JPH11158095A - アルコール類の製法 - Google Patents
アルコール類の製法Info
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- JPH11158095A JPH11158095A JP32569397A JP32569397A JPH11158095A JP H11158095 A JPH11158095 A JP H11158095A JP 32569397 A JP32569397 A JP 32569397A JP 32569397 A JP32569397 A JP 32569397A JP H11158095 A JPH11158095 A JP H11158095A
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Abstract
によるアルコールの製法の反応速度を向上させ、工業的
に実施可能なアルコールの製法を提供する。 【解決手段】 グリニア試薬とパラホルムアルデヒドを
アルカリの存在下反応させ、次いで生成物を加水分解す
ることを特徴とするアルコール類の製法。
Description
法に関する。詳しくは、グリニア試薬とパラホルムアル
デヒドとの反応によりアルコール類を製造する反応の反
応速度を向上させる改良方法に関する。本発明方法は、
医薬、農薬等の中間体として有用なアルコール類の製造
に好ましく適用される。
よりアルコール類を製造する方法は一般的に知られてい
る。例えば、特開平9−30998号には、m−置換α
−ブロモスチレンに金属マグネシウムを反応させて得ら
れるグリニア試薬を、ホルムアルデヒドあるいはパラホ
ルムアルデヒドと反応させて、農薬などの中間体として
有用なm−置換α−ヒドロキシメチルスチレン誘導体を
製造する方法が示されている。
が困難なため、工業的には固体状のパラホルムアルデヒ
ドが使用される。ところでこの反応はパラホルムアルデ
ヒドが溶媒にほとんど溶解しないため、反応速度はパラ
ホルムアルデヒドの溶媒への溶解速度律速となり、反応
速度は遅くなる。特に使用する溶媒の極性が低い場合に
はパラホルムアルデヒドの溶解度が小さくなり、反応速
度も非常に遅くなることが問題であった。
鑑み成されたものであって、グリニア試薬とパラホルム
アルデヒドの反応によるアルコールの製法の反応速度を
向上させ、工業的に実施可能なアルコール類の製法を提
供することを目的とする。
解決するために鋭意検討した結果、グリニア試薬とパラ
ホルムアルデヒドを反応させる際に、アルカリを添加す
ることによって、反応速度を大幅に向上できることを見
いだした。即ち、本発明の要旨は、グリニア試薬とパラ
ホルムアルデヒドを反応させてアルコールを製造する方
法において、反応をアルカリの存在下実施することを特
徴とするアルコール類の製法に存する。
について説明する。本発明において、グリニア試薬と
は、有機ハロゲン化物と金属マグネシウムとを反応させ
て得られるもので、パラホルムアルデヒドと反応させる
ことによって、アルコール類を製造できるものであれば
特に制限はないが、下記一般式(1)
脂肪族残基を示す。Xはハロゲン原子を示し、nは1以
上の整数を示す。)で示されるグリニア試薬が特に好ま
しい。
ていても良いフェニル基、ピリジル基等の芳香族残基、
アリル基、スチリル基等の置換基を有していても良い不
飽和脂肪族残基またはメチル基、プロピル基等の脂肪族
残基を示す。これらの基は、更に置換基を有していても
良い。nは1が好ましい。更に好ましくは下記一般式
(2)
てもよいベンゼン環を示す。)で表されるグリニア試薬
である。
も良い電子吸引基としては、例えば、メチル基、エチル
基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコ
キシ基、塩素、フッ素などのハロゲン原子、トリフルオ
ロメチル基等のハロアルキル基、ニトロ基、シアノ基等
が挙げられる。上記一般式(1)および(2)におい
て、Xで示されるハロゲン原子としては、臭素原子、ヨ
ウ素原子が特に好ましい。
デヒドの使用量は広い範囲から選ぶことが出来るが、通
常、一般式(1)のグリニア試薬1当量に対し、0.5
〜3当量、好ましくは0.8〜1.5当量の範囲であ
る。反応は通常溶媒を用いて行われる。溶媒としては、
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジブチルエー
テル等のエーテル系溶媒あるいは上記エーテル系溶媒と
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素との
混合溶媒が好ましい。溶媒の使用量は、一般式(1)で
表されるグリニア試薬に対して通常1〜100倍量(重
量)、好ましくは1〜15倍量(重量)である。
パラホルムアルデヒドを添加して行うか、またはパラホ
ルムアルデヒドを溶媒に懸濁させた懸濁液中にグリニア
試薬を含む溶液を添加して行うが、好ましくは後者であ
る。グリニア試薬を含む反応液中にパラホルムアルデヒ
ドを添加して反応を行う場合には、パラホルムアルデヒ
ドは粉体のまま直接添加しても、溶媒に懸濁させて添加
してもどちらでもよいが、好ましくは溶媒に懸濁させて
添加する。
アルデヒドの反応の際、アルカリを存在させることを特
徴とする。本反応で使用されるアルカリとしては、水を
含まないものであれば特に制限はないが、トリメチルア
ミン、トリエチルアミン、DBU(1,8−ジアザビシ
クロ〔5.4.0〕ウンデセン−7)、ピリジン等の有
機アミン類が好ましい。アルカリの使用量は、一般式
(1)で表されるグリニア試薬に対して、0.001〜
10倍量(重量)、好ましくは0.005〜0.1倍量
(重量)である。アルカリの添加法は特に制限はない
が、反応開始前にパラホルムアルデヒドと一緒に反応溶
媒に添加しておくことが好ましい。
応は、通常、−10〜100℃、好ましくは20〜70
℃で30分〜4時間行われる。この反応により、下記一
般式(3)
り。)で表される中間体(マグネシウムコンプレッス
ク)が生成する。
して、加水分解することにより目的とする、下記一般式
(4)
り。)で表されるアルコール類を生成する。酸性水溶液
は塩酸等の鉱酸や塩化アンモニウム等の水溶液が好まし
く使用される。生成したアルコールは溶媒抽出等の通常
の分離手段により反応液から分離され、必要であれば、
蒸留等の手段で精製される。
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
ム1.23g(0.051mol)、テトラヒドロフラ
ン(THF)10ml、トルエン10ml、ヨウ素0.
