JPH11180261A - ダンパを備えたワイパ装置 - Google Patents

ダンパを備えたワイパ装置

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JPH11180261A
JPH11180261A JP9366506A JP36650697A JPH11180261A JP H11180261 A JPH11180261 A JP H11180261A JP 9366506 A JP9366506 A JP 9366506A JP 36650697 A JP36650697 A JP 36650697A JP H11180261 A JPH11180261 A JP H11180261A
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JP
Japan
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cylinder
wiper
shaft
peripheral surface
arc
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JP9366506A
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English (en)
Inventor
Shuichi Irikura
修一 入倉
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Asmo Co Ltd
Original Assignee
Asmo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワイパの様々な使用条件下において、しかも
ワイパ揺動の全範囲に対してワイパ反転音その他の騒音
を低減することが可能なワイパ装置を提供する。 【解決手段】 ワイパアームがピボットシャフトに取り
付けられ、ピボットシャフト22がリンク機構を介して
ワイパモータに連結されて前記ワイパアームが揺動する
ワイパ装置である。このワイパ装置は、ピボットシャフ
ト22とワイパモータとの間のリンク機構またはピボッ
トシャフト22に連結されたダンパ30を備える。ダン
パ30は、円筒形状の内周面を有するシリンダ34と、
シリンダ34と互いに回動自在に係合する軸体48と、
シリンダ34と軸体48との間の相対的回動に対して、
所定回動範囲において流体抵抗を及ぼす流体抵抗発生手
段とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワイパ装置に関
し、特にダンパを備えたワイパ装置に関する。
【0002】
【背景技術および発明が解決しようとする課題】近年、
車両の大型化やガラス面積の拡大に伴ってワイパシステ
ムが大型化し、ワイパブレードおよびワイパアームの慣
性力の増加に伴って、ワイパ反転時の反転音も増加する
傾向にある。また、近年は車両の静粛化が進み、このよ
うなワイパ反転音の増加が、静粛化に逆行する現象とし
て特に問題となっている。
【0003】このようなワイパ反転音を減少させる技術
として、ワイパ反転時のワイパブレードおよびワイパア
ームの慣性力を緩衝装置によって減少させるものがあ
る。実開平7−19030号公報に開示された技術もそ
の一つである。この技術においては、ワイパ反転時に対
応するワイパリンクの揺動位置の付近で緩衝部材がワイ
パリンクを受けるようにしたものである。しかも、この
緩衝部材は先端位置が異なった2重の円筒形状を持って
おり、ワイパ高速時には先頭位置が低い緩衝部材もワイ
パリンクを受けることになるため、ワイパ高速時におい
てワイパ低速時より緩衝作用を高まり、ワイパ高速時に
おけるワイパ反転音の増加を抑制することができるとす
るものである。
【0004】しかしながら、この技術においては、緩衝
部材の弾性係数がワイパ低速時とワイパ高速時とで異な
るものの、高速時および低速時のそれぞれでは一定とな
ってしまう。したがって、ワイパの2つの速度に最適と
なるように、ワイパ反転時における緩衝作用を適合させ
