JP2018103355A - スレッドワーリング加工用の切削工具、及び切削インサート - Google Patents

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Abstract

【課題】スレッドワーリング加工用の切削工具において、切削インサートの切れ刃をすくい面側で再研磨した後、そのインサートのカッタ本体への固定に際し、再度の刃先位置の調整を要せず、その交換作業ができるようにする。【解決手段】切削インサート201は、等脚台形で板状をなし、下底と各脚との内角を刃物角αとし、下底の端にすくい面213を有する切れ刃210を備えるものとし、カッタ本体101のクランプ部位は、インサート201のすくい面側表面213bを第1被拘束面として拘束する第1拘束壁面323と、インサート201の前逃げ面側表面215bを第2被拘束面として拘束する第2拘束壁面325とを備えるものとし、その固定時の刃先211の突出方向の位置決めを、第1拘束壁面323に第1被拘束面を、第2拘束壁面325に第2被拘束面を、それぞれ押し付けることによって受け持たせた。【選択図】図3

Description

本発明は、スレッドワーリングによるねじ加工に使用される切削工具、及びその切削工具に適する切削インサートに関する。
被削材である軸部材(丸棒)の外周面におねじ(以下、「ねじ」ともいう)を形成する加工法には種々のものがあり、その1つにスレッドワーリング加工法がある。この加工法は、被削材である軸部材(素材)を、低速回転(例えば、5〜50rpm)させながら、その1回転で、形成するねじ(1条ねじ)の1リード分を軸線方向に送る一方、1又は複数の切削インサート(又はバイト)の切れ刃(刃先)を、軸部材の外径より大きく、それに内接するような円軌道で、同じ回転方向に高速回転(例えば、2000〜7000rpm)させ、その円軌道の1か所において、ねじのリード角に対応する方向の切削が得られるよう、そのリード角分の傾斜が付く状態において、ねじ山分の切り込みで断続切削を行うというものである。この加工方法によれば、1回の軸部材の送りでその先端から後方に向かう所定範囲にねじを切ることができるため、ねじ山の高いねじやねじ長の長いねじ、或いはリードが大きいといった構造のねじ加工に用いられている。
ところで、上述したスレッドワーリング加工に使用される切削工具は、加工機械のスピンドルヘッドに、環状をなすカッタ本体(切削工具本体)を介して取り付けられる。一方、ねじ加工用の1又は複数の切削インサートは、この環状をなすカッタ本体における所定位置(クランプ部位)に、その環状の内側において、刃先を被削材である軸部材の切り込み方向に突出させて位置決め、固定される。このような切削インサートを固定するための基本的構造は、例えば、カッタ本体に取付けられるホルダのクランプ部位(ポケット)に切削インサートを固定し、それが固定されたホルダをカッタ本体の所定位置(ホルダ取付け部)に固定する構成を有する。このようなホルダの固定においては、ボルトによるねじ締め等で、加工する軸部材の外径(ねじ径)等に応じ、その固定位置を調節することで、刃先位置(径方向、周方向)の調整、位置決めが行われる。このほか、刃先位置調整装置付きホルダを用い、このホルダに切削インサートを取り付けたものをカッタ本体に固定し、ホルダが備える調整装置でその調整を行うものも知られている。
このようなねじ加工に使用される切削インサートには、例えば、平行四辺形、台形、三角形等の多角形板状をなし、その鋭角コーナ(刃先)を挟んで、すくい面、前逃げ面を有する切れ刃を備えるものがある。このような切削インサートは、例えば、ホルダにおけるクランプ部位(ポケット)の底面に、切削インサートの板状部のうち、クランプ部位への固定用の基部の面(板主面)をあてがい、すくい面と反対側の面(基部の底面)をポケットの主座面に、そして、前逃げ面と反対側の面(基部の背面)をポケットの別の座面にあてがうことで位置決めをして固定される(特許文献1、特許文献2)。そして、その固定は、穴付きの切削インサートでは、その板主面に設けられた穴にねじ部材を通してポケットの底面のねじ穴にねじ込むことによるというのが普通である。
ところで、スレッドワーリング加工においても、切削インサートの刃先の摩耗や欠けの発生等により、切れ味が低下した場合には、それを使い捨てるスローアウェイ方式と、切れ刃を再研磨(再研削)して切れ味を戻し、再使用する方式とがある。再研磨方式では、新品(未使用)の切削インサートに付与された研磨代分、研磨回数に応じ、工具寿命の延長を図ることができる。このように再研磨(以下、研磨ともいう)して使用される切削インサートについての、その研磨は、通常、すくい面の平面研磨とされる。というのは、ねじ切り用の切削インサートにおける切れ刃は、これをすくい面から見たときの形状(刃先形状)、すなわち、切れ刃を形成する逃げ面は、加工するねじ山、ねじ溝(例えば、三角ねじであれば三角)に対応する凸(凸凹)形状のものとなり、単純な平面研磨で対応できないのに対し、すくい面の研磨においては平面研磨で済むためである。
特開平10−58233号公報 特開2008−296311号公報
