JPH11164882A - 血液適合性組成物および医療用具 - Google Patents
血液適合性組成物および医療用具Info
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- JPH11164882A JPH11164882A JP9335190A JP33519097A JPH11164882A JP H11164882 A JPH11164882 A JP H11164882A JP 9335190 A JP9335190 A JP 9335190A JP 33519097 A JP33519097 A JP 33519097A JP H11164882 A JPH11164882 A JP H11164882A
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Abstract
れた医療用具を得るための血液適合性組成物を提供す
る。 【解決手段】 アルキル基の炭素原子の総数が24〜3
2であるアンモニウムもしくはホスホニウムとヘパリン
もしくはヘパリン誘導体とのイオン複合体を必須成分と
する血液適合性材料。
Description
用される医療用具に用いられる材料として、特に有用で
ある血液適合性組成物に関する。また、従来の医療用具
に該血液適合性組成物を塗布することで、医療用具本来
の機能を損なうことなく、優れた血液適合性を付与する
ことのできる医療用具に関するものである。
た医療用具が広く普及し、人工心臓、人工腎臓、人工心
肺、大動脈内バルーンパンピング等の補助循環装置、各
種診断および治療用のカテーテル類、人工血管等の高度
な医療用具が実用化されてきた。しかしながら、これら
の医療用具は産業用に開発されてきた高分子材料をその
まま使用されていることがほとんどであり、使用にあた
っては血液が医療用具に接触した際に、凝血しないよう
に抗凝血剤を使用する必要がある。
使用する患者に投与した場合には、医療用具表面での凝
血は防止される。しかし、血液の止血作用が失われるた
めに、医療用具を挿入あるいは使用した部位や手術創や
重大な場合には、脳血管の出血等の合併症が惹起される
危険が伴う。そこで、医療用具に抗血栓性を付与して抗
凝血剤の投与を減らし、上記のような合併症を防止する
方策が盛んに研究されてきた。
段としては、(A)高分子材料とヘパリン等の抗凝血性
物質を非常に細かい粒子にして混ぜ込み、これを溶剤に
分散して塗布する方法、(B)第4級アンモニウム塩等
のカチオン基をポリマーに導入する。このカチオン基を
有するポリマーを溶剤に溶解して医療用具に塗布した後
ヘパリンの水溶液を接触させてヘパリンの有するアニオ
ン基とポリマー中のカチオン基をイオン的に結合させる
方法、(C)ヘパリンにアミノ基やアルデヒド基を導入
するとともに基材となる医療用具にも上記の官能基と反
応する物質あるいは官能基を直接固定化して、これらを
共有結合で固定化する方法、(D)ヘパリンの有するア
ニオン基に有機カチオンを結合させて、水に不溶化、特
定の有機溶剤に可溶化させて医療用具表面に塗布する方
法などがこれまでに実施されている。
ち、(A)はヘパリンが血中へそのまま溶出されるため
に初期の溶出が速くなり、早期に効果が消失する。さら
に、溶出が終わった後に医療用具表面に小さなホールが
残り、これが血栓の発生部位となる危険性を有してい
る。
栓性材料が長時間にわたり得られる。しかし、ベースに
なる第4級アンモニウム塩等を含有するポリマーをコー
ティングする工程とコーティングされた表面にヘパリン
を結合させる2つの工程が必要になることでコストが高
くなり、使い捨てが基本である血液接触医療用具として
は好ましくない。
用具表面に固定化することで長期間にわたる抗血栓性が
得られることを目的にしている。しかしながら、共有結
合により表面に固定化されたヘパリンはその自由度が小
さいために、ヘパリン本来の抗血栓性発現メカニズムで
あるアンチトロンビンIII と十分に結合できず、このた
めに処理された医療用具表面が十分な抗血栓性を発揮で
きないという欠点を有する。