ることはできるものの、ワイパの様々な速度に最適の緩
衝作用を得ることはできない。そのため、ガラス面の状
態、バッテリー電圧、温度、アーム長、ブレード長、ア
ーム圧、モータトルク、回転数などの様々に異なる条件
に対応してワイパ反転時の最適な緩衝作用を得ることは
できない。
【0005】また、この緩衝部材は弾性体であるため、
ワイパが反転時には、受け取ったエネルギーをそっくり
そのまま反発力としてワイパリンク等に戻すことにな
り、それがワイパ装置に対して衝撃として働き、逆に反
転音等を増加させる原因となる。
【0006】さらに、この緩衝部材は、ワイパの反転位
置付近のみで作用するため、ワイパの反転位置以外にお
けるワイパびびり音等の騒音を抑制することはできな
い。
【0007】本発明は、上記のような問題点に鑑みてな
されたものであって、その目的は、ワイパの様々な使用
条件下において、しかもワイパ揺動の全範囲に対してワ
イパ反転音その他の騒音を低減することが可能なワイパ
装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
係るワイパ装置は、ワイパアームがピボットシャフトに
取り付けられ、該ピボットシャフトがリンク機構を介し
てワイパモータに連結されて前記ワイパアームが揺動す
るワイパ装置において、前記ピボットシャフトとワイパ
モータとの間の前記リンク機構または前記ピボットシャ
フトに連結されたダンパを有し、前記ダンパは、円筒形
状の内周面を有するシリンダと、前記シリンダと前記ワ
イパアームの回動範囲に対応する範囲で互いに回動自在
に係合する軸体と、前記シリンダと前記軸体との間の相
対的回動に対して、所定回動範囲において流体抵抗を及
ぼす流体抵抗発生手段と、を有することを特徴とする。
【0009】請求項1に記載の発明によれば、シリンダ
とワイパの相対的な回動に対して流体抵抗を及ぼす流体
抵抗発生手段を有するダンパがワイパ装置のピボットシ
ャフトまたはリンク機構に連結されたワイパ装置とな
る。したがって、ワイパの回動範囲の全域にわたって、
このダンパが流体抵抗による抵抗力を及ぼしてワイパの
びびり音等を抑制することができる。しかも、流体抵抗
の性質として速度が大きいほど抵抗力が大きくなるた
め、ワイパの回動速度が速いほど大きな抵抗がダンパに
よって及ぼされ、回動速度が速いほど大きな騒音となる
ワイパ反転音やびびり音などが効果的に抑制されたワイ
パ装置が得られる。
【0010】請求項2に記載の発明に係るワイパ装置
は、ワイパアームがピボットシャフトに取り付けられ、
該ピボットシャフトがリンク機構を介してワイパモータ
に連結されて前記ワイパアームが揺動するワイパ装置に
おいて、前記ピボットシャフトとワイパモータとの間の
前記リンク機構または前記ピボットシャフトに連結され
たダンパを有し、前記ダンパは、円筒形状の内周面を有
するシリンダと、前記シリンダと同軸に配置されて前記
シリンダに対して固定され、前記シリンダの内周面に一
体としてあるいは接近して位置する第1の円弧状柱体
と、外周面が前記第1の円弧状柱体の内周面に接近して
前記シリンダと同軸に配置され、前記ワイパアームの回
動範囲に対応する範囲で前記シリンダと互いに回動自在
に係合する前記軸体と、を有し、前記軸体には、前記シ
リンダと前記第1の円孤筒と前記軸体とが周囲に位置す
る空間において、前記シリンダの内周面直近まで延在し
前記第1の円弧状柱体とほぼ等しい高さを有する突出部
が設けられ、前記突出部は、前記軸体の回動によって前
記空間内を揺動可能であり、前記第1の円弧状柱体の内
周面と前記軸体の外周面との間には、前記第1の円弧状
柱体の内周面にわたって連通し前記空間に連通する第1
間隙が形成され、前記第1間隙および前記空間に流体が
封入され密閉されてなることを特徴とする。
【0011】本明細書において、円弧状柱体とは、横断
面の外周および内周が円弧形状を有する柱体であり、言
い換えれば、厚さを有する円筒をその軸から周に延びる
2つの平面で切断して得られる2つの柱体のいずれか一
方である。
【0012】請求項2に記載の発明に係るワイパ装置の
ダンパにおいては、円筒形状の内周を有するシリンダ内
