JP5050492B2 - 刃振れ調整機構および刃振れ調整機構を備えたスローアウェイ式切削工具 - Google Patents

刃振れ調整機構および刃振れ調整機構を備えたスローアウェイ式切削工具 Download PDF

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本発明は、切れ刃としてスローアウェイチップが工具本体に着脱自在に装着されてなるスローアウェイ式切削工具に用いられる刃振れ調整機構、および刃振れ調整機構を備えたスローアウェイ式切削工具に関する。
従来より、加工物の平面加工に使用される切削工具として、複数の切れ刃を有する正面フライスが使用されている。この正面フライスは、複数の切れ刃が切削に関与することから、各刃先の突き出し量のばらつきが仕上げ面に影響を及ぼし、切れ刃の振れが大きいと加工面の仕上がりが悪くなる。さらに、刃振れにより切削加工時にびびり振動が発生し易くなることから、仕上げ面粗さが悪化し、刃先の欠け等の工具損傷により工具寿命が減少する。また、各刃先の突き出し量にばらつきがあると、切削に伴って突き出し量の大きい切れ刃が優先的に磨耗してしまうため、切れ刃の交換やチップの取替えを頻繁に行う必要が生じる。そのため、切れ刃としてスローアウェイチップが着脱自在に装着されてなるスローアウェイ式正面フライスにおいては、各刃先の突き出し量を工具軸線方向に調整するための種々の刃振れ調整機構を備えたものが知られている。
このような刃振れ調整機構を有するスローアウェイ式正面フライスであっても、切れ刃の移動方向が規制されていない場合には、切れ刃が所定の移動方向以外の方向へずれる可能性がある。その結果、刃振れ調整の対象となっていない各切れ刃の振れが悪化すると、各切れ刃における切削抵抗の差が大きくなり、刃部の損傷やびびり振動の発生によって工具寿命が短くなったり加工面の仕上がりが悪くなったりする恐れがあった。そこで、この問題を解決するために、切れ刃の移動方向を規制するためのガイド部を設けたフライスカッターが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2006−150491号公報(第1図)
しかし、上記特許文献1の発明では、フライスカッター本体の取付座にガイド部が設けられることから、フライスカッターを製造するに際しては、工程数が多くなり長時間を要するという問題があった。また、インサートの着座面にセレーション溝が設けられることから、インサートを製造するに際しては、超硬合金等の硬質材料から構成されるインサートにセレーション溝を加工するのに長時間を要するため、製造効率が極めて悪く、製造コストが高くなってしまうという問題があった。
さらに、それらガイド部とセレーションとが互いに嵌まり込む形で取付座に装着されたインサートが、ガイド部に沿って移動されるように構成されていることから、フライスカッターを使用するに際しては、そのフライスカッター専用のインサートを装着する必要があり、汎用品との互換性を有しないため安価にフライスカッターを提供することができないという問題もあった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、刃先位置の調整を目的とする調整方向以外にずれることなく簡単に短時間で行うことができ、高い刃先位置精度を有する、加工物の仕上げ面粗さおよび工具寿命に優れたスローアウェイ式切削工具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の刃振れ調整機構および刃振れ調整機構を備えたスローアウェイ式切削工具は以下の手段を採用する。