しかし、上記構造の切削インサートのすくい面を再研磨する場合には、刃先部分は研磨分、肉が除去されるから、研磨後の切削インサートは、除去された研磨代分、すくい面が研磨前(元)の面より低位となる。一方、ねじ切り用の切削インサートにおける切れ刃をなす、すくい面と前逃げ面とのなす切れ刃の角度(以下「刃物角」という)は、通常、鋭角である。したがって、このような切れ刃を研磨すると、刃先は研磨前の元の位置よりも刃先から離間する方向に変位する(後退する)。このため、再研磨した切削インサートを、ホルダのクランプ部位(ポケットの元の位置)に戻し、上記したように、すくい面と反対側の面(底面)をポケットの主座面に、そして、前逃げ面と反対側の面(背面)をポケットの別の座面にあてがって位置決めすると、刃先の位置は、研磨前における元の位置(刃先位置)から、研磨量分、底面(下方)側、かつ、背面側(後方)に変位し、研磨前とは異なる刃先位置となってしまう。したがって、要求される加工精度次第、或いは再研磨の量次第ではあるが、そのままでの使用はできないことがある。
というのは、通常の旋削によるねじ切り加工のように、切れ刃に適度の切り込みを付与した横送りによる切削を、切り込みを少しずつ増やし、複数回、繰り返し行う加工形態では、刃先位置が多少異なるとしても、その切り込み量を変化させることで対応できるが、スレッドワーリング加工では、このような対応ができないためである。すなわち、スレッドワーリング加工のように、最初からねじ山の高さ分の切り込みが得られるようにして、1回の横送りで加工を終了するようにしたねじ加工形態では、刃先の位置の変位は、即、加工寸法(精度)に影響する。
このため、上述した位置決め構造の切削インサートを再研磨後にホルダへ戻して固定する場合には、通常、その固定後、ホルダのカッタ本体に対する固定位置を調整する必要がある。そして、このような調整作業は、再研磨のたびに必要となるため、再研磨して使用する場合には、その調整作業時間が増え、切れ刃の交換作業ないし加工効率の低下を招いてしまう。なお、ホルダが備える調整装置で刃先の微調整ができる刃先位置調整装置付きホルダを用いるとしても、調整作業自体の省略はできない。
本発明は、スレッドワーリング加工に使用される切削工具において、切削インサートの切れ刃を再研磨した後のその切削インサートのカッタ本体への固定に際し、再度の刃先位置の調整を省略して、簡易、迅速に、その交換作業ができるスレッドワーリング加工用の切削工具(以下、切削工具又は単に工具ともいう)、及び該工具に適する切削インサートを提供することを目的としてなされたものである。
請求項1に記載の発明は、環状をなすカッタ本体と、そのクランプ部位、又は該カッタ本体に取付け位置が調整可能に取付けられたホルダにおけるクランプ部位に固定された切削インサートとを含み、該切削インサートを、その切れ刃の刃先を該カッタ本体の環状内側において被削材の切り込み方向に所定量突出させて位置決めしてなるスレッドワーリング加工用の切削工具であって、
前記切削インサートは、その切れ刃と、前記クランプ部位への固定用の基部を備え、該切れ刃を構成するすくい面と前逃げ面との交角である刃物角が鋭角をなし、該すくい面及び前記基部におけるすくい面側表面とが、仮想一平面に接するように形成され、かつ、再研磨用に所定の研磨代を備えていると共に、
前記基部における前逃げ面側表面は、前記刃物角をあらわすとき、該前逃げ面側表面に沿って引いた直線と前記すくい面との交角が、該刃物角の角度と同じに形成されており、
前記クランプ部位は、前記すくい面側表面を第1被拘束面として拘束する第1拘束壁面と、前記前逃げ面側表面を第2被拘束面として拘束する第2拘束壁面とを備えており、
該クランプ部位への前記切削インサートの固定における前記刃先の突出方向の位置決めを、前記第1拘束壁面に前記第1被拘束面を、前記第2拘束壁面に前記第2被拘束面を、それぞれ押し付けることによって受け持たせていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記切削インサートの該すくい面及び前記基部におけるすくい面側表面とが、一平面をなしていることを特徴とする請求項1に記載のスレッドワーリング加工用の切削工具である。
請求項3に記載の発明は、前記切削インサートの前記前逃げ面及び前記基部における前逃げ面側表面とが、一平面をなしていることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載のスレッドワーリング加工用の切削工具である。
請求項4に記載の発明は、前記切削インサートは、等脚台形で板状をなし、この等脚台形における下底と各脚との内角を刃物角とし、その下底の両端にそれぞれすくい面を有する構造で2つ、同じ切れ刃を備えるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のスレッドワーリング加工用の切削工具である。
請求項5に記載の発明は、切れ刃と、クランプ部位への固定用の基部を備える切削インサートであって、
該切れ刃を構成するすくい面と前逃げ面との交角である刃物角が鋭角をなし、該すくい面及び前記基部におけるすくい面側表面とが、仮想一平面に接するように形成され、かつ、再研磨用に所定の研磨代を備えていると共に、
