JP2005138193A - ピンミラーカッタ及びこれに装着されるスローアウェイチップ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 略台形平板状をなすチップ本体20の対向配置された一対の長側面22,22とチップ本体20の上下面21,21との交差稜線部に切刃を形成する。カッタ本体10の周面に形成された第一のチップ取付座13に対し、チップ本体20の厚み方向をカッタ本体10の径方向に略一致させて、チップ本体20の鋭角コーナー部24Aに形成された曲線刃25Aを切削に供するように、チップを装着する。カッタ本体10の端面12A(12B)に形成された第二のチップ取付座14に対し、チップ本体20の厚み方向をカッタ本体10の軸線O方向に略一致させて、チップ本体20の鈍角コーナー部24Bに形成された曲線刃25Aを切削に供するように、チップを装着する。
【選択図】 図1
Description
このピンミラーカッタは、軸線回りに回転される略円環状をなすカッタ本体の内周面に、第一のチップ取付座が複数形成されているとともに、カッタ本体の両端面に、第二のチップ取付座が複数形成されていて、これら第一のチップ取付座及び第二のチップ取付座に対して、同一種類のチップがそれぞれ装着されたものである。
また、第二のチップ取付座に装着されたチップは、その略平行四辺形平板状をなすチップ本体の鈍角コーナー部に形成された一の切刃が、アキシャルレーキ(軸方向すくい角):負、ラジアルレーキ(径方向すくい角):負となるように、カッタ本体の端面から突出させられて、クランクシャフトにおけるカウンターウェイト部の側面を加工するウェイブ刃とされている。
しかも、このようなチップのチップ本体が、上記のような鈍角コーナー部が切り落とされた他方の一対の側面を備えていることにより、その切り落とし分だけチップ本体の長さを長くしなければ切刃長さを十分に確保することができず、カッタ本体に形成されるチップ取付座の占有スペースが大きくなって、このカッタ本体の強度を低めてしまうのであった。加えて、チップ本体の形状が複雑であるため、その製造が困難であり、加工コストの増大を招いてしまうという問題もあった。
また、本発明によるチップは、本発明のピンミラーカッタに装着されるチップであって、略台形平板状をなすチップ本体の対向配置された一対の側面と前記チップ本体の上下面との交差稜線部に切刃が形成されていることを特徴とするものである。
また、チップ本体における他方の一対の側面のそれぞれが1つの壁面によって構成されていることにより、チップ本体の長さを長くせずとも切刃長さを十分に確保することができ、カッタ本体に形成されるチップ取付座の占有スペースを小さくして、このカッタ本体の強度を高く保つことができる。
さらには、チップ本体が簡略な形状をなしているため、その製造を容易にすることができ、加工コストの低減を図ることもできる。
本実施形態によるピンミラーカッタのカッタ本体10は、図1〜図2の要部拡大図に示すように、軸線O回りに回転される軸線Oを中心とした略円環状をなすものである。
このカッタ本体10において、径方向内周側を向く内周面11には、複数の第一のチップ取付座13…が、カッタ本体10の周方向に沿って略等間隔に形成され、軸線O方向外方側を向く両端面12A,12Bのそれぞれの内周面11側には、複数の第二のチップ取付座14…が、カッタ本体10の周方向に沿って略等間隔に形成されている。
カッタ本体10の一方の端面12Aに形成された複数の第二のチップ取付座14…は、他方の端面12B寄りの内周面11に形成された複数の第一のチップ取付座13…のそれぞれのわずかにカッタ回転方向T後方側に配置されるように周方向で配列され、カッタ本体10の他方の端面12Bに形成された複数の第二のチップ取付座14…も、一方の端面12A寄りの内周面11に形成された複数の第一のチップ取付座13…のそれぞれのわずかにカッタ回転方向T後方側に配置されるように周方向で配列されている。
ここで、チップ本体20の略中央部には、チップがネジ止めされるときに用いられるクランプネジを挿通させるための挿通孔20Aが、このチップ本体20の厚み方向(図3(b)における左右方向、上下面21に略直交する方向)を貫通するように形成されている。
チップ本体20の上下面21,21は、それぞれチップ本体20の長手方向(図3(a)における左右方向)の両端側部分において、チップ本体20の一対の短側面23,23に対してそれぞれ交差させられるのであるが、図3(c)に示すように、上下面21,21のそれぞれにおける上記長手方向の両端側部分は凸曲面状に加工されている。
