JPH11156605A

JPH11156605A - 切削工具及びこれに用いるスローアウェイチップ

Info

Publication number: JPH11156605A
Application number: JP34579397A
Authority: JP
Inventors: Tatsuji Kinukawa; 達治絹川
Original assignee: NGK Spark Plug Co Ltd
Current assignee: Niterra Co Ltd
Priority date: 1997-11-30
Filing date: 1997-11-30
Publication date: 1999-06-15

Abstract

(57)【要約】【課題】溝入れ等に使用する板状のバイトチップが真
っ直ぐなシャンクの先端の側面のクランプ用凹部に、立
てた状態でねじ止めされてクランプされてなる切削工具
で、バイトチップのクランプ強度が大きく、その切刃の
高さがシャンクの上面と等しく、さらに装着時にバイト
チップがシャンクの上面より突出しない切削工具を得
る。【解決手段】バイトチップ２１が、シャンク１のクラ
ンプ用凹部に立てた状態でねじ止めされてクランプされ
ている状態で、バイトチップ２１のすくい面２３側がシ
ャンク１の上面７と略同一高さをなし若しくは該上面７
より突出することなく、しかも切刃２５がシャンク１の
上面７と略同一高さをなし、さらにバイトチップ２１の
外側の側面がシャンク１の側面２より突出しないように
した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、溝入れ、突切り、
或いはねじ切りなどの機械加工に使用される切削工具に
関し、詳しくは、自動盤（旋盤）などの刃物台における
切削工具の取付け基準面が同工具のすくい面側とされて
いるような機械で旋削する場合に好適な切削工具及びこ
れに用いるスローアウェイチップに関する。

【０００２】

【従来の技術】こうした切削工具の一例として図１９〜
２２に示したものがあげられる。このものは、バイトチ
ップ（以下、単にチップともいう）５１が例えば略平行
四辺形の板状に形成され、ねじ部材（止めねじ）６１に
よるクランプのためその厚さ方向に貫通する貫通孔２６
を備えている。ただし、このものは、２つの切刃２５を
備えて側面視点対称的に形成されている。そして、シャ
ンク（ホルダ）１は、四角断面で真っ直ぐ（棒状）に形
成されるとともに、同チップ５１をクランプするクラン
プ用凹部（切欠）６をその先端（ヘッド）の側面２に備
えている。このクランプ用凹部６は、バイトチップ５１
の内側の側面（平行四辺形面）を拘束するチップ側拘束
面３と、その底面などの周面２３を拘束するチップ座４
と、その後端面２４を拘束する後壁５とから形成されて
いる。また、チップ側拘束面３には、クランプ用凹部６
にバイトチップ５１を収容した状態において前記貫通孔
２６に対応したねじ孔１０を備えており、その貫通孔２
６を通してねじ孔１０にねじ部材（締付けねじ）６１を
ねじ込むことによってクランプされる構成とされてい
る。

【０００３】ところで、このような切削工具は、クラン
プ用凹部６がバイトチップ５１に対する送り分力（図２
０，２１中矢印Ｐ１）を受圧させるように形成されてい
る。すなわち、図示されるように、チップ側拘束面３か
らその開口側に向かって、チップ座４をシャンク１の上
面７側に向けて傾斜させ、バイトチップ５１の周面２３
の各すくい面側に前記チップ座４に接するような傾斜面
２８を形成している。こうして、側面視、チップ５１の
周面２３はチップ座４により形状的に被せられるように
なっており、したがって、図中、矢印方向の送り分力Ｐ
１を受けても、ねじ部材６１と共にチップ座４が送り分
力を積極的に受圧するようになっており、クランプ強度
が高く保持されるように構成されている。

【０００４】一方、この種の切削工具には、クランプ強
度の増大が図られることも重要であるが、この他、次の
２つの要求にも応えられるのが好ましい。その一つは、
シャンク１にクランプ（装着）された際において、バイ
トチップ５１の切刃（刃先）２５の高さがシャンク１の
上面７と等しくなることである。このようになっている
と、シャンク１の上面７の高さを測定（検出）すること
で、切刃２５の高さ（芯）を出すことができ、したがっ
て、切刃２５の芯出し作業が容易となるためである。