前記基部における前逃げ面側表面は、前記刃物角をあらわすとき、該前逃げ面側表面に沿って引いた直線と前記すくい面との交角が、該刃物角の角度と同じに形成されており、
前記すくい面側表面と前記前逃げ面側表面とが、前記クランプ部位への固定における被拘束面をなすものとして形成されてなることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、前記切削インサートの該すくい面及び前記基部におけるすくい面側表面とが、一平面をなしていることを特徴とする請求項5に記載の切削インサートである。請求項7に記載の発明は、前記切削インサートの前記前逃げ面及び前記基部における前逃げ面側表面とが、一平面をなしていることを特徴とする請求項5又は6のいずれか1項に記載の切削インサートである。請求項8に記載の発明は、前記切削インサートは、等脚台形で板状をなし、この等脚台形における下底と各脚との内角を刃物角とし、その下底の両端にそれぞれすくい面を有する構造で2つ、同じ切れ刃を備えるものであることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の切削インサートである。
本願における切削インサート(ねじ加工用の切削インサート)において、前逃げ面は、加工するねじが、例えば台形ねじのように、ねじ(ねじ溝)の谷底が、ねじの軸線に平行であるため、その谷底を加工するその軸線に平行な前切れ刃がある切れ刃では、その前切れ刃の逃げ面が前逃げ面であるが、例えば三角ねじや丸ねじのように、平行な谷底のないねじの加工に使用される切れ刃のように、すくい面における刃先の先端が角や円弧となるものでは、その先端を前切れ刃といい、その前切れ刃に対応する逃げ面を前逃げ面とする。
請求項1に記載の本発明の切削工具では、切れ味低下が生じた場合、切削インサートを取り外して、該すくい面及び前記基部におけるすくい面側表面を、刃先の摩耗や欠け等の損傷部分が除去されるよう、その全体において同一研磨代で平面研磨する。この平面研磨(再研磨)後の切削インサートは、すくい面及び、第1被拘束面を含むすくい面側表面が、研磨代分、低位となるが、上記本願発明の構成に基き、これを、研磨前と同様、前記刃先の突出方向の位置決めをすることにより、研磨量の大小、回数に関係なく、刃先位置は元の位置となる。すなわち、研磨後の切削インサートは、研磨前の状態から、クランプ部位の第2拘束壁面に沿い、かつこれをガイドとして第2被拘束面をスライドさせて、第1被拘束面が第1拘束壁面に当たるまで、研磨代分、平行移動するだけである。したがって、研磨後の刃先位置は元の位置になる。よって、本発明によれば、従来のように、再研磨ごと、固定における位置決め調整作業を要しないから、簡易、迅速に刃先を正しい刃先位置に戻すことができる。よって、切れ刃の交換作業、ひいては加工の効率化が図られる。
また、本発明では、請求項1に記載の構成を有する切削インサートであればよく、該すくい面及び前記基部におけるすくい面側表面には、その一部に凹部があっても、仮想一平面に接するように形成されていればよいが、請求項2に記載のように、その両者が一平面をなしているのが構造の単純化のために好ましい。そして、前記基部における前逃げ面側表面については、前記刃物角をあらわすとき、該前逃げ面側表面に沿って引いた直線と前記すくい面との交角の大きさが、該刃物角の角度と同じに形成されていればよい。すなわち、前記基部における前逃げ面側表面が、該前逃げ面の前逃げ角と同じ角度をなすように、前記刃物角をあらわすときに該前逃げ面において引いた直線と平行、又は同一直線状に形成されていればよく、その両者は、必ずしも一平面になくともよい。ただし、請求項3に記載のように、一平面をなしているものとするのが構造の単純化のために好ましい。
前記切削インサートは、刃先の位置決めのためには、1つの切れ刃を有するものであってもよいが、前記すくい面が前記すくい面側表面を挟み、一平面において刃先が相互に外向きをなし、2つの切れ刃を備える構造のものとするとよい。このようにすれば、前記すくい面及びすくい面側表面全体を平面研磨することで、2つの切れ刃を同時研磨できるため、同じ研磨作業コストで、切れ刃寿命を2倍に延長できるから、切削インサートの低コスト化が図られる。
そしてこのような場合には、請求項4に記載のように、前記切削インサートが、等脚台形で板状をなすものとするのがよい。このものでは、すくい面(台形の下底)と対向する底面(台形の上底)が、すくい面と平行となるため、その台形の上底となる面を、すくい面の研磨時における基準面とすることで、平面研磨の簡易化が図られるためである。すなわち、本発明に使用される切削インサートは、これを例えば平行四辺形で板状をなすものとし、2つの切れ刃を、その2つの鋭角を刃物角とするものとしても具体化できるが、請求項4に記載のように、等脚台形とすることで、1回の研磨で2つの切れ刃の再生ができるためである。
