JPH11170918A - 車両用収納装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小物入れを備えていても収納体本体の収納部
の容積が減ることがなくなくかつ、見栄えのよい、車両
用収納装置を提供する。 【解決手段】 収納体本体２と、蓋体５と、底壁部８
と、を有し、収納体本体２は内装部材に保持され、開閉
可能な収納部２ａを有し、蓋体８は、収納体本体２より
車室側に配置される前壁５１と、前壁５１の左右方向両
端から収納体本体２の方に延びる側壁５２とを備え、収
納体本体に対して可動とされ、底壁部８は、一端が収納
体本体２と蓋体５の側壁５２のいずれか一方に回転可能
に連結され、底壁部８の他端が収納体本体２と蓋体５の
側壁５２のいずれか他方に形成された長孔７にスライド
可能に支持されており、蓋体５の前壁５１が収納体本体
側に位置するときは上下方向を向き、蓋体５の前壁５１
が収納体本体２に対して車室側に移動した位置にあると
きはほぼ水平方向を向く、車両用収納装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、車両用収納装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】小物入れを備える自動車用グラブボック
スとして、実開昭６０−１４７５４５号には、図８に示
すように、グラブボックスの蓋体２１’の内側に、小物
入れ１００を着脱自在に設けたものが開示されている。
また、実開昭６１−３７０４５号には、図９に示すよう
に、グラブボックスの車室側の前壁２１”に小物を入れ
ることができる程度の大きさの収納部１０１を形成した
グラブボックスが開示されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の自動車
用グラブボックスにはつぎの問題がある。 実開昭６０−１４７５４５号では、小物入れ１００
が蓋体２１’の内側に設けられるので、グラブボックス
自体の収納容積が減少する。 実開昭６１−３７０４５号では、車室側に常に収納
部１０１が開口しているので見栄えが悪い。 本発明の目的は、小物入れを備えていても収納体本体の
収納部の容積が減ることがなくかつ、見栄えのよい、車
両用収納装置を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明に係る車両用収納装置は、つぎの通りである。 （１） 収納体本体と、蓋体と、底壁部と、を有し、前
記収納体本体は内装部材に保持され、開閉可能な収納部
を有し、前記蓋体は、前記収納体本体より車室側に配置
される前壁と、該前壁の左右方向両端から前記収納体本
体の方に延びる側壁とを備え、前記収納体本体に対して
可動とされ、前記底壁部は、一端が前記収納体本体と前
記蓋体の側壁のいずれか一方に回転可能に連結され、前
記底壁部の他端が前記収納体本体と前記蓋体の側壁のい
ずれか他方に形成された長孔にスライド可能に支持され
ており、前記蓋体の前壁が前記収納体本体側に位置する
ときは上下方向を向き、前記蓋体の前壁が前記収納体本
体に対して車室側に移動した位置にあるときはほぼ水平
方向を向く、車両用収納装置。 （２） 前記蓋体は、前記蓋体の前壁が前記収納体本体
に対して車室側に移動した状態で、前記蓋体の前壁の下
端は下方に、前記蓋体の前壁の上端は車室側に倒れるこ
とができるように前記収納体本体に支持されている、
（１）記載の車両用収納装置。

【０００５】上記（１）の車両用収納装置では、収納部
を有する収納体本体と、収納体本体に対して可動な、前
壁と側壁とを備える蓋体と、底壁部とを備える。底壁部
は、一端が収納体本体と蓋体の側壁のいずれか一方に回
転可能に連結され、底壁部の他端が収納体本体と蓋体の
側壁のいずれか他方に形成された長孔にスライド可能に
支持されているので、蓋体の前壁が収納体本体側に位置
するときは底壁部は上下方向を向き、蓋体の前壁が収納
体本体に対して車室側に移動した位置にあるときは底壁
部はほぼ水平方向を向き、小物を入れることができる。
したがって、蓋体の前壁を収納体本体に対して車室側に
移動させることにより収納体本体の収納部の収納容積を
減らすことなく、収納体本体の収納部とは別に収納スペ
ースを得ることができる。また、収納体本体の収納部と
は別の収納スペースは、蓋体の前壁を収納体本体に対し
て車室側に移動させることによってのみ形成され、常に
収納スペースが形成されているのではないので見栄えが
よい。上記（２）の車両用収納装置では、蓋体は、蓋体
の前壁が収納体本体に対して車室側に移動した状態で、
蓋体の前壁の下端は下方に、蓋体の前壁の上端は車室側
に倒れることができるように収納体本体に支持されてい
るので、蓋体の前壁の上端が車室側に倒れているときは
（１）の構成により得られる収納スペースの収納口が大
きく開口するので、大きな収納物が入れやすくなる。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明の実施例に係わる車両用収
納装置を図１〜図７を参照して説明する。図１〜図４
は、本発明の実施例の車両用収納装置を、図５〜図７は
本発明のその他の実施例の車両用収納装置を示す。本発
明の実施例では、車両用収納装置をインスツルメントパ
ネル（内装部材）に保持されるグローブボックスとした
場合を例にとって説明する。