【０００５】また、二つ目は、チップ５１をシャンク１
に装着した際、それがシャンク１の上面７より突出しな
いことである。というのは、図２２に示したように、切
削工具をボックス形の刃物台Ｈのように取付け基準面Ｋ
が切削工具（チップ）のすくい面７側となる小型自動盤
などにセット（装着）する場合には、同図に示したよう
に傾斜面２８が上面７より突出していると、切刃２５を
含む部分Ｌを図示のようにオーバーハングして装着せざ
るを得ず、切削時のビビリ現象を招く原因となるためで
ある。しかも、そのような突出があると、バイトを刃物
台Ｈの背面側から挿入する（差込む）ことでセットする
ことが困難な場合もある。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】こうしたニーズに対
し、前記した切削工具においては、バイトチップ５１の
切刃２５よりも傾斜面２８が高位にあるため、すなわち
切刃２５がそのすくい面２３側の頂部２３ｂより引き下
がっているため、切刃２５をシャンク１の上面７と面一
とすれば、チップ５１のすくい面側の頂部２３ｂがシャ
ンク１の上面７より上に突出し、したがって、前記した
二つ目の要求には応えられない。この場合逆に、チップ
５１がシャンク１の上面７から突出しないようにすれ
ば、切刃２５の高さがシャンク１の上面７より低くなっ
てしまい、前記した一つ目の要求に応えられないことに
なってしまう。

【０００７】すなわち、この種の切削工具には、次の３
つの要求、すなわちバイトチップのクランプ強度が大
きいこと。バイトチップの切刃の高さがシャンクの上
面と等しいこと。装着時にバイトチップがシャンクの
上面より突出しないこと。この３の要求に応えられるの
が好ましいが、前記従来の切削工具では、と、又は
とのいずれかの要求にしか応えられないといった問
題があった。そこで、本発明はこのような三つの要求を
同時に満たすことのできる切削工具を提供することをそ
の目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、溝入れ等に使用する板状のバイトチップ
が、真っ直ぐなシャンクの先端の側面のクランプ用凹部
に、立てた状態でねじ止めされてクランプされてなる切
削工具であって、前記クランプ用凹部は、前記バイトチ
ップの内側の側面を拘束するチップ側拘束面と、バイト
チップの周面を拘束する少くとも１つのチップ座を有
し、しかもそのチップ側拘束面には前記バイトチップの
クランプのためのねじ孔を備えていると共に、該チップ
座は前記チップ側拘束面に対して鋭角をなすように傾斜
状に形成されており、前記バイトチップは、前記クラン
プ用凹部にクランプされた際に、送り分力が受圧される
ように前記チップ座に接する周面が傾斜状をなす傾斜面
を備えていると共にクランプのための厚さ方向に貫通す
る貫通孔を備えており、該バイトチップが、前記シャン
クのクランプ用凹部に立てた状態でねじ止めされてクラ
ンプされている状態において、該バイトチップのすくい
面側がシャンクの上面と略同一高さをなし若しくは該上
面より突出することなく、しかも切刃がシャンクの上面
と略同一高さをなし、さらに該バイトチップの外側の側
面がシャンクの側面より突出しないように構成されてい
ることを特徴とする。

【０００９】前記手段においてバイトチップとしては、
複数の切刃を有するスローアウェイチップが最も適切で
あるが、本発明では切刃の数或いはスローアウェイチッ
プに限定されるものではない。また、バイトチップの周
面とは、溝入れ等のバイトチップ（板）の厚み部位をな
す部分をいい、すくい面側及び前にげ面側などの部位を
いう。なお、前記手段において「バイトチップの周面を
拘束する少くとも１つのチップ座」としたのは、チップ
の形状によってはチップ座は２以上あっても、或いは２
以上に分割されていてもよいためである。

【００１０】本発明においては、バイトチップがシャン
クのクランプ用凹部に立てた状態でねじ止めされてクラ
ンプされている状態において、チップの周面がチップ座
によって送り分力が受圧されるように拘束されている。
その上に、該バイトチップのすくい面側がシャンクの上
面と略同一高さをなし若しくは該上面より突出すること
なく、しかも切刃がシャンクの上面と略同一高さをな
し、さらに該バイトチップの外側の側面がシャンクの側
面より突出しないように構成されていることから、前記
した、、、の三つの要求を同時に満たすものであ
る。