請求項5〜請求項8に記載の切削インサートは、請求項1〜請求項4に記載のスレッドワーリング加工用の切削工具を構成する環状をなすカッタ本体のクランプ部位、又は該カッタ本体に取付け位置が調整可能に取付けられるホルダにおけるクランプ部位に対し、固定される切削インサートとして適する。しかし、請求項5〜請求項8に記載の切削インサートは、スレッドワーリング加工用の切削工具だけでなく、旋削で横送りを伴う通常のねじ加工に用いられる切削工具(バイト)や、旋削によるそれ以外の加工に用いられる切削工具を構成するものとしても適用できる。すなわち、前記カッタ本体ではなく、切削工具がバイトであり、これを構成するバイト用のホルダのように、その先端部に設けられるインサート固定用のクランプ部位に、前記すくい面側表面と前記前逃げ面側表面とを2つの被拘束面として拘束するための2つの拘束面が設けられているものでは、そのクランプ部位への固定においても、再研磨ごと、固定における刃先の位置決め調整作業を要しないから、簡易、迅速に刃先を正しい刃先位置に戻すことができる。よって、旋盤による通常のねじ加工やその他の加工においても、切れ刃の交換作業、ひいては加工の効率化が図られる。
このように、請求項5〜請求項8に記載の切削インサートは、スレッドワーリング加工用に限られるものでない。すなわち、バイト用のホルダにおけるインサート固定用のクランプ部位が、該切削インサートの前記すくい面側表面を第1被拘束面として拘束する第1拘束壁面と、前記前逃げ面側表面を第2被拘束面として拘束する第2拘束壁面とを備えており、該クランプ部位への前記切削インサートの固定における前記刃先の突出方向の位置決めを、前記第1拘束壁面に前記第1被拘束面を、前記第2拘束壁面に前記第2被拘束面を、それぞれ押し付けることによって受け持たせる構成を有するホルダを用いる切削工具にも適用でき、その適用時においても上記したのと同様、切れ刃の交換作業、ひいては加工の効率化が図られる。
本発明に係る、スレッドワーリング加工用の切削工具の一実施形態例を説明する斜視図。 図1のスレッドワーリング加工用の切削工具を正面から見た図(正面図)。 図2のP1部分の拡大図。 Aは図2の右側面図、Bは図2のS1−S1線断面図。 図1,2の切削工具に使用しているねじ切り用の切削インサートを説明する斜視図(拡大斜視図)。 図5の切削インサートを各面から見た図であって、Aは刃物角αをあらわすときの正面図(矢印A1から見た図)、Bはすくい面側から見た図(矢印A2から見た図)、Cは前逃げ面側から見た図(矢印A3から見た図)、Dは底面から見た図、EはAの中央縦断面図。 図1,2の切削工具を構成するカッタ本体を説明する正面図。 図1,2の切削工具を構成するカッタ本体に取付けられているホルダを説明する図(拡大図)であって、Aは正面図、Bはその右側面図。 図1、図2の切削工具においてホルダに固定されている切削インサートを示したもので、Aは、新品時の固定状態、Bはすくい面側の再研磨後の固定状態のそれぞれ正面図。 ホルダに固定されている別例の切削インサートを示したもので、Aは、新品時の固定状態、Bはすくい面側の再研磨後の固定状態のそれぞれ正面図。
本発明のスレッドワーリング加工用の切削工具を具体化した実施の形態例について、図1〜図8を参照しながら詳細に説明する。ただし、本例の切削工具100は、環状をなすカッタ本体101と、切削インサート201、そして、この切削インサート(以下、インサートともいう)201を固定した状態で、カッタ本体101に取付けられているホルダ301等から構成されている。これらについての詳細は後述するが、その全体概要(図1〜図4参照)は、本例では、切削工具100の正面視(図2)において、インサート201を2個、点対称配置で備える構造のものとされており、カッタ本体101の正面103の所定位置には、ホルダ301を取り付けるための凹部105が、点対称配置で形成され、ここに2つのホルダ301がボルト締めで取り付けられている。そして、各ホルダ301にはねじ切り加工用の切削インサート201が、その切れ刃の刃先をカッタ本体101の環状内側において被削材(図示せず)の切り込み方向に所定量突出させ、切削工具100の回転中心Oと一定寸法Kを保持するようにして位置決めされている(図3参照)。以下、これらについて順次、詳述するが、カッタ本体101の各部位は、正面視、点対称形状を呈しており(図2参照)、そして、主要部品である2つの切削インサート201、ホルダ301もそれぞれ同じものであり、かつ、点対称配置を呈しているため、それぞれ一方について説明する。
まず本例で固定されている切削インサート201について説明する(図3〜図6等参照)。本例の切削インサート201は、その全体形状が等脚台形で一定厚さをなす台形板材をベースに形成されており、切れ刃210は、この等脚台形における下底(平行な2辺のうちの長辺。図6−Aの上の辺)と各脚との内角(鋭角)を刃物角αとして、その各コーナに形成されている。すなわち、切れ刃210は、鋭角を挟む台形の下底をなす面のうち、その各鋭角(コーナ)寄り部位をすくい面213とし、同鋭角を挟む台形の脚をなす面のうち、その各鋭角(コーナ)寄り部位を前逃げ面215とし、2つ形成されている。なお、本例では、台形ねじ加工用の切れ刃210とされているため、すくい面213の刃先211の形状は、そのねじ底(谷形状)に対応する台形凸形状を呈している(図5、図6等参照)。ただし、本例では、切れ刃210は、台形板材における鋭角部分の肉を、台形板材の両面(板主面)221において適量、その鋭角側を傾斜状(2等辺三角形状)にカット(切除)することで、その傾斜カット面(刃先211を向く面)223において、切れ刃210が突出する形で形成されている。