請求項1に記載の発明は、スローアウェイ式切削工具に用いられる刃振れ調整機構であって、切削工具本体とこの工具先端部に形成されたチップ取付座に着脱自在に装着される切れ刃を有するスローアウェイチップとの間に、チップ取付座の底面より深くなるように形成された凹部に収容される調整駒を介在させ、この調整駒を、この調整駒の背面に接する押圧部材を介して調整方向に向けて凹部の底面に沿って平行に移動させることにより、スローアウェイチップの調整方向とは反対側を向く面がこれに接する調整駒の正面により押圧され、スローアウェイチップが調整方向に向かって突き出されて、切れ刃の位置が調整されることを特徴とする。
本発明によれば、スローアウェイ式切削工具に装着されたスローアウェイチップの刃先位置を調整する場合において、調整駒が、押圧部材により凹部の底面に沿って調整方向に押し出されることにより、これに接するスローアウェイチップがチップ取付座の底面および側面に沿って突き出されて、その切れ刃が調整方向と平行に移動することで刃先位置が目的とする位置に調整されるように構成されている。そのため、調整駒の正面と、これに接するスローアウェイチップの調整方向とは反対側を向く面との間に、摩擦が発生することがなく、調整方向以外の方向に余計な力が働くことがない。また、調整駒が調整方向と平行な方向に移動するので、スローアウェイチップが取付面上で回転してしまうこともない。したがって、安定した刃先振れ調整を行うことができる。しかも、切れ刃の位置が目的とする調整方向以外の方向へずれることがないので、多数のスローアウェイチップを有する切削工具に用いても、刃振れ調整を簡単に短時間で行うことができる。
さらに、調整方向以外の方向へ刃先がずれることがなく高い刃先位置精度を得ることができることから、本発明に係る刃振れ調整機構を備えたスローアウェイ式切削工具を用いれば加工物の仕上げ面粗さが向上する。そして、本発明に係る刃振れ調整機構を備えると、高い刃先位置精度により各切れ刃間の刃振れによる切削抵抗の差が減少するので、切削加工時のびびり振動の発生を抑制することができ、刃部の欠損、工具寿命の短縮、および加工物の仕上げ面粗さの悪化を防止することが可能となる。
また、本発明によれば、調整駒を収容するための凹部の底面がチップ取付座の底面よりも低くなるように形成されることから、調整ねじを緩めても凹部から調整駒が抜け落ちることがなく、その凹部の調整方向の幅は調整駒の幅より調整代の分だけ広く、凹部と調整駒との調整方向における隙間は調整代分のみとされることから、刃振れ調整時に調整駒ががたつくこともなく、作業性に優れる。
また、本発明は構造の簡単な機構であり、汎用のスローアウェイチップを使用できるので、容易に低コストで本発明をスローアウェイ式切削工具に採用することができる。
請求項2に記載の発明は、工具本体の先端部に形成されたチップ取付座に切れ刃を有するスローアウェイチップが着脱自在に装着されるスローアウェイ式切削工具であって、チップ取付座の底面よりも低くなるように形成された底面と、この底面に穿設されたねじ穴と、このねじ穴に螺合する調整ねじの頭部の一部と当接する略円弧状の溝が形成された壁面とを有する凹部が、調整方向とは反対側におけるチップ取付座に隣接して設けられるとともに、この凹部に収容される、調整ねじの頭部の一部と嵌合する略円弧状の溝が背面に形成された調整駒を備え、この調整駒を凹部に収容してねじ穴に調整ねじを螺入した際に、この調整駒の正面が、チップ取付座における調整方向とは反対側の拘束面になるように構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、調整ねじをねじ穴に螺入することにより、その調整ねじの頭部に接する調整駒が凹部の底面に沿って調整方向に押し出され、これに伴いその調整駒に接するスローアウェイチップがチップ取付座の底面および側面に沿って突き出されて、その切れ刃が調整方向と平行に移動する結果、目的とする刃先位置になるように構成されている。したがって、調整駒の正面と、これに接するスローアウェイチップの調整方向とは反対側を向く面との間に、摩擦が起きないため、調整方向以外の方向に余計な力が働くことがなく、また、スローアウェイチップが取付面上で回転してしまうこともないので、安定した刃先振れ調整を行うことができる。しかも、切れ刃の位置が目的とする調整方向以外の方向へずれることがないので、多数のスローアウェイチップを有する場合であっても、刃振れ調整を簡単に短時間で行うことができる。
