JP2001204809A - 血液適合性組成物およびそれを被覆した医療用具 - Google Patents

血液適合性組成物およびそれを被覆した医療用具

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JP2001204809A JP2000018194A JP2000018194A JP2001204809A JP 2001204809 A JP2001204809 A JP 2001204809A JP 2000018194 A JP2000018194 A JP 2000018194A JP 2000018194 A JP2000018194 A JP 2000018194A JP 2001204809 A JP2001204809 A JP 2001204809A
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    • A61L33/00Antithrombogenic treatment of surgical articles, e.g. sutures, catheters, prostheses, or of articles for the manipulation or conditioning of blood; Materials for such treatment
    • A61L33/0005Use of materials characterised by their function or physical properties
    • A61L33/0011Anticoagulant, e.g. heparin, platelet aggregation inhibitor, fibrinolytic agent, other than enzymes, attached to the substrate
    • A61L33/0017Anticoagulant, e.g. heparin, platelet aggregation inhibitor, fibrinolytic agent, other than enzymes, attached to the substrate using a surface active agent

Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分な抗血栓性を長期間にわたり維持するこ
とが可能な血液適合性組成物および医療用具を提供す
る。 【解決手段】 有機カチオン化合物とヘパリンもしくは
ヘパリン誘導体とからなるイオン性複合体を含有してな
る血液適合性組成物であって、該有機カチオン化合物が
4つの脂肪族アルキル基が結合したアンモニウム塩であ
り、該アンモニウム塩のうち、4つの脂肪族アルキル鎖
の炭素原子総数が22以上26以下であるアンモニウム
塩を全アンモニウム塩の5%以上80%以下の範囲で含
有することを特徴とする血液適合性組成物および該血液
適合性組成物によってコーティグされた医療用具。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は血液に接触して使用
される医療用具に用いられる材料として、特に有用であ
る血液適合性組成物に関する。また、従来の医療用具に
該血液適合性組成物を塗布することで、医療用具本来の
機能を損なうことなく優れた血液適合性を付与すること
のできる医療用具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、血液用回路チューブ、サンプ
リングモニター用チューブ、大動脈内バルーンポンプ、
人工心臓用血液ポンプ、血管造影用カテーテル、人工
肺、静脈リザーバー、人工腎臓、動脈フィルターなどの
血液接触医療用具表面に血液が凝固しないように抗血栓
性を付与する技術が開発、実用化されてきた。その中心
となって検討されてきたのが抗凝血作用を有するヘパリ
ンまたはその誘導体を医療用具の表面上になんらかの方
法で固定して、抗血栓性を得る手法である。
【0003】特開昭48-13341にはヘパリンとカチオン性
界面活性剤とを作用させて水に不溶で有機溶剤に可溶な
ヘパリン複合体を調整した後、これを単独あるいはプラ
スチックとともに有機溶媒に溶解させ、それをプラスチ
ック表面に塗布し、乾燥することによって抗血液凝固性
表面を得る方法が開示されている。このなかで、界面活
性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウムクロリ
ド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロリド等が挙げ