に、第1の円弧状柱体と軸体とによって、第1の円弧状
柱体の内周にわたる第1間隙が形成される。また、シリ
ンダと第1の円弧状柱体と軸体とが周囲に位置する空間
が形成される。その空間には、軸体に設けられ、第1の
円弧状柱体と同様な高さをもってシリンダ内周面の直近
まで延びる突出部が軸体の回動によって揺動可能となっ
ている。シリンダ内には流体が封入されて密閉される。
このようにして形成されたダンパにおいて、軸体とシリ
ンダとが互いに回動すると、前記空間内にある流体で突
出部の回動する方向に存在する流体は、第1間隙に押し
込まれ、第1間隙内を通って突出部が回動する方向とは
逆の位置の前記空間に移動する。この移動は狭い第1間
隙内における流体の移動であるため、著しい粘性抵抗を
伴い、この移動を起こしている軸体とシリンダとの相対
的回動に対してその全行程において抵抗として働く。し
かもこの抵抗は、流体の移動速度が大きいほど大きくな
るため、シリンダと軸体との相対的回動の速度が速いほ
ど、回動に対する大きな抵抗となる。
【0013】したがって、ワイパの回動範囲の全域にわ
たって、このダンパが流体抵抗による抵抗力を及ぼして
ワイパのびびり音等を抑制することができる。しかも、
流体抵抗の性質として速度が大きいほど抵抗力が大きく
なるため、ワイパの回動速度が速いほど大きな抵抗がダ
ンパによって及ぼされ、回動速度が速いほど大きな騒音
となるワイパ反転音やびびり音などが効果的に抑制され
たワイパ装置が得られる。
【0014】請求項3に記載の発明に係るワイパ装置
は、ワイパアームがピボットシャフトに取り付けられ、
該ピボットシャフトがリンク機構を介してワイパモータ
に連結されて前記ワイパアームが揺動するワイパ装置に
おいて、前記ピボットシャフトとワイパモータとの間の
前記リンク機構または前記ピボットシャフトに連結され
たダンパを有し、前記ダンパは、円筒形状の内周面を有
するシリンダと、前記シリンダに対して固定され、前記
シリンダの内周面に一体としてあるいは接近して位置
し、前記軸体の直近まで延在する柱状体と、外周面が前
記柱状体に接近し、前記シリンダと同軸に配置されて、
前記ワイパアームの回動範囲に対応する範囲で前記シリ
ンダと互いに回動自在に係合する前記軸体と、を有し、
前記軸体には、前記シリンダの内周面直近まで延在し、
前記柱状体とほぼ等しい高さを有し、前記シリンダと同
軸に形成され、内周面が軸体に密着する第2の円弧状柱
体が設けられ、前記第2の円弧状柱体は、前記シリンダ
と前記軸体との間の空間を、前記軸体の回動によって揺
動可能であり、前記シリンダの内周面と前記第2の円弧
状柱体の外周面との間には、前記円弧状柱体の外周面に
わたって連通し前記空間に連通する第2間隙が形成さ
れ、前記空間に流体が封入されて密閉されてなることを
特徴とする。
【0015】請求項3に記載の発明に係るワイパ装置の
ダンパにおいては、円筒形状の内周を有するシリンダ内
に、シリンダの内周と第2の円弧状柱体の外周によっ
て、第2の円弧状柱体の外周にわたる第2間隙が形成さ
れる。また、シリンダと軸体とが周囲に位置して空間が
形成される。その空間では、軸体に設けられた第2の円
弧状柱体が軸体の回動にしたがって揺動可能となってい
る。また、その空間は、柱状体によって2分されてい
る。そしてシリンダ内には流体が封入されて密閉されて
いる。このようにして形成されたダンパにおいて、軸体
とシリンダとが互いに回動すると、前記空間内にある流
体で第2の円弧状柱体と柱状体とのスペースが狭まる側
に存在する流体は、第2間隙に押し込まれ、第2間隙内
を通って、前記空間の第2の円弧状柱体と柱状体とのス
ペースが広がる側に移動する。この移動は狭い第2間隙
内における流体の移動であるため、著しい粘性抵抗を伴
い、この移動を起こしている軸体とシリンダとの相対的
回動に対してその全行程において抵抗として働く。しか
もこの抵抗は、流体の移動速度が大きいほど大きくなる
ため、シリンダと軸体との相対的回動の速度が速いほ
ど、回動に対する大きな抵抗として作用する。
【0016】したがって、ワイパの回動範囲の全域にわ
たって、このダンパが流体抵抗による抵抗力を及ぼして
