定の隙間Cをもって対向されている。また、大径部24
には、大径部24と略同径の出力ロッド8の基端部26が摺
動可能に嵌合されて、リアクションディスク7の大径部
24側の端面に当接されている。そして、リアクションデ
ィスク7と大径部24との間に環状空間Sが形成されてい
る。
【0024】以上のように構成した第1実施形態の作用
について次に説明する。
【0025】通常は、戻しばね17,18によってバルブボ
ディ5およびプランジャ10が図1に示す後退位置(非制
動位置)にあり、出力ロッド8にサーボ力は作用しな
い。
【0026】ブレーキペダルを操作し、入力ロッド14に
よって、プランジャ10を図2に示す制動位置へ移動させ
ると、制御弁15によって正圧通路14が大気に連通されて
変圧室2bに大気(正圧)が導入され、定圧室2a(負圧)
と変圧室2b(正圧)との間に差圧が生じてパワーピスト
ン4に推力が発生し、バルブボディ5がリアクションデ
ィスク7を介して出力ロッド8にサーボ力を作用させ
る。
【0027】制動初期においては、プランジャ10は、リ
アクションディスク7が出力反力により変形する量が少
なく隙間Cが埋まらないため、リアクションディスク7
からの反力を受けることなくサーボ力を発生させること
ができるので、図4中の領域Aで示すように、小さなペ
ダル操作力で大きな初期制動力を得ることができる(ジ
ャンプイン作用)。
【0028】このジャンプインの結果、パワーピストン
4の推力と出力ロッド8の反力によって圧縮されて変形
したリアクションディスク7が隙間Cを埋めてプランジ
ャ10に当接するようになると、リアクションディスク7
からの反力の一部がプランジャ10を後退させる方向に作
用する。このようにして、出力ロッド8の反力の一部を
入力ロッド11にフィードバックすることにより、サーボ
力に応じたブレーキペダル操作感覚が得られる。このと
き、倍力比は、リアクションディスク7に当接するプラ
ンジャ10とバルブボディ5との受圧面積比によって決ま
る。
【0029】プランジャ10がリアクションディスク7に
当接してから一定入力までは、図2に示すように、バル
ブブボディ5のリアクションディスク7に対する受圧面
積は、段付凹部22の小径部23(直径D1)に嵌合されたリ
アクションディスク7の直径D1によって決まり、倍力比
は D1 2/d2 となる。
【0030】入力がさらに大きくなると、図3に示すよ
うに、リアクションディスク7は、パワーピストン4お
よびプランジャ10の推力と出力ロッド8の反力によって
さらに圧縮され、拡径変形して環状空間S内を充填する
ようになる。この状態では、バルブブボディ5のリアク
ションディスク7に対する受圧面積は、段付凹部22の段
部25の分だけ大きくなって大径部24の直径D2(> D1
によって決まり、倍力比は D2 2/d2 (> D1 2/d2
となる。
【0031】よって、入力(ブレーキペダル操作力)と
出力(制動力)との関係は、図4に示すように、制動初
期においては、ジャンプイン作用によって、小さな入力
に対して大きなサーボ力が発生し(領域A参照)、その
後、プランジャ10がリアクションディスク7から反力を
受けて一定入力までは、入力の増加に応じて出力が倍力
比 D1 2/d2 で直線的に増加し(領域B参照)、さら
に、入力が大きくなると、リアクションディスク7が圧
縮、変形して倍力比が D2 2/d2 となり、入力の増加に
対する出力の増加率が大きくなる(領域C参照)。な
お、図4中の点Pは、全負荷作動点を示している。
【0032】このようにして、低出力時の倍力比( D1 2
/d2 )に対して高出力時の倍力比( D2 2/d2 )を大
きくすることができるので、通常の使用状態での操作性
を損なうことなく、急制動時の出力を充分大きくするこ
とができる。
【0033】なお、ブレーキペダルの操作力を解除する
と、戻しばね18によってプランジャ10が非制動位置に戻
り、制御弁15によって負圧通路13と正圧通路14とが連通
されるとともに、これらが外部から遮断されるので、定
圧室2aと変圧室2bとが同圧(負圧)となってパワーピス
トン4の推力がなくなり、戻しばね17の付勢力によって
バルブボディ5が後退して制動が解除される。
【0034】次に、本発明の第2実施形態について図5
を用いて説明する。なお、本実施形態に係る気圧式倍力