さらに、調整方向以外の方向へ刃先がずれることがなく高い刃先位置精度を得ることができることから、切れ刃として多数のスローアウェイチップを備える場合であっても各切れ刃が切削時に描く軌跡が合致するので、加工物の仕上げ面粗さに優れる。各切れ刃の振れが小さくなると、各切れ刃間の切削抵抗の差が減少するので、切削加工時のびびり振動の発生を抑制することができる。その結果、刃部の欠損等の工具損傷の防止および工具寿命の延長を図るとともに、加工物の仕上げ面粗さの悪化を防止することが可能となる。
そして、各刃先の突き出し量にばらつきが生じないため、切削に伴って一部の突き出し量の大きい切れ刃が優先的に磨耗してしまうようなことがなく、多数のスローアウェイチップを有する場合であってもそれら複数の切れ刃が均等に磨耗していくこととなり、かつ、びびり振動による刃先の欠け等の刃部の欠損もないので、切れ刃の交換やチップの取替えの頻度が減少し、切削加工時の作業効率に優れる。
また、本発明によれば、調整駒を収容するための凹部の底面がチップ取付座の底面よりも低くなるように形成されることから、調整ねじを緩めた際においても凹部から調整駒が抜け落ちることがなく、その凹部の調整方向の幅は調整駒の幅より調整代の分だけ広く、凹部と調整駒との調整方向における隙間は調整代分のみとされることから、調整時に調整駒ががたつくこともないので、刃振れ調整時の作業性に優れる。
また、本発明は構造が簡単であり、汎用のスローアウェイチップを使用できるので、短時間で安価に刃振れ調整機構を備えたスローアウェイ式切削工具を提供することができる。
請求項1の発明によれば、切れ刃が目的とする調整方向以外にずれることなく、高い刃先位置精度を得ることができるとともに、刃先位置の調整を簡単に短時間で行うことが可能であるという効果を奏する。そして、本発明をスローアウェイ式切削工具に採用すれば、加工物の仕上げ面粗さの向上、切削加工時のびびり振動の抑制、および工具寿命の延長を図ることができる。
請求項2の発明によれば、刃先位置精度が高く、切れ刃が目的とする調整方向以外にずれることのない、加工物の仕上げ面粗さおよび工具寿命に優れた刃振れ調整機構を備えたスローアウェイ式切削工具を、短時間かつ安価に提供することができるという効果を奏する。また、刃振れ調整時の作業性に優れるとともに、切れ刃の欠け等による切れ刃の交換やチップの取替えの頻度が少なく切削加工時の作業効率に優れる。
以下に、本発明の刃振れ調整機構および刃振れ調整機構を備えたスローアウェイ式切削工具の一実施例である正面フライスについて、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の刃振れ調整機構を備えたスローアウェイ式切削工具の一実施例を示す正面フライスの正面図であり、図2はその底面図、図3はそのスローアウェイチップおよび調整駒の装着前における先端外周部分の拡大図、図4はそれら装着後の先端外周部分の拡大図、図5はそのA−A線に沿った縦断面図である。また、図6は、本発明の刃振れ調整機構に用いられる調整駒の一実施形態を示す調整駒の斜視図である。そして、図7は、本発明の刃振れ調整機構に用いられる押圧部材の一実施例を示す調整ねじの斜視図である。
本実施例に係る正面フライス300の本体は、例えばJIS G 4053、JIS G 4404等の鋼材等で構成され、図1および図2に示されるように、略円盤状をなし、その中央部には工具本体を工作機械の主軸に取り付けるための取付穴が軸線に沿って貫通形成され、その先端側外周部には工具本体の外周面及び先端面に開口するように複数のチップポケットおよびチップ取付座35が設けられるとともに、このチップ取付座の工具後端側に隣接して凹部30が設けられている。
これらのチップ取付座35は、図3に示されるように、平坦面をなす底面36とこれに交差するとともに調整方向Xと平行に延設された側面37とを有し、その底面にはねじ穴が穿設されている。