ワイパのびびり音等を抑制することができる。しかも、
流体抵抗の性質として速度が大きいほど抵抗力が大きく
なるため、ワイパの回動速度が速いほど大きな抵抗がダ
ンパによって及ぼされ、回動速度が速いほど大きな騒音
となるワイパ反転音やびびり音などが効果的に抑制され
たワイパ装置が得られる。
【0017】請求項4に記載の発明に係るワイパ装置
は、請求項2または請求項3において、前記流体は、圧
縮性流体であることを特徴とする。
【0018】請求項4に記載の発明によれば、流体が圧
縮性流体例えば空気であるため、空間内における突出部
または第2の円弧状柱体が十分早く回動すると、流体の
粘性抵抗とともに流体が空気バネ的な働きをする。この
空気バネ的な働きは、流体の所定時間内の圧縮比が高ま
るほど大きくなるため、突出部と第1の円弧状柱体との
距離が近づくほど、あるいは、第2の円弧状柱体と柱状
体との距離が近づくほど、大きな抵抗として働く。した
がって、軸体とシリンダとの相対的な回動範囲の両端す
なわち、ワイパの反転する領域に対応する範囲におい
て、大きな抵抗を及ぼすダンパを備えたワイパ装置とな
る。ワイパ反転領域は、ワイパ反転音が発生しやすい領
域であり、このようなダンパの抵抗力増加によってワイ
パ反転領域におけるワイパ揺動速度が抑えられて、ワイ
パブレードおよびワイパアームの慣性力が低下するため
反転音が抑制されたワイパ装置が得られる。
【0019】また、圧縮性流体として一般的な気体例え
ば空気を用いることによって、流体の微少な漏れが問題
とならなくなるため、密閉のための機構を簡素化するこ
とができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて、図面を参照しながら、さらに具体的に説明す
る。
【0021】〔第1実施形態〕本実施形態のワイパ装置
10は、図1に示すように、ワイパモータ14からの動
力がリンク機構18(ピボットセグメント19等)を介
してピボットシャフト22に伝えられ、それによってピ
ボットシャフト22が回動し、ピボットシャフト22に
取り付けられたワイパアーム26を揺動させることによ
って、ワイパアーム26に取り付けられたワイパブレー
ド28を揺動させてガラス面を払拭するものである。
【0022】本実施形態のワイパ装置10においては、
ピボットシャフト22と同軸に連結されたダンパ30が
設けられている。
【0023】このダンパ30は、図2に縦断面図として
示し、図3に図2のIII−III線に対応する位置に
おける横断面図として示すように、円筒形状の内周面を
有するシリンダ34と、シリンダ34と互いに回動自在
に係合する軸体48と、シリンダ34と軸体48との間
の相対的回動に対して、それらの所定回動範囲において
流体抵抗を及ぼす流体抵抗発生手段とを含んで構成され
る。
【0024】流体抵抗発生手段は、前述したシリンダ3
4、および軸体48と、第1の円弧状柱体40と、シリ
ンダ34内に封入された流体例えば空気とを含んで構成
される。
【0025】シリンダ34は、内周面が円筒形を有し、
本実施形態においては、第1シリンダ35および第2シ
リンダ36を組み合わせて形成されている。また軸方向
の両方の端部には、軸体48との係合部37が、それぞ
れ形成されている。なお、本実施形態において、シリン
ダ34は車体に対して固定される。
【0026】第1の円弧状柱体40は、図3に示すよう
に、横断面における外周および内周が円弧形状である柱
体形状を有している。第1の円弧状柱体40は、シリン
ダ34と同軸に配置されて、本実施形態においては第2
シリンダ36に対して固定あるいは一体化され、外周が
シリンダ34の内周面に接近して位置している。
【0027】なお、第1の円弧状柱体40は、第1シリ
ンダ35に固定されてもよいし、第1および第2シリン
ダ35,36の両方に固定されてもよい。また、第1の
円弧状柱体40は、シリンダ34の内周面と一体となっ
て固定されていても良い。
【0028】軸体48は、図3に示すように、外周面が
第1の円弧状柱体40の内周面に接近した状態で、シリ
ンダ34と同軸に配置され、ワイパアームの回動範囲に
対応する範囲で、シリンダ34と互いに回動自在に係合