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の界面活性剤とヘパリンとのイオン複合体は血液中に容
易に溶解してしまい、長期間にわたる十分な抗血栓性を
得ることができなかった。
【0005】さらにこれらを解決する手段としてベンザ
ルコニウム塩(1本の長鎖アルキル基および2個のメチ
ル基、および1個のベンジル基を有するアンモニウム
塩)のアルキル基の炭素原子数を18としたベンジルジ
メチルステアリルアンモニウム塩とヘパリンの混合物が
開示されている。この複合体は従来のヘパリンとカチオ
ン性界面活性剤とヘパリンとの早期活性消失を改善する
ものであるが、この複合体でも、比較的短期間で抗血栓
性は消失してしまう欠点は解消できなかった(比較例と
して使用)。
【0006】さらにJ.Biomater.Sci.Polymer Edn,vol6
にはヘパリンとジオクタデシルアンモニウムブロミドと
の複合体が記載されている。この化合物は結合している
カチオン化合物の疎水性が高いために、長時間材料表面
に存在する。しかしながら、結合しているカチオン基の
疎水性が高すぎ、ヘパリンの活性が抑えられすぎ、医療
用具のコート剤として使用した場合、血液の滞留部や段
差などに血栓が生じやすいという問題があった(比較例
として使用)。
【0007】これまで検討されてきたヘパリンと有機カ
チオン基の複合体における課題は、親水性の高い有機カ
チオン基(例えばベンザルコニウム塩)を用いた場合の
早期溶出による長時間活性維持ができないことであり、
疎水性の高すぎる有機カチオン基を用いた場合にはヘパ
リン活性が低く、十分な抗血栓性を発揮できないことに
よるものである。本発明者はこれらの欠点が現在まで解
決できなかったのは、いままでなされてきた発明が、ヘ
パリンと複合体を形成させるにあたり、単独の構造を有
するアンモニウム塩のみを使用したことによるものであ
ることを見いだした。すなわちヘパリンが持っているア
ニオン基に、単一構造を有するアンモニウム塩を結合さ
せると、アンモニウム塩の持っているアルキル基の鎖長
の総数およびその構造が同一であることから親水性また
は疎水性のどちらかに偏りすぎ、結果として早期に溶出
してしまうか、溶出が抑えられすぎ、期待された性能を
発揮できないのである。このための解決策として本発明
者が目指したのは、アルキル基の炭素数総数が異なる複
数のアンモニウム塩とヘパリンとを結合させて、抗血栓
性医療用具に必要とされる十分な抗血栓性を長期間にわ
たり維持することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記事情に鑑みて、ヘパ
リン化処理表面抗血栓性の高さと、長時間の活性維持の
両者を併せ持つ材料について鋭意検討した結果、複数
の、特定の炭素原子の総数を有するアンモニウム塩の組
み合わせとヘパリンとの複合体が有用であることを見い
だし、本発明に至ったものである。すなわち、本発明
は、以下のような構成を有するものである。
【0009】(1)有機カチオン化合物とヘパリンもし
くはヘパリン誘導体とからなるイオン性複合体を含有し
てなる血液適合性組成物であって、該有機カチオン化合
物が4つの脂肪族アルキル基が結合したアンモニウム塩
であり、該アンモニウム塩のうち、4つの脂肪族アルキ
ル鎖の炭素原子総数が22以上26以下であるアンモニ
ウム塩を全アンモニウム塩の5%以上80%以下の範囲
で含有することを特徴とする血液適合性組成物。 (2)有機カチオン化合物が4つの脂肪族アルキル基が
結合したアンモニウム塩であり、該アンモニウム塩のう
ち、4つの脂肪族アルキル鎖の炭素原子総数が22以上
26以下であるアンモニム塩を全アンモニウム塩の5%
以上80%以下の範囲で含有し、残りが炭素原子総数2
7以上のアンモニウム塩である上記(1)に記載の血液
適合性組成物。 (3)アルキル基の炭素原子総数27以上のアンモニウ
ム塩がトリアルキルメチルアンモニウム塩である上記
(2)に記載の血液適合性組成物。 (4)アルキル基の炭素原子総数27以上のアンモニウ
ム塩がジアルキルジメチルアンモニウム塩である上記
(2)に記載の血液適合性組成物。 (5)アルキル基の炭素原子総数22以上26以下のア
ンモニウム塩がジアルキルジメチルアンモニム塩である
上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の血液適合性組
成物。 (6)上記(1)乃至(5)に記載のイオン性複合体が
少なくとも血液接触面の一部にコーティングされてなる
ことを特徴とする医療用具。
【0010】本発明は、ヘパリンとアンモニウム塩との
イオン複合体に於いて、4つのアルキル基の総数が異な
る複数のアンモニウム塩をヘパリンと複合体を形成させ
ることによって、単独の構造を有するアンモニウム塩と
ヘパリン複合体では得られなかった最適な抗血栓性を得