装置は、上記第1実施形態に対してリアクションディス
ク取付部の構造が異なる以外は概略同様の構成であるか
ら、図1に示すものと同様の部分には同一の番号を付し
て異なる部分についてのみ詳細に説明する。
【0035】図5に示すように、バルブボディ5の一端
部には、プランジャ10(直径d)を嵌装させるボア21に
軸方向に連通する凹部27(直径D2)が同心上に形成され
ており、凹部27内には、リアクションディスク28が嵌合
されている。リアクションディスク28は、小径部29(直
径D1(>d))および大径部30(直径D2(>D1))を有
する段付の円板状の弾性体からなり、大径部30が凹部27
に嵌合されて、小径部29側の端面がプランジャ10に所定
の隙間Cをもって対向されている。また、凹部27には、
出力ロッド8の基端部26が摺動可能に嵌合されて、大径
部30側の端面に当接されている。そして、リアクション
ディスク28の小径部29と凹部27との間に環状空間Sが形
成されている。
【0036】この構成により、制動初期においては、プ
ランジャ10とリアクションディスク28との隙間Cによる
ジャンプイン作用によって、小さな入力に対して大きな
サーボ力が発生する。
【0037】また、このジャンプインの結果、パワーピ
ストン4の推力と出力ロッド8との反力によって圧縮変
形したリアクションディスク28が隙間Cをまず埋めてプ
ランジャ10に当接するようになっている間は、バルブボ
ディ5のリアクションディスク28に対する受圧面積は、
リアクションディスク28の小径部23の直径D1によって決
まり、倍力比は D1 2/d2 となる。
【0038】入力がさらに大きくなると、リアクション
ディスク28は、パワーピストン4およびプランジャ10の
推力と出力ロッド8の反力によってさらに圧縮され、拡
径して環状空間S内を充填するようになる。この状態で
は、バルブブボディ5のリアクションディスク28に対す
る受圧面積は、バルブボディ5の凹部27の直径D2(>D1
)によって決まり、倍力比は D2 2/d2 (> D1 2/d2
)となる。
【0039】したがって、上記第1実施形態と同様に、
入出力関係は図4に示すようになり、低出力時の倍力比
( D1 2/d2 )に対して高出力時の倍力比( D2 2/d
2 )を大きくすることができるので、通常の使用状態で
の操作性を損なうことなく、急制動時の出力を充分大き
くすることができる。
【0040】次に、本発明の第3実施形態について図6
および図7を用いて説明する。なお、本実施形態に係る
気圧式倍力装置は、図9に示す従来例に対して、タンデ
ム形のハウジングおよびパワーピストンを有し、また、
リアクションディスクディスクの取付部の構造が異なる
以外は概略同様の構成であるから、図9に示すものと同
様の部分には同一の番号を付して異なる部分についての
み詳細に説明する。
【0041】図6および図7に示すように、本実施形態
に係る気圧式倍力装置は、タンデム形気圧式倍力装置で
あり、本体ケーシング31内が隔壁32によって前後に配置
される第1ハウジング33と第2ハウジング34の2室に区
画されている。第1および第2ハウジング33,34内に
は、それぞれ、ダイヤフラム35,36を介してパワーピス
トン37,38が移動可能に装着されており、これらのパワ
ーピストン37,38によって、第1、第2ハウジング33,
34内が、それぞれ、第1、第2定圧室33a ,34aと第
1、第2変圧室33b ,34b とに画成されている。第1、
第2定圧室間33a ,34a 間は負圧連通路39を介して互い
に連通されており、第1、第2変圧室33b ,34b 間は正
圧連通路40を介して互いに連通されている。
【0042】そして、パワーピストン37および38に、バ
ルブボディ5が連結されており、プランジャ10の相対移
動に応じて制御弁15によって第1および第2変圧室33a
,34a を適宜大気または第1および第2定圧室33b ,3
4b に連通させて、第1、第2定圧室33a ,34a と第
1、第2変圧室33b ,34b との差圧によってサーボ力を
発生させるようになっており、定圧室および変圧室をそ
れぞれ2室ずつ設けることによって大きなサーボ力を得
るようにしている。
【0043】バルブボディ5の一端部には、プランジャ
10を嵌装するためのボア21の周囲が軸方向に突出されて
円筒状の嵌合凸部41(直径D1)が形成されている。嵌合