している。本実施形態においては軸体48は、ピボット
シャフト22を兼ね、リンク機構18のピボットセグメ
ント19が連結されている。
【0029】また、軸体48には、シリンダ34と第1
の円孤状柱体40と軸体48とが周囲に位置する空間5
6において、シリンダ34内周面の直近まで延在し第1
の円弧状柱体40とほぼ等しい高さを有する突出部50
が設けられている。この突出部50は、軸体48の回動
によって空間56内を、図3において矢印で示すよう
に、ワイパアームおよびワイパブレードの揺動範囲に対
応した範囲内で、揺動可能となっている。なお、第1の
円弧状柱体40は、このような範囲で突出部50が揺動
可能なように、シリンダ34と軸体48との間に空間5
6を残す形状となっている。
【0030】そして、第1の円弧状柱体40の内周面と
軸体48の外周面との間には、第1の円弧状柱体40の
内周面にわたって連通し、さらに空間56に連通する第
1間隙60が形成されている。
【0031】本実施形態のダンパ30は、上述したよう
な構造において、シリンダ34内すなわち第1間隙60
および空間56に流体例えば空気が封入され密閉されて
形成される。なお、流体は必ずしも空気に限らず、他の
気体であってもよいし、オイル等の液体であってもよ
い。また、グリース等の半固体の潤滑剤でもよい。
【0032】このようにして形成されたダンパ30にお
いて、軸体48とシリンダ34とが相対的に回動する
と、突出部50が軸体48とともに回動し、空間56内
にある流体で突出部50の回転する方向に存在する流体
は、突出部50と第1の円弧状柱体40との間が狭まる
ため圧力が増加し第1間隙60に押し込まれ、第1間隙
60内を通って突出部50が回転する方向とは逆の側の
空間56すなわち突出部50と第1の円弧状柱体との間
が広がって圧力が低下した側の空間56に移動する。こ
の移動は狭い第1間隙60内における流体の移動である
ため、著しい粘性抵抗を伴い、この移動をひき起こして
いる軸体48とシリンダ34との相対的回動に対してそ
の全行程において抵抗として働く。しかもこの抵抗は、
流体の移動速度が大きいほど大きくなるため、シリンダ
34と軸体48との相対的回動の速度が速いほど、回動
に対する大きな抵抗となる。
【0033】したがって、ワイパアーム26の回動範囲
の全域にわたって、このダンパ30が流体抵抗による抵
抗力を及ぼしてワイパのびびり音等を抑制することがで
きる。しかも、流体抵抗の性質として速度が大きいほど
抵抗力が大きくなるため、ワイパアーム26の回動速度
が速いほど大きな抵抗がダンパ30によってピボットシ
ャフト22に及ぼされ、回動速度が速いほど大きな騒音
となるワイパ反転音やびびり音などが効果的に抑制され
たワイパ装置10となる。
【0034】さらに、流体として圧縮性流体例えば空気
を用いると、空間56内において突出部50が十分早く
回動すると、流体の粘性抵抗とともに流体が空気バネ的
な働きをする。この空気バネ的な働きは、流体の所定時
間内の圧縮比が高まるほど大きくなるため、突出部50
と第1の円弧状柱体40との距離が近づくほど、大きな
抵抗として働く。したがって、軸体48とシリンダ34
との相対的な回動範囲の両端すなわち、ワイパアーム2
6の反転する領域に対応する範囲において、大きな抵抗
を及ぼすダンパを備えたワイパ装置となる。ワイパの反
転領域は、ワイパ反転音が発生しやすい領域であり、こ
の領域におけるダンパ30の抵抗力増加によってワイパ
反転領域におけるワイパ揺動速度が抑えられて、ワイパ
ブレード28およびワイパアーム26の慣性力が低下す
るため反転音が抑制されたワイパ装置となる。
【0035】なお、このようにワイパアーム26の反転
領域において抵抗が増すと、ワイパモータ14の負担が
増すことになるが、ワイパ反転領域はリンク機構18の
特性から、最もワイパモータ14のトルクを必要としな
い領域であるため、ダンパ30によるこのようなワイパ
モータ14の負担増加は、ワイパモータ14に何ら悪影
響を及ぼすことはない。
【0036】また、圧縮性流体として一般的な気体例え
ば空気を用いる場合は、流体の微少な漏れがあまり問題