【００１１】そして、上記切削工具に用いるバイトチッ
プとしては、次のものが例示される。まず、溝入れ等に
使用され、立てた状態でねじ止めされてクランプされ
る、２つの切刃を有する略平行四辺形（略菱形）の板状
のスローアウェイチップにおいては、すくい面側をなす
周面のうち切刃の近傍を除く部位と、外側の側面との間
に傾斜状をなす傾斜面を備えており、該傾斜面のうち、
すくい面側の頂部（頂面）が、立てた状態でねじ止めさ
れてクランプされた際に、該すくい面側にある切刃より
高位とならないように形成されているものである。

【００１２】そして、溝入れ等に使用され、立てた状態
でねじ止めされてクランプされる、３つの切刃を有する
３角形の板状のスローアウェイチップにおいては、すく
い面側をなす周面のうち切刃の近傍を除く部位と、外側
の側面との間に傾斜状をなす傾斜面を備えており、該傾
斜面のうち、すくい面側の頂部が、立てた状態でねじ止
めされてクランプされた際に、該すくい面側にある切刃
より高位とならないように形成されているものである。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係る切削工具の一
実施形態例について、図１ないし図１１を参照して詳細
に説明する。図中１は、シャンク（ホルダ本体）であっ
て、略方形断面で真っ直ぐに形成され、その先端面１１
寄りの側面２には、次記するバイトチップ２１の内側の
側面２２ａを拘束するチップ側拘束面３と、周面２３を
拘束するチップ座４と、後端面をなす傾斜辺部位２４ｂ
を拘束する後壁５によって切欠状に凹設されたクランプ
用凹部６を備えている。ただし、図２に示したように、
チップ座４は側面視シャンク１のすくい面側（上面）７
と略平行となるように形成されている。また、側面視、
後壁５は、切削時に主分力を受圧できるように、シャン
ク１の下面９に向かって傾斜状に形成されている。なお
チップ座４と後壁５との間にはにげ部（空所）８が所定
の幅でシャンク１の下面９に開口するように切欠状に形
成されている。１０は、ねじ孔であって、軸線をチップ
側拘束面３に略垂直に設けられている。

【００１４】また、チップ座４は、図３に示したよう
に、チップ側拘束面３に対して鋭角Ａをなすように形成
されている。ただし、本例ではその角度Ａは８５度に設
定されている。そして図４に示したように、本例では後
壁５も、チップ側拘束面３に対して同様に鋭角となるよ
うに形成されている。なお、本例では、シャンク１の先
端面１１と上面７、そして同先端面１１と下面９との各
コーナー１２，１３が側面視面取状にカットされてい
る。

【００１５】一方、本例におけるバイトチップ２１は、
スローアウェイタイプで、図１及び図５〜９に示したよ
うに、略平行四辺形の板状に形成されてなり、側面視に
おける両鋭角部位に切刃２５を備えたものとされてい
る。そして、側面２２ａ，２２ｂにおける対角線のほぼ
交点を中心として点対称的に形成され、さらに同中心に
はねじ部材（止めねじ）６１によるクランプのため、厚
さ方向に貫通するテーパ付きの貫通孔２６を備え、この
貫通孔２６にサラ頭状のねじ部材６１を通して沈頭方式
でクランプ用凹部６のねじ孔１０にねじ込むように構成
されている。なお、チップ２１の板厚はクランプ用凹部
６のチップ側拘束面３の深さ、すなわちシャンク１の側
面２からチップ側拘束面３までの寸法と略同一とされて
いる。

【００１６】また、本例のバイトチップ２１は、その各
すくい面２３側が切刃２５の高さで前にげ面２４からそ
れぞれ後側に向かって平坦に形成されていると共に、刃
先２５から一定寸法おいてすくい面側の外側には所定の
幅で面取状をなす傾斜面２８を備えている。この傾斜面
２８は、チップ座４とほぼ同一角度で傾斜するように形
成されると共に、チップ２１をクランプ用凹部６に収容
した際、チップ座４に安定して当接する長さとされてい
る。そして、チップ２１をクランプした際にはすくい面
２３がシャンク１の上面７と略面一となるように形成さ
れている。なお、チップ２１の各すくい面２３に沿う辺
と前にげ面２４に連なる傾斜辺部位２４ｂは、チップ２
１をクランプした際に側面視、後壁５に略当接するよう
に設定されている。なお、本例では、傾斜辺部位２４ｂ
における厚さ方向にも、後壁５に付された前記傾斜とほ
ぼ同一の傾斜が付与されている。