凸部41の先端部には、ボア21に軸方向に連通する凹部42
(直径D2)が同心上に形成されている。また、出力ロッ
ド8の基端部には、バルブボディ5の嵌合凸部41を摺動
可能に嵌合させる嵌合凹部43が形成されている。嵌合凹
部43の底部には、バルブボディ5の凹部42に対向させて
これと同径の凹部44(直径D2)が形成されている。
【0044】バルブボディ5の凹部42および出力ロッド
8の凹部44には、円板状の弾性体からなるリアクション
ディスク45が嵌合されており、リアクションディスク45
の一端面がプランジャ10に所定の隙間Cをもって対向さ
れて、他端面が凹部44の底部に当接されている。リアク
ションディスク45は、その軸方の寸法が凹部41および凹
部44の軸方向の寸法の合計より大きくなっており、外周
面と出力ロッド8の嵌合凹部43の内周面との間に環状の
空間Sが形成されている。
【0045】この構成により、制動初期においては、プ
ランジャ10とリアクションディスク45との隙間Cによる
ジャンプイン作用によって、小さな入力に対して大きな
サーボ力が発生する。
【0046】また、このジャンプインの結果、パワーピ
ストン37,38の推力と出力ロッド8との反力によって圧
縮変形したリアクションディスク45が隙間Cをまず埋め
てプランジャ10に当接するようになっている間は、バル
ブブボディ5のリアクションディスク45に対する受圧面
積は、リアクションディスク45の直径D1によって決ま
り、倍力比は D1 2/d2 となる。
【0047】入力がさらに大きくなると、リアクション
ディスク45は、パワーピストン4およびプランジャ10の
推力と出力ロッド8の反力によってさらに圧縮され、拡
径して環状空間S内を充填するようになる。この状態で
は、バルブブボディ5のリアクションディスク45に対す
る受圧面積は、出力ロッド8の嵌合凹部43の直径D2(>
D1 )によって決まり、倍力比は D2 2/d2 (> D1 2
2 )となる。
【0048】したがって、上記第1実施形態と同様に、
入出力関係は図4に示すようになり、低出力時の倍力比
( D1 2/d2 )に対して高出力時の倍力比( D2 2/d
2 )を大きくすることができるので、通常の使用状態で
の操作性を損なうことなく、急制動時の出力を充分大き
くすることができる。
【0049】次に、本発明の第4実施形態について、図
8を用いて説明する。なお、本実施形態は。図6および
図7に示す第3実施形態に対して、リアクションディス
ク取付部の構造が異なる以外は概略同様の構成であるか
ら、図6および図7に示すものと同様の部分には同一の
番号を付して異なる部分についてのみ詳細に説明する。
【0050】第4実施形態に係る気圧式倍力装置では、
図8に示すように、バルブボディ5の嵌合凸部41の先端
部および出力ロッド8の嵌合凹部43の底部には凹部が設
けられておらず、嵌合凹部43内にリアクションディスク
46が嵌合されている。
【0051】リアクションディスク46は、小径部47(直
径D1(>d))および大径部48(直径D2(>D1))を有
する段付の円板状の弾性体からなり、大径部48が嵌合凹
部43に嵌合されており、小径部29側の端面がプランジャ
10に所定の隙間Cをもって対向され、大径部48側の端面
が嵌合凹部43の底部に当接されている。そして、リアク
ションディスク46の小径部47と嵌合凹部43との間に環状
空間Sが形成されている。
【0052】この構成により、上記第3実施形態と同様
に、制動初期においては、プランジャ10とリアクション
ディスク46との隙間Cによるジャンプイン作用によっ
て、小さな入力に対して大きなサーボ力が発生する。
【0053】また、このジャンプインの結果、パワーピ
ストン37,38の推力と出力ロッド8との反力によって圧
縮変形したリアクションディスク46が隙間Cをまず埋め
てプランジャ10に当接するようになっている間は、バル
ブブボディ5のリアクションディスク46に対する受圧面
積は、リアクションディスク46の小径部47の直径D1によ
って決まり、倍力比は D1 2/d2 となる。
【0054】入力がさらに大きくなると、リアクション
ディスク46は、パワーピストン4およびプランジャ10の
推力と出力ロッド8の反力によってさらに圧縮され、拡
径して環状空間S内を充填するようになる。この状態で