ンモニウムクロリドのイソプロピルアルコール溶液で医
療用具表面に塗布した後に、ヘパリンの水溶液と接触さ
せることでトリドデシルアンモニウムとヘパリンのイオ
ン複合体が医療用具表面に形成されて抗血栓性を得る方
法である。しかしながら、この方法は(B)の方法と同
様にトリドデシルメチルアンモニウムクロリドをコーテ
ィングする工程とヘパリンを結合させる工程の2工程が
必要になることで、コストの面や作業効率の面から好ま
しくない。
ニウム塩とヘパリンのイオン複合体をイソプロピルアル
コールに溶解した溶液を塗布する方法が提案されてお
り、この溶液は市販されていて入手が容易である。これ
はイオン複合体に既になっており、一度のコーティング
で済むために上記問題点は解決できる。しかしながら、
ベンザルコニウム塩は芳香族系のハロゲン化物を原料と
して使用するために残留時の安全性に問題があり、さら
に得られたベンザルコニウム塩も手術時の殺菌剤として
使用されるように細胞に対する毒性が高く、血中に溶出
した場合、溶血発生等の問題があった。さらに血液中で
の耐久性も少なく、長時間使用した場合の抗血栓性の維
持にも問題がある。
に鑑み鋭意研究の結果、特定の炭素原子の総数を有する
有機カチオン化合物とヘパリンもしくはヘパリン誘導体
とからなるイオン性複合体が有用であることを見出し、
本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は、以
下のような構成を有するものである。
くはヘパリン誘導体とからなるイオン性複合体を含有し
てなる血液適合性組成物であって、該有機カチオン化合
物が4つの脂肪族アルキル基が結合したアンモニウムも
しくはホスホニウムであり、かつ該4つの脂肪族アルキ
ル基の炭素原子の総数が24〜32であり、炭素数10
以上のアルキル基を少なくとも2つ有することを特徴と
する血液適合性組成物 (2)アルキル基のうちの2つがメチル基であり、かつ
アルキル基のうちの2つが炭素数10以上を有する
(1)に記載の血液適合性組成物 (3)アルキル基のうちの2つが同一の炭素数であっ
て、該炭素数が10以上である(1)または(2)に記
載の血液適合性組成物 (4)(1)〜(3)のいずれかに記載のイオン性複合
体を2種以上含有してなる血液適合性組成物 (5)(1)〜(4)のいずれかに記載のイオン性複合
体が表面にコーティングされてなることを特徴とする医
療用具
分類されるヘパリンと有機カチオン基のイオンコンプレ
ックスにおいて、アンモニウムの窒素原子もしくはホス
ホニウムのリン原子に結合する4つのアルキル基におけ
る炭素原子の総数が、ヘパリンの血液中における活性に
大きく関与していることを見出した点に特徴がある。
子の総数は24〜32であり、好ましくは25〜31、
さらに好ましくは26〜30である。上記アルキル基の
炭素原子の総数が24よりも小さいと血中への溶出が速
く、長期間の抗血栓性が維持できない。また、32より
も炭素原子の総数が多いと疎水性が高すぎて血液接触部
でヘパリンとのイオン複合体が十分な活性を発揮できな
い。
なくアルキル基の鎖長の組合わせとして、該アルキル基
のうちの2つが立体障害が少なくヘパリンとの結合に有
利なメチル基であり、残り2つが医療用具表面でヘパリ
ンの活性を十分に維持でき、溶出も抑制できる最適鎖長
を有する炭素数が10以上、より好ましくは炭素数が1
2〜14の長鎖脂肪族アルキル基であることが好まし
い。また、上記の炭素数が10以上の長鎖アルキル基
は、合成や品質管理の面から、管理の容易な同一の炭素
数を有するアルキル基であることがさらに好ましい。ま
た、上記イオン複合体を2種以上含有していてもよい。
は、有機カチオンとヘパリンもしくはヘパリン誘導体と
のイオン性複合体を必須の構成要素とする。ここで、ヘ
パリン誘導体とは、ヘパリンナトリウム、ヘパリンカリ
ウム、ヘパリンカルシウム、低分子ヘパリン、ヘパラミ
ン、ヘポキシ化ヘパリンなどが挙げられる。
なアルキル基の特徴を有するカチオン基を必須成分とし
て含有していれば本発明以外のカチオン基とブレンドし
て、ヘパリンもしくはヘパリン誘導体とのイオン性複合