一方、この正面フライス300に装着されるスローアウェイチップ400は、超硬合金、サーメット、セラミックス等から構成される略四角形の平板状をなし、その辺稜部には切れ刃が形成されるとともに、その中央部には取付穴が貫通形成されている。
つまり、スローアウェイチップ400は、図4に示されるように、チップ取付座35に着座させた後、取付穴を介して取付ねじをチップ取付座35の底面36に穿設されたねじ穴に螺入して、取付ねじの頭部を取付穴に係止させることにより、工具本体300に着脱可能に装着される。
このように切れ刃として複数のスローアウェイチップが装着された正面フライス300を、工具本体をその軸線回りに回転させつつ軸線と交差する方向に送りを与え、被加工物に接触させながら移動させて使用することにより、工具外周側に向けられた外周刃と工具先端側に向けられた正面刃40によって切削が行われる。
また、これらの凹部30は、図3に示されるように、平坦面をなす底面33とこれに交差する壁面31とを有し、その底面33にはねじ穴34が穿設されるとともに、その壁面31にはこのねじ穴34に螺合する調整ねじ200の頭部20の一部と接する略円弧状の溝32が形成されている。
一方、この凹部30に収容される調整駒100は、例えばJIS G 4053等の鋼材等から構成され、図6に示されるように、使用時においてチップ取付座35の工具後端側における拘束面となる正面10と、これに平行する背面11とを有し、その背面11には調整ねじ200の頭部20の一部と嵌合する略円弧状の溝12が形成されている。
そして、この調整駒100を押圧するための押圧部材として用いられる調整ねじ200は、例えば、JIS G 4053等の鋼材等からなり、図7に示されるように、外周面にねじ山を形成したねじ部と、このねじ部の一端に一体的に形成される頭部20とから構成されている。
つまり、この調整駒100は、図4および図5に示されるように、凹部30に収容させた後、調整ねじ200をねじ穴34に螺入して調整ねじ200の頭部20を略円弧状の溝32,12に係止させることにより、その正面10がスローアウェイチップ400の工具後端側を向く面に拘束され、その背面11,12が凹部30の壁面31,32に拘束されるとともに、その底面が凹部30の底面33に拘束されて、工具本体300に固定される。
なお、調整ねじ200には曲げの力が働くため、凹部30の壁面31に設けられた略円弧状の溝32に調整ねじ200の頭部20を接触させ、工具本体側でも力を受けるように構成されている。
そして、この調整駒100は、調整ねじ200を締め込むことにより、調整ねじ200の頭部20に押圧されて凹部30の底面33に沿って調整方向Xと平行に押し出され、その正面10がスローアウェイチップ400の工具後端側を向く面を押圧することで、スローアウェイチップ400をチップ取付座35の底面36および調整方向Xと平行に延設された側面37に沿って突き出し、切れ刃40を調整方向Xと平行に移動させて、刃先位置を調整する。
このように刃振れ調整時において調整駒100が凹部30の底面33に沿って調整方向Xと平行に移動するので、調整駒100の正面10と、これに接するスローアウェイチップ400の調整方向とは反対側を向く面との間に、摩擦が発生することがなく、調整方向以外の方向に余計な力が働くことがない。また、切れ刃40の移動方向がチップ取付座の底面36および側面37により規制されており、調整駒100が調整方向Xと平行な方向に移動することから、スローアウェイチップ400がチップ取付座面36上で回転してしまうこともない。したがって、安定した刃先振れ調整を行うことができる。
その上、拘束面に摩擦が起きないことから、刃振れ調整に伴い調整駒100が痛むこともなく、同じ調整駒100を長期にわたって使用することができ、スローアウェイチップ400が欠けることもなく、工具寿命が長い。