【００１７】しかして、バイトチップ２１をクランプ用
凹部６に収容し、ねじ部材６１でクランプした際には、
チップ２１の底面をなす側の傾斜面２８とクランプ用凹
部６の後壁５側に当接する傾斜辺部位２４ｂは、チップ
座４と後壁５が、チップ側拘束面３に対してそれぞれ鋭
角をなすように傾斜している分、クランプ用凹部６の周
縁にて被せられた状態でクランプされる。したがって、
本例ではチップ座４と後壁５にて送り分力が受圧され、
多方向の切削抵抗にも安定したクランプ力が確保され
る。なお、本例では、２コーナー仕様の平行四辺形のス
ローアウェイチップとしたため、平行な２つのすくい面
２３側の傾斜面２８のいずれかがチップ座４に拘束され
る周面となる。

【００１８】このように本例では、バイトチップ２１を
クランプ用凹部６に収容した際にはチップ２１のすくい
面２３及び切刃２５の高さがシャンク１の上面７と略同
一となる寸法関係に形成されているため、このチップ２
１をねじ部材６１によって沈頭方式でクランプした時に
は図７〜１０に示したように、バイトチップ２１のすく
い面２３側の頂部および切刃２５がシャンク１の上面７
と略同一高さとなり、さらにバイトチップ２１の外側の
側面２２ｂがシャンク１の側面２より突出することな
く、略面一となる。

【００１９】しかして、このような切削工具を例えば図
９，１１に示したように、自動盤の刃物台Ｈに取り付け
る際、ワークと反対側（図１１右）から挿入するように
してセットする場合でもまったく問題なく使用できる。
そして、チップ２１の先端側への飛びだし量Ｌは、チッ
プ２１の長さに関係なく可及的に小さくできるので、そ
の飛び出し（オーバーハング）に起因する切削時のビビ
リを防止できる。そして、チップ２１のすくい面２３を
基準面Ｋとするようにシャンク１を刃物台Ｈに固定する
場合には、シャンク１の上面７を検出することで、切刃
２５の位置（芯）をだすことができる。

【００２０】なお、一方の切刃２５が寿命となり、もう
一方の切刃２５を使用する場合でも全く同様であること
は明らかである。前記においては、溝いれ用のチップを
クランプした場合で説明したが、ねじ切り用などチップ
をクランプする場合でも全く同様ある。また、前記形態
では、クランプ用凹部６の後壁５をチップ側拘束面３に
対して鋭角となるようにしたが、直角となるようにして
もよい。

【００２１】さて次に別の実施形態について図１２〜１
４に基いて説明するが、このものは前記形態がチップ２
１のすくい面２３側の傾斜面２８をチップ２１の厚さ方
向の半分程度としたのに対し、チップ３１の厚さの全体
に傾斜面３８を形成した点が相違するだけであり、前記
形態の変形とでもいうべきものであるから、同一の部位
には同一の符号を付すに止める。すなわち、このもので
も前記形態と全く同様の効果がある。なお、本発明で
は、チップ２１，３１がクランプされている状態で、チ
ップ２１，３１のすくい面側がシャンク１の上面７と略
同一高さをなし若しくはその上面７より突出することな
く、しかも切刃２５がシャンク１の上面７と略同一高さ
をなすように構成されていればよく、したがって、この
ように構成されているかぎり、すくい面２３が凹設され
ていてもよいし、適宜の形状のチップブレーカーが設け
られていてもよい。

【００２２】さて、次に図１５〜１８を参照して、さら
に別の実施形態について説明する。ただし、このもの
は、三角のバイトチップ４１をクランプしてなる切削工
具であるため、チップ４１の形状及びクランプ用凹部４
６の形状が前記形態とは異なるものの本質的な相違はな
いので、相違点を中心に説明し、同一或いは均等の部位
には同一の符号を付し、適宜のその説明を省略する。

【００２３】本例におけるバイトチップ４１は、スロー
アウェイタイプで、略正三角形の板状に形成されてな
り、側面視における各角部位に切刃２５を備えたものと
され、中心にはクランプのため、厚さ方向に貫通するテ
ーパ付きの貫通孔２６を備え、この貫通孔２６にサラ頭
状のねじ部材６１を通して沈頭方式でクランプ用凹部４
６のねじ孔１０にねじ込むように構成されている。そし
て、チップ４１の板厚はクランプ用凹部４６のチップ側
拘束面３の深さ、すなわちシャンク１の側面２からチッ
プ側拘束面３までの寸法と略同一とされている。