体を製造してもよい。例えば、4つのアルキル基の炭素
原子の総数が24未満もしくは32以上である有機カチ
オンとヘパリンもしくはヘパリン誘導体とのイオン性複
合体を適当量共存せしめることも、ヘパリン溶出量を任
意にコントロールできるという点から好ましい。また、
該イオン複合体を他のポリマーとの混合物にして医療用
具表面に被覆してもよい。この場合に、混合するポリマ
ーとしては、例えばポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポ
リカーボネートなどが例示される。
いて以下に述べる。まずヘパリンを適当な量の水に溶解
して水溶液とする。次にアルキル基における炭素数の合
計が24〜32であるアンモニウム塩またはホスホニウ
ム塩を炭素数1〜3のアルコールに溶解する。ヘパリン
の水溶液には炭素数1〜3のアルコールを、アンモニウ
ム塩またはホスホニウム塩の溶液には水を加えて、最終
的な溶媒の組成が同一になるように調整する。この際
に、ヘパリンもしくはアンモニウム塩、またはホスホニ
ウム塩の析出が発生する場合には、溶解可能な温度以上
に溶液を加温して、完全に均一溶液状態にする。
またはホスホニウム塩溶液を撹拌しながら滴下してい
く。ヘパリンと有機カチオン基とはほぼ瞬間的に反応し
て沈殿物を生成する。この沈殿物を回収して十分に洗浄
を行い、未反応の有機カチオンおよびヘパリンを洗浄す
る。
によって溶媒を完全に除去し、このあとコーティングす
るために有機溶媒に溶解する。この際の有機溶媒は被コ
ーティング物、すなわち、どのような医療用具にコーテ
ィングするかによって異なるが、例えば、医療用具の素
材として多用されているポリ塩化ビニル(以下、PVC
という)にはTHF、ポリカーボネートには脂環式炭化
水素や脂肪族炭化水素等が好ましい。これらの有機溶媒
に本発明のヘパリンと有機カチオンとのコンプレックス
が不溶の場合には非極性溶媒の場合には極性溶媒を、極
性溶媒の場合には非極性溶媒を加えて溶解度パラメータ
ーを操作することにより溶解することができる。
血液が接触する医療用具全般をいうものである。具体的
には、例えば人工心臓、人工腎臓、人工心肺、大動脈内
バルーンパンピング等の補助循環装置、各種診断および
治療用のカテーテル類、人工血管等が挙げられる。
する。なお、実施例によって、本発明が制限されるもの
ではない。
ウムクロリド18gおよびジメチルジテトラデシルホス
ホニウムクロリド60部をメタノール50部中に撹拌し
ながら添加して溶解する。完全に溶解したことを確認し
た後に、水が70%濃度になるまで加えていく。次に、
ヘパリン32部を水70部に溶解する。続いてメタノー
ルを30%濃度になるまでに加えていく。この際に、一
部ヘパリンが析出して懸濁液となるが、70℃に温度を
上げることで均一溶液となる。
ム塩の溶液を滴下していく。反応物は溶液には不溶なの
で、すぐに沈殿物となって析出してくる。この沈殿物を
回収して洗浄を十分に行い、未反応のヘパリンおよびホ
スホニウム塩を取り除く。さらに反応物を遠心分離によ
り水分を取り除き、最後に凍結乾燥を行い、白色の粉末
を得る。得られた粉末をTHFに0.1%濃度になるよ
うに溶解して内径3mmのPVCチューブにコーティン
グした。
状に加工する(長さ5cm)。このチューブにクエン酸
加牛血1.5mlを加えて、37℃にてインキュベート
する。これに1/40規定の塩化カルシウム溶液を加え
て、血液の凝固を開始させる。3分間インキュベートし
た後に、再度クエン酸三ナトリウム水溶液を添加して凝
固を停止させる。チューブの内部で凝固した血栓を採取
して精秤する。対象としてコーティングしていないPV
Cチューブを用いて同様の評価を実施した。結果を表1
に示す。表1における数値は、チューブ内に生成した血
栓の相対重量比を、同一径のガラス試験管に生成した血
栓量を1として求められた値を示したものである。
に本チューブを生理食塩液中で1週間浸漬した後、同様
の評価を実施した。結果を同じく表1に示す。また、医
療用のPVCチューブについても対照として同様な評価
を行った。結果を同じく表1に示す。
ーブに同様にコーティングして片方を3方活栓に接続す