結果、本例の切削インサート201は、このようなカットに対応して形成された切れ刃210と、それ以外の相対的に厚肉の基部230とからなっている。なお、前記したカット量は、すくい面213側から見て(図6−B参照)、台形板材(基部)の両面221において異なり、切れ刃210が一方に偏在するものとされている。ただし、切れ刃210の交換時の固定において、基部230の厚み(両面間寸法)方向における位置が同じとなるように、2つの切れ刃210は点対称配置をなしている。なお、このような切れ刃210の偏在は、ねじ切り加工時において被削材の回転支持側にできるだけ近接する位置に切れ刃210を位置させることで、加工精度を高めるためである。
本例のインサート201における切れ刃210のすくい面213側から見たときの形状は、ねじ底を加工するねじ軸に平行な前切れ刃210aと、ねじ山の斜面を加工する両側の横切れ刃210bとから構成されるが、このような切削インサート201は、すくい面213及び基部230におけるすくい面側表面213bに適度の研磨代Tが付与されている。そして、その平面研磨後においても、切削に預かるすくい面213の台形凸形状の切れ刃210には、ねじ加工に影響が生じないように形成されている。すなわち、前逃げ面215は、新品(未使用)時の前切れ刃210aの幅で、刃先211から離間する方向(インサート201の底面(台形の上底)240)に延びており、前切れ刃210aを挟む2つの横切れ刃210bのすくい面213における傾斜は研磨が進んでも一定に保持されるよう、横逃げ面216には横逃げ角が付けられていない。ただし、要求される加工精度次第では、微小角度の横逃げ角を付けることもできる。なお切れ刃210の切り込み方向の新品時における寸法は、すくい面213側の再研磨後においても、その必要な寸法が確保されるように、付与された研磨代に対応して長めに設定されている。
一方、切削インサート201のすくい面213及び基部230におけるすくい面側表面213bは、本例では一平面を呈している。他方、基部230における前逃げ面側表面215bは、刃物角αをあらわすときに、前記すくい面213において引かれる直線の、相手方をなす前逃げ面215において引かれる直線に接するように形成されている。これにより本例では、前逃げ面215及び基部230における前逃げ面側表面215bは、一平面をなすように形成されている。
本例の切削インサート201は、ねじ止めでホルダ301におけるクランプ部位に固定する方式のものであり、基部230の中央にはねじ部材(クランプスクリュー250)を通す穴235が設けられている。ただし、この穴235は、2つの切れ刃210の交換において、異なる台形面に反転させるため、その両面221にそれぞれ設けられたザグリ面233において形成されている。この穴235は、等脚台形における下底の中心に垂直に引いた直線上に延びる長穴で、しかも、下底寄り側に対し上底寄り側が幅の広い長穴とされている。これは、再研磨後のホルダ301への取付けにおいては、研磨代Tに対応して、すくい面213を研磨代分、前逃げ面215に沿って鋭角方向(矢印H方向。図9参照)に平行移動させることになるため、このようにしておくことで、ねじ止めに支障なく、研磨代Tを大きく確保できるためである。なお、このような切削インサート201は、クランプスクリュー250によるねじ止めだけでなく、インサート201の底面240寄り部位において、後述するように押え具401にて押え付けられるようにされている。そして、その押え付けにおいて、切削主分力と、背分力に対抗させるため、切削時の切れ刃210コーナと対角方向に位置することになるコーナ寄り部位に、平面カット状に傾斜面243が付けられている。この押え付けにより、刃先211位置の変位防止を図るものであるが、切削抵抗が小さいような加工で、クランプスクリュー250によるねじ止めで足りる場合には、これは必須ではない。
一方、カッタ本体101は、加工機械のスピンドル(回転軸)ヘッドSHに、その取付け面(背面)110においてボルト締めによって取付けられるよう、適所にボルト穴104を備えると共に、回転軸(回転中心O)方向に適度の厚みを有し、中心に送られる被削材(軸部材)を通す貫通部120を有する外周面が円筒状の円環状を呈している(図1〜図4、図7等参照)。このカッタ本体101のうち、スピンドルヘッドSHの正面への取付け面110と反対側の面(カッタ本体101の正面103。図2の正面)には、上述したように、正面視、矩形状で、一定深さをなすホルダ301固定用の凹部105が、点対称配置で、それぞれ外周面と貫通部120に開口するように切り込み形成されている。この凹部105には、その平坦な底面106から立ち上がり、平行な対向配置の壁107、108を有しており、この両壁107,108に挟まれるように、次に説明するホルダ301が着座状にその底面106に配置され、その底面106に設けられた、二か所のねじ穴109にホルダ固定用ボルト350にてボルト締めで取り付けられている(図7参照)。