【００２４】また、本例のバイトチップ４１は、周面を
なす３つの各すくい面２３側が切刃２５の高さで前にげ
面２４から後側に向かって所定の範囲、平坦に形成され
ていると共に、その後寄りの外側には所定の幅で面取状
をなす傾斜面２８を備えている。なお、この傾斜面２８
の角度は、次記するシャンク１のチップ座４に略当接す
るように形成されている。

【００２５】一方、シャンク１は、略方形断面で真っ直
ぐに形成され、先端面１１寄りの側面２に、凹設された
クランプ用凹部４６は次のように形成されている。すな
わち、クランプ用凹部４６は、三角チップ４１の内側の
側面を拘束するよう側面視、略三角をなすチップ側拘束
面３と、三角チップ４１の周面をなす二辺を拘束するよ
うにＶ字状に形成された二つのチップ座４を備えてい
る。ただし、シャンク１の後寄り部位のチップ座４は側
面視、シャンク１のすくい面側（上面）７と６０度とな
るように形成されており、またチップ座４相互間の角度
は６０度とされ、また両チップ座４の間にはにげ部（空
所）８が所定の幅でシャンク１の下面９に切欠状に開口
するように形成されている。

【００２６】また、チップ座４は、チップ側拘束面３に
対し、鋭角をなすように形成されている。そしてこのチ
ップ座４は、チップ４１をクランプ用凹部４６に収容し
た際、その周面をなす２つの辺の傾斜面２８が略当接す
る長さとされ、しかもチップ４１のすくい面２３がシャ
ンク１の上面７と略面一となるように形成されている。
なお、本例では、シャンクの先端面１１は上面７に対し
て略直角にカットされている。また、本例では三角（３
コーナー仕様）のスローアウェイチップで、側面視、各
切刃２５については点対称的に形成されており、３つの
すくい面２３のうち２つがチップ座４に接する周面とな
る。

【００２７】しかして、このようなバイトチップ４１
は、これをクランプ用凹部４６に収容した際には、チッ
プ４１のすくい面２３及び切刃２５の高さがシャンク１
の上面７と略同一となる寸法関係に形成されているた
め、同チップ４１をクランプ用凹部４６にクランプした
際には、バイトチップ４１のすくい面２３側の頂部およ
び切刃２５がシャンク１の上面７と略同一高さとなる。
さらにバイトチップ４１の外側の側面２２ｂはシャンク
１の側面２より突出しない。また、チップ４１の２つの
傾斜面２８はＶ字形のチップ座４にて、周縁が被せられ
るようにして拘束され、送り分力が受圧されるよう構成
されている。したがって、前記した実施形態と同様の効
果があることは明らかである。

【００２８】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
においては次のような効果がある。すなわち、本発明に
係る切削工具においては、上記の構成によりチップの周
面はチップ座により、形状的に被せられた構成にあるか
ら、チップ座が送り分力を積極的に受圧する作用を果た
すことができる。したがって、バイトチップのクランプ
強度が大きい。

【００２９】そして、バイトチップがシャンクのクラン
プ用凹部に立てた状態でねじ止めされてクランプされて
いる状態において、バイトチップのすくい面側がシャン
クの上面と略同一高さをなし若しくは該上面より突出す
ることなく、しかも切刃がシャンクの上面と略同一高さ
をなしている。すなわち、バイトチップの切刃の高さが
シャンクの上面と等しいことから、シャンクの上面を検
出することで切刃の芯出しができる。

【００３０】しかも装着時にバイトチップがシャンクの
上面より突出しないし、さらにバイトチップの外側の側
面がシャンクの側面より突出しないように構成されてい
ることから、ボックス形の刃物台のように取付け基準面
がバイトのすくい面側にあるような小型自動盤などにセ
ット（装着）する場合でもオーバーハングを低減でき、
したがって、バイトのオーバーハングの大きさに起因す
る切削時のビビリ現象を防止できる。さらに、バイトを
刃物台の背面側から挿入することができるので、バイト
の交換ないしその固定などの段取りが容易となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る切削工具の一実施形態例を示す一
部省略分解斜視図。