る。3方活栓の片方よりウサギ(日本白色種)より脱血
したクエン酸加新鮮血を通す。同時にもう片方より1/
40規定の塩化カルシウム溶液を通す。血液は50ml
/min、塩化カルシウム溶液は5ml/minでシリ
ンジポンプにより注入する。血液はチューブ内で再活性
化されて凝固を開始する。血液の通過が完了した後に血
栓がどこで発生したかを観察し、その面積を計測する。
面積の計測は走査電子顕微鏡による表面のフィブリンネ
クトの付着を観察することにより行なった。その結果を
表2に示す。表2における数値は、血液循環後の血栓が
付着している面積を%で示したものである。
間チューブ内に循環させて同様な評価を行った。また、
医療用のPVCチューブについても対照として同様な評
価を行った。結果を表2に示す。
をTHFに0.1%になるように溶解しさらにこの溶液
にポリエーテル型セグメント化ポリウレタン(テコフレ
ックス硬度80Aサーメディカス社)を加えて1%濃度
になるように溶解する。これを内径3mmのPVCチュ
ーブにコーティングした。
してクランプして試験管状に加工して、評価を行なっ
た。このチューブにクエン酸加牛血を加えて、37℃に
てインキュベートする。これに1/40規定の塩化カル
シウム溶液を加えて血液の凝固を開始させた。3分間イ
ンキュベートした後に再度クエン酸三ナトリウム水溶液
を添加して凝固を停止させた。チューブの内部で凝固し
た血栓を採取して精秤した。対象としてコーティングし
ていないPVCチューブを用いて同様の評価を実施し
た。結果を表1に示す。また、本チューブを生理食塩液
中で1週間浸漬した後、同様の評価を実施した。結果を
同じく表1に示す。
ーブに同様にコーティングして片方を3方活栓に接続す
る。3方活栓の片方よりウサギ(日本白色種)より脱血
したクエン酸加新鮮血を通す。同時に、もう片方より1
/40規定の塩化カルシウム溶液を通す。血液は50m
l/min、塩化カルシウム溶液は5ml/minでシ
リンジポンプにより注入する。血液はチューブ内で再活
性化されて凝固を開始する。血液の通過が完了した後に
血栓がどこで発生したか観察し、その面積を計測する。
その結果を表2に示す。また、37℃に加温した生理食
塩水を1週間チューブ内に循環させて同様な評価を行っ
た。結果を表2に示す。
ウムクロリド6部およびジメチルジテトラデシルアンモ
ニウムクロリド19部をメタノール25部中に撹拌しな
がら添加して溶解する。完全に溶解したことを確認した
後に水が70%濃度になるまで加えていく。この際に、
一部アンモニウム塩が析出するがこの後に50℃に溶液
の温度をアップさせることにより均一の溶液となる。次
に、ヘパリン10部を水25部に溶解する。続いてメタ
ノールを30%濃度になるまでに加えていく。この際に
も一部ヘパリンが析出して懸濁液となるが、70℃に温
度を上げることで均一溶液となる。
ム塩の溶液を滴下していく。反応物は溶液には不溶なの
ですぐに沈殿物となって析出してくる。この沈殿物を回
収して洗浄を十分に行い、未反応のヘパリンおよびアン
モニウム塩を取り除く。さらに反応物を遠心分離をかけ
て水分を取り除き、最後に凍結乾燥を行い、白色の粉末
を得る。得られた粉末をTHFに0.1%濃度になるよ
うに溶解して、内径3mmのPVCチューブにコーティ
ングした。
してクランプして試験管状に加工して、評価を行なっ
た。このチューブにクエン酸加牛血を加えて、37℃に
てインキュベートした。これに1/40規定の塩化カル
シウム溶液を加えて血液の凝固を開始させた。3分間イ
ンキュベートした後に、再度クエン酸三ナトリウム水溶
液を添加して凝固を停止させた。チューブの内部で凝固
した血栓を採取して精秤する。対象としてコーティング
していないPVCチューブを用いて同様の評価を実施し
た。結果を表1に示す。また本チューブを生理食塩液中
で1週間浸漬した後、同様の評価を実施した。結果を同
じく表1に示す。
ブに同様にコーティングして片方を3方活栓に接続し
た。3方活栓の片方よりウサギ(日本白色種)より脱血
したクエン酸加新鮮血を通した。同時にもう片方より1
/40規定の塩化カルシウム溶液を通す。血液は50m