上下面21において、一対の鋭角コーナー部24A,24A同士をつなぐ一方の短側面23への接続部分は、図3(c)の左側領域に示すように、短側面23に対して滑らかに接続される曲面部分21Aとされ、一対の鈍角コーナー部24B,24B同士をつなぐ他方の短側面23への接続部分は、図3(c)の右側領域に示すように、短側面23に対して滑らかには接続されない曲面部分21Bとされている。
詳述すれば、上下面21,21のそれぞれにおける曲面部分21A,21A,21B,21Bと、一対の長側面22,22との交差稜線部に、略凸曲線状をなすような曲線刃25Aが合計8つ形成され、上下面21,21のそれぞれにおける曲面部分21A,21A,21B,21Bを除いた部分と、一対の長側面22,22との交差稜線部に、略直線状をなすような直線刃25Bが合計4つ形成されており、1つのチップには、合計8つの曲線刃25A…と合計4つの直線刃25B…とが形成される。
このような突出状態に配置された曲線刃25Aと直線刃25Bとが、クランクシャフトにおけるピン部(シャフト部)の外周面を加工するピン刃となる。
そのため、ピン刃とされる曲線刃25AのラジアルレーキR(径方向すくい角)は、この曲線刃25Aが上記径方向外周側へ向かうにしたがいカッタ回転方向T前方側へ向かうように傾斜させられることによって、負に設定されている(例えば−8°)。
つまり、すくい面をなす長側面22と短側面23とが鋭角に交差する鋭角コーナー部24Aが存在しているために、ピン刃とされる曲線刃25Aの逃げ面をなす曲面部分21Aに対して逃げを与えたとしても、ピン刃とされる曲線刃25Aのアキシャルレーキを正に設定することができるようになっているのである。
このような突出状態に配置された曲線刃25Aが、クランクシャフトにおけるカウンターウェイト部の側面を加工するウェイブ刃となる。
このような突出状態に配置された曲線刃25Aが、クランクシャフトにおけるカウンターウェイト部の側面を加工するウェイブ刃となる。
そのため、ウェイブ刃とされる曲線刃25AのアキシャルレーキA(軸方向すくい角)は、この曲線刃25Aが上記軸線O方向内方側へ向かうにしたがいカッタ回転方向T前方側へ向かうように傾斜させられることによって、負に設定されている(例えば−6°)。また、ウェイブ刃とされる曲線刃25AのラジアルレーキR(径方向すくい角)は、この曲線刃25Aが上記径方向外周側へ向かうにしたがいカッタ回転方向T前方側へ向かうように傾斜させられることによって、負に設定されている(例えば−17°)。
したがって、本実施形態によれば、ピン刃とされる曲線刃25AのアキシャルレーキAを正に設定して、切削抵抗を効果的に低減させることができ、これにともない、高精度かつ安定したクランクシャフトの加工を継続していくことが可能となる。
加えて、チップ本体20は、単に略台形平板状をなしていて簡略な形状であるため、その製造を容易にすることができ、加工コストの低減を図ることもできる。
11 内周面
12A,12B 端面
13 第一のチップ取付座
14 第二のチップ取付座
20 チップ本体
21 上面、下面
21A,21B 曲面部分
22 長側面
23 短側面
24A 鋭角コーナー部
24B 鈍角コーナー部
25A 曲線刃
25B 直線刃
A アキシャルレーキ
R ラジアルレーキ
O カッタ本体の軸線
T カッタ回転方向
Claims (2)
- 軸線回りに回転される略円環状をなすカッタ本体の周面に第一のチップ取付座が形成され、前記カッタ本体の端面に第二のチップ取付座が形成されていて、
前記第一のチップ取付座には、略台形平板状をなすチップ本体の対向配置された一対の側面と前記チップ本体の上下面との交差稜線部に切刃が形成されているスローアウェイチップが、前記チップ本体の厚み方向を前記カッタ本体の径方向に略一致させて、前記チップ本体の鋭角コーナー部に形成された切刃を切削に供するように装着され、
前記第二のチップ取付座には、前記スローアウェイチップが、前記チップ本体の厚み方向を前記カッタ本体の軸線方向に略一致させて、前記チップ本体の鈍角コーナー部に形成された切刃を切削に供するように装着されていることを特徴とするピンミラーカッタ。 - 請求項1に記載のピンミラーカッタに装着されるスローアウェイチップであって、
略台形平板状をなすチップ本体の対向配置された一対の側面と前記チップ本体の上下面との交差稜線部に切刃が形成されていることを特徴とするスローアウェイチップ。
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