られる血液適合組成物が得られることを見いだしたこと
にある。本発明において、4つの脂肪族アルキル鎖の炭
素原子総数が22以上26以下であるアンモニウム塩の
含有量は全アンモニウム塩の通常5%以上80%以下の
範囲であり、好ましくは10%以上50%以下の範囲で
あり、さらに好ましくは15%以上30%以下の範囲で
ある。
【0011】本発明において炭素数22以上26以下の
有機カチオン化合物にはジデシルアンモニウムジメチル
アンモニウム塩やジドデシルジメチルアンモニウム塩等
がある。
【0012】アルキル基の炭素原子の総数が27以上の
トリアルキルメチルアンモニウム塩にはトリドデシルメ
チルアンモニウム塩やトリデシルメチルアンモニウム塩
やトリテトラデシルアンモニウム塩等がある。
【0013】アルキル基の炭素原子の総数が27以上の
有機ジアルキルジメチルアンモニウム塩にはジテトラデ
シルジメチルアンモニウム塩やジヘキサデシルジメチル
アンモニウム塩やジオクタデシルジメチルアンモニウム
塩等がある。ヘパリン誘導体としてはヘパリンナトリウ
ム、ヘパリンカリウム、ヘパリンリチウム、ヘパリンカ
ルシウム、低分子ヘパリン、エポキシ化ヘパリンなどが
挙げられる。
【0014】本発明の処理方法としてはまず、上記の有
機カチオン化合物の混合物とヘパリンのイオン複合体を
溶媒中で混合、攪拌し、沈殿物を得る。ついで、この複
合体を回収、洗浄を行い未反応能のヘパリンおよび有機
カチオン化合物を洗浄する。次にヘパリン−有機カチオ
ン複合体を有機溶媒に溶解する。この溶媒を医療用具表
面に接触させ、ついで溶媒を除去することにより医療用
具の表面に最適化された抗血栓性表面を得ることができ
る。
【0015】有機カチオン基の溶媒としては、有機溶媒
としては基材である医療用具表面にできるかぎり損傷を
与えないものが選択されるが、一般的にはメタノール、
エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピ
ルアルコール、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、テ
トラヒドロフラン(以下THF)、1.4―ジオキサ
ン、シクロヘキサノン、N,N―ジメチルホルムアミ
ド、N,N―ジメチルアセトアミド、N −メチルピロリ
ドン等が使用される。
【0016】医療用具の表面にヘパリン−有機カチオン
化合物の複合体を接触させる別な方法としては、浸漬
法、スプレーを吹き付ける方法、刷毛などで塗布する方
法等が用いられるが、これらに限定されるものではな
い。また、べつな方法としてはアンモニウム塩の混合物
をあらかじめ適当な溶媒に溶解しておき、医療用具の表
面に接触させ、有機溶媒を乾燥除去した後にヘパリン水
溶液を接触させて、ヘパリン−有機カチオン化合物の複
合体を医療用具表面で形成させる方法である。
【0017】有機カチオン基の溶媒としては、有機溶媒
としては基材である医療用具表面にできるかぎり損傷を
与えないものが選択されるが、一般的にはメタノール、
エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピ
ルアルコール、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、T
HF、1.4―ジオキサン、シクロヘキサノン、N,N
―ジメチルホルムアミド、N,N―ジメチルアセトアミ
ド、N −メチルピロリドンなどが使用される。
【0018】ここで医療用具の基材の材料としては通常
使用される全ての材料が含まれる。すなわち、ポリ塩化
ビニル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテ
ン、熱可塑性ポリエーテルポリウレタン、熱硬化性ポリ
ウレタン、架橋部を有するポリジメチルシロキサン等の
シリコーンゴム、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ
化ビニリデン、4フッ化ポリエチレン、ポリスルホン、
ポリエーテルスルホン、ポリアセタール、ポリスチレ
ン、ABS樹脂およびこれらの樹脂の混合物、ステンレ
ス、チタニウム、アルミニウム等の金属などが挙げられ
る。
【0019】
【実施例】以下に本発明を実施形態に基づいて説明す
る。 〔実施例1〕ジドデシルジメチルアンモニムブロミド1
4部(東京化成製)およびトリドデシルメチルアンモニ
ウムブロミド6部(Polyscience, Inc製)をメチルアル
コール200部に溶解した。つづいてヘパリン10部を
イオン交換水100部に溶解し、アンモニウム塩を溶解
したメタノール溶液を攪拌しながら滴下した。白色の沈
殿物が滴下直後より精製するので、溶液滴下が完了した
ら、濾過して余分な液を除く。この後、沈殿物より未反
応のヘパリンおよびジドデシルジメチルアンモニウムブ