とならなくなるため、密閉のための機構を簡素化するこ
とができる。
【0037】なお、本実施形態においては、流体が移動
する間隙として、軸体48の外周面と第1の円弧状柱体
40の内周面との間に第1間隙60を形成した例を示し
た。しかしながら、第1間隙60と共に、あるいは、第
1間隙60を形成することなく(第1の円弧状柱体40
と軸体48との間にシールなどを行うことが考えられ
る)、第1の円弧状柱体40の外周面とシリンダ34の
内周面との間における間隙62の形成、または、突出部
50とシリンダ34の内周面との間での間隙の形成を行
ってもよい。このような間隙を設けることによっても、
上述した本実施形態の作用効果を奏することができる。
【0038】〔第2実施形態〕第2実施形態のワイパ装
置は、ダンパ74の構造が第1実施形態の場合と若干異
なる。それ以外については、第1実施形態の場合と同様
であるので、説明を省略する。
【0039】図4は本実施形態のダンパ74の縦断面図
であり、図5は図4のV−V線に対応する位置における
横断面図である。
【0040】本実施形態の流体抵抗発生手段は、シリン
ダ34、軸体48、第2の円弧状柱体78、柱状体7
6、および封入された流体例えば空気とを含んで構成さ
れる。
【0041】軸体48には、図5に示すように、シリン
ダ34の内周面付近まで延在し、シリンダ34と同軸に
形成され内周面が軸体48に密着する第2の円弧状柱体
78が固定されている。なお、第2の円弧状柱体78
は、図5に示すように、軸体48と一体形成されていて
もよい。
【0042】第2の円弧状柱体78は、シリンダ34と
軸体48との間の空間を、軸体48の回動とともに揺動
可能となっている。
【0043】柱状体76は、第2の円弧状柱体78とほ
ぼ等しい高さを有して、シリンダ34の内周面に一体と
して設けられており、軸体48とシリンダ34との間で
第2の円弧状柱体78が存在しない空間において、軸体
48の直近まで延在して形成されている。
【0044】また、シリンダ34の内周面と第2の円弧
状柱体78の外周面との間には、第2の円弧状柱体78
の外周面にわたって連通し、シリンダ34と軸体48と
の間の空間に連通する第2間隙82が形成されている。
【0045】本実施形態のダンパ74は、上述したよう
な構造において、シリンダ34内すなわち第2間隙82
および空間84に流体例えば空気が封入され密閉されて
形成される。なお、流体は必ずしも空気に限らず、他の
気体であってもよいし、オイル等の液体であってもよ
い。また、グリース等の半固体の潤滑剤でもよい。
【0046】このようにして形成されたダンパ74にお
いて、軸体48とシリンダ34とが相対的に回動する
と、空間84内にある流体で第2の円弧状柱体78と柱
状体76とのスペースが狭まる側すなわち圧力が上昇し
た側に存在する流体は、第2間隙82に押し込まれ、第
2間隙82内を通って、第2の円弧状柱体78と柱状体
76とのスペースが広がる側の空間84すなわち圧力が
減少した側に移動する。この移動は狭い第2間隙82内
における流体の移動であるため、著しい粘性抵抗を伴
い、この移動を起こしている軸体48とシリンダ34と
の相対的回動に対してその全行程において抵抗として働
く。しかもこの抵抗は、流体の移動速度が大きいほど大
きくなるため、シリンダ34と軸体48との相対的回動
の速度が速いほど、回動に対する大きな抵抗として作用
する。
【0047】なお、流体として圧縮性流体である気体を
用いた場合は、第1実施形態の場合と同様に、シリンダ
34と軸体48との相対的回動範囲の両端部付近におい
て、気体の空気バネ的な作用によって、流体抵抗手段の
抵抗が高まり、ワイパ反転音などを抑制できる点も、第
1実施形態と同様である。
【0048】なお、本実施形態においては、流体が移動
する間隙として、シリンダ34の内周面と第1の円弧状
柱体40の外周面との間に第2間隙82を形成した例を
示した。しかしながら、第2間隙82と共に、あるい
は、第2間隙82を形成することなく、柱状体76と軸
体48との間に間隙を設けるようにしてもよい。このよ
うな間隙を設けることによっても、上述した本実施形態
の作用効果を奏することができる。