【図２】図１の切削工具をなすシャンクの要部をチップ
側拘束面側からみた図。

【図３】図１の切削工具をなすシャンクをその先端面側
からみた一部破断面図。

【図４】図１の切削工具をなすシャンクの要部をその上
面側からみた図。

【図５】図１の切削工具をなすバイトチップを外側の側
面側からみた斜視図。

【図６】図１の切削工具をなすバイトチップを内側の側
面側からみた斜視図。

【図７】本発明に係る切削工具の一実施形態例を示す一
部省略斜視図。

【図８】本発明に係る切削工具の一実施形態例を示す要
部の平面図。

【図９】本発明に係る切削工具の一実施形態例を示す要
部の側面図。

【図１０】本発明の一実施形態例である切削工具を先端
面側からみた図。

【図１１】本発明の一実施形態例である切削工具をその
すくい面側を基準面とする刃物台に装着した図。

【図１２】本発明に係る切削工具の別の実施形態例を示
す一部省略分解斜視図。

【図１３】本発明に係る切削工具の別の実施形態例を示
す一部省略斜視図。

【図１４】図１３の切削工具を先端面側から見た図。

【図１５】本発明に係る切削工具の別の実施形態例を示
す要部の分解斜視図。

【図１６】本発明に係る切削工具の別の実施形態例を示
す要部の斜視図。

【図１７】図１６の切削工具を先端面側から見た図。

【図１８】本発明に係る切削工具の一実施形態例を示す
要部の側面図。

【図１９】従来の切削工具を示す一部省略分解斜視図。

【図２０】従来の切削工具を示す一部省略斜視図。

【図２１】従来の切削工具を先端面側から見た一部破断
面図。

【図２２】従来の切削工具をそのすくい面側を基準面と
する刃物台に装着した図。

【符号の説明】

１シャンク２シャンクの側面３チップ側拘束面４チップ座５後壁６，４６クランプ用凹部７シャンクの上面１０ねじ孔２１，３１，４１バイトチップ２２ａ，２２ｂバイトチップの側面２３バイトチップのすくい面２３ｂ傾斜面のすくい面側の頂部２５切刃２６貫通孔２８，３８傾斜状をなす傾斜面６１ねじ部材Ｐ１送り分力

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】溝入れ等に使用する板状のバイトチップ
が、真っ直ぐなシャンクの先端の側面のクランプ用凹部
に、立てた状態でねじ止めされてクランプされてなる切
削工具であって、前記クランプ用凹部は、前記バイトチップの内側の側面
を拘束するチップ側拘束面と、バイトチップの周面を拘
束する少くとも１つのチップ座を有し、しかもそのチッ
プ側拘束面には前記バイトチップのクランプのためのね
じ孔を備えていると共に、該チップ座は前記チップ側拘
束面に対して鋭角をなすように傾斜状に形成されてお
り、前記バイトチップは、前記クランプ用凹部にクランプさ
れた際に、送り分力が受圧されるように前記チップ座に
接する周面が傾斜状をなす傾斜面を備えていると共にク
ランプのための厚さ方向に貫通する貫通孔を備えてお
り、該バイトチップが、前記シャンクのクランプ用凹部に立
てた状態でねじ止めされてクランプされている状態にお
いて、該バイトチップのすくい面側がシャンクの上面と
略同一高さをなし若しくは該上面より突出することな
く、しかも切刃がシャンクの上面と略同一高さをなし、
さらに該バイトチップの外側の側面がシャンクの側面よ
り突出しないように構成されていることを特徴とする切
削工具。
【請求項２】前記バイトチップが、複数の切刃を有す
るスローアウェイチップである請求項１記載の切削工
具。
【請求項３】溝入れ等に使用され、立てた状態でねじ
止めされてクランプされる、２つの切刃を有する略平行
四辺形の板状のスローアウェイチップにおいて、すくい
面側をなす周面のうち切刃の近傍を除く部位と、外側の
側面との間に傾斜状をなす傾斜面を備えており、該傾斜
面のうち、すくい面側の頂部が、立てた状態でねじ止め
されてクランプされた際に、該すくい面側にある切刃よ
り高位とならないように形成されていることを特徴とす
るスローアウェイチップ。
【請求項４】溝入れ等に使用され、立てた状態でねじ
止めされてクランプされる、３つの切刃を有する略三角
形の板状のスローアウェイチップにおいて、すくい面側
をなす周面のうち切刃の近傍を除く部位と、外側の側面
との間に傾斜状をなす傾斜面を備えており、該傾斜面の
うち、すくい面側の頂部が、立てた状態でねじ止めされ
てクランプされた際に、該すくい面側にある切刃より高
位とならないように形成されていることを特徴とするス
ローアウェイチップ。