また、切れ刃40の位置が目的とする調整方向以外の方向へずれることがないので、多数のスローアウェイチップ400を有する正面フライス300であっても、刃振れ調整を簡単に短時間で行うことができる。
しかも、本実施例によれば、調整方向以外の方向へ刃先がずれることがなく高い刃先位置精度を得ることができることから、切れ刃として多数のスローアウェイチップ400を備える場合であっても各切れ刃が切削時に描く軌跡が合致するので、加工物の仕上げ面粗さに優れる。また、各切れ刃の振れが小さくなると、各切れ刃間の切削抵抗の差が減少するので、切削加工時のびびり振動の発生を抑制できることから、これによる刃部の欠損、工具損傷、および加工物の仕上げ面粗さの悪化を防止できる。
このような高い切れ刃精度により各刃先の突き出し量にばらつきが生じないと、切削に伴って一部の突き出し量の大きい切れ刃40が優先的に磨耗してしまうようなことがなく、多数のスローアウェイチップ400を有する場合であってもそれら複数の切れ刃40が均等に磨耗していくことになるので、びびり振動による刃先の欠け等の刃部の欠損もないことから、切削に伴う切れ刃40の交換やチップ400の取替えの頻度が少なくてすむ。したがって、切削加工時の作業効率に優れる。
さらに、本実施例において、調整駒100を収容するための凹部30は、図5に示されるように、その底面33がチップ取付座35の底面36よりも低くなるように形成されている。したがって、調整ねじを緩めても凹部から調整駒が抜け落ちることがなく、刃振れ調整時の作業性に優れる。
この凹部30の調整方向Xの幅D(図3参照)は、調整駒100の幅W(図6参照)よりも調整代の分だけ広くなるように形成されることが好ましい。このように凹部30と調整駒100との調整方向Xにおける隙間が調整代分のみとされることにより、刃振れ調整時の調整駒のがたつきを抑えることができ作業性に優れるからである。その上、その調整代と刃先移動量の関係が一定になるので、作業者の経験や熟練に頼ることなく刃振れの微調整を容易に行うことができ、安定して高い刃先位置精度を得ることができるからである。
また、本実施例における刃振れ調整機構は構造が簡単であり、切れ刃をして汎用のスローアウェイチップを使用できるとともに、押圧部材として汎用のねじを使用することができるので、短時間で安価に刃振れ調整機構を備えたスローアウェイ式切削工具を提供することができる。
ここで、正面フライスは旋削と異なり複数の切れ刃が切削に関与するため、刃先突き出し量のばらつきが仕上げ面に影響を与え、特に工具軸方向の正面刃40の振れが直接影響を及ぼすとことから、調整方向Xは、切り込み方向である工具先端側に向かう方向とするのが好ましい(図1参照および図5参照)。そのため、本実施例においては、調整駒100を収容するための凹部30をチップ取付座35の工具後端側に隣接して設け、刃先位置調整時に調整駒100が工具軸方向に移動して切れ刃40が工具先端側Xに向かって突き出されるような構成を採っている。
しかしながら、本発明に係る刃振れ調整機構における刃先位置の調整方向Xおよび調整駒100を収容するための凹部30の位置は、前記実施例に限定されるものではない。例えば、工具径方向の外周刃の振れの調整を目的とする場合には、刃先位置の調整方向を送り方向とすべく、凹部30をチップ取付座の工具中心側に隣接して設け、刃先位置調整時に調整駒100が工具径方向に移動して切れ刃が工具外周側に向かって突き出されるような構成を採用することもできる。
さらに、刃先位置の調整を切り込み方向と送り方向の双方において行いたい場合には、チップ取付座の工具後端側と工具中心側に2つの凹部30を形成し、2つの調整駒を用いて刃振れ調整を行うように構成することも考えられ、凹部30および調整駒100の個数も前記実施例に限定されるものではない。