【０００７】まず、本発明の実施例の車両用収納装置の
構成を図１〜図４を参照して説明する。本発明の実施例
の車両用収納装置（グローブボックス）１は、収納体本
体（グローブボックス本体）２と、蓋体５と、底壁部８
とを有する。

【０００８】収納体本体２は、図示されない内装部材
（インスツルメントパネル）に、支軸４に回動可能に支
持されている。支軸４を軸に収納体本体２を車室側に回
動することにより収納部２ａが車室に向かって開口し、
収納部２ａ内への収納物の出し入れが可能になる。支軸
４を軸に内装部材側に回動することにより収納部２ａは
内装部材に収納されて車室から見えなくなる。また、収
納体本体２は前壁２１、側壁２２そして底壁２３を有す
る。側壁２２にはレール部３が取り付けられている。

【０００９】蓋体５は、収納体本体２より車両前後方向
後方（車室側）に配置される前壁５１と、前壁５１の左
右方向両端から収納体本体２の方に延びる側壁５２とを
備える。側壁５２の上部５２ａは下部より長くされてい
る。側壁の上部５２ａには突起部６が設けられている。
側壁５２の上部５２ａは収納体本体２の側壁２２とレー
ル部３の間の隙間に配置される。突起部６はレール部３
の溝３ａを摺動可能な位置にある。蓋体５は収納体本体
２に対して車両の前後方向に可動とされるが、蓋体５が
車室側へ飛び出すのを防止するために、蓋体５の側壁５
２と収納体本体２の側壁２２の間にゴム材を配してもよ
い。

【００１０】底壁部８は、車両前後方向前方の辺がその
左右両端８ａで収納体本体２にそれぞれ支軸１０によっ
て回動可能に連結され、車両前後方向後方の辺がその左
右両端８ｂを蓋体５の側壁５２に形成された長孔７に挿
入することによりスライド可能に支持されている。底壁
部８は蓋体５の前壁５１が収納体本体２側に位置すると
きは、図１に示すように上下方向を向き、前壁５１が収
納体本体２に対して車室側に移動した位置にあるとき
は、図２に示すようにほぼ水平方向を向く。また、長孔
７は側壁５２に貫通して設けられる形状のものに限られ
ない。側壁５２の外壁面まで孔があけられていない溝状
のものでもよく、側壁５２の内壁面が部分的に突出した
有底の溝状のものでもよい。また、上記とは異なり、底
壁部８は、車両前後方向前方の辺が収納体本体２に形成
された長孔にスライド可能に支持され、車両前後方向後
方の辺が蓋体５の側壁５２に支軸によって回動可能に連
結されていてもよい。

【００１１】レール部３の溝３ａは収納体本体２が内装
部材に収納されている状態において車両前後方向に水平
に延びている。そのため、蓋体５は、溝３ａに沿って移
動する突起部６とともに水平位置を保って移動する。溝
３ａは上部が下部より長く車室側に向かって延びている
ため、後端３ｂが斜めになっている。レール部３の溝の
後端３ｂの下端に突起部６が当接すると（図２、図３参
照）蓋体５の車室側への移動が停止する。蓋体５の前壁
５１が収納体本体２に対して車室側への移動を停止した
位置で、前壁５１の上部を車室側に倒す方向に押すと、
図４に示すように、突起部６が溝の後端３ｂの下端に当
接している部分を軸にして回動し、溝の後端３ｂに沿
う。同時に、長孔７にスライド可能に支持された底壁部
８が長孔７内を上方に移動し、蓋体５の前壁５１の下端
５１ａは下方に、前壁５１の上端５１ｂは車室側に倒れ
る。

【００１２】また、本発明のその他の実施例として、図
５〜図７に示すように、レール部の溝の形状が長孔１３
ａとされていてもよい。その場合、突起部は円柱状の突
起部１６となる。蓋体５の前壁５１が収納体本体２に対
して車室側に移動するときは、突起部１６が長穴１３ａ
内を摺動する。図６に示すように、突起部１６が長穴１
３ａの後端に達したとき前壁５１は移動が停止する。前
壁５１の車室側への移動が停止した位置で、前壁５１の
上部を車室側に倒す方向に押すと、図７に示すように、
突起部１６を軸に前壁が回動する。その他の構成は上記
の実施例と同じである。