ロミドおよびトリドデシルメチルアンモニウムブロミド
を除去するため、水とメタノールによる洗浄を数回繰り
返す。この後、凍結乾燥を行い、本発明のヘパリンとア
ンモニウム塩の複合体(実施例1)を得た。
【0020】〔実施例2〕ジデシルジメチルアンモニム
ブロミド2部(東京化成製)およびトリドデシルメチル
アンモニウムブロミド18部(Polyscience,Inc 製)を
メチルアルコール200部に溶解した。つづいてヘパリ
ン10部をイオン交換水100部に溶解し、アンモニウ
ム塩を溶解したメタノール溶液を攪拌しながら滴下し、
得られた沈殿物を実施例1と同様な方法にて精製し、本
発明のヘパリンとアンモニウム塩の複合体(実施例2)
を得た。
【0021】〔実施例3〕ジドデシルジメチルアンモニ
ムブロミド5部(東京化成製)およびジステアリルジメ
チルアンモニウムブロミド15部(Polyscience,Inc
製)をメチルアルコール200部に溶解した。つづいて
ヘパリン10部をイオン交換水100部に溶解し、アン
モニウム塩を溶解したメタノール溶液を攪拌しながら滴
下し、得られた沈殿物を実施例1と同様な方法にて精製
し、本発明のヘパリンとアンモニウム塩の複合体(実施
例3)を得た。
【0022】〔実施例4〕ジデシルジメチルアンモニム
ブロミド6部(東京化成製)およびジパルミチルジメチ
ルアンモニウムブロミド14部(Polyscience,Inc 製)
をメチルアルコール200部に溶解した。つづいてヘパ
リン10部をイオン交換水100部に溶解し、アンモニ
ウム塩を溶解したメタノール溶液を攪拌しながら滴下
し、得られた沈殿物を実施例1と同様な方法にて精製
し、本発明のヘパリンとアンモニウム塩の複合体(実施
例4)を得た。
【0023】〔比較例1〕ジドデシルジメチルアンモニ
ムブロミド20部(東京化成製)をメチルアルコール2
00部に溶解した。つづいてヘパリン10部をイオン交
換水100部に溶解し、アンモニウム塩を溶解したメタ
ノール溶液を攪拌しながら滴下し、得られた沈殿物を実
施例1と同様な方法にて精製し、本発明のヘパリンとア
ンモニウム塩の複合体(比較例1)を得た。
【0024】〔比較例2〕ジオクタデシルジメチルアン
モニムブロミド20部(東京化成製)をメチルアルコー
ル200部に溶解した。つづいてヘパリン10部をイオ
ン交換水100部に溶解し、アンモニウム塩を溶解した
メタノール溶液を攪拌しながら滴下し、得られた沈殿物
を実施例1と同様な方法にて精製し、本発明のヘパリン
とアンモニウム塩の複合体(比較例2)を得た。
【0025】〔比較例3〕トリドデシルメチルアンモニ
ウムブロミド20部(Polyscience,Inc 製)をメチルア
ルコール200部に溶解した。つづいてヘパリン10部
をイオン交換水100部に溶解し、アンモニウム塩を溶
解したメタノール溶液を攪拌しながら滴下し、得られた
沈殿物を実施例1と同様な方法にて精製し、本発明のヘ
パリンとアンモニウム塩の複合体(比較例3)を得た。
【0026】〔比較例4〕ベンジルジメチルステアリル
アンモニムブロミド20部(東京化成製)をメチルアル
コール200部に溶解した。つづいてヘパリン10部を
イオン交換水100部に溶解し、アンモニウム塩を溶解
したメタノール溶液を攪拌しながら滴下し、得られた沈
殿物を実施例1と同様な方法にて精製し、本発明のヘパ
リンとアンモニウム塩の複合体(比較例4)を得た。
【0027】(評価試験1)実施例および比較例で得ら
れた複合体を各々THF に濃度0.2%になるように溶解
する。この後、内径3mm のポリ塩化ビニル製チューブに
コーティングした。
【0028】上記チューブの両端をクランプして試験管
状に加工した(長さ5cm )。このチューブにクエン酸三
ナトリウムを加えて凝固停止した牛血1.5mlを加えて
37℃にてインキュベートする。これに1/40規定の
塩化カルシウム溶液を加えて血液の凝固を開始させる。
3 分間インキュベートした後に、再度クエン酸三ナトリ
ウム水溶液を添加して、血液の凝固を停止させる。次に
チューブの内部で生成した血栓を採取して重量を測定す
る。対象としてコーティングしていないPVCチューブ
を用いて同様の試験を実施した。結果を表1に示す。表
1における数値は、同一径のガラス製試験管に生成した
血栓の重量を1として求められた値を示すものである。
【0029】(評価試験2)血液適合性の耐久性を観察
するために本チューブを4規定の濃厚食塩水中で1週間
浸漬した後に同様の評価を実施した。結果を同じく表1
に示す。また医療用のPVCチューブについても対象と
して同様な評価を行った。結果を表2に示す。
【0030】(評価試験3)比較例および実施例で得ら
れた複合体をTHFの1%溶液とし、内径3mm、長さ
1mのチューブに同様にコーティングして片方を3方活