は、バルブボディ5のリアクションディスク28に対する
受圧面積は、出力ロッド8の嵌合凹部43の直径D2(>D1
)によって決まり、倍力比は D2 2/d2 (> D1 2/d2
)となる。
【0055】したがって、上記第3実施形態と同様に、
入出力関係は図4に示すようになり、低出力時の倍力比
( D1 2/d2 )に対して高出力時の倍力比( D2 2/d
2 )を大きくすることができるので、通常の使用状態で
の操作性を損なうことなく、急制動時の出力を充分大き
くすることができる。
【0056】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の気圧式倍
力装置は、リアクションディスクのバルブボディとの当
接部の周囲に空間を形成したことにより、リアクション
ディスクは、パワーピストンの推力によって圧縮される
と、拡径して空間内へ充填されて、バルブボディとの当
接面積が大きくなる。その結果、低出力時の倍力比に対
して高出力時の倍力比が大きくなるので、通常の使用状
態での操作性を損なうことなく、出力(制動力)の大き
い領域において必要な入力(操作力)を軽減することが
でき、制動操作性を向上させることができるという優れ
た効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の気圧式倍力装置の要部
を拡大して示す縦断面図である。
【図2】図1の装置において、低出力時の制動状態を示
す図である。
【図3】図1の装置において、高出力時の制動状態を示
す図である。
【図4】本発明に係る気圧式倍力装置の入出力特性を示
す図である。
【図5】本発明の第2実施形態の気圧式倍力装置の要部
を拡大して示す縦断面図である。
【図6】本発明の第3実施形態の気圧式倍力装置の縦断
面図である。
【図7】図6の要部の拡大図である。
【図8】本発明の第4実施形態の気圧式倍力装置の要部
を拡大して示す縦断面図である。
【図9】従来の気圧式倍力装置の縦断面図である。
【図10】図9の装置の入出力特性を示す図である。
【符号の説明】
2 本体ハウジング 2a 定圧室 2b変圧室 4 パワーピストン 5 バルブボディ 7 リアクションディスク 8 出力ロッド 10 プランジャ 11 入力ロッド S 環状空間

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バルブボディが連結されたパワーピスト
    ンによってハウジング内を定圧室と変圧室とに画成し、
    前記バルブボディに嵌装されて入力ロッドが連結された
    プランジャの前記バルブボディに対する相対移動に応じ
    て前記変圧室に気体を導入して前記定圧室との間に圧力
    差を生じさせることより前記パワーピストンに推力を生
    じさせ、この推力を前記バルブボディおよびプランジャ
    に当接する円板状のリアクションディスクを介して出力
    ロッドに付与するとともに、その反力の一部を前記リア
    クションディスクを介して前記プランジャに作用させる
    ようにした気圧式倍力装置において、前記リアクション
    ディスクの前記バルブボディとの当接部の周囲に空間を
    形成したことを特徴とする気圧式倍力装置。
JP7266326A 1995-09-20 1995-09-20 気圧式倍力装置 Pending JPH0986398A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10308053A1 (de) * 2002-11-28 2004-06-24 Continental Teves Ag & Co. Ohg Unterdruckbremskraftverstärker
JP2006151276A (ja) * 2004-11-30 2006-06-15 Advics:Kk 負圧式倍力装置

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10308053A1 (de) * 2002-11-28 2004-06-24 Continental Teves Ag & Co. Ohg Unterdruckbremskraftverstärker
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