l/min、塩化カルシウム溶液は5ml/minでシ
リンジポンプにより注入した。血液はチューブ内で再活
性化されて凝固を開始する。血液の通過が完了した後に
血栓がどこで発生したかを観察し、その面積を計測し
た。その結果を表2に示す。また、37℃に加温した生
理食塩水を1週間循環させて同様な評価を行った。結果
を表2に示す。
ウムクロリド17部およびジメチルジテトラデシルアン
モニウムクロリド58部、ジメチルジパルミチルアンモ
ニウムクロリド29部、ジメチルジステアリルアンモニ
ウムクロリド31部をメタノール50部中に撹拌しなが
ら添加して溶解した。完全に溶解したことを確認した後
に水が70%濃度になるまで加えた。この際に一部アン
モニウム塩が析出するが、この後に70℃に溶液の温度
をアップさせることにより均一の溶液となる。
た。続いてメタノールを30%濃度になるまでに加え
た。この際にも一部ヘパリンが析出して懸濁液となるが
70℃に温度を上げることで均一溶液となる。ヘパリン
の溶液を撹拌しながらアンモニウム塩の溶液を滴下して
いく。反応物は溶液には不溶なのですぐに沈殿物となっ
て析出してくる。この沈殿物を回収して洗浄を十分に行
い、未反応のヘパリンおよびアンモニウム塩を取り除
く。さらに反応物を遠心分離により水分を取り除き、最
後に凍結乾燥を行い、白色の粉末を得る。得られた粉末
をTHFに0.1%濃度になるように溶解して内径3m
mのPVCチューブにコーティングした。
してクランプして試験管状に加工して、評価を行なっ
た。このチューブにクエン酸加牛血を加えて37℃にて
インキュベートする。これに1/40規定の塩化カルシウム
溶液を加えて血液の凝固を開始させた。3分間インキュ
ベートした後に再度クエン酸三ナトリウム水溶液を添加
して凝固を停止させた。チューブの内部で凝固した血栓
を採取して精秤した。対象としてコーティングしていな
いPVCチューブを用いて同様の評価を実施した。結果
を表1に示す。また、本チューブを生理食塩液中で1週
間浸漬した後、同様の評価を実施した。結果を同じく表
1に示す。
ーブに同様にコーティングして片方を3方活栓に接続し
た。3方活栓の片方よりウサギ(日本白色種)より脱血
したクエン酸加新鮮血を通した。同時にもう片方より1
/40規定の塩化カルシウム溶液を通す。血液は50m
l/min、塩化カルシウム溶液は5ml/minでシ
リンジポンプにより注入した。血液はチューブ内で再活
性化されて凝固を開始する。血液の通過が完了した後に
血栓がどこで発生したかを観察し、その面積を計測し
た。その結果を表2に示す。また、37℃に加温した生
理食塩水を1週間循環させて同様な評価を行った。結果
を表2に示す。
ウムクロリド27部をメタノール15部中に撹拌しなが
ら添加して溶解した。完全に溶解したことを確認した後
に水が70%濃度になるまで加えた。この後に50℃に
溶液の温度をアップさせた。次にヘパリン10部を水2
5部に溶解した。続いてメタノールを30%濃度になる
までに加えた。この際に一部ヘパリンが析出して懸濁液
となるが、70℃に温度を上げることで均一溶液とな
る。
ム塩の溶液を滴下した。反応物は溶液には不溶なのです
ぐに沈殿物となって析出してくる。この沈殿物を回収し
て洗浄を十分に行い、未反応のヘパリンおよびホスホニ
ウム塩を取り除いた。さらに反応物を遠心分離をかけて
水分を取り除き、最後に凍結乾燥を行い、白色の粉末を
得た。得られた粉末をTHFに0.1%濃度になるよう
に溶解して、内径3mmのPVCチューブにコーティン
グした。
してクランプして試験管状に加工して評価を行なった。
このチューブにクエン酸加牛血を加えて、37℃にてイ
ンキュベートする。これに1/40規定の塩化カルシウ
ム溶液を加えて血液の凝固を開始させた。3分間インキ
ュベートした後に再度クエン酸三ナトリウム水溶液を添
加して凝固を停止させた。チューブの内部で凝固した血
栓を採取して精秤した。対象としてコーティングしてい
ないPVCチューブを用いて同様の評価を実施した。結
果を表1に示す。また、本チューブを生理食塩液中で1
週間浸漬した後、同様の評価を実施した。結果を同じく