【0049】〔その他の実施形態〕第1および第2実施
形態においては、ダンパ30,74がピボットシャフト
22に一体として連結して形成された例を示したが、以
下の実施形態においては、ワイパモータ14とピボット
シャフト22とを連結する構造であるリンク機構18
に、第1または第2実施形態で示したダンパ30,74
が連結されている点が、第1および第2実施形態とは異
なる。
【0050】図6は、他の実施形態を示す図であり、車
両本体に固定されたダンパ30の軸体48が、連結ロッ
ド86およびクランクレバー87を介して、リンク機構
18のピボットセグメント19に連結されたワイパ装置
70の全体構成を示している。なお、ダンパ30のシリ
ンダ34は車体に対して固定されている。
【0051】図7は、さらに他の実施形態に係るワイパ
装置71の全体構成を示す図である。この実施形態にお
いては、ダンパ74の軸体48がクランクレバー87を
介してリンク機構18の連結ロッド86に連結されてい
る。なお、ダンパ30のシリンダ34は車体に対して固
定されている。
【0052】図8は、さらに他の実施形態に係るワイパ
装置72の全体構成を示している。この実施形態におい
ては、ワイパ装置72がリンクフレーム73を備えてお
り、ダンパ30、ピボットシャフト22、ワイパモータ
14などが、リンクフレーム73に固定されている。し
たがって、ダンパ30のシリンダ34はリンクフレーム
73を介して車体に固定される。それ以外の点について
は、図6に示した実施形態と同様である。
【0053】なお、上記各実施形態においても、ダンパ
30,74は、シリンダ34と軸体48との相対的回動
範囲がワイパアーム26の揺動範囲に対応するように形
成されている。
【0054】以上、本発明の実施形態を説明したが、本
発明は前述した各実施形態に限定されるものではなく、
本発明の要旨の範囲内または特許請求の範囲の均等範囲
内で各種の変形実施が可能である。
【0055】例えば、上記各実施形態では、ダンパの軸
体がワイパのピボットシャフトまたはリンク機構に連結
され、シリンダが車体に固定される例を示したが、ダン
パのシリンダをワイパのピボットシャフトまたはリンク
機構に連結し、軸体を車体に固定したワイパ装置として
もよい。
【0056】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のワイパ装置の全体構成を示す説
明図である。
【図2】第1実施形態のワイパ装置に用いられたダンパ
の縦断面図である。
【図3】図2の線III−IIIに沿った位置における
ダンパの横断面図である。
【図4】第2実施形態のワイパ装置に用いられたダンパ
の縦断面図である。
【図5】図4の線V−Vに沿った位置におけるダンパの
横断面図である。
【図6】他の実施形態におけるワイパ装置の全体構成を
示す説明図である。
【図7】さらに他の実施形態におけるワイパ装置の全体
構成を示す説明図である。
【図8】さらに他の実施形態におけるワイパ装置の全体
構成を示す説明図である。
【符号の説明】
10,70,71,72 ワイパ装置 14 ワイパモータ 18 リンク機構 22 ピボットシャフト 26 ワイパアーム 30,74 ダンパ 34 シリンダ 40 第1の円弧状柱体 48 軸体 50 突出部 56,84 空間 60 第1間隙 76 柱状体 78 第2の円弧状柱体 82 第2間隙

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイパアームがピボットシャフトに取り
    付けられ、該ピボットシャフトがリンク機構を介してワ
    イパモータに連結されて前記ワイパアームが揺動するワ
    イパ装置において、 前記ピボットシャフトとワイパモータとの間の前記リン
    ク機構または前記ピボットシャフトに連結されたダンパ
    を有し、 前記ダンパは、 円筒形状の内周面を有するシリンダと、 前記シリンダと前記ワイパアームの回動範囲に対応する
    範囲で互いに回動自在に係合する軸体と、 前記シリンダと前記軸体との間の相対的回動に対して、
    所定回動範囲において流体抵抗を及ぼす流体抵抗発生手