すなわち、カッタ本体101の凹部105に取付けられているホルダ301は、凹部の底面106から立ち上がる平行な対向配置の壁107,108に対向するスライド面304、305を備えており、このスライド面304、305を介して壁107,108に沿い、カッタ本体101における位置調節のため、カッタ本体101における外周面と貫通部120との方向にスライド可能とされている。そして、ホルダ301における、カッタ本体101に対するスライド面304、305のうち、凹部105の対向配置の両壁107,108寄りに位置する部位には、長穴307が設けられており、ホルダ301は、所定位置において、上記したねじ穴109に、この長穴307からねじ部材(ホルダ固定用ボルト350)を通し、その位置の調節後にねじ込むことでカッタ本体101に固定されている。
一方、このホルダ301は、正面視、略L字形で、一定厚さのブロック状をなすものであるが、カッタ本体101の正面(表面)103より突出しない高さをなして、取り付けられている。そして、カッタ本体101の平行な対向配置の壁107、108に対向する中間部位に、クランプ部位(凹部)310が凹設されており、上述した構成の切削インサート201は、この凹部310の底面313に、台形板材の一方の板主面221を着座させて位置決め、固定されている。すなわち、このクランプ部位(凹部)310は、その平坦な底面313から立ち上がる形で、上述したインサート201のすくい面側表面213bを第1被拘束面として、そして、前逃げ面側表面215bを第2被拘束面として、それぞれ拘束するため、正面視、それぞれ直線状をなし、刃物角αと同一角度をなす2つの拘束壁面、すなわち、第1拘束壁面323、第2拘束壁面325が設けられており、インサート201は、この第1拘束壁面323、第2拘束壁面325に、それぞれ、すくい面側表面(第1被拘束面)213b、前逃げ面側表面(第2被拘束面)215bを拘束させて位置決めを受け持たせて固定されている。これにより、インサート201は、その拘束状態において、カッタ本体101の貫通部120の中央部に向けて、刃先211を適量突出させ、適度のすくい角、前逃げ角が付く体勢をなし、刃先211が回転中心Oから所定寸法Kを保持されるように設定されている。
なお、インサート201は、その基部230に設けられた穴(長穴)235にクランプスクリュー250を通し、これをホルダ301のクランプ部位(凹部)310の底面313に設けられたねじ穴315にねじ込むことで固定されている。また、本例では、インサート201の固定のため、上述したように、押え具401にて、切削インサート201の底面240寄り部位を押え付けている。この押え具401は、図8等に示したように、ホルダ301におけるインサート201の底面240側の部位からスライド状に挿入され、インサート201をすくい面213側に押し上げた状態で、押え具固定用ボルト450でボルト締めすることで、押え付け、固定するように設定されている。そして、この押さえつけでは、切削主分力と、背分力に対抗させるため、切削時の切れ刃210コーナと対角方向に位置することになるコーナ寄り部位に設けられた平面カット状の傾斜面243を押え付けている。なお、ホルダ301の凹部の底面313には、押え具固定用ボルト450をねじ込むためのねじ穴415が設けられており、押え具401に設けられた穴410に押え具固定用ボルト450を通し、その締め付けにより、その固定がなされている。ただし、押え具401に設けられている穴410は、すくい面213及びすくい面側表面213bの研磨に対応して、押え付け位置が変化することに対応し、長穴とされている。
しかして、加工機械のスピンドルヘッドSHに取付けられたカッタ本体101に仮止めされているホルダ301のクランプ部位(凹部)310に、インサート201を配置し、すくい面側表面213bを第1被拘束面として第1拘束壁面323に拘束させ、前逃げ面側表面215bを第2被拘束面として第2拘束壁面325に拘束させて、上述したようにインサート201をねじ止めする。そして、前記したように押え具401をホルダ301にボルト締めすることで切削インサート201をホルダ301に位置決め、固定する。さらに、そのインサート201における刃先211の位置が、被削材である軸部材のねじ径、ねじ山高さに対応する所望とする刃先211の位置(回転中心Oからの寸法K)となるように、カッタ本体101に対するホルダ301の位置を、ホルダ301の長穴307の範囲において調節後、ホルダ固定用ボルト350を締める。かくして得た、図1、図2に示した切削工具100により、以後は、従来同様にスレッドワーリング加工を行うことができる。
そして、その加工工程で、新品時の切削インサート201における切れ刃210が摩耗等により切れ味が低下した場合には、一旦、加工を休止し、切削インサート201をホルダ301から取り外し、未使用のコーナの切れ刃210で切削するように、上述したのと同様にして、切れ刃210の交換をし、加工を続ける。その後、両切れ刃210の切れ味が低下した場合には、インサート201をホルダ301から取り外して、すくい面213及び基部230におけるすくい面側表面213bを、両切れ刃210の刃先211の摩耗や欠け等の損傷部分が除去されるよう、適量、同一研磨代で平面研磨する。これにより、両切れ刃210の同時再生をする。その後、そのインサート201におけるいずれかの切れ刃210がねじ切り加工に用いられるように、これを、上述したのと同様にして、ホルダ301のクランプ部位310に、位置決めし、固定することで、ネジ加工を再開、継続できる。