02gを加えて、水浴で冷却下攪拌を行いながら、30
℃で3−クロロ−α−ブロモスチレン10g(0.04
6mol)をテトラヒドロフラン5mlとトルエン5m
lに溶解した液を30分かけて滴下する。さらに1時間
攪拌して、グリニア試薬調製反応を完結させた。次い
で、反応液を濾過して、液中のマグネシウムを除去した
後、パラホルムアルデヒド1.52g(0.051mo
l)をトルエン20mlに懸濁させてトリエチルアミン
0.2gを加えた液に30℃で2時間かけて滴下し、さ
らに2時間反応を行って、反応を完結させた。この反応
液を経時的に採取し、ガスクロマトグラフィー(GC)
で分析して3−クロロ−α−ヒドロキシメチルスチレン
の生成状態をGC面積%で追跡した結果を表−1に示
す。反応終了後、40℃以下で単蒸留によりTHFを一
部留去し、トルエン20mlを添加した後、25℃で3
規定塩酸水溶液40mlを加えて加水分解し、有機相を
分取した。有機相を水、1%NaOH水溶液、水で順次
洗浄した後、GCにより定量分析したところ、3−クロ
ロ−α−ヒドロキシメチルスチレンの収率は70%(対
3−クロロ−α−ブロモスチレン)であった。
で、反応液中のマグネシウムを除去し、パラホルムアル
デヒド1.52g(0.051mol)をトルエン20
mlに懸濁させた液に30℃で2時間かけて滴下し、さ
らに2時間反応を行って、反応を完結させた。実施例と
同様に、3−クロロ−α−ヒドロキシメチルスチレンの
生成状態をGC面積%で経時的に追跡した結果を表−1
に示す。
体として有用なアルコール類を、グリニア試薬とパラホ
ルムアルデヒドとの反応から合成する際に、反応速度を
著しく増大させ、反応時間を大幅に短縮することが出来
る。したがって、工業的にアルコール類を製造する方法
として極めて有用である。
Claims (4)
- 【請求項1】 グリニア試薬とパラホルムアルデヒドを
アルカリの存在下反応させ、次いで生成物を加水分解す
ることを特徴とするアルコール類の製法。 - 【請求項2】 アルカリが有機アミン類から選ばれるこ
とを特徴とする請求項1に記載のアルコール類の製法。 - 【請求項3】 グリニア試薬が下記一般式(1) 【化1】RMgXn (1) (式中、Rは芳香族残基、不飽和脂肪族残基または脂肪
族残基を示し、Xはハロゲン原子を示し、nは1以上の
整数を示す。)で表される化合物であることを特徴とす
る請求項1または2に記載のアルコール類の製法。 - 【請求項4】 グリニア試薬が下記一般式(2) 【化2】 (式中、Aは電子吸引基を置換していても良いベンゼン
環を示し、Xはハロゲン原子を示す。)で表される化合
物であることを特徴とする請求項3に記載のアルコール
類の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32569397A JP3817351B2 (ja) | 1997-11-27 | 1997-11-27 | アルコール類の製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32569397A JP3817351B2 (ja) | 1997-11-27 | 1997-11-27 | アルコール類の製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11158095A true JPH11158095A (ja) | 1999-06-15 |
JP3817351B2 JP3817351B2 (ja) | 2006-09-06 |
Family
ID=18179666
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32569397A Expired - Fee Related JP3817351B2 (ja) | 1997-11-27 | 1997-11-27 | アルコール類の製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3817351B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002088058A1 (fr) * | 2001-04-23 | 2002-11-07 | Ishihara Sangyo Kaisha, Ltd. | Procede de preparation d'alcools benzyliques |
-
1997
- 1997-11-27 JP JP32569397A patent/JP3817351B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002088058A1 (fr) * | 2001-04-23 | 2002-11-07 | Ishihara Sangyo Kaisha, Ltd. | Procede de preparation d'alcools benzyliques |
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Publication number | Publication date |
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JP3817351B2 (ja) | 2006-09-06 |
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