栓に接続する。3方活栓の片方よりウサギ(日本白色
種)より脱血したクエン酸加新鮮血を通す。同時に、も
う片方より1/40規定の塩化カルシウム溶液を通す。
塩化カルシウム溶液は5ml/min にて、新鮮血は50ml/m
inでシリンジポンプより注入した。血液はチューブ内で
再活性化されて凝固を開始する。血液の通過が完了した
後に血栓がどこで発生したかを観察し、その長さを計測
する。結果を表3に示す。
【0031】(評価試験4)また、抗血栓性の耐久性を
観察するために37℃に加温した4規定の食塩水を1週
間循環させた後、評価3と同様な方法にて抗血栓性の評
価を行った。結果を表4に示す。
【0032】(評価試験5)実施例および比較例で得ら
れた複合体をTHFに1%濃度になるように溶解し、医
療用の血液バックに使用されるポリ塩化ビニルシートに
スプレーにて噴霧してコーティングした。このシートを
裁断し、試験管に中に入れて、シート表面のヘパリン活
性をテストチームヘパリンS(第一化学薬品)にて測定
した。一辺が約5mm の正方形状にシートを切断し、これ
を細胞培養用24穴マイクロプレートに入れ、37℃の恒
温容器中にて攪拌しながら、アンチトロンビンIII液と
ファクターXa を添加し、2分後に、基質S-2222を添加
し、10分後に酢酸を添加したものを分光光度計にて40
5nm の吸収を測定する。
【0033】(評価試験6)また、抗血栓性の耐久性を
調べるため、試験管内に生理食塩水を入れて24時間イ
ンキュベートした後に、評価試験5と同様な評価方法に
てシート表面のヘパリン活性を測定した。結果を表6に
示す。
【0034】これらの評価結果から判明するように、本
発明が見いだした複数の、特定の炭素原子の総数を有す
るアンモニウム塩の組み合わせとヘパリンとの複合体が
従来技術である単独のアンモニウム塩とヘパリンとの複
合体と比較して、良好な抗血栓性を有することが明らか
である。
【0035】
【発明の効果】本発明の、複数の、特定の炭素原子の総
数を有するアンモニウム塩の組み合わせとヘパリンとの
複合体は良好な血液適合性を有しており、特に血液と接
触して用いられる医療用具のコーティング材として優れ
た適性を有している。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】
【表5】
【0041】
【表6】
フロントページの続き Fターム(参考) 4C081 AB32 AC08 AC12 BA02 BA05 BB08 CA021 CA031 CA041 CA081 CA121 CA131 CA161 CA201 CA221 CA251 CA271 CA281 CC07 CD062 CG02 CG05 CG08 DA01 DA02 DA03 DA15 DC03 DC14 EA06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機カチオン化合物とヘパリンもしくは
    ヘパリン誘導体とからなるイオン性複合体を含有してな
    る血液適合性組成物であって、該有機カチオン化合物が
    4つの脂肪族アルキル基が結合したアンモニウム塩であ
    り、該アンモニウム塩のうち、4つの脂肪族アルキル鎖
    の炭素原子総数が22以上26以下であるアンモニウム
    塩を全アンモニウム塩の5%以上80%以下の範囲で含
    有することを特徴とする血液適合性組成物。
  2. 【請求項2】 有機カチオン化合物が4つの脂肪族アル
    キル基が結合したアンモニウム塩であり、該アンモニウ
    ム塩のうち、4つの脂肪族アルキル鎖の炭素原子総数が
    22以上26以下であるアンモニム塩を全アンモニウム
    塩の5%以上80%以下の範囲で含有し、残りが炭素原
    子総数27以上のアンモニウム塩である請求項1に記載
    の血液適合性組成物。
  3. 【請求項3】 アルキル基の炭素原子総数27以上のア
    ンモニウム塩がトリアルキルメチルアンモニウム塩であ
    る請求項2に記載の血液適合性組成物。
  4. 【請求項4】 アルキル基の炭素原子総数27以上のア
    ンモニウム塩がジアルキルジメチルアンモニウム塩であ
    る請求項2に記載の血液適合性組成物。
  5. 【請求項5】 アルキル基の炭素原子総数22以上26
    以下のアンモニウム塩がジアルキルジメチルアンモニム
    塩である請求項1乃至4のいずれかに記載の血液適合性
    組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5に記載のイオン性複合体
    が少なくとも血液接触面の一部にコーティングされてな
    ることを特徴とする医療用具。
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