表1に示す。
ーブに同様にコーティングして片方を3方活栓に接続す
した。3方活栓の片方よりウサギ(日本白色種)より脱
血したクエン酸加新鮮血を通した。同時にもう片方より
1/40規定の塩化カルシウム溶液を通した。血液は5
0ml/min、塩化カルシウム溶液は5ml/min
でシリンジポンプにより注入した。血液はチューブ内で
再活性化されて凝固を開始した。血液の通過が完了した
後に血栓がどこで発生したかを観察し、その面積を計測
した。その結果を表2に示す。また、37℃に加温した
生理食塩水を1週間チューブ内を循環させて同様な評価
を行った。結果を表2に示す。
ムクロリドをメタノール19.5部中に撹拌しながら添
加して溶解した。完全に溶解したことを確認した後に、
水が70%濃度になるまで加えた。この後に70℃に溶
液の温度をアップさせることにより均一の溶液となる。
次にヘパリン10部を水25部に溶解した。続いてメタ
ノールを30%濃度になるまでに加えた。この際に一部
ヘパリンが析出して懸濁液となるが70℃に温度を上げ
ることで均一溶液となる。ヘパリンの溶液を撹拌しなが
らアンモニウム塩の溶液を滴下した。反応物は溶液には
不溶なのですぐに沈殿物となって析出してくる。この沈
殿物を回収して洗浄を十分に行い、未反応のヘパリンお
よびアンモニウム塩を取り除いた。さらに、反応物を遠
心分離をかけて水分を取り除き、最後に凍結乾燥を行
い、白色の粉末を得た。得られた粉末をTHFに0.1
%濃度になるように溶解して、内径3mmのPVCチュ
ーブにコーティングした。
してクランプして試験管状に加工して、評価を行なっ
た。このチューブにクエン酸加牛血を加えて37℃にて
インキュベートした。これに1/40規定の塩化カルシ
ウム溶液を加えて血液の凝固を開始させた。3分間イン
キュベートした後に再度クエン酸三ナトリウム水溶液を
添加して凝固を停止させた。チューブの内部で凝固した
血栓を採取して精秤した。対象としてコーティングして
いないPVCチューブを用いて同様の評価を実施した。
結果を表1に示す。また、本チューブを生理食塩液中で
1週間浸漬した後、同様の評価を実施した。結果を同じ
く表1に示す。
ーブに同様にコーティングして片方を3方活栓に接続し
た。3方活栓の片方よりウサギ(日本白色種)より脱血
したクエン酸加新鮮血を通した。同時にもう片方より1
/40規定の塩化カルシウム溶液を通した。血液は50
ml/min、塩化カルシウム溶液は5ml/minで
シリンジポンプにより注入した。血液はチューブ内で再
活性化されて凝固を開始した。血液の通過が完了した後
に血栓がどこで発生したか、その長さを計測した。その
結果を表2に示す。また、37℃に加温した生理食塩水
を1週間循環させて同様な評価を行った。結果を表2に
示す。
アンモニウムクロリド65部をメタノール25部中に撹
拌しながら添加して溶解した。完全に溶解したことを確
認した後に水が70%濃度になるまで加えた。次にヘパ
リン30部を水70部に溶解した。続いてメタノールを
30%濃度になるまでに加えたく。この際に一部ヘパリ
ンが析出して懸濁液となるが70℃に温度を上げること
で均一溶液となる。ヘパリンの溶液を撹拌しながらアン
モニウム塩の溶液を滴下した。反応物は溶液には不溶な
のですぐに沈殿物となって析出してくる。この沈殿物を
回収して洗浄を十分に行い、未反応のヘパリンおよびア
ンモニウム塩を取り除いた。さらに反応物を遠心分離を
かけて水分を取り除き、最後に凍結乾燥を行い、白色の
粉末を得た。得られた粉末をTHFに0.1%濃度にな
るように溶解して、内径3mmのPVCチューブにコー
ティングした。
してクランプして試験管状に加工して、評価を行なっ
た。該チューブにクエン酸加牛血を加えて37℃にてイ
ンキュベートした。これに1/40規定の塩化カルシウ
ム溶液を加えて血液の凝固を開始させた。3分間インキ
ュベートした後に、再度クエン酸三ナトリウム水溶液を
添加して凝固を停止させた。チューブの内部で凝固した
血栓を採取して精秤した。対象としてコーティングして
いないPVCチューブを用いて同様の評価を実施した。
結果を表1に示す。