また、刃数の多い正面フライスや工具径の小さいフライス等においては、工具剛性の観点から、刃振れ調整機構を設けるにあたり設計上の制限を受ける場合がある。そのため、本実施例においては、調整駒100を調整方向Xに移動させるための押圧部材として、調整ねじ200を採用している。調整ねじ200によれば、ねじ1個で調整駒100を移動させるため、構造がシンプルで設計的にもコンパクトであることから工具設計上の自由度が高いからである。しかも、汎用のねじを調整ねじ200として使用でき、製造工程数および工具点数が少なく安価に短時間で刃振れ調整機構を設けることができる。
しかしながら、本発明にかかる刃振れ調整機構に用いられる押圧部材は、調整駒100を調整方向Xに押圧し凹部30の底面33に沿って移動させるものであればこれに限定されるものではなく、例えば調整くさび等を用いてもよい。
なお、前記実施例においては、本発明に係る刃振れ調整機構を備えたスローアウェイ式切削工具として、正面フライス300を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、スローアウェイバイト、スローアウェイリーマ、スローアウェイエンドミル等の多種の切削工具に適用することができる。
また、スローアウェイチップ400を取付ねじを用いて工具本体に装着するスクリュークランプ方式を採用した正面フライス300を図示したが、これに代えて、取付穴に嵌挿した偏心ピンや傾動ピンによりクランプする方式、スローアウェイチップの厚さ方向上方より楔でクランプする方式、押さえ駒でクランプする方式等を採用してもよく、前記実施例に限定されるものではない。
また、前記実施例においては、スローアウェイチップ400として略四角形の平板状をなすものを用いたが、菱形、平行四辺形、六角形等の略多角形の平板状のスローアウェイチップを用いてもよく、これに限定されるものではない。
さらに、切れ刃として用いられるスローアウェイチップ400は、ネガティブチップでもポジティブチップでもよく、ポジティブチップを使用する場合には調整駒100の正面30もこれに合わせて傾斜するように形成するのが好ましい。調整駒100の正面10と、これに接するスローアウェイチップ400の調整方向とは反対側を向く面との間の拘束面が全面当たり状態となって安定するからである。
本発明の刃振れ調整機構を備えたスローアウェイ式切削工具の一実施例を示すを正面フライスの正面図である。 図1に示す正面フライスの底面図である。 図1に示す正面フライスのスローアウェイチップおよび調整駒の装着前における先端外周部分を示す拡大図である。 図1に示す正面フライスのスローアウェイチップおよび調整駒の装着後における先端外周部分を示す拡大図である。 図1に示す4のA−A線に沿う平面で切断した縦断面図である。 本発明の刃振れ調整機構に用いられる調整駒の一実施形態を示す調整駒の斜視図である。 本発明の刃振れ調整機構に用いられる押圧部材の一実施例を示す調整ねじの斜視図である。
符号の説明
10 正面
11 背面
30 凹部
33 凹部の底面
35 チップ取付座
36 チップ取付座の底面
40 切れ刃
100 調整駒
200 調整ねじ(押圧部材)
300 正面フライス
400 スローアウェイチップ
X 刃先位置の調整方向

Claims (1)

  1. 工具本体の先端部に形成されたチップ取付座に切れ刃を有するスローアウェイチップが着脱自在に装着されるスローアウェイ式切削工具であって、
    前記チップ取付座の底面よりも低くなるように形成された底面と、この底面に穿設されたねじ穴と、このねじ穴に螺合する調整ねじの頭部の一部と当接する略円弧状の溝が形成された壁面とを有する凹部が、調整方向とは反対側におけるチップ取付座に隣接して設けられるとともに、
    この凹部に収容される、前記調整ねじの頭部の一部と嵌合する略円弧状の溝が背面に形成された調整駒を備え、
    この調整駒を前記凹部に収容して前記ねじ穴に前記調整ねじを螺入した際に、この調整駒の正面が、前記チップ取付座における調整方向とは反対側の拘束面になるように構成されていることを特徴とする刃振れ調整機構を備えたスローアウェイ式切削工具。
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