【００１３】つぎに、本発明の実施例の作用について説
明する。収納体本体２の収納部２ａを使用するときは、
支軸４を軸に収納体本体２を回動し、収納部２ａを内装
部材から出すことにより使用可能となる。収納部２ａの
収納容積を大きくすることで、大きな物の収納が可能と
なる。

【００１４】たとえば、収納体本体２の収納部２ａを内
装部材に収納した状態で、収納体本体２に対し、蓋体５
を車室側に引き出すと、底壁部８が水平方向を向き、収
納体本体２の前壁２１と蓋体５と底壁部８によって収納
スペースが形成される。収納スペースの大きさは、左右
方向長さが収納体本体２の左右方向長さによって、車両
前後方向長さが蓋体５の前後方向長さによって決定され
る。収納スペースには、たとえば、雑誌、地図などの書
籍を差し込むことができる。

【００１５】収納体本体２に対し、蓋体５を車室側に引
き出した状態で、蓋体５の上壁５１を車室側に倒すよう
に蓋体５に力を加えると、突起部６（１６）が、レール
部３の溝３ａ（１３ａ）の後端３ｂと当接している部分
を軸として回動して、長孔７にスライド可能に支持され
ている蓋体５の側壁５２の一辺の両端が長孔７を上方に
移動する。そのため、蓋体５の前壁５１の下端５１ａは
下方に、上端５１ｂは車室側に倒れて、収納スペースの
収納口の開口が大きく開く。したがって、幅の大きいも
の、たとえば小さいバッグなどを収納スペースに入れや
すくなる。

【００１６】

【発明の効果】（１）請求項１の車両用収納装置によれ
ば、収納体本体に対して蓋体が出し入れ可能に配置さ
れ、蓋体の前壁が収納本体側に位置するときは底壁が上
下方向を向き、蓋体の前壁が車室側に位置するときは底
壁がほぼ水平方向を向くように底壁が配置されているの
で、蓋体の前壁を車室側に位置させることにより収納体
本体の収納部とは異なる収納スペースを得ることができ
る。また、蓋体の前壁を収納体本体側に位置させること
により収納スペースを車室側から見えなくすることがで
きるので、収納部以外に収納スペースが不要な場合は蓋
体の前壁を収納体本体側に位置させておけばよく、見栄
えが劣ることはない。 （２）請求項２の車両用収納装置によれば、蓋体の前壁
が収納体本体に対して車室側に移動した状態で、蓋体の
前壁の上端を車室側に倒すと同時に蓋体の前壁の下端が
下方に向き、上記（１）により得られる収納スペースの
収納口の開口をさらに大きくできるので、大きい幅の物
を収納スペースに入れることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係る車両用収納装置の側面図
である。

【図２】図１の装置の蓋体を車室側に出した状態を示す
図である。

【図３】図２の状態の装置の上面図である。

【図４】図２の装置の蓋体の前壁の上部を車室側に倒し
た状態の図である。

【図５】本発明のその他の実施例に係る車両用収納装置
の側面図である。

【図６】図５の装置の蓋体を車室側に出した状態を示す
図である。

【図７】図５の装置の蓋体の前壁の上部を車室側に倒し
た状態の図である。

【図８】従来の車両用収納装置の斜視図である。

【図９】従来の車両用収納装置の斜視図である。

【符号の説明】

１ 車両用収納装置 ２ 収納体本体 ２ａ 収納部 ３ レール部 ３ａ 溝 ４ 支軸 ５ 蓋体 ５１ 前壁 ５１ａ 前壁の下端 ５１ｂ 前壁の上端 ５２ 側壁 ７ 長孔 ８ 底壁部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 収納体本体と、蓋体と、底壁部と、を有
   し、 前記収納体本体は内装部材に保持され、開閉可能な収納
   部を有し、 前記蓋体は、前記収納体本体より車室側に配置される前
   壁と、該前壁の左右方向両端から前記収納体本体の方に
   延びる側壁とを備え、前記収納体本体に対して可動とさ
   れ、 前記底壁部は、一端が前記収納体本体と前記蓋体の側壁
   のいずれか一方に回転可能に連結され、前記底壁部の他
   端が前記収納体本体と前記蓋体の側壁のいずれか他方に
   形成された長孔にスライド可能に支持されており、前記
   蓋体の前壁が前記収納体本体側に位置するときは上下方
   向を向き、前記蓋体の前壁が前記収納体本体に対して車
   室側に移動した位置にあるときはほぼ水平方向を向く、
   車両用収納装置。
2. 【請求項２】 前記蓋体は、前記蓋体の前壁が前記収納
   体本体に対して車室側に移動した状態で、前記蓋体の前
   壁の下端は下方に、前記蓋体の前壁の上端は車室側に倒
   れることができるように前記収納体本体に支持されてい
   る、請求項１記載の車両用収納装置。