    段と、 を有することを特徴とするワイパ装置。
  2. 【請求項2】 ワイパアームがピボットシャフトに取り
    付けられ、該ピボットシャフトがリンク機構を介してワ
    イパモータに連結されて前記ワイパアームが揺動するワ
    イパ装置において、 前記ピボットシャフトとワイパモータとの間の前記リン
    ク機構または前記ピボットシャフトに連結されたダンパ
    を有し、 前記ダンパは、 円筒形状の内周面を有するシリンダと、 前記シリンダと同軸に配置されて前記シリンダに対して
    固定され、前記シリンダの内周面に一体としてあるいは
    接近して位置する第1の円弧状柱体と、 外周面が前記第1の円弧状柱体の内周面に接近して前記
    シリンダと同軸に配置され、前記ワイパアームの回動範
    囲に対応する範囲で前記シリンダと互いに回動自在に係
    合する前記軸体と、 を有し、 前記軸体には、前記シリンダと前記第1の円孤筒と前記
    軸体とが周囲に位置する空間において、前記シリンダの
    内周面直近まで延在し前記第1の円弧状柱体とほぼ等し
    い高さを有する突出部が設けられ、 前記突出部は、前記軸体の回動によって前記空間内を揺
    動可能であり、 前記第1の円弧状柱体の内周面と前記軸体の外周面との
    間には、前記第1の円弧状柱体の内周面にわたって連通
    し前記空間に連通する第1間隙が形成され、 前記第1間隙および前記空間に流体が封入され密閉され
    てなることを特徴とするワイパ装置。
  3. 【請求項3】 ワイパアームがピボットシャフトに取り
    付けられ、該ピボットシャフトがリンク機構を介してワ
    イパモータに連結されて前記ワイパアームが揺動するワ
    イパ装置において、 前記ピボットシャフトとワイパモータとの間の前記リン
    ク機構または前記ピボットシャフトに連結されたダンパ
    を有し、 前記ダンパは、 円筒形状の内周面を有するシリンダと、 前記シリンダに対して固定され、前記シリンダの内周面
    に一体としてあるいは接近して位置し、前記軸体の直近
    まで延在する柱状体と、 外周面が前記柱状体に接近し、前記シリンダと同軸に配
    置されて、前記ワイパアームの回動範囲に対応する範囲
    で前記シリンダと互いに回動自在に係合する前記軸体
    と、 を有し、 前記軸体には、前記シリンダの内周面直近まで延在し、
    前記柱状体とほぼ等しい高さを有し、前記シリンダと同
    軸に形成され、内周面が軸体に密着する第2の円弧状柱
    体が設けられ、 前記第2の円弧状柱体は、前記シリンダと前記軸体との
    間の空間を、前記軸体の回動によって揺動可能であり、 前記シリンダの内周面と前記第2の円弧状柱体の外周面
    との間には、前記円弧状柱体の外周面にわたって連通し
    前記空間に連通する第2間隙が形成され、 前記空間に流体が封入されて密閉されてなることを特徴
    とするダンパ装置。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3において、 前記流体は、圧縮性流体であることを特徴とするワイパ
    装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100387772B1 (ko) * 2001-06-22 2003-06-18 기아자동차주식회사 차량의 와이퍼 반전속도 댐핑장치
US7243398B2 (en) 2002-08-09 2007-07-17 Arturo Salice S.P.A. Pivot-action damper
JP2013018484A (ja) * 2011-07-13 2013-01-31 Robert Bosch Gmbh 車両に設けられたウィンドガラスワイパ装置に用いられる駆動装置
JP2019123367A (ja) * 2018-01-16 2019-07-25 東海旅客鉄道株式会社 ワイパ駆動装置

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