このとき、この平面研磨(再研磨)後の切削インサート201は、すくい面213及び、第1被拘束面を含むすくい面側表面213bが、図9−Aに示したような新品時に比べ、図9−Bに示したように、研磨代T分、低位となるが、その研磨後のインサート201を、研磨前と同様にして刃先211の突出方向の位置決めをするようにして、ホルダ301のクランプ部位に、クランプスクリュー250のねじ止め、押え具401のホルダ固定用ボルト350の締め付けによる固定をすることで、その研磨に関係なく、刃先211位置は元の位置となって固定される。これにより、従来のような刃先211の位置決め作業を要することなく、以後、そのまま加工を再開できる。
すなわち、この固定において、研磨後の切削インサート201は、研磨前の状態から、クランプ部位の第2拘束壁面325に沿い、かつこれをガイドとして第2被拘束面を矢印H方向にスライドさせて、第1被拘束面が第1拘束壁面323に当たるまで、研磨代分、平行移動するだけであるから、刃先211位置に変位は生じない。これにより、従来のように、再研磨ごと、固定のための位置決めにおけるその位置の調整作業を要せず、簡易、迅速に刃先211を正しい刃先位置に戻すことができるから、スレッドワーリング加工を効率的に進めることができる。なお本例では、すくい面213及び基部230におけるすくい面側表面213bは、一平面としたが、例えば、すくい面側表面213bの一部が部分的に陥没していてもよいことは明らかである。
本例では、上述したように、インサート201を等脚台形の板状のものとして具体化したため、2つの切れ刃210を備えることができる上、1回の再研磨工程で、その2つの切れ刃210の再生ができる等より、研磨と共にインサート201のコストの低減が図られる。しかも、研磨においては、すくい面(台形の下底)213と対向する底面(台形の上底)240が、すくい面213と平行となるため、その底面を基準面とすることで、容易に平面研磨をすることもできるという効果も得られる。
また、本例の切削インサート201は、クランプスクリュー250によるねじ止めするための穴を、等脚台形における下底の中心に垂直に引いた直線上に延びる長穴とし、かつ、下底寄り側に対し上底寄り側が幅の広い長穴としている。このため、クランプスクリュー250の頭部外径を大きいものとしておくことで、研磨代Tが大きくなる場合でも、効率よくインサートを押えることができる。
なお、上記例では、切削インサート201の前逃げ面215及び基部230における前逃げ面側表面215bは、一平面をなすように形成されているものとしたが、本発明では、すくい面及び基部におけるすくい面側表面を研磨した後の切削インサートにおいて、研磨前の状態から、クランプ部位の第2拘束壁面に沿い、かつこれをガイドとして第2被拘束面(前逃げ面側表面)をスライドさせて、第1被拘束面(すくい面側表面)をクランプ部位の第1拘束壁面に当たるまで、研磨代分、平行移動したときに、刃先位置に変位が生じなければよい。このため、例えば、図10に示したような切削インサート501のように、前逃げ面215及び基部230における前逃げ面側表面215bは、一平面をなさないものとしておいてもよい。すなわち、図10−Aに示したように、基部230における前逃げ面側表面215bが、前逃げ面215と一平面をなさないが、前逃げ角と同じ角度をなすように、刃物角αをあらわすときに前逃げ面215において引いた直線と平行であれば、再研磨後においても、図10−Bに示したように、刃先211位置に変位を生じさせることがないためである。
上記例では、台形ねじ加工用の切削インサートを用いる場合で説明したが、切削インサートの切れ刃形状は、加工すべきねじ形状に応じて適宜のものに設定すればよいし、ねじ形状に関係なく、多条ねじの1パス加工用のものとする場合には、それに必要な刃先形状とすればよい。また、本発明における「スレッドワーリング加工」の対象は、ボルト等の締結用のおねじ部材、タッピンねじのように相手部材にねじを切るようにしてねじ込まれるねじ部品のような代表的なねじ部材に限られず、ウォームギヤを構成する一方のウォーム(ウォームシャフト)のようなねじ構造部材の加工も含まれるなど、外周面に一定の螺旋で隆起する一定の山(ねじ山)を有する軸部材の加工が含まれる。
また、ホルダは、そのクランプ部位への切削インサートの固定における刃先の突出方向の位置決めを、第1拘束壁面に第1被拘束面を、第2拘束壁面に第2被拘束面を、それぞれ押し付けることによって受け持たせることで、できればよく、したがって、適宜の形状、構造のものとして具体化できる。さらに、上記例では、カッタ本体に取付けられるホルダの位置を調節することで、新品時インサートの刃先位置を決めるものとしたため、加工対象の軸部材の外径、ねじ山高さの変化に広く対応できる。しかし、本発明では、カッタ本体におけるクランプ部位に、新品のインサートを固定することで、その刃先の位置決めをすることができるように、カッタ本体又は切削インサートの少なくとも一方に、例えば専用品が使用されるような場合には、上記例におけるようなホルダは要しない。すなわち、カッタ本体におけるクランプ部位が、ホルダとはいえないが、切削インサートを、その刃先を所望とする位置に位置決めでき、固定できるように構成されていれば、別途のホルダを要することなく、具体化できる。このように本発明は、上記した具体例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変更して具体化できる。