浸漬した後、同様の評価を実施した。結果を同じく表1
に示す。溶液を内径3mm、長さ1mのチューブに同様
にコーティングして片方を3方活栓に接続した。3方活
栓の片方よりウサギ(日本白色種)より脱血したクエン
酸加新鮮血を通した。同時にもう片方より1/40規定
の塩化カルシウム溶液を通した。血液は50ml/mi
n、塩化カルシウム溶液は5ml/minでシリンジポ
ンプにより注入する。血液はチューブ内で再活性化され
て凝固を開始した。血液の通過が完了した後に血栓がど
こで発生したかを観察して、その面積を計測した。その
結果を表2に示す。また、37℃に加温した生理食塩水
を1週間循環させて同様な評価を行った。結果を表2に
示す。
ウムクロリド10部をイソプロピルアルコールに1%濃
度になるように溶解した。これを内径3mmのPVCチ
ューブにコーティングした。その後にヘパリン1%水溶
液をこのチューブに充填して、ヘパリンを固定化した。
してクランプして試験管状に加工して、評価を行なっ
た。このチューブにクエン酸加牛血を加えて37℃にて
インキュベートした。これに1/40規定の塩化カルシ
ウム溶液を加えて血液の凝固を開始させた。3分間イン
キュベートした後に、再度クエン酸三ナトリウム水溶液
を添加して凝固を停止させた。チューブの内部で凝固し
た血栓を採取して精秤した。対象としてコーティングし
ていないPVCチューブを用いて同様の評価を実施し
た。結果を表1に示す。また、本チューブを生理食塩液
中で1週間浸漬した後、同様の評価を実施した。結果を
同じく表1に示す。
溶液を内径3mm、長さ1mのチューブに同様にコーテ
ィングした後、ヘパリンの1%水溶液を充填してヘパリ
ンを固定化した。本チューブの片方を3方活栓に接続し
て、3方活栓の片方よりウサギ(日本白色種)より脱血
したクエン酸加新鮮血を通した。同時にもう片方より1
/40規定の塩化カルシウム溶液を通した。血液は50
ml/min、塩化カルシウム溶液は5ml/minで
シリンジポンプにより注入する。血液はチューブ内で再
活性化されて凝固を開始した。血液の通過が完了した後
に血栓がどこで発生したかを観察し、その面積を計測し
た。その結果を表2に示す。また、37℃に加温した生
理食塩水を1週間循環させて同様な評価を行った。結果
を表2に示す。
うに、本発明が見出したアルキル基の個数と鎖長を有す
るカチオン基とヘパリンまたはヘパリン誘導体とのイオ
ン複合体である血液適合性組成物はこれ以外のカチオン
基とヘパリン類とのイオン複合体と比較すると効果が高
いこと、長期間持続することの点から、従来の技術より
も良好な血液適合性を有することが明らかである。
パリンとのイオン性複合体を含有してなる血液適合性組
成物は良好な抗血栓性を有しており、特に血液と接触し
て用いられる医療用具のコーティング材として優れた適
性を有している。
Claims (5)
- 【請求項1】 有機カチオン化合物とヘパリンもしくは
ヘパリン誘導体とからなるイオン性複合体を含有してな
る血液適合性組成物であって、該有機カチオン化合物が
4つの脂肪族アルキル基が結合したアンモニウムもしく
はホスホニウムであり、かつ該4つの脂肪族アルキル基
の炭素原子の総数が24〜32であり、炭素数10以上
のアルキル基を少なくとも2つ有することを特徴とする
血液適合性組成物。 - 【請求項2】 アルキル基のうちの2つがメチル基であ
り、かつアルキル基のうちの2つが炭素数10以上を有
する請求項1記載の血液適合性組成物。 - 【請求項3】 アルキル基のうちの2つが同一の炭素数
であって、該炭素数が10以上である請求項1または2
に記載の血液適合性組成物。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のイオン
性複合体を2種以上含有してなる血液適合性組成物。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のイオン
性複合体が表面にコーティングされてなることを特徴と
する医療用具。
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