なお、上記各例では、切削インサートが、スレッドワーリング加工用の切削工具を構成するものにおいて具体化したが、上述したように、本発明の切削インサートは、スレッドワーリング加工用の切削工具を構成するものに限定されるものではなく、旋盤による通常のねじ加工に用いられる切削工具(バイト)や、それ以外の加工に用いられる切削工具を構成するものとしても適用できる。
100 スレッドワーリング加工用の切削工具
101 カッタ本体
201、501 切削インサート
210 切れ刃
211 刃先
213 すくい面
213b 基部におけるすくい面側表面
215 前逃げ面
215b 基部における前逃げ面側表面
230 切削インサートのクランプ部位への固定用の基部
301 ホルダ
310 クランプ部位
323 クランプ部位の第1拘束壁面
325 クランプ部位の第2拘束壁面
T 研磨代
α 刃物角

Claims (8)

  1. 環状をなすカッタ本体と、そのクランプ部位、又は該カッタ本体に取付け位置が調整可能に取付けられたホルダにおけるクランプ部位に固定された切削インサートとを含み、該切削インサートを、その切れ刃の刃先を該カッタ本体の環状内側において被削材の切り込み方向に所定量突出させて位置決めしてなるスレッドワーリング加工用の切削工具であって、
    前記切削インサートは、その切れ刃と、前記クランプ部位への固定用の基部を備え、該切れ刃を構成するすくい面と前逃げ面との交角である刃物角が鋭角をなし、該すくい面及び前記基部におけるすくい面側表面とが、仮想一平面に接するように形成され、かつ、再研磨用に所定の研磨代を備えていると共に、
    前記基部における前逃げ面側表面は、前記刃物角をあらわすとき、該前逃げ面側表面に沿って引いた直線と前記すくい面との交角が、該刃物角の角度と同じに形成されており、
    前記クランプ部位は、前記すくい面側表面を第1被拘束面として拘束する第1拘束壁面と、前記前逃げ面側表面を第2被拘束面として拘束する第2拘束壁面とを備えており、
    該クランプ部位への前記切削インサートの固定における前記刃先の突出方向の位置決めを、前記第1拘束壁面に前記第1被拘束面を、前記第2拘束壁面に前記第2被拘束面を、それぞれ押し付けることによって受け持たせていることを特徴とするスレッドワーリング加工用の切削工具。
  2. 前記切削インサートの該すくい面及び前記基部におけるすくい面側表面とが、一平面をなしていることを特徴とする請求項1に記載のスレッドワーリング加工用の切削工具。
  3. 前記切削インサートの前記前逃げ面及び前記基部における前逃げ面側表面とが、一平面をなしていることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載のスレッドワーリング加工用の切削工具。
  4. 前記切削インサートは、等脚台形で板状をなし、この等脚台形における下底と各脚との内角を刃物角とし、その下底の両端にそれぞれすくい面を有する構造で2つ、同じ切れ刃を備えるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のスレッドワーリング加工用の切削工具。
  5. 切れ刃と、クランプ部位への固定用の基部を備える切削インサートであって、
    該切れ刃を構成するすくい面と前逃げ面との交角である刃物角が鋭角をなし、該すくい面及び前記基部におけるすくい面側表面とが、仮想一平面に接するように形成され、かつ、再研磨用に所定の研磨代を備えていると共に、
    前記基部における前逃げ面側表面は、前記刃物角をあらわすとき、該前逃げ面側表面に沿って引いた直線と前記すくい面との交角が、該刃物角の角度と同じに形成されており、
    前記すくい面側表面と前記前逃げ面側表面とが、前記クランプ部位への固定における被拘束面をなすものとして形成されてなることを特徴とする切削インサート。
  6. 前記切削インサートの該すくい面及び前記基部におけるすくい面側表面とが、一平面をなしていることを特徴とする請求項5に記載の切削インサート。
  7. 前記切削インサートの前記前逃げ面及び前記基部における前逃げ面側表面とが、一平面をなしていることを特徴とする請求項5又は6のいずれか1項に記載の切削インサート。
  8. 前記切削インサートは、等脚台形で板状をなし、この等脚台形における下底と各脚との内角を刃物角とし、その下底の両端にそれぞれすくい面を有する構造で2つ、同じ切れ刃を備えるものであることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の切削インサート。
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